JP6599668B2 - アクチュエータ - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ねじとナットによるねじナット機構により上記ナットに固着された可動部を前後に移動させるアクチュエータに係り、特に、上記ナットの回転を規制する回転規制部材の取付構造を簡素化して、組立作業の容易化を図ることができるように工夫したものに関する。
従来のアクチュエータの回転規制機構を開示するものとして、例えば、特許文献1がある。
なお、特許文献1は本件特許出願人によるものである。
まず、中空形状を成すベースがあり、このベースの中にボールねじが収容・配置されていて、このボールねじにはボールナットが螺合されている。このボールナットにロッド・ナット結合部材を介してロッドが固定されている。上記ロッド・ナット結合部材の外周面には4個の回転規制部材が周方向に等間隔で設置されていて、これら回転規制部材が上記ベースの内周面に前後方向に延長・形成された溝に係合されている。
上記ボールねじをモータによって回転させると、上記ボールナットの回転が上記回線規制部材と上記ベースの溝によって規制され、上記ボールナットひいては上記ロッドが前後方向に進退される。
なお、上記4個の回転規制部材はそれぞれ別体であり、それらを個々に上記溝内に係合させて固定ねじによって固定していた。
特開2010−144934号公報
上記従来の構成によると次のような問題があった。
すなわち、上記4個の回転規制部材はそれぞれ別体に設けられていて、各々を上記溝に係合させて固定ねじによって固定するように構成されているので、取付構造が複雑で、組立に長時間を要してしまうという問題があった。
本発明はこのような点に基づいてなされたものでその目的とするところは、回転規制部材の取付構造を簡素化して組立作業の容易化を図ることができるアクチュエータを提供することにある。
上記目的を達成するべく本願発明の請求項1によるアクチュエータは、ハウジングと、上記ハウジング内に置されたねじと、上記ねじに螺合されたナットと、上記ナットに固着された可動部と、上記ナットに直接又は間接に被冠されることにより固定され回転規制部を備えた回転規制部材と、上記ハウジングに設けられ上記回転規制部が係合することにより上記ねじの回転に伴う上記ナットの回転を規制するハウジング側回転規制部と、を具備し、上記回転規制部材には回転防止用係合部が設けられており、上記ナット側には上記回転防止用係合部に係合する回転防止用被係合部が設けられており、上記回転防止用係合部を上記回転防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの相対的な回転を規制し、上記回転規制部材には前後移動防止用係合部が設けられており、上記ナット側には前後移動防止用被係合部が設けられており、上記前後移動防止用係合部を上記前後移動防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの上記ナットの移動方向への相対的な移動を規制し、上記前後移動防止用係合部の上記ナットの移動方向の両側の面が上記前後移動防止用被係合部に当接され、上記回転防止用係合部と上記前後移動防止用係合部が上記ナットの周方向に隣接して配置されることを特徴とするものである。
また、請求項2によるアクチュエータは、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材は略円筒形状であり、上記回転防止用係合部と上記前後移動防止用係合部は上記ナットの移動方向に直交する方向から視て重なる位置に配置されていることを特徴とするものである。
また、請求項3によるアクチュエータは、請求項1又は請求項2記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材は弾性部材から構成されていることを特徴とするものである。
また、請求項4によるアクチュエータは、請求項3記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材には軸方向に沿ってスリットが形成されていて弾性変形し易い構成になっていることを特徴とするものである。
また、請求項5によるアクチュエータは、請求項1〜請求項4の何れかに記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材には上記ナットの移動量を規制するストッパ当接部が設けられていることを特徴とするものである。
また、請求項6によるアクチュエータは、請求項1〜請求項5の何れかに記載のアクチュエータにおいて、上記ナットはナット収容部材内に収容されていて、上記回転規制部材は上記ナット収容部材に被冠されることにより固定されることを特徴とするものである。
