JP7129469B2 - 切削加工機及び切削加工方法 - Google Patents

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Description

本開示は、レーザビームを照射して加工対象物を加工するレーザ加工機等の切削加工機及び切削加工方法に関する。
切削加工機として、レーザビームを照射して加工対象物を加工し、所定の形状を有する製品を製作するレーザ加工機が普及している。レーザ加工機は、製品が所定の形状を有して製作されるように、レーザビームによる切削量を考慮した工具径補正により加工対象物を切削加工する。特許文献1には、工具径補正により加工対象物を切削加工するレーザ加工機の一例が記載されている。
特許第6087483号公報
レーザ加工機において、レーザビームを射出するノズルと加工対象物を載せる加工テーブルとの相対位置が固定されている状態では、レーザビームは通常、円形状を有するため、切削加工跡も円形状を有する。複数の種類の回転工具を備えたマシニングセンタにおいても、回転工具の位置座標が固定されている状態では、切削加工跡は通常、円形状を有する。ウォータジェット加工機においても、高圧水が射出される位置座標が固定されている状態では、切削加工跡は通常、円形状を有する。従って、工具径補正は、ノズル、回転工具、高圧水等の切削工具の位置座標が固定されている状態における切削加工跡が円形状であることを前提としている。
そのため、レーザ加工機等の切削加工機は、切削工具による切削加工跡の半径分または切削加工跡の半幅分を工具径補正量に設定し、工具径補正量分だけシフトさせて加工対象物を切削加工するときの軌跡を制御する。一般的に、従来の切削加工機では、工具径補正は切削加工跡が非円形状の場合に対応していない。
実施形態は、切削工具の位置座標が固定されている状態における切削加工跡が非円形状であっても、切削工具の工具径を精度よく補正することができる切削加工機及び切削加工方法を提供することを目的とする。
実施形態の第1の態様によれば、レーザビームを射出するレーザ発振器と、前記レーザ発振器より射出されるレーザビームを用いて加工対象物を切削加工する加工機本体と、前記加工機本体を制御するNC装置とを備え、前記NC装置は、前記加工対象物を切削加工することによって得られる最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて設定された加工プログラムと加工条件とに基づいて、前記加工対象物を切削加工する切削工具の工具径を補正するための固定の工具径補正値を含む工具径補正情報を生成する工具径補正量演算部と、前記加工プログラムに基づいて左工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するか右工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定し、前記加工プログラムと前記加工条件と、前記固定の工具径補正値を含む前記工具径補正情報と、前記切削加工補正条件とに基づいて、工具径を固定的に補正するための工具径補正制御信号を生成する加工軌跡演算部と、前記工具径補正制御信号に基づいて、前記加工機本体を制御する駆動制御信号を生成する駆動制御部とを有し、前記加工機本体は、前記加工対象物との相対位置を変化させることにより、前記加工対象物を切削加工する加工ユニットと、前記駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物に照射されるレーザビームを非円形状の振動パターンで振動させ、前記振動パターンが描く図形の工具軌跡を前記切削工具とすることにより、非円形状を有する前記工具軌跡を制御する工具軌跡制御部とを有し、前記加工対象物に対して前記最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するとき、前記加工条件に前記工具軌跡を制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合に、前記工具径補正量演算部は、前記工具軌跡の制御を開始する位置から前記最終加工製品の角部に対応する位置まで前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に小さくなるように、工具径補正値を前記固定の工具径補正値から連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、切削加工する位置が前記最終加工製品の角部に対応する位置に到達した後に、前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に大きくなるように、前記固定の工具径補正値まで工具径補正値を連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、前記加工軌跡演算部は、前記工具径補正量演算部によって補正された前記工具径補正情報に基づいて、前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号を生成し、前記工具軌跡制御部は、前記駆動制御部によって前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号に基づいて生成された駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物における前記最終加工製品の角部に対応する位置において前記工具軌跡が目標の工具径となるように前記工具軌跡を制御する切削加工機が提供される。
実施形態の第2の態様によれば、加工対象物を切削加工することによって得られる最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて設定された加工プログラムと加工条件とに基づいて、前記加工対象物を切削加工するための切削工具の工具径を補正するための固定の工具径補正値を含む工具径補正情報を生成し、前記加工プログラムに基づいて左工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するか右工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定し、前記加工プログラムと前記加工条件と、前記固定の工具径補正値を含む前記工具径補正情報と、前記切削加工補正条件とに基づいて、工具径を固定的に補正するための工具径補正制御信号を生成し、前記工具径補正制御信号に基づいて、レーザビームを用いて加工対象物を切削加工する加工機本体を制御する駆動制御信号を生成し、前記駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物に照射されるレーザビームを非円形状の振動パターンで振動させ、前記振動パターンが描く図形の工具軌跡を前記切削工具とすることにより、非円形状を有する前記工具軌跡を制御し、前記加工対象物に対して、前記最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するとき、前記加工条件に前記工具軌跡を制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合に、前記工具軌跡の制御を開始する位置から前記最終加工製品の角部に対応する位置まで前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に小さくなるように、工具径補正値を前記固定の工具径補正値から連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、切削加工する位置が前記最終加工製品の角部に対応する位置に到達した後に、前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に大きくなるように、前記固定の工具径補正値まで工具径補正値を連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、補正された前記工具径補正情報に基づいて、前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号を生成し、前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号に基づいて生成された駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物における前記最終加工製品の角部に対応する位置において前記工具軌跡が目標の工具径となるように前記工具軌跡を制御する切削加工方法が提供される。
