以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同一である。したがって、それらについての詳細な説明は繰返さない。
[電線検査装置の構成の説明]
以下、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本実施形態にかかる電線検査装置20の構成を表す図である。図1に基づいて、本実施形態にかかる電線検査装置20の構成が説明される。ワイヤハーネス200が、本実施形態における電線束である。本実施形態においては、ワイヤハーネス200が検査の対象となる。ワイヤハーネス200は、複数の電線220によって構成される。
本実施形態にかかる電線検査装置20は、電線測定部30と、検査結果出力部36とを備える。
本実施形態にかかる電線測定部30は、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220に接続される。本実施形態にかかる電線測定部30は、電源部40と、一方側電線接続部42と、他方側電線接続部44とを有する。
電源部40は、一方側電線接続部42および他方側電線接続部44を介してワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれに電力を供給する。ただし、本実施形態の場合、その電力の電流値はごくわずかである。電流値がごくわずかなのは、本実施形態の場合、電圧の大きさに基づいて信号が識別されるためである。
一方側電線接続部42は、ワイヤハーネス200に接続される。これにより、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれに一方側電線接続部42が接続されることとなる。一方側電線接続部42は、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれに供給される電力の大きさを制御する。本実施形態の場合、一方側電線接続部42は、その電力のうち電圧の大きさを制御することにより、電力の大きさを制御する。一方側電線接続部42は、検査結果出力部36の制御に応じて電圧の大きさを制御する。また、一方側電線接続部42は、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれにおける電圧を測定する。一方側電線接続部42は、測定結果を示す情報を検査結果出力部36に出力する。
他方側電線接続部44は、ワイヤハーネス200に接続される。これにより、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれに他方側電線接続部44が接続されることとなる。他方側電線接続部44は、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれに供給される電力の大きさを制御する。本実施形態の場合、他方側電線接続部44は、その電力のうち電圧の大きさを制御することにより、電力の大きさを制御する。他方側電線接続部44は、検査結果出力部36の制御に応じて電圧の大きさを制御する。また、他方側電線接続部44は、ワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれにおける電圧を測定する。他方側電線接続部44は、測定結果を示す情報を検査結果出力部36に出力する。
検査結果出力部36は、一方側電線接続部42および他方側電線接続部44を制御する。検査結果出力部36は、一方側電線接続部42および他方側電線接続部44から測定結果を示す情報を受付ける。検査結果出力部36は、その測定結果が示す電圧に基づいてワイヤハーネス200を構成する複数の電線220それぞれにおける通電機能の検査結果を示す情報を出力する。
本実施形態の場合、検査結果出力部36は、周知のコンピュータによって実現される。このコンピュータは、制御部50と 、記憶部52と、入力装置54と、表示装置56と、一方側I/O(Input/Output)58と、他方側I/O60と、電源I/O62とを有する。制御部50は、CPU(Central Processing Unit)などによって実現される。制御部50は、記憶部52から読出したプログラムを実行することにより、そのプログラムにおいて定められた手順に従ってコンピュータを構成する各装置を制御する。記憶部52は、ROM(Read only memory)およびRAM(Random access memory)などによって実現される。記憶部52は、プログラムとデータとを記憶する。入力装置54は、検査者の入力に応じて信号を生成する。これにより、コンピュータに情報が入力される。表示装置56は、画像を表示することにより情報を出力する。一方側I/O58は、一方側電線接続部42に接続される。一方側I/O58は、一方側電線接続部42に対して制御のための信号を出力する。一方側I/O58は、一方側電線接続部42が出力した測定結果を示す情報を受付ける。他方側I/O60は、他方側電線接続部44に接続される。他方側I/O60は、他方側電線接続部44に対して制御のための信号を出力する。他方側I/O60は、他方側電線接続部44が出力した測定結果を示す情報を受付ける。電源I/O62は、電源部40に接続される。電源I/O62は、電源部40に対して制御のための信号を出力する。
図2は、本実施形態にかかる一方側電線接続部42および他方側電線接続部44の構成を示す図である。図2に基づいて、本実施形態にかかる一方側電線接続部42および他方側電線接続部44の構成が説明される。
本実施形態の場合、一方側電線接続部42は、一端コネクタ70と、一方側出力回路72と、一方側入力回路74とを有する。一端コネクタ70にはワイヤハーネス200が接続される。一方側出力回路72は、一端コネクタ70に接続される。一方側出力回路72を通じて電力は電源部40から一端コネクタ70へ供給される。電力は一端コネクタ70を通じてワイヤハーネス200の電線220へ供給され得る。一方側入力回路74は、一端コネクタ70と並列に一方側出力回路72に接続される。一方側入力回路74は接地されている。一方側入力回路74は、一方側出力回路72を通じて供給される電力における対地電圧を測定する。
本実施形態の場合、一端コネクタ70は、64個の端子を有する。それらの端子には、識別情報が付されている。それらの識別情報によって各端子は識別される。本実施形態の場合、その識別情報は数値からなる。本実施形態の場合、一端コネクタ70の各端子には、「1」乃至「64」のいずれかの数値が識別情報として付されている。
本実施形態の場合、一方側出力回路72と一方側入力回路74とは、一端コネクタ70に接続されるための図示されない端子を有する。本実施形態の場合、それらの端子には、識別情報が付されている。それらの識別情報によって各端子は識別される。本実施形態の場合、その識別情報は、一方側出力回路72の端子なのか一方側入力回路74の端子なのかを示す部分と、数値部分とを有する。本実施形態の場合、その識別情報のうち一方側出力回路72の端子なのか一方側入力回路74の端子なのかを示す部分が「DO」であれば、その識別情報が付されている端子は一方側出力回路72の端子である。その識別情報のうち一方側出力回路72の端子なのか一方側入力回路74の端子なのかを示す部分が「DI」であれば、その識別情報が付されている端子は一方側入力回路74の端子である。一方側出力回路72の端子の間では、識別情報のうち数値部分は互いに異なる。一方側入力回路74の端子の間でも、識別情報のうち数値部分は互いに異なる。これにより、検査結果出力部36は、一方側出力回路72の端子と一方側入力回路74の端子との中から任意の端子を特定できる。本実施形態の場合、一方側出力回路72が有する各端子は、それらに付された識別情報のうち数値部分が同一の識別情報が付された一方側入力回路74の端子に接続されている。一方側出力回路72が有する各端子と一方側入力回路74の各端子とは、それらの識別情報のうち数値部分の値と同じ数値が識別情報として付された一端コネクタ70の端子に接続されている。