以上述べたように、本願発明の請求項1によるアクチュエータによると、ハウジングと、上記ハウジング内に挿入・配置されたねじと、上記ねじに螺合されたナットと、上記ナットに固着された可動部と、上記ナットに直接又は間接に被冠・固定され回転規制部を備えた回転規制部材と、上記ハウジングに設けられ上記回転規制部が係合することにより上記ねじの回転に伴う上記ナットの回転を規制するハウジング側回転規制部と、を具備し、上記回転規制部材には回転防止用係合部が設けられており、上記ナット側には上記回転防止用係合部に係合する回転防止用被係合部が設けられており、上記回転防止用係合部を上記回転防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの相対的な回転を規制したので、上記回転規制部材を上記ナットに直接又は間接に被冠・固定するだけで回転規制部を設置することができ、回転規制部材の取付構造を簡素化して、組立作業の容易化を図ることができる。また、上記回転規制部材とナットの相対的な回転を確実に規制することができる。
また、請求項2によるアクチュエータによると、請求項1記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材には前後移動防止用係合部が設けられており、上記ナット側には上記前後移動防止用被係合部が設けられており、上記前後移動防止用係合部を上記前後移動防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの上記ナットの移動方向への相対的な移動を規制したので、上記回転規制部材の上記ナットに対する上記ナットの移動方向への相対的な移動を確実に規制することができる。
また、請求項3によるアクチュエータによると、請求項2記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材は略円筒形状であり、上記回転防止用係合部と上記前後移動防止用係合部は上記ナットの移動方向に直交する方向から視て重なる位置に配置されているため、上記回転規制部材の上記ナットの移動方向に沿った大きさを小さくすることができる。
また、請求項4によるアクチュエータによると、請求項1〜請求項3の何れかに記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材は弾性部材から構成されているので、上記回転規制部材を弾性変形させながら上記ナットに直接又は間接に被冠・固定させることができ、組立作業の容易化を図ることができる。
また、請求項5によるアクチュエータによると、請求項4記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材には軸方向に沿ってスリットが形成されていて弾性変形し易い構成になっているので、上記効果をさらに高めることができる。
また、請求項6によるアクチュエータによると、請求項1〜請求項5の何れかに記載のアクチュエータにおいて、上記回転規制部材には上記ナットの移動量を規制するストッパ当接部が設けられているので、ナット側の構成要素を保護することができる。
また、請求項7によるアクチュエータによると、請求項1〜請求項6の何れかに記載のアクチュエータにおいて、上記ナットはナット収容部材内に収容されていて、上記回転規制部材は上記ナット収容部材に被冠・固定されるので、ナットに追加工を施すことなく、上記回転規制部材を容易に取り付けることができる。
本発明の一実施の形態を示す図で、アクチュエータの斜視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図1のII―II断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図2のIII部の拡大図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図3のIV―IV断面図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図5(a)はナット収容部材の斜視図、図5(b)は図5(a)のVb−Vb矢視図である。 本発明の一実施の形態を示す図で、図6(a)は回転規制部材の斜視図、図6(b)は図6(a)のVIb−VIb矢視図である。
以下、図1乃至図6を参照して本発明の一実施の形態について説明する。
この一実施の形態によるアクチュエータ1には、図1に示すように、中空形状をなすハウジング3がある。このハウジング3内には、例えば、図2に示すように、可動部としてのロッド5が前後方向(図2中左右方向)に移動可能に設置されている。このロッド5の先端部(図2中左側)は、上記ハウジング3の外部に出没可能に配置されていて、そこには先端金具6が螺合・固定されており、この先端金具6を介して図示しない取付対象物が設置されることになる。
