JP6598681B2 - 表面に反応性官能基を有するシリカ粒子及びその製造方法 - Google Patents

表面に反応性官能基を有するシリカ粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、表面に反応性官能基を有するシリカ粒子及びその製造方法に関する。
近年、数nm〜1μm程度の微粒子が様々な分野に応用され、注目を集めている。例えば、吸着剤、触媒などに用いられる多孔質シリカ粒子やゼオライト粒子、顔料に用いられるカーボンブラック、金属酸化物粒子、無機化合物粒子、導電材料に使われる金属ナノ粒子、樹脂の補強剤に使われるシリカ粒子など、上記微粒子の材質および用途は多岐にわたる。また、半導体ナノ粒子や、蛍光色素を含むシリカナノ粒子等は、特にバイオテクノロジーの分野において、新たな標識用粒子としての応用が期待されている。高濃度の色素を含むシリカナノ粒子もまた、高いモル吸光係数を有することから、より高感度な標識用粒子としての応用が期待されている。
上記標識用粒子は、特定の標的分子との結合能を有する生体分子(タンパク質や核酸等)をその表面に結合させることで、標的分子の検出、定量、染色等に利用可能な標識試薬として利用することができる。
標識用粒子と生体分子との結合は、物理的な吸着による他、標識用粒子表面に存在する反応性官能基を介して両者を共有結合させることでも行われる。共有結合を利用することで、より強固で安定な標識生体分子が得られる。シリカ粒子の表面に反応性官能基を導入する方法としては、アンモニア水含有溶媒中でシリカのコア粒子表面に反応性官能基を有するオルガノアルコキシシランを縮重合させる方法が知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2011−225381号公報
シリカ粒子表面に反応性官能基を導入する際には、通常、当該官能基を有するシランカップリング剤と、コアとなるシリカ粒子とを、酸性又は塩基性の水溶液中で混合する手法がとられる。これにより、水溶液中の水分によってシランカップリング剤が加水分解され、続いてシリカ粒子表面の水酸基との間で縮重合反応が起こり、反応性官能基がシリカ粒子表面に導入される。しかし、この方法では、反応性官能基を有するシランカップリング剤同士が縮重合することを避けられない。そのため、コア粒子表面に、反応性官能基を有するシランカップリング剤に由来するシェル層が分厚く形成され、多くの反応性官能基がこのシェル層中に埋もれた状態となってしまう。すなわち従来の方法では、反応性官能基の粒子表面への導入は非効率なものであった。
本発明は、表面にチオール基を特定の密度で有するナノメートルサイズのシリカ粒子であって、当該粒子が有するチオール基の総量に占める当該粒子表面に存在するチオール基の割合を高めたシリカ粒子を提供することを課題とする。
また、本発明は、上記シリカ粒子表面に上記チオール基を介して生体分子が結合してなる生体分子複合粒子を提供することを課題とする。
また、本発明は、生体分子として抗体又は抗原を結合させた生体分子複合粒子を用いたイムノクロマト方法を提供することを課題とする。
さらに、本発明は、表面に特定の反応性官能基をより効率的に導入することができるシリカ粒子の製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、シリカ粒子を、その表面に結合水を有する状態で有機溶媒中に分散し、当該有機溶媒中にチオール基等の反応性官能基を有するシランカップリング剤を混合すると、このシリカ粒子表面に当該反応性官能基を効率的に導入できることを見い出した。すなわち、上記結合水によって、粒子表面でのみ上記シランカップリング剤の加水分解と縮重合反応が進行するため、上記シランカップリング剤同士の間の縮重合反応が生じにくく、その結果、反応性官能基を有するシェル層の厚みが大幅に抑えられることを見い出した。
また、こうして得られたシリカ粒子の表面に、当該反応性官能基を介して生体分子を結合させて、イムノクロマト法等の標識試薬として用いると、当該標識試薬の非特異的吸着が抑えられてバックグラウンドシグナルが低下し、これによりシグナル/ノイズ比が大きくなり、より高感度の分析が行えることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明の課題は下記の手段により達成された。
〔1〕
チオール基を表面に有するシリカ粒子であって、下記(a)及び(b)を満たすシリカ粒子:
(a)粒径が20〜1000nmである、
(b)シリカ粒子表面における前記チオール基の密度が、0.002〜0.2個/nmである、
(c)シリカ粒子中の硫黄元素の量A(シリカ粒子1個当たりのチオール由来の硫黄元素個数)に対する、該シリカ粒子の表面に存在するチオール基の量B(個/1粒子)の比(B/A)が0.10〜0.60である。
〔2〕
前記シリカ粒子が蛍光性又は吸光性の色素を含有する、〔1〕に記載のシリカ粒子。
〔3〕
前記チオール基が、アルキレン基又はアルキレンオキシ基を介してシリカ粒子表面に結合している、〔1〕又は〔2〕に記載のシリカ粒子。
〔4〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のシリカ粒子の表面に、前記チオール基を介して生体分子が結合してなる生体分子複合粒子。
〔5〕
前記生体分子が抗体又は抗原である、〔4〕に記載の生体分子複合粒子。
〔6〕
〔5〕に記載の生体分子複合粒子を用いたイムノクロマト方法。
〔7〕
〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載のシリカ粒子の製造方法であって、下記(a)−(c)の工程を含む、製造方法。
(a)アンモニア水含有溶媒中で表面に結合水を有するシリカ粒子を形成する工程
(b)前記工程(a)で得られたシリカ粒子に親水性有機溶媒であるアルコールによる洗浄処理を施すことで、シリカ粒子の表面に存在する結合水以外の自由水を除去する工程
(c)前記工程(b)で得られた表面に結合水を有するシリカ粒子と、ヒドロキシ基以外の反応性官能基を有するシランカップリング剤とを有機溶媒中に混合し、該結合水により該シランカップリング剤を加水分解する工程
〔8〕
前記アルコール、炭素数2以上のアルコールである、〔7〕に記載の製造方法。
〔9〕
前記の表面に結合水を有するシリカ粒子が蛍光性又は吸光性の色素を含有する、〔7〕又は〔8〕に記載の製造方法。
本発明のシリカ粒子は、表面にチオール基を特定の密度で有し、当該粒子が有するチオール基の総量に占める当該粒子表面のチオール基の割合が大幅に高められている。