本実施形態の場合、他方側電線接続部44は、他端コネクタ76と、他端側出力回路78と、他端側入力回路80とを有する。他端コネクタ76にもワイヤハーネス200が接続される。他端側出力回路78は、他端コネクタ76に接続される。他端側出力回路78を通じて電力は電源部40から他端コネクタ76へ供給される。電力は他端コネクタ76を通じてワイヤハーネス200の電線220へ供給され得る。他端側入力回路80は、他端コネクタ76と並列に他端側出力回路78に接続される。他端側入力回路80は接地されている。他端側入力回路80は、他端側出力回路78を通じて供給される電力における対地電圧を測定する。
本実施形態の場合、他端コネクタ76は、一端コネクタ70と同様に、64個の端子を有する。それらの端子にも、識別情報が付されている。それらの識別情報によって各端子は識別される。本実施形態の場合、その識別情報も数値からなる。本実施形態の場合、他端コネクタ76の各端子には、「65」乃至「128」のいずれかの数値が識別情報として付されている。これにより、一端コネクタ70が有する端子と他端コネクタ76が有する端子とは、識別情報によって一意に特定され得る。
本実施形態の場合、一方側出力回路72および一方側入力回路74の場合と同様に、他端側出力回路78と他端側入力回路80とは、他端コネクタ76に接続されるための図示されない端子を有する。本実施形態の場合、それらの端子にも、識別情報が付されている。それらの識別情報によって各端子は識別される。本実施形態の場合、その識別情報は、他端側出力回路78の端子なのか他端側入力回路80の端子なのかを示す部分と、数値部分とを有する。本実施形態の場合、その識別情報のうち他端側出力回路78の端子なのか他端側入力回路80の端子なのかを示す部分が「DO」であれば、その識別情報が付されている端子は他端側出力回路78の端子である。その識別情報のうち他端側出力回路78の端子なのか他端側入力回路80の端子なのかを示す部分が「DI」であれば、その識別情報が付されている端子は他端側入力回路80の端子である。他端側出力回路78の端子の間では、識別情報のうち数値部分は互いに異なる。他端側入力回路80の端子の間でも、識別情報のうち数値部分は互いに異なる。これにより、検査結果出力部36は、他端側出力回路78の端子と他端側入力回路80の端子との中から任意の端子を特定できる。本実施形態の場合、他端側出力回路78が有する各端子は、それらに付された識別情報のうち数値部分が同一の識別情報が付された他端側入力回路80の端子に接続されている。他端側出力回路78が有する各端子と他端側入力回路80の各端子とは、それらの識別情報のうち数値部分の値と同じ数値が識別情報として付された他端コネクタ76の端子に接続されている。
[検査結果出力部の機能の説明]
図3は、検査結果出力部36の機能ブロック図である。図3に基づいて、本実施形態にかかる検査結果出力部36の構成とその機能とが説明される。上述されたコンピュータの、制御部50と、記憶部52と、入力装置54と、表示装置56と、一方側I/O58と、他方側I/O60と、電源I/O62とは、電線検査装置20の検査結果出力部36を構成する。
検査結果出力部36は、対応情報生成部100と、予定情報記憶部102と、異常判断部104と、異常有無情報出力部106とを有している。
対応情報生成部100は、電線測定部30を制御する。対応情報生成部100は、電線測定部30が出力した情報を受付ける。対応情報生成部100は、対応情報を生成する。対応情報は、次に述べられる対応関係を示す。その対応関係は、電線測定部30が電力を供給した電線220とその電線220への電力の供給に応じて電圧の変動が生じた電線220との関係である。本実施形態における対応情報の具体的な構成は後述される。
予定情報記憶部102は、予定情報を予め記憶する。予定情報は、ワイヤハーネス200の複数の電線220それぞれについて電線220への電力の供給に応じて電圧の変動が生じるべき電線220を示す。本実施形態の場合、予定情報の具体的な構成は対応情報の構成と同一である。予定情報と対応情報との相違点は、前者が電圧の変動が生じるべき電線220を示すのに対して後者が電圧の変動が生じた電線220を示すという点で異なる。
異常判断部104は、対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220との相違の有無に応じて、異常の有無を判断する。
異常有無情報出力部106は、異常有無情報を出力する。異常有無情報は、異常の有無を示す。
本実施形態の場合、異常判断部104は、一致判断部120と、無異常情報生成部122と、異常種類情報生成部124とを有している。
一致判断部120は、ワイヤハーネス200の複数の電線220それぞれについて、対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220とが一致するか否かを判断する。
無異常情報生成部122は、次に述べられる場合、異常がないことを示す異常有無情報を生成する。その場合とは、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のすべてについて、対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220とが一致する場合である。
異常種類情報生成部124は、次に述べられる場合、異常の種類を示す異常有無情報を生成する。その場合とは、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220とが相違する場合である。異常の種類を示す異常有無情報は、対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220との相違内容に応じて生成される。なお、本実施形態の場合、上述された異常有無情報出力部106は、異常判断部104が生成した異常有無情報を出力する。
本実施形態の場合、異常種類情報生成部124は、短絡情報生成部140と、短絡電線情報生成部142と、断線情報生成部144と、断線電線情報生成部146と、誤接続情報生成部148と、誤接続電線情報生成部150とを有している。
短絡情報生成部140は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて次に述べられる2種類の要件が満たされると、短絡が生じていることを示す異常有無情報を生成する。それらの要件の1種類目は、対応情報により特定される電線220のうち予定情報により特定される電線220に一致しない電線220が存在するという要件である。それらの要件の2種類目は、予定情報により特定される電線220のうち対応情報により特定される電線220に一致しない電線220が存在しないという要件である。