実施形態の切削加工機及び切削加工方法によれば、切削工具の位置座標が固定されている状態における切削加工跡が非円形状であっても、切削工具の工具径を精度よく補正することができる。
図1は、一実施形態の切削加工機の全体的な構成例を示す図である。 図2は、工具軌跡の一例を示す図である。 図3は、工具軌跡制御部の構成例を示す図である。 図4は、最終加工製品の角部と工具軌跡との関係を示す図である。 図5は、最終加工製品の角部と工具軌跡との関係を示す図である。 図6は、最終加工製品の角部と工具軌跡との関係を示す図である。 図7は、最終加工製品の角部と工具軌跡との関係を示す図である。 図8Aは、一実施形態の切削加工方法の一例を示すフローチャートである。 図8Bは、一実施形態の切削加工方法の一例を示すフローチャートである。
以下、一実施形態の切削加工機及び切削加工方法について、添付図面を参照して説明する。切削加工機及び切削加工方法の一例として、レーザ加工機及びレーザ加工方法について説明する。
図1に示すように、切削加工機1は、レーザ発振器10と、加工機本体100と、NC装置(数値制御装置)200とを備える。NC装置200は、レーザ発振器10と加工機本体100とを制御する。レーザ発振器10はレーザビームを生成して射出する。レーザ発振器10から射出されたレーザビームは、プロセスファイバ11を介して加工機本体100へ伝送される。加工機本体100は、レーザビームを加工対象物Wに照射し、かつ、加工対象物Wとレーザビームのビームスポットとの相対位置を変化させることにより、加工対象物Wを切削加工する。
レーザ発振器10としては、レーザダイオードより発せられる励起光を増幅して所定の波長のレーザビームを射出するレーザ発振器、または、レーザダイオードより発せられるレーザビームを直接利用するレーザ発振器が好適である。レーザ発振器10は、例えば、固体レーザ発振器、ファイバレーザ発振器、ディスクレーザ発振器、または、ダイレクトダイオードレーザ発振器(DDL発振器)である。
レーザ発振器10は、波長900nm~1100nmの1μm帯のレーザビームを射出する。ファイバレーザ発振器及びDDL発振器を例とすると、ファイバレーザ発振器は、波長1060nm~1080nmのレーザビームを射出し、DDL発振器は、波長910nm~950nmのレーザビームを射出する。
加工機本体100は、加工対象物Wを載せる加工テーブル101と、門型のX軸キャリッジ102と、Y軸キャリッジ103と、加工ユニット104と、工具軌跡制御部300とを有する。加工対象物Wは例えばステンレス鋼よりなる板金である。加工対象物はステンレス鋼以外の鉄系の板金であっても構わないし、アルミニウム、アルミニウム合金、銅鋼などの板金であっても構わない。レーザ発振器10から射出されたレーザビームは、プロセスファイバ11を介して加工機本体100の加工ユニット104へ伝送される。工具軌跡制御部300は加工ユニット104の内部に収容されている。
X軸キャリッジ102は、加工テーブル101上でX軸方向に移動自在に構成されている。Y軸キャリッジ103は、X軸キャリッジ102上でX軸と直交するY軸方向に移動自在に構成されている。X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103は、加工ユニット104を加工対象物Wの面に沿って、X軸方向、Y軸方向、または、X軸とY軸との任意の合成方向に移動させる移動機構として機能する。
加工機本体100は、加工ユニット104を加工対象物Wの面に沿って移動させる代わりに、加工ユニット104は位置が固定されていて、加工対象物Wが移動するように構成されていてもよい。加工機本体100は、加工対象物Wの面に対する加工ユニット104の相対的な位置を移動させる移動機構を備えていればよい。
加工ユニット104にはノズル106が取り付けられている。ノズル106の先端部には円形の開口部105が形成されている。加工ユニット104に伝送されたレーザビームは、ノズル106の開口部105から射出され、加工対象物Wに照射される。
加工ユニット104には、窒素または空気等のアシストガスが供給される。アシストガスは酸素であってもよく、その目的が酸化抑制なのか、酸化反応熱を利用するのかによって、混合比を任意に設定できるものである。レーザビームが開口部105から加工対象物Wに照射され、かつ、アシストガスが開口部105から加工対象物Wへと吹き付けられる。アシストガスは、加工対象物Wが溶融したカーフ幅内の溶融物を排出する。
工具軌跡制御部300は、加工ユニット104内を進行して開口部105から射出されるレーザビームを、非円形状の振動パターンで振動させるビーム振動機構として機能する。工具軌跡制御部300がレーザビームを非円形状の振動パターンで振動させることにより、加工ユニット104は非円形状の工具軌跡により加工対象物Wを切削加工する。工具軌跡制御部300の具体的な構成例、及び、工具軌跡制御部300がレーザビームのビームスポットを非円形状の振動パターンで振動させる方法については後述する。ここで、工具軌跡とは、一定時間内に非円形状の振動パターンで振動させたビーム振動によってなされたビームの軌跡が描いた図形であって、振動工具形状を指す。つまり、通常は、ノズル106から射出される円形のレーザビームそのものが切削工具であり、そのビーム半径分が工具径補正となるが、ここでは、振動パターンで描いた図形の工具軌跡を切削工具とする。ノズル106と加工テーブル101との相対位置が固定されている状態における切削加工跡は、工具軌跡に対応する。
CAD(Computer Aided Design)装置20は、加工対象物Wを切削加工することによって得られる最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて製品形状データ(CADデータ)SDを生成し、CAM(Computer Aided Manufacturing)装置21へ出力する。CAM装置21は、製品形状データSDに基づいて、切削加工機1が加工対象物Wを切削加工するための加工プログラム(NCデータ)PPを生成し、加工条件CPを指定する。即ち、加工プログラムPPと加工条件CPとは、最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて設定させる。
加工プログラムPPには、切削加工の進行方向の左側に工具径補正量分だけシフトさせて切削工具の軌跡を制御するG41(左工具径補正)、または、切削加工の進行方向の右側に工具径補正量分だけシフトさせて切削工具の軌跡を制御するG42(右工具径補正)で示されるGコードが含まれている。
CAM装置21は、加工条件CPとして、切削工具に相当する工具軌跡を指定する。工具軌跡は例えば非円形状を有する。CAM装置21では、加工対象物Wに対して、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡を制御するか否かを設定することができる。
加工条件CPには、加工対象物Wに対して、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡を制御するか否かが設定された工具軌跡制御情報が含まれている。工具軌跡を制御することにより、工具軌跡の工具径を変更することができる。工具軌跡を制御するように設定されている場合、工具軌跡制御情報には工具軌跡制御範囲と工具軌跡制御比率とが設定されている。
CAM装置21は、工具軌跡制御範囲、及び、工具軌跡制御比率をそれぞれ任意の値に設定することができる。工具軌跡制御範囲は、工具軌跡を制御する範囲であり、工具軌跡の制御を開始する位置から最終加工製品の角部に対応する位置までの範囲である。工具軌跡制御比率は、工具軌跡の工具径を制御する比率である。工具軌跡の工具径は工具軌跡制御比率に応じて変更される。
加工条件CPには、加工対象物Wの材質及び厚さ等の材料パラメータが指定された加工対象情報が含まれている。加工条件CPには、レーザビームの出力、加工速度、及び、ノズル106の開口部105の直径(ノズル径)等の加工パラメータ、及び、アシストガス条件等の切削加工情報が含まれている。即ち、加工条件CPには、工具軌跡制御情報と加工対象情報と切削加工情報とが含まれている。
CAM装置21は、加工プログラムPPと加工条件CPとを切削加工機1のNC装置200へ出力する。NC装置200は、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいてレーザ発振器10を制御する。NC装置200は、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、加工機本体100を制御してX軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させることにより、ノズル106を目の位置へ移動させる。