図2乃至図4に示すように、上記ロッド5は中空部材であり、その内部には、ボールねじ軸11が設置されている。このボールねじ軸11の外周面には、螺旋溝12が形成されている。また、上記ボールねじ軸11は、上記ハウジング3の後端側(図2中右端側)に設置されたベアリングケース13内に内装された軸受15、15によって回転可能に支持されている。また、このボールねじ軸11は、上記ベアリングケース13の後端側(図2中右端側)に設置されたモータケース17内のモータ19によって、回転・駆動される。上記ボールねじ軸11の後端側(図2中右端側)と上記モータ19の出力軸21はオルダムカップリング機構23によって連結されている。
上記オルダムカップリング機構23は、上記ボールねじ軸11に固着されたハブ23aと、上記モータ19の出力軸21に固着されたハブ23bと、上記ハブ23aと上記ハブ23bに対して係合されるスライダ23cによって構成されている。
また、上記モータ19の後端側にはエンコーダ25が設置されており、上記モータ19の出力軸21の回転方向や回転角度等を検出できるようになっている。
上記ボールねじ軸11には、ボールねじナット31が螺合されている。このボールねじナット31は、略円筒形のボールねじナット本体33と、このボールねじナット本体33の前後方向両端側にそれぞれ設置されたエンドキャップ35a、35bとから構成される。上記ボールねじナット本体33の内周面には図示しない螺旋溝が形成されるとともに、上記ボールねじナット本体33の内部には図示しない無負荷循環路が形成されている。また、上記エンドキャップ35a、35bの内部には、図示しないリターン路がそれぞれ形成されている。上記ボールねじ軸11の螺旋溝12と上記ボールねじナット本体33の図示しない螺旋溝との間の空間、上記エンドキャップ35aの図示しないリターン路、上記ボールねじナット本体33の図示しない無負荷循環路、及び、上記エンドキャップ35bの図示しないリターン路内には、図示しない複数の鋼球が転動・循環される。
また、上記ボールねじナット本体33の後端にはフランジ部37が突設されている。
また、上記エンドキャップ35aとロッド5の内周段付部との間には環状の潤滑剤保持部材8が設置されている。
また、図3に示すように、上記ボールねじナット31には、ナット収容部材41を介して、上記ロッド5が固着されている。このナット収容部材41は、図5に示すように、略円筒形であり、その内部に上記ボールねじナット31が収容されている。図3に示すように、上記ナット収容部材41の内周面の前後方向(図3中左右方向)の略中央付近には雌ねじ部43が形成されている。この雌ねじ部43に上記ロッド5の後端側(図3中右側)に形成された雄ねじ部45が螺合されている。
また、上記ナット収容部材41の内周面の、上記雌ねじ部43の後方(図3中右側)は縮径されていて、この縮径された部分の前方側の面(図3中左側の面)がナット当接部47となっている。上記フランジ部37は、上記ロッド5の後端面(図3中右側の面)と上記ナット当接部47との間に挟持されている。すなわち、上記ロッド5をナット収容部材41に螺合・固定することにより、上記フランジ部37が上記ロッド5の後端面(図2中右側の面)と上記ナット当接部47との間に挟持され、それによって、ロッド5、ナット収容部材41、ボールねじナット31が一体化されることになる。
また、図5(a)に示すように、上記ナット収容部材41の外周側の前後方向(図5(a)中左下から右上に向かう方向)中央付近には、周方向に等間隔な3箇所に回転防止用係合凸部48a、48b、48cが突出・形成されている。
また、上記ナット収容部材41の外周面の、上記回転防止用係合凸部48a、48b、48c間には、前後移動防止用係合凹部49、49、49が形成されている。
また、上記ナット収容部材41の外周側の後端側(図5(a)中右上側)には、治具用凸部50、50、50(図5(a)ではこれらの内2つを図示している)が突出・形成されている。これら治具用凸部50、50、50は、上記ロッド5を上記ナット収容部材41に螺合させる際に、図示しない治具によって上記ナット収容部材41を把持する際に用いられる。
また、上記ナット収容部材41の外周側には、図2、図3に示すように、樹脂製の回転規制部材51が被冠される構成になっている。
なお、回転規制部材51の材質は樹脂に限定されるものではない。
図6に示すように、上記回転規制部材51は回転規制部材本体53を備えていて、この回転規制部材本体53は円筒形部材にスリット52を形成し略C字型の横断面形状を成している。上記回転規制部材本体53の外周側であって周方向に等間隔な3箇所には、固定用係合凸部55a、55b、55cが突出・形成されている。これら固定用係合凸部55a、55b、55cの内周側には回転防止用係合凹部56a、56b、56cがそれぞれ形成されている。
