JP6596655B2 - レーザ溶接制御方法及びレーザ溶接システム - Google Patents

レーザ溶接制御方法及びレーザ溶接システム Download PDF

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Description

本発明は、レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部における、選択した溶接部、あるいは全ての溶接部において、本溶接部より始終端部の溶接速度を遅くし、所定の入熱量に応じてレーザ出力を制御するレーザ溶接システム及びレーザ溶接制御方法である。
レーザによる溶接では、溶接開始点から溶接線に沿う移動に伴ってレーザ出力を増加させる出力アップスロープ制御、溶接終了点に移動するまでレーザ出力を減少させる出力ダウンスロープ制御が行われる場合がある(図7参照のこと)。
出力アップスロープ制御および出力ダウンスロープ制御を行う場合、出力アップスロープを終了する位置(図7(2))と出力ダウンスロープを開始する位置(図7(3))とを逐一教示ポイントとして指定する必要が有り、溶接線上の溶接箇所ごとに、溶接の開始位置(図7(1))、終了位置(図7(4))、およびスロープ用の2点を合わせて4つの教示ポイントの指定と、スロープ指令の作成とを要することになる。また、修正を行う場合は溶接箇所の1つずつについて教示ポイントの位置修正を要することになる。
このようなティーチングプログラムの作成負担の軽減を目的として、種々の提案がなされている。
例えば特許文献1では、溶接を開始する際の加工条件および溶接を終了する際の加工条件の少なくとも一方を、被加工物の各溶接箇所に対して一括して設定するための加工条件設定手段を要する加工制御装置が提案されている。そして、加工条件設定手段は、加工位置間の区間長さを設定する区間長さ設定手段を有し、溶接開始位置から出力アップスロープを終了する位置までの区間長さと、出力ダウンスロープを開始する位置から溶接終了位置までの区間長さと、の少なくとも一方を設定することを特徴としている。これによって、スロープ用のポイントを把握した上で、所望の長さでの出力アップスロープ、出力ダウンスロープを実施するための加工条件を容易に設定できるという効果がある。
特許第5460420号公報
例えば重ね継手(2枚重ね等)、T字継手、角継手、などの継手で、特に溶接される溶接対象物間のギャップが開いている継手を溶接する場合に、特許文献1にあるような出力スロープ制御を行うだけでは、始終端部において融合不良や穴開きが発生する。
溶接開始部では上板と下板とを矯絡させて溶融池を形成する必要があるが、前述の継手で、上板と下板との間にギャップが開いている場合、レーザ溶接のように溶接速度が速いと、十分に溶融池が形成されずに溶接が開始されることになるので融合不良が発生する。
また、ギャップがより大きいと、上板と下板が矯絡するのに時間が掛かり、矯絡していない間は上板のみに熱が加わるので上板の穴開きが発生する、また、ギャップを埋めるための溶融金属量が不足して穴開きが発生する、等の課題がある。
そこで、特許文献1にあるようなレーザ出力の出力アップスロープ制御を行って入熱量を低減すると、上板の穴開きは抑制できるが、入熱量の低下によって溶融金属量が減少し、ギャップを埋めることができない、溶け込みが不十分である、等の課題が残る。
一方溶接終了部においても同様に、穴開きが発生する課題がある。溶接終了部において穴開きが発生する理由は、溶接終了部近傍で溶融金属が凝固する際に、溶融金属は凝固する方向に引っ張られるが、溶接終了点は最終凝固点であり、溶接進行方向(以下溶接方向と称す)に対して前方に溶融金属が無いため、定常溶接部と比較して溶融金属が不足して、ギャップを埋めることができずに穴開きが発生することになる。
またレーザ光を螺旋状に照射して溶融金属量を増やすことでギャップ裕度を向上させる溶接方法が提案されているが、ギャップがある継手において、溶接開始部では溶接速度が速いと、上板と下板とが橋絡し難いため、融合不良が起こる課題は、改善できない。
