JP6596103B2 - 多重反射型tof質量分光計およびtof質量分析方法 - Google Patents

多重反射型tof質量分光計およびtof質量分析方法 Download PDF

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Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月30日に出願の英国特許出願第1507363.8号の優先権、および利益を主張する。この特許の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
発明の分野
本発明は、一般に、質量分光計、特に、多重反射型飛行時間質量分光計(MR−TOF−MS)およびそれらの使用に関する。
飛行時間質量分光計は、広範な質量範囲を高速に分析することを特徴とする、多方面で使われている分析化学ツールである。多重反射型飛行時間質量分光計(MR−TOF−MS)は、イオン光学素子間での多重反射を使用することにより得られる飛行経路の延長によって分解能力を実質的に高めると認識されてきた。このような飛行経路の延長は、例えば、特許文献1に記載されているように、イオンミラーでイオンを反射することにより、または例えば、非特許文献1に記載されているように、セクターフィールドでイオンを曲げることにより、イオン経路を折り返すことが必要である。イオンミラーを使うMR−TOF−MS装置は、高次の、エネルギー拡散イオンの時間集束、および空間拡散イオンの時間集束に起因して、より大きなエネルギーおよび空間アクセプタンスという重要な利点を与える。
英国特許第2080021号公報 ソビエト連邦特許第1725289号公報 国際公開第2005/001878号パンフレット 国際公開第2007/044696号パンフレット 国際公開第2011/107836号パンフレット 国際公開第2011/135477号パンフレット 英国特許2476964号公報 国際公開第2011/086430号パンフレット 国際公開第2013/063587号パンフレット 米国特許出願公開第2011/186729号明細書 英国特許第2396742号公報 特開第2007−227042号公報 国際公開第2014/074822号パンフレット 国際公開第2006/102430号パンフレット
Toyoda et al.,J.Mass Spectrometry 38(2003)1125
MR−TOF−MS装置は、基本的に延長された飛行経路および高解像度をもたらすが、小さいサイズのイオンパケットおよび延長された飛行時間での飛行経路中にイオンを注入する直交加速器がデューティサイクルの低下を引き起こすので、これまでは、十分な感度が得られてはいない。
特許文献2は、図1に示すタイプの折り返し経路の平面型MR−TOF−MS装置を導入した。この装置は、イオンを反射するためのドリフトZ方向に沿って伸長する2つの2次元グリッドレスイオンミラー12、装置中にイオンを注入するための直交加速器13、およびイオンを検出するための検出器14を含む。分かりやすくするために、本記載全体を通して、平面型MR−TOF−MS装置は標準的デカルト座標系で記載される。すなわち、X軸は、飛行時間の方向、つまり、イオンミラー間の反射の方法に一致する。Z軸は、イオンのドリフト方向に一致する。Y軸は、X軸およびY軸の両方に直交する。
図1を参照すると、使用時には、イオンは、加速器13によりイオンミラー12の1つの方向に、X軸に対し傾斜角αで加速される。したがって、イオンは、X方向に速度を有し、また、Z方向にドリフト速度を有する。イオンは、装置に沿ってZ方向にドリフトする間、検出器14に衝突するまで2つのイオンミラー12の間で連続的に反射される。したがって、イオンは、X−Z面内でジグザグ(ジグソー型)の平均軌道をたどる。イオンは、ミラー反射毎にZ=Csinαの増分でZ方向に沿って前進する。式中、Cは、イオンミラーの隣接反射点の間の飛行経路である。しかし、ドリフトZ方向でのイオン集束は行われず、そのため、イオンパケットはドリフトZ方向に発散する。ドリフトZ方向でイオンがオーバーラップする前に、約20mのイオン飛行経路を可能とすることにより、100000〜200000の質量分解能力を実現するように、イオンミラー12の間に低発散性イオンパケットを導入することは理論的に可能である。しかし、実際には、イオンが装置中で往復する間に、直交加速器13にイオンを衝突させることなく、数ミリメートルを超えるZ方向の長さのミラー12の間の空間中にイオンパケットを注入することは不可能である。この欠点は、100,000の質量分解能力で、分光計のデューティサイクルを0.5%未満までに制限する。
特許文献3は、イオンビームがZ方向に発散するのを防いで、イオン飛行経路の延長および分光計解像度の向上を可能とすることにより上記の問題を克服するように、フィールドフリー領域内に一連の周期的レンズを設けることを提案している。
特許文献4は、周期的レンズの収差を減少させて、同時に直交加速器のデューティサイクルを向上させるように、直交加速器を分析計のイオン経路面に実質的に直交する方向に向けることをさらに提案している。本技術は、周期的レンズのZ収差に対しイオンミラーのより小さい空間Y収差を利用する。しかし、直交加速器のデューティサイクルは、それでもまだ、100,000の分析計解像度で約0.5%に制限される。
特許文献5は、MR−TOF−MSのデューティサイクルをさらに改善するために、別の手法を導入した。この手法は、いわゆる、オープントラップ分析計を使用し、反射の数は固定されず、スペクトルは一連のイオン反射に対応するシグナル多重線から構成され、飛行時間スペクトルは多重線シグナルの復号化により回復される。この構成は、直交加速器および検出器の両方の伸長を可能とし、それにより、デューティサイクルを向上させる。
しかも、特許文献5および特許文献6に記載のように、周波数符号化パルシング、およびこれに続けて、スペクトル復号化ステップを使って、直交加速デューティサイクルのさらなる向上が達成できる。これらの両方の技術は、高解像度MR−TOF−MS装置(例えば、解像能力100,000)と組み合わされたタンデム型質量分析に特に好適する。理由は、スペクトル復号化ステップは、希薄な質量スペクトル集団に強く依存するためである。しかし、これら両方の技術は、MSのみの分析計のダイナミックレンジを制限する。理由は、スペクトル集団は、主要シグナル中の1E−3〜1E−4のレベルで発生する、化学的バックグラウンドノイズが問題になるためである。
特許文献7および特許文献8は、ドリフトZ方向のイオンミラーを弯曲化し、それにより、中空円筒状静電イオントラップまたはMR−TOF分析計を形成し、より高い質量分解能力のためにイオン飛行経路のさらなる延長を可能とし、また、直交加速器デューティサイクルを向上させるためにZ方向のイオンパケットサイズの拡大を可能とすることを提案している。円筒状MR−TOF中の極めて長い飛行経路では、質量分解能力は、もはや初期時間のイオンパケットの拡散により制限されないが、むしろ、分析計の収差により制限される。飛行時間(TOF)の収差は、主として、(i)飛行方向XのイオンエネルギーK拡散;(ii)Y方向のイオンパケットの空間拡散;および(iii)ドリフトZ方向のイオンパケットの空間拡散に起因し、周期的レンズの球面収差を引き起こす。
特許文献9は、エネルギーKおよびY拡散に対するイオンミラーの等時性を改善するが、周期的レンズの収差は、残されたままの分析計の大きなTOF収差である。これらのレンズ収差を減らすために、特許文献10は、いわゆる、準平面型イオンミラー、すなわち、空間変調イオンミラー界を開示している。しかし、このようなミラーのTOF収差の十分な除去は、Z方向の静電界変調の周期がミラーウインドウのYの高さと同程度かまたはそれより大きい場合にのみ実現できる。これは、イオン軌道の折り返しの密度および実用的な分析計サイズでの飛行経路延長を大きく制限する。さらに、Z方向の周期的変調はまた、界のY成分に影響を与え、分析計の調整を複雑化する。このように、特許文献8の円筒状分析計は、特許文献9のミラーを改善し、特許文献10の準平面型分析計は、より高いデューティサイクルを可能とするように直交加速器長さのある程度の伸長を可能とするが、方策は非常に限られている。
このように、先行技術のMR−TOF−MS装置は、高感度および高解像度両方を有する装置を得ようとして苦心している。
改善された分光計および改善された分光測定法を提供することが望まれている。
本発明は、多重反射型飛行時間質量分光計(MR TOF MS)を提供し、該質量分光計は、
互いに間隔を置いて第1の次元(X次元)に配置され、それぞれ第1の次元と直交する第2の次元(Z次元)に伸長している2つのイオンミラー、および
第1と第2の次元に対し一定の角度で配置される軌道に沿って移動し、イオンが第2の次元(Z次元)の空間を通ってドリフトする間、第1の次元(X次元)でイオンがミラー間で繰り返して往復するようにミラーの間の前記空間にイオンパケットを導入するためのイオン導入機構、を含み、
イオンが第2の次元(Z次元)で前記空間を通ってドリフトする間、イオンが第1と第2の両次元と直交する第3の次元(Y次元)でも往復するようにミラーおよびイオン導入機構が配置および構成され、
分光計は、イオンが第1の次元(X次元)で複数回往復した後で、イオンを受け取るように配置されたイオン受容機構を含み、
少なくとも一部のイオン導入機構および/または少なくとも一部のイオン受容機構がミラーの間に配置される。
本発明は、第3の次元(Y次元)でイオンを往復させるので、イオンは、イオンミラー間の第1の次元(X次元)で反射される場合、イオン導入機構および/またはイオン受容機構をバイパスすることができる。したがって、イオンが、イオン導入機構および/またはイオン受容機構に衝突することなく、イオンミラーの1つによるそれぞれの反射中に第2の次元(Z次元)を移動する距離は、前記少なくとも一部のイオン導入機構の長さおよび/または前記少なくとも一部のイオン受容機構の長さ(第2の次元で測定される長さ)より小さくすることができる。したがって、第2の次元(Z次元)の一定の長さを有する分析計に対し、イオンは第1の次元(X次元)で比較的大きな数の往復を行うことができ、したがって、比較的長いイオン飛行時間経路長および分析計の高解像度を得ることができる。
また、イオンがイオンミラー間で第1の次元(X次元)の前後に反射されるので、イオンがイオン導入機構に衝突することなく、イオン導入機構は第2の次元(Z次元)で比較的長い長さを有することができる。これにより、この装置が向上したデューティサイクルおよび低減した空間電荷効果を有することが可能となる。
比較的長いイオン導入機構の使用により、第2の次元(Z次元)に比較的長い長さを有するイオンパケットの導入が可能となる。したがって、第2の次元(Z次元)でのイオンパケットの拡散または発散は、イオンパケットの長さに比べて比較的小さい。したがって、分光計は、イオン導入機構からイオン受容機構までのイオン飛行経路中にイオン光学レンズ(例えば、イオンを第2の次元に集束させるレンズ)を設けなくてもよい。これにより、このようなレンズにより導入されるはずの収差が回避される。
本発明はまた、イオンがイオンミラー間で第1の次元(X次元)の前後に反射されるので、イオンがイオン受容機構に衝突することなく、イオンイオン受容機構が第2の次元(Z次元)で比較的長い長さを有することを可能とする。これは、例えば、イオン受容機構が検出器である場合に有用であり得る。理由は、これにより検出器の寿命およびダイナミックレンジを向上させることが可能となるためである。
イオンミラーは質量分析法の技術分野において良く知られた装置であるため、本明細書では詳細に説明しないことにする。しかし、本明細書で記載の実施形態では、イオンを反射するための電界を生成するように、電圧がイオンミラーの電極に印加されることは理解されよう。イオンは、電界の方向にほぼ平行な軌道に沿ってイオンミラー内に入り得、電界により減速されて、方向転換され、その後、イオンミラーの中から外へ電界にほぼ平行な方向に電界により加速される。
特許文献11(Bruker)および特許文献12(Joel)はそれぞれ、飛行領域により分離されている2つの対向する電界セクターを含む装置を開示している。イオンは、対向する電界セクターにより、装置を通って8の字型のパターンで誘導される。しかし、これらの装置は、反射を行う2つのイオンミラーを有さないため、本発明のイオンミラー系より汎用性が少ない。当業者なら、電界セクターはイオンミラーではないことを理解するであろう。当業者は、BrukerまたはJoelの教示に基づいて、本出願で主張されるような上記のミラー系MR−TOF−MS装置に関連する問題を克服するように動機づけされないであろう。理由は、BrukerおよびJoelの特許は、ミラーによるMR−TOF−MS装置に関連しないためである。
本発明のいくつかの実施形態では、イオン導入機構は、制御装置、少なくとも1種の電圧源(すなわち、少なくとも1つのDCおよび/またはRF電圧源)、電子回路網および電極を含む。制御装置は、回路網を介して電極に電圧を印加する電圧源を制御し、第1と第2の次元に対し一定の角度の前記軌道に沿ってイオンをイオンミラーの1つにパルス出力するように配置および構成されたプロセッサーを含み得る。プロセッサーはまた、回路網を介して電極に電圧を印加する電圧源を制御し、第3の次元(Y次元)でイオンが往復するように、1つのイオンミラー中に、およびそのミラー軸に対して一定の角度または位置で、イオンをパルス出力するように配置および構成され得る。あるいは、または追加して、分光計はまた、制御装置、少なくとも1つの電圧源(すなわち、少なくとも1つのDCおよび/またはRF電圧源)、第3の次元(Y次元)でイオンを往復させるように電子回路網およびミラー電極に印加される電圧を回路網を介して制御するための電極を含む。