また、上記固定用係合凸部55cは上記スリット52を跨って設けられており、右側固定用係合凸部55cと左側固定用係合凸部55cに分かれている。また、回転防止用係合凹部56cも上記スリット52を跨って設けられており、右側回転防止用係合凹部56cと左側回転防止用係合凹部56cに分かれている。
上記回転防止用係合凹部56a、56b、56cには、上記回転規制部材51が上記ナット収容部材41に被冠された際、上記ナット収容部材41の回転防止用係合凸部48a、48b、48cが係合される。
また、上記回転防止用係合凸部48a、48b、48cの周方向両側面が、上記回転規制部材本体53の回転防止用係合凹部56a、56b、56cと当接され、それによって、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の相対的な回転が規制される。
また、上記回転規制部材51の内側であって上記回転防止用係合凹部56a、56b、56c間には、前後移動防止用係合凸部57、57、57が形成されている。これら前後移動防止用係合凸部57、57、57は上記ナット収容部材41の前後移動防止用係合凹部49、49、49に係合される。上記前後移動防止用係合凸部57は、上記前後移動防止用係合凹部49の前後方向(図2中左右方向)両側の面に当接しており、それによって、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の前後方向(図2中左右方向)への相対的な移動が規制される。
上記回転規制部材本体53の外周側であって、上記固定用係合凸部55a、55b、55cの間には回転規制部61、61、61が突出・形成されている。これら回転規制部61、61、61は、周方向に等間隔に配置されている。一方、図4に示すように、上記ハウジング3の内側には、ハウジング側回転規制部としての3本の溝63、63、63が前後方向(図4(a)中紙面垂直方向)に延長・形成されている。上記回転規制部61、61、61が上記溝63、63、63に係合されることにより、上記ボールねじ軸11が回転された際の上記ボールねじナット31の回転が規制されるとともに、上記ボールねじナット31ひいては上記ロッド5が前後方向(図2中左右方向)にガイドされることになる。
なお、上記ハウジング3の内周側には、上記固定用係合凸部55a、55b、55cに対応する溝64、64、64が形成されている。これら固定用係合凸部55a、55b、55cが溝64、64、64に僅かな隙間を存した状態で係合することによっても回転を規制する構成になっている。
また、上記回転規制部61、61、61には、図6(a)に示すように、それぞれ後端側(図6(a)中右上端側)に切欠部65が形成されており、この切欠部65の両側が弾性保持部67、67となっている。これら弾性保持部67、67の外側部は外方に出っ張った形状をなしている。上記回転規制部61、61、61が上記溝63、63、63に圧入されることにより、上記弾性保持部67、67が相互に接近する方向に弾性変形され、それによって、弾性保持力が発揮されることになる。又、上記弾性保持部67、67が上記溝63内で適宜弾性変形することにより動作時の振動に起因した衝撃を吸収するように構成されている。又、上記切欠部65の奥には略円形をなす貫通孔68が穿孔されていて、上記弾性保持部67、67の基部の厚みを薄くしている。それによって、弾性保持部67、67が弾性変形し易い構成になっている。
また、上記回転規制部材本体53の前端側(図6(a)中左側)には、3つの支持部71、71、71を介して、ストッパ当接部73が一体に設けられている。このストッパ当接部73は、図3に示すように、上記回転規制部材51が上記ナット収容部材41に被冠された際、上記ナット収容部材41の前端側(図3中左端側)に突出・配置される。図2に示すように、上記ハウジング3内部の前端側(図2中左端側)にはストッパ75が設置されており、上記ボールねじナット31ひいては上記ナット収容部材41が前端まで移動されると(図2中左側に移動される)、上記ストッパ当接部73が上記ストッパ75に当接される。それによって、上記ナット収容部材41が上記ストッパ75に直接当接することを防止している。
なお、上記回転規制部材本体53の前方側(図6(a)中左側)に上記ストッパ当接部73が一体に設けられている関係で、上記回転規制部材51は、前端側(図5(a)中左下側)から上記ナット収容部材41に被冠される。
次に、この一実施の形態による作用について説明する。
まず、モータ19によってボールねじ軸11が回転されると、ボールねじナット31、ナット収容部材41ひいてはロッド5が前後方向(図2中左右方向)に移動される。
その際、回転規制部材51の回転規制部61、61、61とハウジング3の内側の溝63、63、63との係合構造、及び、固定用係合凸部55a、55b、55cと溝64、64、64との係合構造によって、上記ボールねじナット31の回転が規制されるとともに、前後方向(図2中左右方向)にガイドされる。