NC装置200は、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、工具軌跡制御部300を制御することにより、ノズル106の開口部105より射出されるレーザビームのビームスポットの軌跡を制御する。ビームスポットの軌跡は工具軌跡に相当する。
NC装置200は、工具径補正量演算部201と、加工軌跡演算部202と、駆動制御部203とを有する。工具径補正量演算部201、及び、加工軌跡演算部202には、CAM装置21から加工プログラムPPと加工条件CPとが入力される。工具径補正量演算部201は、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、加工対象物Wを切削加工するための切削工具の工具径を補正するための工具径補正情報TCを生成する。
図2を用いて、工具径補正情報TCについて説明する。図2は、ノズル106の内部から開口部105を介して加工対象物Wに照射されるレーザビームのビームスポットの軌跡(工具軌跡)を示している。
工具径補正量演算部201は、加工条件CPに含まれる工具軌跡TPを認識する。工具径補正量演算部201は、認識された工具軌跡TPとノズル106の軌跡NP(以下、ノズル軌跡NPとする)と切削加工の進行方向DTとに基づいて、工具径補正情報TCを生成する。工具軌跡TPは加工対象物Wを切削加工するための切削工具に相当する。工具軌跡TPの形状は切削工具の形状に相当する。工具軌跡TPは例えば非円形状を有する。
図2に示す符号BSは、工具軌跡TP上を移動するレーザビームのビームスポットを示している。図2には、非円形状の一例として、ビームスポットBSが回転方向に振動する振動パターンの工具軌跡TPを示している。なお、工具軌跡TPの振動パターンは非円形状を含む自由形状であればよい。
レーザ加工機の場合、工具軌跡TPはレーザビームのビームスポットBSの軌跡に相当する。ビームスポットBSは工具軌跡TP上を回転移動する。図2に示す矢印は、ビームスポットBSの回転方向を示している。なお、図2ではビームスポットBSが左回りに回転移動する状態を示しているが、ビームスポットBSが右回りに回転移動するようにしてもよい。
工具径補正情報TCは、工具軌跡TPと、工具軌跡TPを制御するための基準となる制御中心点CLと、ノズル軌跡NPにおけるノズル106の中心点CN(以下、ノズル中心点CNとする)とを含む。なお、制御中心点CLとは、従前のレーザ加工の工具径補正の場合のレーザビーム中心であり、本件の場合は工具軌跡を非円形状の切削工具とするとき、切断ラインを切削工具と製品の境界とするときの切断ライン(切断位置)に対して切削工具を制御する中心の位置である。
ノズル軌跡NPとは、具体的にはノズル中心点CNの軌跡である。ノズル106の中心点CNと開口部105の中心点とは一致している。図2は、制御中心点CLとノズル中心点CNとが一致している場合を示している。
工具径補正情報TCは、工具径補正値MVL及びMVRを含む。工具径補正値MVL及びMVRは、制御中心点CL(ノズル中心点CN)から加工面形成位置MPL及びMPRまでの距離に相当する。加工面形成位置MPL及びMPRは、工具軌跡TPが切削加工の進行方向DTに移動したときに、加工対象物Wに加工面が形成される位置である。即ち、加工面形成位置MPL及びMPRは、工具軌跡TPにおいて工具径が最大となる位置である。工具径補正値MVLは左工具径補正におけるパラメータであり、工具径補正値MVRは右工具径補正におけるパラメータである。
図2に示す符号DTx及びDTyは切削加工の進行方向を示す。進行方向DTxは切削加工がx方向に進行する場合を示す。進行方向DTyは切削加工がy方向に進行する場合を示す。符号MVLx及びMVRxは進行方向DTxにおける工具径補正値を示す。符号MVLy及びMVRyは進行方向DTyにおける工具径補正値を示す。
符号MPLx及びMPRxは工具軌跡TPが進行方向DTxに移動したときに、加工対象物Wに加工面が形成される加工面形成位置を示す。符号MPLy及びMPRyは工具軌跡TPが進行方向DTyに移動したときに、加工対象物Wに加工面が形成される位置を示す。工具径補正値MVLx及びMVLy、並びに、加工面形成位置MPLx及びMPLyは左工具径補正におけるパラメータである。工具径補正値MVRx及びMVRy、並びに、加工面形成位置MPRx及びMPRyは右工具径補正におけるパラメータである。
工具径補正量演算部201は、左工具径補正と右工具径補正の両方の補正情報を含む工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。加工軌跡演算部202には、CAM装置21から加工プログラムPPと加工条件CPとが入力され、工具径補正量演算部201から工具径補正情報TCが入力される。加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。なお、加工プログラムPPはGコードの代わりにロボット言語等を含んでいてもよい。
加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPと加工条件CPと工具径補正情報TCと決定された切削加工補正条件とに基づいて工具径補正制御信号TSを生成する。加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、工具径補正制御信号TSに基づいて、加工機本体100を制御する駆動制御信号CSを生成する。駆動制御部203は駆動制御信号CSを加工機本体100へ出力する。
左工具径補正にて切削加工する場合、駆動制御部203は、ノズル軌跡NPと工具軌跡TPと工具軌跡TPの制御中心点CLと工具径補正値MVLと加工面形成位置MPLとに基づいて駆動制御信号CSを生成する。右工具径補正にて切削加工する場合、駆動制御部203は、ノズル軌跡NPと工具軌跡TPと工具軌跡TPの制御中心点CLと工具径補正値MVRと加工面形成位置MPRに基づいて駆動制御信号CSを生成する。
駆動制御部203は、駆動制御信号CSにより、加工機本体100の工具軌跡制御部300を制御する。工具軌跡制御部300は、駆動制御信号CSに基づいて、ノズル106の開口部105より射出されるレーザビームのビームスポットBSの軌跡を制御する。
図3を用いて、工具軌跡制御部300の具体的な構成例、及び、工具軌跡制御部300がレーザビームのビームスポットBSを非円形状の振動パターンで振動させる方法の一例を説明する。
図3に示すように、工具軌跡制御部300は加工ユニット104の内部に収容されている。工具軌跡制御部300は、コリメータレンズ331と、ガルバノスキャナユニット340と、ベンドミラー334と、集束レンズ335とを有する。コリメータレンズ331は、プロセスファイバ11より射出されたレーザビームを平行光(コリメート光)に変換する。
ガルバノスキャナユニット340は、スキャンミラー341(第1のスキャンミラー)と、スキャンミラー341を回転駆動させる駆動部342(第1の駆動部)と、スキャンミラー343(第2のスキャンミラー)と、スキャンミラー343を回転駆動させる駆動部344(第2の駆動部)とを有する。
駆動部342は、駆動制御部203の制御により、スキャンミラー341を所定の方向(例えばX方向)に所定の角度範囲で往復駆動させることができる。スキャンミラー341は、コリメータレンズ321により平行光に変換されたレーザビームをスキャンミラー343に向けて反射する。
駆動部344は、駆動制御部203の制御により、スキャンミラー343を、スキャンミラー341の駆動方向とは異なる方向(例えばY方向)に所定の角度範囲で往復駆動させることができる。スキャンミラー343は、スキャンミラー341により反射されたレーザビームをベンドミラー334に向けて反射する。
ベンドミラー334は、スキャンミラー343により反射されたレーザビームをX軸及びY軸に垂直なZ軸方向下方に向けて反射させる。集束レンズ335はベンドミラー334により反射したレーザビームを集束して、加工対象物Wに照射する。
ガルバノスキャナユニット340は、スキャンミラー341とスキャンミラー343とのいずれか一方または双方を高速で例えば1000Hz以上で往復振動させることにより、工具軌跡TPを多種の非円形状にすることができる。即ち、一定の光強度以上のレーザビームを単位時間当たりに複数個所へ集束(集光)させることにより、加工対象物Wに接して実質的に加工に寄与する工具形状を、多種の非円形状にすることが任意にできる。
