JP5480222B2 - 蛍光イムノクロマトグラフィー法、これに用いるキット及びテストストリップ - Google Patents
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Description
イムノクロマト法では一般的に金コロイドや着色ラテックス粒子等の着色粒子が標識粒子として用いられている。しかし着色粒子を用いたイムノクロマト法は感度が不十分であり、検体に含まれる被検物質の量が十分でない検査項目には用いることができない。またインフルエンザウィルスの感染の判定では、検体中に十分な量のウィルスが存在しない感染初期では、着色粒子を用いたイムノクロマト法では陰性と判定されてしまう場合がある。これらの課題を解決するために、イムノクロマト法の高感度化に向けた試みが行われている。
イムノクロマト法の高感度化の手法として、標識粒子として蛍光粒子を用いた「蛍光イムノクロマト法」がある(特許文献1〜3参照)。蛍光イムノクロマト法は、標識粒子として蛍光特性を有するラテックス粒子やシリカ粒子、半導体ナノ粒子等を用い、ラインを蛍光検出するため、着色粒子を用いたイムノクロマト法における目視の判定に比べて高感度な判定が可能となる。
イムノクロマト法は迅速に診断できることを特徴とする。例えば10分で検出が可能である。この場合、検出部が形成されるメンブレンは湿った状態である。蛍光イムノクロマト法において、湿ったメンブレンに励起光源を照射すると、照射した励起光及び蛍光粒子から散乱される蛍光はメンブレンの全体を導波し、メンブレン全体が光ってしまう(図6参照)。その結果、蛍光発光したラインはメンブレン全体の発光に埋もれてしまい判定が困難になる。この現象は、標識粒子の着色即ち光の吸収によってラインの判定を行う従来型のイムノクロマト法には生じず、標識粒子の発光でラインの判定を行う蛍光イムノクロマト法に特有の課題である。
上記の問題点に鑑み、本発明は、メンブレンが湿った状態でも蛍光ラインの検出上のにじみやぼけを抑えた良好な判定が可能な蛍光イムノクロマトグラフィー法、これに用いるキット及びテストストリップを提供することを課題とする。
(1)メンブレン中の蛍光物質を含有するシリカ粒子に励起光を照射し、該蛍光物質から発せられる蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法であって、前記蛍光物質への光照射を前記メンブレンの表面に密着させて配設された透明フィルムを介して行うに当たり、該透明フィルムとして、検体液に対して屈折率に係る下記式(1)が成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させる蛍光イムノクロマトグラフィー法であって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたことを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー法。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率)
(2)前記透明フィルムとして、検体液に対して屈折率に係る下記式(2)が成立するものを適用すること特徴とする(1)に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
[式(2) nFf>nWf+0.1]
(nFf、nWfは式(1)と同義である。)
(3)前記透明フィルムについて、前記励起光の波長λeにおける光透過率(TFe)および前記蛍光の波長λfにおける光透過率(TFf)がいずれも80%以上であることを特徴とする(1)または(2)に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(4)前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである(1)〜(3)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(5)前記励起光の波長λeが300nm〜700nm、前記蛍光の波長λfが350nm〜800nmであることを特徴とする(1)〜(4)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(6)前記励起光の波長λeが500nm〜550nm、前記蛍光の波長λfが530nm〜580nmであることを特徴とする(1)〜(5)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(7)前記透明フィルム内において、透明フィルムに入射して拡散した蛍光が、上記透明フィルムと空気との界面、及び、上記透明フィルムと上記メンブレンとの界面で全反射されることにより、透明フィルムが導波路となることで、当該蛍光のメンブレン内での拡散を抑制し、前記蛍光物質近傍の蛍光の検出性が高められた(1)〜(6)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(8)前記励起光をレーザダイオードまたは発光ダイオードから照射し、一方、光学フィルタで前記励起光を除去し蛍光のみを検出する機構を用いる(1)〜(7)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(9)前記検出判定を5分以内に行うことを特徴とする(1)〜(8)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(10)前記シリカ粒子のCV値が10%以下である(1)〜(9)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(11)前