JP6523020B2 - 生体分子の検出又は定量方法、及び生体分子の検出又は定量用標識試薬粒子 - Google Patents

生体分子の検出又は定量方法、及び生体分子の検出又は定量用標識試薬粒子 Download PDF

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Description

本発明は、生体分子の検出又は定量方法、及び生体分子の検出又は定量用標識試薬粒子に関する。
生体中の核酸や抗原などの生体分子を標的物質として検出する手法として、生体分子を捕捉する捕捉物質を担体に固定化させた多孔質の試験片と、標識試薬粒子を用いた検出法がある。この方法では、検体液に含まれる生体分子と標識試薬粒子に対して、毛細管現象により試験片の多孔質支持体内を移動させる。そして、多孔質支持体に例えばライン状に固定された捕捉物質と標識試薬粒子とを接触させることによって標識試薬粒子を濃縮し、捕捉物質が固定されたラインを標識試薬粒子により発色させる。この発色によって生体分子の有無を判定することができる。
かかる生体分子の検出法の特徴として下記の3点が挙げられる。
(1)判定までに要する時間が短く迅速な検査が可能である。
(2)検体を滴下するだけで測定でき操作が簡便である。
(3)特別な検出装置を必要とせず判定が容易である。
これらの特徴を利用して、前記の検出法は妊娠検査薬やインフルエンザ検査薬に用いられており、新たなPOCT(Point Of Care Testing)の手法として利用されている。また、食品検査においても、例えば食物アレルゲンの検査試薬等として広く利用され益々注目を集めている。
多孔質の試験片の担体に固定化させた捕捉物質により生体分子を捕捉し、生体分子を検出する方法としては、サンドイッチ法や競合法が知られている。
このうち競合法は、多孔質支持体に固定された捕捉物質と、標識試薬粒子及び標的物質とを競合的に接触させ、捕捉物質が固定化されている領域の標識試薬粒子由来の発色度に基づいて標的物質の濃度を定量する。競合法において標識試薬粒子及び標的物質が競合して捕捉物質が固定化されている領域に結合するので、標識試薬粒子由来の発色度は、標的物質の濃度が少ないほど上昇する。よって、競合法による検出方法では、サンドイッチ法では検出できないような極微量の低分子量の生体分子を検出することができる。
そこでこれまでに、各種生体分子検出用試験キットを用いた、競合法による生体分子の検出方法が提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
特開平7−325085号公報 国際公開第2002/077646号パンフレット 特開2008−89358号公報 国際公開第2009/066787号パンフレット
特許文献1〜4に記載の発明では、標識試薬粒子として金コロイドやラテックスビーズを用いている。しかし標識試薬粒子として金コロイドやラテックスビーズを用いた場合、定量測定可能な範囲は非常に狭い。これまで競合法によるイムノクロマトグラフィーに用いられてきた標識試薬粒子は反応性が悪く、低濃度領域で検出対象を測定することができなかった。我々は反応性の高い標識試薬粒子を競合法によるイムノクロマトグラフィーに用いて、低濃度領域で検出対象を定量することを検討するうえで、このような問題点があることを見出した。
検出対象の検出又は定量感度を向上させるためには、標識試薬粒子に対する検出対象の添加量を調整する必要がある。競合法において、標識試薬粒子に多量の検出対象が結合してしまうと、捕捉物質が固定されたラインに対する標識試薬粒子の結合が優勢となる。その結果、検出対象の検出又は定量感度が低下してしまう。
そこで、本発明は、上記のような課題を解決するため、競合法により高感度及び高精度で生体分子を検出又は定量する、生体分子の検出又は定量方法を提供することを目的とする。
さらに本発明は、前記方法に好適に用いることができる標識試薬粒子を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題に鑑み鋭意検討を行った。その結果、生体分子検出又は定量用の試験片と生体分子検出又は定量用の標識試薬粒子を有する生体分子検出又は定量用試験キットを用いた競合法による生体分子の検出又は定量方法において、蛍光シリカナノ粒子からなる標識試薬粒子の表面にキャリア物質を導入し、検出対象と競合する物質がキャリア物質を介して標識試薬粒子の表面に導入されている標識試薬粒子を用いることで、競合法により高感度及び高精度で生体分子を検出又は定量できることを見い出した。
本発明はこれらの知見に基づき完成されるに至ったものである。
本発明の上記課題は、下記の手段により解決された。
(1)生体分子検出又は定量用試験キットを用いた、生体分子の検出又は定量方法であって、
前記生体分子検出又は定量用試験キットは、生体分子検出又は定量用の試験片と、生体分子検出又は定量用の標識試薬粒子を有し、
前記試験片は、生体分子と標識試薬粒子を捕捉する試験領域を有し、
前記標識試薬粒子が蛍光シリカナノ粒子からなり、
前記標識試薬粒子の表面にキャリア物質が導入されており、
検出対象である生体分子と競合する物質が、標識試薬粒子の表面に導入されており、
前記標識試薬粒子の比重が、前記試験片に滴下する生体分子を含む試料よりも大きく、
生体分子を含む試料と前記標識試薬粒子を加えた前記試験片の前記試験領域の発光強度に基づいて、前記試料に含まれる生体分子を検出又は定量する、生体分子の検出又は定量方法。
(2)前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン、ポリエチレングリコール、カゼイン、スカシガイヘモシアニン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン、グロブリン、アビジン、及びストレプトアビジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である、前記(1)項に記載の方法。
(3)前記標識試薬粒子の平均粒径が100nm以上500nm以下である、前記(1)又は(2)項に記載の方法。
(4)前記キャリア物質が親水性である、前記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の方法。
(5)前記標識試薬粒子に導入されている生体分子と競合する物質の量が、前記蛍光シリカナノ粒子の表面1nm2当たり0.0001個以上0.1個以下である、前記(1)〜(4)のいずれか1項に記載の方法。
(6)前記キャリア物質が、チオール基と結合できる反応性官能基、及びカルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基を有する、前記(1)〜(5)のいずれか1項に記載の方法。
(7)前記キャリア物質が、チオールと結合できる反応性官能基としてマレイミド基を有し、カルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基としてアミノ基、カルボキシル基又は活性エステル基を有する、前記(6)項に記載の方法。
(8)前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン又はポリエチレングリコールである、前記(6)又は(7)項に記載の方法。
(9)前記標識試薬粒子における生体分子と競合する物質の導入量が、前記標識試薬粒子における前記キャリア物質の導入量に対して、モル比で10以下である、前記(1)〜(8)のいずれか1項に記載の方法。
(10)水(4℃)に対する前記標識試薬粒子の比重が1.3以上2.2以下である、前記(1)〜(9)のいずれか1項に記載の方法。
(11)検出対象である生体分子を含む前記試料が全血である、前記(1)〜(10)のいずれか1項に記載の方法。
(12)検出対象である前記生体分子がステロイド系ホルモン又は性ホルモンである、前記(1)〜(11)のいずれか1項に記載の方法。
(13)生体分子を含む前記試料と前記標識試薬粒子とを混合し、得られた混合物を前記試験片に滴下する、前記(1)〜(12)のいずれか1項に記載の方法。
(14)前記試験片がラテラルフロー用の試験片である、前記(1)〜(13)のいずれか1項に記載の方法。


(15)競合法による生体分子の検出又は定量方法に用いられる標識試薬粒子であって、
前記標識試薬粒子が蛍光シリカナノ粒子からなり、
前記標識試薬粒子の表面にキャリア物質が導入されており、
検出対象である生体分子と競合する物質が、前記キャリア物質を介して標識試薬粒子の表面に導入されており、
前記生体分子を含む試料よりも比重が大きい、標識試薬粒子。
(16)前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン、ポリエチレングリコール、カゼイン、スカシガイヘモシアニン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン、グロブリン、アビジン、及びストレプトアビジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である、前記(15)項に記載の標識試薬粒子。
(17)前記標識試薬粒子の平均粒径が100nm以上500nm以下である、前記(15)又は(16)項に記載の標識試薬粒子。