また、例えばT字継手などでレーザ光を螺旋状に照射する場合、上板と下板とを橋絡させるためにレーザの出力を上げると、レーザ光が螺旋状に走査されてT字継手の上板に対して下板が無い部分の溶接箇所を通過する場合において、入熱過多によって溶け落ちが発生し易い。
以上のような課題を解決するために種々検討した結果、出力スロープ制御に加えて、溶接速度を遅くする制御を同時に行うことが有効であることが判った。しかしながら、出力スロープ制御の溶接条件だけでも適切値を見極めるのが難しいのに加えて、溶接速度を変更すると更に困難となる。ましてや、板厚やギャップやユーザが求めるタクト等の違いによって、溶接箇所毎に溶接条件の適切値が異なる場合、溶接条件を溶接箇所毎で検討するのは困難であり、簡単に適切値を求め設定・変更できる仕組みが求められている。
本発明は、レーザ溶接の始終端部において、溶接速度およびレーザ出力を同時に下げて行う溶接制御方法であって、特に溶接速度に着目して、溶接速度を求めると、あらかじめ設定した入熱量より簡単に必要とするレーザ出力を演算で求め、設定・変更することを可能としたものである。
上記課題を解決するために、本発明のレーザ溶接制御方法は、レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部の範囲設定を行い、前記始終端部において、溶接開始部の入熱量を本溶接部の入熱量以上で、溶接終了部は本溶接部の入熱量以下で設定し、前記始終端部の溶接速度を本溶接部より低くなる様にして、溶接速度と予め設定した前記始終端部の前記入熱量とに応じてレーザ出力を制御し、前記溶接終了部において、前記溶接速度および前記レーザ出力を同時に下げて制御するものである。
また、上記に加えて、前記レーザ溶接は、レーザ光を螺旋状に照射しながら溶接方向に相対的に移動して溶接を行うものである。
また、上記課題を解決するために、本発明のレーザ溶接システムは、レーザ光を出力するレーザ発振器と、前記レーザ光を集光するレーザ加工ヘッドと、前記レーザ加工ヘッドを保持して移動する動作部と、前記動作部の移動によって教示される座標を記憶・演算する制御部と、本溶接部に加えて、溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部における溶接条件を設定する設定部と、溶接速度またはレーザ出力を演算によって求める演算部と、を備え、前記設定部と前記演算部とで、設定、演算された溶接条件を、前記始終端部における、選択した溶接部あるいは全ての溶接部において、前記溶接開始部の入熱量を前記本溶接部の入熱量以上で、前記溶接終了部は前記本溶接部の入熱量以下で設定し、予め設定した入熱量に基づいて前記溶接速度または前記レーザ出力を制御し、
前記溶接終了部において、前記溶接速度および前記レーザ出力を同時に下げて制御するものである。
本発明によって、例えば重ね継手、T字継手、角継手、などの継手において、溶接対象物間にギャップがある場合においても始終端部における融合不良や穴開きを抑制でき、高品質な溶接が実現できる。溶接条件の設定および変更が簡単に行える、等の効果を有する。
本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接の始終端制御方法を示す図 本発明の実施の形態2におけるレーザ溶接の始終端制御方法を示す図 本発明の実施の形態3におけるレーザ溶接の始終端制御方法を示す図 本発明の実施の形態1における溶接条件設定方法を示す図 本発明の実施の形態1における溶接条件の表示例を示す図 本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接装置の概略構成を示す図 従来例におけるレーザ溶接の始終端制御方法を示す図
(実施の形態1)
以下本発明の実施の形態1について、図6を用いて、レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部、及び本溶接部のレーザ溶接を行うレーザ溶接システムの構成について説明する。
ここで、レーザ溶接により溶接対象部が溶接される部位である溶接部は、溶接が開始されるまたは終了される部位である始終端部と定常溶接部位である本溶接部を構成する。
詳細には、始終端部は、本溶接部の前後の非定常溶接部位であり、レーザ溶接が開始される部位である溶接開始部と、レーザ溶接が終了される溶接終了部とからなる。