図4、図5、図6、及び、図7を用いて、加工条件CPに、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡TPを制御するか否かが設定された工具軌跡制御情報が含まれていない場合と含まれている場合とについて説明する。図4~図7は、工具軌跡TPを用いて左工具径補正にて切削加工する場合を示している。図4~図6は制御中心点CLがノズル中心点CNと一致する場合を示し、図7は制御中心点CLがノズル中心点CNと一致しない場合を示している。
加工条件CPには、加工対象物Wに対して、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡TPを制御するか否かが設定された工具軌跡制御情報が含まれていない場合と含まれている場合とがある。工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報には、工具軌跡TPと工具軌跡制御範囲と工具軌跡制御比率とが含まれている。
工具軌跡制御範囲は、工具軌跡を制御する範囲であり、工具軌跡TPの制御を開始する位置から最終加工製品の角部に対応する位置までの範囲である。工具軌跡制御比率は工具軌跡TPの工具径を制御する比率である。工具軌跡TPの工具径は工具軌跡制御比率に応じて変更される。
図4は、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていない場合、または、加工条件CPに工具軌跡TPを制御しないように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合を示している。図4は、ノズル106がX方向に移動し、さらにY方向に移動する状態を示している。図4に一点鎖線で示す符号NPはノズル軌跡を示し、かつ、工具軌跡TPの制御中心点CLの軌跡を示している。
工具径補正量演算部201は、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれているか否かを認識する。加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていないと認識された場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPを固定する。これにより、工具軌跡TPの工具径に対応する工具径補正値MVL及びMVRは固定される。加工条件CPに工具軌跡TPを制御しないように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合も同様である。
工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPと工具径補正値MVL及びMVRとが固定された工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。
加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
左工具径補正にて切削加工すると決定された場合、加工軌跡演算部202は、工具径補正情報TCに基づいて、工具軌跡TPと工具径補正値MVLとが固定された工具径補正制御信号TSを生成する。なお、右工具径補正にて切削加工すると決定された場合、加工軌跡演算部202は、工具径補正情報TCに基づいて、工具軌跡TPと工具径補正値MVRとが固定された工具径補正制御信号TSを生成する。
加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、工具径補正制御信号TSに基づいて駆動制御信号CSを生成する。駆動制御部203は、駆動制御信号CSにより、加工機本体100を制御する。加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させてノズル軌跡NP1を制御する。また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、工具軌跡制御部300を駆動させて工具軌跡TPを制御する。
加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていないと認識された場合、または、加工条件CPに工具軌跡TPを制御しないように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動するように、制御中心点CLを基準として工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径は、工具径補正値MVLxまたはMVLyが一定となるように補正される。
図4に示すように、最終加工製品の角部は、固定された工具軌跡TPの工具径により形成される。そのため、最終加工製品の角部には、工具軌跡TPの工具径に応じて未切削領域UAが形成される。
工具径補正量演算部201は、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、工具軌跡TPと、工具軌跡TPにおける制御中心点CLと工具径補正値MVL及びMVRと加工面形成位置MPL及びMPRとを含む工具径補正情報TCを生成する。
図5~図7を用いて、加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合について説明する。図5、図6、及び、図7に示す符号SP1、SP2、及び、SP3は、工具軌跡TPの制御を開始する位置SP(以下、制御開始位置SP(SP1、SP2、及び、SP3)とする)を示している。図5、図6、及び、図7に示す符号KP1、KP2、及び、KP3は、最終加工製品の角部に対応する位置KP(以下、角部対応位置KP(KP1、KP2、及び、KP3)とする)を示している。
図5、図6、及び、図7に示す符号CD1、CD2、及び、CD3は、工具軌跡TPを制御する工具軌跡制御範囲CDを示している。具体的には、工具軌跡制御範囲CD1は、制御開始位置SP1から角部対応位置KP1までの範囲である。工具軌跡制御範囲CD2は、制御開始位置SP2から角部対応位置KP2までの範囲である。工具軌跡制御範囲CD3は、制御開始位置SP3から角部対応位置KP3までの範囲である。
CAM装置21は工具軌跡制御比率CRを任意の値に設定することができる。工具軌跡制御比率CRは、角部対応位置KPにおける工具軌跡TPの工具径TDkを、制御開始位置SPにおける工具軌跡TPの工具径TDs(設計値)で除算した値(CR=TDk/TDs)に相当する。なお、工具軌跡制御比率CRをパーセントで示す場合はCR(%)=(TDk/TDs)×100となる。
図5、図6、及び、図7を用いて工具軌跡TPの制御方法を実施例1、実施例2、及び、実施例3として説明する。
図5は、ノズル106がX方向に移動し、さらにY方向に移動する状態を示している。図5に一点鎖線で示す符号NP1はノズル軌跡を示し、かつ、工具軌跡TPの制御中心点CLの軌跡を示している。図5は、工具軌跡制御情報に工具軌跡制御範囲CD1と工具軌跡制御比率CR1とが設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR1は上記の工具軌跡制御比率CRに相当する。
図5は、工具軌跡制御比率CR1が最小となるように設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR1が最小となる場合とは、角部対応位置KP1における工具軌跡TPの工具径TDkがビームスポットBSのビーム径、具体的にはビームスポットBSのビームウェスト径となる場合である。例えば、工具径TDsを100μmに設定し、工具径TDkを30μm(=ビームウェスト径)に設定する場合、工具軌跡制御比率CR1は30%に設定される。なお、デフォーカスされたレーザビームで加工対象物Wを切削加工する場合には、工具軌跡TPの工具径TDkはデフォーカスされたレーザビームのビーム径となる。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CR1に基づいて、制御開始位置SP1における工具軌跡TPの工具径TDsが角部対応位置KP1で目の工具径TDkとなるように、工具軌跡制御範囲CD1において工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正するための工具径補正情報TCを生成する。さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CR1に応じて、工具軌跡TPの工具径TDに対応する工具径補正値MVLx及びMVRxを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。
