JP5810195B1 - 紫外励起蛍光粒子、これを用いた検出方法、画像表示方法、画像表示スクリーンおよび画像表示装置 - Google Patents

紫外励起蛍光粒子、これを用いた検出方法、画像表示方法、画像表示スクリーンおよび画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外励起蛍光色素の励起光と蛍光との波長の差を好適に利用して、励起光の影響を受けにくい蛍光検出が可能であり、しかも上記紫外線による励起効率を高いレベルで維持することができる紫外励起蛍光粒子(蛍光標識粒子)およびこれを用いた検出方法を提供する。照射光が視認の妨げにならずに、媒体に良好な蛍光画像を表示させることができる紫外励起蛍光粒子、これを用いた画像表示用途として利用可能な表示スクリーン、表示装置および表示方法を提供する。【解決手段】紫外線を吸収して可視光領域側の蛍光を発する紫外励起蛍光色素をシリカ粒子中に含有する紫外励起蛍光粒子。【選択図】図1

Description

本発明は紫外励起蛍光粒子、これを用いた検出方法、画像表示方法、画像表示スクリーンおよび画像表示装置に関する。
バイオテクノロジーの医療診断への応用は益々進んでいる。例えば、イムノクロマトグラフィーが挙げられる。これは、被検物質を捕捉した部分が発色することによって、その有無を判定する免疫測定法である。その手順は以下のとおりである。まず、被検物質が標識粒子に捕捉される。これが、メンブレンで構成される支持体中を、毛細管現象により移動する。さらに、支持体にライン状に固定化された捕捉物質と前記の被検物質とが接触し、ここで被検物質が捕捉され次第に濃縮される。その結果、捕捉物質が固定化されたラインが強く発色する。これによって、被検物質の有無を精度良く判定することができる。
あるいは、フローサイトメトリーやイムノアッセイなども、各種の臨床検査や生化学分析等に利用されている。前者においては、検出器に微細なノズルを設け、ここを通過する標識粒子一つ一つの属性を蛍光発光により検出する。これにより、標的物質の同定や定量を行うことができる。後者においては、所定のキットを用いて、免疫反応等を利用して、微量物質の検出・定量を行うことができる。
ところで、上記のような臨床検査等に適用される標識として用いられる色素については、発色(吸光)により判別するものと、蛍光の発光により判別するものとがある。蛍光発光は、発色による検出と異なり、暗所でも検出が可能であることや、蛍光の強度の測定が精度良く可能であることから定量検査に適合するなどの利点がある。一方、蛍光色素はその励起光と蛍光波長の差(ストークスシフト)が小さく、特殊な光フィルタを利用して励起光をカットすることなどにより検出感度の向上を図っている。この励起光と蛍光の波長の鎖をFRET(Fluorescence resonant energy transfer:蛍光共鳴エネルギー遷移)により拡大し、その上でそれに適合した特定の光フィルタを適用した技術が開発されている(特許文献1参照)。
特開2013−200316号公報 国際公開第2007/013601号パンフレット 特表2012−532211(WO2011/002704)
紫外線により励起される蛍光発光色素を、標識試薬として用いる例がある(特許文献2)。これは、300〜400nmの波長の励起光を受け、より長波長の蛍光を発光するものである。その差は大きいもので100nm以上におよぶ。また、励起光となる紫外線は目に見えないため、目視検査において障害になりにくい。これにより、従来のストークスシフトが数十nm以下の蛍光色素と比べ、大幅にその検出感度が改善されることが期待される(図1参照)。一方、こうした紫外励起蛍光色素を臨床検査等の標識試薬に適用する研究は、まだその途についたばかりであり、その応用性については未知の部分を多く含む。
本発明の第1の目的は、上記の点に鑑み、紫外励起蛍光色素の励起光と蛍光との波長の差を好適に利用して、励起光の影響を受けにくい蛍光検出が可能であり、しかも上記紫外線による励起効率を高いレベルで維持することができる紫外励起蛍光粒子(蛍光標識粒子)およびこれを用いた検出方法の提供することである。
また、蛍光を用いて物品を認証する技術として、蛍光を有する粒子をマトリックスに複合して、透明構造体としたものがある(特許文献3)。ここでは、粒子表面の蛍光を用いているが、粒子表面だけなので蛍光が弱く、粒子の径が小さく光が散乱を起こしにくい。そのため、光路以外の方向からだと蛍光が見えにくく、画像等の表示用途には使いにくい。
上記の紫外励起蛍光粒子の応用について検討を進めたところ、紫外線照射型の表示装置に適合することが分かった。本発明の第2の目的は、照射光が視認の妨げにならずに、媒体に良好な蛍光画像を表示させることができる紫外励起蛍光粒子、これを用いた画像表示用途として利用可能な表示スクリーン、表示装置および表示方法を提供することである。
上記の課題は下記の手段により解決された。
〔1〕紫外線を吸収して可視光領域側の蛍光を発する紫外励起蛍光色素をシリカ粒子内部に含有する紫外励起蛍光粒子であって、
上記紫外励起蛍光色素が、発色団が含窒素複素芳香族化合物である有機色素の残基であり、かつ、前記紫外励起蛍光粒子中の該有機色素による発光要素として機能する紫外励起蛍光粒子。
〔2〕上記紫外励起蛍光色素が、上記シリカ粒子の内部で、該シリカ粒子と化学結合を介して結合している〔1〕に記載の紫外励起蛍光粒子。
〔3〕上記紫外励起蛍光色素の発色団が下記式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物の残基である〔1〕または〔2〕に記載の紫外励起蛍光粒子。
Figure 0005810195
(上記環Aは芳香族環または複素芳香族環である。Xはイミノ基(NR)、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはBRを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。An は対アニオンを表す。
〔4〕上記式(1)が下記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表され、上記式(2)が下記式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表され、上記式(3)が下記式(3−1)〜(3−3)のいずれかで表される〔3〕に記載の紫外励起蛍光粒子。
Figure 0005810195
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。Xは式(1)と同義である。Anは対アニオンを示す。R、R、Rは式(2)、式(3)と同義である。)
〔5〕上記紫外励起蛍光色素が、波長300nm以上475nm未満の紫外線を吸収し、波長400nm超700nm以下かつ上記吸収波長よりも長い波長の蛍光を発光する〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子。
〔6〕紫外励起蛍光色素を粒子内部に含有するシリカ粒子を標識粒子として用いる検出方法であって
上記紫外励起蛍光色素が、発色団が含窒素複素芳香族化合物である有機色素の残基であり、かつ、該紫外励起蛍光色素に紫外線を照射し、これにより紫外励起蛍光色素から発せられる可視光領域側の蛍光を検出して行う検出方法。
〔7〕上記紫外励起蛍光色素が、上記シリカ粒子の内部で、該シリカ粒子と化学結合を介して結合している〔6〕に記載の検出方法。
