JP5028722B2 - レーザ加工方法及びレーザ加工機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザビームを照射して、プリント配線板に必要なビアホールやスルーホールを形成するためのレーザ加工機及び加工方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
プリント配線板とは、図16に示す如く絶縁層101の両面に導体層102を有する基板や、図17に示す絶縁層101及び導体層102が多層に積層された配線板を示す。
【0003】
これらプリント配線板における、絶縁層101の両面にある導体層102間を電気的に接続するための貫通穴(スルーホール)、及びプリント配線板の外層部の導体層102と基板内層部の導体層102を電気的に接続するための止まり穴(ビアホール)を、炭酸ガスレーザなどのレーザビームを用いて形成する加工が従来より行われている。レーザビームによる加工の場合、レーザビームは絶縁層101によく吸収されるが、導体層102にはほとんど反射される為、ビーム入射側の導体層102に黒化処理等のケミカル処理を施し、導体層102へのビーム吸収率を上げることにより、スルーホール加工或いはビア加工を実施している。
【0004】
上述したビーム入射側の導体層2に黒化処理等のケミカル処理を施す場合、ケミカル処理による黒化処理工程が増える分、製造コストが高くなる。そこで、導体層102に対して吸収率の高い、例えば、基本波長1.06μmに対し波長変換をなし、紫外線領域の波長を有したUV−YAGレーザビームで加工を行なうことにより、導体層102と絶縁層101をレーザビームのみで加工を行うことが開発された。
【0005】
レーザビームにより導体層102と絶縁層101を同時に加工を行なう場合、レーザエネルギー密度を大きくする必要があり、この際レーザビーム径は小さく絞られる。ここで、レーザビーム径よりも形成したい穴径が大きい場合、図18に示すようにレーザビーム103を所望の軌跡に走査させて基板104に対してビアホール加工を行なう、いわゆるビームスキャンニング加工が実施されている。
【0006】
図19にスルーホール105の形状を示す。aは加工穴上面からの図、bは加工穴断面図である。ビームスキャンニング加工によるスルーホール加工方法として図20のビームスキャンニング軌跡図に示す加工軌跡中心部106よりガルバノスキャンミラーによりレーザビームをら旋状に任意の増分量で照射させ、また、導体層の厚さ、絶縁層の材質及び厚さの違いによってスキャン速度、レーザビーム出力などの設定を行ないスルーホール加工を行なっている。なお、レーザビームは、図20に示す加工穴形状中心部106よりガルバノスキャンミラーの動作開始と同時に、ビームONとなり、ガルバノスキャンミラー動作終了点107で動作終了と同時にビームOFFとなる。
【0007】
次に、図21にビアホールの形状を示す。ビアホールを加工する際には二段階の加工を行っており、まず第一段階の加工a(導体層2部の加工)では、導体層102の加工をスルーホール加工と同様にビームスキャニング加工で実施する。この際、第一段階の加工が終わった時に同図aに示すように内層導体層部102が溶融したり貫通したりしないようスキャン速度、レーザビーム103の出力などの設定をして絶縁層101の途中まで加工を行う。第二段階の加工b(絶縁層101部の加工)では同図bに示すように内層導体部分へのダメージが軽減するまで出力を下げたレーザビーム103aによって、第一段階の加工同様にビームスキャンニング加工で絶縁層部の加工を行ないビアホールを形成している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ビームスキャンニング加工によるスルーホール或いはビアホール加工の場合、中心部よりビームがスキャンされるので、例えばポリイミド系、エポキシ系等の樹脂で構成されるばあい、図22に示すように絶縁層部101にビームによる熱が蓄積され、膨れが生じる。特に、ガラスクロス108とエポキシ系樹脂の絶縁層101が混在した図23のような複合材料の場合、高出力で加工を実施するため、樹脂部1とガラスクロス108部の融点、蒸発点の違いにより、この傾向が顕著になる。また、ビームスキャンニング加工によるビアホール加工において、絶縁層部が非常に薄い場合、表面導体層を加工する第一段階の加工において絶縁層の途中で止まらず、ビームが内層銅箔まで達してしまい、図24に示す内層導体層(ビアホール底面)の中心部106及び外周部のラップ部分107が溶融したり、最悪貫通してしまうケースがある。これらは、スルーホール或いはビアホール加工後の、メッキ工程でメッキ厚のバラツキが発生し、断線等の不良の原因となり加工品質上問題であり改善することが課題である。