短絡電線情報生成部142は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて短絡情報生成部140のものと同じ2種類の要件が満たされると、短絡電線情報を生成する。短絡電線情報は、上述された対応情報により特定される電線220のうち予定情報により特定される電線220に一致しない電線220を示す。
断線情報生成部144は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて次に述べられる2種類の要件が満たされると、断線が生じていることを示す異常有無情報を生成する。それらの要件の1種類目は、予定情報により特定される電線220のうち対応情報により特定される電線220に一致しない電線220が存在するという要件である。それらの要件の2種類目は、対応情報により特定される電線220のうち予定情報により特定される電線220に一致しない電線220が存在しないという要件である。
断線電線情報生成部146は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて断線情報生成部144のものと同じ2種類の要件が満たされると、断線電線情報を生成する。断線電線情報は、上述された予定情報により特定される電線220のうち対応情報により特定される電線220に一致しない電線220を示す。
誤接続情報生成部148は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて次に述べられる2種類の電線220が共に存在するという要件が満たされると、誤接続が生じていることを示す異常有無情報を生成する。1種類目の電線220は、対応情報により特定される電線220のうち予定情報により特定される電線220に一致しない電線220である。2種類目の電線220は、予定情報により特定される電線220のうち対応情報により特定される電線220に一致しない電線220である。
誤接続電線情報生成部150は、ワイヤハーネス200のうち電源部40が電力を供給した電線220のいずれかについて誤接続情報生成部148のものと同じ要件が満たされると、誤接続電線情報を生成する。誤接続電線情報は、次に述べられる2種類の電線220を示す。1種類目の電線220は、上述された予定情報により特定される電線220のうち対応情報により特定される電線220に一致しない電線220である。2種類目の電線220は、上述された対応情報により特定される電線220のうち予定情報により特定される電線220に一致しない電線220である。
[フローチャートの説明]
図4は、本実施形態にかかる電線検査方法の制御の手順を示すフローチャートである。図4に示されるように、このプログラムは、次に述べられる複数の工程を上述されたコンピュータに実行させるものである。それら複数の工程は、自己検査工程S200、端子接続工程S202、電力供給工程S204、電線測定工程S206、測定完了判断工程S208、機能判断工程S210、および、検査結果出力工程S212である。プログラムを実行した結果、コンピュータは、それら複数の工程を備える電線検査方法を実施することとなる。以下、これらの各工程の具体的な内容が説明される。
自己検査工程S200において、本実施形態にかかる電線検査装置20の対応情報生成部100は、電源部40に一方側出力回路72および他端側出力回路78へ電力を供給させる。電源部40による電力供給開始と同時に、対応情報生成部100は、その電力における対地電圧の大きさを一方側出力回路72および他端側出力回路78に制御させる。一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、各々の端子の対地電圧を測定する。一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、自らが測定した対地電圧に基づいて、各々の端子の対地電圧が「0」か否かを示す情報を対応情報生成部100に出力する。一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とにおいて断線がなければ、すべての端子の対地電圧は一方側出力回路72および他端側出力回路78に制御された大きさとなる。すなわちその対地電圧は「0」ではない。いずれかの端子の対地電圧が一方側出力回路72および他端側出力回路78に制御された大きさと異なれば、対応情報生成部100は、本実施形態にかかる電線検査方法の実施を中止する。すべての端子の対地電圧が一方側出力回路72および他端側出力回路78に制御された大きさと等しければ、対応情報生成部100は、本実施形態にかかる電線検査方法の実施を続行する。これにより、電線検査装置20は自らの一方側電線接続部42および他方側電線接続部44における断線の有無を検査することとなる。
端子接続工程S202において、検査者は、ワイヤハーネス200の各電線220を一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とに接続する。ワイヤハーネス200の各電線220が一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とに接続されると、対応情報生成部100は、検査者からの検査開始の指示を待つ。検査者が検査開始の指示を検査結果出力部36に入力すると、対応情報生成部100は、所定の変数の値を「0」に設定する。本実施形態においては、この変数は「カウンタ」と称される。
電力供給工程S204において、対応情報生成部100は、カウンタの値を「1」増加させる。次に、対応情報生成部100は、電源部40にワイヤハーネス200の電線220へ電力を供給させる。電源部40による電力供給開始と同時に、対応情報生成部100は、次に述べられる電圧の大きさを一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とのうち一方に制御させる。その電圧は、ワイヤハーネス200の複数の電線220のうち次に述べられているものに供給される電力の電圧である。その電線220は、次に述べられている端子に接続されているものである。その端子は、一方コネクタ222が有する端子と他方コネクタ224が有する端子とのうち、これに付されている識別情報がカウンタの値に一致するものである。これにより、その電線220における対地電圧は他の電線220における対地電圧よりも高くなる。本実施形態においては、ある電線220における対地電圧が所定の電圧値よりも高くなっているとき、その電線220にかかる電圧が「High状態」であるとみなされる。ある電線220における対地電圧が所定の電圧値以下のとき、その電線220にかかる電圧が「Low状態」であるとみなされる。