〔8〕上記照射する紫外線が波長300nm以上475nm未満であり、上記紫外励起蛍光色素から発せられる蛍光が波長400nm超700nm以下かつ上記照射波長よりも長い波長である〔6〕または〔7〕に記載の検出方法。
〔9〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子と、上記紫外励起蛍光粒子が移行するメンブレンとを有するイムノクロマトグラフィー用の検出キット。
〔10〕上記メンブレンは、標的物質を捕捉した上記紫外励起蛍光粒子が固定化される検出領域を有する〔9〕に記載の検出キット。
〔11〕上記メンブレンは、標的物質を捕捉していない上記紫外励起蛍光粒子が固定化される参照領域を有する〔9〕または〔10〕に記載の検出キット。
〔12〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を用いる画像表示方法であって
記紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体に紫外線を照射し、照射された部分に存在する紫外励起蛍光粒子に含まれる紫外励起蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、上記透明媒体に画像を表示させる画像表示方法。
〔13〕紫外線の照射が、レーザ、LED、およびランプのいずれかひとつにより行われる〔12〕に記載の画像表示方法。
〔14〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を用いる画像表示装置であって
記紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体を具備する画像表示スクリーンと、画像表示スクリーンの所定の部分に紫外線を照射する紫外線光源とを備え、照射された部分に存在する蛍光粒子に含まれる蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、画像表示スクリーン上に画像を表示する画像表示装置。
〔15〕シリカ粒子と透明媒体の屈折率差が0.1以上である〔14〕に記載の画像表示装置。
〔16〕ヘッドアップディスプレイまたはウエアラブルディスプレイである〔14〕または〔15〕に記載の画像表示装置。
〔17〕〔1〕〜〔5〕のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体を具備する画像表示スクリーンであって
外線光源から照射された部分に存在する蛍光粒子に含まれる蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、画像表示スクリーン上に画像を表示することができる画像表示スクリーン。
本発明において紫外線とは、波長475nm未満の光(電磁波)を呼び、450nm以下であることが好ましく、400nm以下であることがより好ましい。下限値は300nm以上であることが好ましい。可視光領域側とは照射される紫外線より相対的に長波長側であればよく、典型的には400nm超の光をいい、450nm以上であることが好ましい。上限は750nm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましい。
なお、光の波長は一般的な蛍光分光光度計を用いて、通常の条件で測定できる。
本第1発明においてその紫外励起蛍光粒子および検出方法は、紫外励起蛍光色素の励起光と蛍光の波長の差を好適に利用し、励起光の影響を受けにくい検出を可能とし、しかも上記紫外線による励起効率を高いレベルで維持することができる。また、その好ましい実施形態においては、必要により紫外励起蛍光色素を高濃度にして用いることができ、そのときに高い安定性を示しかつ濃度消光が抑えられる。
本第2発明においては、その紫外励起蛍光粒子が透明媒体中で発光要素として機能し、ヘッドアップディスプレイやウエアラブルディスプレイに適合した良好な表示性能を発揮する。
一般的な標識試薬と紫外励起蛍光色素の励起光波長および蛍光波長を対比した説明図である。 本発明の一実施形態に係るイムノクロマトグラフィー用の試験片を模式的に示した斜視図である。 本発明の一実施形態に係るフローサイトメーターを模式的に示す装置構成図である。 本発明の一実施形態に係る表示装置を模式的に示す装置構成図である。
本発明の紫外励起蛍光粒子はシリカ粒子中に紫外線を吸収して可視光領域側の蛍光を発する紫外励起蛍光色素を含有する。以下、本発明について、その好ましい実施形態を中心に詳細に説明する。
(紫外励起蛍光色素)
紫外励起蛍光色素は紫外光を吸収して可視光領域側の蛍光を発光するものであれば特に限定されないが、本発明では、その発色団が含窒素複素芳香族化合物の残基である。含窒素複素芳香族化合物は、五員環化合物又は六員環化合物であることが好ましく、五員環化合物であることがより好ましい。含窒素複素芳香族化合物はアゾール化合物であることが好ましく、ジアゾール化合物であることがより好ましい。なかでも、オキサジアゾール化合物、ベンゾオキサジアゾール化合物、ピリドオキサジアゾール化合物、イミダゾール化合物、ベンゾイミダゾール化合物、ピリドイミダゾール化合物であることが好ましい。
前記紫外励起蛍光色素の発色団が下記式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物の残基で構成されることが好ましい。
Figure 0005810195
前記環Aは芳香族環または複素芳香族環である。
Aが芳香族環であるとき、炭素数6〜24であることが好ましく、6〜14であることがより好ましく、6〜10であることが特に好ましい。具体的には、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環が好ましい。複素芳香族環であるとき、炭素数3〜12であることが好ましく、3〜8であることがより好ましく、3〜6であることが特に好ましい。具体的には、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、ピロール環、ピラゾール環、イミダゾール環が挙げられ、ピリジン環が好ましい。
Xはイミノ基(NR)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはBRを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rは後記Rと同じであることが好ましく、水素原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)がより好ましい。
はRと同義である。
は、脂肪族炭化水素基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)又は芳香族炭化水素基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)を表す。Rはなかでも、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アリール基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、アラルキル基(炭素数7〜23が好ましく、7〜15がより好ましく、7〜11が特に好ましい)が好ましい。
前記式(1)が式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表され、前記式(2)が式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表され、前記式(3)が式(3−1)〜(3−3)のいずれかで表されることが好ましい。