本発明の生体分子複合粒子は、本発明のシリカ粒子表面に、チオール基を介して生体分子が結合しており、分析試薬に用いた際の非特異的な吸着が効果的に抑えられ、検出感度をより高めることができる。
本発明のイムノクロマト方法は、本発明の生体分子複合粒子が標識試薬として用いられ、生体分子が結合する標的物質を、高感度に検出することができる。
本発明の製造方法によれば、シリカ粒子表面に特定の反応性官能基をより効率的に導入することができる。
本発明の上記及び他の特徴及び利点は、適宜添付の図面を参照して、下記の記載からより明らかになるであろう。
実施例で用いたイムノクロマト装置のテストストリップの構造を模式的に示した図である。図1中(A)は上面図、(B)は縦断面図を示す。
本発明をその好ましい実施態様に基づき以下に詳細に説明する。
本発明のシリカ粒子は、粒径が20〜1000nmのシリカ粒子であって、その表面にチオール基を特定の密度で有し、且つ、当該粒子が有するチオール基の総量中、当該粒子表面に存在するチオール基の比率が特定のレベルに高められている。
また、本発明の製造方法は、表面に結合水を有するシリカ粒子と、ヒドロキシ基以外の反応性官能基を有するシランカップリング剤とを有機溶媒中に混合し、当該シリカ粒子表面の結合水により、当該シランカップリング剤を加水分解することを含む。
まず最初に、本発明の製造方法の好ましい実施形態について以下に詳説する。
[本発明の製造方法]
(表面に結合水を有するシリカ粒子)
表面に結合水を有するシリカ粒子(以下「コア粒子」ということがある。)は、表面にヒドロキシ基を有し、後述する反応性官能基を有するシランカップリング剤と縮重合反応できれば特に制限はない。シリカ粒子を標識試薬として用いる場合には、蛍光性又は吸光性の色素や放射性物質等の標識物質を含有させることができる。コア粒子は好ましくは蛍光性又は吸光性の色素を含有し、より好ましくは蛍光性色素を含有する。
コア粒子の好ましい実施形態について説明する
蛍光性又は吸光性の色素を含有するコア粒子は、当該色素とシランカップリング剤とを、共有結合、イオン結合その他の化学結合又は物理的吸着により結合させた生成物(蛍光性又は吸光性の色素が結合したオルガノアルコキシシラン)を得、この生成物と1種又は2種以上のシラン化合物(シロキサン成分)とを、例えばアンモニア水含有溶媒中で、加水分解・縮重合させてシロキサン結合を形成させることにより調製することができる。また、色素に限らず、放射性物質等の他の標識物質を含有するコア粒子についても、標識物質が結合したシランカップリング剤を用いて、同様にして調製することができる。
また、シリカ粒子に標識物質を含有させない場合は、単に上記シラン化合物のみを原料として、アンモニア水含有溶媒中で、加水分解・縮重合させ、コア粒子を得ればよい。
上記アンモニア水含有溶媒としては、例えば、水/エタノールを体積比で1/10〜1/1とした混合液に、例えば28%程度のアンモニア水を、アンモニア濃度が0.2〜3wt%になるように加えた溶液を用いることができる。
前記シラン化合物(シロキサン成分)に特に制限はないが、テトラエトキシシラン(TEOS)やテトラメトキシシランのようなテトラアルコキシシランを用いることが好ましく、中でも、TEOSを好適に用いることができる。
標識物質とシランカップリング剤とを共有結合させる場合には、例えば、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基等の活性基を有する標識物質と、これらの活性基と反応しうる官能基(例えば、アミノ基、水酸基、チオール基等)を有するシランカップリング剤を用いることができる。
NHSエステル基を有する標識物質が蛍光分子である場合の好適な例としては、5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル(商品名、emp Biotech GmbH社製)、下記式で表されるDY550−NHSエステル、下記式で表されるDY630−NHSエステル(いずれも商品名、Dyomics GmbH社製)等のNHSエステル基を有する蛍光色素化合物が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
標識物質がスクシンイミド基を有する場合には、アミノ基を有するシランカップリング剤と結合させることができる。アミノ基を有するシランカップリング剤の具体例として、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、3−(2−アミノエチルアミノ)プロピルジメトキシメチルシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。中でも、APSを好適に用いることができる。
上述のように調製される、標識物質を含むあるいは標識物質不含のシリカ粒子の形状は、長軸と短軸の比が2以下の球状であることが好ましい。また、平均粒径は1〜950nmであることが好ましく、18〜495nmであることがより好ましく、28〜298nmであることがさらに好ましい。
本明細書において、粒径は平均粒径を意味する。平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から無作為に選択した50個の粒子の合計の投影面積から粒子の占有面積の合計を画像処理装置によって求め、この占有面積の合計を、選択した複合粒子の個数(50個)で割って得られる面積に相当する円の直径(平均円相当直径)として算出することができる。前記平均粒径は、一次粒子が凝集してなる二次粒子の粒径は含まない。
所望の平均粒径のシリカナノ粒子は、YM−10、YM−100(いずれも商品名、ミリポア社製)等の限外ろ過膜を用いた限外ろ過により得ることができる。また、適切な重力加速度で遠心分離を行い、上清又は沈殿を回収することで得ることもできる。
ヒドロキシ基以外の反応性官能基を導入する前の、表面に結合水を有するシリカ粒子は、水、水溶液もしくは有機溶媒又はこれらの混合液により洗浄しておくことも好ましい。また、水や水溶液を用いて洗浄することにより、不純物の除去と同時に粒子表面に十分な結合水を保持させることもできる。
洗浄操作は具体的には、シリカ粒子の洗浄液中への分散、遠心分離によるシリカ粒子の沈降、及び上清の除去を1〜3サイクル行うことが好ましい。洗浄液に特に制限はないが、例えば、水、水溶液、エタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール、ヘキサノール、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水又は水溶液により洗浄して不純物を除去すると同時にシリカ粒子表面に十分量の結合水を保持させた後、アルコール(好ましくはエタノール、プロパノール、ペンタノール、ヘキサノール又はヘキサノール)等の親水性有機溶媒で洗浄し、シリカ粒子表面に存在する結合水以外の余分な水分(自由水)を除去し、表面に結合水を有するシリカ粒子を得ることも好ましい。
