JP7163537B1 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents

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Abstract

良好な色相を有し、さらに透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物。ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、下記一般式(I)で表されるポリエーテル化合物(B)を0.01~4質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。R1O-(A1-O)m-X-(A2-O)n-R2(I)(式中、A1は直鎖または分岐の炭素数2~6の炭化水素基を、A2は、アリロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の炭素数7~20の炭化水素基を示し、R1およびR2はそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を示し、Xは単結合または2価の有機基を示す。mは0または1以上の整数を、nは1以上の整数を示し、mまたはnが2以上の場合、A1およびA2のそれぞれは同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。)

Description

本発明は、ポリカーボネート樹脂組成物に関し、詳しくは、良好な色相を有し、透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少ないポリカーボネート樹脂組成物およびそれを成形した成形体に関する。
パーソナルコンピュータ、携帯電話等に使用される液晶表示装置には、その薄型化、軽量化、省力化、高精細化の要求に対応するために、面状光源装置が組み込まれている。そして、この面状光源装置には、入光する光を液晶表示側に均一かつ効率的に導く役割を果たす目的で、一面が一様な傾斜面を有する楔型断面の導光板や平板形状の導光板が備えられている。また導光板の表面に凹凸パターンを形成して光散乱機能を付与するものもある。
このような導光板は、熱可塑性樹脂の射出成形によって得られ、上記の凹凸パターンは入れ子金型の表面に形成された凹凸部の転写によって付与される。従来、導光板はポリメチルメタクリレート(PMMA)等の樹脂材料から成形されてきたが、最近では、より鮮明な画像を映し出す表示装置が求められ、光源近傍で発生する熱によって機器装置内が高温化する傾向にあるため、より耐熱性の高いポリカーボネート樹脂材料に置き換えられつつある。
ポリカーボネート樹脂は、機械的性質、熱的性質、電気的性質、耐候性に優れるが、光線透過率は、PMMA等に比べて低いことから、ポリカーボネート樹脂製の導光板と光源とから面光源体を構成した場合、輝度が低いという問題がある。また最近では導光板の入光部と入光部から離れた場所の色度差を少なくすることが求められているが、ポリカーボネート樹脂はPMMAと比べて黄変しやすいという問題がある。
特許文献1には、アクリル樹脂及び脂環式エポキシ化合物を添加することにより光線透過率及び輝度を向上させる方法、特許文献2には、ポリカーボネート樹脂末端を変性し導光板への凹凸部の転写性を上げることにより輝度を向上させる方法、特許文献3には、脂肪族セグメントを有するコポリエステルカーボネートを導入して上記の転写性を向上させることにより輝度を向上させる方法が提案されている。
しかしながら、特許文献1の方法は、アクリル樹脂の添加により色相は良好になるが白濁するために光線透過率及び輝度を上げることができず、脂環式エポキシ化合物を添加することにより、透過率が向上する可能性はあるが、色相の改善効果は認められない。特許文献2及び特許文献3の場合、流動性や転写性の改善効果は期待できるものの、耐熱性が低下するという欠点がある。
一方、ポリエチレングリコール又はポリ(2-メチル)エチレングリコール等をポリカーボネート樹脂等の熱可塑性樹脂に配合することが知られており、特許文献4にはこれを含有する耐γ線照射性のポリカーボネート樹脂が、特許文献5ではPMMA等に配合した帯電防止性と表面外観に優れた熱可塑性樹脂組成物が記載されている。
また、特許文献6では、直鎖アルキル基で構成されるポリアルキレングリコールを配合することにより、透過率や色相を改良する提案がなされている。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを配合することで透過率や黄変度(イエローインデックス:YI)に改善が見られる。
さらに、特許文献7では、ポリアルキレングリコールをジエステル化したジオールを原料(コモノマー)として用いたポリカーボネート共重合体の製造方法が記載されているが、このポリカーボネート共重合体はポリアルキレングリコールのジエステルジオールが不安定であり、耐衝撃性は不十分であり、色相や耐熱変色性も悪くなる。
特に最近、スマートフォンやタブレット型端末等のモバイル端末においては、導光板などの光学部品は薄肉化や大型化が著しいスピードで進行しており、導光板成形には、高温のバレル温度、且つ高速射出が求められている。これに伴い、成形時に発生するガスが増加し、金型汚染が進行しやすいという問題が生じている。そのため、これらの成形に用いられる樹脂組成物には優れた色相(YI)や透明性のみならず、高温での射出成形時のガス発生による金型汚染が少ないこと、耐衝撃性にも優れることが求められる。
特開平11-158364号公報 特開2001-208917号公報 特開2001-215336号公報 特開平1-22959号公報 特開平9-227785号公報 特許第5699188号公報 特開2006-016497号公報
本発明は、上記実情に鑑みなされたものであり、その目的は、良好な色相を有し、さらに透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少なく、耐衝撃性にも優れるポリカーボネート樹脂組成物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、ポリカーボネート樹脂に、炭素数が7以上である炭化水素オキシド由来のポリエール単位を有するポリエーテル化合物を特定の量で配合することにより、良好な色相を有し、さらに透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少なく、耐衝撃性にも優れるポリカーボネート樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物及び成形体に関する。
1.ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、下記一般式(I)で表されるポリエーテル化合物(B)を0.01~4質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
O-(A-O)-X-(A-O)-R (I)
(式中、Aは直鎖または分岐の炭素数2~6の炭化水素基を、Aは、アリロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の炭素数7~20の炭化水素基を示し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を示し、Xは単結合または2価の有機基を示す。mは0または1以上の整数を、nは1以上の整数を示し、mまたはnが2以上の場合、AおよびAのそれぞれは同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。)
2.前記一般式(I)中のAが、1,2-エチレン基、1,2-プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブチレン基およびテトラメチレン基からなる群から選択されるアルキレン基である上記1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
3.前記一般式(I)中のAの炭化水素基を置換してもよいアリロキシ基またはアルコキシ基中のアリル基またはアルキル基が、芳香族または脂環式炭化水素基である上記1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
4.前記一般式(I)中のAが1,2-プロピレン基またはテトラメチレン基であり、Aが1-フェニルエチレン基または(1-フェノキシメチル)エチレン基である上記1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