(18)前記キャリア物質が親水性である、前記(15)〜(17)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(19)前記標識試薬粒子に導入されている生体分子と競合する物質の量が、前記蛍光シリカナノ粒子の表面1nm2当たり0.0001個以上0.1個以下である、前記(15)〜(18)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(20)前記キャリア物質が、チオール基と結合できる反応性官能基、及びカルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基を有する、前記(15)〜(19)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(21)前記キャリア物質が、チオールと結合できる反応性官能基としてマレイミド基を有し、カルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基としてアミノ基、カルボキシル基又は活性エステル基を有する、前記(20)項に記載の標識試薬粒子。
(22)前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン又はポリエチレングリコールである、前記(20)又は(21)項に記載の標識試薬粒子。
(23)前記標識試薬粒子における生体分子と競合する物質の導入量が、前記標識試薬粒子における前記キャリア物質の導入量に対して、モル比で10以下である、前記(15)〜(22)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(24)水(4℃)に対する前記標識試薬粒子の比重が1.3以上2.2以下である、前記(15)〜(23)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(25)検出対象である前記生体分子がステロイド系ホルモン又は性ホルモンである、前記(15)〜(24)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(26)前記蛍光シリカナノ粒子の表面に前記キャリア物質を導入し、蛍光シリカナノ粒子の表面に導入したキャリア物質と、検出対象である生体分子と競合する物質とを結合させて作製した、前記(15)〜(25)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
(27)前記(1)〜(14)のいずれか1項に記載の方法に用いられる、前記(15)〜(26)のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
本発明の競合法による生体分子の検出又は定量方法は、高感度及び高精度で生体分子を検出又は定量することができる。
さらに本発明の標識試薬粒子は、前記方法に好適に用いることができる。
本発明で用いることができる生体分子検出又は定量用試験片を模式的に示す図あり、図1(a)が平面図であり、図1(b)が断面図である。 本発明で用いることができる別の生体分子検出又は定量用試験片を模式的に示す図あり、図2(a)が平面図であり、図2(b)が断面図である。 検出対象の定量範囲の算出方法を模式的に示す図である。
本明細書において「物質」とは、化合物又は化学合成された分子の他、生体分子(タンパク質、ペプチド、核酸等)を包含する。これらは人工起源のものであっても、天然起源のものであってもよい。
また、本明細書において「結合」又は「連結」とは、複数のものが分離した状態から連続して一体となることを全般的に指し、共有結合やイオン結合、水素結合といった化学的な結合のほか、化学吸着や物理吸着、そのほか嵌合、螺合、咬合した物理的な連結状態等も含む意味である。ここで、「結合」又は「連結」とは、直接複数のものが結合しても、別のものを介して間接的に結合してもよい意味である。
さらに、本明細書において「検出」とは、定性的な検出や定量的な検出のみならず、その他の各種の測定や同定、分析、評価等を含む概念である。
本発明の生体分子の検出又は定量方法は、生体分子検出又は定量用試験キット(以下、単に「試験キット」ともいう)を用いて、競合法により生体分子の検出を行う。生体分子検出又は定量用試験キットは、試験片(以下、「テストストリップ」ともいう)と、生体分子検出又は定量用の標識試薬粒子(以下単に、「標識試薬粒子」ともいう)を有する。
以下、本発明の構成についてその好ましい実施形態を中心に詳述する。
[競合法]
本発明において、生体分子の検出又は定量は競合法により行う。ここで「競合法」とは、検出対象物質(標的物質)と標識試薬粒子との間で競合して、多孔質支持体に固定された捕捉物質により検出対象物質及び標識試薬粒子を捕捉する手法である。競合法において、検出対象物質に比べて標識試薬粒子の量が多いと、捕捉物質への標識試薬粒子の結合が優位となる。したがって、検出対象物質の量が少ないほど、捕捉物質が固定化されている領域の標識試薬粒子による標識度合が上昇する。一方、検出対象物質が多量に存在する場合捕捉物質への検出対象物質の結合が優位となるため、捕捉物質が固定されている領域の標識度合は低下する。競合法はこのようなメカニズムに基づくものであって、捕捉物質が固定されている領域の標識度合を測定し、検出対象物質濃度が増えるにしたがって標識度合が低下する現象を利用して、間接的に検出対象物質の濃度を定量する。
[生体分子]
本発明において、検出対象物質(標的物質)としての生体分子に特に制限はなく、抗原、抗体、核酸、糖、糖鎖、リガンド、受容体、ペプチド、その他生体活性を有する化学物質等が挙げられる。
前述のように、本発明において生体分子の検出又は定量は競合法により行う。本発明において生体分子は、競合法による検出又は定量により生体分子を認識できる大きさであれば特に問題ない。例えば、本発明における検出対象物質としての生体分子の分子量は、40以上が好ましく、80以上がより好ましい。
また、一般に、サンドイッチ法による生体分子の検出方法は、低分子量の生体分子の検出には不向きである。これは、サンドイッチ法において、生体分子に2種類の抗体を結合させる必要があるからである。生体分子が小さい場合、1つの抗体が生体分子に結合すると、もう1つの抗体が他方の抗体の立体障害により結合できなくなる。したがって、低分子量の生体分子の検出又は定量を行う場合、競合法はサンドイッチ法に比べて相対的に優位な手法である。そこで、本発明の検出又は定量方法がサンドイッチ法よりも優位であるとする観点からは、生体分子は低分子量であることが好ましい。例えば、本発明における検出対象物質としての生体分子の分子量は、1,000以下が好ましく、500以下がより好ましい。しかしこのような分子量の範囲は、分子量が大きいものが競合法に不向きであることを示すものではない。
本発明において、生体分子を含む試料としては特に制限はないが、臨床検体(例えば、血液(全血)、血漿、血清、リンパ液、尿、唾液、膵液、胃液、喀痰、鼻や咽等の粘膜から採取したぬぐい液等の体液や便等)、食品検体(例えば、液体飲料、半固形食品、固形食品等)、環境サンプリング検体(例えば、土壌、河川、海水等の自然界のサンプル、工場内の生産ラインやクリーンルームに設置されたエアーサンプラーによるサンプリング検体、ふき取り検体等)等が挙げられる。
また、試料は液体であればそのまま用いることもできる。試料が半固形又は固形物等の場合には、希釈や抽出等の処理を施した後に用いることもできる。
本発明の生体分子の検出又は定量方法における検出対象としての生体分子の具体例としては、ステロイド系ホルモン(コルチゾール、コルチゾン、コルチコステロン、アルドステロン、デオキシコルチコステロン、エストロン、エストラジオール、その他合成ステロイド系ホルモンなど)や性ホルモン(アンドロゲン、エストロゲン、プロゲステロン(ゲスターゲン)など)が挙げられる。
[生体分子検出又は定量用の試験片]
本発明で用いる試験キットに含まれる試験片の形状に特に制限はないが、平面状の試験片であることが好ましく、ラテラルフロー用又は吸い上げ法用の試験片であることがより好ましく、ラテラルフロー用の試験片がさらに好ましい。
また、試験片の構造に特に制限はないが、試料添加用部材(サンプルパッド)と、生体分子と標識試薬粒子を競合的に捕捉する試験領域を有するメンブレンと、吸収パッドとが、この順でそれぞれ相互に毛細管現象が生じるように直列に連結している構造であることが好ましい。そして、各構成部材は粘着剤付きバッキングシートにより裏打ちされていることが好ましい。
以下、上記形状及び構造を有する試験片について、図1及び2を参照しながら本発明の好ましい実施形態を説明する。しかし、本発明はこれらに制限するものではない。
(サンプルパッド)
サンプルパッド2は、前記検体や標識試薬粒子を滴下する構成部材である。サンプルパッド2の材料や寸法等は特に限定されず、この種の製品に適用される一般的なものを利用することができる。
(メンブレン)
メンブレン3は、サンプルパッド2から毛細管現象により移動してきた抗原を捕捉するための構成部材である。
図1に示すように、メンブレン3には、少なくとも1つの試験領域10が設けられている。そして、抗原に対する特異的な結合性を有し抗原と複合体を形成しうる捕捉物質(以下、「第1の抗体」ともいう)が、試験領域10に導入されている。これにより、検出対象物質と結合した標識試薬粒子が試験領域10へ捕捉される。