工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP1に到達した後に、工具軌跡TPの工具径TDkが設計値の工具径TDsとなるように、工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正するための工具径補正情報TCを生成する。さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径TDに対応させて工具径補正値MVLy及びMVRyを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。
加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
左工具径補正にて切削加工すると決定された場合、加工軌跡演算部202は、工具径補正情報TCに基づいて、工具軌跡制御範囲CD1において工具軌跡TP及び工具径補正値MVLxを連続的または段階的に変化させるための第1の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
また、加工軌跡演算部202は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP1に到達した後に、工具軌跡TP及び工具径補正値MVLyを連続的または段階的に変化させるための第2の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。即ち、工具径補正量演算部201は、第1及び第2の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、工具径補正制御信号TSに基づいて駆動制御信号CSを生成する。駆動制御部203は、駆動制御信号CSにより、加工機本体100を制御する。加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させてノズル軌跡NP1を制御する。また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、工具軌跡制御部300を駆動させて工具軌跡TPを制御する。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動するように、制御中心点CLを基準として工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具軌跡制御範囲CD1において、工具径補正値MVLx及びMVLyが工具軌跡制御比率CR1に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。
また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動し、かつ、加工対象物Wにおける最終加工製品の角部に対応する角部対応位置KP1において工具軌跡TPが目の工具径TDとなるように、制御中心点CLを基準として工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具径補正値MVLxまたはMVLyが工具軌跡制御比率CR1に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。
工具軌跡制御比率CR1が最小となるように設定されている場合、図5に示すように、角部対応位置KP1における工具軌跡TPはビームスポットBSとなる。これにより、最終加工製品の角部は、最小の工具径TDを有する工具軌跡TPにより形成される。そのため、工具軌跡TPを制御しない場合と比較して、角部における未切削領域UAを低減することができる。
図6は、ノズル106がX方向に移動し、さらにY方向に移動する状態を示している。図6に一点鎖線で示す符号NP2はノズル軌跡を示し、かつ、工具軌跡TPの制御中心点CLの軌跡を示している。図6は、工具軌跡制御情報に工具軌跡制御範囲CD2と工具軌跡制御比率CR2とが設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR2は上記の工具軌跡制御比率CRに相当する。
図6は、工具軌跡制御比率CR2が任意の値(g%)に設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR2がg%となる場合とは、角部対応位置KP2における工具軌跡TPの工具径TDkが、制御開始位置SP2における工具軌跡TPの工具径TDsのg%となる場合である。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CR2に基づいて、制御開始位置SP2における工具軌跡TPの工具径TDs(設計値)が角部対応位置KP2で目の工具径TDkとなるように、工具軌跡制御範囲CD2において工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正するための工具径補正情報TCを生成する。さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CR2に応じて、工具軌跡TPの工具径TDに対応する工具径補正値MVLx及びMVRxを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。
工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP2に到達した後に、工具軌跡TPの工具径TDkが設計値の工具径TDsとなるように、工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正するための工具径補正情報TCを生成する。さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径TDに対応させて工具径補正値MVLy及びMVRyを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。
加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
左工具径補正にて切削加工すると決定された場合、加工軌跡演算部202は、工具径補正情報TCに基づいて、工具軌跡制御範囲CD2において工具軌跡TP及び工具径補正値MVLxを連続的または段階的に変化させるための第3の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
また、加工軌跡演算部202は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP2に到達した後に、工具軌跡TP及び工具径補正値MVLyを連続的または段階的に変化させるための第4の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。即ち、工具径補正量演算部201は、第3及び第4の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、工具径補正制御信号TSに基づいて駆動制御信号CSを生成する。駆動制御部203は、駆動制御信号CSにより、加工機本体100を制御する。加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させてノズル軌跡NP1を制御する。また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、工具軌跡制御部300を駆動させて工具軌跡TPを制御する。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動するように、制御中心点CLを基準として工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具軌跡制御範囲CD2において、工具径補正値MVLx及びMVLyが工具軌跡制御比率CR2に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。
また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動し、かつ、加工対象物Wにおける最終加工製品の角部に対応する角部対応位置KP2において工具軌跡TPが目の工具径TDとなるように、制御中心点CLを基準として工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具径補正値MVLxまたはMVLyが工具軌跡制御比率CR2に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。
図6に示すように、最終加工製品の角部は、工具軌跡制御比率CR2(CR2=g%)に応じて制御された工具径TDを有する工具軌跡TPにより形成される。そのため、工具軌跡TPを制御しない場合と比較して、角部における未切削領域UAを低減することができる。