また、アンモニア水含有溶媒中でコア粒子を形成した直後であれば、通常、コア粒子表面に十分な結合水が保持されている。したがって、アンモニア水含有溶媒中で形成したコア粒子を親水性有機溶媒で洗浄し、シリカ粒子表面に存在する自由水を除去し、表面に結合水を有するシリカ粒子を得ることができる。
続いて、表面に結合水を有するシリカナノ粒子にヒドロキシ基以外の反応性官能基(以下、「官能基(I)」という。)を導入する方法について説明する。本発明の製造方法では、官能基(I)は、チオール基、アミノ基、カルボキシ基、ハロゲン基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基、及びイソチオシアネート基から選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。このような反応性官能基を採用することで、これらの反応性官能基を介して生体分子等を結合させることができる。
(官能基(I)の導入)
本発明の製造方法は、上記で得られた表面に結合水を有するシリカ粒子と、官能基(I)を有するシランカップリング剤とを有機溶媒中に混合し、当該結合水により当該シランカップリング剤を加水分解する工程を含む。
上記で加水分解された官能基(I)を有するシランカップリング剤は、その加水分解サイトのヒドロキシ基とシリカナノ粒子表面のヒドロキシ基とが縮重合することでシリカナノ粒子表面に結合する。この縮重合反応により水分子が放出されるため、結合水の量は縮重合反応の前後で変化しない。
上記有機溶媒としては、ジメチルスルホキシド、スルホラン、ピリジン、N−メチルピロリドン、N−シクロヘキシルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、アルコール(好ましくは炭素数2以上、より好ましくは炭素数3〜10、さらに好ましくは炭素数4〜8のアルコール)が挙げられる。なかでも、N,N−ジメチルホルムアミド及び炭素数4〜8のアルコールから選ばれるものが好ましく、炭素数4〜8のアルコールから選ばれるものがより好ましく、ペンタノール、ヘキサノール及びヘプタノールから選ばれる溶媒がさらに好ましい。
上記官能基(I)を有するシランカップリング剤において、官能基(I)とケイ素原子との連結は、連結基を介していることが好ましい。当該連結基としては、アルキレン基又はアルキレンオキシ基であることが好ましい。当該アルキレン基又はアルキレンオキシ基の炭素数は、2〜10が好ましく、2〜5がより好ましく、2〜4がさらに好ましい。連結基と有機溶媒との間の溶媒和により、官能基をシリカ粒子の表面外側に向けて効果的に配置させることができる。
上記官能基(I)を有するシランカップリング剤の具体例としては、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソチオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、(3−クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド等が挙げられるが、本発明はこれらに限定されるものではない。
上記方法によりシリカ粒子に官能基(I)を導入することで、官能基(I)を有するシランカップリング剤同士の縮重合反応を大幅に抑えることができる。その結果、官能基(I)を有するシェル層をより薄膜化することができる。このシェル層の薄膜化は、シリカ粒子を分析試薬の標識粒子として用いた際に、検体中に存在する成分等の非特異的な吸着を抑え、感度と精度に優れた分析を可能とする。
また、シェル層を薄膜化できるため、その分、コア粒子の割合を増やすことができる。その結果、1粒子当たりの標識物質(色素等)の量を増やすことができ、分析試薬として用いた際のさらなる感度アップにつながる。
官能基(I)が導入された機能性分子含有シリカナノ粒子のゼータ(ζ)電位の絶対値は20〜70mVであることが好ましい。ゼータ電位の絶対値が上記範囲内である粒子は、凝集が抑制され、分散性がより高まる。
ゼータ電位は、例えば、ゼータサイザーナノ(商品名、マルバーン社製)、ELS−Z1(商品名、大塚電子社製)、NICOMP 380ZLS(商品名、IBC社製)を用いて測定することができる。
本発明の製造方法により、シリカ粒子が有する官能基(I)の総量に占める、粒子表面に存在する官能基(I)の割合を高めることができる。
上述のように調製される、表面に官能基(I)を有するシリカ粒子の形状は、長軸と短軸の比が2以下の球状である。本発明の実施において、表面修飾に必要とされる溶媒置換のためには、シリカ粒子を遠心分離できることが必要である。粒径(平均粒径)が20nmより小さい場合、遠心分離により沈降が困難となり、従って、20nm以上であることが好ましい。また、粒径が1000nmより大きい場合、反応中に粒子が沈降してしまう。そのため、粒径は1000nm以下であることが好ましい。よって、粒径は20〜1000nmであることが好ましく、20〜500nmであることがより好ましく、30〜300nmであることがさらに好ましい。
本発明の製造方法において、官能基(I)はチオール基が好ましい。官能基(I)がチオール基の場合に得られるシリカ粒子について以下に説明する。
官能基(I)がチオール基である場合には、チオール基を有するシリカ粒子中の硫黄元素の量A(シリカ粒子1個当たりのチオール由来の硫黄元素個数)に対する、当該シリカ粒子の表面に存在するチオール基の量B(個/1粒子)の比(B/A)が、0.10〜0.60であることが好ましく、0.15〜0.60であることがより好ましく、0.20〜0.60であることがさらに好ましい。
ここでいう粒子1個当たり(1粒子当たり)とは、所定量のシリカ粒子が有する硫黄元素量あるいはチオール基の量を、その粒子数で割った値である(すなわち平均値である)。ここで、所定量のシリカ粒子の粒子数は、当該所定量のシリカ粒子の総質量を、シリカ粒子1個当たりの質量で除することで求められる。シリカ粒子1個当たりの質量は、シリカ粒子の平均体積とシリカ粒子の比重(2.0g/cm)を用いて算出することができる。シリカ粒子の平均体積は、10000倍のSEM写真から、画像処理により視野中の所定個数(通常200個程度)の個々のシリカ粒子の粒径(長径と短径の平均)を求め、これを用いて、個々のシリカ粒子を球体と想定して体積を計算し(体積=4π×(シリカ粒子の粒径の半分)/3)、これに基づき総体積を求め、これを上記視野中の所定個数(粒子数)で割ることにより算出することができる。
