JP5122833B2 - レーザ加工方法及びレーザ加工装置 - Google Patents

レーザ加工方法及びレーザ加工装置 Download PDF

Info

Publication number
JP5122833B2
JP5122833B2 JP2007039343A JP2007039343A JP5122833B2 JP 5122833 B2 JP5122833 B2 JP 5122833B2 JP 2007039343 A JP2007039343 A JP 2007039343A JP 2007039343 A JP2007039343 A JP 2007039343A JP 5122833 B2 JP5122833 B2 JP 5122833B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
section
laser processing
path
movement
acceleration
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007039343A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008200712A (ja
Inventor
敦 森
忠 黒沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fanuc Corp
Original Assignee
Fanuc Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fanuc Corp filed Critical Fanuc Corp
Priority to JP2007039343A priority Critical patent/JP5122833B2/ja
Publication of JP2008200712A publication Critical patent/JP2008200712A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5122833B2 publication Critical patent/JP5122833B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、レーザ光を集光して被加工物に照射し、加工ヘッドを被加工物に対し相対的に移動させ、被加工物上の集光点を走査して、切断、溶接、マーキング等のレーザ加工を行うレーザ加工方法に関し、特には、円弧・楕円・線分等の経路に沿って、集光点を走査することで、走査軌跡上の形状を以ってレーザ加工を行う技術に関する。
レーザ切断、レーザ溶接、レーザマーキングを行うレーザ加工装置には、いくつかの方式がある。例えば、被加工物上のレーザ照射領域の形状を光学系で生成して照射パターンに応じた加工を行うものや、ガルバノミラーを使用した光学系でパルス状のレーザをスキャンして被加工物表面上に形状加工を行うものがある。一方、多数のレーザ加工装置に採用されている方法として、レーザビームを被加工物上に集光し、その集光点を走査することで逐次レーザ加工を行う方式のものもある。
集光点を走査する方式のレーザ加工装置は一般に、数値制御装置を備え、サーボモータにより集光点及び被加工物を相対移動させて走査を行う。レーザビームは、レーザ発振器から光ファイバーや反射鏡を用いて、集光光学系を有するレーザ加工ヘッドに導かれ、アシストガス又はシールドガスとともに集光点に照射される。
サーボモータによる駆動は、少なくともXY2軸の構成であることが必要だが、加工ヘッドを被加工物から離して退避させるために、Z軸も含めた3軸構成とすることが最も多い。また3次元形状の被加工物に所望の方向からレーザビームを照射するために、さらに多数の駆動軸を備えることもある。
このようなレーザ加工装置では、数値制御装置は通常、NCプログラム又はティーチングプレイバック方式による運転プログラムを解読し、サーボモータに移動指令を出力する。いずれのプログラム形態であっても、プログラムは、ブロックもしくは「命令行」と称される移動指令単位で構成されているものが主流である。このブロック又は「命令行」は、逐次実行され、その移動指令単位は現在点から目的地への移動指令という形で実行される。さらに、目的地への移動指令単位には移動経路を指定する手段が含まれる。移動経路としては、線分(直線)、円弧又は円のような形状を指定する場合と、各軸の動きを指定する場合とがある。後者の場合には、それぞれの軸が指定速度に基づいて独立に作動する場合と、それぞれの軸が終点到達時に同時に動作を終了するように、軸速度が制御されて駆動される場合とがある。なお、形状を指定する場合は、2ブロックにわたって指令される場合もあるが、この場合も動作指令としては1つの形状と考えることができる。
一方、レーザ加工において実際に加工形状として使用される個々の形状は線分、円弧又は円として指定される場合が圧倒的に多く、稀に楕円やスプライン曲線として指定されることもある。従って、大部分のレーザ加工は、線分、円弧及び円の3種類の形状を多数組み合わせた軌跡を移動することによって実行される。
例えば、板金の切断加工では、丸穴、長穴、四角穴及び外周部の輪郭形状が上記3種類の形状を用いて記述され、被加工物が記述された軌跡に沿って一筆画きの要領で切断されていく。但し、ある加工形状と他の加工形状が離れている場合は、一旦レーザ照射を停止してレーザ加工ヘッドを移動する。この場合は、上記3種類の形状に関係なくサーボ軸が駆動されるが、通常は直線駆動が多い。実際のNCプログラムの例を、各行の簡単な説明とともに以下に示す。
G00 X50. Y45. ; レーザ加工を開始する点に移動し一旦停止
G01 X50. Y50. R5. S1000 F8000 ; (50,50)の地点まで線分でレーザ加工
G02 J-10. ; 現在地点からY座標-10の地点を中心として真円をレーザ加工
G00 X95. Y45 ; レーザを照射せず次のレーザ加工開始点(95,45)に移動
現在主流のレーザ加工装置では、レーザ加工は基本的には、先ず加工ヘッドをレーザ加工開始点に停止し、次にレーザ照射を始め、それとほぼ同時に加工ヘッドを移動してレーザ加工を行い、所望の形状を加工し終えたら加工ヘッドを停止し、レーザ照射を停止する、というサイクルが繰り返される。この方法では、一連の加工形状の始点及び終点において、必ずサーボ軸が一時停止する。そこで、例えば特許文献1には、多数の形状のレーザ加工を行う場合に、加工ヘッドを停止せずにサーボ軸移動を行いながらレーザビームをオンオフして、従来の加工方法の加減速時間を短縮するレーザ加工装置が開示されている。
一方、レーザ加工には、熱加工であるが故に起きる問題がある。軌跡のコーナ部分では、精度のよい軌跡形状を得るために、加工速度を落とさざるを得ないが、このような場合、一定のレーザ出力で加工を行うと、低速で移動している部分で被加工物に与えられる熱量が大きくなり、一定のレーザ加工結果を得ることができないことがある。これを回避する方法の一つがコーナループ加工である。コーナループ加工は、多くの場合、加工ヘッドの移動を停止することなく行われるので、これも、加工ヘッドを停止しないタイプのレーザ加工である。そして、コーナループの軌跡の最適化についても、先行する提案がある(特許文献2)。
一連のレーザ加工ヘッドの移動を滑らかな経路で結べば、レーザ加工時間の短縮を図ることはできる。例えば特許文献2でも、従来は単純な円弧であったコーナループ形状を2つの放物線と1/4円弧とを組み合わせた形状に置換して、加工時間の短縮化を図っている。しかし、指令した軌跡がその指令単位の始点と終点において幾何学的に滑らかに接していれば、円滑に装置が運転できるというものではない。例えば、図16(a)に示すように、シャープなコーナを加工する場合、直線l1及びl2と円弧c1とがそれぞれ点t1及びt2において互いに滑らかに接続する加工経路であったとしても、t1及びt2において円弧の法線方向の加速度が突然変化することになり、機械的なショックによって軌跡精度が悪くなる。このことは、加工すべき部位間を移動してレーザ加工を行う場合も同様であって、例えば、図16(b)に示すように、複数(図示例では2つ)の丸穴c2及びc3を切断加工する場合、丸穴間の最短移動経路としては破線で示した線分l3のようになるが、l3と円c3との接続点t3においてレーザ加工装置は大きな機械的ショックを受けることになり、丸穴の形状精度が維持できない。そこで、このような加速度の時間変化、すなわち加々速度を抑えて加工する提案(特許文献3)や、加々速度が大きくなる場合は、減速により、これを小さく抑える提案(特許文献4)がある。
このような背景から、如何なる軌跡経路を生成すれば、形状精度を保ちつつ高速にレーザ加工を行えるかが課題となる。この課題については、レーザ切断における丸穴を多数切り落とすための、経路生成についての提案(特許文献5)や、角穴を切断するための経路生成に関する提案(特許文献6)がある。一方、一般的な工作機械にあっては、滑らかに接続しない軌跡経路の相前後する経路区間について、移動指令値を重畳して指令して円滑に接続しようという提案がある(例えば特許文献7参照)。
特開平7−232288号公報 特開2004−9054号公報 特開平9−99384号公報 特開平9−101814号公報 特開平8−118048号公報 特開平10−249563号公報 特開平10−63329号公報
レーザ切断の場合、被加工対象が例えば厚さ1mm以下の極薄い板状材料である場合は、レーザ切断に先行する穴開け加工、すなわちいわゆるピアシング加工を行わなくても、良好なレーザ切断の開始が可能である。一方、それ以上の板厚を有する材料の場合は、先ずピアシング加工を行わないと、一般に切断開始点の切断結果が良好とならない。しかしレーザ切断では、切断ラインの片側は切り落とされて不要となる場合が多いので、先ずこの不要部分にピアシング加工を行い、加工ヘッドを移動しながら穴開けを行えば、切断結果が良好でないレーザ切断開始部分は最終的には捨ててしまうので切断結果には問題ないと言える。従って、このように不要部分からレーザ切断を開始すれば、加工ヘッドを停止することなくレーザ切断が行えるので、結果として加工時間が短縮される。(特許文献1参照)。
上述のように、高速かつ機械的振動を生じない滑らかな加工ヘッドの移動を実現するためには、加工ヘッドの加々速度を制限する必要がある。そのためには、加工時も含めた移動経路をスプライン曲線やベジエ曲線で構成すれば比較的容易であるが、これらの曲線は形状が複雑でありその形成(プログラミング)が困難である。従って、移動経路を直線、円及び楕円又はそれらの組み合わせのみから容易に構成できることは非常に有用である。