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である(1)〜(10)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(12)前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである(1)〜(11)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(13)前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである(1)〜(12)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(14)前記透明フィルムが、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、またはポリエチレンテレフタレートで構成された(1)〜(13)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(15)前記透明フィルムの厚みが20μm以上1mm以下である(1)〜(14)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(16)前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である(1)〜(15)のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
(17)シリカ粒子中の蛍光物質に励起光を照射し該蛍光物質からの蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法に用いられるキットであって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたものであり、
前記キットは、透明フィルムがメンブレン本体に配設されたテストストリップと前記メンブレン本体に付与される蛍光物質とを組み合わせてなり、
前記透明フィルムの屈折率が検体液に対して下記式(1)成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させることを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー用キット。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率)
(18)前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである(17)に記載のキット。
(19)前記透明フィルムの厚みが、20μm以上1mm以下であることを特徴とする(17)又は(18)に記載のキット。
(20)前記透明フィルムの材質が、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(17)〜(19)のいずれか1項に記載のキット。
(21)前記シリカ粒子のCV値が10%以下である(17)〜(20)のいずれか1項に記載のキット。
(22)前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である(17)〜(21)のいずれか1項に記載のキット。
(23)前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである(17)〜(22)のいずれか1項に記載のキット。
(24)前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである(17)〜(23)のいずれか1項に記載のキット。
(25)前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である(17)〜(24)のいずれか1項に記載のキット。
(26)シリカ粒子中の蛍光物質に励起光を照射し該蛍光物質からの蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法に用いられるテストストリップであって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたものであり、
前記テストストリップは、透明フィルムとこれが配設されたメンブレン本体とを有してなり、
前記透明フィルムの屈折率が検体液に対して下記式(1)が成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させることを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率)
(27)前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである(26)に記載のテストストリップ。
(28)前記透明フィルムの厚みが、20μm以上1mm以下であることを特徴とする(26)又は(27)に記載のテストストリップ。
(29)前記透明フィルムの材質が、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする(26)〜(28)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
(30)前記シリカ粒子のCV値が10%以下である(26)〜(29)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