電線測定工程S206において、対応情報生成部100は、一方側電線接続部42の一方側入力回路74と他方側電線接続部44の他端側入力回路80とに対して信号を出力する。一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、その信号を受付けると、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧を測定する。一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、自らが測定した電圧に基づいて、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧が「High状態」か「Low状態」かを示す情報を対応情報生成部100に出力する。対応情報生成部100は、ワイヤハーネス200の電線220への電力供給の際のワイヤハーネス200の各電線220の電圧の状態を示す情報とカウンタの値とを対応付けて記憶する。
測定完了判断工程S208において、対応情報生成部100は、ワイヤハーネス200のすべての電線220につきこれに供給される電圧の制御が行われたか否かを判断する。本実施形態の場合、この判断は、対応情報生成部100が予め記憶した値とカウンタの値とが一致するか否かに基づいて判断される。本実施形態においては、対応情報生成部100が予め記憶した値は、一端コネクタ70が有する端子の数と他端コネクタ76が有する端子の数との和に等しい。すなわち、対応情報生成部100が予め記憶した値は「128」である。対応情報生成部100が予め記憶した値とカウンタの値とが一致すると、ワイヤハーネス200のすべての電線220につきこれに供給される電圧の制御が行われたと判断される。すべての電線220につき電圧の制御が行われたと判断された場合(S208にてYES)、処理はS210へと移される。そうでない場合(S208にてNO)、処理はS204へと移される。
機能判断工程S210において、検査結果出力部36は、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧が「High状態」か「Low状態」かを示す情報に基づいて、複数の電線220それぞれにおける通電機能を判断する。これにより、電線測定工程S206において測定された電圧に基づいて複数の電線220それぞれにおける通電機能が判断されることとなる。
検査結果出力工程S212において、異常有無情報出力部106は、機能判断工程S210における判断の結果を示す情報を出力する。本実施形態において、その情報は、異常有無情報を含む。異常有無情報は、異常の有無を示す。
図5は、本実施形態にかかる機能判断工程S210の制御の手順を示すフローチャートである。図5に基づいて、本実施形態にかかる機能判断工程S210の制御の手順が説明される。本実施形態の場合、機能判断工程S210は、対応情報生成工程S220と、異常判断工程S222とを有している。
対応情報生成工程S220において、対応情報生成部100は、対応情報を生成する。本実施形態の場合、電力供給工程S204と電線測定工程S206と測定完了判断工程S208とが繰り返される間に、一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、次に述べられる情報の出力を繰り返す。その情報は、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧が「High状態」か「Low状態」かを示す情報である。対応情報生成部100は、出力されたその情報を一端コネクタ70が有する端子の識別情報または他端コネクタ76が有する端子の識別情報に対応付けて記憶している。電力供給工程S204と電線測定工程S206と測定完了判断工程S208との繰り返しが完了すると、対応情報生成部100は、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧が「High状態」か「Low状態」かを示すそれらの情報を一体化する。これが本実施形態における対応情報である。
異常判断工程S222において、異常判断部104は、異常の有無を判断する。この異常の有無は、対応情報により特定される電線220と電線220への電力の供給に応じて電圧の変動が生じるべき電線220との相違の有無に応じて判断される。
本実施形態の場合、異常判断工程S222は、一致判断工程S240と、無異常情報生成工程S242と、異常種類情報生成工程S244とを有している。
一致判断工程S240において、一致判断部120は、ワイヤハーネス200の複数の電線220それぞれについて、次に述べられる2種類の電線220が一致するか否かを判断する。それら2種類の電線220は、対応情報により特定される電線220、および、予定情報により特定される電線220である。対応情報により特定される電線220と予定情報により特定される電線220とが一致すると判断された場合(S240にてYES)、処理はS242へと移される。もしそうでない場合(S240にてNO)、処理はS244へと移される。
無異常情報生成工程S242において、無異常情報生成部122は、異常がないことを示す異常有無情報を生成する。
異常種類情報生成工程S244において、異常種類情報生成部124は、異常の種類を示す異常有無情報を生成する。
図6は、本実施形態にかかる異常種類情報生成工程S244の制御の手順を示すフローチャートである。図6に基づいて、本実施形態にかかる異常種類情報生成工程S244の制御の手順が説明される。本実施形態の場合、異常種類情報生成工程S244は、短絡可能性判断工程S260と、誤接続判断工程S262と、誤接続情報生成工程S264と、誤接続電線情報生成工程S266と、短絡情報生成工程S268と、短絡電線情報生成工程S270と、断線判断工程S272と、断線情報生成工程S274と、断線電線情報生成工程S276と、不明情報生成工程S278とを有している。
短絡可能性判断工程S260において、一致判断部120は、対応情報により特定された電線220の中に予定情報により特定されるものではない電線220が存在するか否かを判断する。対応情報により特定された電線220の中に予定情報により特定されるものではない電線220が存在すると判断された場合(S260にてYES)、処理はS262へと移される。もしそうでない場合(S260にてNO)、処理はS272へと移される。
誤接続判断工程S262において、一致判断部120は、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する。予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在すると判断された場合(S262にてYES)、処理はS264へと移される。もしそうでない場合(S262にてNO)、処理はS268へと移される。
誤接続情報生成工程S264において、誤接続情報生成部148は、誤接続が生じていることを示す異常有無情報を生成する。
誤接続電線情報生成工程S266において、誤接続電線情報生成部150は、誤接続電線情報を生成する。
短絡情報生成工程S268において、短絡情報生成部140は、短絡が生じていることを示す異常有無情報を生成する。
短絡電線情報生成工程S270において、短絡電線情報生成部142は、短絡電線情報を生成する。
断線判断工程S272において、一致判断部120は、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する。予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在すると判断された場合(S272にてYES)、処理はS274へと移される。もしそうでない場合(S272にてNO)、処理はS278へと移される。