そこで本発明は、このような問題を解決するために、丸穴、長穴、四角穴、コーナループ部分、ミクロジョイント部分及び輪郭形状等を切断するレーザ切断において、これらの形状又は組み合わせを、機械的なショックを回避しつつ高速かつ高精度でレーザ切断するための、軌跡経路の生成及び軌跡経路に従う移動の実行を可能にするものであり、また、レーザマーキングにおいては、線分、円弧、楕円又は文字等の複雑な形状を、機械的なショックを回避しつつ高速かつ高精度でレーザマーキングするための、軌跡経路の生成及び軌跡経路に従う移動の実行を可能にするものであり、さらに、レーザ溶接では、同様に、線分、円弧若しくは楕円又はそれらの組み合わせで指定された溶接形状を、機械的なショックを回避しつつ高速かつ高精度でレーザ溶接するための、軌跡経路の生成及び軌跡経路に従う移動の実行を可能にするレーザ加工方法及びレーザ加工装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の開始点に、同じ曲率半径を有して接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる加速区間を、前記加速区間の開始点から前記経路区間を含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に先立って設定するステップと、前記加速区間の開始点に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記加速区間に先立って設定するステップと、前記移動経路区間の減速が終了する前に前記加速区間での移動指令を開始し、かつ前記加速区間が終了する前に、前記移動経路区間の減速を終了するように移動指令を重畳させるステップと、を有することを特徴とする、レーザ加工方法を提供する。
請求項2に記載の発明は、レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の終了点に、同じ曲率半径を以って接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる減速区間を、前記経路区間から前記減速区間の終了点までを含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に続いて設定するステップと、前記減速区間の終了点から、次のレーザ加工を行う経路区間に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記減速区間に先立って設定するステップと、前記減速区間の開始以降に、前記移動経路区間の移動指令を重畳させるステップと、を有することを特徴とする、レーザ加工方法を提供する。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、上記の第1の座標系及び第2の座標系は同一の座標系である、レーザ加工方法を提供する。
請求項4に記載の発明は、請求項2に記載のレーザ加工方法において、前記レーザ加工を行う経路区間と前記減速区間との接点においてレーザの照射を停止するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
また請求項5に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、前記加速区間又は前記減速区間と前記レーザ加工を行わない移動経路区間との速度を指令する指令速度を、同じ加々速度及び加速度で指令し、前記加速区間又は前記減速区間の接線長さと同じ接線長さの移動経路末端区間を、前記レーザ加工を行わない移動経路区間の末端に設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法において、レーザ加工を行う複数の区間に挟まれたレーザ加工を行わない移動経路区間の長さが前記減速区間及び前記加速区間の和よりも短い場合には、前記レーザ加工を行わない移動経路区間の移動に要する時間を、前記加速区間及び前記減速区間にかかる時間の和に等しくなるように調整するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
請求項7に記載の発明は、円形の経路に沿って加工する請求項1に記載のレーザ加工方法であって、前記円形の経路へ向かう線分からなる移動経路区間の開始点からみて前記円形の経路上の最も遠い点を、レーザ加工を行う経路区間の開始点として設定し、かつ、レーザ加工を行う経路区間の前の加速区間の開始点を移動経路区間終了点として設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
さらに請求項8に記載の発明は、円弧及び線分からなる図形の経路に沿って切断し穴開け加工する請求項1に記載のレーザ加工方法であって、前記図形の経路へ向かう線分からなる移動経路区間の開始点からみて前記図形の経路の円弧上の最も遠い点を、レーザ加工を行う経路区間の開始点として設定し、かつ、レーザ加工を行う経路区間の前の加速区間の開始点を移動経路区間終了点として設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
請求項9に記載の発明は、コーナエッジ形状部分のループ型移動経路区間を利用してレーザ加工を行う請求項1、2又は6に記載のレーザ加工方法であって、コーナ部分に向かうレーザ加工区間の延長上に減速区間と、前記コーナ部分から始まるレーザ加工区間に先立つ加速区間と、前記減速区間の終了点及び前記加速区間の開始点をそれぞれ始点及び終点とする線分又は円弧からなる移動経路区間とを設定するステップをさらに有する、レーザ加工方法を提供する。
請求項10に記載の発明は、ミクロジョイント加工を行う請求項1、2又は6に記載のレーザ加工方法であって、ミクロジョイント部分に向かうレーザ加工区間の延長上に減速区間と、前記ミクロジョイント部分から始まるレーザ加工区間に先立つ加速区間と、前記減速区間の終了点及び前記加速区間の開始点をそれぞれ始点及び終点とする線分または円弧からなる移動経路区間とを設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
請求項11に記載の発明は、請求項5に記載のレーザ加工方法において、前記加速区間において、加工ヘッドと被加工物との距離を一定に保つフィードバック制御を開始するステップをさらに含む、レーザ加工方法を提供する。
請求項12に記載の発明は、レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の開始点に、同じ曲率半径を有して接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる加速区間を、前記加速区間の開始点から前記経路区間を含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に先立って設定する手段と、前記加速区間の開始点に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記加速区間に先立って設定する手段と、前記移動経路区間の減速が終了する前に前記加速区間での移動指令を開始し、かつ前記加速区間が終了する前に、前記移動経路区間の減速を終了するように移動指令を重畳させる手段と、を有することを特徴とする、レーザ加工装置を提供する。
請求項13に記載の発明は、レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の終了点に、同じ曲率半径を以って接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる減速区間を、前記経路区間から前記減速区間の終了点までを含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に続いて設定する手段と、前記減速区間の終了点から、次のレーザ加工を行う経路区間に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の(4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ(5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに(6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさについて、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記減速区間に先立って設定する手段と、前記減速区間の開始以降に、前記移動経路区間の移動指令を重畳させる手段と、を有することを特徴とする、レーザ加工装置を提供する。
本発明によれば、レーザ加工経路の形状を維持した上で、加々速度に一定の制限を加えながら停止又は不要な減速をせずに、移動経路からレーザ加工経路に円滑に侵入し、又はレーザ加工経路から移動経路に円滑に移行できるので、高速かつ高精度なレーザ加工を単純な経路指令の組み合わせにより実現できる。
また第1及び第2の座標系を同一とすることにより、NCプログラムを単純にすることが可能である。
レーザ加工経路終了点でレーザ加工を停止することにより、次のレーザ加工経路まで最短の経路での移動が可能となる。
加速区間又は減速区間とレーザ加工を行わない移動経路区間との速度を指令する指令速度を、同じ加々速度及び加速度で指令し、加速区間又は減速区間の接線長さと同じ接線長さの移動経路末端区間を、レーザ加工を行わない移動経路区間の末端に設定することにより、移動指令が重畳されるブロックの開始を制御する特別なタイミング制御手段が不要となる。
レーザ加工を行う区間に前後をはさまれたレーザ加工を行わない移動経路区間の長さが減速区間及び加速区間の和よりも短い場合には、レーザ加工を行わない移動経路区間の移動に要する時間を、加速区間及び減速区間にかかる時間の和に等しくなるように調整することができる。これにより、相前後する加工経路が近接している場合でも、複雑な処理が伴わない。
本発明によれば、丸穴又は長穴を加工するレーザ切断において、簡単なアルゴリズムで、不要な減速を伴わず、加々速度まで制限された経路で、ピアシング穴を不要部分に開けるようなNCプログラムを生成することが可能になるので、高速かつ高精度なレーザ加工を実現できる。
また、コーナエッジ形状部分のループ型移動経路又はミクロジョイント加工部分において、簡単なアルゴリズムで、加々速度まで制限された経路で実現できるので、高速かつ高精度なレーザ加工を実現できる。
加工ヘッドと被加工物との間の距離を測定し、レーザ加工時には加工ヘッドと被加工物との距離を一定に保つフィードバック制御を行うことにより、加工経路に先行する加速経路において加工ヘッドと被加工物との間の距離が整定されるので、不要な減速や停止を行わずに、加工経路の最初から安定したレーザ加工が行え、高速かつ高精度のレーザ加工が実現できる。