図6は本実施の形態1におけるレーザ溶接システムの概略構成を示す図である。図6において、レーザ溶接システムは、レーザ伝送手段(ファイバなど)1と、ロボット2と、ロボット2に取り付けられて移動され、レーザ光を集光して溶接対象物5に照射するヘッド3とを備える。さらに、レーザ光を出力するレーザ発振器6と、ロボット制御装置7と、出力切換え部8と、ロボット制御装置7内に格納され、本溶接部に加えて、溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部における溶接条件を設定する溶接条件設定部9と、ロボット2の移動によって教示される座標を記憶・演算や、溶接速度またはレーザ出力を演算する溶接条件演算部10と、を備える。
このレーザ溶接システムにより、溶接条件設定部9と溶接条件演算部10とで、設定、演算された溶接条件を、始終端部における、選択した溶接部あるいは全ての溶接部において、溶接開始部の入熱量を本溶接部の入熱量以上で、溶接終了部は本溶接部の入熱量以下で設定し、予め設定した入熱量に基づいて溶接速度またはレーザ出力を制御し、
始終端部において、溶接速度とレーザ出力のいずれか一方を本溶接部より低くなる様にして設定し、
あらかじめ設定した入熱量により、溶接速度とレーザ出力の残りの一方を決定することが可能である。
なお、溶接条件設定部9おいて、溶接条件はロボット制御装置7と接続された図示しないティーチペンダント等によって設定しても良い。
図6を用いて、溶接時の動作を説明する。レーザ発振器6より出力されたレーザ光4は、ファイバ等のレーザ伝送手段1を通ってヘッド3に入る。ヘッド3に入ったレーザ光4は、図示しないヘッド3内部にあるレンズにより集光され、溶接対象物5に照射される。
なお、溶接時のレーザ光の走査は、ロボット2を移動せずヘッド3によるレーザ光4自体の走査によって溶接を行うこともあれば、ヘッド3を保持するロボット2を移動しながら溶接を行うこともある。
ただし、ヘッド3によるレーザ光4の走査のみで溶接を行う場合、照射位置は限定される。レーザ光4の照射位置は、作業者が意図した位置になるように、ロボット制御装置7からの命令によって制御される。
次に、図4を用いて、溶接条件の決定方法について説明する。図4において、A1は、教示工程であり、s1で、溶接部の開始位置である溶接開始点と終了位置である溶接終了点の始終端位置を教示する。
次に、s2で、溶接部における溶接開始点と溶接終了点をつなぐ溶接線として、この溶接線の軌跡を教示する。
この溶接部の軌跡の情報は、例えば溶接の開始位置と終了位置をつなぐ、線状の移動の情報である。この軌跡である溶接線上に沿って、レーザ光が螺旋状または、直線または曲線状の線状にて移動しながら照射されるものである。
次に、s3で、本溶接部の溶接条件を設定する。本溶接部の溶接条件は、代表的なものとしてレーザ出力や溶接速度がある。
なお、この溶接条件で設定されたレーザ出力と溶接速度とから入熱量が算出されても良いし、また予め入熱量を溶接条件として設定し、溶接速度とレーザ出力のいずれか一方をさらに、設定すると、
あらかじめ設定した前記入熱量により、前記溶接速度と前記レーザ出力の残りの一方を決定しても良い。
また、この他に、螺旋状にレーザ光を照射する場合は、回転径や回転周波数等のパラメータがある。
以上のようにA1の教示工程は、溶接部の始終端位置の教示、溶接線の軌跡の教示、本溶接部の溶接条件の設定からなる。
続いて、A2は演算工程である。A2の演算工程において、s4では、ロボット制御装置が、A1の教示工程で設定された溶接開始点、溶接終了点の座標および溶接線の軌跡から、溶接線の実際の長さである溶接長を算出する。例えば、溶接開始点の座標が(X:0、Y:0、Z:0)であり、溶接終了点の座標が(X:300、Y:0、Z:0)であった場合、溶接線の軌跡が直線であるとすると、溶接長は300mmである。
次に、s5では、溶接条件設定部9と、溶接条件演算部10とによって、仮想の溶接時間を算出する。例えば前述の例であると、溶接長が300mmであるから、s3で溶接速度を3m/minと設定されている場合、溶接時間はおよそ0.1min、つまり溶接長は300mmに対する溶接部の仮想の溶接時間は、6secと算出する。