上記の比(B/A)は、シリカ粒子の硫黄元素の総重量に対するシリカ粒子表面に露出している硫黄元素の重量の比率と同じ意味である。
また、官能基(I)がチオール基である場合において、シリカ粒子表面におけるチオール基の密度は、0.002〜0.2個/nmが好ましく、0.002〜0.1個/nmがより好ましい。また、0.002〜0.05個/nmであってもよく、0.003〜0.02個/nmであってもよく、0.003〜0.01であってもよい。
シリカ粒子表面におけるチオール基の密度を0.002個/nm以上とすることで、生体分子を十分量結合することができ、例えばイムノクロマトグラフィー等のイムノアッセイに適用した際に検出感度をより高めることができる。
また、シリカ粒子表面におけるチオール基の密度を0.2個/nm以下とすることで、粒子の凝集を効果的に抑えることができる。また、生体分子を結合させて分析試薬として用いた際には、非特異的な吸着がさらに抑えられ、偽陽性がより生じにくくなる。
なお、官能基(I)がチオール基である場合において、粒子表面へのチオール基の導入前のコア粒子が硫黄元素を有する場合には(例えば、色素とシランカップリング剤との連結部に硫黄元素が存在する等)、コア粒子中の硫黄元素の量は、シリカ粒子中の硫黄元素の量Aには含まれないものとする。つまり、上記Aはチオール基の形態で粒子中に存在する硫黄元素の総量となる。粒子表面へのチオール基の導入前のコア粒子は、硫黄元素を有さないことが好ましい。
上記の、表面にチオール基を有するシリカ粒子中の硫黄元素の量A(当該チオール基を有するシリカ粒子1個当たりの量)は、燃焼法により測定することができる。具体的には、Niカプセル等の金属カプセルにシリカナノ粒子を5〜50μg入れ、燃焼させて生じる二酸化硫黄(SO)の量を定量することで硫黄元素の量を測定することができる。
上記の、表面にチオール基を有するシリカ粒子において、粒子表面に存在するチオール基の量Bは、DNTB(5,5'-Dithiobis(2-nitrobenzoic acid))を試薬として用いて測定することができる。DNTBを用いたチオール基の定量法は、例えば、Archives of Biochemistry and Biophysics,1959,vol.82,p.70 に記載されている。具体的な方法の一例としては、リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した10mMのDNTBの溶液20μLと、200mg/mLに調製したシリカ粒子コロイド2.5mLとを混合し、1時間後に412nmの吸光度を測定し、標準物質としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)を用いて作成した検量線から粒子表面に存在するチオール基量を定量することができる。
本発明の製造方法で得られる、表面にチオール基を有するシリカ粒子は、当該チオール基を介して生体分子を結合し、生体分子複合粒子とすることができる。生体分子を結合については後述する。
また、本発明の製造方法において、シリカ粒子が有する官能基(I)がアミノ基、カルボキシ基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基又はイソチオシアネート基である場合も、得られるシリカ粒子表面に常法により生体分子を結合させることができる。これらの方法は、例えば、特開2009-274923(アミノ基)号公報、特開2009-162537(カルボキシ基)号公報、特開2010-100542(エポキシ基、イソシアネート基)号公報等の記載を参照することができる。
[本発明のシリカ粒子]
本発明のシリカ粒子は、その表面にチオール基を有し、(a)粒径が20〜1000nmであり、(b)粒子表面における前記チオール基の密度が0.002〜0.2個/nmであり、さらに(c)シリカ粒子中の硫黄元素の量A(シリカ粒子1個当たりのチオール由来の硫黄元素個数)に対する、該シリカ粒子の表面に存在するチオール基の量B(個/1粒子)の比(B/A)が0.10〜0.60である。本発明のシリカ粒子は、通常はその表面にチオール基が均質に存在している。
本発明のシリカ粒子の調製方法に特に制限はなく、例えば、上述した本発明の製造方法において、官能基(I)としてチオール基を採用することにより得ることができる。
本発明のシリカ粒子の好ましい形態は、上述の本発明の製造方法において、官能基(I)としてチオール基を採用した場合に得られるシリカ粒子の好ましい形態と同じである。したがって、本発明のシリカ粒子の粒径は、20〜500nmであることがより好ましく、30〜300nmであることがさらに好ましい。またシリカ粒子表面におけるチオール基の密度は0.002〜0.1個/nmが好ましく、0.002〜0.05個/nmであってもよく、0.003〜0.02個/nmであってもよい。また、本発明のシリカ粒子は、上記比(B/A)が、0.15〜0.60であることが好ましく、0.20〜0.60であることがより好ましい。
本発明のシリカ粒子は標識物質を含有しなくてもよいが、標識物質を含有することが好ましい。標識物質を含有することにより、標識試薬として好適に用いることができる。標識物質は、蛍光性又は吸光性の色素であることが好ましく、蛍光性色素がより好ましい。当該色素は、チオール基を導入する前の粒子(コア粒子)に含有させることが好ましい。すなわち、標識物質を含有するコア粒子を調製し、その表面に、例えば本発明の製造方法によってチオール基を導入することにより、標識物質を含有する形態の本発明のシリカ粒子を得ることができる。コア粒子の調製は上述したとおりである。上記コア粒子には硫黄元素が含まれないことが好ましい。
[本発明の生体分子複合粒子]
本発明の生体分子複合粒子は、上記本発明のシリカ粒子がその表面に有するチオール基を介して生体分子を結合した形態の粒子である。
生体分子に特に制限はなく、タンパク質、核酸、糖等を広く用いることができる。これらの生体分子はさらに化学修飾されていてもよく、また、一部の構造が化学的に改変されていてもよい。なかでも、生体分子は所望の標的物質との特異的な結合能を有することが好ましい。当該生体分子と標的物質の組み合わせの例として、抗体とその抗原、抗原とその抗体、核酸(DNAやRNA等)と該核酸に相補的な配列を有する核酸、受容体とそのリガンド、リガンドとその受容体、レクチンと糖鎖、アプタマーと該アプタマーに特異的に結合する分子、等が挙げられる。生体分子は好ましくは抗体又は抗原であり、より好ましくは抗体である。
上記生体分子が抗体である場合には、本発明の生体分子複合粒子は抗原を検出するための免疫測定試薬として用いることができる。