本発明を実施するためのレーザ加工装置10は、図1に示すように、基本的には一般的なレーザ加工装置でよく、レーザ発振器12、導光光学系14、集光光学系16、走査機構18、制御装置20及び自動プログラミング装置22を有する。以下、各構成要素及びその機能等について簡単に説明する。
レーザ発振器12は、例えばCO2レーザ又はYAGレーザであり、数ワットから数キロワットのレーザ光を出力することができる。
導光光学系14は、レーザ光を集光光学系16の加工ヘッドに導くための反射鏡又は光ファイバーを含む。
集光光学系16は、レンズ又は曲率を有する反射鏡を含む。また集光光学系16は、アシストガスを吹き付けるための加工ノズル24と、レーザビーム光軸方向についての集光点及び被加工物の位置調整を行う位置調整機構を有する加工ヘッド26とを有する。加工ヘッド26はさらに、被加工物との距離を測定する距離センサー28を有する。レーザ加工中は、距離センサー28で測定された値に基づいて、加工ヘッド26と被加工物との距離が一定に制御される。
走査機構18は、被加工物に対する集光点の位置を変更するものであるが、具体的には加工ヘッド26を移動させる場合と被加工物を移動させる場合とがある。多関節ロボットのような形態をとることもできるが、ここでは、簡単のため直交座標系に従って加工ヘッド26を移動させるものとする。
制御装置20は、図2に示すように、走査機構18を動かすための数値制御装置30及びサーボ機構32を備える。数値制御装置30は、移動指令文等のNC文を解読して、サーボ機構32に移動指令を出す。サーボ機構32は、フィードバック制御により走査機構18を駆動する。走査機構18を駆動する移動指令は、数値制御装置30に設定される微小な単位時間毎の移動量としてサーボモータ指令に出力される。この単位時間を補間周期と云い、概ね1ミリ秒〜8ミリ秒である。また移動量の単位は、通常1μm又は0.1μmである。移動指令文には、レーザ加工を行うために適切な加工速度を指定することができる。速度の指定方法としては、移動指令文自体に切断速度を明記する方法、移動指令文には加工条件という形で記述し、その加工条件に加工速度を格納しておく方法、あるいは予め加工速度を決めておき、数値制御装置30に備えられた操作盤(図示せず)にて加工速度を選択する方法等がある。
また、レーザ加工を行わない部分の移動経路の速度も、同様に種々の方法で指令可能である。走査機構18を動かすための加減速においては、数値制御装置30において、先ず接線方向の加速度及び加々速度の制限を考慮しつつ、補間周期に出力される移動指令として速度指令が計画される。円弧経路においては法線方向の加速度について、円弧と直線との接続点については法線方向の加々速度について、制限を超えないように接線速度が修正される。なお接線方向及び法線方向の加速度及び加々速度を利用する代わりに、第1の座標系の各軸方向成分、又はその合成成分の絶対値の大きさを利用してもよい。このようにして、一連の円滑に接続された経路の始点から終点まで、加々速度、加速度及び速度が制限値を超えないように走査機構が駆動される。また各軸についても、加々速度、加速度及び速度の制限値が監視される。
ここまで説明したレーザ加工装置は、レーザ加工を行うための一体の装置として説明されたが、所望の形状を得るために、オンライン又はオフラインで使用する自動プログラミング装置22(図1)をさらに備えてもよい。自動プログラミング装置22は、図形データから移動指令文すなわちNCプログラムを作成するものである。レーザ切断においては、自動プログラミング装置22は所望の形状から、レーザ切断に必要なアプローチ経路、ミクロジョイント、コーナループ及びピアシング指令等を自動で又は指示に基いて計算することにより、NCプログラムを生成する。一方レーザマーキングにおける自動プログラミングにおいては、自動プログラミング装置は文字や記号等についてもNCプログラムを生成することができる。但し、文字や記号も結局は、線分・円弧からなる図形として記述される。
実際にレーザ切断で製作される板金製品の形状は、線分及び円弧で記述され、輪郭形状及び製品内の穴形状から構成される。レーザ切断を行う場合、原材料の板材に複数の製品が配置され、一点、一点順次、所望の形状を切断する方法と、先ず穴形状を全て切断して抜き去ってから輪郭形状を切断する方法とがある。いずれの方法でも加工ヘッドは、一連のレーザ照射を伴う経路区間と、レーザ照射を行わない経路区間とを交互に経ながら製品を切断していく。
またレーザ切断を開始する点については、切断経路の一点から始める場合もあるが、切断開始点の加工結果が不良になり易いことから、レーザ切断経路区間に先立つ移動区間(アプローチ区間)を設定し、製品形状として用いる部分はレーザ加工開始から所定時間経過してから切断された部分となるようにする(いわゆるアプローチ加工)ことが従来から行われている。
以下、上述のレーザ加工装置を用いて金属板金をレーザ加工(切断加工)することを例にとり、本発明の実施形態を説明する。
図3は、本発明に係るレーザ加工方法の第1の実施形態における加工ヘッドと被加工物との相対移動経路を示す図である。本実施形態では、レーザ照射(加工)をしない破線で示す移動経路区間102と、実線で示すレーザ加工を行う切断経路区間106(ここでは円弧とする)との間に便宜上の加速区間104を設定する。ここで加速区間104は、切断経路区間106に対して、加速度及び加々速度の各々について、経路の接線方向及び法線方向のいずれについても、それらの絶対値が許容値以内に制限されるように設定される。従って、加速区間104は、切断経路区間106が円弧の場合はその円弧に近い曲率半径で接する円弧となり、切断経路区間106が線分の場合はその線分を同方向に延長した線分又は極めて近い大きな曲率半径の円弧となる。この理由は、仮に加速区間と切断経路区間との接点で曲率半径が異なると、接線速度が一定であっても法線方向の加々速度が大きくなってしまうためである。
本実施形態では丸穴を切断加工するとき、加速区間104は丸穴すなわち切断経路区間106の周上に形成される。さらに、移動経路区間102での加工ヘッドの減速が終了する前に加速区間104での移動指令が重畳して指令され、加速区間104での加工ヘッドの移動が終了する前に、移動経路区間102での減速が終了する。これに対し、従来のアプローチ加工では、図17に示すように、加速区間を丸穴内に配置する必要があった。従来は、丸穴c4を切断するとき、移動区間l4に沿って移動してきた加工ヘッドが移行する加速区間l5は丸穴c4の周上には形成されず、丸穴c4内に配置される。従来ではこのようにしないと、丸穴c4の周上の一部が2度切断されることになり、その部分の切断面の悪化が避けられないからである。線分で構成される切断経路区間へのアプローチ加工でも同様のことが言える。
望ましくは、移動経路102を移動する動作が減速して終了する時刻と、加速区間104が終了して切断経路区間106に入る時刻とが一致するように、移動経路区間102の最後の部分の移動指令と、加速区間104の移動指令とを重畳して指令する。この具体的方法について図3を参照して以下に説明する。
図3に示すように、便宜上、移動経路102を指令するための座標系S1と、切断経路106を指令するための座標系S2とを設定する。移動経路102は、切断経路106の直前に加工された切断経路の終了点Pを起点として、座標系S1において座標(X1,Y1)に直線的に移動するものとして記述することができる。一方、切断経路106は座標系S2上で記述することとし、切断経路106の開始点Bを仮の原点とする。次に、切断経路106の前に加速区間104を設定する。簡単には、開始点Bにおける接線方向速度の加々速度及び加速度そのものか、それらを計算するための諸定数を定めておけば、加速に要する接線長さ又は時間が所定の切断速度から計算できるので、切断経路区間106の曲率半径と等しく、かつ加速するのに必要十分な長さをもった円弧が加速区間104として生成される。その結果、加速区間104は点Aから点Bへの移動、すなわち座標系S2における座標(X2,Y2)へ切断経路である円弧の半径Rで移動する区間として記述され、座標系S2の原点は図3に示すように点Bから点Aに変更される。
上述のことから、移動経路102は、座標系S1においては原点Pから座標(X1,Y1)に向かうのではなく、座標(X1−X2,Y1−Y2)に向かうように変更される。このような加速区間104の生成及び移動経路102の変更は、上述の自動プログラミング装置22上で作業者が指示してもよいし、自動プログラミング装置22が自動生成してもよい。
移動経路102においては、移動開始当初は座標(X1−X2,Y1−Y2)に向かう移動指令がなされ、加工ヘッドが移動していく。移動経路102の目的地(点A)への残り時間は、移動速度並びに加減速を決定する加々速度及び加速度によって上述の数値制御装置30が計算できる。目的地への残り移動時間が加速区間104で要する時間と等しくなった時点で、加速区間104の移動指令が開始される。このとき、数値制御装置は、移動経路区間102における移動指令及び加速区間104における移動指令を、補間周期毎に重畳してX、Y両サーボモータに出力する。これを実現するために、数値制御装置は、2つの座標系の値を重畳して機械座標系に出力するための移動指令重畳手段と、加速区間の実行を開始するタイミングをはかるタイミング計算制御手段とを有する(図2参照)。
このようにして、移動経路区間102から切断経路区間106まで加工ヘッドが停止することなく、かつ経路接線方向及び法線方向の双方について、加工ヘッドの加々速度、加速度及び速度がいずれも所定値以下でありながら、切断経路区間の最初から所定の切断速度でレーザ切断を行うことができる。
移動経路区間102の末端部分と加速区間104との重畳を開始するタイミングは重要であるが、基本的には移動経路区間102の減速停止すなわち座標系S1における目的地到達が、加速区間104の終了前であればよい。従ってここに若干のマージンを付加することは可能である。
次に、図3と同様の考え方を用いて、切断加工の終点以降に関する移動方法について説明する。従来は、丸穴、角穴又は輪郭形状等を切断し終えると、切断加工区間の終点で加工ヘッドが停止し、同時にレーザ出力も停止していた。ここで、切断加工区間から円滑に接続されかつレーザ加工が行われない移動経路区間を設定し、減速せずに加工ヘッドを移動させ、切断加工区間の終点を通過すると同時にレーザ出力を停止すれば、加工ヘッドを減速することなくレーザ加工を終えることができるので、加工時間の短縮につながる。しかし、その後の移動経路区間を、加々速度、加速度及び速度のいずれをも許容範囲内に制限した上で生成することは難しい。特に、円弧と線分との接続点や、曲率半径の異なる円弧同士の接続点において、接線方向の加々速度、加速度及び速度はいずれも許容範囲であるにもかかわらず、法線方向の加速度が大きく変化、すなわち加々速度の絶対値が異常に大きくなることがある。