5.ポリエーテル化合物(B)が、下記一般式(II)または(III)である上記1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
HO-(CHCH(CH)O)-(CHCH(C)O)-H (II)
(式中、m、nは前記一般式(I)におけるm、nとそれぞれ同義である。)
HO-(CHCHCHCHO)-(CHCH(CH-O-C)O)-H (III)
(式中、m、nは前記一般式(I)におけるm、nとそれぞれ同義である。)
6.ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)が、10,000~50,000である上記1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
7.ポリエーテル化合物(B)の数平均分子量(Mn)が、200~10,000である上記1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
8.さらに、リン系安定剤(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.005~0.5質量部含有する上記1~7のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
9.リン系安定剤(C)が、ホスファイト構造を有するリン系化合物である上記8に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
10.さらに、エポキシ化合物および/またはオキセタン化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.0005~0.2質量部含有する上記1~9のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
11.さらに、離型剤(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.01~0.5質量部含有する上記1~10のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
12.300mm光路長における初期YI値が、27以下である上記1~11のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
13.上記1~12のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形体。
14.光学部品である上記13に記載の成形体。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、良好な色相を有し、さらに透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少なく、耐衝撃性にも優れる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体は、好ましくはYI値が低い優れた色相と透明性の良好な光学部品として、特に好適である。特に、本発明におけるポリエーテル化合物(B)は、従来からのポリテトラメチレングリコール等に比べ、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が高いため、より高度な透明性を発現することができる。そのため、実用上、ポリエーテル化合物(B)の混合可能な割合を高くできたり、より高分子量のポリエーテル化合物(B)を用いることができることから、各種用途に応じ樹脂設計の幅が広がるという効果も有する。
図1は、実施例での金型汚染の評価に使用したしずく型金型の平面図である。
以下、本発明について実施形態及び例示物等を示して詳細に説明する。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、一般式(I)で表されるポリエーテル化合物(B)を0.01~4質量部含有することを特徴とする。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分、成形体等につき、詳細に説明する。
[ポリエーテル化合物(B)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、下記一般式(I)で表されるポリエーテル化合物(B)を含有する。
O-(A-O)-X-(A-O)-R (I)
(式中、Aは直鎖または分岐の炭素数2~6の炭化水素基を、Aは、アリロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい、直鎖または分岐の炭素数7~20の炭化水素基を示し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を示し、Xは単結合または2価の有機基を示す。mは0または1以上の整数を、nは1以上の整数を示し、mまたはnが2以上の場合、A及びAのそれぞれは同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。)
一般式(I)において、Aは炭素数7~20という炭素数の大きい炭化水素基である。
が炭素数7~20の直鎖の炭化水素基としては、炭素数が7~20のアルキレン基が好ましく、例えば、炭素数が7のヘプタメチレン基、オクタメチレン基(炭素数8)、ノナメチレン基(炭素数9)、デカメチレン基(炭素数10)、ウンデカメチレン基(炭素数11)、ドデカメチレン基(炭素数12)、トリデカメチレン基(炭素数13)等が挙げられる。直鎖の炭化水素基としては、炭素数が7~13のアルキレン基が好ましい。
ポリエーテル化合物(B)が、炭素数7~20の直鎖のアルキレン基AによりA-Oのアルキレンオキシ単位を有することで、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が向上し透明性に優れ、色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。
が炭素数7~20の分岐の炭化水素基としては、炭素数が7~20の分岐のアルキレン基が好ましく、例えば、sec-ヘプチレン基、tert-ヘプチレン基、イソヘプチレン基、sec-オクチレン基、tert-オクチレン基、イソオクチレン基、1-エチルヘキシレン基、1-プロピルペンチレン基、2-エチルヘキシレン基、2-プロピルペンチレン基、sec-ノニレン基、tert-ノニレン基、ネオノニレン基、1-エチルヘプチレン基、1-プロピルヘキシレン基、1-ブチルペンチレン基、2-エチルヘプチレン基、2-プロピルヘキシレン基、2-ブチルペンチレン基、イソデシレン基、sec-デシレン基、tert-デシレン基、ネオデシレン基、1-エチルオクチレン基、1-プロピルヘプチレン基、1-ブチルヘキシレン基、2-エチルオクチレン基、2-プロピルヘプチレン基、2-ブチルヘキシレン基、イソウンデシレン基、sec-ウンデシレン基、tert-ウンデシレン基、ネオウンデシレン基、1-エチルノニレン基、1-プロピルオクチレン基、1-ブチルヘプチレン基、1-ペンチルヘキシレン基、2-エチルノニレン基、2-プロピルオクチレン基、2-ブチルヘプチレン基、2-ペンチルヘキシレン基、イソドデシレン基、sec-ドデシレン基、tert-ドデシレン基、ネオドデシレン基、1-エチルデシレン基、1-プロピルノニレン基、1-ブチルオクチレン基、1-ペンチルヘプチレン基、2-エチルデシレン基、2-プロピルノニレン基、2-ブチルオクチレン基、2-ペンチルヘプチレン基、イソトリデシレン基、sec-トリデシレン基、tert-トリデシレン基、ネオトリデシレン基、1-エチルウンデシレン基、1-プロピルデシレン基、1-ブチルノニレン基、1-ペンチルオクチレン基、1-ヘキシルヘプチレン基、2-エチルウンデシレン基、2-プロピルデシレン基、2-ブチルオクチレン基、2-ペンチルオクチレン基、2-ヘキシルヘプチレン基、イソテトラデシレン基、sec-テトラデシレン基、tert-テトラデシレン基、ネオテトラデシレン基、1-エチルドデシレン基、1-プロピルウンデシレン基、1-ブチルデシレン基、1-ペンチルノニレン基、1-ヘキシルオクチレン基、2-エチルドデシレン基、2-プロピルウンデシレン基、2-ブチルデシレン基、2-ペンチルノニレン基、2-ヘキシルオクチレン基、イソペンタデシレン基、sec-ペンタデシレン基、tert-ペンタデシレン基、ネオペンタデシレン基、イソヘキサデシレン基、sec-ヘキサデシレン基、tert-ヘキサデシレン基、ネオヘキサデシレン基、イソヘプタデシレン基、sec-ヘプタデシレン基、tert-ヘプタデシレン基、ネオヘプタデシレン基、イソオクタデシル(イソステアリル)基、sec-オクタデシレン基、tert-オクタデシレン基、ネオオクタデシレン基、イソノナデシレン基、sec-ノナデシレン基、tert-ノナデシレン基、ネオノナデシレン基、イソイコシレン基、sec-イコシレン基、tert-イコシレン基、ネオイコシレン基が挙げられる。分岐のアルキレン基としては、炭素数が7~13のアルキレン基が好ましい。