断線情報生成工程S274において、断線情報生成部144は、断線が生じていることを示す異常有無情報を生成する。
断線電線情報生成工程S276において、断線電線情報生成部146は、断線電線情報を生成する。
不明情報生成工程S278において、断線情報生成部144は、原因不明の異常が生じていることを示す異常有無情報を生成する。
[動作の説明]
(ワイヤハーネスに異常がない場合)
本実施形態にかかる電線検査装置20は、起動すると自らの一方側電線接続部42および他方側電線接続部44の断線の有無を検査する(S200)。
断線の有無が検査されると、検査者は、ワイヤハーネス200の各電線220を一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とに接続する。ワイヤハーネス200の各電線220が一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とに接続されると、対応情報生成部100は、検査者からの検査開始の指示を待つ。検査者が検査開始の指示を検査結果出力部36に入力すると、電線検査装置20の対応情報生成部100は、カウンタの値を「0」に設定する(S202)。
図7は、本実施形態にかかる正しく接続されたワイヤハーネス200を示す概念図である。この場合、そのワイヤハーネス200の各電線220が一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とに接続されることとする。本実施形態にかかるワイヤハーネス200は、複数(具体的には64本)の電線220と、一方コネクタ222と、他方コネクタ224とを有する。複数の電線220はいずれも一方コネクタ222と他方コネクタ224とに接続される。複数の電線220はいずれも一方コネクタ222と他方コネクタ224とを介して一方側電線接続部42および他方側電線接続部44に接続される。一方コネクタ222と他方コネクタ224とはそれぞれ複数の電線220の本数に等しい個数の端子を有している。それらの端子には識別情報が数値で付されている。これにより、それらの端子は一意に特定され得る。このワイヤハーネス200において、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子にも接続されている。この電線220には、「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220が接続されている。一方コネクタ222の「2」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、一方コネクタ222の「3」という識別情報が付された端子にも接続されている。一方コネクタ222の「4」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「68」という識別情報が付された端子に接続されている。この電線220には、「67」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220が接続されている。一方コネクタ222の「5」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「69」という識別情報が付された端子にも接続されている。一方コネクタ222の「6」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「70」という識別情報が付された端子にも接続されている。以下同様である。その結果、一方コネクタ222の「64」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「128」という識別情報が付された端子にも接続されている。
カウンタの値が「0」に設定されると、対応情報生成部100は、カウンタの値を「1」増加させる。次に、電源部40は、ワイヤハーネス200の電線220への電力供給を開始する。電源部40による電力供給開始と同時に、一方側電線接続部42と他方側電線接続部44とのうち一方は、次に述べられる電力の電圧の大きさを制御する。その電力は、ワイヤハーネス200の複数の電線220のうち次に述べられているものに供給される電力である。その電線220は、次に述べられている端子に接続されているものである。その端子は、一方コネクタ222が有する端子と他方コネクタ224が有する端子とのうち、これに付されている識別情報がカウンタの値に一致するものである(S204)。例えばカウンタの値が「1」の場合、電圧の大きさが制御されるのは、一方コネクタ222が有する端子のうち「1」という識別情報が付されたものに接続されている電線220である。電圧の大きさが制御された電線220にかかる電圧は「High状態」となる。
電圧の大きさが制御されると、一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧を測定する。一方側入力回路74と他端側入力回路80とは、自らが測定した電圧に基づいて、ワイヤハーネス200の各電線220における電圧が「High状態」か「Low状態」かを示す情報を対応情報生成部100に出力する。対応情報生成部100は、ワイヤハーネス200の電線220への電力供給の際のワイヤハーネス200の各電線220の電圧の状態を示す情報とカウンタの値とを対応付けて記憶する。これにより、対応情報生成部100は、次に述べられる2種類の情報を対応付けて記憶することとなる(S206)。それらの情報は、ワイヤハーネス200の電線220への電力供給の際のワイヤハーネス200の各電線220の電圧の状態を示す情報と電圧の大きさが制御された電線220が接続されている端子の識別情報とである。
本実施形態においては、一方側出力回路72の端子の個数は64個である。一方側入力回路74の端子の個数も同様である。他端側出力回路78の端子の個数および他端側入力回路80の端子の個数も同様である。仮に、一方側出力回路72の端子のうち隣り合う4個の端子を1組と見なすとする。一方側出力回路72の端子に接続されている電線220の電圧が「High状態」であることを「1」に対応付けるとする。端子に接続されている電線220の電圧が「Low状態」であることを「0」に対応付けるとする。一方側出力回路72の各端子の識別情報を数値の桁に対応付けるとする。この場合、一方側出力回路72の4個の端子に接続されている電線220の状態は4桁の2進数によって表現できる。例えば下から4番目の桁と下から2番目の桁とに対応付けられる端子に接続されている電線220の状態が「High状態」で下から3番目の桁と下から1番目の桁とに対応付けられる端子に接続されている電線220の状態が「Low状態」であるとする。この場合、それら4本の電線220の状態は「1010」という2進数によって表現できる。「1010」という2進数が16進数に変換されると、その値は「A」である。同様に、一方側出力回路72の64個の端子に接続されている電線220の状態は16桁の16進数により表現できることとなる。図7に示されたワイヤハーネス200の一方コネクタ222が一方側電線接続部42の一端コネクタ70に接続されるとする。そのワイヤハーネス200の他方コネクタ224が他方側電線接続部44の他端コネクタ76に接続されるとする。カウンタの値が「1」であるとする。