そこで、切断経路区間の終点の延長線上に、同じ曲率半径を備えて接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる便宜上の減速区間を、レーザ加工を行う経路区間に続いて設定する。さらに、減速区間の終点を始点として、次の切断経路区間に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を設定する。この移動経路区間では、経路の接線方向及び法線方向の速度、加速度及び加々速度の各成分、座標系の各軸方向成分又はその合成成分の絶対値の大きさが制限されている。このことについて、図4を参照して以下に具体的に説明する。
図3と同様の切断経路区間106及びそれに続く減速区間108は図3と同様の座標系S2で記述することとし、加工終了後に次の加工部位へ向かうための、減速区間108に続く移動経路区間110(破線で図示)は図3と同様の座標系S1で記述するものとする。上記の制限から、切断加工経路106が図示するような円弧であれば減速区間108の形状はその円弧と同じ曲率半径の円弧とし、線分であればその線分を同方向に延長した線分とすることが好ましい。
レーザ加工は、切断経路区間106と減速区間108との接続点Cで終了し、加工ヘッドは、座標系S2においては、減速区間108の終点Dで滑らかに停止する。加工ヘッドが座標系S2で切断経路区間106の終点Cを通過して減速区間108に入るのと同時に、次の開始点P′に向かう移動経路区間110での加工ヘッドの移動が、座標系S1において始動される。座標系S2における減速区間108での移動指令及び座標系S1における移動経路区間110での移動指令は、実際の機械座標系においては重畳して指令される。すなわち、補間周期ごとに、減速にかかる移動指令と、移動経路にかかる移動指令とが加算されて、各軸のサーボシステムに配分される。
このようにすると、減速区間108を単純な円弧で指令し、移動経路110を単純な線分で指令しているにも関わらず、実際の加工ヘッドの動きは、円弧や線分又はその単純な組み合わせではない複雑な曲線となる。しかし、減速区間108から移動経路110に至る全ての瞬間において、加々速度、加速度及び速度が、接線方向及び法線方向のいずれについても、切断経路区間及び移動経路区間の制限値の和を超えない値に維持可能である。従って、加工ヘッドは機械的な衝撃を受けることなく切断経路区間106から移動経路区間110へ移行でき、また、座標系S2において加工ヘッドが減速区間108の終点(D点)に達したときには、加工ヘッドは既に座標系S1において移動経路110上の移動を開始しているので、実際には停止をせず、加工時間が短縮できる。
以上、本発明の第1の実施形態について説明した。これによれば、レーザ加工を行わない移動経路区間と切断経路区間との間を、線分や円弧を円滑に接続するだけでは実現できなかった法線方向の加々速度を所定値以下の小さな値に保ったまま、接線方向の速度を落とさずに移行することができる。移動経路区間及び切断経路区間でのそれぞれの加々速度、加速度及び速度の制限値を、少なくともそれらが重畳される区間では、機械設計上レーザ加工装置に許容される制限値の半分の値にしておけば、それぞれが加算されてもレーザ加工装置の制限値を上回ることはないので、経路の構成が簡単になる。また、切断経路の前後に加速区間又は減速区間を設定することによって、所望の切断形状に制限が加わることもない。加速区間又は減速区間と、それに重畳指令される移動経路区間の末端部分又は開始部分とは、それぞれ線分又は円弧として指令されるので、NCプログラムの作成さらに作成されたプログラムの数値制御装置での実行は容易である。
ここで、第1の実施形態における実際のNCプログラムの一例を示し、その内容について説明する。
G00 X140. Y140. G02.9 X210. Y210. R10. S0 F8000 ;
上記プログラム例では、レーザ加工区間の開始点は座標(50,50)であるが、切断加工を行う丸穴の半径が10であるので、自動プログラミング装置は、上述の加速区間16を半径10の1/4周として生成し、これに合わせて、移動経路区間102の終点を(40,40)に変更する。同じブロックで移動経路102及び加速区間104が同時に指令されるが、プログラム中の「G02.9」は、移動経路区間102での減速終了時と、加速区間104の終了時とのタイミングを合わせる指令を含む円弧補間指令である。すなわち、レーザ加工機の加々速度及び加速度に関する定数並びに移動経路の指令速度から計算される残り移動時間と、同じくレーザ加工機の加々速度及び加速に関する定数並びに加工時の指令速度F8000から計算される加速区間にかかる時間とが一致したときに、X210. Y210.に向かう円弧補間が開始される。X1座標とX2座標の指令値は、補間周期ごとに加算され、Y1座標とY2座標の指令値も補間周期毎に加算される。こうして、移動経路区間の後半部分と加速区間とは重畳して指令される。
G02 J2-10. S1000 F8000 ;
次いで、座標系S2において丸穴のレーザ切断が実行される。前後に加速区間及び減速区間があるので、この加工経路区間は加減速なく定速でのレーザ切断が進行する。
G00 X190. Y140. G02.8 X210. Y210. R10. S0 F8000 ;
続いて、減速区間108(図4)について、自動プログラミング装置は加速区間と同様に、加工経路と同じ半径の1/4円弧の経路を生成する。移動経路区間110の始点はその分移動することになるが、ブロックには終点の座標しか示されていないので、これは暗示的な座標位置変更となる。「G02.8」は、座標系S2の円弧移動指令を座標系S1の移動指令と重畳して命令するコードであり、移動経路区間110及び減速区間108での移動は同時に実行され、座標系S1及び座標系S2それぞれの移動指令は補間周期毎に重畳して指令される。
また、これまで説明したように2つの異なる座標系を用いずに、同一座標系上で記述することも可能であり、これによりNCプログラムの複雑化を回避できる。この場合、移動経路区間102及び加速区間104、又は減速区間108及び移動経路区間110からなる、相前後して移動を指令する区間については、先に実行される区間が終了する前に後に実行される区間の実行が開始される。従って数値制御装置は、本来は逐次処理されるブロックについて、少なくとも1ブロックは先行して解読し、相前後するブロックの移動指令を重畳するかどうかを判断する。このことを、実際のNCプログラムの例で以下に説明する。
G00 X40. Y40. ;
G02.9 X10. Y10. R10. S0 F8000 ;
数値制御装置は、(40,40)への移動指令を実行するが、それに先立ち、次の「G02.9」で始まる加速区間を実行するブロックを先行して解読している。「G02.9」は時計回りの円弧指令であり、先行するブロックとの重畳移動を行う加速区間を示すコードである。但し重畳のタイミングは、先行するブロックの終了時刻と、「G02.9」で始まる加速区間が終了する時刻とが一致するように加速区間を始める。
G02 J-10. S1000 F8000 ;
次いで、丸穴がレーザ切断される。
G02.8 X10. Y10. R10. S0 F8000 ;
G00 X90. Y40. ;
ここで「G02.8」も、時計回りの円弧指令であり、後続のブロックとの重畳移動を行う減速区間を示すコードである。「G02.8」で始まるブロックは、円弧の軌跡を描きながら減速停止する。一方で後続の移動指令が開始され、徐々に速度が上昇する。2つのブロックの移動指令は重畳されるので、実際には加工ヘッドは停止せず、次の加工点に向かう。
本発明の実施において、移動指令単位としては簡単な線分、円弧又は楕円という形状が使用されるが、加減速中にこれらの経路上での移動指令を重畳させる必要がある。従って計算処理を容易にするためには、移動経路区間で生成された各軸への補間周期毎の移動指令と、加工経路区間で生成された各軸への補間周期毎の移動指令とを各軸毎に合算の上、サーボモータシステムに指令することが好ましい。上述の図2は、このことを示している。
図2の数値制御装置30が有するタイミング計算制御手段は、上述の実施形態において加速区間104を開始するタイミングを制御するためのものである。タイミングを制御する方法は、例えば次の通りである。先ず移動経路区間102における移動速度指令値と、レーザ加工機の加々速度及び加速度を決定する定数とから、移動経路区間102の残り時間を逐次計算する。加工経路106に先立つ加速区間104も、加工速度指令値と同じくレーザ加工機の加々速度及び加速度を決定する定数から、これに要する時間を計算できる。ここで、移動経路102の残り時間が、加工区間に要する時間に補間周期一周期分を加えた時間より短くなった瞬間に起動すれば、移動経路102の減速終了直後に加速区間104が終わり、加工ヘッドを加工経路106に進入させることができる。
但し、移動経路区間102及び加速区間104、又は減速区間108及び移動経路区間110での移動指令の重畳を指定するプログラミング方法は、上述のものに限られない。例えば、上記のNCプログラムは以下のように記述して実行することも可能である。
G00 X40. Y40. ;
G09.9 G02 X10. Y10. R10. S0 F8000 ;
G02 J-10. S1000 F8000 ;
G02 X10. Y10. R10. S0 F8000 ;
G09.1 G00 X90. Y40. ;
ここで「G09.9」は、先行する移動経路102が減速を開始し、送り速度が当該ブロックで指定される値になったときに、当該ブロックの開始を指定する命令コードである。また「G09.1」は、先行する加工経路区間106が開始されると同時に実行が始められる移動経路区間110を指示するコードである。
以上説明した実施形態では、実際には、加工ヘッドが減速区間108に入ってもいくらかレーザ照射を続け、すなわち多少のオーバーラップを行ってレーザ加工を終えることが多い。これは、一般的な数値制御装置は補間周期で移動指令を実施するので、極めて高速で加工する場合は、NCプログラム上の加工経路にオーバーラップ部分を設定しておかないと、一連(一周)のレーザ加工が完結しない場合があるからである。
しかし、ある種の数値制御装置では、補間周期開始からの微少時間を制御するタイミングデータをレーザ発振器に与えることにより、レーザ出力を細かく制御することができる。このような数値制御装置を搭載したレーザ装置では、レーザ加工を行う経路区間と減速区間との接点においてレーザの照射を停止してもよい。切断経路終了とともにレーザ加工を終えることにより、より早く次のレーザ加工経路に移行することができる。