(31)前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である(26)〜(30)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
(32)前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである(26)〜(31)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
(33)前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである(26)〜(32)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
(34)前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である(26)〜(33)のいずれか1項に記載のテストストリップ。
本実施形態のイムノクロマトグラフィー用テストストリップは、下記の部材が相互に毛細管現象が生じるように直列連結していることが好ましい。
・試料添加用部材(サンプルパッド)8a
・本発明の標識試薬シリカナノ粒子(蛍光標識体)2、3を含浸し、乾燥して得られる部材(コンジュゲートパッド)8b
・抗体固定化部を有するメンブレン(抗体固定化メンブレン)8c
・吸収パッド8d
本発明において、検出、定量の対象としての標的物質1は、抗原、抗体、DNA、RNA、糖、糖鎖、リガンド、受容体、ペプチド、化学物質等が挙げられる。本発明において、標的物質1を含有する試料としては特に制限はないが、尿、血液などの液体試料が挙げられる。
サンプルパッド8aは標的物質を含むサンプルを滴下する構成部材である。その材料や寸法等は特に限定されず、この種の製品に適用される一般的なものを利用することができる。
コンジュゲートパッド8bは標識試薬シリカナノ粒子(蛍光標識体)2,3が含浸された構成部材である。そして、サンプルパッド8aから毛細管現象により移動してきた試料に含まれる標的物質が抗原抗体反応等の特異的分子認識反応で、前記標識試薬シリカナノ粒子(標識体)によって捕捉され、標識される部分である。
コンジュゲートパッド8bにおける単位面積(cm2)当たりの前記標識試薬シリカナノ粒子(標識体)の含有量は特に制限はないが1μg〜100μgが好ましい。含浸方法としては、前記標識試薬シリカナノ粒子の分散液を塗布、滴下ないしは噴霧後、乾燥する方法等が挙げられる。
前記抗体固定化メンブレン8cにおける抗体固定化部に、標的物質の有無を判定、すなわち陽性陰性を判定するための標的物質捕捉用抗体が固定化されたテストラインntを設ける。抗体固定化メンブレン8cには、標識試薬シリカナノ粒子を捕捉するための抗体が固定化されたコントロールラインnrを含むことが好ましい。
メンブレン8cは前記標識試薬シリカナノ粒子(標識体)2,3により標識された標的物質1が毛細管現象によって移動する構成部材であり、固定化抗体−標的物質−標識試薬シリカナノ粒子からなるサンドイッチ型免疫複合体形成反応が行われる抗体固定化部(判定部)を有する。前記メンブレンにおける前記抗体固定化部(判定部)の形状としては局所的に捕捉用抗体が固定化されている限り特に制限はなく、ライン状、円状、帯状等が挙げられるが、ライン状であることが好ましく、幅0.5〜1.5mmのライン状であることがより好ましい。
メンブレン8cには、さらに参照領域nrがあり、そこには標的物質で捕捉されていない蛍光粒子(標識体)3が捕捉される。これにより、テスト領域ntでの蛍光と対比して、標的物質への有無や量を固定することができる。この機能を果たすために、試験用蛍光標識体2は蛍光シリカが粒子2aと試験用結合性物質2bとからなる。試験用結合性物質2bは標的物質との結合性を有する。一方、参照用標識体3は蛍光シリカ粒子3aと参照用結合性物3bとからなる。参照用捕結合性物質は、標的物質へとの結合性はなく、参照用捕捉性物質との結合性を有する。
吸収パッド8aは、毛細管現象でメンブレンを移動してきた検体S(標的物質)及び標識試薬シリカナノ粒子(標識体)2,3を吸収し、常に一定の流れを生じさせるための構成部材である。
前記粘着剤付きバッキングシートとしては、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)等が挙げられる。
本発明の蛍光イムノクロマト法においては、メンブレン本体に透明フィルムを適用するに際し、下記の関係式が成り立つものを採用する。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率)
なお、励起光ないし蛍光の波長については、複数ある場合にはその最大照度を示す波長を言う。照度に分布がある場合には、その最大ピークを与える波長をもって評価することとする。
なお、励起光についても、透明フィルムと検体液に関して以下の屈折率の関係が成立していることが好ましい。
[式(1)´ nFe>nWe]
(nFe:励起光の波長λeにおける透明フィルムの屈折率)
(nWe:励起光の波長λeにおける検体液の屈折率)
上記水の屈折率のみならず、フィルムの屈折率についても波長依存性がさほど大きくないことがある。このような場合でも、上記のように波長ごとの屈折率を規定することは有意義であり、蛍光の波長において、フィルムと検体液との屈折率の関係を特定のものとすることで、本発明における検出上のにじみやぼけを抑えるという効果を的確に発揮させることができる。
ここで、メンブレン8c内の参照領域や試験領域において、蛍光物質が励起されて発生した蛍光は、メンブレン8c内で一部は散乱されるが、残りは透明フィルム7に入射する。透明フィルム7に入射した蛍光は、フィルムを透過して検出器で検出することができるが、一部は透明フィルム7内で全反射を繰り返し、透明フィルム端面からフィルム外に放出される。以上のように、メンブレン8cに透明フィルム7を貼り付けることで、透明フィルム7の蛍光の強度を低減できることから、相対的に参照領域や試験領域の蛍光の強度を、透明フィルムのその他の部分より相対的に高めることが可能となる。