Figure 0005810195
式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子又は置換基を示す。R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルキニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜6がより好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、ヒドロキシル基、シアノ基、スルホン酸基、芳香族炭化水素基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましく、6〜10が特に好ましい)、複素環基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)が好ましい。
Xは式(1)と同義である。
は前記と同義である。
Anは、対アニオンを表し、ハロゲン化物イオン、CFSO 、BF 、又はPF が好ましい。)
とRは芳香族基(炭素数6〜22が好ましく、6〜14がより好ましい)又は複素芳香族基(炭素数1〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)であることが好ましい。複素芳香族基をなす環構造としてはチオフェン又はその誘導体、フラン又はその誘導体、ピロール又はその誘導体、イミダゾール又はその誘導体、オキサゾール又はその誘導体、チアゾール又はその誘導体、ピラゾール又はその誘導体及びピリジン又はその誘導体の残基が挙げられる。芳香族基としてはフェニル基、ナフチル基が挙げられる。RとRは更に置換基を有してもよく、例えばアルキル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルコキシ基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)、アルケニル基(炭素数2〜12が好ましく、2〜5がより好ましい)、アシル基(炭素数1〜12が好ましく、2〜6がより好ましく、2〜3が特に好ましい)等を有していてもよい。
又はRは結合部を構成していてもよい。結合部は、例えば、シリカ粒子に導入される際に、発色団とシランカップリング剤との連結部として機能する。この観点で結合部はアルコキシシリル基(炭素数1〜12が好ましく、1〜6がより好ましく、1〜3が特に好ましい)を有することが好ましい。
結合部を誘導するための仮結合部としては、ヒドロキシル基、チオール基、アミノ基、カルバモイル基、カルボキシル基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、エポキシ基、ハロゲン化アルキル基、トリアジン基、カルボジイミド基、活性エステル化したカルボニル基、マレイミド基、コハク酸イミド基を有していてもよい。
結合部には、−(CH−、−NHCOO−、−CONH−、−CHNH−、−CHNR−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−(CH−CH−O)−、−CH=CH−、−C≡C−、−Ar−、−CO−Ar−NR−、又はこれらの組合せに係る連結基を有していてもよい。Rはアルキル基(炭素数1〜6が好ましい)である。nは1〜10の整数である。Arはアリーレン基(炭素数6〜10が好ましい)である。
結合部中の連結基には、以下の式(I)で表されるものを用いることができる。
−[(CHRa)p−X]r−(CHRb)q−[(CHRa)p−X]r−
(I)
式中、Xは直接結合、−NHCOO−、−CONH−、−COO−、−SONH−、−HN−C(=NH)−NH−、−O−、−S−、−NR−、−CH=CH−、−C≡C−、−Ar−、−CO−Ar−NR−、またはこれらの組合せを表す。RaとRbはそれぞれ独立に、水素原子、あるいは芳香環を含んでもよいアルキル基又はアルケニル基等の脂肪族炭化水素基、あるいは芳香族炭化水素基である。必要によりスルホン酸基、ヒドロキシル基、4級アミン基及びカルボキシル基からなる群から選択されたいずれか1種の荷電基により置換された基を表す。Arはアリーレン基を表す。p、q、rはそれぞれ独立に0〜20の整数を表す。r+q≧1である。
式(1)の発色団を有する化合物の例を下記に挙げるが、本発明がこの例示により限定して解釈されるものではない。
Figure 0005810195
前記紫外励起蛍光色素の合成方法は定法によればよいが、例えば、下記スキーム1に沿って合成することができる。ここでは、反応性基に活性エステル化したカルボニル基を用い、反応性基と結合するスペーサー部の官能基に−COO−を用いた例を示している。活性エステル化したカルボニル基には、N−ヒドロキシ−スクシンイミドエステルやマレイミドエステルを用いることができる。N−ヒドロキシ−スクシンイミドを用い、縮合剤としてDCC(N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド)を用いることによりN−ヒドロキシ−スクシンイミドエステル体を経由してアミド結合により有機EL色素と標的分子が結合する。
Figure 0005810195
Dyeは蛍光色素の発色団である。Rはアルコキシシリル基又はアルコキシシリルアルキル基である。
これらの色素は、通常に購入可能であり、例えばIST社製フルオリドイエロー、フルオリドレッドなどが利用可能である。
本発明において紫外励起蛍光色素の励起光波長は紫外線領域であり、蛍光波長は可視光領域側にある。その定義は先に示したとおりである。
紫外励起蛍光粒子中の紫外励起蛍光色素は、本発明の好ましい実施形態においては、より多くの紫外励起蛍光色素が紫外励起蛍光粒子中に取り込まれていることが好ましい。高濃度でシリカに取り込ませるには、紫外励起蛍光粒子内に導入される牽引力を生む基(牽引基)を有する色素を用いることが好ましい。牽引基は特に限定されないが、含窒素基であることが好ましく、−NR−基、=N−、−NR 基などが挙げられる。あるいは、含酸素基が挙げられ、−C=O基、−O−基などが挙げられる。なかでも好ましくは、含窒素基である。
一方、フルオレセインのような、色素骨格中に極性基やアミノ基誘導体(ピリジン・ピロール含む)を有さない色素化合物は、例えば3−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)との反応が進行しにくく、粒子ネットワークと化学結合を形成しにくいことがある(−O−Si−O−と化学結合しない)。そうすると、粒子中から色素が漏出しやすくなることがある。こうした点を考慮して、シリカ粒子中へ固定化する色素種を設計段階で選択することが好ましい。
[イムノクロマトグラフィー]
本発明の紫外励起蛍光粒子は、イムノクロマトグラフィーに適用されることが好ましい。イムノクロマトグラフィー用テストストリップ(試験片)は、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、吸収パッドが相互に毛細管現象が生じるように直列連結していることが好ましい。