上記抗体としては、免疫グロブリン(whole抗体)や、それを酵素分解して得られるF(ab’)やFab、重鎖の可変領域(VH)と軽鎖の可変領域(VL)とをリンカーを介してタンデムに連結したscFvやsc(Fv)、VHとVLがリンカーを介して連結したユニット2つからなるダイアボディー、人工的に化学合成した、VH及びVLを含むポリアミノ酸、大腸菌や酵母等を発現系として用いて作製された、VH及びVLを含む組換えタンパク質ないし組換えポリアミノ酸を含む。すなわち、本発明において「抗体」とは、VH及びVLを有する分子ないしユニットを意味し、VH及びVLを有する限り、その形態は限定されない。
本発明のシリカ粒子への生体分子の結合は、粒子表面に存在するチオール基と、生体分子とを、共有結合させるのが好ましい。当該共有結合は常法により行うことができる。例えば、本発明のシリカ粒子と、マレイミド基及びカルボキシ基を有するリンカー分子とを非プロトン性溶媒中に共存させ、これにより粒子表面のチオール基と前記マレイミド基との間でチオエーテル結合を形成させて、リンカー分子が結合したシリカ粒子を得る。続いて、前記のリンカー分子が結合したシリカ粒子と、カルボジイミドと、アミノ基を有する生体分子とを水系溶媒中に共存させ、前記カルボジイミドにより活性エステル化された前記カルボキシ基と、前記生体分子が有するアミノ基との間でアミド結合を形成させる。こうすることで、チオール基を介して生体分子が結合してなる生体分子複合粒子を得ることができる。
また、表面にチオール基を有するシリカ粒子と、マレイミド基及びアミノ基を有するリンカー分子とを溶媒中に共存させ、これによりチオール基を有するシリカ粒子の当該チオール基と前記マレイミド基との間でチオエーテル結合を形成させ、次いでリンカー分子が結合したシリカ粒子を得、続いて、前記のリンカー分子が結合したシリカ粒子と、カルボジイミドと、抗体とを水系溶媒中に共存させ、前記リンカー分子が有するアミノ基と、前記抗体が有するカルボキシ基との間でアミド結合を形成させてもよい。
本発明の製造方法で製造された生体分子複合粒子は、粒径(平均粒径)が20〜1000nmであることが好ましく、20〜500nmであることがより好ましく、30〜300nmであることがさらに好ましい。
本発明の生体分子複合粒子の用途に特に制限はない。例えば、生体分子として抗体又は抗原を用いれば、各種免疫学的検査(イムノアッセイ)の標識試薬として用いることができる。当該イムノアッセイとしては、イムノクロマトグラフィー、エンザイムイムノアッセイ(EIA、例えばEnzyme−Linked ImmunoSorbent Assay(ELISA)等)、蛍光イムノアッセイ(FIA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)等の標識粒子として適用することができる。
また、免疫凝集法(抗体又は抗原を結合した粒子と検体とを混合し、検体に含まれる抗原又は抗体との抗原抗体反応によって粒子を凝集させる検査方法)、免疫比濁法(抗体又は抗原を結合した粒子と検体とを混合し、検体に含まれる抗原又は抗体との抗原抗体反応によって生じる抗原−抗体複合体の沈降物を形成させ、その凝集塊に光を照射して、散乱による照射光の減衰を分光光度計で計測して検体に含まれる抗原量を測定する検査方法)、免疫比ろう法(抗体又は抗原を結合した粒子と検体とを混合し、検体に含まれる抗原または抗体との抗原抗体反応によって生じる抗原−抗体複合物を形成させ、その複合物の分散液に光をあて散乱した光を測定することで、検体に含まれる抗原または抗体を定量する検査方法)、CLEIA法(化学発光酵素免疫測定法;抗体を結合した粒子及び酵素標識抗体と抗原を含む検体とを混合し、粒子−抗原−酵素標識抗体の複合体を形成し、未反応物を除去後、発光試薬を添加し、その発光量を測定して検出対象物を定量する検査方法)などにも利用できる。
その他にも、本発明の生体分子複合粒子は、フローサイトメトリーにおける標識粒子や、各種バイオチップ等における標識粒子としても用いることができる。
[本発明のイムノクロマト方法]
本発明のイムノクロマト方法(イムノクマトグラフィー法)の好ましい実施形態について説明する。
(テストストリップ)
本発明のイムノクロマト方法は、特定のテストストリップを用いて実施される。当該テストストリップは、
(1)試料添加用部材(サンプルパッド)と標識抗体(シリカ粒子が例えば蛍光性又は吸光性の色素を含有する生体分子複合粒子であって、当該生体分子が抗体であるもの)を含有させてなる部材(コンジュゲートパッド)とが、
(2)前記コンジュゲートパッドと、標的物質と標識抗体とを含む複合体を捕捉するための抗体が固定化されたメンブレン(捕捉抗体固定化メンブレン)とが、並びに
(3)前記捕捉抗体固定化メンブレンと吸収パッドとが
相互に毛細管現象が生じるように直列に連結している構造であることが好ましい。
上記捕捉抗体分子は、標的物質と標識抗体とを含む複合体において、標的物質上の、標識抗体が結合している部位以外の部位に結合可能な抗体である。
図1(A)及び(B)を参照して、上記テストストリップの好ましい実施形態について説明するが、本発明はこれに制限されるものではない。
図1(A)は、上記テストストリップの好ましい一実施形態の平面図を示し、図1(B)は、図1(A)で示した上記テストストリップの縦断面図を示す図である。
上記テストストリップ1は、サンプルパッド2、コンジュゲートパッド3、捕捉抗体固定化メンブレン4、吸収パッド5からなることが好ましい。上記各構成部材は粘着剤付きバッキングシート6により裏打ちされていることが好ましい。
前記捕捉抗体固定化メンブレン4における捕捉抗体固定化部に、標的物質の有無を判定、すなわち陽性/陰性を判定するための抗体が固定化された判定部41を設ける。捕捉抗体固定化メンブレン4には、標識抗体と結合する分子が固定化されたコントロールライン42を含むことが好ましい。
次に、上記各部材について説明する。
(サンプルパッド2)
サンプルパッド2は標的物質を含む液体試料を滴下する構成部材である。
(コンジュゲートパッド3)
コンジュゲートパッド3は標識抗体を含有する構成部材であり、サンプルパッド2から毛細管現象により移動してきた液体試料に含まれる標的物質が特異的分子認識反応によって標識抗体と液相中で結合して複合体の形成が開始される部分である。
(捕捉抗体固定化メンブレン4)
捕捉抗体固定化メンブレン4は前記複合体を含む溶液が毛細管現象により移動してくる構成部材であり、標的物質と標識抗体とを含む複合体が固定化抗体上に捕捉される捕捉抗体固定化部(判定部)を有する。
前記メンブレンにおける前記捕捉抗体固定化部(判定部)の形状としては局所的に捕捉用抗体が固定化されている限り特に制限はなく、ライン状、円状、帯状等が挙げられるが、ライン状であることが好ましく、通常には幅0.5〜1.5mmのライン状である。