続いて、A3は始終端制御の設定工程である。s6において、始終端制御の範囲設定を行う。例えば、始終端制御の範囲設定は、溶接部の長さである溶接長に対して数パーセント範囲である。
始終端制御の範囲を時間で管理する場合は、溶接工程の工程タクトの管理が容易になる。
また、始終端制御の範囲を距離で管理する場合は、始終端部の溶接ビードの状態が視覚的に管理し易い。
そして、S7で、溶接部に対する始終端部の入熱量を予め設定する。この入熱量は、溶接部に対する始終端部の入熱量の比率(入熱比率)として設定する。ここで、入力する入熱量の比率設定では、本溶接部の入熱量との比率で入力しても良いし、実際の始終端部の入熱量で入力しても良い。例えば、本溶接部の入熱量を100%とすると、始終端部では、溶接開始制御における入熱量を100%、溶接終了制御における入熱量を100%とすることを基本とする。次にS8で、始終端部における溶接条件を教示する。始終端部の溶接条件とは、例えば、溶接開始点における溶接速度あるいは、レーザ出力の少なくともどちらか一方である。
続いてA4は始終端部の演算工程である。この演算工程であるS9では、溶接条件演算部10により、S7で設定した入熱量の比率に加えて、S8で設定した始終端部における溶接速度か、レーザ出力のどちらか一方のパラメータの情報によって、残りのパラメータを演算によって算出する。例えば、入熱量比率が100%で、本溶接部のレーザ出力が3kW(=3000W)、溶接速度が3m/min(=50mm/s)の場合、入熱量=レーザ出力÷溶接速度により、本溶接部の入熱量は60J/mmである。
ここで、始終端部における溶接速度を1.5m/min(=25mm/s)とすると、レーザ出力=本溶接部の入熱量×入熱比率×溶接速度の計算が実行され、始終端部におけるレーザ出力の適切値は、1.5kW(=1500W)と算出される。
続いてA5は始終端部の溶接条件表示工程であり、S10で、S1からS9によって求められた始終端部の溶接条件を表示する。図5に始終端部の制御として始終端制御の溶接条件の表示例を示す。始終端制御の有効/無効、入熱量の比率(例えば100%など)、始終端の範囲としての制御時間(例えば100msなど)、レーザ出力(例えば2kWなど)、溶接速度(例えば2m/minなど)が表示される。そしてこれらの値は、プログラム全体で全ての溶接部において一括して値を設定・変更できるのに加えて、必要な溶接部を選択して、選択したその箇所において一括して値を設定・変更できる。
以上の動作を図1に示す。図1は、本発明の実施の形態1におけるレーザ溶接の始終端部の制御方法を示す図であり、T継手でギャップがある溶接対象物を螺旋状にレーザ光を照射して相対的に溶接方向に移動して溶接した場合の例である。入熱量Qは、常に一定となるように設定し、始終端部における溶接開始部の溶接開始点(1)から(2)の期間まで、レーザ出力と溶接速度が本溶接部と比較して低い値で多段状に制御される。
ここで、(1)から(2)の間は、ロボット等の移動による教示ではなく、図4、図5に示した制御時間の設定によって決定する範囲としての期間である。始終端部における溶接終了部の(3)から溶接終了点(4)についても、同様に制御を行う。
以上の制御を行うことにより、例えば、重ね継手、T字継手、角継手、等においてギャップがある場合でも始終端部において、穴開き等が抑制され高品質な溶接が可能となる。
また、溶接部毎に始終端部の溶接条件を入れていく必要がなく、適切な溶接条件出しが容易に出来、困難な作業が簡単に行える等の効果がある。
なお、本実施例では、螺旋状にレーザ光を照射する例を示したが、螺旋状にレーザ光を照射せず、線状にレーザ光を照射しても良い。
また、螺旋状にレーザ光を照射した場合は、始終端部の溶接開始部において、上板と下板が矯絡するまでの期間は、下板がない上板部分のみにレーザ光を照射することになり、穴開きが発生し易い場合がある。 これに対し本発明により、始終端部において、溶接速度とレーザ出力のいずれか一方を本溶接部より低くなる様にして設定し、あらかじめ設定した始終端部の入熱量により、溶接速度とレーザ出力の残りの一方を決定するものことで、始終端部の溶接速度やレーザ出力を適正化させることができる。