図2は本発明に好適に適用されるイムノクロマトグラフィー用の試験片を示している。同図に示したように、上述した試験領域と参照領域とを有するメンブレン8cを具備するテストストリップ10が筐体6(筐体上部6aと筐体下部6b)に内包され、長尺試験体100をなしている。筐体上部6aには、検出開口部61と検体導入開口部62とが設けられている。蛍光観察においては、この検出開口部61を介して、照射光を内部のテストストリップ10に送り、そこで発せられる蛍光を集光し検出・観測することができる。一方、検体導入開口部62を介して試験液Sをテストストリップ10に供給し測定試験を行うことができる。本実施形態のイムノクロマトグラフィー用テストストリップ10は、上述のように、サンプルパッド8a、コンジュゲートパッド8b、抗体固定化メンブレン8c、吸収パッド8dを具備してなる。さらに、上記各構成部材は、粘着剤付きバッキングシート(図示せず)により裏打ちされていることが好ましい。
(サンプルパッド)
サンプルパッド8aは標的物質を含むサンプルを滴下する構成部材である。その材料や寸法等は特に限定されず、この種の製品に適用される一般的なものを利用することができる。
(コンジュゲートパッド)
コンジュゲートパッド8bは蛍光標識粒子2が含浸された構成部材である。そして、サンプルパッド8aから毛細管現象により移動してきた試料に含まれる標的物質が抗原抗体反応等の特異的分子認識反応で、前記蛍光標識粒子によって捕捉され、標識される部分である。
コンジュゲートパッド8bにおける単位面積(cm)当たりの前記蛍光標識粒子の含有量は特に制限はないが1μg〜100μgが好ましい。含浸方法としては、前記蛍光標識粒子の分散液を塗布、滴下ないしは噴霧後、乾燥する方法等が挙げられる。
(抗体固定化メンブレン)
前記抗体固定化メンブレン8cにおける抗体固定化部に、標的物質の有無を判定、すなわち陽性陰性を判定するための標的物質捕捉用抗体が固定化されたテストラインnを設ける。抗体固定化メンブレン8cには、蛍光標識粒子を捕捉するための抗体が固定化されたコントロールラインnを含むことが好ましい。
メンブレン8cは蛍光標識粒子2により標識された標的物質1が毛細管現象によって移動する構成部材であり、固定化抗体−標的物質−蛍光標識粒子からなるサンドイッチ型免疫複合体形成反応が行われる抗体固定化部(判定部)を有する。前記メンブレンにおける前記抗体固定化部(判定部)の形状としては局所的に捕捉用抗体が固定化されている限り特に制限はなく、ライン状、円状、帯状等が挙げられるが、ライン状であることが好ましく、幅0.5〜1.5mmのライン状であることがより好ましい。
前記抗体固定化部(試験領域)nにおける抗体固定化量は特に制限されないが、形状がライン状の場合、単位長さ(cm)当たりの0.5μg〜5μgが好ましい。固定化方法としては、抗体溶液を塗布、滴下ないしは噴霧後、乾燥して物理吸着により固定化する方法等が挙げられる。前述の抗体固定化後に、非特異的吸着による測定への影響を防止するために前記抗体固定化メンブレン全体をいわゆるブロッキング処理を施しておくことが好ましい。例えば、アルブミン、カゼイン、ポリビニルアルコール等のブロッキング剤を含有する緩衝液中に適当な時間浸漬した後乾燥する方法等が挙げられる。市販の前記ブロッキング剤としては、例えば、スキムミルク(DIFCO社製)、4%ブロックエース(明治乳業社製)などが挙げられる。
メンブレン8cには、さらに参照領域nがあり、そこには標的物質が捕捉されていない紫外励起蛍光粒子2が捕捉される。これにより、テスト領域nでの蛍光・吸光と対比して、標的物質への有無や量を固定することができる。この機能を果たすために、試験用標識粒子2は紫外励起蛍光粒子2aと結合性物質2bとからなる。結合性物質2bは標的物質との結合性を有する。
(吸収パッド)
吸収パッド8dは、毛細管現象でメンブレンを移動してきた試験液(標的物質)S及び蛍光標識粒子2を吸収し、常に一定の流れを生じさせるための構成部材である。
これら各構成部材の材料としては特に制限は無く、イムノクロマトグラフィー用テストストリップに用いられる部材が使用できるが、サンプルパッドおよびコンジュゲートパッドとしてはGlass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のガラスファイバーのパッドが好ましく、メンブレンとしてはHi−Flow Plus120メンブレン(商品名、MILLIPORE社製)等のニトロセルロースメンブレンが好ましく、吸収パッドとしてはCellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のセルロースメンブレンが好ましい。
前記粘着剤付きバッキングシートとしては、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)等が挙げられる。
(結合性物質)
本実施形態において試験用の結合性物質2bは上記紫外励起蛍光粒子2aと一体化して用いる(蛍光標識粒子2)。材料の詳細は、後記紫外励起蛍光粒子の項で詳しく述べる。
(試験用捕捉性物質)
本実施形態に用いられるメンブレンは、上記のメンブレンの材料に試験用捕捉性物質4が固定化されている。この捕捉性物質4は、前記紫外励起蛍光粒子2aと結合性物質2bと前記標的物質1とを含む複合体を捕捉するよう、標的物質1への結合能を有する。捕捉性物質4が上記のような結合能を有することで、蛍光標識粒子2と標的物質1とからなる複合体を捕捉することが可能になる。その結果、蛍光標識粒子2による蛍光を発するラインが試験領域nに形成される。
(参照用捕捉性物質)
本実施形態においては、メンブレンの参照領域nに参照用捕捉性物質5が固定されている。これは、標的物質1を介さずに、直接、結合性物質と結合するものである。したがって、移行してくる試験液Sに混合されて標的物質1と結合していない蛍光標識粒子2が移行してくると、これを直接捕捉する(図2参照)。その結果、蛍光標識粒子による蛍光を呈するラインが参照領域nに形成される。参照用捕捉性物質5は特に限定されないが、結合性物質と結合能を有する生体分子が挙げられ、具体的には抗体等が挙げられる。
(素材)
本実施形態の平面試験片(テストストリップ)10に採用しうる各構成部材の材料としては特に制限は無く、イムノクロマトグラフィー用テストストリップに用いられる通常の部材が使用できる。サンプルパッドおよびコンジュゲートパッドとしては、例えば、Glass Fiber Conjugate Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のガラスファイバーのパッドが好ましい。メンブレンとしてはHi−Flow Plus120メンブレン(商品名、MILLIPORE社製)等のニトロセルロースメンブレンが好ましい。吸収パッドとしてはCellulose Fiber Sample Pad(商品名、MILLIPORE社製)等のセルロースメンブレンが好ましい。前記粘着剤付きバッキングシートを用いる場合には、AR9020(商品名、Adhesives Research社製)等が挙げられる。
(標識粒子のコンジュゲートパッドへの導入)
本実施形態のイムノクロマトグラフィーにおいては、前記コンジュゲートパッドに、前記蛍光標識粒子として、結合性物質を結合させた蛍光標識粒子を導入しておくことが好ましい。コンジュゲートパッドにおける単位面積(cm)当たりの前記蛍光標識粒子の含有量は特に制限されないが20μg/cm〜2mg/cmが好ましく、20〜200μg/cmであることがより好ましい。含有量が多すぎると、1粒子当りの検体結合数が低下し、検出感度が低下する。含有させる方法としては、前記蛍光標識粒子の分散液を塗布、滴下ないしは噴霧後、乾燥する方法等が挙げられる。このとき蛍光標識粒子を含有させ、一旦乾燥させた後、蛍光標識粒子を含有させてもよく、予め蛍光標識粒子を混合し、この混合コロイドを含有させてもよい。
[検出方法]