ポリエーテル化合物(B)が、炭素数7~20の分岐のアルキレン基AによりA-Oのアルキレンオキシ単位を有することで、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が向上し透明性に優れ、色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。
が炭素数7~20の直鎖または分岐の炭化水素基は、芳香族基あるいは脂環式基を有してもよい。例えば、1-フェニルエチレン基のように芳香環を有するものも好ましい。Aが1-フェニル-1,2-エチレンであるエーテル単位A-Oは、スチレンオキシドあるいは1-フェニルエチレングリコールを原料にして製造できる。1-フェニル-1,2-エチレンと同様なものとして、それをオキシド化合物として例示すると、αメチルスチレンオキシド、ナフタレンオキシド、1,1’-ジフェニルスチレンオキシド等も挙げられる。これらはアルキレン基に芳香族基が側鎖として導入され、これによりポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が特に向上するので好ましい。
また、アルキレン基が芳香族基あるいは脂環式基と共有した形になるものも好ましく、これらをオキシド化合物として挙げると、ジヒドロナフタレンオキシド、ビニルシクロヘキセンモノオキシド等が挙げられる。
ポリエーテル化合物(B)が、芳香族基あるいは脂環式基含有のアルキレンオキシ単位を有することで、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が向上し透明性に優れ、色相にも優れたポリカーボネート樹脂組成物とすることができる。
は直鎖または分岐の炭素数7~20の炭化水素基は、アリロキシ基またはアルコキシ基で置換されていてもよい。例えば、1-フェノキシメチル基のように芳香環を有するものも好ましい。Aが(1-フェノキシメチル)-1,2-エチレンであるエーテル単位A-Oは、フェニルグリシジルエーテルを原料にして製造できる。(1-フェノキシメチル)-1,2-エチレンと同様なものとして、それをオキシド化合物として例示すると、ヘキシルグリシジルエーテルが挙げられる。これらはアルキレン基にアリロキシ基またはアルコキシ基が側鎖として導入され、これによりポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が特に向上するので好ましい。
としては、上記した中でも側鎖に芳香環または脂環式炭化水素基を有するアルキレン基が好ましく、特に1-フェニルエチレン基や(1-フェノキシメチル)エチレン基が好ましい。
なお、A-O単位の数nが2以上の場合、Aは同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。
は直鎖または分岐の炭素数2~6の炭化水素基である。
直鎖の炭素数2~6の炭化水素基としては、1,2-エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基が挙げられる。
分岐の炭素数2~6の炭化水素基としては、1,2-プロピレン基、sec-ブチレン基、イソブチレン基、tert-ブチレン基、1-メチルブチレン基、1-エチルプロピレン基、2-メチルブチレン基、3-メチルブチレン基、1,2-ジメチルプロピレン基、1,1-ジメチルプロピレン基、tert-アミル基、1,3-ジメチルブチレン基、3,3-ジメチルブチレン基、1-メチルペンチレン基、1-エチルブチル基、2-エチルブチル基等が挙げられる。
は、これらの中でも1,2-プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブチレン基、テトラメチレン基が好ましく、1,2-プロピレン基、テトラメチレン基が特に好ましい。
-O単位の数mが2以上の場合、Aは同一の炭化水素基であってもよく、異なる炭化水素基であってもよい。
一般式(I)において、Xは単結合または2価の有機基であるが、2価の有機基としては、X-O(ここでXは芳香環を有していてもよい2価の有機基)で表されるものが好ましい。Xはジオール化合物からOH基を除いた残基(以下、残基ともいう)が好ましく、例えばエチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n-ペンタメチレン基、n-ヘキサメチレン基等の炭素数1~12の直鎖状または分岐状のアルキレン基、フェニレン基、式:-CH-Ph-CH-または-CH-Ph-Ph-CH-(ここで、Phはフェニレン基を示す)で表される2価の基、ビスフェノールA残基、ビスフェノールF残基、ビスフェノールZ残基等の芳香族ジオール化合物残基等を好ましく挙げることができる。
は脂環式ジオール化合物からOH基を除いた残基であることも好ましく、その例を脂環式ジオールとして挙げると、2,2,4,4-テトラメチル-1,3-シクロブタンジオール等のシクロブタンジオール類、1,4-シクロヘキサンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、2-メチル-1,4-シクロヘキサンジオールなどのシクロヘキサンジオール類、1,2-シクロヘキサンジメタノール、1,3-シクロヘキサンジメタノール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどのシクロヘキサンジメタノール類、2,2-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン(即ち、水素化ビスフェノールA)、2,3-ノルボルナンジメタノール、2,5-ノルボルナンジメタノールなどのノルボルナンジメタノール類、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、1,3-アダマンタンジオール、2,2-アダマンタンジオール、デカリンジメタノール、3,9-ビス(2-ヒドロキシ-1,1-ジメチルエチル)-2,4,8,10-テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン(すなわち、スピログリコール)などが挙げられる。
上記した中でも、Xは単結合であるか、上記XがビスフェノールA残基や水素化ビスフェノールA残基であることが好ましい。
一般式(I)において、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~30の炭化水素基であるが、炭素数1~30の炭化水素基としては、炭素数1~30のアルキル基、炭素数2~30のアルケニル基、炭素数6~30のアリール基又は炭素数7~30のアラルキル基等が挙げられる。
アルキル基及びアルケニル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、各種ブチル基、各種ペンチル基、各種ヘキシル基、各種オクチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アリル基、プロペニル基、各種ブテニル基、各種ヘキセニル基、各種オクテニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。アリール基としては、例えばフェニル基、トリル基、キシリル基等が挙げられる。アラルキル基としては、例えばベンジル基、フェネチル基、メチルベンジル基等が挙げられる。
炭素数1~30のアルカノイル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばメタノイル基、エタノイル基、n-プロパノイル基、イソプロパノイル基、n-ブタノイル基、t-ブタノイル基、n-ヘキサノイル基、n-オクタノイル基、n-デカノイル基、n-ドデカノイル基、ベンゾイル基等が挙げられる。これらの中でも、相溶性、熱安定性及び製造容易性の観点から、炭素数1~20のアルカノイル基が好ましい。
炭素数2~30のアルケノイル基としては、直鎖状でも分岐鎖状でもよく、例えばエテノイル基、n-プロペノイル基、イソプロペノイル基、n-ブテノイル基、t-ブテノイル基、n-ヘキセノイル基、n-オクテノイル基、n-デセノイル基、n-ドデセノイル基等が挙げられる。これらの中でも、低分子量とする観点、相溶性や溶解性の観点及び製造容易性の観点から、炭素数2~10のアルケノイル基が好ましく、炭素数2~6のアルケノイル基がより好ましい。
およびRは水素原子であることが好ましく、ポリエーテル化合物(B)の末端基はヒドロキシル基であることが好ましい。しかし、末端がR、Rの炭化水素基で封鎖されていてもその性能発現に影響はなく、同様に本発明の効果を発現することができる。