イオンは、第3の次元(Y次元)で軸のまわりおよび最大振幅の位置間で往復し得、前記少なくとも一部のイオン導入機構および/または前記少なくとも一部のイオン受容機構は、最大振幅の位置間の空間の一部のみのまわりで伸長するように配置され得る。これにより、イオン導入機構および/またはイオン受容機構が存在しない空間を通ってイオンが移動し、それにより、少なくとも一部の第1の次元(X次元)中での往復中に、これら両構成要素の1つをバイパスするのが可能となる。
前記少なくとも一部のイオン導入機構の位置および次元が本明細書で言及される場合、これらは、最大振幅の位置間に配置されたイオン導入機構の一部の位置および次元を指し得る。同様に、前記少なくとも一部のイオン受容機構の位置および次元が本明細書で言及される場合、これらは、最大振幅の位置間に配置されたイオン受容機構の一部の位置および次元を指し得る。
イオンミラーおよびイオン導入機構は、第1の次元(X次元)のミラー間でのイオンのそれぞれの反射中にイオンを第2の次元(Z次元)に距離Z移動させるように構成され得る。この場合、距離Zは、前記少なくとも一部のイオン導入機構の第2の次元(Z次元)の長さおよび/または前記少なくとも一部のイオン受容機構の第2の次元(Z次元)の長さより小さい。前記少なくとも一部のイオン導入機構の第2の次元(Z次元)の長さは、ミラー間に配置されたイオン導入機構の一部の長さ、または最大振幅の前記位置間に配置されたイオン導入機構の一部の長さであってよい。同様に、前記少なくとも一部のイオン受容機構の第2の次元(Z次元)の長さは、ミラー間に配置されたイオン受容機構の一部の長さ、または最大振幅の前記位置間に配置されたイオン受容機構の一部の長さであってよい。
必要に応じて、前記少なくとも一部のイオン導入機構の第2の次元(Z次元)の長さおよび/または前記少なくとも一部のイオン受容機構の第2の次元(Z次元)の長さは、距離Zの距離の4倍までである。
イオンミラーおよびイオン導入機構は、イオンが第1と第2の次元(XおよびZ次元)で前記少なくとも一部のイオン導入機構と同じ位置を有する場合、イオンが第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、イオンを第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成し得、それにより、イオンが第1の次元(X次元)で往復する間、イオンの軌道が前記イオン導入機構を少なくとも1回バイパスする。
あるいは、または追加して、イオンミラーおよびイオン導入機構は、イオンが第1と第2の次元(XおよびZ方向)で前記少なくとも一部のイオン受容機構と同じ位置を有する場合、イオンが第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、イオンを第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成し得、それにより、イオンが第1の次元(X次元)で往復する間、イオンの軌道が前記イオン受容機構を少なくとも1回バイパスする。
ミラーおよびイオン導入機構は、≧0.5mm、≧1mm、≧1.5mm、≧2mm、≧2.5mm、≧3mm、≧3.5mm、≧4mm、≧4.5mm、≧5mm、≧6mm、≧7mm、≧8mm、≧9mm、≦10mm、≦9mm、≦8mm、≦7mm、≦6mm、≦5mm、≦4.5mm、≦4mm、≦3.5mm、≦3mm、≦2.5mm、および≦2mmからなる群より選択される振幅で第3の次元(Y次元)でイオンが往復するように構成されてよい。イオンは、上記範囲のいずれか1つの組み合わせにより規定される範囲の振幅で、第3の次元(Y次元)の方向に往復し得る。
発明者らは、分析計収差は、第3の次元(Y次元)でのイオンの変位の振幅と共に急速に増大し得ることに気付いた。したがって、イオンパケットの第3の次元(Y次元)での適度の変位を維持することが望ましいであろう。
第3の次元(Y次元)で適度の変位を達成するために、イオン導入機構またはイオン受容機構は第3の次元(Y次元)の方向で相対的に狭くし得る。例えば、これらの構成要素は、抵抗ボードを使って形成し得る。イオン導入機構は、またはイオン受容機構は、第3の次元(Y次元)で、≦10mm、≦9mm、≦8mm、≦7mm、≦6mm、≦5mm、≦4.5mm、≦4mm、≦3.5mm、≦3mm、≦2.5mm、および≦2mm、からなる群より選択される幅を有してよい。
イオンは、第3の次元(Y次元)で軸のまわりを最大往復振幅で往復し、前記少なくとも一部のイオン導入機構および/または前記少なくとも一部のイオン受容機構は、第3の次元(Y次元)の軸から、最大往復振幅より小さい距離だけ離して配置され得る。
必要に応じて、ミラーおよびイオン導入機構は、≧0.5mm、≧1mm、≧1.5mm、≧2mm、≧2.5mm、≧3mm、≧3.5mm、≧4mm、≧4.5mm、≧5mm、7.5mm、10mm、15mm、20mm、≦20mm、≦15mm、≦10mm、≦9mm、≦8mm、≦7mm、≦6mm、≦5mm、≦4.5mm、≦4mm、≦3.5mm、≦3mm、≦2.5mm、および≦2mm、からなる群より選択される振幅により第1の次元(X次元)でイオンが往復するように構成され得る。
イオンは、第1の次元(X次元)で軸のまわりを最大往復振幅で往復し、前記少なくとも一部のイオン導入機構および/または前記少なくとも一部のイオン受容機構は、第1の次元(X次元)の軸から、最大往復振幅より小さい距離だけ離して配置され得る。
イオンミラーおよびイオン導入機構は、使用時には、イオンが第2の次元(Z次元)のイオンミラー間の前記空間を通ってドリフとする間、第1の次元(X次元)および/または第3の次元(Y次元)でイオンが周期的に往復するように構成され得る。
イオンミラーは、イオンが第1の次元(X次元)のイオンミラー間で4回の往復を行うのに要する時間に対応する時間でイオンパケットが、第3の次元(Y次元)で往復するように配置および構成され得る。
イオンは、第1と第3の次元により画定される平面内で、組み合わされた周期的往復を有するように、第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で往復し得る。組み合わされた往復の時間は、第1の次元(X次元)での2〜4回のイオンミラー反射に要する時間に対応し得る。
イオン導入機構を離れるイオンと、イオン受容機構で受け取られるイオンとの間の、第1の次元(X次元)および/または第3の次元(Y次元)でのイオンミラー反射の合計数は、2の倍数または4の倍数であってよい。例えば、反射の合計数は、≧2、≧4、≧6、≧8、≧10、≧12、≧14、または≧16であってよい。
第3の次元(Y次元)での座標および角度線形エネルギー分散は、(i)2回のイオンミラー反射毎の後に、(ii)4回のイオンミラー反射毎の後に、または(iii)イオンがイオン受容機構に受け取られる時間までに除去され得る。
空間の位相空間は、(i)2回のイオンミラー反射毎の後に、(ii)4回のイオンミラー反射毎の後に、または(iii)イオンがイオン受容機構に受け取られる時間までに、第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で画定される平面内で単線形変換を受け得る。
イオンは、第3の次元(Y次元)の往復軸のまわりで往復し、分光計は、(i)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構が第3の次元(Y次元)の軸から間隔を置いて配置される、または(ii)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構の内の一方が、軸上に配置され、前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構のもう一方が第3の次元(Y次元)の軸から間隔を置いて配置される、または(iii)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構の両方が、軸上に配置される、のいずれかであるように配置および構成され得る。
前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構は、それらが第3の次元(Y次元)の同じ側に配置されるように、またはそれらが第3の次元(Y次元)の軸の異なる側上に配置されるように、軸から間隔を置いて配置され得る。
前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構は、第2の次元(Z次元)で装置の反対端で間隔を置いて配置され得る。あるいは、前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構は、装置の第1の端に配置され得、イオンは、前記少なくとも一部のイオン受容機構に到達するように、装置の第1の端の方向にドリフトして戻るように反射される前に、最初は、第2の、装置の反対端の方向(第2の次元の方向)にドリフトし得る。
少なくとも一部のイオン導入機構は、イオンが通過して出ていくまたは機構から放出されるイオン出口面を有し、前記少なくとも一部のイオン受容機構は、イオンが機構に入るまたは衝突するイオン入力面を有する。イオンは、第1の次元(X次元)の往復軸のまわりで往復し、必要に応じて、(i)イオン出口面およびイオン入力面の両方が軸上に配置される、または(ii)イオン出口面およびイオン入力面が第1の次元(X次元)で軸から間隔を置いて配置される、または(iii)イオン出口面およびイオン入力面の内の一方が軸上に配置され、イオン出口面およびイオン入力面のもう一方が第1の次元(X次元)で軸から間隔を置いて配置される。
前記少なくとも一部のイオン受容機構は、イオンが第3の次元(Y次元)で1回または複数回往復した後で、ミラー間の空間からイオンを受け取るためにミラー間に配置され得る。
前記少なくとも一部のイオン受容機構は、イオン検出器であってよい。イオン検出器はイオンミラー間に配置され得る。
前記イオン検出器は、イオン−電子変換器、電子加速器および電子を電子検出器に誘導する磁石または電極を含み得る。この構成により、イオン検出器が第3の次元(Y次元)で、例えば、第3の次元(Y次元)でのイオンの往復の振幅に比べて小さいサイズの外周を有することが可能となる。これにより、イオンが検出器に衝突すること必要になるまで、前記イオン軌道との干渉を回避するように、イオン検出器(磁石を含む)が第3の次元(Y次元)に変位されるのが可能となる。イオンの検出器への衝突により生成される二次電子は、不均一な磁界または静電界により、検出器に集束され得る(高速検出器ではより小さいスポットのために)または検出器に対しデフォーカスされ得る(より長い検出器寿命のために)。
あるいは、イオン受容機構は、イオンガイドを含んでよく、前記少なくとも一部のイオン受容機構はイオンガイドへの入口であってよい。
分光計は、イオンミラー間の空間の外側に配置されたイオン検出器をさらに含み得る。また、イオンガイドがイオンミラー間の前記空間からイオン受け取り、イオン検出器にイオンを誘導するように配置および構成され得る。
イオンガイドは、電気または磁気セクターであってもよい。
セクターは、イオンミラー間の空間から検出器またはイオン分析計まで等時性イオン輸送するように配置および構成され得る。
イオンガイドは、イオンが沿って移動する長手方向軸を有し得、長手方向軸は湾曲している。
上述のように、前記少なくとも一部のイオン受容機構(例えば、イオンガイドへの入口)は、第3の次元(Y次元)でイオンがそのまわりを往復する軸から第3の次元(Y次元)の方向に変位しても、またはその軸の上に配置されてもよい。前記少なくとも一部のイオン受容機構の位置を特徴付ける場合、それは、言及される入口の中心軸であるのが好ましい。
あるいは、イオン受容機構は、イオンをミラー間の空間から、必要に応じて、イオンミラー間の空間の外側に配置された検出器の方向に曲げるイオンデフレクターであってよい。
イオン導入機構は、イオンをミラー間の空間に導入するステップを実施するように、ミラー間に配置され、イオンパケットを放出する、またはイオンパケットを生成して放出するように構成されたパルスイオン源であってよい。
パルスイオン源は、直交加速器またはイオンビームをイオンパケットに変換するイオントラップパルス変換器を含む。
直交加速器またはイオントラップは、連続イオンビームをパルスイオンパケットに変換するように構成し得る。
イオントラップは線形イオントラップであってよく、これは、第2の次元(Z次元)に伸長され得る。
直交加速器またはイオントラップは、第3の次元(Y次元)で最小限の数mradのイオンパケット発散を与える静電レンズを末端とするグリッドレス加速器を含み得る。
イオン源は、第1と第2の次元に対し一定の角度で配置された前記軌道に沿って通すようにイオンを誘導するための、パルスまたは連続イオンステアリング装置の内の1つまたは複数を含み得る。1つまたは複数のステアリング装置は、ステアリング角により、第1と第3の次元(X−Y面)により画定される面内、および/または第1と第2の次元により画定される面内でイオンを曲げ得る。
直交加速器またはイオントラップは、第2の次元(Z次元)に対し傾斜させた軸に沿ってイオンビームを受け取るように構成され得る。また、傾斜角およびステアリング角は、分光計の少なくとも一部の飛行時間収差の相互補償をするように配置される。
あるいは、イオン導入機構は、イオンガイドを含んでよく、前記少なくとも一部のイオン導入機構はイオンガイドの出口であってよい。
分光計は、イオンミラー間の空間の外側に配置されたイオン源をさらに含み得る。また、イオンガイドが、第1と第2の次元に対し一定の角度で配置された前記軌道に沿って通過するように、前記イオン源からイオンを受け取り、イオンを前記空間に誘導するように配置および構成され得る。
イオンガイドは、電気または磁気セクターであってよい。
セクターは、イオン源からイオンミラー間の空間まで等時性イオン輸送するように配置および構成され得る。
イオンガイドは、イオンが沿って移動する長手方向軸を有し得、長手方向軸は湾曲している。
上述のように、前記少なくとも一部のイオン導入機構(例えば、イオンガイドの出口)は、第3の次元(Y次元)でイオンがそのまわりを往復する軸から第3の次元(Y次元)の方向に変位しても、またはその軸の上に配置されてもよい。前記少なくとも一部のイオン導入機構の位置を特徴付ける場合、それは、言及される出口の中心軸であるのが好ましい。
あるいは、前記少なくとも一部のイオン導入機構は、イオンの軌道を曲げるイオンデフレクターであってよい。
イオンミラーは、相互に平行であってもよい。
イオンミラーは、静電ミラーであってもよい。
イオンミラーは、グリッドレスイオンミラーであってもよい。
イオンは第3の次元(Y次元)で、往復軸のまわりで往復し、イオンミラーは、第1と第2の次元の軸を通って伸長する面(X−Z面)に対し対称であり得る、および/またはイオンミラーは、第2および第3の次元の軸を通って伸長する面(Y−Z面)に対し対称であり得る。
イオンミラーは、平面型であってもよい。
イオンミラーは、Z次元の平均イオン軌道がまっすぐである、または好ましさには幾分劣るが、湾曲しているように構成され得る。
本明細書で記載のイオンミラーは、少なくとも4次のエネルギー当たりの時間集束に達するための別の電位を維持し得るフラットキャップ電極を含み得る。
第3の次元(Y次元)でイオンが往復する最大振幅は、イオンミラー中のウインドウの第3の次元(Y次元)での高さHの1/8〜1/4であり得る。
イオンミラー電界は、それぞれの4回の反射後に、イオンパケットの空間の位相空間の色収差補正単変換を可能とするように調整され、等倍率によるポイントツーポイントおよびパラレルツーパラレルイオンビーム変換を可能とし得る(図5に示すように)。
合計イオン飛行経路は、イオンミラーからの少なくとも16反射を含み得る。
一般的イオン光学理論では、記載した性質は、空間拡散に対して低減した時間収差を与え、したがって、第3の次元(Y次元)で往復するイオンの等時性を改善する。
分光計は、イオンミラー間およびイオン導入機構とイオン受容機構との間のイオン飛行経路に配置された1つまたは複数のビームストップをさらに含み得る。1つまたは複数のビームストップは、第2の次元(Z次元)で測定したそれぞれのイオンビームパケットの前端および/または後端に位置するイオンの通過を遮断するように配置および構成し得る。あるいは、または追加して、それぞれのイオンパケットは、イオン導入機構からイオン受容機構へ移動する間、第2の次元(Z次元)に発散し得る。また、1つまたは複数のビームストップは、所定の量を超えて平均イオン軌道から発散するイオンパケット中のイオンの通過を遮断するように配置および構成され得る。
少なくとも1つのビームストップは、補助イオン検出器であってもよい。
分光計は、第1の次元(X次元)において、イオンがミラー間で所望の数の往復を行った後に、イオンを検出するように配置および構成された主イオン検出器;前記補助イオン検出器であって、それぞれのイオンパケットの一部のイオンを検出し、それぞれのイオンパケット中のイオンの強度を決定するように配置および構成された補助イオン検出器;および補助検出器により検出された強度に基づいて、主イオン検出器ゲインを制御するための制御システム、を含み得る。
分光計は、第1の次元(X次元)において、イオンがミラー間で所望の数の往復を行った後に、イオンを検出するように配置および構成された主イオン検出器;前記補助イオン検出器であって、それぞれのイオンパケットの一部のイオンを検出するように配置および構成された補助イオン検出器;および補助イオン検出器からのシグナル出力に基づいてイオンパケットの軌道を誘導するための、また、必要に応じて、イオン導入機構から主イオン検出器へのイオン伝送を最適化するための制御システムを含み得る。
イオンを第2の次元(Z次元)に集束させるための1つまたは複数のイオンレンズを、ミラー間に備えても、または備えなくてもよい。第2の次元(Z次元)方向に伸長したイオンパケットの大きな球面収差を避けるように、このようなレンズの使用を回避することが望ましい場合がある。第2の次元(Z次元)でのイオンパケットの初期長さは、分析計を通過する間の第2の次元(Z次元)におけるイオンパケットの固有の拡散より長くなるように選択され得る。その代わりに、後述のように、ビームストップを使って、スペクトルのオーバーラップを避けてもよい。しかし、特許文献10に記載のように、準平面空間変調イオンミラーと組み合わせる場合には、周期的レンズを使い得ることが意図されている。
また、本発明は、飛行時間質量分析方法を提供し、該方法は、
互いに間隔を置いて第1の次元(X次元)に配置され、それぞれ第1の次元と直交する第2の次元(Z次元)に伸長している2つのイオンミラーを用意すること、
イオンが、第1と第2の次元に対し一定の角度で配置される軌道に沿って移動し、イオンが第2の次元(Z次元)の空間を通ってドリフトする間、第1の次元(X次元)でイオンがミラー間で繰り返して往復するようにイオン導入機構を使ってミラーの間の前記空間にイオンパケットを導入すること、
イオンが第2の次元(Z次元)で前記空間を通ってドリフトする間、第1と第2の両次元と直交する第3の次元(Y次元)でイオンを往復させること、
イオンが第1の次元(X次元)で複数回往復した後で、イオン受容機構中にまたはその上でイオンを受け取ること、を含み、
少なくとも一部のイオン導入機構および/または少なくとも一部のイオン受容機構がミラーの間に配置される方法。
この方法で使用される分光計は、本明細書で記載の任意の特徴のいずれかを有してよい。
第2の次元(Z次元)でMR−TOF分析計の適度な長さを有すると同時に、高MR−TOF解像度を得るために、第1の次元(X次元)に対し約10〜20mradの角度でイオンを注入するのが望ましい。
イオン軌道は、イオンミラー(単一または複数)による1つまたは複数の反射の後で、第1の次元(X次元)および第2の次元(Z次元)により画定される面内でオーバーラップをさせてもよい。これは、イオンが注入される角度の低減を可能とし、したがって、第2の次元(Z次元)における装置の全体長さを短縮可能とする。
本明細書で記載の分光計は、下記を含み得る。
(a)(i)エレクトロスプレーイオン化(「ESI」)イオン源、(ii)大気圧光イオン化(「APPI」)イオン源、(iii)大気圧化学イオン化(「APCI」)イオン源、(iv)マトリックス支援レーザー脱離イオン化(「MALDI」)イオン源、(v)レーザー脱離イオン化(「LDI」)イオン源、(vi)大気圧イオン化(「API」)イオン源、(vii)シリコン上脱離イオン化(「DIOS」)イオン源、(viii)電子衝突(「EI」)イオン源、(ix)化学イオン化(「CI」)イオン源、(x)電界イオン化(「FI」)イオン源、(xi)電界脱離(「FD」)イオン源、(xii)誘導結合プラズマ(「ICP」)イオン源、(xiii)高速原子衝撃(「FAB」)イオン源、(xiv)液体二次イオン質量分析(「LSIMS」)イオン源、(xv)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xvi)ニッケル−63放射性イオン源、(xvii)大気圧マトリックス支援レーザー脱離イオン化イオン源、(xviii)サーモスプレーイオン源、(xix)大気サンプリンググロー放電イオン化(「ASGDI」)イオン源、(xx)グロー放電(「GD」)イオン源、(xxi)インパクタイオン源、(xxii)リアルタイム直接分析(「DART」)イオン源、(xxiii)レーザースプレーイオン化(「LSI」)イオン源、(xxiv)ソニックスプレーイオン化(「SSI」)イオン源、(xxv)マトリックス支援入口イオン化(「MAII」)イオン源、(xxvi)溶媒支援入口イオン化(「SAII」)イオン源、(xxvii)脱離エレクトロスプレーイオン化(「DESI」)イオン源、(xxviii)レーザーアブレーションエレクトロスプレーイオン化(「LAESI」)イオン源からなる群より選択されるイオン源、および/または、
(b)1つまたは複数の連続またはパルスイオン源、および/または
(c)1つまたは複数のイオンガイド、および/または
(d)1つまたは複数のイオン移動度分離装置および/または1つまたは複数の電界非対称イオン移動度分光計装置、および/または
(e)1つまたは複数のイオントラップまたは1つまたは複数のイオントラップ領域、および/または
(f)(i)衝突誘発解離(「CID」)フラグメンテーション装置、(ii)表面誘発解離(「SID」)フラグメンテーション装置、(iii)電子移動解離(「ETD」)フラグメンテーション装置、(iv)電子捕獲解離(「ECD」)フラグメンテーション装置、(v)電子衝突または衝撃解離フラグメンテーション装置、(vi)光誘発解離(「PID」)フラグメンテーション装置、(vii)レーザー誘発解離フラグメンテーション装置、(viii)赤外線照射誘発解離装置、(ix)紫外線照射誘発解離装置、(x)ノズルスキマーインターフェースフラグメンテーション装置、(xi)インソースフラグメンテーション装置、(xii)インソース衝突誘発解離フラグメンテーション装置、(xiii)熱源または温度源フラグメンテーション装置、(xiv)電界誘発フラグメンテーション装置、(xv)磁界誘導フラグメンテーション装置、(xvi)酵素消化または酵素分解フラグメンテーション装置、(xvii)イオン−イオン反応フラグメンテーション装置、(xviii)イオン−分子反応フラグメンテーション装置、(xix)イオン−原子反応フラグメンテーション装置、(xx)イオン−準安定イオン反応フラグメンテーション装置、(xxi)イオン−準安定分子反応フラグメンテーション装置、(xxii)イオン−準安定原子反応フラグメンテーション装置、(xxiii)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−イオン反応装置、(xxiv)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−分子反応装置、(xxv)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−原子反応装置、(xxvi)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−準安定イオン反応装置、(xxvii)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−準安定分子反応装置、(xxviii)付加またはプロダクトイオンを形成するようにイオンを反応させるためのイオン−準安定原子反応装置、および(xxix)電子イオン化解離(「EID」)フラグメンテーション装置からなる群から選択された1つまたは複数の衝突、フラグメンテーション、または反応セル、および/または
(h)1つまたは複数のエネルギー分析計または静電エネルギー分析計、および/または
(i)1つまたは複数のイオン検出器、および/または
(j)(i)四重極型マスフィルター、(ii)2Dまたは線形四重極型イオントラップ、(iii)ポールまたは3D四重極型イオントラップ、(iv)ペニングイオントラップ、(v)イオントラップ、(vi)磁界型マスフィルター、(vii)飛行時間型マスフィルター、(viii)ウィーンフィルターからなる群から選択される1つまたは複数のマスフィルター、および/または
(k)イオンパルスを発生させるための装置またはイオンゲート、および/または
(l)実質的に連続的なイオンビームをパルスイオンビームに変換する装置。
分光計は、静電イオントラップまたは誘導検出およびタイムドメインシグナルを質量電荷比ドメインシグナルまたはスペクトルに変換するタイムドメインシグナル処理を採用している質量分析計を含み得る。前記シグナル処理は、限定されないが、フーリエ変換、確率解析、フィルター対角化、フォワードフィッティングまたは最小二乗フィッティングを含み得る。
分光計は、下記のいずれかを含み得る。
(i)四重極対数ポテンシャル分布を有する静電界を形成する外側の樽形電極と、同軸内側の紡錘形電極とを備えるCトラップおよび質量分析計であって、第1の操作モードのイオンがCトラップへ透過されて、次いで、質量分析計内へ注入され、第2の操作モードのイオンが、Cトラップへ透過された後に、衝突セルまたは電子移動解離装置へ送られ、少なくとも一部のイオンが、フラグメントイオンにフラグメント化され、フラグメントイオンが、その後、質量分析計内へ注入される前に、Cトラップへ透過される、Cトラップおよび質量分析計、および/または
(ii)使用中にイオンが透過される開口部を各々有する、複数の電極を備える積層リングイオンガイドであって、電極の間隔がイオン経路の長さに沿って増加し、イオンガイドの上流区画内の電極の開口部が、第1の直径を有し、イオンガイドの下流区画内の電極の開口部が、第1の直径よりも小さい第2の直径を有し、ACまたはRF電圧の逆位相が、使用中に、後行電極に印加される、積層リングイオンガイド。
分光計は、ACまたはRF電圧を電極に供給するように配置および適合される装置を含み得る。ACまたはRF電圧は、(i)最大値−最小値:50V未満、(ii)最大値−最小値:50〜100V、(iii)最大値−最小値:100〜150V、(iv)最大値−最小値:150〜200V、(v)最大値−最小値:200〜250V、(vi)最大値−最小値:250〜300V、(vii)最大値−最小値:300〜350V、(viii)最大値−最小値:350〜400V、(ix)最大値−最小値:400〜450V、(x)最大値−最小値:450〜500V、および(xi)最大値−最小値:500V超からなる群から選択される振幅を有してよい。
ACまたはRF電圧は、(i)100kHz未満、(ii)100〜200kHz、(iii)200〜300kHz、(iv)300〜400kHz、(v)400〜500kHz、(vi)0.5〜1.0MHz、(vii)1.0〜1.5MHz、(viii)1.5〜2.0MHz、(ix)2.0〜2.5MHz、(x)2.5〜3.0MHz、(xi)3.0〜3.5MHz、(xii)3.5〜4.0MHz、(xiii)4.0〜4.5MHz、(xiv)4.5〜5.0MHz、(xv)5.0〜5.5MHz、(xvi)5.5〜6.0MHz、(xvii)6.0〜6.5MHz、(xviii)6.5〜7.0MHz、(xix)7.0〜7.5MHz、(xx)7.5〜8.0MHz、(xxi)8.0〜8.5MHz、(xxii)8.5〜9.0MHz、(xxiii)9.0〜9.5MHz、(xxiv)9.5〜10.0MHz、および(xxv)10.0MHz超からなる群から選択される周波数を有してよい。
分光計はイオン源の上流に、クロマトグラフィーまたはその他の分離装置を備えてもよい。クロマトグラフィー分離装置は、液体クロマトグラフィーまたはガスクロマトグラフィー装置を含み得る。別の実施形態では、分離装置は、キャピラリー電気泳動法(「CE」)分離装置、(ii)キャピラリー電気クロマトグラフィー(「CEC」)分離装置、(iii)実質的に剛体のセラミック系多層マイクロ流体基板(「セラミックタイル」)分離装置、または(iv)超臨界流体クロマトグラフィー分離装置を含み得る。
イオンガイドは、(i)0.0001mbar未満、(ii)0.0001〜0.001mbar、(iii)0.001〜0.01mbar、(iv)0.01〜0.1mbar、(v)0.1〜1mbar、(vi)1〜10mbar、(vii)10〜100mbar、(viii)100〜1000mbar、および(ix)1000mbar超から成る群より選択される圧力で維持し得る。
分析物イオンは、電子移動解離フラグメンテーション装置で電子移動解離(「ETD」)フラグメント化に供し得る。分析物イオンをイオンガイドまたはフラグメンテーション装置内のETD試薬イオンと相互作用させ得る。
以降で、付随する図を参照しながら種々の本発明の実施形態が例示のみの目的で説明される。
先行技術によるMR−TOF−MS装置を示す図である。 本発明の一実施形態による多重反射型飛行時間質量分析方法のブロック図を示す。 本発明の一実施形態によるMRTOF分析計のX−Y面中のイオン軌道のシミュレーション図および概略図を示す。 本発明の一実施形態によるMRTOF分析計のX−Y面中のイオン軌道のシミュレーション図および概略図を示す。 本発明の一実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、イオン源および検出器はY方向で変位される。 本発明の一実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、イオン源および検出器はY方向で変位される。 本発明の一実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、イオン源および検出器はY方向で変位される。 本発明の一実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、イオン源および検出器はY方向で変位される。 等時性軸外イオン運動のために最適化されたグリッドレスイオンミラーの例を示す。 等時性軸外イオン運動のために最適化されたグリッドレスイオンミラーの例を示す。 空間拡散およびエネルギー拡散に対し、飛行時間収差を低減するために最適化された分析計中のイオン軌道例のX−Y面への投影図を示す。 空間拡散およびエネルギー拡散に対し、飛行時間収差を低減するために最適化された分析計中のイオン軌道例のX−Y面への投影図を示す。 空間拡散およびエネルギー拡散に対し、飛行時間収差を低減するために最適化された分析計中のイオン軌道例のX−Y面への投影図を示す。 図5A〜図5Bの分析計のイオン光学的シミュレーション結果を示す図である。 図5A〜図5Bの分析計のイオン光学的シミュレーション結果を示す図である。 図5A〜図5Bの分析計のイオン光学的シミュレーション結果を示す図である。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、電界セクターを使って、イオンが飛行時間領域から注入および抽出される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、電界セクターを使って、イオンが飛行時間領域から注入および抽出される。 本発明のさらなる実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、デフレクターを使って、イオンの初期軌道が制御される。 本発明のさらなる実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、デフレクターを使って、イオンの初期軌道が制御される。 本発明のさらなる実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、デフレクターを使って、イオンの初期軌道が制御される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 本発明の別の実施形態によるMR−TOF−MSの2次元および3次元概略図を示し、種々の異なるタイプのパルス変換器を使って、イオンが飛行時間領域に注入される。 検出器44は、4回のイオンミラー反射後にのみイオンが検出器44に衝突するように配置される以外は、図4Cに示すものと同じである実施形態のY−Z面の図である。
本発明の理解を手助けするために、図1を参照しながら、先行技術装置についてここで説明される。図1は、特許文献2の「折り返し経路」の平面型MR−TOF−MSの略図を示す。この特許は参照により本明細書に組み込まれる。平面型MR−TOF−MS11は、2つのグリッドレス静電ミラー12を含み、それぞれ、ドリフトZ方向に伸長した3つの電極から構成される。それぞれのイオンミラーは、X−Y面で2次元静電界を形成する。イオン源13(例えば、パルスイオン変換器)およびイオン受容器14(例えば、検出器)が前記イオンミラー12の間のドリフト空間に配置され、Z方向に間隔を置いて配置される。イオンパケットは、イオン源13により生成され、X軸に対し小さい傾斜角度αでミラー12の間の飛行時間領域に注入される。したがって、イオンは、X方向に速度を有し、また、Z方向にドリフト速度を有する。イオンは、イオン源13から検出器14までZ方向に移動する間、イオンミラー12の間で複数回反射される。したがって、イオンは装置を通るジグソー型イオン軌道15、16、17を有する。
イオンは、ドリフトZ方向で、1回のミラー反射あたり平均距離Z≒C*sinαだけ前進する。式中、Cはイオン反射点間のX方向の距離である。イオン軌道15および16は、イオン源13中の初期イオンパケット幅Zに起因するイオン軌道の拡散を表す。軌道16および17は、イオンパケットが装置を通って移動するのに伴うイオンパケットの角度発散を表す。これは、イオンが検出器14に到達する時間までに、Z方向のイオンパケットの幅を量dZだけ増やす。イオンパケットが検出器14に到達する時間までの、イオンパケットの全体拡散は、Zで表される。
MR−TOF−MS11は、ドリフトZ方向でのイオン集束を備えていないので、イオンビームが検出器14に到達する時間までに、Z方向に過度に分散される前に実行できるイオンミラー12の間の反射サイクルの数が制限される。したがって、この配置は、反射当たりの特定のイオン軌道の前進量Zを必要とする。このZは、イオンの分散によるおよびスペクトル混同の原因となるイオン軌道のオーバーラップを避けるために特定の値を超える必要がある
特許文献13(参照により本明細書に組み込まれる)に記載されているように、既知の直交イオン加速器、半径方向トラップおよびパルスイオン源に対し、現実的な最小イオンパケットの発散は、約+/−1mradであることが予測される。現実的なイオン源におけるイオンの初速度と空間拡散の組み合わせは、最大エネルギー拡散時のイオンの最小往復所用時間を制限する。MR−TOF−MS装置がR=200000を超える質量分解能力に到達するためには、装置の飛行時間領域を通るイオン飛行経路を、少なくとも16mに延長する必要がある。したがって、検出器14の位置でのZ方向のビーム幅:Zは約30mmであると予測される。さらに、先行技術装置11における隣接するミラー反射間のイオン軌道およびシグナルのオーバーラップを避けるために、ミラー反射当たりのイオン軌道の前進量Zは、検出器位置でのパケット拡散Zを超えるように、少なくとも50mmとする必要がある。したがって、Z方向での16反射に対する合計前進量(すなわち、イオン源13と検出器14との間の距離)は、Z>800mmである。Zエッジフリンジ電界、電極幅、電気絶縁のための間隙および真空チャンバー幅を考慮すると、X−Z面における推定分析計の大きさは、1mx1mを超えるものとなるであろう。これは、例えば、真空チャンバーが大きすぎ、不安定になると思われるという理由で、市販の装置としての実用的な大きさを超えている。
このような平面型MR−TOF分析計11の別の問題は、直交加速器13に起因する小さいデューティサイクルである。例えば、ミラー反射当たりのイオン軌道前進量Z=50mmおよび検出器の位置でのビーム幅Z=40mmの場合に、スペクトルオーバーラップを避けるために、それぞれの注入イオンパケットの幅は、約Z=10mmに制限される。直交加速器のデューティサイクルは、比率Z/Zとして推定でき、したがって、例えば、Z>800mmの場合、約1%である。したがって、より小さい分析計を使った場合、デューティサイクルは急速に減少し、これよりもさらに低下する。
本発明の実施形態は、向上したデューティサイクル、高解像度および実用的な大きさを有する平面型MR−TOF−MS装置を提供する。例えば、装置は、向上したデューティサイクルを有すると同時に、200,000を超える解像度を達成し、0.5mx1m未満の大きさである。
発明者らは、イオンがイオンミラー12の間で反射される場合に、イオン源13(例えば、直交加速器)に衝突しないようにX−Y面内でイオンを往復させることにより、平面型MR−TOF−MS装置を実質的に改善し得ることに気付いた。あるいは、または追加して、イオンは、少なくとも所定の数のイオンミラー反射を行うまで、受容器14(例えば、検出器)と衝突しないようにX−Y面内で往復し得る。したがって、実施形態は、イオンがX−Y面内で往復すること以外は、図1に関連して示し、説明した装置と類似の装置に関する。
図2は、本発明の一実施形態による多重反射型飛行時間質量分析方法21を示すフローチャートを示す。方法は、次のステップを含む。(a)2つの実質的に平行に整列された静電界を有するイオンミラーを形成するステップであって、前記界がX−Y面内で2次元で、ドリフトZ方向に沿って実質的に伸長し得、また、前記界が等時性イオン反射となるようにX方向に配置され得るステップ、(b)イオン源中でパルスイオンパケットを形成し、それぞれのイオンパケットを比較的小さい傾斜角度でX−Z面内でX軸に注入し、それにより、イオンミラー反射当たり前進距離Zを有する平均ジグソー型イオン軌道を形成するステップ、(c)前記イオン注入領域からZ方向の下流に変位させたイオン受容器で前記イオンパケットを受け取るステップ、(d)イオンミラー反射当たり1前進量Zを超える幅で伸長されるように、前記イオンパケット、前記イオン源、または前記イオン受容器を適用するステップ、および(e)少なくとも1回のイオンミラー反射の間、前記イオン源または前記イオン受容器をバイパスするためにX−Y面内で周期的イオン軌道の往復を形成するようにY方向の少なくとも一部の前記平均イオン軌道を変位させるまたは誘導するステップ。
本発明のいくつかの実施形態の重要な特徴は、分析計内のX−Y面でX−Z面でのイオンドリフトと一緒に、比較的小さいイオン注入角度α下で、イオンを周期的に往復させることにより、イオンにイオン源13および/またはイオン検出器14をバイパスさせることである。これについては、以下でさらに詳細に説明される。
図3Aおよび図3Bは、イオンミラー間の4回の反射に対する分析計のX−Y面31内のイオン軌道を示す。これらの実施形態では、イオン源33およびイオン検出器34は、装置の中心軸から距離Yだけ+Y方向に変位されている。図3Aは、第1のイオン反射(I)中のイオン軌道を示し、イオンはイオン源33から上側イオンミラーにパルス出力され、その後、反射して装置の中心軸に戻される。図3Aは、第2のイオン反射(II)中のイオン軌道を示し、イオンは装置の中心軸から下側イオンミラーに移動を続け、その後、反射して、中央のY−Z面の中心軸から−Y方向に距離Yだけ変位した位置に戻される。図3Bは、第3のイオン反射(III)中のイオン軌道を示し、イオンは上側イオンミラーに戻り続け、その後、反射して、中央のY−Z面の中心軸上の位置に戻される。図3Bは同様に、第4のイオン反射(IV)中のイオン軌道を示し、イオンは装置の中心軸から下側イオンミラーに移動を続け、その後、反射して、中央のY−Z面の中心軸から+Y方向に距離Yだけ変位した位置に戻され、この時点でイオンは、検出器34に衝突する。
平均イオン軌道は、C=1mのイオンミラー反射間の距離(またはミラーキャップ間の距離)および変位Y=5mmに対しモデル化されている。実施形態をより明確に説明するために、Y方向のイオン軌道を誇張した。図3Aに示すように、平均イオン軌道の第1のセグメント(I)では、中央面X=0、Y=5mmのY方向変位、およびX軸に平行なイオンの初期移動(すなわち、角度γ=0)で開始している。その後、イオンは上側イオンミラーに移動し、これはイオンをY方向に往復させる。1回のミラー反射後、イオンは中心軸(X=0;Y=0)に戻るが、角度はγ=7mradである。平均イオン軌道の第2のセグメント(II)では、移動を続け、ミラー反射後、−5mmのY方向変位でおよびX軸に平行(γ=0)にX=0面に戻る。図3Bに示すように、平均イオン軌道の第3のセグメント(III)は移動を続け、ミラー反射後、イオンは角度γ=−7mradで中心軸(X=0;Y=0)に戻る。平均イオン軌道の第4のセグメント(IV)では移動を続け、ミラー反射後、イオンはX−Y面内の元の点(すなわち、Y=5mm、γ=0)に戻り、このようにして、4回のミラー反射後に軌道ループが終わる。しかし、この4回の往復の間に、イオンがZ方向で移動し続けることは理解されよう。
分析計静電界は、後述のように空間収差当たり最小時間になるように最適化されていることが仮定され、そのため、反復軌道ループは、複数回の往復の間、小さいイオンパケットの空間拡散で留まっている。
再度、図3Aおよび図3Bを参照すると、イオン軌道は、Y方向に往復し、4回毎のイオンミラー反射までそれらの初期のY方向の変位位置に戻らない。イオン源33が初期Y方向位置に配置されるので、これにより、4回毎の反射の内の最初の3回の間、イオンがイオン源33に衝突できないことが保証される(ただし、イオン源およびイオンパケットが、イオンの初期Yの変位に比べてY方向で適度な幅を維持している場合)。これは、4回の反射の内の3回の間、イオンは、イオン源33に衝突するはずのY位置に存在することなく、装置に沿ってZ方向にドリフトできることを意味する。したがって、これにより、最初の3回の反射の間、イオン軌道と干渉することなく、イオン源の長さをZ方向に伸長するのが可能になる。イオン源33の長さは、4Z、すなわち、ミラー反射当たり4前進量まで伸長でき、これにより、ミラー間に注入し得るイオンの数を増やし、装置のデューティサイクルを高めることができる。イオン源33でのイオンパケットのZ方向の伸長は、イオン源33と検出器34との間のZ方向のイオンパケット拡散に対し、装置をより低い感受性にする。理由は、このような拡散はイオンパケットの初期Zサイズより小さくなるか、またはそれにより匹敵する大きさになるためである。イオンパケット伸長は、分析計の空間電荷効果も低減する。それは、より大きな面積の検出器34も可能とし、それにより、検出器のダイナミックレンジを広げ、寿命を延ばす。
あるいは、イオン源長さの増大を可能とするためにY往復を使用する代わりに、Y往復を使って、イオンミラー反射当たりイオンが移動する距離Zを減らし、同時に、イオンがイオン源33と衝突することを防ぎ、それにより、Z方向の装置の大きさを減らすことができる。
Y方向でイオンを往復させる技術は、イオンがイオン反射中にイオン源33に衝突することを防ぐために使われるとして記載されてきたが、この技術は、代わりに、または追加して、所望数のイオンミラー反射(X方向で)が達成されるまで、イオンが検出器に衝突するのを防ぐために使用できる。
ミラー間にイオンを注入するための異なるイオンミラー界およびイオン注入方式を採用して、異なるループ状X−Y往復パターンを形成し得る。例えば、楕円形軌道または完全イオン経路ループ当たりさらに大きな数のミラー反射を有するパターンを使用し得ることに留意されたい。また、Y往復は、イオンパケットの角度操作により誘導し得る。
図4A〜図4Cは、本発明によるMR−TOF−MS装置の実施形態の3種の異なる図を示す。図4AはX−Y面の実施形態の図、図4Bは斜視図、および図4Cは、Y−Z面の図を示す。実施形態41は、2つの平行グリッドレスイオンミラー42、イオン源43(例えば、パルスイオン源または直交イオン加速器)、イオン受容器44(例えば、検出器)、任意のイオンストップ48およびZ方向でイオンを空間的に集束するための任意のレンズ49を含む平面型MR−TOF装置である。イオンミラー42は、実質的にドリフトZ方向に伸長され、それにより、X−Y面内にZエッジのイオンミラー電極から十分な距離(イオンミラーウインドウのYの高さの約2倍)で2次元静電界を形成する。イオン源43およびイオン検出器44は、分析計を通る中央X−Z面46の対向する外側に配置され、イオン源43および検出器44のそれぞれは、分析計中央X−Z面46から距離Yだけ変位される。この実施形態では、イオン源43およびイオン検出器44の両方は、Y方向で比較的狭い。分かりやすくするために、それぞれイオン源43および検出器44のそれぞれの半値幅(W/2)がYの変位より小さく、イオン源43は、Y方向で対称的であり、その中心からイオンパケットを放出すると仮定した。
本発明の実施形態の重要な特徴は、イオンが、Z方向に沿って移動する際に、イオン源43をバイパスするようにイオン軌道45がY方向に変位されることである。図4Aに示されるように、軸外平均イオン軌道45は、Y方向の変位Yで開始され、図3Aおよび図3Bに関連して記載のように進行する。図4Aは、2回のミラー反射に対するイオン軌道を破線として示すが、図4Bおよび図4Cに関連して記載されるように、イオンが検出器に到着する前に、3回以上のイオンミラー反射が行われ得る。
全ての図は、イオン軌道45が、4回のミラー反射に対応する時間に伴い、X−Y面でどのように往復するかを示している。軌道45は、3回のイオンミラー反射の間、イオン源43をバイパスし、4回の反射の後で同じ正のY変位の位置に戻る。
図4Bに示すように、イオンは、X軸に対し傾斜角度αで配置される軌道45でイオン源43からパルス出力される。したがって、それぞれのイオンパケットは、イオンミラー反射毎にZ方向に距離Z前進する。異なる時間のイオンパケットの位置は、白色円47の異なる群で表される。イオンパケットは、イオン源43で開始され、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向に変位されないように、上側イオンミラー42で反射されることが図から分かる。その後、イオンパケットは、下側イオンミラー42に移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向で位置−Yに変位されるように、反射される。その後、イオンパケットは、上側イオンミラー42に第2の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向で変位されないように、反射される。その後、イオンパケットは、下側イオンミラー42に第2の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンがY方向で位置Yに変位されるように、反射される。この段階で、イオンパケットはイオンミラーで4回の反射を行い、イオンパケットは、イオン源43で元々有していたものと同じY変位を有する。
その後、イオンパケットは、上側イオンミラー42に第3の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向で変位されないように、反射される。その後、イオンパケットは、下側イオンミラー42に第3の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンがY方向で位置−Yに変位されるように、反射される。その後、イオンパケットは、上側イオンミラー42に第4の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向で変位されないように、反射される。その後、イオンパケットは、下側イオンミラー42に第4の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンがY方向で位置Yに変位されるように、反射される。その後、イオンパケットは、上側イオンミラー42に第5の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンはY方向で変位されないように、反射される。その後、イオンパケットは、下側イオンミラー42に第5の時間の間移動を続け、イオンパケットが中央Y−Z面に到着すると、イオンがY方向で位置−Yに変位されるように、反射され、この時点でイオンは検出器44に衝突する。
上述のように、図4CはY−Z面の実施形態の図を示す。図4Bで白色円により示される異なる時間のイオンパケットの位置は、図4Cでも示される。図4Cで示されるように、イオンミラーでのそれぞれの反射後のZ方向のイオンの変位はZである。第1のイオンミラー反射後、イオンパケットはZ方向に距離Zを移動したに過ぎず、これは、Z方向のイオン源43の長さより小さいことが図から分かる。イオンがそれらの初期位置に対しY方向に変位されなかった場合、第1のイオンミラー反射後に、イオンパケットの後部分(Z方向の)は、イオン源43に衝突していたはずである。しかし、イオンがイオン源43のそれらの初期位置からY方向に移動していたので、イオンは、イオン源43をバイパスして、装置を通って移動を続けられる。第2および第3のイオン反射も同様に、イオンパケットに検出器に衝突できないY方向の位置を取らせる。第4のイオンミラー反射後にのみイオンパケットは元のY方向位置、すなわち、イオン源43の位置に戻った。しかし、この段階では、イオンはZ方向に距離4Z移動しており、この時点で、イオンパケットはZ方向で十分遠くに移動しており、イオンがイオン源43に衝突するのは不可能である。
この技術は、イオンが装置中を通って移動する際に、イオン源43に衝突するイオンを生じないイオン源43のZ方向の長さ(すなわち、初期イオンパケット47のZ方向の長さ)は、約4Zまでであってよいという関係を許容する。したがって、イオンパケットをY方向に往復させることは、イオンをY方向に往復させない配置に比べて、Z方向のイオン源43の長さを増加させる、またはそれぞれの反射後にイオンが移動したZ距離:Zを減少させる。イオン源43の長さを増加させること、または長さZを減少させることは、上記の利点を有する。
上記と同様にして、イオンパケット47は、4回毎の内の3回の反射の間、「狭い」イオン検出器44をバイパスさせ得る。換言すれば、検出器44は、4回の反射の内の3回の間、Y方向のイオンの位置に起因して、イオンが検出器44に衝突できないように、Y方向に配置され得る。これは、イオンがY方向に往復されない配置に比べて、検出器44のZ方向の長さを増加させる。
初期角度発散および電界の不正確さに起因して、イオンパケットは、装置を通って移動する際にZ方向に広がり得る。これによりスペクトル混同が引き起こされるのを避けるために、イオンが装置を通って移動する際に、イオンパケットのZ方向エッジに配置されるイオンの通過を遮断するためのイオンストップ48を設け得る。したがって、望ましくない量でZ方向に発散するイオンパケット中の任意のイオンは、イオンストップ48に衝突し、したがって、イオンストップ48により遮断され、検出器44に到達するのが防止され得る。
イオンパケットのZ方向の広がりは、図1の先行技術の平面型MR−TOF−MS装置11に比較してあまり重要ではないことに言及することは重要である。先行技術のMR−TOF−MS装置11では、イオンパケット幅ZおよびパケットZ方向広がりdZの両方は、それぞれの反射Z中のZ方向の移動距離より遥かに短くする必要がある。対照的に、本発明のいくつかの実施形態41は、遥かに長いイオン源43および検出器44の使用を可能とし、イオン源Zの長さおよび検出器Zの長さは約4Zまである。したがって、イオンパケットの広がりdZを比較的短く維持するのは、イオン源および検出器長さに比べて、比較的容易である(dZ<Z≒Z<4Z)。したがって、イオンストップ48でのイオンの損失は、適度に保たれ得る。
必要に応じて、少なくとも1つのイオンストップ48を補助イオン検出器として使用して、装置を通過するイオンパケットの全体強度を検知し得る。例えば、これを使って、主検出器44のゲインを調節し得る。例えば、補助検出器からのイオンシグナルを、イオンシグナルの大きさに基づいて主検出器44のゲインレベルを制御する制御システムに供給し得る。補助検出器からのイオンシグナルが制御システムより比較的少ない場合には、主検出器44のゲインを比較的高く設定する、および逆もまた同じである。あるいは、補助検出器からのイオンシグナルを、ミラー間の空間中へのイオンの注入角度を制御する、またはイオンがミラー間を移動する際にイオンのイオン軌道を変えるステアリングシステムを制御する制御システムに供給し得る。例えば、これは、補助検出器からのイオンシグナルに基づいて電極に印加される電圧の大きさを制御する制御システムにより実現し得る。この後者の方法は、ミラー間を移動しているイオンの軌道を変更し、その制御システムは、補助検出器からのフィードバックを使用して、イオン軌道が所望の軌道に沿っていることを保証し得る。例えば、制御システムは、補助イオン検出器が最小イオンシグナルを出力し、ほとんどのイオンが、補助検出器に衝突せずに、ミラー間で伝送されていることを示すまでイオン軌道を制御し得る。
イオンパケットが16回のイオンミラー反射を受け、検出器44に到達する時までのZ方向の広がりdZ=30mm、Zが20mmおよびZ=Z=60mmと仮定すると、この実施形態のMR−TOF装置は、丁度Z=320mmのZ方向長さ、20%のみのイオンストップ48でのイオン損失を有するであろう(図4Dで分かるように)。これは、Z方向長さZ=800mmの長さを有する、図1に関連する上記の対応する先行技術例と対比される。
したがって、イオンをY方向で往復するように配置することは、多くのイオン反射の間に、イオンパケットがイオン源43およびイオン検出器44をバイパスするのを可能とし、したがって、イオンパケット、イオン源43およびイオン検出器44のドリフトZ方向での伸長を可能とする。
上記イオンミラー界の特定の例では、Y方向の往復ループは、4回のイオンミラー反射で終わる。しかし、Y方向往復ループは、より少ないまたはより大きい数のイオンミラー反射で終わってもよいことが意図されている。
上記実施形態の技術は、先行技術の平面型MR−TOF−MS装置11に比べて、複数の改善をもたらす。例えば、実施形態は、分析計のZ方向長さの顕著な低減(少なくとも2倍の)を可能とする。これは、解像度R≒200,000を得るのに必要な16mのイオン経路長を、実用的な大きさの装置で可能とする。実施形態は、重要なイオン源伸長(5〜10倍)を可能とし、それにより、パルスイオン変換器のデューティサイクルを改善し、これは、変換器タイプに応じて、以下のように5〜20%と推定される。実施形態はイオンパケットのZ方向での30〜100mmへの伸長を可能とし、これは、分析計の空間電荷制限を拡大する。実施形態は検出器の30〜100mmへの伸長を可能とし、これは、検出器のダイナミックレンジを広げ、寿命を延長する。
イオンをX−Y面内で往復させる方法は、Y方向のイオンの変位が、イオンパケットの空間または飛行時間の拡散を引き起こす可能性があり、これは、高次の収差を有する分析計の解像度を制限し得るという懸念をもたらす。この懸念は、現実のイオンパケットに対して、分析計の幾何学的配置はY軸往復で操作可能であることを示す、同時に行うシミュレーションで対処される。
図5Aは、本発明の実施形態による平面型MR−TOF−MS装置51のX−Z面の幾何学的配置を示し、図5Bは、この実施形態のX−Y面内の1つのイオンミラーおよび装置の構成要素に適用され得る種々の電圧および寸法を示す。モデル化した実施形態では、イオンミラー52の静電ポテンシャルの軸方向分布は、6kVのミラー間のドリフト空間で、平均イオン動力学的エネルギーを与える。ミラーは4つの独立に調整された電極を有し、それらの3つ(キャップおよび2つの隣接する電極)は、遅延電圧に設定され、別の電極(図5Bの最長のもの)は加速電圧に設定され得る。対向するイオンミラー間の合計キャップ−キャップ間距離Cは、約1mであり、それぞれのミラー内のウインドウのY高さは、39mmであり得る。X−Z面内のイオン注入角度αは、20mradに設定され、イオン軌道の初期Y変位はY=5mmであり、検出器は、−Y=5mmのY変位で配置される。
図5Aは、薄い色と濃い色のシミュレートしたイオン軌道を示す。薄い色のイオン軌道は、イオン源の後から(Z方向に)放出されたイオンを表し、濃い色のイオン軌道はイオン源の前から(Z方向に)放出されたイオンを表す。Y方向でイオンを往復させる技術は、イオン源およびイオン検出器の両方がZ方向でおよそ50mmの長さを有することを可能とする(例えば、イオン源長さ50mm、検出器長さ56mm)。イオン源がZ方向で50mmの長さを有するので、シミュレートした薄い色および濃い色の軌道は、Z方向でほぼ50mmの変位がある。イオンが検出器に衝突するまで16回のイオンミラー反射中にZ方向で移動した合計平均距離は、Z=280mmである。平面型イオンミラーのZフリンジ電界を考慮すると、これは、Z方向の全イオンミラー長さは、約420mmである必要があり、これは、市販の計測装置としては適度である。
図5C〜図5Eは、空間およびエネルギー拡散に対して、飛行時間収差を減らすために最適化された分析計(Yスケールが誇張されている)中のイオン軌道例のX−Y面への投影図を示す。
図5Cは、異なるイオンエネルギーを有するイオン軌道を示す。イオンミラーは、それぞれの反射後に分析計の中央での空間エネルギー分散を除去するように調整され、それにより、それぞれの2つの反射後に空間的に収差のない(すなわち、座標および角度エネルギー分散が存在しない)状態が得られる。一般イオン光学理論(M.Yavor,Optics of Charged Particle Analyzers,Acad.Press,Amsterdam,2009)では、このような調整は、空間イオン拡散に対する一次等時性イオン輸送を与える(すなわち、dT/dY=dT/dB=0、式中、B=dY/dXは、イオン軌道の傾斜である)。
図5Dは、異なる初期Y座標を有するイオン軌道を示す。イオンミラーは、1回の反射後、分析計の中央でイオン軌道のパラレルツーポイント型集束を与え、その結果として、各2回の反射後、パラレルツーパラレル型集束を与えるように調整し得る。
図5Eは、異なるイオン軌道の初期B角度を有するイオン軌道を示す。イオンミラーは、1回の反射後、分析計の中央でイオン軌道のポイントツーパラレル型集束を与え、その結果として、各2回の反射後、ポイントツーポイント型集束を与え、および各4回の反射後、単変換を与えるように調整し得る。総じて、各4回の反射後、イオンパケットの空間の位相空間は、単変換を受ける。一般的なイオン光学理論(D.C.Carey,Nucl.Instrum.Meth.,v.189(1981)p.365)では、イオンミラーのただ1つの追加の条件dY/dBdK=0(式中、Kはイオンの動力学的エネルギーである)を満たすためのイオンミラーの調整は、16、20、24回、・・・などの反射後の、空間(座標および角度)変動に起因するならびに空間とエネルギーの混合変動に起因する全ての2次飛行時間収差の除去という結果になる。飛行時間のエネルギー拡散に対する残りの依存性については、電極長さおよびキャップ−キャップ間距離の適切な選択により、少なくとも3次の収差(dT/dK=dT/dK=dT/dK=0)まで除去できる。
図6A〜図6Cは、1.2度の角度発散および18eVのビームエネルギーを有する1.4mm直径の連続イオンビームから、300V/mmの加速界を備えた50mm長さの直交加速器により生成されたイオンパケットの場合に対する、図5A〜図5Bに示した分析計のイオン光学的シミュレーション結果を示す。検出器の位置で得られるイオンピーク時間幅を時間−エネルギー図と共に示し、これは、1000a.m.u.のイオン質量に対し、約488μsの飛行時間で1.1nsのFWHM、すなわち、224,000の質量分解能力を特徴とする。
より小さいY変位で解像度を改善するために、その他の数字上の妥協をすることができること、または狭いイオン源または狭い検出器を作製する際の課題に対処する場合、より大きなY変位のために幾分妥協した解像度を使用できることを理解されたい。
MR−TOF装置収差は、一般的に、往復の間にイオンのY変位の振幅と共に大きくなるので、軌道のY変位Yを最小化することが望ましい。他方では、最小のY変位は、イオンパケットY幅とY発散により定義される、軸方向軌道とY変位イオン軌道とを区別するためにその場合でも十分である必要がある。しかも、最小Y変位は、少なくとも一部の往復の間(例えば、3回のY方向往復)、イオン源および/または検出器をバイパスするのに十分でなければならない。換言すれば、イオン注入方式に応じて、最小Y変位は、イオン源および/または検出器の物理的幅に依存し得る。イオンパケットの適度のY変位を維持し、同時にイオンパケットにイオン源のまわりをバイパスさせるために、本発明による多くの方法を用い得る。例えば、イオン源は狭くてよく、例えば、イオン源は抵抗ボードにより形成されたDC加速器を有する直交加速器(OA)であってよい。あるいは、イオンパケットは、X−Y面内に弯曲を有する湾曲した等時性セクターインターフェースを介して注入されてよい。あるいは、または追加して、半分の幅の直交加速器に比べて、イオンパケットの変位を減らすようにイオンをY方向に曲げるパルスデフレクターを採用してもよい。
検出器がイオン軌道のバイパスを妨害するのを避けるために、検出器は、標準的TOF検出器より小さい外周サイズを有し得るイオン−電子変換器を含んでもよい。検出器により生成される二次電子は、不均一な磁界または静電界により、検出器に集束され得る(高速検出器ではより小さいスポットのために)または検出器に対しデフォーカスされ得る(より長い検出器寿命のために)。
図7Aおよび図7Bは、等時性静電セクター75を使って、飛行時間領域から注入または抽出すること以外は、図4A〜図4Dに示すものと同じMR−TOF−MS装置の実施形態を示す。図7AはX−Y面の図、図7BはY−Z面の図を示す。装置71は、飛行時間領域の外側に配置された、比較的広い幅Sのイオン源73、飛行時間領域の外側に配置された比較的広い幅Dを有するイオン検出器74、およびイオン源73およびイオン検出器74と飛行時間領域とのインターフェイスをとるための、幅Wの等時性静電セクター75を含む平面型MR−TOF分析計72を含む。セクター75の湾曲したイオン軌道78は、分析計72のX−Y面内にある。
動作中、イオンパケット76は、イオン源73から入口セクター75に加速される。入口セクター75は、イオン源73からのイオンパケット76を、イオン軌道77を分析計内で、X−Z中央面からY変位YでY軸に平行に配置するように、湾曲したイオン軌道78に沿って分析計72中に輸送する。この配置は、分析計の飛行領域中にイオン源を配置すること(例えば、図4A〜図4Bのように)により与えられるY変位より容易に制御可能なY変位Yを有するイオンが分析計72に注入されることを可能とする。例えば、Y方向で比較的広い幅を有するイオン源を使用する場合、イオンが所望の初期Y変位を有するように、およびイオンが装置に沿って移動する際にイオン源に衝突しないように、分析計の飛行領域内にイオン源を配置するのは困難な場合がある。例えば、図4A〜図4Bに示す実施形態では、イオンはイオン源の中心から(Y方向に)放出され、そのため、初期変位Yは、イオンが後でイオン源に衝突することなしに、イオン源の半値幅より小さく(Y方向で)作ることができない。対照的に、セクター78の使用により、イオン源の半値幅S/2および検出器D/2の半値幅より初期変位Yを著しく小さくすることが可能となることが図7A〜図7Bから読み取ることができる。
イオンがセクター75に衝突することを回避するために、それぞれのセクターのY方向の半値幅(W/2)がYより小さく配置される。
セクターインターフェース75の等時性特性は、特許文献14に記載されている。この特許は、参照により本明細書に組み込まれる。セクターインターフェース75の使用により、Y軌道変位の振幅をイオン源73または検出器74の物理的幅SおよびDから適度の時間分散で切り離す。
図7Bは、等時性静電セクター75を使って、飛行時間領域から注入または抽出すること以外は、図4Cに相当する。図7Bは、イオン源73、イオン受容器74および湾曲セクター75の投影図を示す。円47群は、Y−Z中央面と交差するイオンパケットの異なる時間による異なる位置を表す。前述のように、イオンストップ48は、過度に発散したイオンパケットの一部を除去するために設けられ得る。また、前述のように、1つまたは複数のイオンストップ48は、分析計72を通過するイオンビーム伝送を最適化するための補助検出器であっても、または主検出器74の自動ゲイン調節のための補助検出器であってもよい。
図8A〜図8Bは、イオンデフレクターを使って所望の軌道に沿ってイオンを注入すること以外は、図4A〜図4Dに示すものと同じMR−TOF−MS装置の実施形態を示す。図8AはX−Y面の図、図8BはY−Z面の図を示す。
装置81は、比較的広い幅S(S>2Y)のイオン源83、比較的狭い幅D(D<2Y)の検出器84、幅Wのデフレクター85、および任意のデフレクター88を含む平面型MR−TOF分析計82を含む。上記実施形態と同様に、初期にはイオンがX軸からの変位YでX軸に平行に移動するように、イオンを注入するのが望ましい。前述のように、イオン源83のY方向の幅が、2Yより大きい場合、イオンは、装置を通って移動する際にイオン源83に衝突するであろう。したがって、イオン源83は、イオン軌道87の妨害を避けるように、イオンミラー反射後にY方向に変位される。その後、イオンは、イオン源83からY=0面の方向に向けられ、デフレクター85がイオンパケットを軌道87に沿って、変位YでX軸に平行に誘導するように、デフレクター85を使ってイオン軌道を曲げ得る。
イオン源83のイオン放出軸は、X軸に平行に配置され、追加のイオンデフレクター88は、軌道86に沿ってデフレクター85の方向にイオンパケットを誘導するように設けられ得、それにより、イオンのY変位がデフレクター85の中心でYと等しくなる。その後、デフレクター85は、軌道87に沿ってパケットを誘導する。あるいは、イオン源83の放出軸は、イオンパケットを軌道89に沿ってデフレクター85の方向に放出するようにX−Y面内で傾斜され得、それにより、イオンのY変位がデフレクター85の中心でYと等しくなる。その後、デフレクター85は、軌道87に沿ってパケットを誘導する。デフレクター85および/または88は、パルスまたはスタティックデフレクターであってよい。
パルスまたはスタティックデフレクターの多くの他の機構も、イオンパケットを変位された軌道87に沿って輸送し、同時にそれらが適度の幅2Yを超えるY方向幅Sを有するイオン源と干渉するのを回避するのに有効である。
図8Cは、デフレクター85が、Y方向でより大きな幅を有するデフレクター90で置き換えられていること以外は、図8A〜図8Bに示すものと同じである代替的実施形態のY−Z面の図を示す。デフレクター90は、デフレクター90の幅Wが2Yを超えるように選択され、それにより、デフレクター90が分析計82内でイオン軌道87を妨害するのを回避する代わりの方法を与えること以外は、デフレクター85と同じ機能を有する。換言すれば、デフレクターは、Y方向で相互に対向する電極を含み、電極はY=0面の対向する両側に配置され、それぞれの電極のY=0面からの距離は、Yより大きい。デフレクター90は、最初のイオンミラー反射後、イオンパケットの変形を回避するように、パルス方式で動作する。
図9A〜図9Bは、イオン源が周期的に連続ビーム92、またはパルスイオンビームをイオンミラーへパルス出力するパルス変換器93であり得ること以外は、図4A〜図4Dに示すものと同じMR−TOF−MS装置の実施形態を示す。例えば、パルス変換器93は、直交加速装置であってもよい。図9AはX−Y面の図、図9BはY−Z面の図を示す。以前に記載の実施形態のイオン源と同様に、パルス変換器93は、4まで伸長される変換器長さZで、実質的にドリフトZ方向に沿って、配向され得る。変換器93は、グリッドレスであってよく、また、Y方向で数mradの低発散を可能とする終端の静電レンズを備えてもよい。
イオンパケットは、パルス変換器93により生成され、X軸に対し小さい傾斜角度αで飛行時間領域に注入される。イオン軌道が4回の反射の間で分離でき、同時に分析計のZ方向の適度な長さ、例えば、Z≒300〜400mm、が維持されるように、角度αを最適化するのが望ましい。イオン軌道45の角度αは、約20mradに最適化し得る。パルス変換器は、必ずしも、イオン軌道の最適傾斜角度を与える必要はなく、最適傾斜角度α≒20mradを達成するために、イオンパケットを誘導するように電極が設けられ得る。
図9Cは、スルーモードで使用される半径方向に放出するイオントラップを含むパルス変換器93AのX−Y面の図およびX−Z面の図を示す。X−Y図で示されるように、パルス変換器93は、上部および下部電極ならびにサイドトラップ電極を有するパススルーレクティリニアイオントラップを含む。イオンビーム92を閉じ込めるために、高周波電圧シグナルがサイドトラップ電極に印加される。イオンビームは、エネルギーK=3〜5eVを有する比較的遅いイオンビームであってよい。上部電極中のスリットを通してイオンパケットを抽出するように、周期的に、RFシグナルがスイッチオフされ、電圧パルスが上部および下部電極に印加される。それぞれのイオンパケットは、DC加速ステージ94A内で、例えば、K=5〜10keVのエネルギーに加速される。イオンパケットは、∂=sqrt(K/K)として定義される、すなわち、MRTOF分析計内で所望の傾斜角度α≒20mradに近い固有の傾斜角度∂を有する。
イオンビーム92は、低減したエネルギーを有する(直交加速に比べて)ので、パルス変換器93Aは、向上したデューティサイクルを可能とするが、Z方向に広がったイオンパケットに起因してイオンストップ48で追加のイオン損失が起こり得る。数値的例を以降で説明する。連続イオンビーム92は、平均イオンエネルギーK=5eVを有し、Z方向のエネルギー拡散がΔK=1eVであり、レクティリニアトラップの長さZ=80mmである(図4の表記法を使用)と仮定する。また、MR−TOF分析計が加速エネルギーK=8000eVを有し、イオンが検出される前に16回のイオンミラー反射が行われると仮定する。この場合、平均傾斜角度は、∂=sqrt(K/K)=25mradであり、1mのキャップ−キャップ間隔でイオンパケットのイオンミラー反射当たりの前進量は、Z=25mmである。傾斜角度拡散は、Δ∂=∂ΔK/2K=2.5mradである。16回のイオンミラー反射後、イオンパケットは、Z方向に距離Z=16Csin∂=400mmだけドリフトし(図1の表記法を使用)、Z方向にdZ=16CΔ∂=40mmだけ広がるであろう(図1の表記法を使用)。加速器長さZ=80mm(4Zより短く留まるように選択)は、20%のデューティサイクルを可能とし、一方、イオンストップ48を通る通過確率TRは、TR=0.8である(図4Dの形状例50に示されるように)。したがって、全体有効デューティサイクルは16%である。トラップ93Aは、RF界の切り替えがMR−TOFスペクトルの質量精度に関連するいくつかの問題を呈し得ること以外は、ほぼ理想的な変換器である。
図9Dは、蓄積モードで使用される半径方向に放出するイオントラップを含むパルス変換器93BのX−Y面の図およびX−Z面の図を示す。X−Y図で示されるように、パルス変換器93は、上部および下部電極ならびにサイドトラップ電極を有するパススルーレクティリニアイオントラップを含む。半径方向にパルス注入イオンビーム96を閉じ込めるために、高周波電圧シグナルがサイドトラップ電極に印加される。トラップは、RFトラップのいくつかのセグメント(概略図には示していない)を含み、トラップのZ方向に約1VのDC井戸が得られるように、これらのセグメントに電圧が印加される。注入イオンは、トラップされ、時間Tの間、ガス圧力Pでガス衝突により減衰される。ここで、PTの積は、約3〜5msmTorであってよい。典型的な圧力Pは2〜3mTorで、典型的時間Tは1〜2msであり得る。上部電極中のスリットを通してイオンパケットを抽出するように、周期的に、RFシグナルがスイッチオフされ、電気パルスが上部および下部電極に印加される。イオンパケットは、DC加速ステージ94A内で、ゼロの固有傾斜角度∂で、K=5〜10keVのエネルギーに加速される。角度α≒20mradで、著しい時間収差なしに配置するために、トラップおよびDC加速器94Bは、Z方向に対する角度α/2≒10mradで傾けられ、分割型デフレクター95B(デフレクターの小さいY幅の位置で均一な偏向界を得るために複数セグメント中に配置される)を使って、イオンパケットがα/2≒10mradの角度で曲げられる。
MRTOF分析計のエネルギー許容誤差に匹敵するイオンパケットの相対エネルギー拡散ΔK/K=6%で、1ns未満のFWHMのT|ZK時間収差を維持するために、トラップ93Bの長さZとステアリング角α/2の積は500mmmrad未満にすべきである。したがって、トラップ長さZは、角度α/2=10mradで50mmに保持し得る。
蓄積トラップ変換器は、単一のデューティサイクルを与えるが、実際の最近のイオン源を使った場合、1E+6イオンのイオン雲が1msの蓄積時間中に蓄積され得る(毎秒1E+9〜1E+10イオンの生産性を有する)ので、トラップは、急速に一杯になる可能性がある。この問題は、制御されたまたは交互のイオン注入時間を使用することにより一部は解決し得る。長さZ≒50mmの伸長されたイオントラップ93Bは、その時点でも、先行技術の1mmの特徴的イオン雲サイズを有する軸方向放出トラップより遥かに大きな空間電荷容量を可能とする。
図9Eは、Z軸に整列したDC加速ステージ94Cを有する従来の直交加速器および多重デフレクター95Cを含むパルス変換器93Cを示す。多重デフレクター95Cは、薄く(例えば、0.1mm未満)、近接した偏向プレートからなり、必要に応じて両面プリント配線基板上に配置された複数の偏向セルを含む。必要に応じて、それぞれの偏向セルのZ幅は、約Z=1mmである。直交加速動作は、約15超〜20eVのイオンビーム92エネルギーで安定であることが知られている。イオンビーム92は、K=20eVのエネルギーを有するように設定して、K=8keVに対し、傾斜角度∂≒50mradを有するイオンパケットを生成し得る。Z方向で400mmまでの適度な分析計長さ内に16回のイオンミラー反射を配置するために、傾斜角度は約α≒20mradに減らされる。多重デフレクター95Cは、イオンパケットの角度を、∂−α=30mradの角度だけ変える。Z=1mmのセル幅で、タイムフロントは、∂−αの角度で傾斜され、これは、イオンパケットをX方向にΔX=Z sin(∂−α)≒30μm広げる。16mの飛行経路長で、ステアリングステップは、R<L/2ΔX≒250,000の制限を、基準ピーク質量解像度に対し課し、すなわち、FWHMで約500,000の解像度の制限を課す。したがって、1mmセル多重デフレクター中の誘導は、それでも、R≒200,000の全体分解能力を得ることができる。加速器長さ(加速器長さは、Z=20mmに対し、Z<60〜70mmに制限される)および多重デフレクターの幾何学的通過確率に応じて、全体デューティサイクルは、5〜7%と推定される。
図9Fは、Z軸に対しβ≒30mradの角度で傾斜した従来の直交加速器94Dおよび分割型デフレクター95Dを含むパルス変換器93Dを示す。デフレクター95Dのいくつかのセグメントが、デフレクターの適度のY幅で均一な偏向界を与えるように配置される。安全なイオンビームエネルギーが約15〜20eVとなるように選択され、∂≒50mradの固有の傾斜角度が得られる。1次のタイムフロント傾斜を補償するために、デフレクターのステアリング角β=∂−αが、直交加速器の傾斜角度βに等しくなるように調節される(傾斜およびステアリング時間収差の相互補償)。ステアリング角がイオンパケットエネルギーKに依存するため、次の顕著な時間収差T|ZKが現れる。しかし、1ns未満の追加の時間拡散のFWHMを持続するための、イオンパケットのΔK/K=6%の相対エネルギー拡散に対し、2次収差は、依然として、Z βの積の500mmmradまでを可能とする。すなわち、20〜30mmまでの直交加速器長さで、解像度をR≒200,000に制限する。全体デューティサイクルは、3〜5%と推定され、これは、それでも、先行技術MR−TOF装置より約10倍優れている。
図10は、検出器44は、4回のイオンミラー反射後にのみイオンが検出器44に衝突するように配置される以外は、図4Cに示すものと同じである実施形態のY−Z面の図である。この配置は、適度の解像度を有し、比較的高いデューティサイクルを可能とする。例えば、この配置のキャップ−キャップ間隔は、C=1mであり得、有効飛行経路は、4mであり得る(これは、現在のXevo XSのQ−TOFより1.6倍大きい)。イオンビームがプッシャー内でプッシュの方向に1.2〜1.4mmの物理的広がりを有し、およびプッシャー内の勾配が300V/mmである場合、イオンにより見えるエネルギー拡散Δkは、単電荷イオンに対して、約420eVである。このような装置のエネルギーアクセプタンスは、Δk/kにより与えられ、式中、kは加速電圧(例えば、6000V)である。これは、6〜7%のエネルギーアクセプタンスを与え、同時に、RA=100Kに維持する。したがって、1.2〜1.4mmビームを、300V/mmのプッシャー勾配で使用し得る。
本発明は、先行技術MR−TOF−MS装置の5〜6mmの長さと比べて、イオン加速器のZ方向での大きな伸長、例えば、30〜80mmの伸長を可能とする。したがって、本発明は、直交加速器を備えた装置の質量範囲および感度を実質的に改善する。
本発明を種々の実施形態に関連して説明してきたが、当業者なら、添付の請求項の範囲で記載される本発明の範囲を逸脱することなく、形態と詳細における種々の変更をなし得ることを理解するであろう。

Claims (25)

  1. 多重反射型飛行時間質量分光計であって、
    互いに間隔を置いて第1の次元(X次元)に配置され、それぞれ前記第1の次元と直交する第2の次元(Z次元)に伸長している2つのイオンミラー、
    イオンが、前記第1と第2の次元に対し一定の角度で配置される軌道に沿って移動し、前記第2の次元(Z次元)の空間を通ってドリフトする間、前記第1の次元(X次元)で前記イオンが前記イオンミラー間で繰り返して往復するように前記イオンミラー間の前記空間にイオンパケットを導入するためのイオン導入機構、を含み、