イムノクロマトグラフィーにおいては、前記検出装置を用い、その検出部を介して標識粒子の蛍光を検出測定する。前記蛍光標識粒子が発する蛍光を好適に検出する観点から、前記励起光源(光照射器)が、波長300nm以上の励起光を発することが好ましく、波長350nm以上の励起光を発することがより好ましい。また、波長475nm未満の励起光を発することが好ましく、450nm以下がより好ましく、400nm以下が特に好ましい。前記励起光源としては、UVランプ、UV LEDなどが挙げられる。また、照射側には前記励起光源から特定の波長の光のみを透過するためのフィルタを備えていることがより好ましい。具体的には、励起波長よりも波長が長い光をカットするものである。さらに、検出側には蛍光を的確に検出する観点から、前記励起光を除去し蛍光のみを透過するフィルタを備えていることがさらに好ましい。
なお、フィルタのない場合は、極大励起波長より短い波長を用いて励起することで、励起光が目視できないので、好ましい。
本発明の好ましい実施形態においては、蛍光標識粒子の蛍光波長は、400nm超が好ましく、450nm以上が好ましく、波長500nm以上がより好ましい。上限は、波長750nm以下が好ましく、700nm以下がより好ましく、650nm以下がさらに好ましく、波長600nm以下が特に好ましい。とくに、汎用されている検出器(光センサー)の受光感度特性や価格を考慮すると上記の範囲が好ましい。
なおここで言う波長は、ピークとはピークトップないしその近傍全般を指し、狭義にはピークトップ(頂点)を意味するものとする。
蛍光粒子が発する蛍光波長と励起光の波長の差は、30nm以上であることが好ましく、50nm以上であることがより好ましく、80nm以上であることがさらに好ましく、100nm以上であることがさらに好ましく、130nm以上であることが特に好ましい。上限は特にないが、300nm以下であることが実際的である。
なお、ここで述べた励起光と蛍光の波長の好ましい範囲や両者の関係は、後記ディスプレイとして利用する実施形態においても同様である。
前記受光器は、前記蛍光を受光し蛍光を検知する光電子倍増管、CCD検出器、CMOS検出器であることが特に好ましく、これにより目視では確認できない強度ないしは波長の蛍光も検出でき、さらにはその蛍光強度を測定できることから標的物質の定量もでき、高感度検出及び定量が可能となる。受光器の受光感度における特性としては、高感度の製品の入手性の観点から、波長400〜700nmに高感度の受光領域(受光ピーク)があるものを適用することが好ましく、波長500〜600nmに高感度の受光領域(受光ピーク)があるものを適用することがより好ましい。
<フローサイトメトリー>
フローサイトメトリーは、一例として、図3のような検出部を有する装置を用いて行われる。同図から明らかなように、本装置では、ノズルを1つ1つの粒子が通過し、この部分で粒子の蛍光発光を検出することができる。具体的には、検出部の出口で、複数の波長の光を順次当てて、そこからの蛍光発光を検出することができる。フローサイトメトリーの装置においては、2つの光源EL−1、EL−2が設けられたものが例示され、この態様では、409nm、440nmの励起光が付与される。検出器は、2つから4つのチャネルを備えたものがあり、530nm、585nm、661nm、670nmなどの蛍光の検出がしばしば行われる。
フローサイトメーターは、特に制限はなく、従来用いられているフローサイトメーターをそのまま用いることができる。励起光の照射に先立って、シース液(例えば、IsoFlowシース液(商品名、ベックマン・コールター社製)、ダコ シースフルード(商品名、ダコジャパン社製等))、及び標的生体分子、蛍光標識粒子等が含有されたサンプル液がフローセルに導入されることが好ましい。ここで、前記シース液と前記サンプル液とが混じりあうことがない層流が形成されることが好ましい。前記フローセルから流れていくときに前記サンプル液はシース液流によって囲まれたサンプルコアを形成して流れ、照射域を通過するときにレーザーが照射される態様が挙げられる。
フローサイトメーターは、所定のフロー条件とすることにより、標的生体分子を標識している前記蛍光標識粒子1個だけを、各検出域に存在させることができる。それにより前記蛍光標識粒子1個だけの検出データを取得することができる。前記フローサイトメトリーは、1回の測定操作で複数の標的を同時に測定することができる。いわゆるマルチプレックシング方式である。測定時のフロー速度は特に制限はないが、標的生体分子の定量のためには、100〜1000蛍光標識粒子数/秒の条件とすることができ、標的細胞の検出ないしは分取のためには、100〜1000細胞/秒の条件とすることができる。例えば、フローサイトメーターとしてFACSCalibur(商品名;ベクトン・ディッキンソン社製)を用いた場合、シース圧(上記シース液を流す圧力)とサンプル圧(上記サンプル液を流す圧力)の差が1k〜2kpsiである条件とすることができる。
各検出域においては、光電子増倍管等任意の1又は2以上の蛍光チャンネル(例えば、FL1、FL2、FL3)を用いて、検出域を通ってレーザーによって照射された蛍光標識粒子からの蛍光発光を集めることができる。また、光電子増倍管等任意の散乱光集光チャンネルを用いて、各シリカ粒子によって屈折される光(前方散乱光または側方散乱光)を集めてもよい。フローサイトメーターは、前記検出域を通った各標的生体分子に由来する蛍光発光や散乱光を、蛍光チャンネル等によって検出したデータを記録・記憶し、分析するデータ集積分析手段(ハードウエアもしくはソフトウエア)を含むのが好ましい。前記データ集積分析手段として、FACSDiVa、EXPO32、Summit、AppSan、LysisII、CellQuest(いずれも商品名)等市販のものを用いてもよい。
フローサイトメーターとしては、FACSCalibur(商品名;ベクトン・ディッキンソン社製)、PERFLOW Ana(商品名;古河電気工業社製)、EPICS ALTRA(商品名;ベックマン・コールター社製)、CyAn(商品名;ダコジャパン社製)、JSAN(商品名;ベイバイオサイエンス社製)等市販のフローサイトメーターを用いてもよい。蛍光標識粒子のフローサイトメトリーに対する利用については、例えばWO2007/097377号パンフレット、特開2009−222718号公報を参照することができる。
<表示装置>
本発明の紫外励起蛍光粒子は、樹脂等の透明媒体に混合し分散させることで、ディスプレイ等の各種のアプリケーションに適用することができる。例えば、それを板状にしたスクリーンを形成し、所定の場所に紫外光を照射すると、照射された部分のみが蛍光を発するので、画像表示ディスプレイとして用いることができる。ここで、蛍光粒子の母材はシリカであり、通常透明媒体の樹脂とは屈折率に差があるので、光路で光が分散するチンダル現象を示す。そのため、光路方向以外からでも見えるようになるので、好ましい。また、紫外励起蛍光粒子(表示素子用粒子)の平均粒子径が100nm以上であると、チンダル現象を起こしやすいので、より好ましい。
図4は本発明の紫外励起蛍光粒子を利用した好ましい実施形態に係る表示装置の例である。本実施形態の表示装置40は、ディスプレイ41と光源42とで構成されている。ディスプレイ41は、板状の透明媒体に紫外励起蛍光粒子(表示素子用粒子)を分散させた蛍光表示板からなる。このディスプレイ41に光源から紫外線44を照射することにより、そこに所定の像43を蛍光発光像として表示させることができる。この例では「10」という文字(表示画像)43を表示させている。