【0009】
本発明は、ビームスキャンニング加工によるビアホール及びスルーホール加工での絶縁層部、内層導体部へのダメージを無くし、高品質なレーザ穴明け加工を実現することを目的としたものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるレーザ加工方法は、導体層と絶縁層を積層した積層材料にレーザビームを所望の軌跡で照射し、導体層と絶縁層を除去する加工方法において、上記レーザ照射を上記軌跡の移動開始時より所定時間遅延させて開始するものである。
【0011】
また、上記レーザ照射に関し、レーザビームを所望の軌跡に照射するためのスキャンミラーが一定速度に達した後に開始するものである。
【0012】
また、上記レーザ照射に関し、スキャンミラーが予め設定された回転数に達した時点で、開始するものである。
【0013】
また、レーザビームOFFの際、照射されるレーザビームのエネルギーを徐々に低下させるものである。
【0014】
また、レーザビーム照射開始の際、照射されるレーザビームのエネルギーを徐々に上昇させるものである。
【0015】
また、所望の軌跡で照射する際に、外周部のみ所定のレーザエネルギーで加工を行うものである。
【0016】
また、絶縁層部のみを加工する目的で、エネルギー密度が低く、拡大したレーザビームを第二段階加工として照射するものである。
【0017】
また、本発明にかかるビームスキャニング加工を行うレーザドリル加工機は、レーザ発振器と、このレーザ発振器より出射されたレーザ光をスキャンし、被加工物に照射するための光学部と、上記レーザ発振器に対し、レーザ発振のタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、タイミング制御部は、上記光学部によるスキャン速度が一定になった際にレーザ発振を行わせるものである。
【0018】
また、レーザ発振器より出射されるレーザビームのエネルギーを徐々に調整する調整回路を備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態に係るUV−YAGレーザドリル加工装置の構造を示す構造概念図である。図において、1はレーザ発振器、2はレーザ発振器1より出射されたレーザ光、3はX方向スキャンニングを行うガルバノスキャンミラーX、4はY方向スキャンニングを行うガルバノスキャンミラーY、5はfθレンズ、6は加工対象物である。
【0020】
ガルバノスキャンニング加工の原理は、以下のとおりである。発振器1から出射されたレーザビーム2はガルバノスキャンミラー3,4により走査され、fθレンズ5により微小スポット径に集光され、その集光されたレーザビームが加工対象物6上の任意の位置に照射される。このときガルバノスキャンミラーは、加工対象物にレーザビームが所望の軌跡で照射され、連続的に動作する。
【0021】
図2は、ガルバノスキャンニング加工の制御形態を示すブロック図である。ガルバノスキャンニングミラーの動作及び発振器1からのレーザビームのパルス出力のON、OFFはNC装置7からDSPボード8を介した指令によって行われる。ガルバノミラーのスキャンニング方法、例えば何回転動作をおこなうか、1回転あたりの開始点である中心部からの増分量、スキャンニング速度など、あらかじめNC装置7に設定されたデータをもとに、演算処理された値がDSPボード8を介してガルバノドライバー装置9に転送される。
【0022】
図3は、NC装置7からガルバノドライバー装置9及び発振器1へのガルバノ速度指令とビームON、OFF指令のタイミングチャートである。ガルバノスキャンミラーはNC装置7からのスキャンニング開始の指令値S1をもとに図4に示す加工穴形状の中心部P1よりスキャンニングを開始する。中心部よりら旋状に任意の増分量で動作を開始したガルバノスキャンミラーが一定速度に達した後、或いは、予めNC装置7に設定されていた回転数に達した時点、即ち図4におけるP2で、NC装置7からDSPボード8を介して発振器1側へビームONの指令S2がされ、発振器1よりレーザビームがパルス出力され加工が開始される。その後、設定回転数分ガルバノスキャンミラーが動作し、動作停止指令S3を受けたと同時に、ビームOFFの指令がNC装置7からDSPボード8を介して発振器1側へ送られ、ビア加工終了となる。