図7は、ノズル106がX方向に移動し、さらにY方向に移動する状態を示している。図7に一点鎖線で示す符号NP3はノズル軌跡を示し、符号CL3は工具軌跡TPの制御中心点CLの軌跡を示している。図7は、工具軌跡制御情報に工具軌跡制御範囲CD3と工具軌跡制御比率CR3とが設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR3は上記の工具軌跡制御比率CRに相当する。
図7は、工具軌跡制御比率CR3が最小となるように設定されている場合を示している。工具軌跡制御比率CR3が最小となる場合とは、角部対応位置KP3における工具軌跡TPの工具径TDkがビームスポットBSのビーム径、具体的にはビームスポットBSのビームウェスト径となる場合である。
例えば、工具径TDsが100μmであり、工具径TDkを30μm(=ビームウェスト径)に設定する場合、工具軌跡制御比率CR3は30%に設定される。なお、デフォーカスされたレーザビームで加工対象物Wを切削加工する場合には、工具軌跡TPの工具径TDkはデフォーカスされたレーザビームのビーム径となる。図7は、工具軌跡制御範囲CD3を含む、工具軌跡TPを制御する範囲において、制御中心点CLがノズル中心点CNと一致しない場合を示している。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御範囲CD3において、ノズル106の工具径を一定とする工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御範囲CD3において、工具軌跡制御比率CR3に基づいて、制御開始位置SP3における工具軌跡TPの工具径TDsが角部対応位置KP3で目の工具径TDkとなる工具径補正情報TCを生成する。
具体的には、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御範囲CD3において、工具軌跡制御比率CR3に基づいて、工具軌跡制御範囲CD3において工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正し、かつ、制御中心点CLをノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動させる工具径補正情報TCを生成する。
さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CR3に応じて、工具軌跡TPの工具径TDに対応する工具径補正値MVLx及びMVRxを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。
工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP1に到達した後に、ノズル106の工具径を一定とする工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径TDkが設計値の工具径TDsとなる工具径補正情報TCを生成する。
具体的には、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正し、かつ、制御中心点CLをノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動させる工具径補正情報TCを生成する。
さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径TDに対応させて工具径補正値MVLy及びMVRyを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。
加工軌跡演算部202は、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
左工具径補正にて切削加工すると決定された場合、加工軌跡演算部202は、工具径補正情報TCに基づいて、工具軌跡制御範囲CD3において、ノズル106の工具径を一定とし、かつ、工具軌跡TP及び工具径補正値MVLxを連続的または段階的に変化させ、かつ、制御中心点CLをノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動させるための第5の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
また、加工軌跡演算部202は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KP3に到達した後に、ノズル106の工具径を一定とし、かつ、工具軌跡TP及び工具径補正値MVLyを連続的または段階的に変化させ、かつ、制御中心点CLをノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動させるための第6の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。即ち、工具径補正量演算部201は、第5及び第6の工具軌跡制御情報を含む工具径補正制御信号TSを生成する。
加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、工具径補正制御信号TSに基づいて駆動制御信号CSを生成する。駆動制御部203は、駆動制御信号CSにより、加工機本体100を制御する。加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させてノズル軌跡NP3を制御する。また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、工具軌跡制御部300を駆動させて工具軌跡TPを制御する。
加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、ノズル106の工具径を一定とし、かつ、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動し、かつ、制御中心点CLがノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動するように工具軌跡TPを制御する。これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具軌跡制御範囲CD3において、工具径補正値MVLx及びMVLyが工具軌跡制御比率CR3に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。
また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、加工面形成位置MPLxまたはMPLyが最終加工製品の外形線に沿って移動し、かつ、加工対象物Wにおける最終加工製品の角部に対応する角部対応位置KP3において、ノズル106の工具径を一定とし、かつ、工具軌跡TPが目の工具径TDとなるように工具軌跡TPを制御する。
これにより、工具軌跡TPの工具径TDは、工具径補正値MVLxまたはMVLyが工具軌跡制御比率CR3に応じて連続的または段階的に変化するように補正される。即ち、工具軌跡TPを制御する範囲では、ノズル軌跡MP3と工具軌跡TPの制御中心点CLの軌跡CL3とは別々に制御されることになる。
ノズル中心点CNを通るノズル106の中心軸を親軸とすると、工具軌跡TPを構成するレーザビームの光軸が子軸に相当する。即ち、工具軌跡TPを制御する範囲において、親軸と子軸とは工具軌跡制御比率CR3に応じて軸分配される。
工具軌跡制御比率CR1が最小となるように設定されている場合、図7に示すように、角部対応位置KP3における工具軌跡TPはビームスポットBSとなる。これにより、最終加工製品の角部は、最小の工具径TDを有する工具軌跡TPにより形成される。そのため、工具軌跡TPを制御しない場合と比較して、角部における未切削領域UAを低減することができる。
図8A及び図8Bに示すフローチャートを用いて、切削加工方法の一例を説明する。CAD装置20は、図8Aに示すフローチャートのステップS1にて、最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて製品形状データSDを生成する。さらに、CAD装置20は、製品形状データSDをCAM装置21へ出力する。
CAM装置21は、ステップS2にて、製品形状データSDに基づいて、切削加工機1の加工プログラムPP(Gコードを含む)を生成し、加工条件CPを指定する。さらに、CAM装置21は加工プログラムPPと加工条件CPとを切削加工機1のNC装置200へ出力する。