例えば、溶接部の入熱量を一定とし、始終端部のレーザ出力や溶接速度を本溶接に比べて低下させる。このことにより、レーザ出力の低下によって上板の穴開きが抑制され、溶接速度を遅くすることによって上板と下板との矯絡が速く行える効果が期待でき、特に効果がある。
(実施の形態2)
本実施の形態2において、レーザ溶接システムの構成については、実施の形態1と同様なため、説明を省略する。実施の形態1と異なる点は、始終端部において、本溶接部と比較して入熱量を変えている点である。
以下、本発明の実施の形態2について、図2を用いて説明する。図2は、本実施の形態2におけるレーザ溶接の始終端部の制御方法を示す図である。
実施の形態2は、溶接部の各部位である、始終端部の溶接開始部と本溶接部と始終端部の溶接終了部とを比較して、溶接開始部の入熱量を他の部位よりも高くしている。言い換えると、図5の始終端制御における、開始制御の入熱量の比率を高くしている。
例えば、本溶接部に対する始終端部の入熱量の比率を120%とする。一方で溶接終了部の入熱量は、他の部位よりも低くしている。言い換えると、図5の始終端制御における、入熱量の終了制御の比率を低くしている。例えば、本溶接部に対する入熱量の比率を90%とする。
この場合、溶接部の入熱量を一定にして溶接を行った場合と比較して、溶接の開始直後の溶接部の溶接開始点において、始終端部の溶接開始部は、本溶接部と比較して溶接対象物が冷えた状態であるので、特に、ギャップがある上板と下板とで橋絡し難いため、本溶接部よりも高い入熱量を加えるとより良い溶接結果が得られる場合がある。ただし、入熱量を高くしすぎると、逆に溶け落ち等が発生し易くなるため、実験等であらかじめ入熱量を設定すると良い。
このように本溶接部に比べて始終端部の溶接開始部の入熱量を高くすることで、溶け込み深さを均一にできる、等の効果を有する。
一方、溶接部の溶接終了点において、始終端部の溶接終了部は、溶接対象物に熱がこもった状態であるため、溶接終了部の入熱量を本溶接部よりも小さくすることで、溶け落ちや、穴開き、等の欠陥がより一層抑制できる。
(実施の形態3)
本実施の形態3において、レーザ溶接システムの構成については、実施の形態1と同様なため、説明を省略する。以下、本発明の実施の形態3について、図3を用いて説明する。
図3は、レーザ溶接の始終端制御方法を示す図である。実施の形態1と異なる点は、始終端部におけるレーザの出力および溶接速度において、図1の様な段差のある多段制御ではなく、傾斜したスロープ制御を行っている点である。図3のスロープ制御では、始終端部の溶接開始部において、レーザ出力および溶接速度を0の値から本溶接部へ移行しているため、図5の始終端制御において、制御時間に対して制御時間SLを優先するものとし、制御時間SLに始終端部のスロープ時間を入力することによって、スロープ制御が優先され、レーザ出力および溶接速度の値を無効とし、制御時間のみによってスロープが決定する。
なお、スロープ制御を用いる場合、図示していないが、例えば、図5における制御時間を多段制御用の制御時間1STとし、制御時間SLをスロープ制御の制御時間1SLとして設定する。これにより、制御時間1STは、溶接開始部の一段目波形の開始制御や溶接終了部の最終側(溶接終了点側)波形の終了制御としての多段制御の制御時間とし、制御時間2SLは、始終端部の多段制御波形と本溶接部の制御波形を繋ぐ始終端部側のスロープ制御の制御時間としても用いても良い。
この場合、開始制御および終了制御のレーザ出力および溶接速度の値から、本溶接部にかけてスロープを行う。実施の形態3のようにスロープ制御を行うことで、実施の形態1や実施の形態2のように段差を設けて制御を行う場合と比較して、始終端部から本溶接部に移り変わる溶接ビード外観に変化点が出難くなる効果がある。
なお、始終端制御において、よりきめ細かく制御を行えるように、多段状制御とスロープ制御とのいずれかを先に行うかの設定を可能としても良い。
以上のように、本発明のレーザ溶接制御方法では、レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部において、
溶接開始部の入熱量を本溶接部の入熱量以上で、溶接終了部は本溶接部の入熱量以下で設定し、前記始終端部の溶接速度を本溶接部より低くなる様にして、溶接速度と予め設定した前記始終端部の前記入熱量とに応じてレーザ出力を制御するものである。