【0023】
本実施の形態では、NC装置7からDSPボード8を介して発振器1側へビームONを開始(S2の出力)する回転数を任意に設定する機能を有し、ビームONのタイミングを任意に設定することができる。そのため、ビア内部に蓄積する熱量を制御でき、スルーホール及びビアホール加工時の絶縁層部への膨れを抑制することができる。なお、ビア加工において、あらかじめスキャニングするら旋状の増分が定まっていることから、ら旋状の総回転数のうちビームONする回転数を設定すればよい。また、ビアホール加工においては、ガルバノが一定速度になった時点でビームを照射するようレーザビーム出力ONのタイミングを遅らせることができるため、単一面積あたりのビーム照射量の割合が一定(ビア内部の熱の蓄積量をコントロールすることができる)になり加工穴内層導体部の中心部へのダメージを抑制できる。また、中心部よりガルバノのスキャンニングが始動すると同時にビームONを行う従来の加工方法においては、発振器からレーザビームが一定の周波数でパルス出力されているため、ガルバノのスキャン速度が一定速度に達する速度立上がり部分で、単一面積あたりのビーム照射量の割合が大きくなり、中心部が溶融及び貫通するといった問題があったが、ガルバノが一定速度になった時点でビームを照射するようレーザビーム出力ONのタイミングを遅らせることができるため、単一面積あたりのビーム照射量の割合が一定(ビア内部の熱の蓄積量をコントロールすることができる)になり、中心部へのダメージを抑制できる。
【0024】
実施の形態2.
ビアホール加工の場合、絶縁層が薄くなると、タイミングチャート図3に示す加工方法のようにビームONの開始タイミングを制御しガルバノスキャン動作が一定速度になった時点でビームを照射すれば、図4に示す加工穴内層導体部の中心部P1へのダメージは防げるが、加工穴内層導体部の外周部のビームラップ部分P3においては表面導体層の加工を一度行った部分を再度同じエネルギー出力のビームを通過させて加工を行うため、外周部のビームラップ部分P3が溶融もしくは貫通する。そこで、本実施の形態では、図5に示すようにDSPボード8の信号を一旦、出力調整装置10に取り込み、図4に示したビームラップ部分P3の直前のP4よりレーザビーム出力を徐々に低下させながらOFFを行ない、再びスキャニングされるビームラップ部分P3への溶融、貫通等のダメージを抑制するものである。
【0025】
ビームOFFの指令が出力調整装置10に入力されると、出力調整装置10内のタイマー回路11及びスロープ回路12で処理が行わる。タイマー回路11では、DSPボード8からのビームOFF指令後の図6に示すビームON延長時間T1が決定され、スロープ回路12では、ビームON延長時間T1内でどれ位出力を低下させるかの割合(傾き)が決定され発振器1へ指令される。
【0026】
図6は、ガルバノ速度指令とDSPボード8からの指令及びビームON、OFF指令のタイミングチャートである。DSPボード8から出力調整装置10にビームOFFの指令が送られると、出力調整装置10からのビームON延長時間T1、出力低下の傾きの出力調整装置10にあらかじめ設定された条件に従い、レーザビーム出力が徐々に低下しOFFとなる。なお、レーザ出力低下の際には1パルス波形のピーク値のみが低下しパルス幅は一定の状態で1パルスエネルギーが徐々に低下しいく。
【0027】
本実施の形態によれば、P4の位置よりレーザ出力低下を行い、再び通過するP3の位置にてレーザ出力を停止するので、実施の形態1の効果に加え、加工穴内層導体部の外周部のビームラップ部分P3への溶融、貫通等のダメージを抑えることができる。また、従来のスキャンニング加工の場合、表面導体層の加工を一度行った部分を再度同じエネルギー出力のビームを通過させるため、内層導体層の外周部のラップ部分に溶融、貫通等のダメージが入り、その結果、メッキ工程でメッキ不良が発生していたが、本実施の形態によれば、一度加工された部分を通過するときに、絶縁層のみ加工できるレーザビーム出力まで低下させているので、内層導体層へのダメージを抑制し、高品質なビアホールを形成することができるので、メッキ不良問題も改善することができる。
【0028】
実施の形態3.