次に、本発明に係るレーザ加工方法の第2の実施形態における加工ヘッドと被加工物との相対移動経路を図5を用いて説明する。第2の実施形態は、移動経路202における加減速を定める加々速度及び加速度と、加速区間204における加々速度及び加速度が同じ数値を用いている場合に、移動経路202からその末端を含む部分202aを分解することによって、移動経路の末端部分202aと加速区間204とを同時に実行するという形態での指令を可能にすることを特徴とする。
第2の実施形態における自動プログラミング装置の作用は以下のようになる。先ず自動プログラミング装置は、加々速度及び加速度から、所定の加工(切断)速度に到達するのに必要十分な長さを有するように加速区間204の長さを求める。次に、先行する移動経路区間202の末端部分202aを、その長さ(点A′と点Bとの間の距離)が加速区間204の長さ(点Aと点Bを結ぶ弧線の長さ)と同じ長さとなるように、別ブロックに分割する。これにより、新たに生成された移動経路区間202の最後のブロック202aと加速区間204とは、移動に要する時間が同一となる。従って、タイミング制御手段を使用することなく、移動経路区間202の末端202aと加速区間204を同一のブロックで実施するが如く重畳指令すればよく、数値制御装置の構成は簡単になる。このことは勿論、減速区間についても同様に適用可能である。
次に説明する第3の実施形態は、独立した加工経路が近接している場合、例えば図6に示すような複数の丸穴を極近い間隔で並べて切断する場合に適用可能である。図6の場合、先行する加工経路306aに上述と同様の減速区間308a(弧線AB)を設定し、後続の加工経路306bに上述の加速区間304b(弧線CD)を設定すると、減速区間308aの実行が終了しない間に、減速区間308aと加速区間304bとの間の移動区間310の実行が終わってしまう虞がある。そうすると、減速区間308a、移動区間310及び加速区間304bの3つが重畳する状態が生じることとなり、これは制御が煩雑となって好ましくない。そこで、移動経路310の移動速度を減速したり、移動経路310の加減速にかかる定数を調整したりして、減速区間308a及び加速区間304bに要する時間の合計時間と、移動経路区間310の実行にかかる時間とをほぼ等しくすることが有効である。このような処理を施しておくと、加速区間、減速区間及び移動経路区間の3つが重畳する状態は回避でき、それぞれの実行開始のタイミングの制御が容易になる。
また図7は、第3の実施形態に係る他の具体例を示す図である。同図に示すように、加工経路が端点で有角を成して交わる2つの線分306c線分306dから構成されている場合、図6と同様の理由により、線分306cを延長してなる減速区間308c、線分306dを延長してなる加速区間304d、及び減速区間308cと加速区間304dとを接続する移動経路区間310cの3つが重畳する場合があり得る。そこで、移動経路310cの移動速度を減速したり、移動経路310cの加減速にかかる定数を調整したりして、減速区間308c及び加速区間304dに要する時間の合計時間と、移動経路区間310cの実行にかかる時間とをほぼ等しくすることができる。
上記の実施形態では、加工経路区間の開始時におけるレーザ照射のタイミングについては詳細に説明されていなかった。レーザ切断の場合は通常、所望の形状を形成する加工経路において、レーザ切断の開始時にピアシング加工を行う。例えば軟鋼1mm程度の薄板板金をレーザ加工する場合は、数キロワットのレーザ光を照射すれば直ちに板金に穴が開いて切断加工を開始することができるので、ピアシング加工といっても特別なことをする必要はない。
しかし、レーザが低出力の場合、又は板厚が厚い場合等は、レーザ光の照射条件を選択し、一定時間同一箇所にレーザ光を照射して穴開け加工を行う必要がある。一旦、被加工物に穴が開き、レーザビーム及びアシストガスの流れが形成されれば、継続しての切断加工が可能となる。また、多少板厚が厚くてもレーザ出力が十分高ければ、加工ヘッドの移動中にレーザ照射を開始しても、穴を開けて切断加工を開始することが可能である。但しこの場合は、ピアシング加工部分の形状は一旦停止してピアシング加工を行う場合よりも悪化することが多い。そこで減速してレーザ加工を開始すれば、ピアシング加工部分の劣化をある程度緩和することもできる。またピアシング加工の良し悪しは、その他にも、集光点のビームスポットのサイズやワークの材質等、様々な要因に左右される。このようなピアシング加工を、加工経路上のどの点で行うか、さらに減速又は停止して行うのかを決定することは、レーザ切断の加工時間を左右する重要な問題である。
切断加工を行う経路上でピアシング加工を行う場合は、最短経路での切断となるので加工時間が短縮される。しかしながら、少なからずピアシング部分の切断後の仕上がりが悪くなる。そこで、アプローチ部分を設定して、被加工物の不要部分にピアシング加工を行うことが多い。このようにすれば、加工ヘッドを停止することなく移動しながらレーザ切断を始めても、切断された部品形状に悪影響は及ばない。
図8を参照して次に説明する第4の実施形態は、丸穴切断加工に本発明を適用するにあたって、被加工物の不要部分にピアシング加工を行うためのものである。通常自動プログラミング装置は、オペレータの指示により又は自動的に、多数の丸穴切断部分を直列的に移動経路を介して結ぶように機能するが、ここでは図8に示すように、2つの丸穴形状406a及び406bを連続して切断するものとする。先ず加工ヘッドの現在位置を点Pとした場合の、加工経路406a上にある点Pからの最遠点Bを求める。上述の第1の実施形態と同様に、同一円周上に加速区間404a(弧線AB)及び減速区間408a(弧線BC)が設定される。従ってこの場合の移動経路区間402aは、加速区間404aの開始点Aへの移動指令ブロックとして決定される。また減速区間408aの終点Cが、次の円弧(加工経路406b)へ移動するための始点となる。このようにして、2つの丸穴を加工する場合の加工ヘッドの移動経路が定まる。
実際の切断加工においては、加速区間406aとそれに先行する移動経路402aの末端部分とは重畳して指令されるため、実際の加工ヘッドの軌跡は加工経路406aの内側にいくらかオフセットした曲線403aとなる。例えば、加速区間404aを2/3経過した点からレーザ照射を始めることにより、丸穴(加工経路406a)の内部である点Dから切断加工を開始することができる。この方法によれば、極めて単純なアルゴリズムで、確実に被加工物の不要部分でピアシング加工を行うことができる。
図9(a)〜(d)は、図8の方法を応用して、複数の丸穴(加工経路406a〜406d)を連続して切断する場合の軌跡を決定する経過を示した図である。先ず開始点Pから、丸穴の加工順序を手動又は自動で指定する(図9(a))。ここでは、丸穴406a、406b、406c及び406dの順に加工していくものとする。
次に図9(b)に示すように、開始点Pからみた1番目の丸穴(406a)の周上の最遠点Baを求め、図8と同様の手順により丸穴406aについての加速区間404a及び減速区間408aを生成し、移動経路を決定する。
さらに、2番目の丸穴406bについても同様の処理を行う。すなわち、図9(c)に示すように、丸穴406aにおける減速区間408aの終点Caからみた2番目の丸穴406bの周上の最遠点をBbを求め、図8と同様の手順により丸穴406bについての加速区間404b及び減速区間408bを生成し、移動経路を決定する。
以降、これを順次繰り返して丸穴406c及び406dについての移動経路及び切断経路が決定される(図9(d))。
図10を用いて次に説明する第5の実施形態は、丸穴とともに板金加工の現場で頻繁に用いられる長穴の加工に関するものであり、上述の第4の実施形態と考え方は類似している。ここで、移動経路502の開始点Pを起点としたときに、開始点Pからみた長穴形状の加工経路506上の最遠点から加工を開始することとしてその前に加速区間を設定することも考えられる。しかし、長穴形状の輪郭のうち、線分上の点から加工経路を開始するよりも、半円の周上の点から加工経路を開始する方が、長穴に特有の変曲点を少なくする意味から好ましい。実際には、何らかの方法により次に加工すべき長穴が決まると、自動プロラミング装置が現在位置Pからみて最遠の半円上の端点Bを求める。次に、半円と同一半径で接続する円弧ABが、加速区間504として創成される。移動経路区間502は、加速区間504の始点Aへの移動指令を行うブロックになる。
図11を用いて次に説明する第6の実施形態は、コーナエッジ部にループ型移動経路を切断加工する場合に本発明を適用したものである。第6の実施形態では、加工経路606a及び606bによって画定されるコーナエッジ部を加工するものとし、そのとき加工ヘッドはループ型移動経路(線分608、602及び604からなる経路)を通るものとする。ここで、ループ型移動経路を含む材料部分を廃棄してもよい場合は、レーザを連続して照射して移動経路を切断しても構わないが、上記部分も製品として必要とする場合は、コーナの頂点Qでレーザ照射を停止し、レーザが停止した状態で線分608、602及び604を通り、再度コーナの頂点Qに到達した瞬間から再びレーザ光を照射して切断加工を行う。このような加工方法について以下に詳細に説明する。
実際には第6の実施形態においては、図11に示すように、自動ブログラミング装置が先行する第1加工区間606aの延長上に減速区間608を設定する。次に、第2加工区間606bの始点Qの前を延長して、加速区間604を設定する。さらに、減速区間608の終点Rと加速区間604の始点Sとを移動経路区間602として結ぶ。このようにして減速区間、移動経路区間及び加速区間により規定されるループ経路の形状は、減速区間及び移動経路区間の重畳移動指令、並びに移動経路区間及び加速区間の重畳移動指令により決定される。減速区間、移動経路区間及び加速区間の各々は、加々速度及び加速度の双方が所定範囲内に制限される。
具体的には、第1加工経路区間606aから減速区間608、移動経路区間602及び加速区間604を経由して第2加工経路区間606bまでの5つの区間を3つのブロックすなわち(第1加工区間606a+減速区間608)、移動経路区間602、及び(加速区間604+第2加工区間606b)に分類し、それぞれについて加々速度が所定範囲内に制限される。従って、各ブロック間の継目(点R及びS)では連続的な移動がなされる。なお減速区間608及び加速区間604は、それぞれ減速及び加速に要する距離よりも長く設定され、移動経路区間602での速度は減速区間及び加速区間に要する時間から逆算される。あるいは、移動経路区間602の処理は加速区間604の処理前に完了してもよい。
以下に第6の実施形態におけるNCプログラムの具体例を示す。なお以下のプログラムにおいて「S1000」及び「S0」はそれぞれレーザ出力1000W及びレーザオフを指令し、「P3」は「G100」指令のB3ブロックが「N3」のブロックで終了することを指示するものである。