上記複合体形成反応により、結果的に捕捉抗体固定化部(判定部)に、標識抗体が濃縮される。その結果、蛍光シグナル等の含色素シリカ粒子が有する色素量の程度により標的物質の量を定性又は定量することができる。
前記捕捉抗体固定化部(判定部)における捕捉抗体固定化量に特に制限ないが、形状がライン状の場合、単位長さ(cm)当たり0.1μg〜5μgが好ましい。固定化方法としては、捕捉抗体溶液を塗布、滴下ないしは噴霧後、乾燥して物理吸着により固定化する方法等が挙げられる。捕捉分子はメンブレンに直接固定化されていてもよいし、他の分子を介して間接的に固定化されていてもよい。
前述の捕捉抗体固定化後に、非特異的吸着による測定への影響を防止するために前記捕捉抗体固定化メンブレン全体にいわゆるブロッキング処理を施しておくことが好ましい。例えば、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等のブロッキング剤を含有する緩衝液中に適当な時間浸漬した後乾燥することでブロッキングを行うことができる。市販の前記ブロッキング剤としては、例えば、スキムミルク(DIFCO社製)、4%ブロックエース(明治乳業社製)などが挙げられる。
(吸収パッド5)
吸収パッド5は、毛細管現象でメンブレンを移動してきた溶液を吸収し、一定の流れを生じさせるための構成部材である。
これら各構成部材の材料としては特に制限は無く、イムノクロマト用テストストリップに通常用いられる部材が使用できるが、サンプルパッド及びコンジュゲートパッドとしてはGlass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のガラスファイバーのパッドが好ましく、メンブレンとしてはHi−Flow Plus120メンブレン(商品名、MILLIPORE社製)等のニトロセルロースメンブレンが好ましい。また、吸収パッドとしてはCellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のセルロースメンブレンが好ましい。
前記粘着剤付きバッキングシートとしては、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)等が挙げられる。
前記テストストリップの作製法としては、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、捕捉抗体固定化メンブレン、吸収パッドの並び順に、各部材間で毛管現象を生じさせ易くするために、それら各部材の両端を隣接する部材と1〜5mm程度重ね合わせて(好ましくはバッキングシート上に)貼付することで作製することができる。
(検出方法)
次にイムノクロマト法における検出方法について説明する。
標的物質を含有しうる液体試料を上記テストストリップのサンプルパッド2に滴下することで、サンプルパッド2を通過した当該液体試料がコンジュゲートパッド3に浸透して接触し、該コンジュゲートパッド3に保持されていた標識抗体と当該液体試料中の標的物質との結合反応が開始する。液体試料は、前記結合反応により標識抗体と該標的物質とを含む複合体を形成しながら、毛細管現象により捕捉抗体固定化メンブレン4、吸収バッド5へと順次移動していき、試料中に標的物質が含まれる場合には、上述したようにテストライン上に標識抗体が濃縮される。この濃縮された標識抗体に含まれる色素の吸光(プラズモン共鳴)を目視で、又は色素の蛍光を蛍光検出器を用いて検出することで、標的物質の存在を検出することができる。本発明において「検出」とは、定性的な検出と定量的な検出の双方を含む概念である。
滴下する液体試料の量はテストストリップの構成に合わせて適宜調節することができる。
本発明において、標的物質を含有しうる試料に特に制限なく、臨床検体、食品検体、環境サンプリング検体等が挙げられる。
上記臨床検体としては、血液、血漿、血清、リンパ液、尿、唾液、膵液、胃液、喀痰、鼻や咽等の粘膜から採取したぬぐい液等の体液や便等が挙げられるがこれらに限定されず、目的とする標的物質が含まれ得る試料であればよい。
上記食品検体としては、液体飲料、半固形食品、固形食品等が挙げられる。
環境サンプリング検体としては、土壌、河川、海水等の自然界のサンプルの他、工場内の生産ラインやクリーンルームに設置されたエアーサンプラーによるサンプリング検体や、ふき取り検体等も挙げられる。
試料は液体であればそのまま本発明の方法に用いることもできるし、半固形又は固形物等の場合には、希釈や抽出等の処理を施した後に本発明に用いることもできる。
本発明のイムノクロマト方法は5〜40℃の温度下で行うことが好ましい。
本発明の生体分子複合粒子をイムノクロマト法の標識抗体として用いると、検体中に存在する標的物質以外の成分の、標識抗体に対する非特異的な吸着が生じにくい。その結果、より高感度かつ高精度の分析を行うことが可能になる。
[実施例1] 表面に反応性官能基を有する含色素シリカ粒子の調製
下記工程(i)〜(iv)を経て表面に反応性官能基としてチオール基を有する含色素シリカ粒子を調製した。
−工程(i):コア粒子の調製−
14%のアンモニア水をさらにエタノールで5倍希釈してアンモニア水含有有機溶媒3.5mlを調製した。このアンモニア水含有有機溶媒中に、当該アンモニア水含有有機溶媒100体積%に対して0.86体積%のTEOSと、当該TEOS100体積%に対して53体積%のカルボキシローダミン6G−APSのDMF溶液とをそれぞれ添加して、40℃の温度下で攪拌した。ここで、前記カルボキシローダミン6G−APSは、前記カルボキシローダミン6G−NHSエステルとAPSとを反応させて得たものである。また、前記DMF溶液中のカルボキシローダミン6G−APS濃度は10mMとした。
−工程(ii):シェル層の形成−
上記工程(i)で形成されてきた含色素シリカ粒子の分散液に、前記カルボキシローダミン6G−APSとTEOSとを追添し、40℃で30分間反応させ、シェル層を形成させた。
上記のカルボキシローダミン6G−APSの追添量は、上記工程(i)におけるカルボキシローダミン6G−APSの添加量100体積%に対して67体積%、TEOSの追添量は、上記工程(i)におけるTEOS添加量と同量とした。
この操作を繰り返してシェル層を積層し、2層のシェル層を有する含色素シリカ粒子を調製した。なお、2回目のカルボキシローダミン6G−APSの追添量は、上記工程(i)におけるカルボキシローダミン6G−APSの添加量100体積%に対して33体積%、TEOSの追添量も上記工程(i)におけるTEOS添加量100体積%に対して33体積%とした。
−工程(iii):自由水の除去−