一般式(I)において、mは0または1以上の整数を、nは1以上の整数であり、ポリエーテル化合物(B)はA-O単位を有さずA-O単位のみからなるものであってもよい。
mは、好ましくは0または1~100であり、より好ましくは5~50であり、さらには10~45、中でも15~40、特には20~35が好ましい。
nは、好ましくは1~100であり、より好ましくは1~30であり、さらには1~20、中でも1~15、特には1~10が好ましい。
-O単位とA-O単位の好ましい量比を、A-O単位:A-O単位のモル比で表すと、0~99:100~1であり、より好ましくは50~99:50~1、さらに好ましくは75~99:25~1である。
なお、ポリエーテル化合物(B)は、ポリエーテルを製造する従来から公知の方法で製造でき、上記したような原料オキシド、グリコールあるいはそのポリエーテル形成性誘導体を、通常、酸触媒を用いて重縮合させることによって製造することができる。得られるポリエーテル化合物(B)は単一の化合物ではなく、通常は重合物の混合体であることが多いので、m、nはその平均値として捉えられ、その場合整数ではないことがある。
ポリエーテル化合物(B)は、ランダム共重合体やブロック共重合体であってもよいが、ランダム重合体が好ましい。
ポリエーテル化合物(B)は、前記したように、一般式(I)中のAは1,2-エチレン基、1,2-プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブチレン基、テトラメチレン基が好ましく、Aは1-フェニルエチレン基または(1-フェノキシメチル)エチレン基であることが好ましいが、Aが1,2-プロピレン基またはテトラメチレン基であり、Aが1-フェニルエチレン基または(1-フェノキシメチル)エチレン基であるものがより好ましい。
特に好ましいポリエーテル化合物(B)として、以下の一般式(II)または(III)で表されるものが挙げられる。
HO-(CHCH(CH)O)-(CHCH(C)O)-H (II)
(式中、m、nは前記一般式(I)におけるm、nとそれぞれ同義である。)
HO-(CHCHCHCHO)-(CHCH(CH-O-C)O)-H (III)
(式中、m、nは前記式(I)におけるm、nとそれぞれ同義である。)
ポリエーテル化合物(B)の数平均分子量(Mn)は、200~10,000が好ましく、より好ましくは300以上、さらに好ましくは500以上であり、5,000以下がより好ましく、さらに好ましくは4,000以下、中でも3,000以下、特に好ましくは2,500以下である。数平均分子量がこのような範囲にあることでポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が優れ、成形時のガスが発生するようなことがなくなりやすい。数平均分子量が上記上限を超えると、相溶性が低下する傾向があり、数平均分子量が上記下限を下回ると成形時にガスが発生しやすくなる。
ポリエーテル化合物(B)化合物の数平均分子量(Mn)はJIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出した数平均分子量(Mn)である。
ポリエーテル化合物(B)化合物の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.01~4質量部である。このような範囲で含有することにより、得られるポリカーボネート樹脂組成物は、良好な色相を有し、透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少なく、耐衝撃性が低下することがなく優れた耐衝撃性を有する。含有量は好ましくは0.05質量部以上、より好ましくは0.1質量部以上、更には0.3質量部以上であり、好ましくは3質量部以下、より好ましくは2質量部以下、更に好ましくは1質量部以下である。ポリエーテル化合物(B)化合物の含有量が上記下限未満であっても、上記上限を超えても、得られる成形体の色相が劣る傾向がある。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明において使用するポリカーボネート樹脂(A)は、特に限定されず、種々のものが用いられる。ポリカーボネート樹脂は、炭酸結合に直接結合する炭素がそれぞれ芳香族炭素である芳香族ポリカーボネート樹脂、及び脂肪族炭素である脂肪族ポリカーボネート樹脂に分類できるが、いずれを用いることもできる。中でも、ポリカーボネート樹脂(A)としては、耐熱性、機械的物性、電気的特性等の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂が好ましい。
芳香族ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、芳香族ジヒドロキシ化合物の例を挙げると、
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
2,2’-ジヒドロキシ-1,1’-ビナフチル、1,2-ジヒドロキシナフタレン、1,3-ジヒドロキシナフタレン、2,3-ジヒドロキシナフタレン、1,6-ジヒドロキシナフタレン、2,6-ジヒドロキシナフタレン、1,7-ジヒドロキシナフタレン、2,7-ジヒドロキシナフタレン等のジヒドロキシナフタレン類;
2,2’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,3’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルエーテル、1,4-ビス(3-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3-ビス(4-ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン等のジヒドロキシジアリールエーテル類;
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシフェニル)フルオレン、
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルフィド、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホキシド、4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホキシド等のジヒドロキシジアリールスルホキシド類;
4,4’-ジヒドロキシジフェニルスルホン、
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
これらの中ではビス(ヒドロキシアリール)アルカン類が好ましく、中でもビス(4-ヒドロキシフェニル)アルカン類が好ましく、特に耐衝撃性、耐熱性の点から2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールA)、2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(即ち、ビスフェノールC)が好ましい。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
ポリカーボネート樹脂の原料となるモノマーのうち、カーボネート前駆体の例を挙げると、カルボニルハライド、カーボネートエステル等が使用される。なお、カーボネート前駆体は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
カルボニルハライドとしては、具体的には例えば、ホスゲン;ジヒドロキシ化合物のビスクロロホルメート体、ジヒドロキシ化合物のモノクロロホルメート体等のハロホルメート等が挙げられる。
カーボネートエステルとしては、具体的には例えば、ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート等のジアリールカーボネート類;ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類;ジヒドロキシ化合物のビスカーボネート体、ジヒドロキシ化合物のモノカーボネート体、環状カーボネート等のジヒドロキシ化合物のカーボネート体等が挙げられる。
ポリカーボネート樹脂(A)の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。これらの中では、界面重合法によるものが特に好ましい。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂(A)は、重合する際の末端停止剤として一価のフェノール性水酸基に基づく基によって封鎖されているものが好ましい。