透明媒体の材料は特に限定されないが、通常の透明樹脂を用いることができ、例えば、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂)、ポリエステル樹脂、ポリアクリル樹脂(ポリアクリレート樹脂、ポリメタクリレート樹脂)、ナイロン樹脂、セルロース樹脂などが挙げられる。
本発明においては、上記のとおり表示特性を改善する観点から、紫外励起蛍光粒子を構成するシリカ材料に対してこれを包含する透明媒体の材料の屈折率が高いことが好ましい。シリカの屈折率は後述するとおり1.40〜1.46程度であるが、透明媒体の屈折率は1.45以上であることが好ましく、1.5以上であることがより好ましい。上限は1.8以下であることが実際的である。なお、ここでの屈折率は波長589nm、23℃における値とする。
前記の紫外励起蛍光粒子(シリカ粒子)と透明媒体との屈折率の差は、0.05以上であることが好ましく、0.1以上であることがより好ましい。上限は0.4以下であることが実際的である。なお、ここでの屈折率は波長589nm、23℃における値とする。この差が大きいことにより、光入射位置以外からの蛍光粒子の蛍光の視認性が高まり好ましい。
透明媒体の厚さは特に限定されないが、0.02〜1mm程度が好ましい。透明媒体中の紫外励起蛍光粒子の濃度は、0.001〜1質量%程度が好ましい。
各透明材料の屈折率の代表例を下記に挙げておく。
[表A]
――――――――――――――――――――――――――――
材料 屈折率
――――――――――――――――――――――――――――
ポリフッ化ビニリデン 1.42
酢酸セルロース 1.46〜1.50
ポリメタクリル酸メチル 1.49
ポリプロピレン 1.49
ナイロン 1.53
ポリエチレン 1.53
ポリ塩化ビニル 1.53
ポリカーボネート 1.59
ポリスチレン 1.6
ポリ塩化ビニリデン 1.61
ポリエチレンテレフタレート 1.66
ポリメタクリル酸メチル 1.67〜1.76
――――――――――――――――――――――――――――
画像表示ディスプレイやこれを用いた表示装置の例としては、自動車や航空機のフロントガラス内側にスクリーンを配置したヘッドアップディスプレイ、眼鏡等に小型のスクリーンを配置したウエアラブルデバイス、窓ガラス等にスクリーンを配置した広告等の表示装置などが挙げられる。
光源としては、紫外線レーザを用いて、振動するミラーによりスキャンする方法や、紫外LED、紫外ランプ等の光源を用いて、レンズや液晶シャッターを組み合わせる方法などが可能である。
本実施形態において、光源から照射する紫外線(励起光)の波長や蛍光粒子から発せられる蛍光の波長、両者の差の関係は先に標識粒子として述べたものと同義である。
プロジェクション型のオーバーヘッドディスプレイの従来技術としては、例えば特開2005−82103が挙げられる。これは、液晶プロジェクターで生成した画像を、光散乱性のスクリーンに投射し、さらに光学系を用いて風防ガラスで反射させ、視認するものである。液晶プロジェクターやスクリーンが必要であり、光学系も複雑になる。それに対し本発明は、目視できる画像を(風防ガラスの一部に設けた)スクリーンに直接生成するものであり、光学系が単純になり、広い角度から視認することが可能である。
<その他の利用>
本発明の蛍光粒子は、その他の各種のイムノアッセイやバイオチップ、細胞の検出・分取システムもしくは細胞の検出・分取方法に適用することができる。
[標的物質(検体)]
本発明において、検出、定量の対象としての標的物質は、抗原、抗体、DNA、RNA、糖、糖鎖、リガンド、受容体、ペプチド、化学物質等が挙げられる。本発明において、標的物質を含有する試料としては特に制限はないが、尿、血液などの液体試料が挙げられる。
[紫外励起蛍光粒子]
本発明に用いられる紫外励起蛍光粒子は、シリカ粒子と紫外励起蛍光色素とで構成されている。紫外励起蛍光粒子の調製方法に特に制限はなく、任意のいかなる調製方法によって得られた粒子であってもよい。例えば、Journal of Colloid and Interface Science,159,150−157(1993)に記載のゾル−ゲル法が挙げられる。本発明においては、国際公開2007/074722A1公報に記載された蛍光シリカ粒子の調製方法に準じて得られた粒子を用いることが特に好ましい。
具体的には、紫外励起蛍光粒子は、前記紫外励起蛍光色素とシランカップリング剤とを反応させ、共有結合、イオン結合その他の化学的に結合若しくは吸着させて得られた生成物に1種又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより調製することができる。これによりオルガノシロキサン成分とシロキサン成分とがシロキサン結合してなる紫外励起蛍光粒子が得られる。
前記紫外励起蛍光粒子の好ましい調製方法の態様としては、仮結合部(N−ヒドロキシスクシンイミド(NHS)エステル基、マレイミド基、イソシアナート基、イソチオシアナート基、アルデヒド基、パラニトロフェニル基、ジエトキシメチル基、エポキシ基、シアノ基等の活性基)を有する紫外励起蛍光色素(前駆体)と、それら活性基と対応して反応する置換基(例えば、アミノ基、水酸基、チオール基)を有するシランカップリング剤とを反応させた結合部を有する紫外励起蛍光色素とする。この生成物である紫外励起蛍光色素に1又は2種以上のシラン化合物を縮重合させシロキサン結合を形成させることにより紫外励起蛍光粒子を調製することができる。
前記シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、シラン化合物を用いた紫外励起蛍光色素とテトラエトキシシラン(TEOS)を用いた場合を下記に例示する。
Figure 0005810195
前記置換基を有するシランカップリング剤(紫外励起色素の仮結合部を結合部に変換する化合物)の具体例として、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシラン、N−2(アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等のアミノ基を有するシランカップリング剤を挙げることができる。中でも、APSが好ましい。
前記縮重合させる前記シラン化合物としては特に制限はないが、TEOS、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン(MPS)、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン(APS)、3−チオシアナトプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、及び3−[2−(2−アミノエチルアミノ)エチルアミノ]プロピル−トリエトキシシランを挙げることができる。中でも、前記シリカ粒子内部のシロキサン成分を形成する観点からはTEOSが好ましく、前記シリカ粒子内部のオルガノシロキサン成分を形成する観点からはMPS又はAPSが好ましい。
上述のように調製すると、球状、もしくは、球状に近いシリカ粒子が製造できる。球状に近いシリカ粒子とは、具体的には長軸と短軸の比が2以下の形状である。
所望の平均粒径のシリカ粒子を得るためには、YM−10、YM−100(いずれも商品名、ミリポア社製)等の限外ろ過膜を用いて限外ろ過を行い、粒径が大きすぎたり小さすぎる粒子を除去するか、または適切な重力加速度で遠心分離を行い、上清または沈殿のみを回収することで可能である。