上記工程(ii)で得られた、2層のシェル層を有する含色素シリカ粒子の分散液を遠心分離(10000rpm、10分間)し、粒子を沈降させた後、直ちに上清を除去した。得られた沈殿物をエタノールに再分散させ、再度遠心分離(10000rpm、10分間)して、粒子を沈降させ、次いで上清を除去した。
−工程(iv):反応性官能基の導入−
上記工程(iii)で得られた、表面に結合水を有する含色素シリカ粒子を、下記表1に示す各種溶媒3.5mLに再分散させた(条件1〜条件5)。ここで、条件1は比較例、条件2〜条件5は、本発明例である。次いで、粒子表層にチオール基を導入するために、粒子分散液に3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPMS)を投入して40℃で20分反応させ、表層にヒドロキシ基およびチオール基を有するシリカナノ粒子を得た。MPMSの投入量は、条件1〜4に関しては、上記工程(i)におけるTEOSとカルボキシローダミン6G−APSの総投入量100体積%に対して33体積%、条件5に関しては、上記工程(i)におけるTEOSとカルボキシローダミン6G−APSの総投入量100体積%に対して10体積%とした。
反応終了後、遠心分離(10000rpm、10分間)して粒子を沈降させた後、直ちに上清を除去した。得られた沈殿物をエタノールに再分散させ、再度遠心分離(10000rpm、10分間)し、粒子を沈降させた。同様のエタノール洗浄操作をさらに1回行い、未反応のTEOS等を除去した。続いて、上記エタノールの代わりに蒸留水を用いた以外は上記と同様に洗浄操作を4回行い、遊離色素等を除去した。こうして反応溶媒の異なる5種類のチオール基導入含色素シリカ粒子を得た。
(ζ(ゼータ)電位測定とチオール基の定量)
上記で得られたチオール基導入含色素シリカ粒子を洗浄し、平均粒径、ζ電位測定の測定、燃焼法による硫黄元素量の測定(粒子中に含まれる硫黄量)、及び、DNTBによるチオール基の定量を行った。
得られた結果を下記表2に示す。
上記条件1〜5で得られたチオール基導入含色素シリカ粒子の表面におけるチオール基の密度は、順に、0.0033個/nm、0.0053個/nm、0.0071個/nm、0.0053個/nm、0.0071個/nmとなる。
上記表2に示されるように、本発明例で調製されたチオール基導入含色素シリカ粒子(条件2〜5)において、B/Aが顕著に高められた。すなわち、本発明例で調製されたチオール基導入含色素シリカ粒子において、MPMSが縮重合して形成されたシェル層は、比較例で調製されたチオール基導入含色素シリカ粒子(条件1)において、MPMSが縮重合して形成されたシェル層に比べて、格段に薄い。
この結果は、有機溶媒中で反応性官能基を有するシランカップリング剤を粒子表面に縮重合させることにより、チオール基を極めて効率的に粒子表面に導入できることを示している。
[実施例2] チオール基を有する含色素シリカ粒子への抗体の導入
工程(iv)で得られたチオール基導入含色素シリカ粒子の分散液(濃度25mg/mL、分散媒:蒸留水)40μLに、DMF460μLを加え、15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去し、DMFを500μL加えて遠心分離し、上清を除去した。再度DMFを500μL加えチオール基導入蛍光シリカナノ粒子を分散させた。これにリンカー分子として3−マレイミド安息香酸を1mg加え、30分混合することで、上記リンカー分子のマレイミド基とチオール基導入含色素シリカ粒子のチオール基との間でチオエーテル結合を形成させた。
この反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去後、蒸留水90.6μLを加え、粒子を分散させた。続いて、0.5M MES(2−モルホリノエタンスルホン酸)(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS(N−ヒドロキシスクシンイミド) 230.4μL、19.2mg/mL EDC(1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)75μLを加え混合した。これに抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体(6.2mg/ml、マウス由来、HyTest社製)を4.0μL加え、10分間混合した。
15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。10mM KHPO(pH7.5)を400μL加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。再度10mM KHPO(pH7.5)を400μL加え、粒子を分散させてコロイドを得た。
続いて上記コロイドに10%BSAを10μL加え10分間混合した。15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。10mM KHPO(pH7.5)を500μL加え、粒子を分散させ、15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。再度10mM KHPO(pH7.5)を400μL加え、粒子を分散させ、抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子(生体分子複合粒子)が分散したコロイドを得た。
[試験例1] イムノクロマト試験(インフルエンザ核タンパク質の迅速判定)
(イムノクロマトグラフィー用テストストリップの作製)
抗体固定化メンブレンを用いたテストストリップを以下の方法で作製した。
メンブレン(丈25mm、商品名:Hi−Flow Plus120 メンブレン、MILLIPORE社製)の端から約6mmの位置に、ウサギ由来の抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体(ポリクローナル抗体、自社製)を1mg/mL含有する溶液((50mMKH2PO4,pH7.0)+5%スクロース)を0.75μL/cmの塗布量で塗布し、幅約1mmのA型インフルエンザ用テストラインを設けた。
続いて、ヤギ由来の抗マウスIgG抗体(AKP Goat anti−mouse IgG Antibody、BioLegend社製)を1mg/mL含有する溶液((50mMKH2PO4、pH7.0)シュガー・フリー)を0.75μL/cmの塗布量で塗布し、幅約1mmのコントロールラインを設けた。その後、50℃で30分乾燥させた。なお、テストラインとコントロールラインとの間隔は3mmとした。