この場合、一方コネクタ222のうち「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220の電圧の大きさが制御されると、一方コネクタ222の各端子に接続されている電線220の状態は、次に述べられる16進数で示し得る。その16進数は「0000 0000 0000 0001」という16桁の16進数である。上述した通り、ワイヤハーネス200において、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子にも接続されている。この電線220には、「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220が接続されている。その結果、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220の電圧の大きさが制御されると、次に述べられる電線220の状態が「High状態」となる。その電線220は、「65」という識別情報が付された端子に接続された電線220、および、「66」という識別情報が付された端子に接続されている電線220である。他の電線220の状態は「Low状態」のままである。この状態のとき、「68」「67」「66」「65」という識別情報が付された端子に接続されている電線220の状態は、「0011」という2進数で示し得る。この2進数が16進数に変換されると、その状態は「3」という16進数で示し得る。その結果、この場合の他方コネクタ224の各端子に接続されている電線220の状態は「0000 0000 0000 0003」という16桁の16進数で示し得る。
その後、対応情報生成部100は、ワイヤハーネス200のすべての電線220につきこれに供給される電圧の制御が行われたか否かを判断する(S208)。ワイヤハーネス200のすべての電線220につきこれに供給される電圧の制御が行われるまでは(S208にてNO)、S204乃至S208の処理が繰り返される。
その後、ワイヤハーネス200のすべての電線220につきこれに供給される電圧の制御が行われると(S208にてYES)、対応情報生成部100は、対応情報を生成する(S220)。
図8は、対応情報生成部100が生成した対応情報の構造を示す概念図である。本実施形態の場合、対応情報は電線測定工程S206において記憶された情報の集合体である。上述の通り、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220の電圧の大きさが制御されると、一方コネクタ222の各端子に接続されている電線220の状態は次に述べられる16進数で示し得る。その16進数は「0000 0000 0000 0001」という16桁の16進数である。その結果、「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「64〜49」欄には「0000」という16進数が示される。「48〜33」欄にも「0000」という16進数が示される。「32〜17」欄にも「0000」という16進数が示される。「16〜1」欄には「0001」という16進数が示される。なお、「電圧制御された電線にかかる識別情報」は電圧の大きさが制御された電線220が接続された一方コネクタ222の端子の識別情報を意味する。上述の通り、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220の電圧の大きさが制御されると、他方コネクタ224の各端子に接続されている電線220の状態は次に述べられる16進数で示し得る。その16進数は「0000 0000 0000 0003」という16桁の16進数である。その結果、「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「128〜113」欄には「0000」という16進数が示される。「112〜97」欄にも「0000」という16進数が示される。「96〜81」欄にも「0000」という16進数が示される。「80〜65」欄には「0003」という16進数が示される。本実施形態の場合、対応情報は、電圧の大きさが制御された電線220が接続された一方コネクタ222の端子の識別情報に対応付けられた16桁の16進数の対の集合体である。
対応情報が生成されると、一致判断部120は、ワイヤハーネス200の複数の電線220それぞれについて、次に述べられる2種類の電線220が一致するか否かを判断する。それら2種類の電線220は、対応情報により特定される電線220、および、予定情報により特定される電線220である(S240)。
本実施形態の場合、予定情報の構造は対応情報と同一である。予定情報に含まれる数値は、ワイヤハーネス200の電線220が正しく配線されている場合における対応情報と一致する。上述の説明から明らかな通り、対応情報は、同一の識別情報に対応付けられた16桁の16進数の対の集合体である。これにより、電圧が制御されたすべての電線220について次に述べられる2種類の要件が満たされるか否かに基づき、対応情報により特定される電線220、および、予定情報により特定される電線220が一致するか否かを判断できる。その1種類目の要件は、同一の識別情報に対応付けられ一方コネクタ222の各端子に接続されている電線220の状態を示す16桁の16進数の差が「0」であるという要件である。2種類目の要件は、同一の識別情報に対応付けられ他方コネクタ224の各端子に接続されている電線220の状態を示す16桁の16進数の差が「0」であるという要件である。
この場合、対応情報により特定される電線220、および、予定情報により特定される電線220が一致するので(S240にてYES)、無異常情報生成部122は、異常がないことを示す異常有無情報を生成する(S242)。異常がないことを示す異常有無情報が生成されると、異常有無情報出力部106は、その異常有無情報を出力する(S212)。
(ワイヤハーネスの電線に誤接続がある場合)
図9は、本実施形態にかかる誤接続があるワイヤハーネス202を示す概念図である。このワイヤハーネス202において、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子にも接続されている。この電線220には、本来「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220に接続されるべきところ、「67」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220が接続されている。一方コネクタ222の「4」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「68」という識別情報が付された端子に接続されている。この電線220には、本来「67」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220に接続されるべきところ、「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220に接続されている。他の点については、このワイヤハーネス202は、図7に示されたワイヤハーネス200と同一である。
上述の場合と同様に、S200乃至S208の処理を経て、対応情報生成部100は、対応情報を生成する(S220)。