NC装置200は、ステップS3にて、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、加工機本体100を制御してX軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させることにより、ノズル106を目の位置へ移動させる。また、NC装置200は、ステップS4にて、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいてレーザ発振器10を制御することにより、レーザビームをノズル106の開口部105から射出し、加工対象物Wに照射する。ステップS3とステップS4とのタイミングは加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて制御される。
NC装置200の工具径補正量演算部201、及び、加工軌跡演算部202には、ステップS2にてCAM装置21から加工プログラムPPと加工条件CPとが入力される。工具径補正量演算部201は、ステップS5にて、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれているか否かを認識する。
工具軌跡制御情報には、加工対象物Wに対して、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡TPを制御するか否かが設定されている。工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報には、工具軌跡制御範囲CDと工具軌跡制御比率CRとが設定されている。加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていると認識された場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御情報が工具軌跡TPを制御するように設定されているか否かを認識する。
加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていないと認識された場合、または、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていると認識され、かつ、工具軌跡制御情報が工具軌跡を制御しないように設定されている場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの工具径を固定する。これにより、工具軌跡TPの工具径に対応する工具径補正値MVL及びMVRは固定される。
工具径補正量演算部201は、ステップS6にて、加工プログラムPPと加工条件CPとに基づいて、工具軌跡TPと、工具軌跡TPにおける制御中心点CLと工具径補正値MVL及びMVRと加工面形成位置MPL及びMPRとを含む工具径補正情報TCを生成する。
ステップS5にて加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていると認識され、かつ、工具軌跡制御情報が工具軌跡を制御するように設定されている場合、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御情報に含まれている工具軌跡制御範囲CDと工具軌跡制御比率CRとを認識する。
工具径補正量演算部201は、ステップS6にて、工具軌跡制御比率CR1に基づいて、制御開始位置SPにおける工具軌跡TPの工具径TDs(設計値)が角部対応位置KPで目の工具径TDkとなるように、工具軌跡制御範囲CDにおいて工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正し、かつ、制御中心点CLがノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動するための工具径補正情報TCを生成する。
さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CRに応じて、工具軌跡TPの工具径に対応する工具径補正値MVLx及びMVRxを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。
工具径補正量演算部201は、工具軌跡TPの加工面形成位置MPLyが角部対応位置KPに到達した後に、工具軌跡TPの工具径TDkが設計値の工具径TDsとなるように、工具軌跡TPの工具径TDを連続的または段階的に補正し、かつ、制御中心点CLがノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動するための工具径補正情報TCを生成する。
さらに、工具径補正量演算部201は、工具軌跡制御比率CRに応じて、工具軌跡TPの工具径TDに対応する工具径補正値MVLy及びMVRyを連続的または段階的に変化させる工具径補正情報TCを生成する。工具径補正量演算部201は、工具径補正情報TCを加工軌跡演算部202へ出力する。
加工軌跡演算部202には、ステップS2にてCAM装置21から加工プログラムPPと加工条件CPとが入力され、ステップS6にて工具径補正量演算部201から工具径補正情報TCが入力される。加工軌跡演算部202は、ステップS7にて、加工プログラムPPに含まれているGコードを翻訳する。さらに、加工軌跡演算部202は、翻訳結果に基づいて、左工具径補正にて切削加工するか、右工具径補正にて切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定する。
加工軌跡演算部202は、図8Bに示すフローチャートのステップS8にて、加工プログラムPPと加工条件CPと工具径補正情報TCと決定された切削加工補正条件とに基づいて、工具径補正制御信号TSを生成する。さらに、加工軌跡演算部202は、工具径補正制御信号TSを駆動制御部203へ出力する。駆動制御部203は、ステップS9にて、工具径補正制御信号TSに基づいて、加工機本体100を制御する駆動制御信号CSを生成する。さらに、駆動制御部203は駆動制御信号CSを加工機本体100へ出力する。
加工機本体100は、ステップS10にて、駆動制御信号CSに基づいて、X軸キャリッジ102及びY軸キャリッジ103を駆動させてノズル軌跡NPを制御する。また、加工機本体100は、駆動制御信号CSに基づいて、工具軌跡制御部300を駆動させて工具軌跡TPを制御する。
ステップS5にて加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていないと認識された場合、または、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていると認識され、かつ、工具軌跡制御情報が工具軌跡TPを制御しないように設定されている場合、加工機本体100は、ステップS11にて、工具軌跡TPの工具径を固定する。これにより、工具軌跡TPの工具径に対応する工具径補正値MVL及びMVRは固定される。
ステップS5にて加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていると認識され、かつ、工具軌跡制御情報が工具軌跡TPを制御するように設定されている場合、加工機本体100は、ステップS12にて、工具軌跡制御範囲CDにおいて、加工面形成位置MPLまたはMPRが最終加工製品の外形線に沿って移動し、かつ、工具軌跡制御比率CRが連続的または段階的に変化するように、工具軌跡TPの工具径TDを制御する。
さらに、加工機本体100は、工具軌跡制御範囲CDにおいて、制御中心点CLがノズル中心点CNに対して切削加工の進行方向DTに連続的または段階的に移動するように、工具軌跡TPを制御する。
本実施形態の切削加工機及び切削加工方法では、工具軌跡TPに基づく補正情報とノズル軌跡NPに基づく補正情報とを含む工具径補正情報TCを生成する。本実施形態の切削加工機及び切削加工方法では、工具径補正情報TCに基づいて加工ユニット104の駆動と工具軌跡制御部300の駆動とを制御することにより、ノズル軌跡NPと工具軌跡TPとを制御する。従って、本実施形態の切削加工機及び切削加工方法によれば、切削工具に相当する工具軌跡、または、ノズルと加工ステージとの相対位置が固定されている状態における切削加工跡が非円形状であっても、切削工具の工具径を精度よく補正することができる。