末端停止剤としては、アルキルフェノール化合物が好ましく、アルキル基の炭素数は4以上が好ましく、好ましくは12以下であり、10以下であることがより好ましく、8以下であることがさらに好ましい。アルキル基は、直鎖のものでも分岐していてもよく、分岐状のものが好ましい。アルキルフェノール化合物としては、p-tert-ブチルフェノール、p-tert-ヘキシルフェノール、p-tert-オクチルフェノール等が特に好ましい。
末端が単官能フェノール類によりアルキルフェニル基で封鎖されたものは、強度を維持しながら高度の流動性を可能とし、色相も良好であるので好ましい。流動性向上のためにポリカーボネート樹脂の分子量を低くすることが通常行われるが、このような末端構造を有するポリカーボネート樹脂を使用することで、材料設計を検討する際に、分子量を下げることなく所望の分子量を採用しても高度の流動性を達成できるので、高い強度、耐衝撃性を有しながら良好な色相と流動性を可能とする。
ポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量(Mv)で、好ましくは10,000~50,000であり、より好ましくは10,000~40,000,中でも10,000~30,000、10,000~26,000であり、更には10,500以上、11,000以上、特には11,500以上、最も好ましくは12,000以上であり、さらには24,000以下、特に好ましくは20,000以下である。粘度平均分子量を上記範囲の下限値以上とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、粘度平均分子量を上記範囲の上限値以下とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて薄肉成形加工を容易に行えるようになる。
なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
なお、粘度平均分子量[Mv]とは、溶媒としてメチレンクロライドを使用し、ウベローデ粘度計を用いて温度25℃での極限粘度[η](単位dl/g)を求め、Schnellの粘度式、すなわち、η=1.23×10-4Mv0.83から算出される値を意味する。また、極限粘度[η]とは、各溶液濃度[C](g/dl)での比粘度[ηsp]を測定し、下記式により算出した値である。
Figure 0007163537000001
また、成形体の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂(A)は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートオリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
さらにポリカーボネート樹脂(A)は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂(A)のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
[リン系安定剤(C)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤(C)を含有することが好ましい。リン系安定剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の色相がより良好なものとなり、さらに耐熱変色性が向上する。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族又は第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト構造を有する化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
ここでホスファイト化合物は、一般式:P(OR)で表される構造を有する3価のリン化合物であり、Rは、1価又は2価の有機基を表す。
このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジホスファイト、6-[3-(3-tert-ブチル-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
このようなホスファイト化合物のなかでも、下記式(1)又は(2)で表される芳香族ホスファイト化合物が、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の耐熱変色性が効果的に高まるため、より好ましい。
Figure 0007163537000002
[式(1)中、R、R及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数6以上30以下のアリール基を表す。]
Figure 0007163537000003
[式(2)中、R及びRは、それぞれ同一であっても異なっていてもよく、炭素数6以上30以下のアリール基を表す。]
上記式(1)で表されるホスファイト化合物としては、中でもトリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト等が好ましく、中でもトリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイトがより好ましい。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には例えば、ADEKA社製「アデカスタブ1178」、住友化学社製「スミライザーTNP」、城北化学工業社製「JP-351」、ADEKA社製「アデカスタブ2112」、BASF社製「イルガフォス168」、城北化学工業社製「JP-650」等が挙げられる。
上記式(2)で表されるホスファイト化合物としては、中でもビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジクミルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトのようなペンタエリスリトールジホスファイト構造を有するものが特に好ましい。このような、有機ホスファイト化合物としては、具体的には例えば、ADEKA社製「アデカスタブPEP-36」、「アデカスタブPEP-24G」、Doverchemical社製「Doverphos S-9228」等が好ましく挙げられる。
ホスファイト化合物の中でも、上記式(2)で表される芳香族ホスファイト化合物が、色相がより優れるため、より好ましい。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
リン系安定剤(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.005~0.5質量部であり、より好ましくは0.007質量部以上、さらに好ましくは0.008質量部以上、特に好ましくは0.01質量部以上であり、また、より好ましくは0.4質量部以下、さらに好ましくは0.3質量部以下、中でも好ましくは0.2質量部以下、特には0.1質量部以下である。リン系安定剤(C)の含有量が前記範囲の0.005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、リン系安定剤(C)の含有量が0.5質量部を超える場合は、耐熱変色性がかえって悪化しやすく、湿熱安定性も低下しやすい。
[エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)]
本発明の樹脂組成物は、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)を含有することも好ましい。エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)を含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.0005~0.2質量部であることが好ましい。