図10は、このワイヤハーネス202について生成された対応情報の構造を示す概念図である。この対応情報においては、「1」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0005」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報に含まれる数値は、ワイヤハーネス200の電線220が正しく配線されている場合における対応情報と一致する。したがって、予定情報に含まれる数値は、図8に示された対応情報と同一である。その結果、予定情報において「1」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄の値は「0003」である。「4」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「000A」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「000C」である。「65」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0005」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0003」である。「66」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0008」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0001」である。「66」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「000A」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0003」である。「67」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0001」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0008」である。「67」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0005」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「000C」である。「68」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「000A」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「000C」である。
対応情報が生成されると、一致判断部120は、ワイヤハーネス202の複数の電線220それぞれについて、次に述べられる2種類の電線220が一致するか否かを判断する。それら2種類の電線220は、対応情報により特定される電線220、および、予定情報により特定される電線220である(S240)。この場合、対応情報の内容と予定情報の内容との間には上述された相違点が存在する。その結果、それらの電線220が一致しないので(S240にてNO)、一致判断部120は、対応情報により特定された電線220の中に予定情報により特定されるものではない電線220が存在するか否かを判断する(S260)。
この場合、一致判断部120は、対応情報と予定情報とのうちそれらの間において相違点が存在する部分の値を2進数に変換する。その2進数は、一方コネクタ222の端子または他方コネクタ224の端子の識別情報に対応する。これにより、その識別情報が付された端子に接続される電線220を特定できる。そのようにして特定された電線220は、対応情報により特定される電線220または予定情報により特定される電線220である。その結果、一致判断部120は、ある電線220への電力供給に応じて電圧の変動が生じた電線220とその電力供給に応じて電圧の変動が生じるべき電線220とを特定できる。それらの電線220が特定された後、一致判断部120は、予定情報にない電線220が存在するか否かを判断する。
この場合、そのような電線220が存在すると判断されるので(S260にてYES)、一致判断部120は、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する(S262)。ある電線220への電力供給に応じて電圧の変動が生じた電線220とその電力供給に応じて電圧の変動が生じるべき電線220とは既に特定されている。一致判断部120は、それら電線220に基づいて、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する。
その結果、対応情報により特定されたものではない電線220が存在すると判断されるので(S262にてYES)、誤接続情報生成部148は、誤接続が生じていることを示す異常有無情報を生成する(S264)。続いて、誤接続電線情報生成部150は、一致判断部120が特定したある電線220への電力供給に応じて電圧の変動が生じた電線220とその電力供給に応じて電圧の変動が生じるべき電線220とに基づいて、誤接続電線情報を生成する(S266)。
誤接続電線情報が生成されると、異常有無情報出力部106は、誤接続が生じていることおよび誤接続電線情報を異常有無情報として出力する(S212)。本実施形態の場合、誤接続電線情報のうち予定情報により特定される電線220であって対応情報により特定される電線220に一致しない電線220を示す情報は、次に述べられる情報を含む。それらの情報は、その電線220が接続されている端子の識別情報、および、その端子に接続されるはずの電線220が存在しないことを示す情報である。誤接続電線情報のうち対応情報により特定される電線220であって予定情報により特定される電線220に一致しない電線220を示す情報は、次に述べられる情報を含む。それらの情報は、その電線220が接続されている端子の識別情報、および、その端子に接続される電線220が存在することを示す情報である。
(ワイヤハーネスの電線に短絡がある場合)
図11は、本実施形態にかかる短絡があるワイヤハーネス204を示す概念図である。このワイヤハーネス204において、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子にも接続されている。この電線220には、「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220にも接続されている。この電線220には、一方コネクタ222の「2」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220という、本来接続されるべきでない電線220も接続されている。他の点については、このワイヤハーネス204は、図7に示されたワイヤハーネス200と同一である。
上述の場合と同様に、S200乃至S208の処理を経て、対応情報生成部100は、対応情報を生成する(S220)。