この試験領域10で第1の抗体−抗原−標識試薬粒子からなる複合体が形成され、標識試薬粒子が濃縮される。そして、標識試薬粒子が有する標識量の程度により生体分子を定性的又は定量的に検出することができる。
図2に示すように、メンブレン3には、抗原と結合した標識試薬粒子を捕捉するための試験領域20を設け、試験領域20の下流に、試験領域20に結合しなかった標識試薬粒子を捕捉する参照領域21をさらに設けてもよい。このような参照領域21を設けることにより、サンプルパッド2に滴下した試料が毛細管現象によりメンブレン3に移動し、さらに試験領域20を超えて移動しているかを確認することができる。参照領域21は設けなくてもよい。
前記試験領域及び参照領域の形状としては、局所的に捕捉物質が固定化されている限り特に制限はなく、ライン状、円状、帯状等が挙げられる。本発明において試験領域及び参照領域はそれぞれライン状であることが好ましく、幅0.5〜1.5mmのライン状であることがより好ましい。
前記第1の抗体は、抗原抗体反応により抗原を捕捉し、前記試験領域で第1の抗体−抗原−標識試薬粒子からなる複合体を形成しうるものであれば特に制限はない。
前記参照領域に用いる、標識試薬粒子を捕捉する捕捉物質としては、標識試薬粒子に対して結合性を有するものから適宜選択することができる。具体的には、抗体、抗原、核酸、受容体、リガンド、糖鎖、アプタマーなどから適宜選択することができる。
前記試験領域における第1の抗体の導入量に特に制限なく、適宜設定することができる。例えば、試験領域の形状がライン状の場合、単位長さ(cm)当たりの第1の抗体の固定化量は0.001μg以上が好ましく、0.01μg以上がより好ましく、10μg以下が好ましく、2μg以下がより好ましい。
第1の抗体の固定化方法としては、第1の抗体の溶液をメンブレン3の所定の領域に塗布、滴下又は噴霧後、乾燥して物理吸着により固定化する方法等が挙げられる。また、非特異的吸着による測定への影響を防止するため、捕捉物質の固定化後にメンブレン3全体をいわゆるブロッキング処理を施してもよい。
(吸収パッド)
吸収パッド4は、毛細管現象でメンブレン3を移動してきた溶液を吸収し、一定の流れを生じさせるための構成部材である。
これら各構成部材の材料としては特に制限は無く、この種の試験片に通常用いられる部材が使用できる。例えば、サンプルパッド2としてはGlass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のガラスファイバーのパッドを好ましく用いることができる。メンブレン3としてはHi-Flow Plus180メンブレン(商品名、MILLIPORE社製)等のニトロセルロースメンブレンを好ましく用いることができる。吸収パッド4としてはCellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のセルロースメンブレンを好ましく用いることができる。
前記粘着剤付きバッキングシート6としては、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)等が挙げられる。
試験片の作製法としては、サンプルパッド2、メンブレン3、吸収パッド4の並び順に、各部材間で毛管現象を生じさせ易くするために、それら各部材の両端と隣接する部材と1〜5mm程度重ね合わせて(好ましくはバッキングシート6上に)貼付することで、テストストリップ1を作製することができる。
[標識試薬粒子]
この種の試験キットに通常適用される標識試薬粒子としては、蛍光シリカナノ粒子からなる標識試薬粒子、吸光シリカナノ粒子からなる標識試薬粒子、蛍光ラテックスナノ粒子からなる標識試薬粒子、吸光ラテックスナノ粒子からなる標識試薬粒子、半導体微粒子からなる標識試薬粒子、金コロイド粒子からなる標識試薬粒子、放射性物質で標識した粒子が挙げられる。
本発明で用いる標識試薬粒子は、蛍光シリカナノ粒子からなる。蛍光シリカナノ粒子を用いた場合、蛍光検出装置により蛍光強度を容易に数値化でき、高感度及び高精度で生体分子を検出することができる。さらに、蛍光シリカナノ粒子の表面に様々な官能基を導入することができ、試験領域の発光が高輝度である。そのため、蛍光シリカナノ粒子を用いた場合、広い定量レンジで生体分子の検出を実現することができる。さらに、蛍光シリカナノ粒子の表面に様々な官能基を導入することができるため、様々な種類の対象物質の検出に用いることができる。
以下、本発明で用いる蛍光シリカナノ粒子からなる標識試薬粒子について説明する。しかし、本発明はこれに限定するものではない。
蛍光シリカナノ粒子の調製方法に特に制限はなく、任意のいかなる調製方法によって蛍光シリカナノ粒子を得ることができる。例えば、Journal of Colloid and Interface Science,159,p.150-157(1993)に記載のゾル−ゲル法や、国際公開第2007/074722号パンフレットに記載されたコロイドシリカ粒子の調製方法を参照することができる。
蛍光材料としての蛍光色素を用いた蛍光シリカナノ粒子の調製例について、具体的に説明する。
蛍光色素を含有するシリカ粒子は、蛍光色素とシランカップリング剤とを反応させ、共有結合、イオン結合その他の化学的に結合若しくは吸着させて得られた生成物に1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製することができる。これによりオルガノシロキサン成分とシロキサン成分とがシロキサン結合してなるシリカ粒子が得られる。1例としては、N-ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基などの活性エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基等の活性基を有する又は付加した蛍光色素と、それら活性基と対応して反応する置換基(例えば、アミノ基、水酸基、チオール基)を有するシランカップリング剤とを反応させ、共有結合させて得られた生成物に1又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製することができる。
前記シランカップリング剤としてアミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、シラン化合物としてテトラエトキシシラン(TEOS)を用いた場合を下記に例示する。
前記活性基を有する又は付加した前記蛍光色素の具体例として、5-(及び-6)-カルボキシテトラメチルローダミン-NHSエステル(商品名、emp Biotech GmbH社製)や、下記式でそれぞれ表されるDY550-NHSエステル又はDY630-NHSエステル(いずれも商品名、Dyomics GmbH社製)等のNHSエステル基を有する蛍光色素化合物を挙げることができる。
前記置換基を有するシランカップリング剤の具体例として、γ-アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシラン、N-2(アミノエチル)3-アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。中でも、APSが好ましい。
縮重合させる前記シラン化合物としては特に制限はないが、TEOS、γ-メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ-メルカプトプロピルトリエトキシシラン、APS、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシランを挙げることができる。中でも、前記シリカ粒子内部のシロキサン成分を形成する観点からはTEOSが好ましく、前記シリカ粒子内部のオルガノシロキサン成分を形成する観点からはMPS又はAPSが好ましい。
上述のように調製すると、球状、又は球状に近いシリカ粒子を調製することができる。ここで、「球状に近いシリカ粒子」とは、具体的には長軸と短軸の比が2以下の形状である。
蛍光シリカナノ粒子の平均粒径に特に制限はないが、100nm以上が好ましく、600nm以下がより好ましく、500nm以下がさらに好ましく、300nm以下が特に好ましい。粒径が小さすぎると、検出感度が低下し、粒径が大きすぎると、試験片に用いられる多孔質支持体(メンブレン)の目詰まりの原因となる。
本発明において、前記平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から無作為に選択した100個の標識試薬シリカ粒子の合計の投影面積から蛍光シリカナノ粒子の占有面積を画像処理装置によって求め、この合計の占有面積を、選択した蛍光シリカナノ粒子の個数(100個)で割った値に相当する円の直径の平均値(平均円相当直径)を求めたものである。
なお、前記平均粒径は、一次粒子が凝集してなる二次粒子を含む概念の後述する「動的光散乱法による粒度」とは異なり、一次粒子のみからなる粒子の平均粒径である。
所望の平均粒径の蛍光シリカナノ粒子を得るためには、YM−10、YM−100(いずれも商品名、ミリポア社製)等の限外ろ過膜を用いて限外ろ過を行い、粒径が大きすぎる粒子、及び小さすぎる粒子を除去するか、又は適切な重力加速度で遠心分離を行い、上清若しくは沈殿のみを回収することで可能である。
蛍光シリカナノ粒子は粒状物質として単分散であることが好ましい。蛍光シリカナノ粒子の粒度分布の変動係数、いわゆるCV値に特に制限はないが、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。