絶縁層部が非常に薄い基板におけるビアホール加工の場合、一度のスキャンニング加工で内層導体部表面付近まで加工されてしまうことがある為、ガルバノ停止直前の出力制御だけでは、図4に示す加工穴内層導体部の外周部のビームラップ部分P3への溶融、貫通等のダメージを抑えることは困難となってくる。そのため、本実施の形態では、図4に示すガルバノスキャン動作が外周部に到達した位置つまりビームラップ部分P3より所定の強度でビームONを行うべく、図7に示す出力調整装置13によりレーザビーム出力を加工出力まで徐々に上げていき、ビームラップ部P3より所定の強度で外周部を加工し、P4に到達した時点より出力調整装置10によりレーザビーム出力を徐々に低下させながらOFF制御を行ない、ビームラップ部分P3への溶融、貫通等のダメージを抑制するものである。
【0029】
図8は、ガルバノ速度指令とDSPボード8からの指令及びビームON、OFF指令のタイミングチャートである。ガルバノスキャンミラーはNC装置7からのスキャンニング開始の指令値S1をもとに図4に示す加工穴形状の中心部P1よりスキャンニングを開始する。中心部よりら旋状に任意の増分量で動作を開始したガルバノスキャンミラーが一定速度に達した後、或いは、予めNC装置7に設定されていた回転数に達した時点、即ち図4におけるP2で、DSPボード8から出力調整装置13にビームONの指令S4が送られると、出力調整装置13にあらかじめ設定された加工出力までの到達時間T2、出力上昇の傾きの条件に従い、レーザビーム出力が徐々に上昇し加工を行う。なお、タイマー回路14では、DSPボード8からのビームON指令後の図8に示す到達時間T2が決定され、スロープ回路15では、到達時間T2内でどれ位出力を上昇させるかの割合(傾き)が決定され発振器1へ指令される。ここで、レーザ出力上昇の際には1パルス波形のピーク値のみが上昇しパルス幅は一定の状態で1パルスエネルギーが徐々に上がっていく。
【0030】
その後、ガルバノスキャン動作が図4のラップ直前部P4に到達した時点よりDSPボード8から出力調整装置10にビームOFFの指令が送られると、出力調整装置10にあらかじめ設定されたビームON延長時間T1、出力低下の傾きの条件に従い、レーザビーム出力が徐々に低下しOFFとなる。なお、レーザ出力低下の際には1パルス波形のピーク値のみが低下しパルス幅は一定の状態で1パルスエネルギーが徐々に低下し、ビアホール加工終了となる。
【0031】
本実施の形態によれば、絶縁層が極めて薄い基板に関しては、ガルバノスキャン動作が軌跡の外周部に到達した時点で所定の出力となるように、ビームON時には加工出力を徐々に上昇させ、ビームON初期の絶縁層部の加工を抑制しておくことにより、実施の形態2の効果に加え、より加工穴内層導体部の外周部のビームラップ部分P3への溶融、貫通等のダメージを抑えることができる。
【0032】
実施の形態4.
