JP2003326648A - 物品の表面塗装、塗装物品および塗装物品の製造方法 - Google Patents

物品の表面塗装、塗装物品および塗装物品の製造方法

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JP2003326648A
JP2003326648A JP2002140136A JP2002140136A JP2003326648A JP 2003326648 A JP2003326648 A JP 2003326648A JP 2002140136 A JP2002140136 A JP 2002140136A JP 2002140136 A JP2002140136 A JP 2002140136A JP 2003326648 A JP2003326648 A JP 2003326648A
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toner layer
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Hironori Hata
宏則 畑
Yasumasa Yamada
泰雅 山田
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Natoco Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】転写トナー層、および転写トナー層上に設けら
れた上塗り層を備えている表面塗装において、転写トナ
ー層の耐熱軟化性、耐水性を向上させ、転写トナー層の
輪郭のにじみやぼやけを抑制する。 【解決手段】塗装物品は、物品1上に転写されたトナー
からなる転写トナー層4A、および転写トナー層4A上
に設けられた上塗り層5を備えており、この上塗り層5
が、電子線照射によって硬化した電子線硬化型塗料から
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、転写トナー層を利
用した、物品への密着性が高く、耐熱軟化性、耐水性が
高く、模様が鮮明な物品の表面塗装、塗装物品および塗
装物品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の壁、天井等の内装、家
具、キャビネット等の表面装飾材として用いられる化粧
シートは、その物品シートにポリ塩化ビニルシートが多
く使用されている。化粧板は、例えば紫外線硬化型クリ
アーを用いて被覆することが多い。
【0003】特開2001−87703号公報に記載の
化粧板においては、物品上に、アクリルウレタン系樹脂
塗料からなるシーラーを塗布し、シーラーの上にベース
コート付きの絵柄層を載せ、絵柄層の上に電子線硬化型
クリアーを塗布している。そして電子線硬化型クリアー
に電子線を照射し、クリアーを硬化させることによっ
て、艶消し塗膜層を形成し、高耐候性の化粧板を製造す
る。また、特開2001−129928号公報において
は、着色された不透明な電子線硬化型樹脂塗料と、電離
放射線硬化型樹脂塗料とを組み合わせ、化粧板を製造し
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、所定パタ
ーンの模様を有するトナー層を物品上に転写し、化粧板
を製造することを試みてきた。トナー層は、複雑で高精
細のパターンを形成することが容易であるので、化粧板
への転写トナー層の適用に成功すれば、複雑で高精細の
模様を有する化粧板を高い生産性で量産できるはずであ
る。
【0005】しかし、現実に実験研究を重ねてみると、
次の問題があることが判明してきた。即ち、トナー層を
物品上に転写して化粧板を製造したとき、化粧板の転写
トナー層の耐熱軟化性、耐水性に限界があり、また転写
トナー層の物品への密着性の向上に限界があった。ま
た、塗料を転写トナー層上に塗布して硬化させる過程に
おいて、塗料塗布後に転写トナー層の輪郭ににじみやぼ
やけが生じ、所望の高精細の模様を浮きださせることが
できない場合があった。
【0006】本発明の課題は、物品上に転写されたトナ
ーからなる転写トナー層、およびこの転写トナー層上に
設けられた上塗り層を備えている表面塗装において、転