図12は、このワイヤハーネス204について生成された対応情報の構造を示す概念図である。この対応情報においては、「1」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0007」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0001」である。「2」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0007」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0006」である。「2」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0003」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0000」である。「3」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0007」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0006」である。「3」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0003」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0000」である。「65」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0007」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0001」である。「66」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0007」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0001」である。
対応情報が生成されると、S240およびS260の処理を経て、一致判断部120は、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する(S262)。この場合、対応情報により特定されたものではない電線220が存在しないと判断されるので(S262にてNO)、短絡情報生成部140は、短絡が生じていることを示す異常有無情報を生成する(S268)。続いて、短絡電線情報生成部142は、短絡電線情報を生成する(S270)。
短絡電線情報が生成されると、異常有無情報出力部106は、短絡が生じていることおよび短絡電線情報を異常有無情報として出力する(S212)。本実施形態の場合、短絡電線情報は、対応情報により特定される電線220であって予定情報により特定される電線220に一致しない電線220が接続されている端子の識別情報、および、その端子に接続される電線220が存在することを示す情報を含む。
(ワイヤハーネスの電線に断線がある場合)
図13は、本実施形態にかかる断線があるワイヤハーネス206を示す概念図である。このワイヤハーネス206において、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、どの端子にも接続されていない。他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、「66」という識別情報が付された端子に接続されている別の電線220に接続されている。他方コネクタ224の「65」という識別情報が付された端子に接続されている電線220は、一方コネクタ222の「1」という識別情報が付された端子に接続されている電線220に接続されるべきところ、この電線220に接続されていない。他の点については、このワイヤハーネス206は、図7に示されたワイヤハーネス200と同一である。
上述の場合と同様に、S200乃至S208の処理を経て、対応情報生成部100は、対応情報を生成する(S220)。
図14は、このワイヤハーネス202について生成された対応情報の構造を示す概念図である。この対応情報においては、「1」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「他方コネクタの制御情報」欄のうち「80〜65」欄には「0000」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0003」である。「65」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0000」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0003」である。「66」という「電圧制御された電線にかかる識別情報」に対応付けられる「一方コネクタの制御情報」欄のうち「16〜1」欄には「0000」という16進数が示される。上述の説明から明らかな通り、予定情報においてこれに対応する欄の値は「0001」である。
対応情報が生成されると、S240の処理を経て、一致判断部120は、予定情報により特定されるものではない電線220が存在するか否かを判断する(S260)。この場合、そのような電線220が存在しないと判断されるので(S260にてNO)、一致判断部120は、予定情報により特定される電線220の中に対応情報により特定されたものではない電線220が存在するか否かを判断する(S272)。この場合、対応情報により特定されたものではない電線220が存在すると判断されるので(S272にてYES)、断線情報生成部144は、断線が生じていることを示す異常有無情報を生成する(S274)。続いて、断線電線情報生成部146は、断線電線情報を生成する(S276)。
断線電線情報が生成されると、異常有無情報出力部106は、断線が生じていることおよび断線電線情報を異常有無情報として出力する(S212)。本実施形態の場合、断線電線情報は、次に述べられる情報を含む。それらの情報は、予定情報により特定される電線220であって対応情報により特定される電線220に一致しない電線220が接続されている端子の識別情報、および、その端子に接続されるはずの電線220が存在しないことを示す情報である。
[効果の説明]
本実施形態にかかる電線検査装置20によれば、ワイヤハーネス200においてある電線220が予め定められた通りに導通しているか否かを判断できる。
また、本実施形態にかかる電線検査装置20によれば、ワイヤハーネス200の電線220における断線と短絡と誤接続とを検知できる。しかも、電線220のうち断線と短絡と誤接続とのうちいずれかが生じている電線220を検知できる。
[変形例の説明]
今回開示された実施形態はすべての点で例示である。本発明の範囲は上述した実施形態に基づいて制限されるものではない。もちろん、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更をしてもよい。
例えば、異常種類情報生成部124の構成は上述したものに限定されない。異常種類情報生成部124は、短絡電線情報生成部142と、断線電線情報生成部146と、誤接続電線情報生成部150とを有していなくてもよい。異常種類情報生成部124は、短絡情報生成部140と、断線情報生成部144と、誤接続情報生成部148とを有していなくてもよい。異常判断部104の構成も、上述したものに限定されない。
また、本発明にかかる電線測定部は、複数の電線220のいずれかにおける電流の変化を測定するものであってもよい。