個々の回転規制部61の弾性保持部67、67は上記溝63内に弾性変形可能な状態で内装されており、弾性変形することにより上記ボールねじナット31の移動の際の振動に起因した衝撃が吸収され、また、アクチュエータ1の駆動時に発生する騒音が低減される。
また、上記ボールねじナット31及び上記ナット収容部材41が前端まで移動される(図2中左側に移動される)と、上記ストッパ当接部73が上記ストッパ75に当接され、上記ナット収容部材41が上記ストッパ75に直接当接することはないので、上記ナット収容部41の損傷を防止してその保護を図ることができる。
また、上記回転規制部材51は樹脂製の弾性部材から構成されているとともに、スリット52が形成された略C字型の断面形状になっているので、上記回転規制部材51をナット収容部材41に被冠する際、上記回転規制部材51が広がるように弾性変形し、それによって、上記回転規制部材51の上記ナット収容部材41への被冠・固定作業が容易なものとなる。
また、上記ナット収容部材41の回転防止用係合凸部48a、48b、48cの周方向両側面が回転規制部材本体53の回転防止用係合凹部56a、56b、56cに当接されているので、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の相対的な回転は規制される。
また、上記回転規制部材本体53の前後移動防止用係合凸部57、57、57が、上記ナット収容部材41の前後移動防止用係合凹部49、49、49の前後方向両側面に当接しているので、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の前後方向への相対的な移動も規制される。
次に、この一実施の形態による効果について説明する。
まず、回転規制部材51の取付構造を簡素化することができる。これは、3個の回転規制部61、61、61を一体化させて回転規制部材51とすることにより部品の単一化を図るようにしたからであり、また、単に回転規制部材51をナット収容部材41に被冠するだけで(固定するためのねじ等を要することなく)固定することができるからである。また、組立作業の容易化を図ることができる。これは、単一部品である回転規制部材51をナット収容部材41に被冠・固定するだけで、回転を規制するための所望の構造を実現することができるからである。
また、上記回転規制部材51は樹脂製でかつ、スリット52を設けた略C字型の断面形状となっているので、弾性変形が可能であり、上記回転規制部材51を上記ナット収容部材41に被冠・固定する際に効果的に弾性変形することになり、それによっても組立作業の容易化を図ることができる。
また、上記ボールねじナット31及び上記ナット収容部材41が前端(図2中左側)まで移動されると、ストッパ当接部73がストッパ75に当接され、上記ナット収容部材41が上記ストッパ75とは直接当接されることはないので、上記ナット収容部41の損傷を防止してこれを保護することができる。
また、上記回転規制部材51は上記ナット収容部材41を介してボールねじナット31に取り付けられるため、例えば、上記ボールねじナット31に上記回転規制部材51を直接取り付けるための追加工を施す必要はなく、上記回転規制部材51を容易に取り付けることができる。
また、回転規制部材本体53には、回転防止用係合凹部56a、56b、56cが設けられており、これら回転防止用係合凹部56a、56b、56cが上記ナット収容部材41の回転防止用係合凸部48a、48b、48cに係合されるため、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の相対的な回転を規制することができる。
また、上記回転規制部材51の内側には、前後移動防止用係合凸部57、57、57が形成されており、これら前後移動防止用係合凸部57、57、57が上記ナット収容部材41の外周面に形成された前後移動防止用係合凹部49、49、49に係合されているので、上記回転規制部材51と上記ナット収容部材41ひいてはボールねじナット31の前後方向への相対的なずれを防止することができる。
また、ハウジング3の内側に設けられた溝63、63、63内において、上記回転規制部材51の回転規制部61、61、61の弾性保持部67、67が弾性変形することにより、上記ボールねじナット31の移動の際の振動に起因した衝撃を吸収することができ、また、アクチュエータ1の駆動時に発生する騒音を低減させることができる。
なお、本発明は前記一実施の形態に限定されない。
例えば、前記一実施の形態の場合には、回転規制部材をナットを収容するナット収容部材に被冠・固定するようにしたが、ナットに直接被冠・固定する構成も考えられる。