標識物質の検出に用いる実施形態においては、蛍光標識粒子に結合性物質を導入することで、標識粒子とすることができる。このとき、前記紫外励起蛍光粒子の表面に吸着又は結合させる結合性物質は、標的物質と結合性を有する。この性質を利用して、試料液に標的物質が存在していた場合には、これと結合させて系内で標識することができる。前記の結合性物質は生体分子であることが好ましい。生体分子としては、抗原、抗体、DNA、RNA、糖、糖鎖、リガンド、受容体、タンパク質又はペプチドが挙げられる。ここで、リガンドとはタンパク質と特異的に結合する物質をいい、例えば、酵素に結合する基質、補酵素、調節因子、あるいはホルモン、神経伝達物質などをいい、低分子量の分子やイオンばかりでなく、高分子量の物質も含む。
<紫外線透過率>
本発明の紫外励起蛍光粒子において、シリカを粒子材料に用いた利点は、紫外線の高い透過性において発揮される。以下には、ラテックス粒子を構成するポリスチレンとシリカとの紫外線(300nm〜400nm)の透過率(平均)の値を比較している。
ポリスチレン 50−80%(25℃ 300−400nm)
シリカ 90%(25℃ 300−400nm)
このようにシリカは紫外線の透過率が高く、このために、紫外線を励起光とする紫外励起蛍光色素の良好な性能が効果的に発揮されるものと解される。
<密度>
ラテックス粒子は密度が1g/cmであり、密度が低いことから、粒径を小さくすると遠心分離で分離が不可能となり、特に標識粒子ないし表示素子用粒子として使用できなくなることがある。これに対し、シリカは相対的に密度が大きいため(例えば約2g/cm)、粒径を小さくしても沈降しやすい。密度が大きくなると遠心分離で分離がしやすく、調製時の手間が軽減されるため、シリカ粒子を好適に標識粒子ないし表示素子用粒子として使用することができる。
<屈折率>
また、下記のように低屈折率であることも、生体検出用途では周囲の水の影響による光の散乱を起こさず、シリカ粒子を用いる利点となる。あるいは、表示装置用途ではチンダル現象を発生させやすく好ましい。
[屈折率] 589nm 23℃
ポリスチレンビーズ 1.59
シリカ粒子 1.40−1.46
水 1.33
(理科年表 国立天文台編)
反射光強度 R=(n−n
水の屈折率
粒子の屈折率
R(ポリスチレンビーズ)=7.93×10−3
R(シリカ粒子)=6.57×10−4〜2.17×10−3
<平均粒径>
・イムノクロマトグラフィー
紫外励起蛍光粒子の平均粒径(一次粒子)は、イムノクロマトグラフィーの用途においては、1nm以上であることが好ましく、20nm以上であることがより好ましく、200nm以上であることが特に好ましい。上限は、1μm以下であることが好ましく、700nm以下であることがより好ましく、500nm以下であることがさらに好ましく、400nm以下であることが特に好ましい。
・フローサイトメトリー
本発明の紫外励起蛍光粒子を有する蛍光標識粒子は、このようなフローサイトメトリーの試薬としても好適に使用することができる。フローサイトメーターの検出能(感度)の観点から、このときには、蛍光標識粒子の平均粒径(一次粒子)は300nm以上が好ましく、500nm以上がより好ましく、800nm以上が特に好ましい。上限は特にないが、1200nm以下が実際的である。
・バイオチップ
バイオチップに用いる際には、紫外励起蛍光粒子の平均粒径(一次粒子)が3nm以上であることが好ましい。上限としては、30nm以下が好ましくは、20nm以下がより好ましく、10nm以下であることが特に好ましい。蛍光粒子のイムノアッセイやバイオチップに対する利用については、例えばWO2007/074722を参照することができる。細胞の検出に適用する場合には、その感度を向上させる観点から、蛍光粒子の平均粒径は10nm以上が好ましい。上限は、200nm以下が好ましく、100nm以下がさらに好ましく、50nm以下が特に好ましい。蛍光粒子の細胞検出等に対する利用については、例えばWO2007/097377、WO2008/018566を参照することができる。
・表示装置
表示装置の用途では、光散乱を起こすという観点から、蛍光粒子の平均粒径が、一次粒子径および二次粒子径のいずれにおいても、50nm以上が好ましく、100nm以上がより好ましく、150nm以上が特に好ましい。また上限は、表示の解像度の観点から、一次粒子径および二次粒子径のいずれにおいても、20000nm以下が好ましく、10000nm以下がより好ましく、5000nm以下が特に好ましい。
本発明において、前記平均粒径は、特に断らない限り、透過型電子顕微鏡(TEM)、走査型電子顕微鏡(SEM)等の画像から無作為に選択した100個の蛍光粒子の合計の投影面積から蛍光粒子の占有面積を画像処理装置によって求め、この合計の占有面積を、選択した蛍光粒子の個数(100個)で割った値に相当する円の直径の平均値(平均円相当直径)を求めたものである。この電子顕微鏡で求める平均粒径は、通常、一次粒子からなる粒子の平均粒径として測定される。
一方、動的光散乱法により測定される平均粒径は、一次粒子だけでなく、通常、一次粒子が凝集してなる二次粒子をも含めたものとなる。動的光散乱法による粒度の測定装置としては、ゼータサイザーナノ(商品名;マルバーン社製)が挙げられる。この手法は、微粒子などの光散乱体による光散乱強度の時間変動を測定し、その自己相関関数から光散乱体のブラウン運動速度を計算し、その結果から光散乱体の粒度分布を導出するというものである。
紫外励起蛍光粒子は粒状物質として単分散であることが好ましく、粒度分布の変動係数いわゆるCV値は特に制限はないが、10%以下が好ましく、8%以下がより好ましい。
以下に本発明について実施例に基づきさらに詳細に説明するが、本発明がこれにより限定して解釈されるものではない。なお、配合量や濃度の表示において部、%としたときには、特に断らない限り、質量基準によるものとする。
(比較例)
5−(及び−6)−カルボキシテトラメチルローダミン・スクシンイミジルエステル(商品名、emp Biotech GmbH社製)5.8mgを1mlのジメチルホルムアミド(DMF)に溶解した。ここに2.6μlのAPSを加え、室温(23℃)で1時間反応を行った。得られた反応液400μlにエタノール128ml、TEOS(テトラエトキシシラン)400μl、蒸留水28.8ml、28質量%アンモニア水400μlを加え、室温で24時間反応を行った。反応液を18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行い、上清を除去した。沈殿したシリカ粒子に蒸留水を4ml加え、粒子を分散させ、再度18000×gの重力加速度で30分間遠心分離を行った。本洗浄操作をさらに2回繰り返し、標識シリカナノ粒子分散液に含まれる未反応のTEOSやアンモニア等を除去し、平均粒径172nmのシリカナノ粒子94.2mgを得た。収率約88%。
作製した濃度20mg/mlローダミン含有シリカ粒子/アルギン酸の複合粒子のコロイド500μlに、0.5MのMES(2−Morpholinoethanesulfonic acid)緩衝液(pH6.0)を100μl、50mg/mlのNHSを461μl、19.2mg/mlのEDCを150μl、蒸留水を1.089ml加え、30分間混合した。反応液を15,000×Gの重力加速度で30分遠心分離し、上清を除去後、蒸留水を1ml加え粒子を分散させた。同様にして更に2回遠心分離と蒸留水への分散を繰り返して粒子を洗浄し、最後に50mMのK 緩衝液(pH8.0)1mlに分散させた。ここに50mMのK 緩衝液(pH8.0)に溶解した1mg/mlの抗hCG抗体(Anti−hCG マウスIgG 1、Medix Biochemica社製)を1ml加え、2時間混合した。続いて100mg/mlのBSA溶液を100μl加え、さらに1時間混合した。反応液を15,000×Gの重力加速度で30分遠心分離し、上清を除去後、50mMのK 緩衝液(pH8.0)を1ml加え粒子を分散させた。同様にして更に2回、遠心分離と50mMのK 緩衝液(pH8.0)への分散を繰り返して粒子を洗浄し、最後に50mMのK 緩衝液(pH8.0)1mlに分散させ、抗hCG抗体で修飾されたローダミン含有シリカ粒子(比較のための蛍光標識粒子)のコロイドを得た(収量10mg/ml×1ml)。