以下に上記材料による透明フィルムがもつ屈折率の例を示すが本発明がこれに限定して解釈されるものではない。
[表A]
――――――――――――――――――――――――――――
材料 屈折率(波長542nm)
――――――――――――――――――――――――――――
ポリフッ化ビニリデン 1.42
酢酸セルロース 1.46−1.50
ポリメタクリル酸メチル 1.49
ポリプロピレン 1.49
ナイロン 1.53
ポリエチレン 1.53
ポリ塩化ビニル 1.53
ポリスチレン 1.6
ポリ塩化ビニリデン 1.61
ポリエチレンテレフタレート 1.66
――――――――――――――――――――――――――――
なお、特に断らない限り、屈折率は、温度20℃における値を言う。透過率等、他の光学特性も特に断らない限り、同様である。
本明細書で用いる技術用語の意味を確認すると、標的物質1(図1中の符号を併せて示すが、これにより限定して解釈されるものではない。)はラテラルフロー法による検出対象となる物質であり、検体中の被検物質と同義である。結合性物質2b,3bはそれぞれ前記標的物質及び捕捉性物質に対する結合能を有する物質であり、好ましくは生体分子である。標識物質(図示せず)が導入された標識粒子2a,3aを標識体2,3と呼ぶ。ただし、広義には、標識粒子という用語を標識体を含む意味で用いることがある。一方、試験領域でメンブレンに固定され、標的物質1を介して標識体2を捕捉するものが試験用捕捉性物質4である。他方、参照領域でメンブレンに固定されたものが参照用捕捉性物質5であり、これに標識体3が標的物質1を介さずに捕捉される。
本発明で用いる蛍光イムノクロマト法用標識粒子(標識体)2,3としては、蛍光シリカ粒子からなる標識粒子2a,3aと、結合性生体分子2b,3bとを組み合わせて用いることができる。本発明においては、特に蛍光シリカ粒子を用いる。
本発明において、国際公開2007/074722A1公報に記載された蛍光色素化合物含有コロイドシリカ粒子の調製方法に準じて得られた、機能性化合物を含有するシリカ粒子を用いることが特に好ましい。前記機能性化合物の具体例としては、蛍光色素化合物、吸光化合物、磁性化合物、放射線標識化合物、pH感受性色素化合物等が挙げられる。
前記機能性化合物を含有するシリカ粒子の好ましい調製方法の態様としては、N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基等の活性基を有する又は付加した前記機能性化合物と、それら活性基と対応して反応する置換基(例えば、アミノ基、水酸基、チオール基)を有するシランカップリング剤とを反応させ、共有結合させて得られた生成物に1又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製することができる。
所望の平均粒径のシリカ粒子を得るためには、YM−10、YM−100(いずれも商品名、ミリポア社製)等の限外ろ過膜を用いて限外ろ過を行い、粒径が大きすぎたり小さすぎる粒子を除去するか、または適切な重力加速度で遠心分離を行い、上清または沈殿のみを回収することで可能である。
本発明において、前記平均粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から無作為に選択した100個の標識試薬シリカ粒子の合計の投影面積から標識試薬シリカ粒子の占有面積を画像処理装置によって求め、この合計の占有面積を、選択した標識試薬シリカ粒子の個数(100個)で割った値に相当する円の直径の平均値(平均円相当直径)を求めたものである。
なお、前記平均粒径は、一次粒子が凝集してなる二次粒子を含む概念の後述する「動的光散乱法による粒度」とは異なり、一次粒子のみからなる粒子の平均粒径である。
動的光散乱法による粒度の測定装置としては、ゼータサイザーナノ(商品名;マルバーン社製)が挙げられる。この手法は、微粒子などの光散乱体による光散乱強度の時間変動を測定し、その自己相関関数から光散乱体のブラウン運動速度を計算し、その結果から光散乱体の粒度分布を導出するというものである。
本発明のイムノクロマト法による標的物質の検出方法においては、毛細管現象等を利用して移動する標識試薬シリカナノ粒子(標識体)2,3を利用して、判定部で前記粒子を集積させ、判定を行う検出方法であり、例えばイムノクロマト法やマイクロ流路チップ等を利用して行うことが好ましい。このとき、標識試薬シリカナノ粒子はラテラルフロー用標識体として好適に用いることができる。さらに、本発明の標的物質の検出方法において、ラテラルフロータイプのイムノクロマト法を利用して標的物質を検出することが好ましい。
前記蛍光検出システムにおいて、前記標識試薬シリカナノ粒子(標識体)が発する蛍光を目視等によって検出する観点から、前記励起光源が、波長200nm〜400nmの励起光を発することが好ましい。前記励起光源としては、水銀ランプ、ハロゲンランプ及びキセノンランプが挙げられる。本発明においては、特にレーザダイオードまたは発光ダイオードから照射した励起光を用いることが好ましい。
また、前記蛍光検出システムは、前記励起光源から特定の波長の光のみを透過するためのフィルタを備えていることがより好ましく、さらに、蛍光のみを目視等で検出する観点から、前記励起光を除去し蛍光のみを透過するフィルタを備えていることがさらに好ましい。
前記蛍光検出システムは、前記蛍光を受光する光電子倍増管又はCCD検出器を備えることが特に好ましく、これにより目視では確認できない強度ないしは波長の蛍光も検出でき、さらにはその蛍光強度を測定できることから標的物質の定量もでき、高感度検出及び定量が可能となる。