写トナー層の耐熱軟化性、耐水性を向上させ、転写トナ
ー層の輪郭のにじみやぼやけを抑制できるようにするこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、物品の表面塗
装であって、物品上に転写されたトナーからなる転写ト
ナー層、および転写トナー層上に設けられた上塗り層を
備えており、上塗り層が、電子線照射によって硬化した
電子線硬化型塗料からなることを特徴とする。
【0008】また、本発明は、物品と前記表面塗装とを
備えていることを特徴とする、塗装物品に係るものであ
る。
【0009】また、本発明は、物品と、この物品上の表
面塗装とを備える塗装物品の製造方法であって、物品上
にトナーを転写することによって転写トナー層を形成
し、転写トナー層上に電子線硬化型塗料を塗布し、電子
線硬化型塗料に対して電子線を照射することによって上
塗り層を形成することを特徴とする。
【0010】本発明によれば、物品上に転写されたトナ
ーからなる転写トナー層、およびこの転写トナー層上に
設けられた上塗り層を備えている表面塗装において、転
写トナー層の耐熱軟化性、耐水性を向上させることがで
きる。その上、電子線硬化型塗料の場合には、転写トナ
ー層上に塗布し、電子線照射によって硬化させた後にお
いても、転写トナー層の輪郭のにじみやぼやけを防止で
きることを見いだし、本発明に到達した。
【0011】図面を参照しつつ、本発明について更に詳
細に説明する。図1(a)は電子線照射前の塗工品を示
す断面図であり、図1(b)は塗装物品7を示す断面図
である。物品1上に下地層2を形成し、下地層2上に下
塗り層3を塗布する。次いで、所定のベースコート上に
形成されたトナー層を下塗り層3上に転写し、転写トナ
ー層4を形成する。次いで、転写トナー層4上に塗布層
5を形成する。塗布層5は電子線硬化型塗料からなる。
【0012】ここで、塗布層5を構成する電子線硬化型
塗料が、矢印Bのように転写トナー層4中に若干浸透
し、更に下塗り層3に接触し、浸透する。この際、電子
線硬化型塗料は実質的に有機溶剤を含有しておらず、あ
るいは少量しか含有していないので、溶剤によるトナー
模様のにじみやぼやけは発生せず、電子線硬化型塗料の
塗装後にも、転写トナー層の精細度は高く維持されるこ
とが判明した。
【0013】次いで、塗布層5側から電子線を矢印Aの
ように照射する。これによって塗布層5が硬化し、図1
(b)に示すように上塗り層6を生じさせる。この際、
前述したように、矢印Bのように電子線硬化型塗料が転
写トナー層4、下塗り層3に浸透し、接触している。電
子線は、他の放射線に比べて塗料中に深く照射され、塗
料を硬化させるという性質がある。この結果、転写トナ
ー層4内に浸透した塗料や、下塗り層3と接触するに至
った塗料も、電子線によって硬化することが判明した。
この結果、電子線硬化型塗料の硬化によって補強された
下塗り層3Aおよび転写トナー層4Aが生ずる。
【0014】このように、転写トナー層4内に浸透した
電子線硬化型塗料の硬化によって、転写トナー層の物性
が改善され、その密着性、耐熱軟化性、耐水性が向上し
た。
【0015】
【発明の実施の形態】本発明で使用可能な物品の種類は
特に限定されない。物品は、例えば、繊維質物品、木質
物品、樹脂物品、金属物品、無機質物品、複合材料物品
であってよい。繊維質物品としては、木質紙、合成紙、
不織布、織布を例示できる。木質物品としては、木板単
体、木材合板、パーティクルボード、中密度繊維板(M
DF)を例示できる。金属物品としては、鉄板、アルミ
ニウム板、亜鉛メッキ鋼板、ポリ塩化ビニルゾル塗工鋼
板、銅板を例示できる。無機質物品としては、石膏板、
石膏スラグ板、硅酸カルシウム板、石綿スレート板、軽
量発泡コンクリート板、セラミック板を例示できる。樹
脂物品としては、アクリル、ポリカーボネート、エチレ
ンー酢酸ビニル共重合体、エチレンビニルアセテート、
ポリエステル、ポリスチレン、ポリオレフィン、AB
S、フェノール樹脂塩化ビニル、セルロース系樹脂等の
熱可塑性樹脂板、フェノール樹脂、尿素樹脂、不飽和ポ
リエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メ
ラミン樹脂等の熱硬化性樹脂板を例示できる。複合材料
物品としては、FRP板が挙げられる。