N1 G01 X10. Y10. S1000 ;
N2 G01 X15. Y10. S0 G100 X14. Y12. P3 ;
N3 G01 X15. Y10. ;
N4 G01 X0. Y-4 S1000 ;
第6の実施形態でも、上述のように減速区間、移動経路区間及び加速区間の各々について加々速度及び加速度の双方が制限されるので、それらの動きを重畳したループ経路も加々速度及び加速度のいずれも一定の値以下に保たれる。従って、線分と円弧との接点のような変曲点がなく、また急激な加速度変化も発生しないので、機械的な衝撃がレーザ加工機に加わることがなく、高速での駆動が可能となる。
またこのようなループ型移動経路を描くことにより、コーナ部でも一定の切断速度でレーザ加工を行うことができる。従って、コーナの頂点の周辺であっても一定条件のレーザ加工が実現できるので、一様な切断結果が得られる。これに対して、コーナ部分で一旦停止あるいは減速するような加工方法では、コーナ部分へのレーザ照射が大きく、レーザによる入熱が大きくなるので、一様なレーザ加工結果が得られない。レーザの出力を速度に応じて変更し、入熱量を一定にする試みもあるが、このループ型経路による加工によれば、容易にコーナ部分の加工結果の品質を維持できる。従って、切断だけでなく溶接やマーキングを行うときも有効である。
図12(a)〜(d)は、図11に示した第6の実施形態のように2つのブロックすなわち(第加工区間606a+減速区間608)と(加速区間604+第2加工区間606b)とが互いに直交する場合の、加工ヘッドの位置の軌跡すなわちループ型経路部分の実際の形状、速度、加速度及び加々速度をそれぞれ示すグラフである。特に図12(c)に示すように、各ブロックの加速度の大きさはいずれも±1×10-5m/s2の範囲内に制限され、かつ図12(d)に示すように、各ブロックの加々速度の大きさはいずれも±1×10-7m/s3の範囲内に制限されている。従って、重畳後も同様に加々速度が一定の範囲に収まり、加速度は連続した値となることがわかる。
図13を用いて次に説明する第7の実施形態は、いわゆるミクロジョイント部分に関するものであって、ミクロジョイント部分のレーザ切断終点と、レーザ切断始点との双方に減速区間及び加速区間を設定して、その終点と始点との間が加工経路で結ばれた経路を自動プログラミング装置が自動生成するものである。
一般的なミクロジョイント加工では、例えば図13(a)に示すように、ミクロジョイント部分70を形成するために、レーザ切断経路は第1加工経路706aの端点(終点)Aで一旦終了し、次の第2加工経路706bに略直交するアプローチ経路703の端点(始点)Bから再び開始する。このような切断経路を実現するために、図13(b)に示すように、線分706aの延長上に減速区間708aを設定し、ミクロジョイントのアプローチ経路703の前に加速区間704aを設定している。この例では、線分706aからミクロジョイント部分70(端点A)に達するまでは定速のままレーザ切断を終え、減速区間708a及び加速区間704aを含むループ経路移動を行い、アプローチ経路703の始点Bに達したときに加工ヘッドを移動しながらのピアシングを行う。さらに、アプローチ経路703の加工後に減速区間708b及び加速区間704bを含むループ経路移動を行い、第2加工経路706bの切断加工を行う。このようにして、ミクロジョイント部分70に対する加減速によるレーザ入熱の集中を防ぎ、良好な切断結果を得ることができる。なおそれぞれの加工経路は不連続であるが、本発明による減速区間又は加速区間と移動経路とを重畳指令することで、加々速度までの制限を維持した、機械的な衝撃のない加工ヘッドの移動が実現でき、高速加工が可能となる。
ここで、図14を参照して、加工ヘッドのZ方向の移動すなわち、被加工物からの加工ヘッドの退避及び接近について説明する。例えば図3を用いて説明したように、ある加工経路区間から次の加工経路区間に移動する移動経路区間102(線分PA)においては、被加工物との干渉を避け、既に加工の終わった部分への影響を避けるために、加工ヘッドを被加工物から離すように退避させるのが一般的である。例えば、被加工物がXY平面上に設置された平板からなる場合は、加工ヘッドは図14に示すように移動経路区間(PA間)ではZ方向に退避(Z方向位置が上昇)し、次の加工経路に近付いたときに再び被加工物に接近する。ここで被加工物は厳密な平面とは限らないので、通常は加工ヘッドと被加工物との距離を高速に検出する距離センサーが使用される。距離センサーは、加工ヘッドのノズルと被加工物である金属板との間の静電容量を検出する静電容量式のものが一般的である。
一般的な距離センサーは、加工ヘッドと被加工物との間の距離が約8mm以下になると検出可能となり、加工ヘッドと被加工物との間の距離は、数値制御装置及びサーボモータシステムによりフィードバック制御される。被加工物とレーザ焦点との位置関係が一定でないとレーザ加工不良となる場合が多いので、加工形態にもよるが、±0.3mm以下という厳しい位置精度が要求される場合がある。この精度内にフィードバック制御によってZ軸を整定させるにはある程度の時間を必要とする。従来のレーザ加工方法では、加工経路の始点又はアプローチ経路の始点に向かってXYZの3軸が移動し、加工ヘッドと被加工物との間の距離を距離センサーが検出可能になったときから距離によるフィードバック制御に切り替えられる。従って、加工経路等の始点では、必然的にXYの平面座標において加工ヘッドが停止することになっていた。
図14に示す例では、付加された加速区間104の始点Aの手前からZ軸が低下し、始点A以降は距離センサーの検出範囲Z1(例えば8mm以内)に入るように自動プログラミング装置が経路を生成する。そして、加速区間104を実行している間、加工ヘッドと被加工物との距離がフィードバック制御される。従って、加工ヘッドと被加工物との距離が所定の値に制御される間も、加工ヘッドは平面移動を続けて停止することがなく、故に移動に時間を費やすことがない。
これまで説明した実施形態では、前後に加速区間又は減速区間を設定した加工経路区間での加工速度は一定速度である。しかし、公知の技術にあるように、加工経路の中に小さな曲率半径の円弧や屈曲部分が存在する場合は、加工経路の形状精度を損なわないために適宜減速することがある。また、特にレーザ加工機の加工ヘッドを移動させるときに、加速性能が指令する切断速度に対して不十分であると、加速区間から加工経路区間に移行しても増速し続ける場合があるため、減速区間の手前の加工経路区間から減速を開始することもある。
図15(a)及び(b)はこのことを図示するグラフである。なおグラフG1及びG2は、それぞれ図3で説明した座標系S1及びS2での速度変化を示し、また加工区間の指令速度V1は10m/min、移動経路区間の指令速度V2は30m/minとする。図15(a)は、加速区間で指令速度に達する場合を示す。一方図15(b)は、加速区間では指令速度V1に達せず、さらに加工区間内で増速している場合である。また図15(b)では、減速区間だけでは座標系S2における指令速度がゼロとならないので、減速区間に入る手前から指令速度を減速している。しかし図15(b)のような場合でも、加工経路区間内での指令速度の最小値V3が所定値以上になっていれば、指令速度での加工に準じた加工結果が得られるので、問題はない。なお、本発明では、経路区間の接線方向の加々速度は制限される(加々速度は有限値)ので、指令速度が一定値から変化し始める部分(例えば図15(a)のH1及びH2部)では、速度のグラフは折れ線とはならず、図示するような曲線となる。
なお、上記実施形態において移動経路を線分で指示したときは、ピアシング加工を行う点の位置について制限がある等の制約がある場合を除き、実際の移動は必ずしも線分上の経路に従う必要はなく、各軸それぞれの動きに適した経路に従ってもよい。上述のコーナループ部やミクロジョイント部の加工がこれに該当する。
以上のように、本発明は、レーザ加工ヘッドの動きを加々速度、加速度、速度の大きさに制限を加えた上で、極力停止せずレーザ加工を行えるようにした技術である。加工時間の短縮による直接的なエネルギー節減効果の他に、加減速を減らすことによる経済的・環境的効果も大きい。従って、切断・溶接・マーキングのレーザ加工においての適用が期待される。
本発明に係るレーザ加工装置の基本構成を示すブロック図である。 図1のレーザ加工装置の制御装置の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図であって、移動区間から加速区間への移行を説明する図である。 図3に関連し、減速区間から次の移動区間への移行を説明する図である。 本発明の第2の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図である。 本発明の第3の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法の他の具体例を説明する図である。 本発明の第4の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図である。 (a)複数の丸穴を連続して切断する場合の加工ヘッドの軌跡を説明する図であって、丸穴の加工順序を示す図であり、(b)1番目の丸穴について生成された最遠点、加速区間及び減速区間を示す図であり、(c)(b)と同様の処理を2番目の丸穴について行った状態を示す図であり、(d)(b)同様の処理を3番目及び4番目の丸穴について行った状態を示す図である。 本発明の第5の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図である。 本発明の第6の実施形態に係る加工ヘッドの移動方法を説明する図である。 (a)加工ヘッドの位置の軌跡を示すグラフであり、(b)加工ヘッドの速度を示すグラフであり、(c)加工ヘッドの加速度を示すグラフであり、(d)加工ヘッドの加々速度を示すグラフである。 (a)ミクロジョイント部分の加工経路を説明する図であり、(b)(a)の加工経路を実現するための加工ヘッドの移動経路を説明する図である。 加工ヘッドのZ方向の移動を説明するグラフである。 (a)2つの座標系における加工ヘッドの移動速度を示すグラフであり、(b)(a)に類似する図であって、加工経路区間の指令速度が一定値とならない場合を示すグラフである。 (a)コーナ加工をする場合の従来の移動経路を説明する図であり、(b)2つの丸穴を加工する場合の従来の移動経路を説明する図である。 従来のアプローチ加工における移動経路を説明する図である。
符号の説明
10 レーザ加工装置
20 制御装置
30 数値制御装置
32 サーボ機構
102 移動経路区間
104 加速区間
106 加工経路区間
108 減速区間