これにより、溶接部の入熱量を一定とし、始終端部のレーザ出力や溶接速度を本溶接に比べて低下させることで、レーザ出力の低下によって上板の穴開きが抑制され、溶接速度を遅くすることによって上板と下板との矯絡が速く行える効果が期待出来る。
また、本溶接部に比べて始終端部の溶接開始部の入熱量を高くすることで、溶け込み深さを均一にできる、等の効果を有する。
一方、溶接部の溶接終了点において、始終端部の溶接終了部は、溶接対象物に熱がこもった状態であるため、溶接終了部の入熱量を本溶接部よりも小さくすることで、溶け落ちや、穴開き、等の欠陥がより一層抑制できる。
また、本発明のレーザ溶接制御方法では、レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部において、溶接開始部の入熱量を本溶接部の入熱量以上で、溶接終了部は本溶接部の入熱量以下で設定するものである。さらに、前記始終端部における、溶接速度とレーザ出力のいずれか一方を本溶接部より低くなる様にして設定し、予め設定した前記始終端部の前記入熱量により、前記溶接速度と前記レーザ出力の残りの一方が決定されるものである。
これにより、溶接部毎に始終端部の溶接条件を入れていく必要がなく、適切な溶接条件出しが容易に出来、困難な作業が簡単に行え、始終端部の溶接速度やレーザ出力を適正化させることができる。
以上のようなレーザ溶接制御を行うことにより、例えば、重ね継手、T字継手、角継手、等において、溶接される溶接対象物間にギャップがある場合でも始終端部において、穴開き等が抑制され高品質な溶接が可能となる。
また、溶接部毎に始終端部の溶接条件を入れていく必要がなく、適切な溶接条件出しが容易に出来、困難な作業が簡単に行える等の効果がある。
以上のように、本発明のレーザ溶接システムおよびレーザ溶接制御方法は、例えば重ね継手、T字継手、角継手、などの継手において、溶接対象物間にギャップがある場合においても、穴開き等が抑制され、高品質な溶接が実現でき、また、溶接条件の設定・変更が簡単に行えるため、作業能率の向上等の効果があり、産業上有用である。
1 レーザ伝送手段(ファイバなど)
2 ロボット
3 ヘッド
4 レーザ光
5 溶接対象物
6 レーザ発振器
7 ロボット制御装置
8 出力切換え部
9 溶接条件設定部
10 溶接条件演算部

Claims (3)

  1. レーザ溶接の溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部の範囲設定を行い、前記始終端部において、
    溶接開始部の入熱量を本溶接部の入熱量以上で、溶接終了部は本溶接部の入熱量以下で設定し、前記始終端部の溶接速度を本溶接部より低くなる様にして、溶接速度と予め設定した前記始終端部の前記入熱量とに応じてレーザ出力を制御し、前記溶接終了部において、前記溶接速度および前記レーザ出力を同時に下げて制御するレーザ溶接制御方法。
  2. 前記レーザ溶接は、レーザ光を螺旋状に照射しながら溶接方向に相対的に移動して溶接を行う請求項1記載のレーザ溶接制御方法。
  3. レーザ光を出力するレーザ発振器と、
    前記レーザ光を集光するレーザ加工ヘッドと、
    前記レーザ加工ヘッドを保持して移動する動作部と、
    前記動作部の移動によって教示される座標を記憶・演算する制御部と、
    本溶接部に加えて、溶接開始部及び溶接終了部の少なくとも一方からなる始終端部における溶接条件を設定する設定部と、
    溶接速度またはレーザ出力を演算によって求める演算部と、を備え、
    前記設定部と前記演算部とで、設定、演算された溶接条件を、
    前記始終端部における、選択した溶接部あるいは全ての溶接部において、
    前記溶接開始部の入熱量を前記本溶接部の入熱量以上で、前記溶接終了部は前記本溶接部の入熱量以下で設定し、予め設定した入熱量に基づいて前記溶接速度または前記レーザ出力を制御し、
    前記溶接終了部において、前記溶接速度および前記レーザ出力を同時に下げて制御するレーザ溶接システム。
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