エポキシ化合物としては、1分子中にエポキシ基を1個以上有する化合物が用いられる。具体的には、フェニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、t-ブチルフェニルグリシジルエーテル、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシ-6’-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、2,3-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4-(3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシル)ブチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシシクロヘキシルエチレンオキシド、シクロヘキシルメチル3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、3,4-エポキシ-6-メチルシクロヘキシルメチル-6’-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、ビスフェノール-Aジグリシジルエーテル、テトラブロモビスフェノール-Aグリシジルエーテル、フタル酸のジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸のジグリシジルエステル、ビス-エポキシジシクロペンタジエニルエーテル、ビス-エポキシエチレングリコール、ビス-エポキシシクロヘキシルアジペート、ブタジエンジエポキシド、テトラフェニルエチレンエポキシド、オクチルエポキシタレート、エポキシ化ポリブタジエン、3,4-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3,5-ジメチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、3-メチル-5-t-ブチル-1,2-エポキシシクロヘキサン、オクタデシル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2,2-ジメチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、シクロヘキシル-2-メチル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、N-ブチル-2-イソプロピル-3,4-エポキシ-5-メチルシクロヘキシルカルボキシレート、オクタデシル-3,4-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、2-エチルヘキシル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,6-ジメチル-2,3-エポキシシクロヘキシル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレート、4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、3-t-ブチル-4,5-エポキシ無水テトラヒドロフタル酸、ジエチル4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレート、ジ-n-ブチル-3-t-ブチル-4,5-エポキシ-シス-1,2-シクロヘキシルジカルボキシレート、エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油などを好ましく例示することができる。
これらのうち、脂環族エポキシ化合物が好ましく用いられ、特に、3,4-エポキシシクロヘキシルメチル-3’,4’-エポキシシクロヘキシルカルボキシレートが好ましい。
また、片末端もしくは両末端にエポキシ基を有するポリアルキレングリコール誘導体も好ましく使用することができる。特に、両末端にエポキシ基を有するポリアルキレングリコールが好ましい。
構造中にエポキシ基を含有するポリアルキレングリコール誘導体としては、例えば、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(1-メチル)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリ(2-エチル)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコール-ポリ(1-メチル)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(2-メチル)エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコール-ポリ(1-エチル)エチレングリコールジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコール誘導体が好ましいものとして挙げられる。
エポキシ化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ化合物の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.0005~0.2質量部であるが、より好ましくは0.001質量部以上、さらに好ましくは0.003質量部以上、特に好ましくは0.005質量部以上であり、また、より好ましくは0.15質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。エポキシ化合物の含有量が、0.0005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、0.2質量部を超える場合は、耐熱変色性がかえって悪化しやすく、色相や湿熱安定性も低下しやすい。
オキセタン化合物としては、分子内に1以上のオキセタン基を有する化合物であればいずれも使用することができ、分子中にオキセタン基を1個有するモノオキセタン化合物および分子中にオキセタン基を2個以上有する2官能以上のポリオキセタン化合物のいずれもが使用できる。
オキセタン化合物を含有することによって、良好な色相と高度の耐熱変色性を一層向上させることができる。
モノオキセタン化合物としては、下記の一般式(3)、(4)または(5)で表される化合物などを好ましく例示することができる。
Figure 0007163537000004
Figure 0007163537000005
[式(3)~(5)中、Rはアルキル基、Rはアルキル基またはフェニル基を示し、Rは芳香環を有していてもよい2価の有機基、nは0または1を示す。]
上記一般式(3)、(4)及び(5)において、Rはアルキル基であるが、好ましくは炭素数1~6のアルキル基であり、メチル基またはエチル基が好ましく、特に好ましくはエチル基である。
また、Rはアルキル基またはフェニル基であるが、好ましくは炭素数2~10のアルキル基であり、鎖状のアルキル基、分岐したアルキル基または脂環式アルキル基のいずれであってもよく、或いはアルキル鎖の途中にエーテル結合(エーテル系酸素原子)を有する鎖状または分岐状のアルキル基であってもよい。Rの具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3-オキシペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などを挙げることができる。そのうちでも、Rは2-エチルヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基が好ましい。
一般式(3)の化合物の具体例としては、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-ノルマルブチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-プロピルオキセタンなどを好ましく挙げることができる。そのうちでも、3-ヒドロキシメチル-3-メチルオキセタン、3-ヒドロキシメチル-3-エチルオキセタン等が特に好ましい。
一般式(4)の化合物の具体例としては、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン等が特に好ましい。
一般式(5)において、Rは芳香環を有していてもよい2価の有機基であるが、その例としては、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、ネオペンチレン基、n-ペンタメチレン基、n-ヘキサメチレン基等の炭素数1~12の直鎖状または分岐状のアルキレン基、フェニレン基、式:-CH-Ph-CH-または-CH-Ph-Ph-CH-(ここで、Phはフェニル基を示す)で表される2価の基、水素添加ビスフェノールA残基、水素添加ビスフェノールF残基、水素添加ビスフェノールZ残基、シクロヘキサンジメタノール残基、トリシクロデカンジメタノール残基などを挙げることができる。