Claims (13)

  1. レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、
    直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の開始点に、同じ曲率半径を有して接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる加速区間を、前記加速区間の開始点から前記経路区間を含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に先立って設定するステップと、
    前記加速区間の開始点に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記加速区間に先立って設定するステップと、
    前記移動経路区間の減速が終了する前に前記加速区間での移動指令を開始し、かつ前記加速区間が終了する前に、前記移動経路区間の減速を終了するように移動指令を重畳させるステップと、
    を有することを特徴とする、レーザ加工方法。
  2. レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工方法であって、
    直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の終了点に、同じ曲率半径を以って接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる減速区間を、前記経路区間から前記減速区間の終了点までを含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に続いて設定するステップと、
    前記減速区間の終了点から、次のレーザ加工を行う経路区間に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記減速区間に先立って設定するステップと、
    前記減速区間の開始以降に、前記移動経路区間の移動指令を重畳させるステップと、
    を有することを特徴とする、レーザ加工方法。
  3. 上記の第1の座標系及び第2の座標系は同一の座標系である、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法。
  4. 前記レーザ加工を行う経路区間と前記減速区間との接点においてレーザの照射を停止するステップをさらに含む、請求項2に記載のレーザ加工方法。
  5. 前記加速区間又は前記減速区間と前記レーザ加工を行わない移動経路区間との速度を指令する指令速度を、同じ加々速度及び加速度で指令し、前記加速区間又は前記減速区間の接線長さと同じ接線長さの移動経路末端区間を、前記レーザ加工を行わない移動経路区間の末端に設定するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法。
  6. レーザ加工を行う複数の区間に挟まれたレーザ加工を行わない移動経路区間の長さが前記減速区間及び前記加速区間の和よりも短い場合には、前記レーザ加工を行わない移動経路区間の移動に要する時間を、前記加速区間及び前記減速区間にかかる時間の和に等しくなるように調整するステップをさらに含む、請求項1又は2に記載のレーザ加工方法。
  7. 円形の経路に沿って加工する請求項1に記載のレーザ加工方法であって、
    前記円形の経路へ向かう線分からなる移動経路区間の開始点からみて前記円形の経路上の最も遠い点を、レーザ加工を行う経路区間の開始点として設定し、かつ、レーザ加工を行う経路区間の前の加速区間の開始点を移動経路区間終了点として設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法。
  8. 円弧及び線分からなる図形の経路に沿って切断し穴開け加工する請求項1に記載のレーザ加工方法であって、
    前記図形の経路へ向かう線分からなる移動経路区間の開始点からみて前記図形の経路の円弧上の最も遠い点を、レーザ加工を行う経路区間の開始点として設定し、かつ、レーザ加工を行う経路区間の前の加速区間の開始点を移動経路区間終了点として設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法。
  9. コーナエッジ形状部分のループ型移動経路区間を利用してレーザ加工を行う請求項1、2又は6に記載のレーザ加工方法であって、
    コーナ部分に向かうレーザ加工区間の延長上に減速区間と、前記コーナ部分から始まるレーザ加工区間に先立つ加速区間と、前記減速区間の終了点及び前記加速区間の開始点をそれぞれ始点及び終点とする線分又は円弧からなる移動経路区間とを設定するステップをさらに有する、レーザ加工方法。
  10. ミクロジョイント加工を行う請求項1、2又は6に記載のレーザ加工方法であって、
    ミクロジョイント部分に向かうレーザ加工区間の延長上に減速区間と、前記ミクロジョイント部分から始まるレーザ加工区間に先立つ加速区間と、前記減速区間の終了点及び前記加速区間の開始点をそれぞれ始点及び終点とする線分または円弧からなる移動経路区間とを設定するステップをさらに含む、レーザ加工方法。
  11. 前記加速区間において、加工ヘッドと被加工物との距離を一定に保つフィードバック制御を開始するステップをさらに含む、請求項1に記載のレーザ加工方法。
  12. レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、
    直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の開始点に、同じ曲率半径を有して接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる加速区間を、前記加速区間の開始点から前記経路区間を含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に先立って設定する手段と、
    前記加速区間の開始点に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記加速区間に先立って設定する手段と、
    前記移動経路区間の減速が終了する前に前記加速区間での移動指令を開始し、かつ前記加速区間が終了する前に、前記移動経路区間の減速を終了するように移動指令を重畳させる手段と、
    を有することを特徴とする、レーザ加工装置。
  13. レーザ光を集光して被加工物に照射し、数値制御装置により、加工ヘッドを被加工物に対し相対移動させることにより被加工物上の集光点を走査してレーザ加工を行うレーザ加工装置であって、
    直線、円弧及び楕円のいずれかからなり、指令された接線速度でレーザ加工を行う経路を含む経路区間の終了点に、同じ曲率半径を以って接する直線、円弧及び楕円のいずれかからなる減速区間を、前記経路区間から前記減速区間の終了点までを含む連続した2つの区間について、それらの区間を記述する第1の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (1)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (2)前記第1の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (3)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(1)〜(3)のうち少なくとも1つを制限しつつ、レーザ加工を行う経路区間に続いて設定する手段と、
    前記減速区間の終了点から、次のレーザ加工を行う経路区間に向かうレーザ加工を行わない移動経路区間を、前記移動経路区間について、該移動経路区間を記述する第2の座標系内において、前記相対移動の加々速度の
    (4)接線方向及び法線方向の各成分の絶対値の大きさ
    (5)前記第2の座標系の各軸方向成分の絶対値の大きさ、並びに
    (6)前記各軸方向成分の合成成分の絶対値の大きさ
    について、前記(4)〜(6)のうち少なくとも1つを制限しつつ、前記減速区間に先立って設定する手段と、
    前記減速区間の開始以降に、前記移動経路区間の移動指令を重畳させる手段と、
    を有することを特徴とする、レーザ加工装置。
JP2007039343A 2007-02-20 2007-02-20 レーザ加工方法及びレーザ加工装置 Expired - Fee Related JP5122833B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007039343A JP5122833B2 (ja) 2007-02-20 2007-02-20 レーザ加工方法及びレーザ加工装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007039343A JP5122833B2 (ja) 2007-02-20 2007-02-20 レーザ加工方法及びレーザ加工装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008200712A JP2008200712A (ja) 2008-09-04
JP5122833B2 true JP5122833B2 (ja) 2013-01-16