実施の形態1〜3により、図9で示される第一段階加工が終了した後、ビアホール加工で絶縁層部を加工する第二段階加工では、図10に示すように第一段階加工で形成されたビアホール寸法以上に拡大され且つ内層導体部へダメージが入らないようなエネルギー密度を有したレーザビーム16を照射し絶縁層部分の加工を実施する。第一段階加工時に残った導体部の一部17は図11に示すように絶縁部がレーザビームを吸収し蒸発する際、除去されてしまうため、内層導体部へのダメージが無く高品質なビアホールの加工ができる。
【0033】
実施例
図12は、導体層9μm、絶縁層が50、100、150、200μmの種類のサンプルに対して、ガルバノスキャンニングによるスルーホール加工を行った際の絶縁層部膨れ具合を評価した実験結果である。狙いビアホール径をφ75μm、ガルバノスキャンミラーがら旋状に回転する回転数を4回転とし、ビームONのタイミングを中心部(スキャンニング動作開始と同時にビームON実施)、1回転目、2回転目、3回転目になったところから開始した場合、メッキ工程でメッキを実施し、導通試験で良好なものは○不良がでたものには×をつけている。実験結果よりビームONタイミングを遅くしビア内部に蓄積する総エネルギーを減らした方が良好な結果が得られているのが確認できた。
【0034】
図13は、導体層9μm、絶縁層が25、50、75μmの3種類のサンプルに対して、ビアホール加工を行った際の内層導体部へのダメージを評価した実験結果である。狙いビアホール径をφ75μm、ガルバノスキャンミラーがら旋状に回転する回転数を4回転とし、出力制御有無の場合においてビームONのタイミングを中心部(スキャンニング動作開始と同時にビームON実施)、1回転目、2回転目、3回転目になったところから開始した場合、内層導体部が溶融もしくは貫通したものには×、ダメージが無く良好なものには○をつけている。実験結果よりビームONタイミングを遅くしレーザビーム出力を徐々に低下させながらOFFを行った場合、絶縁層部が25μmと非常に薄い基板に対しても外周部ラップ部分の溶融、貫通を防ぐことができ、加工可能になったことが確認できた。
【0035】
図14は、導体層厚9μm、絶縁層厚18μmのサンプルを使用し、ガルバノスキャンニングを中心部より動作させ、外周部に到達したP5でビームをONし、P5とラップする直前P6で加工を終了した状態を示す状態図である。その際、出力制御をビームON、OFF時有効(実施の形態3)と、ビームOFF時のみ有効(実施の形態2)にしたときの絶縁層深さ方向における加工比較を図15に示す。ビームON時に出力制御を有効にして加工を行った場合、ビームON時に出力制御無しの場合に比べ、絶縁層部の浅い位置で絶縁層の除去を止めることができるのでビアホール加工で外周部でビームをラップさせる際、溶融、貫通を抑制することができる。
【0036】
【発明の効果】
本発明によれば、高エネルギーかつビーム径を絞ったレーザビームを用いたスキャンニングによる軌跡加工において、スキャン動作時のレーザビームONタイミングを制御することによって、ビアホール内部の熱の蓄積量をコントロールすることができるようになり高品質のレーザビーム加工を実現することができる。
【0037】
また、ビームOFF時にレーザビーム出力を徐々に低下させてラップさせることにより、内層導体層が溶融、貫通しない高品質のレーザビーム加工を実現することができる。
【0038】
さらに、絶縁層部の非常に薄い基板に関しても、ビームON時にレーザビーム出力を徐々に上昇させ、ビームOFF時にレーザビーム出力を徐々に低下させてラップさせる制御を行なうことにより、内層導体層が溶融、貫通しない高品質のレーザビーム加工を実現することができるようになり、メッキ不良問題も改善できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 UV−YAGレーザドリル加工装置の構造を示す構造概念図である。
【図2】 ガルバノスキャンニング加工の制御形態を示すブロック図である。
【図3】 NC装置からガルバノドライバー装置及び発振器1へのガルバノ速度指令とビームON、OFF指令のタイミングチャートである。
【図4】 スキャンニング動作説明図である。
【図5】 ガルバノスキャンニング加工の制御形態を示すブロック図である。
【図6】 ガルバノ速度指令とDSPボードからの指令及びビームON、OFF指令のタイミングチャートである。
【図7】 ガルバノスキャンニング加工の制御形態を示すブロック図である。