一般式(5)の化合物の具体例としては、ビス(3-メチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-エチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-プロピル-3-オキセタニルメチル)エーテル、ビス(3-ブチル-3-オキセタニルメチル)エーテル、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニルメトキシ)メチル]ベンゼン、3-エチル-3{[(3-エチルオキセタン-3-イル)メトキシ]メチル}オキセタン、4,4’-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ビフェニル、1,4-ビス[(3-エチル-3-オキセタニル)メトキシメチル]ベンゼン等を特に好ましく挙げることができる。
オキセタン化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
オキセタン化合物を含有する場合の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.0005~0.2質量部であり、より好ましくは0.001質量部以上、さらに好ましくは0.003質量部以上、特に好ましくは0.005質量部以上であり、また、より好ましくは0.15質量部以下、さらに好ましくは0.1質量部以下、特に好ましくは0.05質量部以下である。オキセタン化合物の含有量が、0.0005質量部未満の場合は、色相、耐熱変色性が不十分となりやすく、0.2質量部を超える場合は、耐熱変色性が却って悪化しやすく、成形時のガスが発生しやすい。
エポキシ化合物とオキセタン化合物は、両者を併せて含有することも好ましく、両者を含有する場合の合計の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.0005~0.2質量部であることが好ましい。
[離型剤(E)]
本発明の樹脂組成物は離型剤(E)を含有することも好ましい。
離型剤(E)としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は、炭素数6~36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6~36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。なお、ここで脂肪族とは、脂環式化合物も包含する用語として使用される。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2-ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
なお、上記のエステルは、不純物として脂肪族カルボン酸及び/又はアルコールを含有していてもよい。また、上記のエステルは、純物質であってもよいが、複数の化合物の混合物であってもよい。さらに、結合して一つのエステルを構成する脂肪族カルボン酸及びアルコールは、それぞれ、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200~15000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ-トロプシュワックス、炭素数3~12のα-オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。また、これらの炭化水素は部分酸化されていてもよい。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5000以下である。
なお、脂肪族炭化水素は、単一物質であってもよいが、構成成分や分子量が様々なものの混合物であっても、主成分が上記の範囲内であれば使用できる。
ポリシロキサン系シリコーンオイルとしては、例えば、ジメチルシリコーンオイル、メチルフェニルシリコーンオイル、ジフェニルシリコーンオイル、フッ素化アルキルシリコーン等が挙げられる。
なお、上述した離型剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていてもよい。
離型剤としては、上記の中でも脂肪酸エステルが、YIがより向上することに加えて金型汚染が少ない点でより好ましい。
離型剤(E)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値未満の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[添加剤等]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種又は二種以上を配合してもよい。
ただし、ポリカーボネート樹脂(A)以外の他のポリマーを含有する場合は、その含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、20質量部以下とすることが好ましく、10質量部以下がより好ましく、さらには5質量部以下、特には3質量部以下とすることが好ましい。
[ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリエーテル化合物(B)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
[ポリカーボネート樹脂組成物]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、色相に優れるのでYI(黄変度)に優れ、300mm光路長における初期YI値が好ましくは27以下であり、より好ましくは26.7以下、26.5以下、26.3以下であり、更には、26以下、25以下、24以下、23以下、22以下であることが好ましい。
なお、初期YI値の測定は、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形し、300mmの光路長で、C光源、2°視野におけるYI値(初期YI値)を測定する。
[光学部品]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して光学部品を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して光学部品にすることもできる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、流動性や色相に優れ、成形時のガス発生と金型汚染が極めて少ないことから、射出成形法により、光学部品、特に金型汚染が起こりやすい薄肉の光学部品を成形するのに特に好適に用いられる。射出成形の際の樹脂温度は、特に薄肉の成形体の場合には、一般にポリカーボネート樹脂の射出成形に適用される温度である260~300℃よりも高い樹脂温度にて成形することが好ましく、305~400℃の樹脂温度が好ましい。樹脂温度は310℃以上であるのがより好ましく、315℃以上がさらに好ましく、320℃以上が特に好ましく、390℃以下がより好ましい。従来のポリカーボネート樹脂組成物を用いた場合には、薄肉成形体を成形するために成形時の樹脂温度を高めると、成形体の黄変が生じやすくなるという問題もあったが、本発明の樹脂組成物を使用することで、上記の温度範囲であっても、良好な色相と高い透明性を有する成形体、特に薄肉の光学部品を製造することが可能となる。
なお、樹脂温度とは、直接測定することが困難な場合はバレル設定温度として把握される。
ここで、薄肉成形体とは、通常肉厚が1mm以下、好ましくは0.8mm以下、より好ましくは0.6mm以下の板状部を有する成形体をいう。ここで、板状部は、平板であっても曲板状になっていてもよく、平坦な表面であっても、表面に凹凸等を有してもよく、また断面は傾斜面を有していたり、楔型断面等であってもよい。
光学部品としては、LED、有機EL、白熱電球、蛍光ランプ、陰極管等の光源を直接又は間接に利用する機器・器具の部品が挙げられ、導光板や面発光体用部材等が代表的なものとして例示される。
導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の中で、LED等の光源の光を導光するためのものであり、側面又は裏面等から入れた光を、通常表面に設けられた凹凸により拡散させ、均一の光を出す。その形状は、通常平板状であり、表面には凹凸を有していても有していなくてもよい。
導光板の成形は、通常、好ましくは射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、溶融押出成形法(例えばTダイ成形法)などにより行われる。
本発明の樹脂組成物を用いて成形した導光板は、白濁や透過率の低下がなく、良好な色相と高い透明性を有し且つ金型汚染による成形不良が少ない。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いた導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の分野で好適に使用できる。このような装置の例としては、携帯電話、モバイルノート、ネットブック、スレートPC、タブレットPC、スマートフォン、タブレット型端末等の各種携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、各種ディスプレイ、照明機器等が挙げられる。