(標識粒子の蛍光測定)
リコンビナントhCG(ロート製薬社製)100μLをそれぞれ蛍光標識粒子(10mg/ml)と混合し、テストストリップのサンプルパッド部分に滴下し、5分放置した。テストストリップは図の形態を有するものであり、特許5100541号明細書に基づき作製した。
励起光源側のフィルタは用いなかった。マイクロ流路チップもしくはテストストリップをUV LED(18mW)で照射し、目視による蛍光の観察を行った。励起光の波長は375nmであった。
(実施例)
前記の比較例で用いたemp Biotechを、例えばIST社製フルオリドイエローの紫外励起蛍光色素に変えた以外同様にして標識薬を調製した。比較例と同様にhCGの検出を得た。その結果、下記のように本発明に係る優れた効果が確認された。なお、比較例では、励起光光源として532nmのLEDを用いた。
Figure 0005810195
+ : 目視確認が可能
++: より明瞭に目視確認が可能
± : 目視確認が困難
以上のとおり、本発明によれば、微量の検体(被検物質)であっても、励起光による影響を受けずに、感度の高い検出が可能である。
1 標的物質
2 蛍光標識粒子
2a 紫外励起蛍光粒子
2b 結合性物質
4 試験用捕捉性物質
5 参照用捕捉性物質
6 筐体
61 検出開口部
62 検体導入開口部
6a 筐体上部
6b 筐体下部
8a サンプルパッド
8b コンジュゲートパッド
8c 抗体固定化メンブレン
8d 吸収パッド
10 テストストリップ
100 長尺試験体
テストライン
コントロールライン
L ラテラルフロー方向
S 試験液
40 表示装置
41 ディスプレイ
42 光源
43 表示画像
44 紫外線

Claims (17)

  1. 紫外線を吸収して可視光領域側の蛍光を発する紫外励起蛍光色素をシリカ粒子内部に含有する紫外励起蛍光粒子であって、
    前記紫外励起蛍光色素が、発色団が含窒素複素芳香族化合物である有機色素の残基であり、かつ、前記紫外励起蛍光粒子中の該有機色素による発光要素として機能する紫外励起蛍光粒子。
  2. 前記紫外励起蛍光色素が、前記シリカ粒子の内部で、該シリカ粒子と化学結合を介して結合している請求項1に記載の紫外励起蛍光粒子。
  3. 前記紫外励起蛍光色素の発色団が下記式(1)〜(3)のいずれかで表される化合物の残基である請求項1または2に記載の紫外励起蛍光粒子。
    Figure 0005810195
    (前記環Aは芳香族環または複素芳香族環である。Xはイミノ基(NR)、酸素原子、硫黄原子、セレン原子、またはBRを表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rは水素原子または置換基を表す。Rは脂肪族炭化水素基又は芳香族炭化水素基を表す。An は対アニオンを表す。
  4. 前記式(1)が下記式(1−1)〜(1−3)のいずれかで表され、前記式(2)が下記式(2−1)〜(2−3)のいずれかで表され、前記式(3)が下記式(3−1)〜(3−3)のいずれかで表される請求項3に記載の紫外励起蛍光粒子。
    Figure 0005810195
    (式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、水素原子または置換基を示す。Xは式(1)と同義である。Anは対アニオンを示す。R、R、Rは式(2)、式(3)と同義である。)
  5. 前記紫外励起蛍光色素が、波長300nm以上475nm未満の紫外線を吸収し、波長400nm超700nm以下かつ前記吸収波長よりも長い波長の蛍光を発光する請求項1〜4のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子。
  6. 紫外励起蛍光色素を粒子内部に含有するシリカ粒子を標識粒子として用いる検出方法であって
    前記紫外励起蛍光色素が、発色団が含窒素複素芳香族化合物である有機色素の残基であり、かつ、該紫外励起蛍光色素に紫外線を照射し、これにより紫外励起蛍光色素から発せられる可視光領域側の蛍光を検出して行う検出方法。
  7. 前記紫外励起蛍光色素が、前記シリカ粒子の内部で、該シリカ粒子と化学結合を介して結合している請求項6に記載の検出方法。
  8. 前記照射する紫外線が波長300nm以上475nm未満であり、前記紫外励起蛍光色素から発せられる蛍光が波長400nm超700nm以下かつ前記照射波長よりも長い波長である請求項6または7に記載の検出方法。
  9. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子と、該紫外励起蛍光粒子が移行するメンブレンとを有するイムノクロマトグラフィー用の検出キット。
  10. 前記メンブレンは、標的物質を捕捉した前記紫外励起蛍光粒子が固定化される検出領域を有する請求項9に記載の検出キット。
  11. 前記メンブレンは、標的物質を捕捉していない前記紫外励起蛍光粒子が固定化される参照領域を有する請求項9または10に記載の検出キット。
  12. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を用いる画像表示方法であって
    記紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体に紫外線を照射し、照射された部分に存在する紫外励起蛍光粒子に含まれる紫外励起蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、前記透明媒体に画像を表示させる画像表示方法。
  13. 紫外線の照射が、レーザ、LED、およびランプのいずれかひとつにより行われる請求項12に記載の画像表示方法。
  14. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を用いる画像表示装置であって
    記紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体を具備する画像表示スクリーンと、画像表示スクリーンの所定の部分に紫外線を照射する紫外線光源とを備え、照射された部分に存在する蛍光粒子に含まれる蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、画像表示スクリーン上に画像を表示する画像表示装置。
  15. シリカ粒子と透明媒体の屈折率差が0.1以上である請求項14に記載の画像表示装置。
  16. ヘッドアップディスプレイまたはウエアラブルディスプレイである請求項14または15に記載の画像表示装置。
  17. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の紫外励起蛍光粒子を含む透明媒体を具備する画像表示スクリーンであって
    外線光源から照射された部分に存在する蛍光粒子に含まれる蛍光色素から発せられる蛍光とその散乱光により、画像表示スクリーン上に画像を表示することができる画像表示スクリーン。
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