ここで、POCTとは、患者にできる限り近い場所で診断するための検査をいう。従来は採取した血液、尿、患部組織などの検体は、病院の中央検査室や専門の検査センターに送られデータを出すので、診断の確定までに時間がかかっていた(例えば、1日以上)。POCTによれば、瞬時に提供される検査情報をもとに迅速かつ的確な治療が可能となることから、病院での緊急検査や手術中の検査が可能になるので、最近、医療現場でニーズが高い。
5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン・スクシンイミジルエステル(商品名、emp Biotech GmbH社製)2.9mgを1mLのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。ここに1.3μLのAPSを加え、室温(24℃)で1時間反応を行った。
得られた反応液600μLと、エタノール140mL、TEOS6.5mL、蒸留水35mL及び28質量%アンモニア水15mLを混合し、室温で24時間反応を行った。
反応液を15000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行い、上清を除去した。沈殿したシリカ粒子に蒸留水を4mL加え、粒子を分散させ、再度15000×gの重力加速度で20分間遠心分離を行った。本洗浄操作をさらに2回繰り返し、シリカナノ粒子分散液に含まれる未反応のTEOSやアンモニア等を除去し、平均粒径173nmのシリカナノ粒子1.71gを得た。収率約97%。
調製例1で用いた、濃度5mg/mlのローダミン6G含有シリカ粒子(平均粒径173nm)の分散液100μL(分散媒:蒸留水)に、蒸留水775μL、濃度10mg/mLのアルギン酸ナトリウム水溶液(重量平均分子量70000)100μL及び28重量%のアンモニア水溶液を25μL加え、室温(24℃)で1時間緩やかに混合した。得られたコロイドを12,000×gの重力加速度で30分遠心分離し、上清を除去した。ここに蒸留水を875μL加え、粒子を再分散させた。続いて、10mg/mLのアルギン酸ナトリウム水溶液を100μL加え撹拌子でよく撹拌したあと、28重量%のアンモニア水溶液を25μL加え、1時間緩やかに混合した。このコロイドを12,000×gの重力加速度で30分遠心分離し、上清を除去後、蒸留水を1mL加え粒子を分散させた。同様にして更に2回遠心分離と蒸留水への分散を繰り返して粒子を洗浄し、蒸留水200μLに分散させ、ローダミン6G含有シリカ粒子/アルギン酸の複合粒子のコロイドを得た(収量2.5mg/mL×200μL)。
調製例1で得られた複合粒子のコロイド240μLと50mMKH2PO4(pH7.0)560μLを混合した。得られた混合液800μLをGlass Fiber Conjugate Pad(GFCP、MILLIPORE社製)(8×150mm)に均等に塗布した。デシケーター内で室温下、一夜減圧乾燥し、調製例2で得られた複合粒子を含有してなるコンジュゲートパッドを作製した。
メンブレン(丈25mm、商品名:Hi−Flow Plus120 メンブレン、MILLIPORE社製)の中央付近(端から約12mm)に、幅約1mmのテストラインとして、抗hCG抗体(alpha subunit of FSH(LH),clone code/6601、Medix Biochemica社製)を1mg/mL含有する溶液((50mMKH2PO4,pH7.0)+5%スクロース)を0.75μL/cmの塗布量で塗布した。
続いて、幅約1mmのコントロールラインとして、抗マウスIgG抗体(Anti Mouse IgG、Dako社製)を1mg/mL含有する溶液((50mMKH2PO4,pH7.0)シュガー・フリー)を0.75μL/cmの塗布量で塗布し、50℃で30分乾燥させた。なお、テストラインとコントロールラインとの間隔は3mmとした。
サンプルパッド(Glass Fiber Conjugate Pad(GFCP)、MILLIPORE社製)、前記コンジュゲートパッド、前記抗体固定化メンブレン、及び吸収パッド(Cellulose Fiber Sample Pad(CFSP)、MILLIPORE社製)をバッキングシート(商品名AR9020,Adhesives Research社製)上でこの順に組み立てた。
続いて、PETフィルム(テイジン テトロン(登録商標)フィルムG2P2(帝人デュポンフィルム株式会社製))をサンプルパッドの端から1.4mm部分から、吸収パッドの端から1.2mmまでの部分を覆うように貼り付けた。
続いて、5mm幅、長さ60mmのストリップ状に切断し、図1(a)及び(b)に示した構成のテストストリップ101を得た。
なお、各構成部材は、図2(a)及び図2(b)に示すように、各々その両端を隣接する部材と2mm程度重ね合わせて貼付した(以下、同様である)。
2IU/Lに調製したリコンビナントhCG(Scripps Laboratories社製)を調製し、屈折率を測定した。その結果屈折率は1.36であった。続いて同リコンビナントhCG液を実施例1、実施例2及び比較例で作成したテストストリップのサンプルパッド部分に100μL滴下し、0、5、10、15、20、25、30分経過時に蛍光リーダーでテストラインの判定を行った。ここで蛍光リーダーとは、波長532nmのレーザダイオードと光学フィルターからなる装置であり、メンブレンのライン領域に前記レーザダイオードを照射し、光学フィルムを介してラインを観察することによって、蛍光粒子の発する蛍光のみを観察する装置である。