【0016】物品の形状は限定されず、平板、曲面板、
シート、フィルム、各種立体形状物品、成形品(射出成
形品等の曲面を有する成形品を含む)に対して適用でき
る。
【0017】電子線硬化型塗料は、分子中に重合性不飽
和結合又はカチオン重合性官能基を有するプレポリマー
またはオリゴマーと、モノマーとを含有する組成物であ
り、電子線により硬化可能なものである。電子線硬化型
塗料は、塗工性を有しており、電子線照射による硬化が
可能である限り、特に限定されず、公知の電子線硬化型
塗料をすべて利用可能である。
【0018】電子線硬化型樹脂は、例えば、分子中に
(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリロイルオキシ
基等のラジカル重合性不飽和基、エポキシ基等のカチオ
ン重合性官能基又はチオールを2個以上有する単量体、
プレポリマー、オリゴマーからなるものである。ここ
で、(メタ)アクリロイル基とは、アクリロイル基又は
メタアクリロイル基の意味である。
【0019】プレポリマー、オリゴマーの例としては、
不飽和ジカルボン酸と多価アルコールの縮合物等の不飽
和ポリエステル類、ポリエステルメタクリレート、ポリ
エーテルメタクリレート、ポリオールメタクリレート、
メラミンメタクリレート等のメタクリレート類、ポリエ
ステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタン
アクリレート、ポリエーテルアクリレート、ポリオール
アクリレート、メラミンアクリレート等のアクリレート
類、カチオン重合型エポキシ化合物が挙げられる。
【0020】カチオン重合性官能基を有するプレポリマ
ーの例としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ノボ
ラック型エポキシ樹脂等のエポキシ系樹脂、脂肪族系ビ
ニルエーテル、芳香族系ビニルエーテル等のビニルエー
テル系樹脂のプレポリマーが挙げられる。
【0021】カチオン重合性官能基を有する単量体の例
としては、上記カチオン重合性官能基を有するプレポリ
マーの単量体が利用できる。チオール基を有する単量体
の例としては、トリメチロールプロパントリチオグリコ
レート、トリメチロールプロパントリチオプロピオネー
ト、ジペンタエリスリトールテトラチオグリコレートが
ある。
【0022】ラジカル重合性不飽和基を有するプレポリ
マーの例としては、ポリエステル(メタ)アクリレー
ト、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)
アクリレート、メラミン(メタ)アクリレート、トリア
ジン(メタ)アクリレート、シリコーン(メタ)アクリ
レート等が使用できる。分子量としては、250〜10
0,000程度のものが用いられる。
【0023】ラジカル重合性不飽和基を有する単官能単
量体の例としては、(メタ)アクリレート化合物の単官
能単量体、例えば、メチル(メタ)アクリレート、2−
エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェノキシエチ
ル(メタ)アクリレートがある。
【0024】ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単
量体の例としては、ジエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパンエチレンオキサイドトリ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ
(メタ)アクリレートがある。
【0025】電子線硬化型塗料には、ウレタン系樹脂、
セルロース系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹
脂、ブチラール樹脂、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニルなど、他の樹脂を添
加してよい。また、重合開始剤、レベリング剤、シラン
カップリング剤などの他の添加剤を添加できる。
【0026】転写トナー層は例えば以下のようにして作
製できる。即ち、離型紙に、カラートナーを使用した複
写機を用いて印刷を行い、この印刷されたトナー層を別