本明細書において、前記「動的光散乱法による粒度」とは、動的光散乱法により測定され、前記の平均粒径とは異なり、一次粒子だけでなく、一次粒子が凝集してなる二次粒子をも含めた概念であり、前記複合粒子の分散安定性を評価する指標となる。
動的光散乱法による粒度の測定装置としては、ゼータサイザーナノ(商品名;マルバーン社製)が挙げられる。この手法は、微粒子などの光散乱体による光散乱強度の時間変動を測定し、その自己相関関数から光散乱体のブラウン運動速度を計算し、その結果から光散乱体の粒度分布を導出するというものである。
本発明で用いる標識試薬粒子の比重に特に制限はないが、試験片に滴下する生体分子を含む試料よりも比重を大きくすることが好ましい。生体分子を含む試料よりも標識試薬粒子の比重を大きくすることで、生体分子を含む試料が標識試薬粒子よりも先に試験片の試験領域に到達する。よって、低濃度の生体分子を定量する場合であっても、競合法による反応を行うことができる。
本発明で用いる標識試薬粒子の比重は、水(4℃)に対して1.3以上2.2以下が好ましく、1.5以上2.0以下がより好ましい。
蛍光シリカナノ粒子の表面には、検出対象である生体分子と競合する物質が導入されている。蛍光シリカナノ粒子の表面に生体分子と競合する物質が導入されていることで、生体分子と標識試薬粒子とが互いに競合して、前記試験領域に結合する。
生体分子と競合する物質は、生体分子と競合して、前記試験領域に標識試薬粒子が結合しうるものであれば特に制限はなく、検出対象である生体分子や試験領域に固定化する捕捉物質などに応じて適宜選択することができる。なお、蛍光シリカナノ粒子の表面に導入する生体分子と競合する物質は、検出対象である生体分子と同種の物質であっても、異種の物質であってもよい。
また、本発明で用いる標識試薬粒子の表面にはキャリア物質が導入されており、前記キャリア物質を介して、検出対象である生体分子と競合する物質が導入されている。このような構成とすることで、蛍光シリカナノ粒子への生体分子と競合する物質の固定化の効率が向上する。さらに、蛍光シリカナノ粒子が試験領域に非特異的に吸着することを抑制し、生体分子の定量結果の精度をさらに向上させることができる。
本発明で用いる標識試薬粒子の作製方法としては、蛍光シリカナノ粒子の表面にキャリア物質を導入し、蛍光シリカナノ粒子の表面に導入したキャリア物質と、検出対象である生体分子と競合する物質とを結合させる方法、キャリア物質と、検出対象である生体分子と競合する物質との複合体を作製し、蛍光シリカナノ粒子の表面に複合体を導入する方法が挙げられる。このうち、本発明で用いる標識試薬粒子は、蛍光シリカナノ粒子の表面にキャリア物質を導入し、蛍光シリカナノ粒子の表面に導入したキャリア物質と、検出対象である生体分子と競合する物質とを結合させる方法で作製することが好ましい。このように作製することで、検出対象である生体分子と競合する物質が、標識試薬粒子の表面に露出し、試験領域に固定化された捕捉物質との反応効率が向上する。
前述のように試験片1に参照領域が設けられている場合、参照領域に対する結合性を有するキャリア物質を蛍光シリカナノ粒子の表面に導入することが好ましい。キャリア物質と参照領域に固定化した捕捉物質との結合性により、生体分子との競合により試験領域に結合しなかった標識試薬粒子を参照領域に捕捉することができる。
本発明で用いるキャリア物質に特に制限はないが、水に対して可溶性の、親水性の物質であることが好ましい。キャリア物質を親水性の物質とすることで、標識試薬粒子の疎水部が試験領域に固定化した抗体と非特異的に結合し、標識試薬粒子が試験領域に非特異的に吸着することを防ぐことができる。親水性のキャリア物質として具体的には、タンパク質(例えば、ウシ血清アルブミン(以下、「BSA」ともいう)、ポリエチレングリコール、カゼイン、スカシガイヘモシアニン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン、グロブリン、アビジン、及びストレプトアビジンなど)、アミノ酸、タグペプチド(例えば、Hisタグ、FLAGタグなど)、抗体、核酸、糖鎖が挙げられる。
生体分子と競合する物質をキャリア物質を介して蛍光シリカナノ粒子の表面に導入する方法としては特に制限はなく、常法に従って導入することができる。例えば、静電的引力、ファンデルワールス力、疎水性相互作用等によって、キャリア物質を介して生体分子と競合する物質を蛍光シリカナノ粒子の表面に導入することができる。あるいは、架橋剤や縮合剤の化学結合によって、生体分子と競合する物質をキャリア物質を介して蛍光シリカナノ粒子の表面に導入してもよい。なお、蛍光シリカナノ粒子の表面に生体分子と競合する物質をキャリア物質を介して導入したときに蛍光シリカナノ粒子同士が凝集する場合は、予め交互吸着法によって蛍光シリカナノ粒子の表面に表面処理を施しておいてもよい。
以下、キャリア物質としてBSAを用いて、生体分子と競合する物質をキャリア物質を介して導入した蛍光シリカナノ粒子の調製方法の1例について説明する。しかし、本発明はこれに制限するものではない。
まず、反応性官能基を有するシランカップリング剤を加水分解し、加水分解されたシランカップリング剤と蛍光シリカナノ粒子の表面に存在するヒドロキシル基とを縮重合させ、反応性官能基を蛍光シリカナノ粒子の表面に導入する。
反応性官能基を有するシランカップリング剤の具体例としては、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、MPS、APS、3-チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3-イソチオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3-[2-(2-アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリエトキシシラン、(-クロロプロピルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-フェニル-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、3-ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィドが挙げられる。
反応性官能基としてはチオール基、アミノ基、カルボキシル基、ハロゲン基、ビニル基、エポキシ基及びイソシアネート基から選ばれる少なくとも1種の反応性官能基が好ましく、チオール基、及びアミノ基又はカルボキシル基がより好ましい。
反応性官能基がチオール基である場合は、蛍光シリカナノ粒子表面におけるチオール基の密度は0.002〜0.2個/nm2が好ましく、0.002〜0.1個/nm2がより好ましい。当該含色素シリカ粒子の表面に存在するチオール基の量Bは、DNTB(5,5'-ジチオビス(2-ニトロ安息香酸))を試薬として用いて測定することができる。DNTBを用いたチオール基の定量法としては、例えば、Archives of Biochemistry and Biophysics, 82, 70(1959)の方法で行うことができる。具体的な方法の一例としては、リン酸緩衝液(pH7.0)に溶解した10mMのDNTBの溶液20μLと、200mg/mLに調製したシリカ粒子コロイド2.5mLとを混合し、1時間後に412nmの吸光度を測定し、標準物質としてγ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)を用いて作成した検量線から粒子表面に存在するチオール基量を定量することができる。
蛍光シリカナノ粒子の表面に導入した反応性官能基と、これと化学結合を形成するリンカー分子とを反応させる。そして、リンカー分子とBSAとを結合させ、蛍光シリカナノ粒子とBSAとの複合体を形成する。
反応性官能基がチオール基である場合は、チオール基が導入された蛍光シリカナノ粒子と、マレイミド基及びカルボキシル基を有するリンカー分子とを非プロトン性溶媒中に共存させる。これにより、チオール基とマレイミド基との間でチオエーテル結合を形成させて、リンカー分子が結合した粒子を作製する。続いて、リンカー分子が結合した粒子と、カルボジイミドと、アミノ基を有するBSAとを水系溶媒中に共存させる。これにより、カルボジイミドにより活性エステル化されたリンカー分子のカルボキシル基と、BSAが有するアミノ基との間でアミド結合を形成させ、蛍光シリカナノ粒子とBSAとの複合体を形成する。
反応性官能基がアミノ基、カルボキシル基、ビニル基、エポキシ基、イソシアネート基である場合も、常法によりBSAと蛍光シリカナノ粒子との複合体を形成することができる。これらの方法は、例えば、特開2009−274923号公報、特開2009−162537号公報、特開2010−100542号公報等の記載を参照することができる。
そして、蛍光シリカナノ粒子に結合するBSAと、生体分子と競合する物質とを常法に従って結合させる。例えば、静電的引力、ファンデルワールス力、疎水性相互作用等によって、BSAと、生体分子と競合する物質とを結合させることができる。あるいは、架橋剤や縮合剤の化学結合により、BSAと、生体分子と競合する物質とを結合させることができる。なお、BSAと、生体分子と競合する物質とが直接結合して複合体を形成してもよいし、他の物質を介して間接的にBSAと、生体分子と競合する物質とが結合して複合体を形成していてもよい。
蛍光シリカナノ粒子の表面における生体分子と競合する物質の導入量に特に制限なく、適宜設定することができる。例えば、蛍光シリカナノ粒子の表面1nm2当たりの生体分子と競合する物質の導入量は、0.0001個以上0.1個以下が好ましく、0.001個以上0.05個以下が好ましい。
蛍光シリカナノ粒子の表面におけるキャリア物質の結合量に特に制限なく、適宜設定することができる。例えば、蛍光シリカナノ粒子1g当たりのキャリア物質の結合量は、1mg以上200mg以下が好ましく、10mg以上50mg以下が好ましい。
また、前記標識試薬粒子に導入されている生体分子と競合する物質の量は、前記標識試薬粒子に導入されている前記キャリア物質の添加量に対して、モル比で10以下であることが好ましい。このように生体分子と競合する物質の量を設定することで、試験領域に固定化された抗体に対しての標識試薬粒子の吸着力が強くなりすぎるのを防ぎ、検出対象物質の検出感度が向上する。
[生体分子の検出又は定量方法]
以下、前述の試験キットを用いた生体分子の検出又は定量方法について、好ましい実施態様に基づいて説明する。しかし、本発明はこれに制限するものではない。
生体分子を含有しうる液体試料と前記構成の標識試薬粒子とをそれぞれ、生体分子検出又は定量用の試験片1のサンプルパッド2に滴下する。液体試料と標識試薬粒子は、互いに別々にサンプルパッド2に滴下してもよいし、液体試料と標識試薬粒子とを混合し、得られた混合物をサンプルパッド2に滴下してもよい。サンプルパッド2に滴下する液体試料の量は、試験片1の構成に合わせて適宜設定することができる。また、サンプルパッド2に滴下する生体分子と標識試薬粒子の量は、試験片1の試験領域における捕捉物質の固定化量に応じて、適宜設定することができる。
そして、毛細管現象によりサンプルパッド2からメンブレン3に移動してきた生体分子と標識試薬粒子が互いに競合して、試験片1の試験領域上に固定された捕捉物質との結合によりそれぞれ濃縮される。そして、試験領域に光を照射し、濃縮された標識試薬粒子の標識(蛍光シリカナノ粒子に含まれる色素の発光強度)を検出する。
ここで、試験領域の発光強度と、試験領域に結合する粒子量の関係性を決定する。そして、決定した発光強度と粒子量との関係性と、実際に測定した試験領域の発光強度から、試験領域に結合した標識試薬粒子量を算出することができる。その結果、間接的に、試料に含まれる生体分子を定性的又は定量的に検出することができる。
蛍光シリカナノ粒子に含まれる色素の発光強度の検出方法に特に制限はなく、目視で検出してもよいし、汎用の蛍光検出器を用いて検出してもよい。
汎用の蛍光検出器は、励起光源及びフィルタからなる。前記励起光源としては水銀ランプ、ハロゲンランプ、キセノンランプ、レーザダイオード、発光ダイオードなどが挙げられる。前記フィルタは、励起光源から特定の波長の光のみを透過するフィルタであり、前記蛍光微粒子の蛍光波長、蛍光波長から適宜選択する。前記蛍光検出器は、蛍光を受光する光電子倍増管又はCCD検出器を備えていてもよい。これにより目視では確認できない強度ないしは波長の蛍光も検出でき、さらにはその蛍光強度を測定できる。
照射する励起光の波長は特に限定されないが、300nm以上が好ましく、400nm以上がより好ましく、500nm以上が特に好ましい。また、700nm以下が好ましく、600nm以下がより好ましく、550nm以下が特に好ましい。
蛍光の波長は350nm以上が好ましく、450nm以上がより好ましく、530nm以上が特に好ましい。また、800nm以下が好ましく、750nm以下がより好ましく、580nm以下が特に好ましい。これら波長に対応する粒子を用いて測定することで、LED等の直進性の強い光源を用いることもできるため光源を簡素化でき、測定系の構築が技術的にも、コスト的にも容易になる。
以下、本発明を実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
(実施例1)標識試薬粒子の調製
(1)蛍光シリカナノ粒子の調製
蛍光分子であるカルボキシローダミン6Gを含有する蛍光シリカナノ粒子を以下の方法で調製した。
5-(及び-6)-カルボキシローダミン6G・スクシンイミジルエステル(商品名、emp Biotech GmbH社製)31mgをジメチルホルムアミド(DMF)10mLに溶解した。これにAPS(信越シリコーン社製)12μLを加え室温(23℃)で1時間反応を行い、5-(及び-6)-カルボキシローダミン6G−APS複合体(5mM)を得た。
得られた5-(及び-6)-カルボキシローダミン6G−APS複合体の溶液600μLと、エタノール140mL、TEOS(信越シリコーン社製)6.5mL、蒸留水20mL及び28質量%アンモニア水15mLを混合し、室温で24時間反応を行った。
反応終了後18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行い、上清を除去した。沈殿した粒子に蒸留水4mLを加え粒子を分散させ、再度18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行った。本洗浄操作をさらに2回繰り返し、分散液に含まれる未反応のTEOSやアンモニア等を除去した。
その結果、平均粒径271nmの蛍光分子を含有する蛍光シリカナノ粒子1.65gを得た(収率約94%)。
(2)蛍光シリカナノ粒子へのチオール基の導入
上記で得た蛍光シリカナノ粒子1gを水/エタノール=1/4の混合液150mLに分散させた。これにMPS(和光純薬社製)1.5mLを加えた。続いて28%アンモニア水20mLを加え、室温で4時間混合した。
反応終了後18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行い、上清を除去した。沈殿した蛍光シリカナノ粒子に蒸留水10mLを加え蛍光シリカナノ粒子を分散させ、再度18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行った。本洗浄操作をさらに2回繰り返し、分散液に含まれる未反応のMPSやアンモニア等を除去した。その結果、チオール基が導入された蛍光シリカナノ粒子(以下、「チオール基導入蛍光シリカナノ粒子A」と呼ぶ。)を得た。
得られたチオール基導入蛍光シリカナノ粒子A 500mgについて、DNTBを用いて導入されたチオール基の定量分析を行った。その結果、チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aの粒子表面のチオール基の密度は、0.046個/nm2であった。
(3)チオール基導入蛍光シリカナノ粒子AとBSAとの結合
以下の方法により、チオール基を介して、前記チオール基導入蛍光シリカナノ粒子AにBSAをキャリア物質として結合させた。
チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aの分散液(濃度25mg/mL、分散媒:蒸留水)80μLにDMF420μLを加え、15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去し、DMFを500μL加え遠心分離し、上清を除去した。再度DMF500μLを加えチオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aを分散させた。これにリンカー分子として3-マレイミド安息香酸1mgを加え30分混合した。このようにして、前記リンカー分子のマレイミド基とチオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aのチオール基との間でチオエーテル結合を形成させた。
この反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去後、蒸留水88.6μLを加え粒子を分散させた。続いて、0.5M MES(2-モルホリノエタンスルホン酸)(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS(N-ヒドロキシスクシンイミド)230.4μL、19.2mg/mL EDC(1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)75μLを加え混合した。これにキャリア物質としてBSA(10mg/mL、Sigma Aldrich社製)を6.0μL加え、60分間混合した。
15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。これに10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。再度10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させてコロイドを得た。
得られたコロイド200μLをサンプルとして、チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aに結合したBSAの定量を行った。BSAの定量は、PierceBCA Protein Assay Kit(商品名、Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
その結果、チオール基導入蛍光シリカナノ粒子A1gあたりのBSAの結合量は、14.6mgであった。
(4)BSAを介したチオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aとプロゲステロンとの結合
以下の方法により、BSAを介して、前記チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aにプロゲステロンを生体分子と競合する物質として結合させた。
BSA定量後に残ったコロイド200μLを15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。これに10mM KH2PO4(pH7.5)500μLを加え、粒子を分散させた。分散液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて蒸留水を74.6μL加え粒子を分散させた。さらに0.5M MES(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS230.4μL、19.2mg/mL EDC75μLを加え、よく混合した。
これにプロゲステロン−11α−ヘミコハク酸エステル(0.05mg/mL)20μLを加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を回収した。上清を回収した後の粒子の沈降物に10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え粒子を分散させて、BSAを介してプロゲステロンが結合した蛍光シリカナノ粒子のコロイドを得た。
回収した上清液に含まれるプロゲステロンをELISA法により定量測定した結果、初期濃度からの減少分が0.13μgであった。すなわち、0.13μgのプロゲステロンが前記蛍光シリカナノ粒子に結合したことが分かった。これをチオール基導入蛍光シリカナノ粒子A 1nm2当たりで計算すると、プロゲステロンの結合量は1nm2あたり0.017個であった。
定容積膨張法で、得られた蛍光シリカナノ粒子の、水(4℃)に対する比重を測定した。その結果、得られた蛍光シリカナノ粒子の比重は1.6であった。
(調製例1)生体分子検出又は定量用テストストリップの作製
生体分子検出又は定量用テストストリップを以下の方法で作製した。
メンブレン3(丈25mm、商品名:Hi-Flow Plus180 メンブレン、MILLIPORE社製)の端から約8mmの位置に、幅約1mmの試験領域(テストライン)20として、ウサギ由来の抗プロゲステロンポリクローナル抗体(Sigma Aldrich社製)を1mg/mL含有する溶液((50mM KH2PO4、pH7.0)+5%スクロース)を0.75μL/cmの塗布量で塗布した。
また、幅約1mmの参照領域(コントロールライン)21として、ウサギ由来の抗BSAポリクローナル抗体(ミリポア社製)を1mg/mL含有する溶液((50mM KH2PO4、pH7.0)シュガー・フリー)を0.75μL/cmの塗布量で塗布した。
その後、50℃で30分乾燥させ、メンブレン3を作製した。なお、テストライン20とコントロールライン21との間隔は5mmとした。
前記メンブレン3、サンプルパッド(Glass Fiber Conjugate Pad(GFCP)、MILLIPORE社製)2、及び吸収パッド(Cellulose Fiber Sample Pad(CFSP)、MILLIPORE社製)4の順で、バッキングシート(商品名:AR9020、Adhesives Research社製)6上で組み立てた。なお、メンブレン3は、テストラインがサンプルパッド2側、コントロールラインが吸収パッド4側に位置するように配置した。
続いて、5mm幅、長さ60mmのストリップ状に切断し、生体分子検出又は定量用テストストリップ1を作製した。
(実施例2)プロゲステロンの定量
表1に示す濃度で、プロゲステロン(Sigma Aldrich社製)の溶液を調製した。
続いて、プロゲステロン溶液100μLと、前記調製例1で作製した蛍光シリカナノ粒子のコロイド(2.5mg/mL)2μLを混合し、混合液をテストストリップ1のサンプルパッド2に滴下した。
15分後、下記検出装置を用いて、テストラインの発光強度(T)とコントロールラインの発光強度(C)を数値化した。
その結果を表1に示す。
<検出装置>
光源と光学フィルタと光電子倍増管(PMT)からなる検出ユニットを有し、該検出ユニットが、モーターによって一定速度で直線移動する機構を備え、PMTの受光強度を50μ秒ごとに記録する記録機構を備えた検出装置を作製した。なお、検出ユニットは、光源が532nmのレーザダイオードであり、レーザダイオードをサンプルに照射し、反射光を550nm以上の波長の光のみを透過する光学フィルタを透過させた後にPMTで受光する機構を有する。
表1の結果を、後述する定量範囲計算法にしたがって定量可能範囲を算出した。その結果、定量可能範囲は0.5〜97.5ng/mLであった。これは、低濃度領域(〜10ng/mL)で定量可能であるだけではなく、検出対象を定量できる濃度範囲が非常に広い(100〜999倍)ことが示された。
(定量範囲の算出方法)
測定感度の性能を示す指標として、IC50(inhibitory concentration:50%阻害濃度)と定量範囲がある。IC50とはサンプル液中の対象物質(阻害剤)が粒子とテストラインの抗体との反応の半分を阻害するにはどれだけの濃度が必要かを示す指標である。一方定量範囲とは、サンプル液中の対象物質濃度が測定可能な範囲を示す。
それぞれの値は、IC50の前後の濃度の蛍光強度測定結果を用いて、以下のように算出する。定量範囲の算出方法を模式的に示す図を図3に示す。

(1)テストライン蛍光強度の最大値と最小値から、IC50となる場合のテストライン強度(最大値と最小値の平均)を算出する。
(2)前記(1)で算出した、IC50となる場合のテストライン強度の前後2点(A、B)を通る直線式を求める。
(3)IC50付近は直線式で近似できるため、前記(1)で算出したテストライン強度を前記(2)で算出した直線式に代入し、IC50の濃度を算出する。
(4)最大値×0.8、最小値×1.2、のテストライン強度を算出する。
(5)前記(4)で算出したテストライン強度を、それぞれ前記(2)で算出した直線式に代入し、最大値x0.8のテストライン強度に対応する濃度を定量範囲の下限、最小値x1.2のテストライン強度に対応する濃度を定量範囲の下限とする。

ここで、図3に示すグラフの縦軸の「相対値」とは、検出対象物質の濃度が0ng/mLの場合の蛍光強度測定値を100%としたときの蛍光強度測定値を示す。
(比較例1)BSAを修飾せずに直接プロゲステロンを添加した粒子の調製方法
以下の方法により、チオール基を介して、前記チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aにプロゲステロンを結合させた。
チオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aの分散液(濃度25mg/mL、分散媒:蒸留水)80μLにDMF420μLを加え、15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去し、DMFを500μL加え遠心分離し、上清を除去した。再度DMF500μLを加えチオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aを分散させた。これにリンカー分子としてN−(4−アミノフェニル)マレイミド1mgを加え30分混合した。このようにして、前記リンカー分子のマレイミド基とチオール基導入蛍光シリカナノ粒子Aのチオール基との間でチオエーテル結合を形成させた。
この反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去後、蒸留水88.6μLを加え粒子を分散させた。続いて、0.5M MES(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS230.4μL、19.2mg/mL EDC75μLを加え混合した。
これにプロゲステロン−11α−ヘミコハク酸エステル(0.05mg/mL)20μLを加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を回収した。上清を回収した後の粒子の沈降物に10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え粒子を分散させて、BSAを介さずにプロゲステロンが結合した蛍光シリカナノ粒子のコロイドを得た。
回収した上清液に含まれるプロゲステロンをELISA法により定量測定した結果、初期濃度からの減少分が0.024μgであった。すなわち、0.024μgのプロゲステロンが前記蛍光シリカナノ粒子に結合したことが分かった。これをチオール基導入蛍光シリカナノ粒子A 1nm2当たりで計算すると、プロゲステロンの結合量は1nm2あたり0.0032個であった。
(試験例1)
BSA0.1%、Tween20 1%、EDTA 5mM、NaN3 0.1%を10mMリン酸バッファ(pH7.5)に溶解させ、フロー液を調製した。このフロー液80μLと、実施例1の粒子又は比較例の粒子(2.5mg/mL)0.6μLとを混合し、調製例1で作製したテストストリップ1のサンプルパット2に混合液全量を滴下した。滴下から15分後に、テストライン20の蛍光強度を測定した。
その結果を表2に示す。
表2に示すように、比較例の粒子は、実施例1の粒子の場合と比較して発光強度が低かった。これは、テストライン21上に粒子が特異的に結合していないことが推察される。
以上のように本発明で作製した粒子は比較例で作製した粒子に比べて、テストストリップの試験領域への標識試薬粒子の結合効率が高いことが分かる。
(試験例2)
実施例1において、蛍光シリカナノ粒子に対するプロゲステロンの添加量を調整し、プロゲステロンの結合量が蛍光シリカナノ粒子に結合させたBSAのモル数に対してモル比で12.5、10、5、0.5、0.2となるよう、実施例1と同様の方法で標識試薬粒子を作製した。
このように作製した標識試薬粒子を用いて、実施例2と同様に試験を実施し、テストラインの発光強度(T)を算出した。その結果を表3に示す。
表3の結果を、前述の定量範囲計算法にしたがって定量可能範囲を算出した。その結果を表4に示す。
表4からわかるように、標識試薬粒子調製の際のBSAに対してプロゲステロン添加量が多いほど定量範囲が高濃度側にシフトする。また、標識試薬粒子調製の際のBSAに対するプロゲステロン添加量が多いほど定量範囲が狭くなることが分かった。標識試薬粒子調製の際のBSAに対するプロゲステロンの添加量が多いほど、試験領域に対する粒子の結合性が高くなり、サンプル液に含まれるプロゲステロンによる阻害が起きにくくなって低濃度側が測定しがたくなるためである。なお、定量範囲3桁を維持するには、標識試薬粒子調製の際のBSAに対するプロゲステロン添加量を10以下にすることが好ましい。
(比較例2)プロゲステロンを修飾した着色ラテックス粒子の調製
(1)着色ラテックス粒子AとBSAとの結合
粒子表面にカルボキシル基が導入された、粒径160nmの着色ラテックス粒子(商品名:DC02B/5641,Bangs Laboratories社製)の分散液(濃度3.2mg/mL、分散媒:蒸留水)1mLを15000×gの重力加速度で10分遠心分離した。上清を除去後、蒸留水88.6μLを加え粒子を分散させた。続いて、0.5M MES(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS230.4μL、19.2mg/mL EDC75μLを加え混合した。
これにキャリア物質としてBSA(10mg/mL、Sigma Aldrich社製)を6.0μL加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。これに10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。再度10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させてコロイドを得た。
得られたコロイド200μLをサンプルとして、着色ラテックス粒子に結合したBSAの定量を行った。BSAの定量は、PierceBCA Protein Assay Kit(商品名、Thermo Fisher Scientific社製)を用いた。
その結果、着色ラテックス粒子1gあたりのBSAの結合量は、28.2mgであった。これは1nm2あたり0.0069個に相当する。
(2)BSAを介した着色ラテックス粒子とプロゲステロンとの結合
以下の方法により、BSAを介して、前記着色ラテックス粒子にプロゲステロンを生体分子と競合する物質として結合させた。
BSA定量後に残ったコロイド200μLを15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。これに10mM KH2PO4(pH7.5)500μLを加え、粒子を分散させた。分散液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて蒸留水を74.6μL加え粒子を分散させた。さらに0.5M MES(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS230.4μL、19.2mg/mL EDC75μLを加え、よく混合した。
これにプロゲステロン−11α−ヘミコハク酸エステル(0.05mg/mL)50μLを加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を回収した。上清を回収した後の粒子の沈降物に10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え粒子を分散させて、BSAを介してプロゲステロンが結合した着色ラテックス粒子のコロイドを得た。
実施例1と同様の方法で着色ラテックス粒子に結合したプロゲステロンの量を求めた結果、粒子1gあたり、0.67mgの結合量であった。これは1nm2あたり0.034個に相当する。したがって、BSA結合量に対し、分子数で5倍量のプロゲステロンが結合していることが分かった。
定容積膨張法で、得られた着色ラテックス粒子の、水(4℃)に対する比重を測定した。その結果、得られた着色ラテックス粒子の比重は1.0であった。
(比較例3)プロゲステロンを修飾した金コロイドの調製
(1)金コロイドの調製
粒径40nmの金ナノ粒子のコロイド(British BioCell International社製)22mLに、キャリア物質としてBSA(10mg/mL、Sigma Aldrich社製)を6.0μL加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。これに10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。再度10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させて金コロイドを得た。
(2)BSAを介した金コロイドとプロゲステロンとの結合
以下の方法により、BSAを介して、前記金コロイドにプロゲステロンを生体分子と競合する物質として結合させた。
金コロイド(1mg/mL)900μLにBSA(1mg/mL)100μLを加え、1時間4℃で静置した。続いて反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を分離した。上清液に含まれるBSAの濃度から粒子に結合したBSAの量を評価した結果、粒子1gあたり5.9mgであった。これは1nm2あたり0.0069個に相当する。
上清を分離した後の粒子に、10mM KH2PO4(pH7.5)500μLを加え、粒子を分散させた。分散液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて蒸留水を74.6μL加え粒子を分散させた。さらに0.5M MES(pH6.0)100μL、50mg/mL NHS230.4μL、19.2mg/mL EDC75μLを加え、よく混合した。
これにプロゲステロン−11α−ヘミコハク酸エステル(0.01mg/mL)50μLを加え、60分間混合した。
反応液を15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を回収した。上清を回収した後の粒子の沈降物に10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え、粒子を分散させた。続いて15000×gの重力加速度で10分遠心分離し、上清を除去した。続いて10mM KH2PO4(pH7.5)400μLを加え粒子を分散させて、BSAを介してプロゲステロンが結合した金ナノ粒子のコロイドを得た。
実施例1と同様の方法で金ナノ粒子に結合したプロゲステロンの量を求めた結果、粒子1gあたり0.14mgであった。これは1nm2あたり0.034個に相当する。したがって、BSA結合量に対し、分子数で5倍量のプロゲステロンが結合していることが分かった。
(試験例3)
0ng/mL、0.1ng/mL、0.5ng/mL、1ng/mL、2.5ng/mL、10ng/mL、50ng/mL、200ng/mL、500ng/mL、又は1000ng/mLの濃度で、プロゲステロン(Sigma Aldrich社製)の溶液を調製した。
続いて、前記プロゲステロン溶液100μLと、比較例2で作製した着色ラテックス粒子とを混合し、混合液を調製例1で作製したテストストリップ1に滴下した。その後、実施例2と同様に、定量可能範囲を算出した。なお、ライン発色の数値化はDiaScan(大塚電子製)を用いて行った。
さらに、比較例2で作製した着色ラテックス粒子に代えて、比較例3で作製した金コロイドを用いた以外は同様に、定量可能範囲を算出した。
これらの結果を表5に示す。
表4と表5との比較から分かるように、粒子に対するBSAの結合量とプロゲステロンの結合量のモル比が5である標識粒子で比較すると、蛍光シリカ粒子を用いた場合、比重の低いラテックス粒子や、粒径が小さい金コロイドを用いた場合に比べて明らかに定量範囲が広い。そのため、比較例2で作製した着色ラテックス、比較例3で作製した金コロイドを用いた場合と比べ、蛍光シリカ粒子を用いた本発明では定量範囲が優位に広く定量評価に適しているといえる。
(試験例4)
実施例1で作製した、BSAに対するプロゲステロンの結合量のモル比が5である標識試薬粒子を調製例1で作製したテストストリップ1のサンプルパット2に滴下し、テストライン20の蛍光強度の時間変化を測定した。実施例1で作製した標識粒子に代えて、比較例2で作製した着色ラテックス粒子、比較例3で作製した金ナノ粒子、又は蛍光色素で標識したプロゲステロンを用いて、同様に試験を実施しテストライン20の蛍光強度の時間変化を測定した。
各試験とも滴下後1時間以降ではテストライン強度が一定であった。また、1時間後のテストライン20の蛍光強度を100としたときに50のテストライン20の蛍光強度が得られる時間は表6の結果となった。
表6に示すように、本発明の標識試薬粒子は蛍光標識したプロゲステロンに比べて、テストライン20の蛍光強度が50になるのに時間がかかり、メンブレンを移動する速度が遅いことが分かる。したがって、本発明の標識試薬粒子を用いた競合法イムノクロマトでは、プロゲステロンなどの低分子は標識粒子より早くテストラインに到達するといえる。これによって、検体中のプロゲステロンなどの低分子はテストライン上で効率よく抗原抗体反応することが可能となり、その結果、感度が向上する。
また、本発明の標識試薬粒子は比重の小さいラテックス粒子や粒径の小さい金ナノ粒子に比べてもテストライン20の蛍光強度が50になる時間が遅く、メンブレンを移動する速度が遅いことが分かる。このことから、シリカナノ粒子はラテックス粒子や金ナノ粒子に比べてプロゲステロンなどの低分子とメンブレンを移動する速度の差がより大きくなり、競合法によるイムノクロマト試験に好適といえる。
1 テストストリップ
2 サンプルパッド
3 メンブレン
4 吸収パッド
6 バッキングシート
10 試験領域
20 試験領域
21 参照領域

Claims (27)

  1. 生体分子検出又は定量用試験キットを用いた、生体分子の検出又は定量方法であって、
    前記生体分子検出又は定量用試験キットは、生体分子検出又は定量用の試験片と、生体分子検出又は定量用の標識試薬粒子を有し、
    前記試験片は、生体分子と標識試薬粒子を捕捉する試験領域を有し、
    前記標識試薬粒子が蛍光シリカナノ粒子からなり、
    前記標識試薬粒子の表面にキャリア物質が導入されており、
    検出対象である生体分子と競合する物質が、標識試薬粒子の表面に導入されており、
    前記標識試薬粒子の比重が、前記試験片に滴下する生体分子を含む試料よりも大きく、
    生体分子を含む試料と前記標識試薬粒子を加えた前記試験片の前記試験領域の発光強度に基づいて、前記試料に含まれる生体分子を検出又は定量する、生体分子の検出又は定量方法。
  2. 前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン、ポリエチレングリコール、カゼイン、スカシガイヘモシアニン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン、グロブリン、アビジン、及びストレプトアビジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記標識試薬粒子の平均粒径が100nm以上500nm以下である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記キャリア物質が親水性である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記標識試薬粒子に導入されている生体分子と競合する物質の量が、前記蛍光シリカナノ粒子の表面1nm2当たり0.0001個以上0.1個以下である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記キャリア物質が、チオール基と結合できる反応性官能基、及びカルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基を有する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法
  7. 前記キャリア物質が、チオールと結合できる反応性官能基としてマレイミド基を有し、カルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基としてアミノ基、カルボキシル基又は活性エステル基を有する、請求項6に記載の方法。
  8. 前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン又はポリエチレングリコールである、請求項6又は7に記載の方法。
  9. 前記標識試薬粒子における生体分子と競合する物質の導入量が、前記標識試薬粒子における前記キャリア物質の導入量に対して、モル比で10以下である、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 水(4℃)に対する前記標識試薬粒子の比重が1.3以上2.2以下である、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 検出対象である生体分子を含む前記試料が全血である、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
  12. 検出対象である前記生体分子がステロイド系ホルモン又は性ホルモンである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
  13. 生体分子を含む前記試料と前記標識試薬粒子とを混合し、得られた混合物を前記試験片に滴下する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記試験片がラテラルフロー用の試験片である、請求項1〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 競合法による生体分子の検出又は定量方法に用いられる標識試薬粒子であって、
    前記標識試薬粒子が蛍光シリカナノ粒子からなり、
    前記標識試薬粒子の表面にキャリア物質が導入されており、
    検出対象である生体分子と競合する物質が、前記キャリア物質を介して標識試薬粒子の表面に導入されており、
    前記生体分子を含む試料よりも比重が大きい、標識試薬粒子。
  16. 前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン、ポリエチレングリコール、カゼイン、スカシガイヘモシアニン、ヒト血清アルブミン、卵白アルブミン、グロブリン、アビジン、及びストレプトアビジンからなる群より選ばれる少なくとも1種の物質である、請求項15に記載の標識試薬粒子。
  17. 前記標識試薬粒子の平均粒径が100nm以上500nm以下である、請求項15又は16に記載の標識試薬粒子。
  18. 前記キャリア物質が親水性である、請求項15〜17のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  19. 前記標識試薬粒子に導入されている生体分子と競合する物質の量が、前記蛍光シリカナノ粒子の表面1nm2当たり0.0001個以上0.1個以下である、請求項15〜18のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  20. 前記キャリア物質が、チオール基と結合できる反応性官能基、及びカルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基を有する、請求項15〜19のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  21. 前記キャリア物質が、チオールと結合できる反応性官能基としてマレイミド基を有し、カルボキシル基又はアミノ基と結合できる反応性官能基としてアミノ基、カルボキシル基又は活性エステル基を有する、請求項20に記載の標識試薬粒子。
  22. 前記キャリア物質が、ウシ血清アルブミン又はポリエチレングリコールである、請求項20又は21に記載の標識試薬粒子。
  23. 前記標識試薬粒子における生体分子と競合する物質の導入量が、前記標識試薬粒子における前記キャリア物質の導入量に対して、モル比で10以下である、請求項15〜22のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  24. 水(4℃)に対する前記標識試薬粒子の比重が1.3以上2.2以下である、請求項15〜23のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  25. 検出対象である前記生体分子がステロイド系ホルモン又は性ホルモンである、請求項15〜24のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  26. 前記蛍光シリカナノ粒子の表面に前記キャリア物質を導入し、蛍光シリカナノ粒子の表面に導入したキャリア物質と、検出対象である生体分子と競合する物質とを結合させて作製した、請求項15〜25のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。
  27. 請求項1〜14のいずれか1項に記載の方法に用いられる、請求項15〜26のいずれか1項に記載の標識試薬粒子。


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