Family

ID=39778732

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007039343A Expired - Fee Related JP5122833B2 (ja) 2007-02-20 2007-02-20 レーザ加工方法及びレーザ加工装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5122833B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11534867B2 (en) 2019-04-11 2022-12-27 Samsung Display Co., Ltd. Display module, method for manufacturing display module, and laser machining method

Families Citing this family (18)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010057798A1 (en) * 2008-11-19 2010-05-27 L'air Liquide Societe Anonyme Pour L'etude Et L'exploitation Des Procedes Georges Claude A process for laser cutting a metal plate
JP2010125489A (ja) * 2008-11-28 2010-06-10 Keyence Corp レーザマーカ及びレーザマーキングシステム
JP2011036869A (ja) * 2009-08-07 2011-02-24 Hitachi Via Mechanics Ltd レーザ加工方法
JP5458794B2 (ja) * 2009-10-19 2014-04-02 株式会社リコー 描画制御装置、レーザ照射装置、描画制御方法、描画制御プログラム、及びこれを記録した記録媒体
JP2013075299A (ja) * 2011-09-29 2013-04-25 Komatsu Ntc Ltd 孔加工方法
WO2013179430A1 (ja) * 2012-05-30 2013-12-05 三菱電機株式会社 レーザ加工方法、加工制御プログラムおよび加工制御装置
KR101487397B1 (ko) * 2013-03-29 2015-01-29 삼성중공업 주식회사 곡판 자동절단시스템
US10179375B2 (en) 2013-08-07 2019-01-15 Mitsubishi Electric Corporation NC program generating device and NC program generating method
DE102015103047B3 (de) * 2015-03-03 2016-08-18 Trumpf Laser- Und Systemtechnik Gmbh Initiale Abstandseinnahme für die Laserbearbeitung
JP6514004B2 (ja) * 2015-03-31 2019-05-15 ファナック株式会社 ギャップ制御機能を備えたレーザ加工機及びその制御装置
JP6035461B1 (ja) * 2016-04-28 2016-11-30 武井電機工業株式会社 レーザー加工方法及びレーザー加工装置
KR101800306B1 (ko) * 2016-05-26 2017-11-22 주식회사 에이치케이 레이저 가공 제어방법
CN110968039B (zh) * 2019-12-17 2022-11-25 上海维宏电子科技股份有限公司 应用于激光切割数控加工的图形切割排序处理方法
CN111223067B (zh) * 2020-02-21 2023-05-26 成都工业学院 一种用于桥梁锚具圆孔加工的自动对位方法
DE102021202636A1 (de) 2021-03-18 2022-09-22 Trumpf Laser- Und Systemtechnik Gmbh Verfahren zum Bewegen eines Bearbeitungskopfs eines Strahlwerkzeugs während einer Bearbeitungspause
WO2023037915A1 (ja) * 2021-09-09 2023-03-16 株式会社アマダ レーザ加工方法及びレーザ加工機
CN114296400B (zh) * 2021-11-16 2024-03-12 中南大学 一种用于激光切割高速插补的自适应前瞻处理方法
CN116755391B (zh) * 2023-08-22 2023-12-29 济南邦德激光股份有限公司 一种基于贝塞尔曲线的刀具运动数据处理方法

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03155485A (ja) * 1989-11-10 1991-07-03 Mitsubishi Electric Corp レーザ加工条件設定方式
JPH06190576A (ja) * 1992-12-24 1994-07-12 Toshiba Corp レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP3515838B2 (ja) * 1995-10-02 2004-04-05 ファナック株式会社 レーザ加工装置、レーザ加工方法、及びプログラム作成装置
JPH1080784A (ja) * 1996-09-06 1998-03-31 Amada Co Ltd 熱切断機における多角形穴切断方法およびその装置
JPH10249563A (ja) * 1997-03-06 1998-09-22 Komatsu Ltd 熱切断加工方法
JP5028722B2 (ja) * 2001-07-31 2012-09-19 三菱電機株式会社 レーザ加工方法及びレーザ加工機
EP1448336A4 (en) * 2001-11-30 2006-03-15 Matsushita Electric Ind Co Ltd METHOD FOR LASER MILLING USING A CONSTANT TOOL GAUGHTER ALGORITHM
JP4277747B2 (ja) * 2004-06-28 2009-06-10 パナソニック株式会社 レーザ加工装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US11534867B2 (en) 2019-04-11 2022-12-27 Samsung Display Co., Ltd. Display module, method for manufacturing display module, and laser machining method
US11890700B2 (en) 2019-04-11 2024-02-06 Samsung Display Co., Ltd. Display module, method for manufacturing display module, and laser machining method

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008200712A (ja) 2008-09-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5122833B2 (ja) レーザ加工方法及びレーザ加工装置
JP5316124B2 (ja) レーザー溶接装置
JP3607259B2 (ja) 3次元線状加工装置
US9981357B2 (en) Systems and methods for enabling automated motion control of a tool in a multi-axis machine tool
JP3746019B2 (ja) レーザ加工機
JP5317532B2 (ja) 数値制御装置
JP2007098464A (ja) レーザー加工ロボット制御装置、レーザー加工ロボット制御方法およびレーザー加工ロボット制御プログラム
JPH09120310A (ja) 軸移動方法及び軸移動方式
JP2009012075A (ja) ワークの加工のための工作機械及び方法
JP2007268549A (ja) レーザ溶接装置およびその方法
JP6596655B2 (ja) レーザ溶接制御方法及びレーザ溶接システム
JPH0999384A (ja) レーザ加工装置、レーザ加工方法、及び自動プログラミング装置
WO2020036021A1 (ja) レーザ加工機及びレーザ加工方法
JP6980504B2 (ja) 切断方法、切断プログラム、自動生成プログラム、制御システム、切断装置および被加工材の製造方法
JP5201114B2 (ja) レーザ加工装置およびレーザ加工方法
WO2019003513A1 (ja) レーザ加工システムおよびレーザ加工システムの制御方法
JP7129469B2 (ja) 切削加工機及び切削加工方法
JP2008290135A (ja) レーザ加工装置及びレーザ加工方法
JP4921115B2 (ja) 移動体の移動制御装置、移動体の移動制御方法及び工作機械の移動制御装置
JP5245214B2 (ja) レーザ加工装置およびその方法
JP4605690B2 (ja) ワーク切断方法
JP2019166578A (ja) ロボットの動作プログラムの設定装置、ロボット、およびロボットの制御方法
JPH09327784A (ja) レーザ加工機用数値制御装置の補間装置および補間方法
TWI409601B (zh) 數值控制裝置、系統及其轉角運動控制方法
JP5143661B2 (ja) Nc旋盤の制御方法及び制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090828

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110922

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111025

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111221

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120607

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121002

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121025

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151102

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5122833

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees