JP6595241B2 - 熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物及びその成形体 Download PDF

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Description

本発明は、熱可塑性樹脂組成物及びその成形体に関する。
芳香族ポリカーボネートは、透明性と優れた耐衝撃性とを併せ持ち、従来から、携帯機器の筐体や家電機器の筐体等、高い耐衝撃性が要求される分野において極めて広く用いられている。また、自動車の内装部品やグレージング等、上記特性に加えて耐熱性を必要とする分野においても広く用いられている。
一方、近年、筐体等の使用者の目に見える部分の材料においては、意匠性が強く求められており、その材料の一つとして、漆黒(ピアノブラック)の外観が求められる分野がある。このような分野において、従来は、主に樹脂材料表面に塗装する方法が採用されているが、揮発性有機化合物(VOC)の排出による環境汚染やコストが高い等の問題により、塗装工程(クリアコートを含む)を行わず、原料に着色材を混ぜて意匠性を出す、いわゆる原着材料を使用したいという要望が高まってきている。
しかし、ポリカーボネート(PC)を原着材料として使用するためには、ポリカーボネート特有の透明性と耐衝撃性を低下させることなく、耐傷付き性や耐候性を付与することが求められる。
耐傷付き性としては、ひっかき傷等の他に、布拭きによる傷に対する耐性を有していることが求められている。特に、水拭きをした後でも傷がつかないことが求められている。
従来において、PCの耐傷付き性を改善する技術としては、下記特許文献1〜4に挙げるように、表面の摩擦係数を低下させることによって耐傷性の改良を図る技術が開示されている。
例えば、特許文献1には、ポリカーボネートを含む熱可塑性樹脂に、ポリアルキレングリコールを特定量含有させることにより、爪による耐傷性の向上を図るという技術が開示されている。
また、特許文献2には、ポリカーボネートにオレフィン系ワックス、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を特定量含有させることにより、摩擦係数を低下させる技術が開示されている。
さらに、特許文献3には、ポリカーボネートにアルキルケテンダイマーを特定量含有させるもの、特許文献4には、ポリカーボネートを含む熱可塑性樹脂に特定の可塑度のポリジオルガノシロキサンを含有させるものが開示されており、これらにより摩擦係数を低下させ、耐傷性を高める技術が開示されている。
一方、下記特許文献5、6には、表面の摩擦係数を低下させる方法以外にも、表面硬度を高くすることにより耐傷性を改良する方法が開示されている。
例えば、特許文献5には、イソソルバイドが主原料のバイオポリカーボネート系樹脂とすることにより、鉛筆硬度をHとする技術が開示されている。
また、特許文献6には、ポリカーボネートに芳香族(メタ)アクリレート単位及びメチルメタクリレート単位からなる低分子量樹脂を配合することにより、透明性を維持しながら鉛筆硬度をHB〜Hとする技術が開示されている。
特開平8−311315号公報 特開平10−204277号公報 特開2015−4006号公報 特開2001−354859号公報 特開2012−184415号公報 特開2012−25790号公報
しかしながら、材料の表面摩擦係数を低下させて耐傷性を改良した特許文献1〜4に開示されている技術においては、ポリカーボネートの透明性を低下させてしまい、高品位な外観を得ることはできず、耐傷性についても改良の余地があるという問題を有している。また、水拭き後の耐傷性についても実用上十分な特性を有しているものではない、という問題も有している。
一方、材料の表面硬度を高めて耐傷性を改良した特許文献5、6に開示されている技術においては、ポリカーボネートの耐衝撃性を低下させてしまうという問題を有している。
上述のように、従来においては、耐傷付き性、耐衝撃性、耐熱性、及び高品位な外観のすべての特性を満足する材料は得られていない。
そこで本発明においては、上述した従来技術の問題点に鑑み、塗装することなく成形のみで、高い耐傷付き性、耐衝撃性、耐熱性、及び高品位な外観のすべての特性を併せ持つ成形体が得られる熱可塑性樹脂組成物、及びその成形体を提供することを目的とする。
本発明者らは上記の問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ポリエステル、芳香族ポリカーボネートから選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(A)に、分子鎖中に所定の構造を有する添加剤(B)を含有する熱可塑性樹脂組成物が、塗装することなく成形のみで、高い耐傷付き性、耐衝撃性、耐熱性、及び高品位な外観を併せ持つ成形体を製造可能であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕
ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(A)
と、
添加剤(B)と、
を、含み、
前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記添加剤(B)を0.2〜3.0質量部、含有し、
前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステルを含み、当該ポリエステルのジオール成分と
して、少なくとも脂環族ジオールを含み、
前記添加剤(B)が、Rn−(OX) m −OHである、熱可塑性樹脂組成物。
(Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは2〜150であり、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。)
〔2〕
前記添加剤(B)の構造中(OX)が、エチレンオキサイドである、前記〔1〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔3〕
前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、
前記添加剤(B)を0.2〜1.5質量部、含有する、
前記〔1〕又は〔2〕に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔4〕
前記熱可塑性樹脂(A)が、非晶性ポリエステルを含み、当該非晶性ポリエステルが、少なくとも芳香族ジカルボン酸と脂環族ジオールとを含むポリエステル樹脂である、前記〔1〕乃至〔3〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔5〕
前記脂環族ジオールとして、
2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む、前記〔1〕乃至〔4〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔6〕
前記熱可塑性樹脂(A)が、少なくとも芳香族ポリカーボネートを含む、前記〔1〕乃
〔5〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔7〕
前記熱可塑性樹脂(A)中の芳香族ポリカーボネートが80質量%以上である、前記〔
1〕乃至〔6〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔8〕
着色剤、耐候剤及び熱安定剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含む、
前記〔1〕乃至〔7〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物。
〔9〕
前記〔1〕乃至〔8〕のいずれか一に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
〔10〕
前記成形体が無塗装である、前記〔9〕に記載の成形体。
〔11〕
前記成形体が自動車用材料である、前記〔9〕又は〔10〕に記載の成形体。
本発明によれば、塗装することなく成形のみで、高い耐傷付き性、耐衝撃性、耐熱性、及び高品位な外観を併せ持つ成形体が得られる熱可塑性樹脂組成物、及び当該熱可塑性樹脂組成物の成形体が得られる。
以下、本発明を実施するための形態(以下、「本実施形態」と言う。)について、詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜変形して実施できる。
〔熱可塑性樹脂組成物〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、
ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(A)と、
添加剤(B)と、
を、含み、
前記添加剤(B)は、分子鎖中に、−Rn−(OX)m−の構造を有している。
ここで、Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは1以上であり、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。
((A)熱可塑性樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、ポリエステル、及び/又は、芳香族ポリカーボネートからなる熱可塑性樹脂(A)(以下、(A)成分と記載する場合がある。)を含有している。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(A)成分を含むことにより、高品位な外観と高い耐衝撃性とを有し、さらに耐熱性にも優れた成形体を得ることができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、熱可塑性樹脂(A)として、非晶性熱可塑性樹脂を含有することが好ましく、芳香族ポリカーボネートを含有することがより好ましい。
前記芳香族ポリカーボネートとしては、芳香族ホモポリカーボネート、芳香族コポリカーボネートのいずれも使用することができる。
前記芳香族ポリカーボネートは、2官能フェノール系化合物に苛性アルカリ及び溶剤の存在下でホスゲンを吹き込むホスゲン法や、2官能フェノール系化合物と炭酸ジエチルとを触媒の存在下でエステル交換させるエステル交換法、二酸化炭素とアルコールとから炭酸ジエチルを得て、炭酸ジエチルと芳香族ヒドロキシ化合物とを反応させて芳香族炭酸エステルを得る方法等、種々の方法により製造することができる。
(A)成分として、芳香族ポリカーボネートとポリエステルの混合物を使用する場合には、成形後の外観の観点からホスゲン法で製造した芳香族ポリカーボネートを用いることが好ましい。
前記2官能フェノール系化合物としては、以下に限定されるものではないが、例えば、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジフェニル)ブタン、2,2’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジプロピルフェニル)プロパン、1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1−フェニル−1,1’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン等が挙げられる。
特に、2,2’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン〔ビスフェノールA〕を用いることが好ましい。
前記2官能フェノール系化合物としては、一種のみを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
また、上記で製造された芳香族ポリカーボネートを単独で用いてもよいし、二種以上を併用してもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分中に、ポリエステルを含むことが好ましく、特に、非晶性ポリエステルを含むことが好ましい。
前記非晶性ポリエステルは、ジオール成分と、当該ジオール成分と対になるジカルボン酸成分を含有する。
当該ジカルボン酸成分としては、例えば、脂環式ジカルボン酸及び/又は脂環式ジカルボン酸残基、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸残基、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸残基が挙げられる。
特に、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸残基と、脂肪族ジカルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸残基から選ばれる1種以上であることが好ましい。より好ましくは、芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸残基である。
当該非晶性ポリエステルとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、脂環式ジオール化合物及び/又は脂環式ジオール化合物残基、脂環式ジカルボン酸化合物及び/又は脂環式ジカルボン酸化合物残基、芳香族ジカルボン酸化合物及び/又は芳香族ジカルボン酸化合物残基を含む非晶性ポリエステル等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、前記(A)成分中のポリエステルは、耐衝撃性と透明性、耐熱性の観点から、ジオール成分として脂環族ジオールを含むポリエステル樹脂であることが好ましく、さらには、耐熱性の観点から、少なくとも芳香族ジカルボン酸と脂環族ジオールとを含むポリエステル樹脂であることが好ましい。
ここで使用する「残基」とは、対応するモノマーから重縮合及び/又はエステル化反応によってポリマー中に組み入れられた任意の有機構造を意味する。従って、例えば、ジカルボン酸残基とは、ジカルボン酸モノマー若しくはその関連酸ハライド、エステル、塩、無水物又はそれらの混合物に由来する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、前記(A)成分中のポリエステルのジオール成分として、少なくとも脂環族ジオールを含むことがより好ましい。
前記ポリエステルに含まれる脂環式ジオール成分としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の炭素数2〜12のアルキレングリコール;1,2−シクロヘキサンジオール、1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)、2,2,4,4−テトラメチルシクロブタンジオール(TMCD)等の脂環族ジオールが挙げられる。
特に、耐熱性の観点から、前記(A)成分中の脂環族ジオールとして、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含むことが好ましい。
本実施形態における耐熱性を得るためには、特に、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)と2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)とを併用することが好ましい。
ジオール成分の構成割合としては、ジオール成分の総モル%を100モル%としたとき、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)残基を好ましくは10〜70モル%、より好ましくは15〜65モル%、さらに好ましくは20〜50モル%、さらにより好ましくは30〜45モル%、及び、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)残基を好ましくは30〜90モル%、より好ましくは35〜85モル%、さらに好ましくは50〜80モル%、さらにより好ましくは55〜70モル%、含む。
ポリエステルのジオール成分が前記(TMCD)残基、前記(CHDM)残基を前記数値範囲で含むことにより、耐熱性と耐衝撃性の向上効果が得られる。
また、前記(TMCD)残基、前記(CHDM)残基の含有量は、NMRにより測定することができる。
前記ポリエステルのジオール成分としてのジオール類は、シス、トランス、又はこれらの混合物を用いることができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物においては、本発明の効果を損なわない範囲で、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の、一種又はそれ以上の改質用ジオールを含んでいてもよい。当該2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の改質用ジオールの含有量は、ポリエステルのジオール成分の総モル数を100モル%としたとき、15モル%以下とすることが好ましく、より好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。
2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール以外の改質用ジオールとしては、2〜16個の炭素原子を含むジオールが挙げられる。当該改質用ジオールとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、p−キシレングリコール又はそれらの混合物が挙げられる。これらの中で好ましい改質用ジオールは、耐衝撃性と高品位な外観とを得る観点から、エチレングリコールである。
ポリエステルに含まれるジカルボン酸成分の構成割合としては、ジカルボン酸の総モル%を100モル%としたとき、例えば、炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸及び/又は炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸残基を好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、さらに好ましくは90〜100モル%含有し、炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸残基を好ましくは0〜10モル%、より好ましくは0〜5モル%、さらに好ましくは0〜1モル%含有する。
炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸及び/又は炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸残基、及び炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸残基のジカルボン酸の総モル量中の含有量を、前記数値範囲にすることにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、高い耐熱性と耐衝撃性とが得られる。
ジカルボン酸成分中の炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸及び/又は炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸残基、炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸及び/又は炭素数16以下の脂肪族ジカルボン酸残基の含有量は、NMRにより測定することができる。
前記芳香族ジカルボン酸及び/又は芳香族ジカルボン酸残基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、テレフタル酸、テレフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジエチル、テレフタル酸とそのエステル、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−、1,5−、2,6−、2,7−ナフタレンジカルボン酸、及びトランス−4,4’−スチルベンジカルボン酸並びにそれらのエステルとの混合物が挙げられるが、色調と流動性の観点から、テレフタル酸及び/又はテレフタル酸エステルが好ましい。
前記脂肪族カルボン酸及び/又は脂肪族ジカルボン酸残基としては、以下に限定されるものではないが、例えば、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、及びドデカン二酸が挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸成分としては、直鎖、パラ配向、対称性を有する構造のいずれであってもよく、炭素数20以下のものが好ましいものとして挙げられるが、これらに限定するものではない。
本実施形態に用いる熱可塑性樹脂(A)は、重量平均分子量が10,000〜200,000の範囲であることが好ましく、より好ましくは10,000〜100,000、さらに好ましくは10,000〜60,000、さらにより好ましくは20,000〜60,000の範囲である。
(A)成分の重量平均分子量を10,000以上とすることで、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において耐衝撃性と押出安定性とを得ることができ、(A)成分の重量平均分子量を200,000以下とすることで、成形加工性が良好となる。
(A)成分として、二種以上の芳香族ポリカーボネートを併用する場合においては、混合物の重量平均分子量が上記範囲であることが好ましく、低重量平均分子量の芳香族ポリカーボネートと高重量平均分子量の芳香族ポリカーボネートとを混合することもできる。
(A)成分の重量平均分子量は、クロロホルムを溶媒として、ゲルパーミュエーションクロマトグラフィ(GPC)により、単分散ポリスチレン標準試料により作成した分子量校正曲線から換算し、算出することができる。
(A)成分のガラス転移温度[Tg]は、100〜170℃であることが好ましく、より好ましくは110〜170℃、さらに好ましくは120〜170℃である。(A)成分のガラス転移温度を前記範囲とすることにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物及び成形体において耐熱性を維持することができる。
ガラス転移温度は、JIS K7121に準拠して、示差走査熱量計(DSC)を用いて測定することができる。
(A)成分が、芳香族ポリカーボネートとポリエステルとの混合物である場合、当該芳香族ポリカーボネートとポリエステルの含有割合は、(A)成分中の芳香族ポリカーボネートの含有量が20質量%以上、ポリエステルが80質量%以下であることが好ましい。より好ましくは、芳香族ポリカーボネートが50質量%以上、ポリエステルが50質量%以下、さらに好ましくは芳香族ポリカーボネートが80質量%以上、ポリエステルが20質量%以下である。
(A)成分における芳香族ポリカーボネートとポリエステルの質量割合を前記範囲とすることにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物及び成形体において耐熱性と高品位な外観とを得ることができる。
((B)添加剤)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、添加剤(B)(以下、(B)成分と記載する場合がある。)を含有している。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に含有されている(B)添加剤は、分子鎖中に−Rn−(OX)m−で示される構造単位を含有している。
当該構造単位中、Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは1以上である。なお、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物において、(B)成分を含むことにより、耐傷付き性と耐衝撃性と、耐熱性とに優れた成形体を得ることができる。
(B)成分は、脂肪族炭化水素鎖と上記構造とのブロック共重合体であることが好ましく、Rn−(OX)m−OHの構造であることが好ましい。
(B)成分が、Rn−(OX)m−OHの構造を有する化合物であることにより、透明性を維持しながら優れた耐傷性が得られる。
Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは1以上である。なお、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。
Rnは脂肪族炭化水素であれば、分岐構造であっても、官能基などで変性されたものであってもよいが、Rnは、Rを脂肪族炭化水素の単位基本構造とした場合の、nを繰り返し単位数とする脂肪族炭化水素鎖であることが好ましく、Rnはエチレン鎖又はプロピレン鎖であることが好ましい。
また、上記構造中の繰り返し単位数nは、n=1〜50であることが好ましく、より好ましくはn=5〜40、さらに好ましくはn=10〜30、さらにより好ましくはn=15〜30である。
上記構造単位中の繰り返し単位数mは1以上であり、m=2〜150であることが好ましく、より好ましくはm=10〜100、さらに好ましくはm=10〜50である。
上記繰り返し単位数とすることで、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物及び成形体において耐傷性と高品位な外観を維持することができる。
添加剤(B)の構造中の(OX)は、エチレンオキサイドであることが好ましい。
(OX)がエチレンオキサイドであることにより、高品位な外観が得られる。
添加剤(B)としては、以下に限定されるものではないが、例えば、エトキシ化ポリエチレン、エトキシ化ポリプロピレン、エトキシ化ポリエチレンモノアルコール等が挙げられる。
(ワックス)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、その他、本発明の効果が得られる範囲に限り、従来一般的に知られているワックスを含んでもよい。当該ワックスとしては、以下に限定されるものではないが、例えば、炭化水素系ワックス、エステル系ワックス、シリコーン系ワックス等が挙げられる。これらは部分的に変性されているものであってもよい。
(その他の樹脂)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上記(A)成分、及び(B)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じてその他の樹脂を、任意の方法により配合することができる。
その他の樹脂としては、例えば、後述する特定のゴム成分(C)が好適なものとして挙げられる。
特定のゴム成分(C)とは、グラフト共重合体(a)からなる分散相と、連続相(b)とを含み、前記グラフト共重合体(a)が、ゴム質重合体からなる幹ポリマーと、当該幹ポリマーにグラフト重合したグラフト鎖とを有し、前記グラフト鎖が、シアン化ビニル系単量体単位と、そのシアン化ビニル系単量体と共重合可能な1種以上の単量体単位と、を有し、前記グラフト共重合体(a)の酸化分解を経て得られる前記グラフト鎖由来の成分における前記シアン化ビニル系単量体単位の含有率の分布が、2つ以上のピークを有し、前記2つ以上のピークのうち1つ以上が、前記シアン化ビニル単量体単位の含有率が0質量%以上10質量%未満の範囲内にピークトップを有する第1のピークであり、前記第1のピークとは異なるピークの1つ以上が、前記シアン化ビニル単量体単位の含有率が10質量%以上55質量%未満の範囲内にピークトップを有する第2のピークであり、前記第1のピーク及び第2のピークにおける、それぞれのピーク全体の積分値から求められる加重平均値を代表値としたとき、前記第1のピークが示す前記含有率の代表値と、前記第2のピークが示す前記含有率の代表値との差が10質量%以上であるゴム成分を指す。
前記2つ以上のピークが上記の範囲を満たすことによって、透過率が高く、漆黒性に優れた熱可塑性樹脂組成物が得られる。
前記ゴム質重合体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ポリブタジエン、ブタジエン−スチレン共重合体、ブタジエン−アクリロニトリル共重合体、ブタジエン−アクリル共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、ポリイソプレン、スチレン−イソプレン共重合体等の共役ジエン系ゴム、及びこれらの水素添加物、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル等のアクリル系ゴム、エチレン−α−オレフィン−ポリエン共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、シリコーンゴム、シリコーン−アクリルゴム等が挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
特に、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエンのブロック共重合体及びアクリロニトリル−ブタジエン共重合体が、耐衝撃性の観点から好ましく、ポリブタジエンがより好ましい。ゴム質重合体は、均一な組成であってもよく、異なる組成の重合体を含むものでもよく、また、連続的に組成が変化しているものでもよい。
前記ビニル系単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、芳香族ビニル系単量体、シアン化ビニル系単量体等が挙げられる。
芳香族ビニル系単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、エチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、ビニルナフタレンが挙げられる。
シアン化ビニル系単量体としては、以下に限定されるものではないが、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリルが挙げられる。
これらは1種のみを単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
グラフト共重合体(a)のグラフト鎖由来の成分における前記シアン化ビニル系単量体単位の含有率の分布の測定は、グラフト共重合体(a)を酸化分解した後にグラフト鎖由来の成分を単離して、そのグラフト鎖由来の成分を、HPLCで測定して得られるクロマトグラムに基づいて求めることができる。
酸化分解の方法としては、以下に限定されるものではないが、例えば、オゾン分解、オスミウム酸分解などを用いることができる。具体的には、高分子論文集(井手文雄ら、vol.32、No.7、PP.439−444(July.1975))に記載の方法を用いることができる。この文献において、単離された枝ポリマーが、本実施形態において、グラフト鎖由来の成分に相当する。
より具体的には、例えば、下記のようにして、グラフト共重合体(a)におけるグラフト鎖由来の成分における前記シアン化ビニル系単量体単位の含有率の分布を求めることができる。
まず、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物をクロロホルムに溶解し、クロロホルム可溶分とクロロホルム不溶分とに分離する。このクロロホルム不溶分(例えば0.5g)に四酸化オスミウム(例えば0.0046g)、t−ブチルアルコール(例えば10.7g)、有機過酸化物(例えば、「パーブチルH−69」(日油株式会社商品名)9.2g)を加えて、例えば30分間、還流させた後、溶媒除去により濃縮して、クロロホルムに溶解させる。これにメタノールを添加することで沈殿物が得られるので、その沈殿物を分離・乾燥する。これを(例えば0.03g)秤量して、(例えば10mLの)テトラヒドロフランに溶解させ、測定試料とする。
上記とは別に、窒素分析によって、シアン化ビニル系単量体単位の含有率が既知である標準試料(ポリマー)を用いて、シアン化ビニル系単量体単位の含有率とHPLCにおけるリテンションタイムとの関係の検量線を作成しておく。
上記測定試料を、HPLCで測定してクロマトグラムを得た後、そのクロマトグラムにおけるリテンションタイムから、上記検量線を用いて、シアン化ビニル系(VCN)単位含有率の分布を求める。
条件は下記のとおりである。
測定装置:高速液体クロマトグラフィー(島津製作所製)
サンプル濃度:サンプル30mg/THF10mL
カラム:シリカ系シアノプロピル処理品(島津製作所製、商品名「Shim−Pak CLC−CN」)
展開溶剤:テトラヒドロフラン/n−ヘキサン(2液グラジエント測定)
検出器:紫外線(254nm)
特定のゴム成分(C)のグラフト率は、好ましくは250%以下であり、より好ましくは40〜230%、さらに好ましくは65〜220%、さらにより好ましくは80〜200%、よりさらに好ましくは90〜180%である。ゴム成分(C)のグラフト率を前記範囲とすることで、高品位な外観を得ることができる。
なおグラフト率は、グラフト共重合体(a)中のゴム質重合体の質量を(a1)、グラフト共重合したグラフト成分の質量を(a2)としたとき、(a2)/(a1)×100〔%〕で定義される。
上述したその他の樹脂の屈折率は、高品位な外観の観点から、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における必須成分である熱可塑性樹脂(A)との屈折率差が小さければ小さいほどよい。具体的には、1.51〜1.60であることが好ましく、より好ましくは1.53〜1.60であり、さらに好ましくは1.55〜1.60である。
その他の樹脂の含有量は、耐衝撃性、耐熱性、高品位な外観の観点から、上記(A)成分及び(B)成分の合計100質量%に対して、25質量%以下であることが好ましく、より好ましくは10質量%以下、さらに好ましくは5質量%以下である。
特に、上記特定のゴム成分(C)以外のゴム成分を添加する場合には、上記特定のゴム成分(C)以外のゴム成分の含有量は、5質量%未満であることが好ましく、より好ましくは1質量%未満である。上記特定のゴム成分(C)以外のゴム成分の含有量を5質量%未満とすることで、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の成形体において高品位な外観を得ることができる。
上記特定のゴム成分(C)以外のゴム成分としては、前記グラフト共重合体(a)の酸化分解を経て得られる前記グラフト鎖由来の成分における前記シアン化ビニル系単量体単位の含有率の分布が1つのみのピークを有するゴム成分が挙げられる。
((A)成分、(B)成分の含有量)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物における、上述した(A)熱可塑性樹脂、(B)添加剤の含有量について、以下に説明する。
先ず、前記(A)成分を100質量部としたとき、前記(B)成分の含有量は、0.1質量部を超え、5.0質量部未満であることが好ましく、より好ましくは、0.2〜3.0質量部、さらに好ましくは0.2〜1.5質量部、さらにより好ましくは0.25〜1.0質量部、よりさらに好ましくは、0.3〜1.0質量部である。
前記(A)成分と前記(B)成分の含有量を前記範囲にすることにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物及び成形体において、耐傷付き性と高品位な外観とを得ることができる。
(B)成分の含有量は、1H−NMRにより、あらかじめ配合量が明らかなサンプルを数点測定しておき、(A)成分に対する(B)成分のピーク比から検量線を作成することで、測定することができる。
具体的には、試料約75mgをクロロホルムd1 0.75mLに溶解したサンプルを測定する等の方法が挙げられる。
(熱可塑性樹脂組成物中の各残基の含有量)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物を構成している、各モノマー残基成分の含有量について以下に説明する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、当該熱可塑性樹脂組成物の一態様として、当該熱可塑性樹脂組成物の成形体を、テトラヒドロフラン、トリフルオロ酢酸、1,2−ジクロロエタン、シクロヘキサノン及びクロロベンゼンから選ばれる、少なくとも一種の溶媒に溶解したとき、可溶分中に、ジフェニルカーボネート(DPC)残基が0〜100質量%、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール(TMCD)残基が0〜28質量%、1,4−シクロヘキサンジメタノール(CHDM)残基が0〜32質量%、テレフタル酸(TPA)残基が0〜50質量%、含まれていることが好ましい。
前記可溶分中の各種の残基は、1H−NMRにより測定することができる。
前記可溶分中の各種の残基の含有量が、上記範囲であることにより、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物及び成形体は、透明性、高品位な外観、耐衝撃性、及び耐熱性の特性バランスが優れたものとなる。
(その他の添加剤)
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、上述した成分(A)成分及び(B)成分以外にも、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて種々のその他の添加剤を、任意の方法により配合することができる。
その他の添加剤としては、例えば、可塑剤、滑剤、着色剤、光輝剤、帯電防止剤、各種過酸化物、酸化防止剤、耐候剤、光安定剤、熱安定剤等が挙げられる。
中でも、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、着色剤、耐候剤及び熱安定剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含むことが好ましい。
これらの添加剤の含有量は、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物に対して、それぞれ10質量%を超えない範囲であることが好ましい。より好ましくはそれぞれ5質量%以下である。
高品位な外観を得るためには、着色剤として染料を使用することが好ましく、数種の染料を併用することが好ましい。例えば、有機染料を併用することが好ましく、赤、青、紫、黄、緑から選ばれる一種以上を併用することが好ましい。
特に、ピアノブラック(漆黒)を得るためには、三種以上の有機染料を併用することが好ましい。
光輝剤としては、近年好ましく用いられているメタリックやパール状の外観を持つ、種々の無機物を用いることができる。
より耐候性の良い成形体を得る観点から、紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、芳香族ポリカーボネートの吸収波長である、290nmに吸収ピークを持つ紫外線吸収剤を用いることが好ましい。
紫外線吸収剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ベンゾフェノンやベンゾトリアゾール、トリアジン、マロン酸エステル、シュウ酸アニリド等の構造を持つ紫外線吸収剤が挙げられる。特に、トリアジン構造及びマロン酸エステル構造を有する紫外線吸収剤が好ましい。
また、良好な加工安定性を得る観点から、熱安定剤を用いることが好ましい。
熱安定剤としては、例えば、ヒンダードフェノール系酸化防止剤やリン系加工熱安定剤、硫黄系熱安定剤が挙げられる。特に、ヒンダードフェノール系酸化防止剤とリン系加工熱安定剤とを併用することが好ましい。
ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が挙げられる。特に、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
リン系加工熱安定剤としては、以下に限定されるものではないが、例えば、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト、ビス(2,4−ジクミルフェニル)ペンタエリストールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトール−ジ−ホスファイト等が挙げられる。特に、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイトが好ましい。
〔熱可塑性樹脂組成物の製造方法〕
次に、本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の製造方法を、以下に例を挙げて説明する。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の製造方法としては、例えば、
(1):(A)及び(B)成分を一括して二軸押出機に供給し溶融混練する方法、
(2):上流側供給口と下流側供給口とを備えた二軸押出機を用い、上流側供給口より(A)成分の一部を供給し溶融混練した後、下流側供給口より残りの(A)成分と(B)成分とを供給し溶融混練する方法、
(3):上流側供給口と下流側供給口とを備えた二軸押出機を用い、上流側供給口より(A)成分の一部と(B)成分とを供給し溶融混練した後、下流側供給口より残りの(A)成分を供給し溶融混練する方法、
(4):(A)成分が複数成分からなる場合、まず(A)成分全てを二軸押出機に供給し溶融混練した後、改めてその溶融混練物と(B)成分とを二軸押出機に供給し、2度、溶融混練する方法、
等が挙げられる。
また、押出機のバレル設定温度は260℃〜320℃であることが好ましい。この温度範囲とすることで、本発明の効果を確実に得ることができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、(A)成分、(B)成分を配合することによって、高い耐傷付性と耐熱性と耐衝撃性と、高品位な外観との相反する特性を併せ持つことができる。
〔成形体〕
本実施形態の成形体は、上述した熱可塑性樹脂組成物を成形することにより得られる。
成形体の製造方法としては、特に限定されないが、例えば、射出成形、シート成形、真空成形、ブロー成形、インジェクションブロー成形、インフレーション成形、Tダイ成形、プレス成形、押出成形、発泡成形、流延法による成形等、公知の方法を適用できる。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の特徴は、塗装することなく成形のみで、高品位な外観を持つ成形体を作製することができるところにある。
特に、射出成形においては、特に外観の良い成形体が得られる。
射出成形体は、例えば、射出成形機を用いて、シリンダー温度=260℃〜320℃、金型温度=60℃〜90℃とし、一般的な射出成形法を実施することにより得られる。
射出成形体を製造する際には、金型が加熱/冷却を繰り返すヒートアンドクール成形が好ましく、高外観の射出成形体をより容易に得ることができる。これは、特に薄肉成形体やウェルド部を有する成形体、メタリックなどのフィラー類を含んだ加飾成形体を製造する場合に好ましく使用される。その際の金型温度は、加熱時は90℃〜180℃、冷却時は80℃〜50℃が好ましい。
射出速度はより速い方が好ましく、射出圧力は高すぎない方が好ましい。
射出速度が速い方が、成形体表面の状態を均一にすることにより成形時の外観不良を起こしにくく、射出圧力を調整することによってより金型への転写性が向上し、より高い高品位な成形体を得ることができる。
〔用途〕
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物の成形体は、無塗装で、成形のみで高い耐熱性と耐衝撃性と、高品位な外観と耐傷付き性を併せ持ち、意匠性と耐衝撃性とが求められる各種筐体材料や、自動車内装材料、各種自動車内装部品等に好適に使用できる。
以下、具体的な実施例と比較例とを挙げて、本実施形態について詳細に説明するが、本実施形態は、以下の実施例に限定されるものではない。
〔使用した原料〕
((A)熱可塑性樹脂)
(A−1)芳香族ポリカーボネート
商品名「カリバー351―10(MVR;10g/10min)」住化スタイロン製、を用いた。MVRはISO1133に準拠して測定した。
下記表1中「PC」と表記した。
(A−2)非晶性ポリエステル
商品名「Tritan TX2000(インヘレント粘度;0.64dL/g、Tg;131℃、ジオール成分;TMCD残基36モル%、CHDM残基64モル%、ジカルボン酸成分;炭素数20以下の芳香族ジカルボン酸残基100モル%)」、EASTMAN社製を用いた。
下記表1中、「Tritan」と表記した。
((B)添加剤)
(B−1)商品名「ユニトックス750」、BAKER HUGHES社製
25−(CH2CH2n−(OX)m−OH
n=23、m=17
(B−2)商品名「ユニトックス480」、BAKER HUGHES社製
25−(CH2CH2n−(OX)m−OH
n=15、m=41
(B−3)商品名「ユニトックス490」、BAKER HUGHES社製
25−(CH2CH2n−(OX)m−OH
n=14、m=94
(B−4)商品名「PEG4000S」日本油脂株式会社製
ポリエチレングリコール、分子量
(B−5)商品名「サンワックス E−250P」三洋化成工業社製
低分子量ポリエチレン部分酸化物
(B−6)商品名「NUC−3810」、日本ユニカー社製
エチレン酢酸ビニルコポリマー
(B−7)商品名「シャリーヌR−170S」、日信化学工業社製
シリコーン−アクリル共重合体
なお、(B−4)〜(B−7)は、分子鎖中に、−Rn−(OX)m−の構造(Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは1以上であり、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。)を有していない。
〔評価方法〕
各物性の評価方法は以下のとおりとした。
((1)IZOD衝撃強度の測定)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4の熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機により、シリンダー温度=280℃、金型温度=80℃の条件で、ASTM規格に準じて厚み3.2mmの試験片を成形した。
得られた試験片にノッチを付与して、ASTM D256に準じてIZOD衝撃強度を測定した。
10点の測定値の加算平均値を算出し、IZOD衝撃強度の値とした。
((2)荷重たわみ温度(DTUL)の測定)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4の熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機により、シリンダー温度=280℃、金型温度=80℃の条件で、ISO294に準じて、厚み4mmの多目的試験片A型(長さ150mm、狭い部分の幅10.0mm)を成形した。
得られた試験片を80×10×4mmの形状に加工し、ISO75に準じて荷重たわみ温度(DTUL)を測定した。
3点の測定値の加算平均値を算出し、DTULの値とした。
((3)全光線透過率の測定)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4の熱可塑性樹脂組成物を用い、射出成形機により、シリンダー温度=280℃、金型温度=80℃の条件で、5cm×9cm、厚み2.5mmの平板を射出成形した。
この平板を用いて、ASTM D1003に準じて、全光線透過率を評価した。
3点の測定値の加算平均値を算出し、全光線透過率の値とした。
((4)漆黒の測定)
高品位な外観の指標として、漆黒を評価した。
後述する実施例1〜8、比較例1〜4の熱可塑性樹脂組成物に各色(赤・黄・青・緑)染料を合計0.5質量%練り込んだ後、射出成形機を用いて、シリンダー温度=280℃、金型温度=80℃にて5cm×9cm、厚み2.5mmの平板を射出成形した。
染料は、赤染料「C.I.;Solvent Red 179」、黄染料「C.I.;DisperseYellow 160」、青染料「C.I.;Solvent Blue 97」、緑染料「C.I.;Solvent Green 3」の四種を用いた。
得られた平板を多光源分光測色計「CM−2002」(コニカミノルタ(株)製)用いて、SCE(正反射光を除く)、D65光源/10°視野の条件で、L*a*b*表色系にて、L*を測定した。
2点の測定値の加算平均値を算出し、L*値とした。
((5)耐傷性の判定;引っ掻き試験)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4において、漆黒の測定に用いた5cm×9cm、厚み2.5mmの平板を用い、Pin on Disc摩耗試験機により、1mm間隔で15回片道のみの引っ掻き試験を行った。荷重は5kg、ストロークは50mm、スピードは10mm/sec、相手材はSUS304球(直径5mm)を用いた。
多光源分光測色計「CM−2002」(コニカミノルタ(株)製)用いて、試験前後で前記平板の明度L*を測定し、その変化量ΔL*を確認した。ΔL*は下記式となる。
ΔL*=L*(耐傷後)−L*(耐傷前)
3点の測定値の加算平均値を算出し、0.5以下であれば○、0.5を超えた場合×として判定し、耐傷性の評価とした。
((6)耐傷性(水洗後)の判定;布での往復摺動試験)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4において、漆黒の測定に用いた5cm×9cm、厚み2.5mmの平板表面を綿布により水拭き洗浄した後、以下条件で、摩擦堅牢試験機により往復摺動試験を行った。荷重は200g、ストロークは60mm、スピードは60mm/sec、往復回数は、500往復、相手材はカナキン3号布を用いた。
多光源分光測色計「CM−2002」(コニカミノルタ(株)製)用いて、試験前後で前記平板の明度L*を測定し、その変化量ΔL*を確認した。ΔL*は下記式により算出した。
ΔL*=L*(耐傷後)−L*(耐傷前)
3点の測定値の加算平均値を算出し、0.5以下であれば○、0.5を超えた場合×として判定し、耐傷性の評価とした。
((7)成形品外観の判定)
後述する実施例1〜8、比較例1〜4において、260トンの射出成形機により、シリンダー温度=280℃、金型温度=80℃の条件で、10cm×50cm、厚み2mmの平板状成形体を、成形機シリンダー内で10分間滞留させた後、3ショット連続で射出成形した。
3回同様の成形を行い、いずれも2ショット目にシルバーの発生が見られなければ○、成形品全面にシルバーの発生が見られた場合は×、成形品の一部にシルバーの発生が見られた場合を△として判定し、成形品外観の評価とした。
参考例1)
2軸押出機(東芝機械製「TEM−58SS」)を用いて以下のとおりに熱可塑性樹脂
組成物のペレットを製造した。
供給口は、上流側に1ヶ所とし、充分に乾燥して水分除去を行った(A−1)と(B−
1)を供給した。その際の押出機のシリンダー温度は、全段280℃に設定した。
また、この時の混練物の吐出量は200kg/時間、スクリュー回転数は250rpm
であった。この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
参考例2)
(B)成分の供給量を変えた以外は、参考例1と同様にしてペレットを得た。
この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
(実施例3、4)
(A)成分として、(A−1)と(A−2)成分を供給した。
その他の条件は参考例1と同様にしてペレットを得た。この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
(実施例5、6)
(A)成分として、(A−2)成分を供給し、表1に示した配合量で(B−1)を供給
した。
その他の条件は参考例1と同様にしてペレットを得た。この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
参考例7、8)
(B)成分として、(B−2)と(B−3)成分を用いた以外は、参考例1と同様にしてペレットを得た。この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
(比較例1〜4)
(B)成分として、(B−4)〜(B−7)成分を用いた以外は、実施例4と同様にしてペレットを得た。この時の原材料の種類、配合割合を表1に示す。
得られたペレットを用いて上述の各評価を行った。
評価結果を下記表1に示す。
Figure 0006595241
参考例1、2、実施例3〜6、参考例7、8においては、塗装することなく成形のみで、高い耐傷付き性、耐衝撃性、耐熱性、及び高品位な外観を併せ持つ、特性バランスが良好な成形品が得られた。
本実施形態の熱可塑性樹脂組成物は、各種成形体に好適に用いることができる。
例えば、意匠性と耐衝撃性との求められる各種筐体材料や自動車内外装部品等として産業上利用可能性を有する。

Claims (11)

  1. ポリエステル、芳香族ポリカーボネート、から選ばれる1種以上の熱可塑性樹脂(A)
    と、
    添加剤(B)と、
    を、含み、
    前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、前記添加剤(B)を0.2〜3.0質量部、含有し、
    前記熱可塑性樹脂(A)が、ポリエステルを含み、当該ポリエステルのジオール成分と
    して、少なくとも脂環族ジオールを含み、
    前記添加剤(B)が、Rn−(OX) m −OHである、熱可塑性樹脂組成物。
    (Rnは炭素数10〜55の脂肪族炭化水素、Xは炭素数2〜6のアルキレン基、mは2〜150であり、Xが複数であるときは、各々が同一であっても異なっていてもよい。)
  2. 前記添加剤(B)の構造中(OX)が、エチレンオキサイドである、請求項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  3. 前記熱可塑性樹脂(A)100質量部に対して、
    前記添加剤(B)を0.2〜1.5質量部、含有する、
    請求項1又は2に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  4. 前記熱可塑性樹脂(A)が、非晶性ポリエステルを含み、当該非晶性ポリエステルが、
    少なくとも芳香族ジカルボン酸と脂環族ジオールとを含むポリエステル樹脂である、請求
    項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  5. 前記脂環族ジオールとして、
    2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオールを含む、請求項1乃至4のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  6. 前記熱可塑性樹脂(A)が、少なくとも芳香族ポリカーボネートを含む、請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  7. 前記熱可塑性樹脂(A)中の芳香族ポリカーボネートが80質量%以上である、請求項
    1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  8. 着色剤、耐候剤及び熱安定剤からなる群より選択される少なくとも1種をさらに含む、
    請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至のいずれか一項に記載の熱可塑性樹脂組成物を含む成形体。
  10. 前記成形体が無塗装である、請求項に記載の成形体。
  11. 前記成形体が自動車用材料である、請求項9又は10に記載の成形体。
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