【図8】 ガルバノ速度指令とDSPボード8からの指令及びビームON、OFF指令のタイミングチャートである。
【図9】 スキャンニング加工ビアホール形状を示す図である。
【図10】 ビアホール第二段階の加工法を示す図である。
【図11】 ビアホール第二段階の加工状態図である。
【図12】 スルーホール加工実験結果を示す図である。
【図13】 ビアホール加工実験結果を示す図である。
【図14】 スキャンニング加工形状を示す図である。
【図15】 ビームON時出力制御有無比較を示す図である。
【図16】 絶縁層の両面に導体層を有する配線板を示す図である。
【図17】 絶縁層及び導体層が多層に積層された配線板を示す図である。
【図18】 ビームスキャンニング加工を示す図である。
【図19】 スルーホールの形状を示す図である。
【図20】 ビームスキャンニング軌跡図を示す図である。
【図21】 ビアホールの形状を示す図である。
【図22】 加工不良状態のスルーホール形状断面図である。
【図23】 加工不良状態のスルーホール形状断面図である。
【図24】 内層導体部溶融位置を示す図である。
【符号の説明】
1 レーザ発振器、2 レーザ光、3 ガルバノスキャンミラーX、4 ガルバノスキャンミラーY、5 fθレンズ、6 加工対象物、7 NC装置、8 DSPボード、9 ガルバノドライバー装置、10 出力調整装置(出力DOWN)、11 タイマー回路、12 スロープ回路、13 出力調整装置(出力UP)、14 タイマー回路、15 スロープ回路。

Claims (8)

  1. 導体層と絶縁層を積層した積層材料に貫通穴または内層導体部までの止まり穴を形成するに当たり、レーザビームを形成する穴の中心部より外周部へら旋状にガルバノスキャンミラーで走査し、導体層と絶縁層を除去するレーザ加工方法において、
    形成する穴の中心部よりガルバノスキャンミラーにてレーザビームの走査開始このガルバノスキャンミラーによるスキャン速度が一定になった後、レーザビームを照射開始することを特徴とするレーザ加工方法。
  2. ガルバノスキャンミラーによりら旋状に走査されるレーザビームの走査の回転数が、ガルバノスキャンミラーのスキャン速度が一定になる回転数に達した後、レーザビームを照射開始することを特徴とする請求項1に記載のレーザ加工方法。
  3. ら旋状に走査されるレーザビームの走査軌跡の外周部において、一度加工を行った部分に再度レーザビームを走査する際、照射されるレーザビームのエネルギーを徐々に低下させることを特徴とする請求項1または2何れかに記載のレーザ加工方法。
  4. レーザビーム照射開始の際、照射されるレーザビームのエネルギーを徐々に上昇させることを特徴とする請求項1乃至何れかに記載のレーザ加工方法。
  5. 所望の軌跡で照射する際に、レーザビームのら旋状の走査軌跡の外周部のみ所定のレーザエネルギーで加工を行うことを特徴とする請求項に記載のレーザ加工方法。
  6. 上記ら旋状にレーザビームを走査して加工を行った後、この加工におけるレーザビームよりもエネルギー密度が低く、この加工における加工範囲よりも拡大したビーム径を有するレーザビームを、この加工における加工範囲に照射することを特徴とする請求項1乃至何れかに記載のレーザ加工方法。
  7. レーザ発振器と、
    このレーザ発振器より出射されたレーザ光をスキャンし、被加工物に照射するためのガルバノスキャンミラーと、
    上記ガルバノスキャンミラーの動作を制御する制御装置と、
    上記レーザ発振器に対し、レーザ発振のタイミングを制御するタイミング制御部と、を備え、
    前記制御装置は、導体層と絶縁層を積層した積層材料に貫通穴または内層導体部までの止まり穴を形成するに当たり、レーザビームを形成する穴の中心部より外周部へら旋状にレーザビームを走査するようにガルバノスキャンミラーを制御し、
    前記タイミング制御部は、前記制御装置により制御されたガルバノスキャンミラーのスキャン速度が一定になったにレーザ発振器にレーザ発振を行わせることを特徴とするレーザ加工機。
  8. 請求項7に記載のレーザ加工機において、前記タイミング制御部は、前記制御装置により制御されたガルバノスキャンミラーによりら旋状に走査されるレーザビームの走査の回転数が、ガルバノスキャンミラーのスキャン速度が一定になる回転数に達した際にレーザ発振器にレーザ発振を行わせることを特徴とするレーザ加工機。
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