判定の結果を表1に示す。図中「+」はテストラインが見えたことを意味し、「−」はテストラインが見えなかったことを意味する。比較例ではテストラインの蛍光が確認できるまでに30分かかったのに対し、実施例1では10分、実施例2では15分でテストラインが見えた。この結果から、フィルムを張ることで、短時間でテストラインの判定が可能になることが分かる。また、実施例2に比べて実施例1の方が短時間でテストラインが見えたことから、ポリプロピレンフィルムよりも水との屈折率の差が大きいPETフィルムを用いた方が判定時間が短くなることが分かる。なお、図5は実施例1の30分の拡大鏡像であり、図6は比較例の30分の拡大鏡像である。
PP:ポリプロピレン
*1:空気の屈折率は約1.0として評価した
*2:表Aを参照した
適宜の濃度に希釈したリコンビナントhCG(Scripps Laboratories社製)を調製し、屈折率を測定した。その結果屈折率は1.36であった。続いて同リコンビナントhCG液を実施例1・比較例1で作成したテストストリップのサンプルパッド部分に適宜の濃度に希釈したリコンビナントhCG(Scripps Laboratories社製)の溶液を滴下し、10分経過後に蛍光リーダーを用いてテストラインの判定試験を実施した(試験体No.101、102が実施例、試験体No.c11が比較例である。)。
低濃度の抗原が検出できることが分かる。また、202に比べて201の方がより低濃度の抗原の判定ができたことから、ポリプロピレンフィルムよりも水との屈折率の差が大きいPETフィルムを用いた方が検出感度が良くなることが分かる。
2 蛍光標識体
2a 蛍光微粒子
2b 試験用結合性物質
3 蛍光標識体
3a 蛍光微粒子
3b 参照用結合性物質
4 試験用捕捉性物質
5 参照用捕捉性物質
6 筐体
61 検出開口部
62 検体導入開口部
6a 筐体上部
6b 筐体下部
7 透明フィルム
80 メンブレン本体
8a サンプルパッド
8b コンジュゲートパッド
8c メンブレン
8d 吸収パッド
10 テストストリップ
100 長尺試験体
nr 参照領域(蛍光物質近傍)
nt 試験領域(蛍光物質近傍)
L ラテラルフロー方向
S 検体
Claims (34)
- メンブレン中の蛍光物質を含有するシリカ粒子に励起光を照射し、該蛍光物質から発せられる蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法であって、前記蛍光物質への光照射を前記メンブレンの表面に密着させて配設された透明フィルムを介して行うに当たり、該透明フィルムとして、検体液に対して屈折率に係る下記式(1)が成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させる蛍光イムノクロマトグラフィー法であって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたことを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー法。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率) - 前記透明フィルムとして、検体液に対して屈折率に係る下記式(2)が成立するものを適用すること特徴とする請求項1に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
[式(2) nFf>nWf+0.1]
(nFf、nWfは式(1)と同義である。) - 前記透明フィルムについて、前記励起光の波長λeにおける光透過率(TFe)および前記蛍光の波長λfにおける光透過率(TFf)がいずれも80%以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである請求項1〜3のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記励起光の波長λeが300nm〜700nm、前記蛍光の波長λfが350nm〜800nmであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記励起光の波長λeが500nm〜550nm、前記蛍光の波長λfが530nm〜580nmであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記透明フィルム内において、透明フィルムに入射して拡散した蛍光が、上記透明フィルムと空気との界面、及び、上記透明フィルムと上記メンブレンとの界面で全反射されることにより、透明フィルムが導波路となることで、当該蛍光のメンブレン内での拡散を抑制し、前記蛍光物質近傍の蛍光の検出性が高められた請求項1〜6のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記励起光をレーザダイオードまたは発光ダイオードから照射し、一方、光学フィルタで前記励起光を除去し蛍光のみを検出する機構を用いる請求項1〜7のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記検出判定を5分以内に行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記シリカ粒子のCV値が10%以下である請求項1〜9のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である請求項1〜10のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである請求項1〜11のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである請求項1〜12のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記透明フィルムが、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、またはポリエチレンテレフタレートで構成された請求項1〜13のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記透明フィルムの厚みが20μm以上1mm以下である請求項1〜14のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- 前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である請求項1〜15のいずれか1項に記載の蛍光イムノクロマトグラフィー法。