加工条件CPに、加工対象物Wに対して、最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するときに工具軌跡TPを制御するか否かが設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合がある。本実施形態の切削加工機及び切削加工方法では、加工条件CPに工具軌跡制御情報が含まれていない場合、または、工具軌跡TPを制御しないように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合には、工具軌跡TPの工具径を固定する。
本実施形態の切削加工機及び切削加工方法では、加工条件CPに工具軌跡TPを制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合には、工具軌跡制御範囲CDにおいて工具軌跡制御比率CRが連続的または段階的に変化するように工具軌跡TPの工具径TDを制御する。
従って、本実施形態の切削加工機及び切削加工方法によれば、工具軌跡TPを制御することにより、最終加工製品の角部を目の工具径により形成することができる。これにより、工具軌跡TPを制御しない場合と比較して、最終加工製品の角部における未切削領域UAを低減することができる。
本発明は以上説明した本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。本実施形態の切削加工機及び切削加工方法では、レーザ加工機及びレーザ加工方法を例に挙げて説明したが、本発明は例えばウォータジェット加工機に対しても適用可能である。
本願の開示は、2018年3月12日に出願された特願2018-044116号に記載の主題と関連しており、それらの全ての開示内容は引用によりここに援用される。

Claims (4)

  1. レーザビームを射出するレーザ発振器と、
    前記レーザ発振器より射出されるレーザビームを用いて加工対象物を切削加工する加工機本体と、
    前記加工機本体を制御するNC装置と、
    を備え、
    前記NC装置は、
    前記加工対象物を切削加工することによって得られる最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて設定された加工プログラムと加工条件とに基づいて、前記加工対象物を切削加工する切削工具の工具径を補正するための固定の工具径補正値を含む工具径補正情報を生成する工具径補正量演算部と、
    前記加工プログラムに基づいて左工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するか右工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定し、前記加工プログラムと前記加工条件と、前記固定の工具径補正値を含む前記工具径補正情報と、前記切削加工補正条件とに基づいて、工具径を固定的に補正するための工具径補正制御信号を生成する加工軌跡演算部と、
    前記工具径補正制御信号に基づいて、前記加工機本体を制御する駆動制御信号を生成する駆動制御部と、
    を有し、
    前記加工機本体は、
    前記加工対象物との相対位置を変化させることにより、前記加工対象物を切削加工する加工ユニットと、
    前記駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物に照射されるレーザビームを非円形状の振動パターンで振動させ、前記振動パターンが描く図形の工具軌跡を前記切削工具とすることにより、非円形状を有する前記工具軌跡を制御する工具軌跡制御部と、
    を有し、
    前記加工対象物に対して前記最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するとき、前記加工条件に前記工具軌跡を制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合に、
    前記工具径補正量演算部は、前記工具軌跡の制御を開始する位置から前記最終加工製品の角部に対応する位置まで前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に小さくなるように、工具径補正値を前記固定の工具径補正値から連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、切削加工する位置が前記最終加工製品の角部に対応する位置に到達した後に、前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に大きくなるように、前記固定の工具径補正値まで工具径補正値を連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、
    前記加工軌跡演算部は、前記工具径補正量演算部によって補正された前記工具径補正情報に基づいて、前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号を生成し、
    前記工具軌跡制御部は、前記駆動制御部によって前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号に基づいて生成された駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物における前記最終加工製品の角部に対応する位置において前記工具軌跡が目標の工具径となるように前記工具軌跡を制御する
    削加工機。
  2. 前記工具軌跡制御情報は、前記最終加工製品の角部に対応する位置における工具径を前記工具軌跡の制御を開始する位置における工具径で除算した工具軌跡制御比率を含み、
    前記工具径補正量演算部は、前記最終加工製品の角部に対応する位置における工具径が前記工具軌跡制御比率で決まる工具径となるよう前記工具径補正情報を補正する
    求項1に記載の切削加工機。
  3. 加工対象物を切削加工することによって得られる最終加工製品の寸法及び形状を含む製品形状情報に基づいて設定された加工プログラムと加工条件とに基づいて、前記加工対象物を切削加工するための切削工具の工具径を補正するための固定の工具径補正値を含む工具径補正情報を生成し、
    前記加工プログラムに基づいて左工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するか右工具径補正にて前記加工対象物を切削加工するかのいずれかの切削加工補正条件を決定し、
    前記加工プログラムと前記加工条件と、前記固定の工具径補正値を含む前記工具径補正情報と、前記切削加工補正条件とに基づいて、工具径を固定的に補正するための工具径補正制御信号を生成し、
    前記工具径補正制御信号に基づいて、レーザビームを用いて加工対象物を切削加工する加工機本体を制御する駆動制御信号を生成し、
    前記駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物に照射されるレーザビームを非円形状の振動パターンで振動させ、前記振動パターンが描く図形の工具軌跡を前記切削工具とすることにより、非円形状を有する前記工具軌跡を制御し、
    記加工対象物に対して、前記最終加工製品の角部に対応する部分を切削加工するとき、前記加工条件に前記工具軌跡を制御するように設定された工具軌跡制御情報が含まれている場合に、
    前記工具軌跡の制御を開始する位置から前記最終加工製品の角部に対応する位置まで前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に小さくなるように、工具径補正値を前記固定の工具径補正値から連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、切削加工する位置が前記最終加工製品の角部に対応する位置に到達した後に、前記工具軌跡の工具径が連続的または段階的に大きくなるように、前記固定の工具径補正値まで工具径補正値を連続的または段階的に変化させるよう前記工具径補正情報を補正し、
    補正された前記工具径補正情報に基づいて、前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号を生成し、
    前記工具軌跡の工具径を連続的または段階的に変化させる工具径補正制御信号に基づいて生成された駆動制御信号に基づいて、前記加工対象物における前記最終加工製品の角部に対応する位置において前記工具軌跡が目標の工具径となるように前記工具軌跡を制御する
    削加工方法。
  4. 前記最終加工製品の角部に対応する位置における前記工具軌跡の工具径が、前記加工対象物に照射されるレーザビームのビームスポットの径となるように前記工具径補正情報を補正する請求項3に記載の切削加工方法。
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