の素材上に熱転写する。離型紙は例えばシリコーン離型
紙であり、転写温度は例えばロール面で170〜180
℃である。
【0027】転写トナー層における模様は限定されな
い。例えば、木目柄、石目柄、布目柄、皮絞模様、幾何
学図形、文字、記号、抽象模様、全面ベタ印刷であって
よい。本発明によれば、例えば大理石模様のような複雑
で高精細の模様を、輪郭のニジミやボヤケなしに実現可
能である。
【0028】好適な実施形態においては、物品に下塗り
層3を設けた後に転写トナー層4を設ける。この作用効
果について述べる。転写トナー層には、通常は離型材が
付着しており、このために転写トナー層4と下地との密
着性が低くなる傾向がある。しかし、電子線硬化型塗料
の一部が下塗り層3まで浸透し、あるいは接触した後
に、電子線を照射すると、下塗り層3が強化され、下塗
り層と転写トナー層および塗布層との密着性が高くな
り、剥離しにくくなり、耐久性が向上する。
【0029】好適な実施形態においては、下塗り層が未
反応の反応性官能基を備えている。この反応性官能基
は、電子線照射時に、電子線硬化型塗料中の重合性官能
基と反応しやすく、これによって下塗り層と転写トナー
層との密着性が一層向上する。
【0030】下塗り層に残留する未反応の反応性官能基
は、好ましくはイソシアネート基、シラノール基、ラジ
カル重合性不飽和基等が好ましい。
【0031】下塗り層を形成するための塗料は特に限定
されないが、以下のモノマーやオリゴマーを含有する塗
料が好ましい。ラジカル重合性不飽和基を有する単官能
単量体、ラジカル重合性不飽和基を有する多官能単量
体、イソシアネート基含有化合物、シランカップリング
剤、チタネートカップリング剤、ブチラール樹脂、セル
ロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプ
ロピオネート等
【0032】本発明においては、図1(a)に示すよう
に塗布層5に電子線を照射し、図1(b)の塗装物品7
を製造できる。しかし、図2(a)に示すように上塗り
層6上に活性エネルギー線硬化型塗料を塗布し、塗布層
8に活性エネルギー線を矢印Dのように照射することに
より、図2(b)に示す硬化被膜9を生成させることが
できる。塗料8は、好ましくは電子線硬化型塗料または
紫外線硬化型塗料であり、特に好ましくは電子線硬化型
塗料である。好ましい電子線硬化型塗料については前述
した。
【0033】好適な実施形態においては、塗布層5がシ
リコーン樹脂を含んでおり、特に好ましくは塗料8もシ
リコーン樹脂を含んでいる。この作用効果について述べ
る。転写トナー層は、前述したように離型剤を含有して
おり、離型剤はシリコーン樹脂系であることが多い。こ
の離型剤の作用により、転写トナー層4上に上塗り層用
塗料5を塗布したときに、塗料のハジキが生じやすい。
この結果、転写トナー層4Aと上塗り層6との密着性が
低下し、また上塗り層6の表面の平滑性が低下すること
がある。
【0034】これに対して、塗布層5にシリコーン樹脂
を含有させることによって、転写トナー層による上塗り
層用塗料のハジキが防止される。また、塗料8(図2
(a)参照)に含有されたシリコーン樹脂は、硬化後に
硬化被膜9の表面近傍に集まり、平滑な表面をもたらす
ように作用する。
【0035】こうしたシリコーン樹脂としては、以下を
例示できる。ポリエステル変成水酸基含有ポリジメチル
シロキサン、ポリエーテル変成水酸基含有ポリジメチル
シロキサン、ポリエステル変成アクリル基含有ポリジメ
チルシロキサン、ポリエーテル−ポリエステル変成水酸
基含有ポリジメチルシロキサン、アクリル基含有ポリジ
メチルシロキサン等のシリコーン樹脂
【0036】好ましくは、物品を40℃以上、60℃以
下の温度に保持しつつ、電子線硬化型塗料の塗布を行
う。これによって、電子線硬化型塗料の転写トナー層お
よび下塗り層への吸い込みが促進され、上塗り層および
転写トナー層の下塗り層への密着性、耐沸騰水性、耐温
水性が良好となる。
【0037】電子線硬化型塗料の粘度は60秒(フォー
ドカップ No.4:25℃)以下であることが好まし
い。これによって塗料の転写トナー層および下塗り層へ
の含浸、吸収が促進され、上塗り層および転写トナー層
の下塗り層への密着性、耐沸騰水性、耐温水性が良好と
なる。
【0038】電子線硬化型塗料を塗布した後のセッティ
ング時間は、2.5分間以上が好ましく、これによって
塗料の消泡が促進される。この観点からは7.5分間以
上が更に好ましい。また、転写トナー層のニジミを抑制
するという観点からは、セッティング時間を25分間以
下とすることが好ましく、10分間以下とすることが更
に好ましい。
【0039】電子線を照射する場合、加速電圧は限定さ
れないが、例えば100〜1000KeVとすることが
できる。吸収線量も限定されないが、例えば1〜300
kGy(キログレイ)である。
【0040】下地層2は必ずしも必要ないが、下塗り層
3の物品表面への密着性を改善するという観点からは下
地層2を設けることが好ましい。また、下地層を着色す
ることによって、物品表面の模様や色彩を隠蔽し、トナ
ー層の模様の背景を提供することができる。
【0041】下地層2用の塗料としては、エポキシ樹脂
塗料、メラミン樹脂塗料、アクリル樹脂塗料、ポリエス
テル樹脂塗料、ウレタン樹脂塗料等を例示できる。
【0042】物品1表面の研磨は十分に行うことが好ま
しく、これによって耐沸騰水性、耐温水性、耐キャスタ
ー性、耐衝撃性が一層向上する。この観点からは、♯2
40〜♯1000の砥粒を用いて研磨することが好まし
い。
【0043】本発明の塗装物品は、壁、天井、床等の建
築物の内装、窓枠、扉、手すり等の建具の表面化粧、家
具又は弱電・OA機器のキャビネットの表面化粧、自動
車、電車等の車両の内装、航空機の内装、窓硝子の化粧
等に利用できる。
【0044】
【実施例】(各例の塗装物品の製造)表1、表3、表5
に示す各実施例、比較例の各塗装物品を製造した。まず
各例における物品の種類は表1、3、5の「物品」の項
目に示す。各物品を♯240の砥粒で研磨した。次い
で、物品上に白色塗料を塗布し、下地層2を成膜した。
ただし、実施例7ではプライマーを塗布した。次いで、
下地層2の上にウレタンクリアーを塗布し、下塗り層3
を形成した。これを表記載の条件で乾燥し、トナーを熱
転写した。ただし、比較例2においては昇華型熱転写を
行った。次いで、物品を40〜60℃にプレヒートし
た。ただし、実施例2ではプレヒート温度が30℃であ
り、実施例5ではプレヒートを行っていない。次いで、
電子線硬化型塗料または紫外線硬化型塗料を塗布し、塗
布層5を成膜し、電子線または紫外線を照射して上塗り
層6を生成させた。次いで、電子線硬化型塗料または紫
外線硬化型塗料8を塗布し、電子線または紫外線を照射
し、硬化被膜9を生成させた。以下は、各例で使用した
塗料の組成および照射線量である。
【0045】(実施例1) 電子線硬化型塗料(塗布層5用)(重量部) ポリエステルアクリレート塗料 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 「減摩材#500 」 10 照射線量:2Mrad 電子線硬化型塗料(塗料8用)(重量部) ポリエステルアクリレート塗料 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 照射線量:5Mrad
【0046】(比較例1) 紫外線硬化型塗料(下側)(重量部) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 「減摩材#500 」 10 光開始剤「チヌビン184」 3 紫外線硬化型塗料(上側)(重量部) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 光開始剤「チヌビン184 」 3
【0047】(実施例2) 電子線硬化型塗料(塗料5用)(重量部) ポリエステルアクリレート塗料 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 「減摩材#500 」 10 照射線量:2Mrad 電子線硬化型塗料(塗料8用)(重量部) ポリエステルアクリレート塗料 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 照射線量:5Mrad
【0048】(実施例3) 電子線硬化型塗料(塗料5用)(重量部)(シリコーン
樹脂なし) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 「TPGDA 」 50 「減摩材#500 」 10 光開始剤「チヌビン184」 3 照射線量:2Mrad 紫外線硬化型塗料(塗料8用)(重量部)(シリコーン
樹脂なし) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 光開始剤「チヌビン184 」 3
【0049】(実施例4) 電子線硬化型塗料(塗料5用) 実施例1において、「TPGDA 」を1,4−ブタンジオー
ルに変更した。 電子線硬化型塗料(塗料8用) 実施例1において、「TPGDA 」を1,4−ブタンジオー
ルに変更した。 (実施例5) 電子線硬化型塗料(塗料5用) 実施例1において、「減摩材#500 」を除いた。 電子線硬化型塗料(塗料8用) 実施例1において、「減摩材#500 」を除いた。
【0050】(実施例6) 電子線硬化型塗料(塗料5用)(重量部) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 照射線量:2Mrad 電子線硬化型塗料(塗料8用)(重量部) ポリエステルアクリレート 「M −9050」 25 「M −6250」 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 照射線量:5Mrad
【0051】(実施例7、8) 電子線硬化型塗料(塗料5用)(重量部) ウレタンアクリレート「Ebecryl 284 」 25 1.6HD-A 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 紫外線吸収剤「チヌビン−400」 1.5 照射線量:5Mrad 電子線硬化型塗料(塗料8用)(重量部) ウレタンアクリレート「Ebecryl 284 」 25 1.6HD-A 25 シリコーン樹脂「BYK3700 」 0.5 「TPGDA 」 50 ダイアミド「200P−2159」 2 紫外線吸収剤「チヌビン−400」 1.5 照射線量:5Mrad
【0052】得られた各塗装物品について、表2、表
4、表6に示す各特性を試験し、結果を各表に示す。
【0053】
【表1】
【0054】
【表2】
【0055】
【表3】
【0056】
【表4】
【0057】
【表5】
【0058】
【表6】
【0059】実施例1〜8の塗装物品は、いずれの特性
も良好であった。比較例1では、紫外線硬化型樹脂を使
用しているが、塗膜表面にタックがあり、硬化が不十分
であり、転写トナー層への密着性を初めとする各特性が
いずれも低かった。比較例2においては、ウレタンクリ
アーを使用しているが、耐沸騰水性、耐温水性、耐候性
が悪く、トナー模様にニジミが見られた。
【0060】実施例1〜8の中で更に検討すると、実施
例2の塗装物品は、実施例1に比べると沸騰水性や耐温
水性が少し劣っている。これはプレヒートの温度が30
℃のためと思われる。実施例3では塗膜面にハジキが見
られたが、これはシリコーン樹脂を使用していないため
と思われる。実施例1と4とを比較すると、実施例1で
はモノマーとして「TPGDA」(物質名:トリプロピ
レングリコールジアクリレート)を使用しており、実施
例4ではこれを1,4−ブタンジオールに変更してい
る。この結果、実施例1の方が塗工面にニジミがなく、
好ましい。
【0061】
【発明の効果】以上述べたように、本発明によれば、物
品上に転写されたトナーからなる転写トナー層、および
この転写トナー層上に設けられた塗布層を備えている表
面塗装において、転写トナー層の耐熱軟化性、耐水性を
向上させ、転写トナー層の輪郭のにじみやぼやけを抑制
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は、電子線硬化型塗料が塗布された物品
1を示す断面図であり、(b)は、電子線硬化型塗料に
電子線を照射して得られた塗装物品を示す断面図であ
る。
【図2】(a)は、図1(a)の塗装物品に更に塗料8
を塗布した状態を示し、(b)は、(a)の塗料8を硬
化させて得られた塗装物品7Aを示す断面図である。
【符号の説明】
1 物品 2 下地層 3 下塗り層(硬
化前) 3A 下塗り層(硬化後) 4 転写トナー層
(硬化前) 4A 転写トナー層(硬化後) 5 塗布層(電
子線硬化型塗料) 6 上塗り層 7、7A 塗装物品 8
塗布層(活性エネルギー線硬化型塗料) 9 硬
化被膜 A 電子線 B 電子線硬化型塗
料の動き D 活性エネルギー線
フロントページの続き Fターム(参考) 4D075 AC41 AE03 BB23X BB42Z BB47Z BB93X CA02 CA04 CA13 CA18 CA32 CA34 CA38 CA44 CB11 CB36 DA04 DA06 DA23 DB02 DB05 DB06 DB07 DB12 DB13 DB14 DB18 DB20 DB22 DB24 DB25 DB33 DB35 DB36 DB37 DB38 DB40 DB43 DB46 DB47 DB48 DB49 DB50 DB52 DB61 DC02 DC08 DC11 DC31 DC38 EA07 EA21 EB07 EB15 EB19 EB20 EB22 EB24 EB32 EB33 EB35 EB37 EB38 EB43 4F100 AK01C AK25 AK51 AK52 AK52C AP02 AT00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C CA13B CC00C CC00D EC04B EC042 EH462 EJ53 EJ532 EJ54 EJ65C EJ65D GB07 GB08 GB81 JB07 JB14C JJ03 JK06 JL11

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 物品の表面塗装であって、 前記物品上に転写されたトナーからなる転写トナー層、
    およびこの転写トナー層上に設けられた上塗り層を備え
    ており、この上塗り層が、電子線照射によって硬化した
    電子線硬化型塗料からなることを特徴とする、物品の表
    面塗装。
  2. 【請求項2】 前記物品と前記転写トナー層との間に下
    塗り層を備えていることを特徴とする、請求項1記載の
    表面塗装。
  3. 【請求項3】前記下塗り層が反応性官能基を備えている
    ことを特徴とする、請求項2記載の表面塗装。
  4. 【請求項4】前記上塗り層がシリコーン樹脂を含むこと
    を特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に
    記載の表面塗装。
  5. 【請求項5】物品と、請求項1〜4のいずれか一つの請
    求項に記載の表面塗装とを備えていることを特徴とす
    る、塗装物品。
  6. 【請求項6】物品と、この物品上の表面塗装とを備える
    塗装物品の製造方法であって、前記物品上にトナーを転
    写することによって転写トナー層を形成し、この転写ト
    ナー層上に電子線硬化型塗料を塗布し、この電子線硬化
    型塗料に対して電子線を照射することによって上塗り層
    を形成することを特徴とする、塗装物品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記物品に下塗り層を設けた後に前記転
    写トナー層を設けることを特徴とする、請求項6記載の
    方法。
  8. 【請求項8】前記下塗り層が反応性官能基を備えている
    ことを特徴とする、請求項7記載の方法。
  9. 【請求項9】前記上塗り層がシリコーン樹脂を含むこと
    を特徴とする、請求項6〜8のいずれか一つの請求項に
    記載の方法。
  10. 【請求項10】前記物品を40℃以上、60℃以下の温
    度に保持しつつ前記電子線硬化型塗料の塗布を行うこと
    を特徴とする、請求項6〜9のいずれか一つの請求項に
    記載の方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104499628A (zh) * 2014-12-31 2015-04-08 东莞市亚欧装饰设计工程有限公司 一种防潮防脱落天花板结构
JP2018192470A (ja) * 2017-05-16 2018-12-06 関西ペイント株式会社 塗膜形成方法
CN109228717A (zh) * 2018-09-21 2019-01-18 张家港飞腾铝塑板股份有限公司 一种热转印用铝板

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