また、光学部品としての形状はフィルムあるいはシートであってもよく、その具体例としては、例えば導光フィルム等が挙げられる。
また、光学部品としては、自動車あるいはオートバイ等の車両用前照灯(ヘッドランプ)あるいはリアランプ、フォグランプ等において、LED等の光源からの光を導光するライトガイドやレンズ等も好適であり、これらにも好適に使用することができる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いた導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の分野で好適に使用できる。このような装置の例としては、携帯電話、モバイルノート、ネットブック、スレートPC、タブレットPC、スマートフォン、タブレット型端末等の各種携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、各種ディスプレイ、照明機器等が挙げられる。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定して解釈されるものではない。
以下の実施例及び比較例で使用した原料は、表1の通りである。
Figure 0007163537000006
(実施例1~22、比較例1~5)
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分を、下記表2以下に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS-40」)により、シリンダー温度を240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
[樹脂組成物ペレット製造時のストランド透明性]
上述の樹脂組成物ペレットの製造工程において、押出機により、溶融混練され押出されたストランドの透明性を、以下の基準で、目視にて判定した。
A:押出されたストランドは、極めて透明性が高く、ポリカーボネート樹脂(A)とポリエーテル化合物(B)との相溶性は極めて良好である。
B:押出されたストランドは、透明性が高く、ポリカーボネート樹脂(A)とポリエーテル化合物(B)との相溶性は良好である。
C:押出されたストランドは、やや白濁がしており、ポリカーボネート樹脂(A)とポリエーテル化合物(B)との相溶性は不良である。
D:押出されたストランドは、強く白濁がしており、ポリカーボネート樹脂(A)とポリエーテル化合物(B)との相溶性は極めて不良である。
[成形時のガス発生(金型汚染性評価)]
射出成形における汚染性評価(金型汚れ)
上記で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「SE7M」)を用い、図1に示すようなしずく型金型を用いて、シリンダー温度を340℃、成形サイクル10秒、金型温度40℃の条件にて、200ショット射出成形し、終了後の金型固定側の金属鏡面に発生する白い付着物による汚れの状態を、以下の基準で、目視にて評価判定した。
A:金型付着物は極めて少なく、耐金型汚染性は極めて良好である。
B:金型付着物は少ないが、耐金型汚染性は若干見られる。
C:金型付着物はやや多く金型汚染が見られる。
D:金型付着物が多く、金型汚染が著しく見られる。
なお、図1のしずく型金型は、ゲートGから樹脂組成物を導入し、尖端P部分に発生ガスが溜まり易くなるように設計した金型である。ゲートGの幅は1mm、厚みは1mmであり、図1において、幅h1は14.5mm、長さh2は7mm、長さh3は27mmであり、成形部の厚みは3mmである。
[色相(YI)]
得られたペレットを120℃で5~7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(Sodick製「HSP100A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
以上の評価結果を、下記の表2以下に示す。
Figure 0007163537000007
Figure 0007163537000008
Figure 0007163537000009
Figure 0007163537000010
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、良好な色相を有し、さらに透明性に優れ、且つ成形時のガス発生と金型汚染が極めて少なく、耐衝撃性に優れるので、各種の成形品、特に光学部品に極めて好適に利用できる。

Claims (12)

  1. ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、下記一般式(I)で表されるポリエーテル化合物(B)を0.01~4質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
    O-(A-O)-X-(A-O)-R (I)
    (式中、A1,2-エチレン基、1,2-プロピレン基、トリメチレン基、1,2-ブチレン基およびテトラメチレン基からなる群から選択される基を、A1-フェニルエチレン基または(1-フェノキシメチル)エチレン基を示し、RおよびRはそれぞれ独立して水素原子または炭素数1~30の炭化水素基を示し、Xは単結合または2価の有機基を示す。mは以上の整数を、nは1以上の整数を示し、mまたはnが2以上の場合、AおよびAのそれぞれは同一の基であってもよく、異なる基であってもよい。)
  2. 前記一般式(I)中のAが1,2-プロピレン基またはテトラメチレン基である請求項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  3. ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ポリエーテル化合物(B)を0.01~4質量部含有し、 ポリエーテル化合物(B)が、下記一般式(II)または(III)であるポリカーボネート樹脂組成物。
    HO-(CHCH(CH)O)-(CHCH(C)O)-H (II)
    (式中、mは1以上の整数を、nは1以上の整数を示す。)
    HO-(CHCHCHCHO)-(CHCH(CH-O-C)O)-H (III)
    (式中、mは1以上の整数を、nは1以上の整数を示す。)
  4. ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)が、10,000~50,000である請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  5. ポリエーテル化合物(B)の数平均分子量(Mn)が、200~10,000である請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  6. さらに、リン系安定剤(C)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.005~0.5質量部含有する請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  7. リン系安定剤(C)が、ホスファイト構造を有するリン系化合物である請求項に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  8. さらに、エポキシ化合物および/またはオキセタン化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.0005~0.2質量部含有する請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  9. さらに、離型剤(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)の100質量部に対し、0.01~0.5質量部含有する請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  10. 300mm光路長における初期YI値が、27以下である請求項1~のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
  11. 請求項1~10のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物の成形体。
  12. 光学部品である請求項11に記載の成形体。
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