また、前述したように、回転規制部材の材質は樹脂に限定されないが、例えば、スリットが設けられていれば、金属製であっても所望の弾性力を得ることはできる。
また、前記一実施の形態の場合には、ハウジング側に溝状の回転規制部を設け、回転規制部材側に凸状の回転規制部を設けたが、ハウジング側に凸状の回転規制部を設け、回転規制部材側に溝状の回転規制部を設ける構成も考えられる。
また、前記一実施の形態の場合には、回転規制部材に回転防止用係合凹部を設け、ナット収容部材に回転防止用係合凸部を設けていたが、回転規制部材に回転防止用係合凸部を設け、ナット収容部材に回転防止用係合凹部を設ける構成も考えられる。
また、前記一実施の形態の場合には、回転規制部材に前後移動防止用係合凸部を設け、ナット収容部材に前後移動防止用係合凹部を設けていたが、回転規制部材に前後移動防止用係合凹部を設け、ナット収容部材に前後移動防止用係合凸部を設ける場合も考えられる。
また、ストッパ当接部を回転規制部材の後端側、又は、前後両端側に設けることも考えられる。
その他、図示した構成は一例であり様々な場合が考えられる。
本発明は、例えば、ねじとナットによるねじナット機構により上記ナットに固着された可動部を前後に移動させるアクチュエータに係り、回転規制部材のナットへの取付構造を簡素化し、容易に組み立てることができるように工夫したものに関し、特に、産業用ロボットに用いられるアクチュエータに好適である。
1 アクチュエータ
3 ハウジング
5 ロッド(可動部)
11 ボールねじ軸(ねじ)
31 ボールねじナット(ナット)
41 ナット収容部材
51 回転規制部材
52 スリット
48a 回転防止用係合凸部(回転防止用被係合部)
48b 回転防止用係合凸部(回転防止用被係合部)
48c 回転防止用係合凸部(回転防止用被係合部)
49 前後移動防止用係合凹部(前後移動防止用被係合部)
56a 回転防止用係合凹部(回転防止用係合部)
56b 回転防止用係合凹部(回転防止用係合部)
56c 回転防止用係合凹部(回転防止用係合部)
57 前後移動防止用係合凸部(前後移動防止用係合部)
61 回転規制部
63 溝(ハウジング側回転規制部)
73 ストッパ当接部

Claims (6)

  1. ハウジングと、
    上記ハウジング内に置されたねじと、
    上記ねじに螺合されたナットと、
    上記ナットに固着された可動部と、
    上記ナットに直接又は間接に被冠されることにより固定され回転規制部を備えた回転規制部材と、
    上記ハウジングに設けられ上記回転規制部が係合することにより上記ねじの回転に伴う上記ナットの回転を規制するハウジング側回転規制部と、
    を具備し、
    上記回転規制部材には回転防止用係合部が設けられており、
    上記ナット側には上記回転防止用係合部に係合する回転防止用被係合部が設けられており、
    上記回転防止用係合部を上記回転防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの相対的な回転を規制し、
    上記回転規制部材には前後移動防止用係合部が設けられており、
    上記ナット側には前後移動防止用被係合部が設けられており、
    上記前後移動防止用係合部を上記前後移動防止用被係合部に係合させることにより上記回転規制部材と上記ナットの上記ナットの移動方向への相対的な移動を規制し、
    上記前後移動防止用係合部の上記ナットの移動方向の両側の面が上記前後移動防止用被係合部に当接され、
    上記回転防止用係合部と上記前後移動防止用係合部が上記ナットの周方向に隣接して配置されることを特徴とするアクチュエータ。
  2. 請求項1記載のアクチュエータにおいて、
    上記回転規制部材は略円筒形状であり、
    上記回転防止用係合部と上記前後移動防止用係合部は上記ナットの移動方向に直交する方向から視て重なる位置に配置されていることを特徴とするアクチュエータ。
  3. 請求項1又は請求項2記載のアクチュエータにおいて、
    上記回転規制部材は弾性部材から構成されていることを特徴とするアクチュエータ。
  4. 請求項3記載のアクチュエータにおいて、
    上記回転規制部材には軸方向に沿ってスリットが形成されていて弾性変形し易い構成になっていることを特徴とするアクチュエータ。
  5. 請求項1〜請求項4の何れかに記載のアクチュエータにおいて、
    上記回転規制部材には上記ナットの移動量を規制するストッパ当接部が設けられていることを特徴とするアクチュエータ。
  6. 請求項1〜請求項5の何れかに記載のアクチュエータにおいて、
    上記ナットはナット収容部材内に収容されていて、上記回転規制部材は上記ナット収容部材に被冠されることにより固定されることを特徴とするアクチュエータ。
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