- シリカ粒子中の蛍光物質に励起光を照射し該蛍光物質からの蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法に用いられるキットであって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたものであり、
前記キットは、透明フィルムがメンブレン本体に配設されたテストストリップと前記メンブレン本体に付与される蛍光物質とを組み合わせてなり、
前記透明フィルムの屈折率が検体液に対して下記式(1)成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させることを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー用キット。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率) - 前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである請求項17に記載のキット。
- 前記透明フィルムの厚みが、20μm以上1mm以下であることを特徴とする請求項17又は18に記載のキット。
- 前記透明フィルムの材質が、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項17〜19のいずれか1項に記載のキット。
- 前記シリカ粒子のCV値が10%以下である請求項17〜20のいずれか1項に記載のキット。
- 前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である請求項17〜21のいずれか1項に記載のキット。
- 前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである請求項17〜22のいずれか1項に記載のキット。
- 前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである請求項17〜23のいずれか1項に記載のキット。
- 前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である請求項17〜24のいずれか1項に記載のキット。
- シリカ粒子中の蛍光物質に励起光を照射し該蛍光物質からの蛍光を検出して行うイムノクロマトグラフィー法に用いられるテストストリップであって、
前記蛍光物質が蛍光色素化合物であり、前記シリカ粒子がゾル−ゲル法により調製されたものであり、
前記テストストリップは、透明フィルムとこれが配設されたメンブレン本体とを有してなり、
前記透明フィルムの屈折率が検体液に対して下記式(1)が成立するものを適用することにより、前記透明フィルムに入射した上記蛍光を上記透明フィルムの表面に密着させた上記メンブレンの面で全反射させることにより上記透明フィルム内で導波させることを特徴とする蛍光イムノクロマトグラフィー用テストストリップ。
[式(1) nFf>nWf]
(nFf:前記蛍光の波長λfにおける透明フィルムの屈折率)
(nWf:前記蛍光の波長λfにおける検体液の屈折率) - 前記シリカ粒子の平均粒径が20nm〜500nmである請求項26に記載のテストストリップ。
- 前記透明フィルムの厚みが、20μm以上1mm以下であることを特徴とする請求項26又は27に記載のテストストリップ。
- 前記透明フィルムの材質が、ポリフッ化ビニリデン、酢酸セルロース、ポリメタクリル酸メチル、ポリプロピレン、ナイロン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニリデン、及びポリエチレンテレフタレートから選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項26〜28のいずれか1項に記載のテストストリップ。
- 前記シリカ粒子のCV値が10%以下である請求項26〜29のいずれか1項に記載のテストストリップ。
- 前記蛍光色素化合物が有機系の蛍光色素化合物である請求項26〜30のいずれか1項に記載のテストストリップ。
- 前記シリカ粒子は、前記蛍光色素化合物とシランカップリング剤とを反応させて得られた生成物に、1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製したものである請求項26〜31のいずれか1項に記載のテストストリップ。
- 前記蛍光色素化合物が5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン−NHSエステル、DY550−NHSエステル、又はDY630−NHSエステルである請求項26〜32のいずれか1項に記載のテストストリップ。
- 前記透明フィルムの屈折率が1.333超1.66以下である請求項26〜33のいずれか1項に記載のテストストリップ。
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