前記抗体固定化メンブレン、サンプルパッド(Glass Fiber Conjugate Pad(GFCP)、MILLIPORE社製)、及び吸収パッド(Cellulose Fiber Sample Pad(CFSP)、MILLIPORE社製)をバッキングシート(商品名AR9020,Adhesives Research社製)上で組み立てた。なお、メンブレンはA型インフルエンザ用テストラインがサンプルパッド側、コントロールラインが吸収パッド側になる向きで構成した。
(検出装置)
光源と光学フィルタと光電子倍増管(PMT)からなる検出ユニットを有し、該検出ユニットが、モーターによって一定速度で直線移動する機構を備え、PMTの受光強度を50μ秒ごとに記録する記録機構を備えた検出装置を作製した。なお、検出ユニットは、光源が532nmのレーザダイオードであり、レーザダイオードをサンプルに照射し、反射光を550nm以上の波長の光のみを透過する光学フィルタを透過させた後に光電子増倍管(PMT)で受光する機構を有する。
(イムノクロマト試験)
表3に示す濃度のA型インフルエンザ核タンパク質の溶液を調製した。この溶液100μLと、上記の抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子が分散したコロイド(2.5mg/mL)2μLとの混合液を、テストストリップのサンプルパッド部分に滴下した。15分後、目視検査を行った。また、上記検出装置によって測定したテストラインの蛍光強度を数値化した。結果を表3及び表4に示す。
なお、下記表3及び表4には、抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子の調製に用いた、各チオール基導入含色素シリカ粒子について、チオールの導入に用いた溶媒を記載している。また、表3中、「−」は検出不可、「+」は検出可を意味する。
水を含む溶媒中でチオール基を導入して得たシリカ粒子を用いた場合(条件1)に比べて、有機溶媒中でチオール基を導入して得たシリカ粒子を用いた場合(条件2〜5)には、目視観察における検出感度が向上しており(表3)、蛍光検出においても、蛍光強度がより高く検出感度に優れていた(表4)。
上記表4は、A型インフルエンザ核タンパク質が0ng/mlの蛍光強度を0とした場合の蛍光強度を示している。表4には示していないが、比較例(条件1)のチオール基導入含色素シリカ粒子を用いて調製した、抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子を用いると、本発明例(条件2〜5)のチオール基導入含色素シリカ粒子を用いて調製した、抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子を用いた場合に比べて、A型インフルエンザ核タンパク質が0ng/mlのときの蛍光強度(バックグラウンドシグナル)が高かった。
上記表3及び4の結果は、本発明例のチオール基導入含色素シリカ粒子を用いて調製した、抗A型インフルエンザ核タンパク質抗体が結合した含色素シリカ粒子を用いると、シグナル/ノイズ比(S/N比)が大きく、検出感度に優れることを示している。
本発明例のチオール基導入含色素シリカ粒子を用いた場合に優れた検出感度が得られた理由として、1)本発明例で調製したチオール基導入含色素シリカ粒子においてMPMSのシェル層が薄く(上記表2)、これから得られた生体分子複合粒子の非特異的な吸着が抑えられてバックグラウンドシグナルが低下したことの他、2)チオール基溶媒和効果により、導入されたチオール基が粒子の外側に向けて配置し、このチオール基に結合した抗体が、抗原と結合しやすくなったことが考えられる。特に、疎水性の強いヘキサノール中でチオール基を導入して得たシリカ粒子を用いると(条件3及び5)、B/Aをより高めることができ、検出感度の向上がより顕著であった。
本発明をその実施態様とともに説明したが、我々は特に指定しない限り我々の発明を説明のどの細部においても限定しようとするものではなく、添付の請求の範囲に示した発明の精神と範囲に反することなく幅広く解釈されるべきであると考える。
本願は、2013年8月12日に日本国で特許出願された特願2013-167902に基づく優先権を主張するものであり、これはここに参照してその内容を本明細書の記載の一部として取り込む。
1 テストストリップ
2 サンプルパッド
3 コンジュゲートパッド
4 抗体固定化メンブレン
41 判定部(テストライン)
42 コントロールライン
5 吸収パッド
6 バッキングシート

Claims (9)

  1. チオール基を表面に有するシリカ粒子であって、下記(a)及び(b)を満たすシリカ粒子:
    (a)粒径が20〜1000nmである、
    (b)シリカ粒子表面における前記チオール基の密度が、0.002〜0.2個/nmである、
    (c)シリカ粒子中の硫黄元素の量A(シリカ粒子1個当たりのチオール由来の硫黄元素個数)に対する、該シリカ粒子の表面に存在するチオール基の量B(個/1粒子)の比(B/A)が0.10〜0.60である。
  2. 前記シリカ粒子が蛍光性又は吸光性の色素を含有する、請求項1に記載のシリカ粒子。
  3. 前記チオール基が、アルキレン基又はアルキレンオキシ基を介してシリカ粒子表面に結合している、請求項1又は2に記載のシリカ粒子。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ粒子の表面に、前記チオール基を介して生体分子が結合してなる生体分子複合粒子。
  5. 前記生体分子が抗体又は抗原である、請求項4に記載の生体分子複合粒子。
  6. 請求項5に記載の生体分子複合粒子を用いたイムノクロマト方法。
  7. 請求項1〜3のいずれか一項に記載のシリカ粒子の製造方法であって、下記(a)−(c)の工程を含む、製造方法。
    (a)アンモニア水含有溶媒中で表面に結合水を有するシリカ粒子を形成する工程
    (b)前記工程(a)で得られたシリカ粒子に親水性有機溶媒であるアルコールによる洗浄処理を施すことで、シリカ粒子の表面に存在する結合水以外の自由水を除去する工程
    (c)前記工程(b)で得られた表面に結合水を有するシリカ粒子と、ヒドロキシ基以外の反応性官能基を有するシランカップリング剤とを有機溶媒中に混合し、該結合水により該シランカップリング剤を加水分解する工程
  8. 前記アルコール、炭素数2以上のアルコールである、請求項7に記載の製造方法。
  9. 前記の表面に結合水を有するシリカ粒子が蛍光性又は吸光性の色素を含有する、請求項7又は8に記載の製造方法。
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