    前記イオンが前記第2の次元(Z次元)で前記空間を通ってドリフトする間、前記イオンが前記第1と第2の両次元と直交する第3の次元(Y次元)でも往復するように前記イオンミラーおよびイオン導入機構が配置および構成され、
    前記分光計が、前記イオンが前記第1の次元(X次元)で複数回往復した後で、イオンを受け取るように配置されたイオン受容機構を含み、
    少なくとも一部の前記イオン導入機構および/または少なくとも一部の前記イオン受容機構が前記イオンミラーの間に配置され、
    前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、前記イオンが前記第1と第2の次元(XおよびZ次元)で前記少なくとも一部のイオン導入機構と同じ位置を有する場合、前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、前記イオンを前記第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成され、それにより、前記イオンが前記第1の次元(X次元)で往復する間、前記イオンの軌道が前記イオン導入機構を少なくとも1回バイパスする、および/または
    前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、前記イオンが前記第1と第2の次元(XおよびZ方向)で前記少なくとも一部のイオン受容機構と同じ位置を有する場合、前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、前記イオンを前記第1の次元(X次元)および前記第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成され、それにより、前記イオンが前記第1の次元(X次元)で往復する間、前記イオンの軌道が前記イオン受容機構を少なくとも1回バイパスする、分光計。
  2. 前記イオンが、前記第3の次元(Y次元)で往復軸のまわりおよび最大振幅の位置間で往復するように構成され、前記少なくとも一部のイオン導入機構および/または前記少なくとも一部のイオン受容機構が、前記最大振幅の位置間の前記空間の一部のみにわたって伸長するように配置される、請求項1に記載の分光計。
  3. 前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、前記第1の次元(X次元)の前記イオンミラー間での前記イオンのそれぞれの反射中に前記イオンを前記第2の次元(Z次元)に距離Z移動させるように構成され、前記距離Zが、前記少なくとも一部のイオン導入機構の前記第2の次元(Z次元)の長さおよび/または前記少なくとも一部のイオン受容機構の前記第2の次元(Z次元)の長さより小さい、請求項1または請求項2に記載の分光計。
  4. 前記少なくとも一部のイオン導入機構の前記第2の次元(Z次元)の長さおよび/または前記少なくとも一部のイオン受容機構の前記第2の次元(Z次元)の長さが、前記距離Zの距離の4倍までである、請求項3に記載の分光計。
  5. 前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、≧0.5mm、≧1mm、≧1.5mm、≧2mm、≧2.5mm、≧3mm、≧3.5mm、≧4mm、≧4.5mm、≧5mm、≧6mm、≧7mm、≧8mm、≧9mm、≦10mm、≦9mm、≦8mm、≦7mm、≦6mm、≦5mm、≦4.5mm、≦4mm、≦3.5mm、≦3mm、≦2.5mm、および≦2mmからなる群より選択される振幅で前記第3の次元(Y次元)で前記イオンが往復するように構成される、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の分光計。
  6. 前記イオンが、前記第3の次元(Y次元)で往復軸のまわりを最大往復振幅で往復し、前記少なくとも一部のイオン導入機構および/または前記少なくとも一部のイオン受容機構が、前記第3の次元(Y次元)の往復軸から、前記最大往復振幅より小さい距離だけ離して配置される、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の分光計。
  7. 前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で往復軸のまわりを往復するように構成され、
    (i)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構が、前記第3の次元(Y次元)で前記往復軸から間隔を置いて配置される、または
    (ii)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構の内の一方が、前記往復軸上に配置され、前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構のもう一方が、前記往復軸から前記第3の次元(Y次元)で間隔を置いて配置される、または
    (iii)前記少なくとも一部のイオン導入機構および前記少なくとも一部のイオン受容機構の両方が、前記往復軸上に配置される、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の分光計。
  8. 前記少なくとも一部のイオン受容機構が、前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で1回または複数回往復した後で、前記イオンミラー間の空間からイオンを受け取るために前記イオンミラー間に配置される、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の分光計。
  9. 前記少なくとも一部のイオン受容機構が、イオン検出器である、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の分光計。
  10. 前記イオン受容機構が、イオンガイドを含み、前記少なくとも一部のイオン受容機構が前記イオンガイドへの入口である、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の分光計。
  11. 前記イオンミラー間の前記空間の外側に配置されたイオン検出器をさらに含み、前記イオンガイドが前記イオンミラー間の前記空間からイオンを受け取り、前記イオン検出器に前記イオンを誘導するように配置および構成される、請求項10に記載の分光計。
  12. 前記イオンガイドが、電気または磁気セクターである、請求項10または請求項11に記載の分光計。
  13. 前記イオン受容機構が、イオンを前記イオンミラー間の前記空間から、必要に応じて、前記イオンミラー間の前記空間の外側に配置された検出器の方向に曲げるイオンデフレクターである、請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の分光計。
  14. 前記イオン導入機構が、イオンを前記イオンミラー間の前記空間に導入するステップを実施するように、前記イオンミラー間に配置され、イオンパケットを放出する、または生成して放出するように構成されたパルスイオン源である、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の分光計。
  15. 前記パルスイオン源が、直交加速器またはイオンビームをイオンパケットに変換するイオントラップを含む、請求項14に記載の分光計。
  16. 前記パルスイオン源が、前記第1と第2の次元に対し一定の角度で配置された前記軌道に沿って通すように前記イオンを誘導するための、パルスまたは連続イオンステアリング装置の内の1つまたは複数を含む、請求項14または請求項15に記載の分光計。
  17. 前記イオン導入機構が、イオンガイドを含み、前記少なくとも一部のイオン導入機構が前記イオンガイドの出口である、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の分光計。
  18. 前記イオンミラー間の前記空間の外側に配置されたイオン源をさらに含み、前記イオンガイドが、前記第1と第2の次元に対し一定の角度で配置された前記軌道に沿って通過するように、前記イオン源からイオンを受け取り、前記イオンを前記空間に誘導するように配置および構成される、請求項17に記載の分光計。
  19. 前記イオンガイドが、電気または磁気セクターである、請求項17または請求項18に記載の分光計。
  20. 前記少なくとも一部のイオン導入機構が、前記イオンの前記軌道を曲げるイオンデフレクターである、請求項1〜請求項13のいずれか1項に記載の分光計。
  21. 前記イオンミラーの間および前記イオン導入機構と前記イオン受容機構との間のイオン飛行経路中に配置された1つまたは複数のビームストップをさらに含み、前記1つまたは複数のビームストップが、前記第2の次元(Z次元)で測定したそれぞれのイオンビームパケットの前端および/または後端に位置するイオンの通過を遮断するように配置および構成され、および/または
    それぞれのイオンパケットが、前記イオン導入機構から前記イオン受容機構へ移動する間に、前記第2の次元(Z次元)に発散し、1つまたは複数のビームストップが、所定の量を超えて平均イオン軌道から発散する前記イオンパケット中のイオンの前記通過を遮断するように配置および構成される、請求項1〜請求項20のいずれかに記載の分光計。
  22. 少なくとも1つの前記ビームストップが、補助イオン検出器である、請求項21に記載の分光計。
  23. 前記第1の次元(X次元)において、前記イオンが前記イオンミラー間で所望の数の往復を行った後に、前記イオンを検出するように配置および構成された主イオン検出器;前記補助イオン検出器であって、それぞれのイオンパケットの一部の前記イオンを検出し、それぞれのイオンパケット中のイオンの強度を決定するように配置および構成された補助イオン検出器;および前記補助イオン検出器により検出された前記強度に基づいて、前記主イオン検出器のゲインを制御するための制御システム、を含む、請求項22に記載の分光計。
  24. 前記第1の次元(X次元)において、前記イオンが前記イオンミラー間で所望の数の往復を行った後に、前記イオンを検出するように配置および構成された主イオン検出器;前記補助イオン検出器であって、それぞれのイオンパケットの一部の前記イオンを検出するように配置および構成された補助イオン検出器;および前記補助イオン検出器からのシグナル出力に基づいて前記イオンパケットの前記軌道を誘導するための、また、必要に応じて、前記イオン導入機構から前記主イオン検出器へのイオン伝送を最適化するための制御システムを含む、請求項22または請求項23に記載の分光計。
  25. 飛行時間質量分析方法であって、
    互いに間隔を置いて第1の次元(X次元)に配置され、それぞれ前記第1の次元と直交する第2の次元(Z次元)に伸長している2つのイオンミラーを用意すること、
    イオンが、前記第1と第2の次元に対し一定の角度で配置される軌道に沿って移動し、前記イオンが前記第2の次元(Z次元)の空間を通ってドリフトする間、前記第1の次元(X次元)で前記イオンが前記イオンミラー間で繰り返して往復するようにイオン導入機構を使って前記イオンミラーの間の前記空間にイオンパケットを導入すること、
    前記イオンが前記第2の次元(Z次元)で前記空間を通ってドリフトする間、前記第1と第2の両次元と直交する第3の次元(Y次元)で前記イオンを往復させること、および
    前記イオンが前記第1の次元(X次元)で複数回往復した後で、イオン受容機構中にまたはその上で前記イオンを受け取ること、を含み、
    少なくとも一部の前記イオン導入機構および/または少なくとも一部の前記イオン受容機構が前記イオンミラーの間に配置され、
    前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、前記イオンが前記第1と第2の次元(XおよびZ次元)で前記少なくとも一部のイオン導入機構と同じ位置を有する場合、前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、前記イオンを前記第1の次元(X次元)および第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成され、それにより、前記イオンが前記第1の次元(X次元)で往復する間、前記イオンの軌道が前記イオン導入機構を少なくとも1回バイパスする、および/または
    前記イオンミラーおよびイオン導入機構が、前記イオンが前記第1と第2の次元(XおよびZ方向)で前記少なくとも一部のイオン受容機構と同じ位置を有する場合、前記イオンが前記第3の次元(Y次元)で異なる位置を有するように、前記イオンを前記第1の次元(X次元)および前記第3の次元(Y次元)で、種々速度で往復させるように構成され、それにより、前記イオンが前記第1の次元(X次元)で往復する間、前記イオンの軌道が前記イオン受容機構を少なくとも1回バイパスする、方法。
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