JP7309452B2 - ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
ポリカーボネート樹脂組成物 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7309452B2 JP7309452B2 JP2019098497A JP2019098497A JP7309452B2 JP 7309452 B2 JP7309452 B2 JP 7309452B2 JP 2019098497 A JP2019098497 A JP 2019098497A JP 2019098497 A JP2019098497 A JP 2019098497A JP 7309452 B2 JP7309452 B2 JP 7309452B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- polycarbonate resin
- mass
- group
- parts
- resin composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
Description
特にその優れた光学特性と難燃性を活かし、近年ではLED光源が主流となりつつある照明機器や光学機器用の光学部品として利用されるようになっている。
そして、特許文献4では、直鎖アルキル基で構成されるポリアルキレングリコールを配合することにより、透過率や色相を改良する提案がなされている。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを配合することで透過率や黄変度(イエローインデックス:YI)に改善が見られる。
本発明は、以下のポリカーボネート樹脂組成物に関する。
[3]前記末端構造が下記一般式(1’)に示す末端構造である上記[1]または[2]に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[5]ポリカーボネート樹脂(A)の一般式(1)または(1’)における末端構造がt-オクチルフェニル基である上記[1]~[4]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[6]さらに、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.0005~0.2質量部含有する上記[1]~[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
[7]上記[1]~[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
[8]光学部材である上記[7]に記載の成形体。
したがって、本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、各種の光学部品に特に好適に使用できる。
なお、本明細書において、「~」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分等につき、詳細に説明する。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂は、下記一般式(1)で表される末端構造を有する。
1,2-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4-ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5-ジヒドロキシビフェニル、2,2’-ジヒドロキシビフェニル、4,4’-ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1-ビス(3-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2-ビス(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-(3-シクロヘキシル-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1,4-ジイソプロピルベンゼン、
1,3-ビス[2-(4-ヒドロキシフェニル)-2-プロピル]ベンゼン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)(4-プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4-ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-フェニルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-1-ナフチルエタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,4-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,5-ジメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシ-3,5-ジメチルフェニル)-3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-プロピル-5-メチルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-tert-ブチル-シクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-3-フェニルシクロヘキサン、
1,1-ビス(4-ヒドロキシフェニル)-4-フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9-ビス(4-ヒドロキシ-3-メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’-ジヒドロキシ-3,3’-ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン-1,2-ジオール、プロパン-1,2-ジオール、プロパン-1,3-ジオール、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール、2-メチル-2-プロピルプロパン-1,3-ジオール、ブタン-1,4-ジオール、ペンタン-1,5-ジオール、ヘキサン-1,6-ジオール、デカン-1,10-ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じてジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0~40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)~数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ-tert-ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
中でも、R1は、n-オクチル基、イソ-オクチル基及びt-オクチル基からなる群から選択される1種以上であることが好ましく、t-オクチル基がより好ましく、一般式(1)における末端構造がt-オクチルフェニル基(即ち、1,1,3,3-テトラメチルブチルフェニル基)であることが特に好ましい。
中でも、p-t-オクチルフェノール、p-n-オクチルオキシフェノールのいずれかもしくは複数を末端停止剤として使用することが、流動性、成形体の強度及び耐熱性に加え、入手のし易さの観点からより好ましい。
併用してもよい他の末端停止剤としては、例えば、フェノール、p-クレゾール、o-クレゾール、2,4-キシレノール、p-t-ブチルフェノール、o-アリルフェノール、p-アリルフェノール、p-ヒドロキシスチレン、p-ヒドロキシ-α-メチルスチレン、p-プロピルフェノール、p-クミルフェノール、p-フェニルフェノール、o-フェニルフェノール、p-トリフルオロメチルフェノール、オイゲノール、パルミチルフェノール、ステアリルフェノール、ベヘニルフェノール等のアルキルフェノール及びp-ヒドロキシ安息香酸のメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、アミルエステル、ヘキシルエステル、ヘプチルエステル等のp-ヒドロキシ安息香酸アルキルエステルが挙げられる。
他の末端停止剤は2種類以上併用して使用することも可能である。特に一般式(1a)の末端停止剤と併用してもよい末端停止剤としては、純度やコストの観点から、p-t-ブチルフェノールが挙げられる。
他の末端停止剤を使用する場合は、ポリカーボネート樹脂(A)を含むポリカーボネート樹脂全体の全末端停止剤中の20mol%以下であることが好ましく、10mol%以下であることがより好ましい。
なお、ポリカーボネート樹脂(A)は、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂を含有する場合の量は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、より好ましくは50質量%以下、さらに好ましくは30質量%以下、中でも20質量%以下、特には10質量%以下であることが好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリトリメチレングリコール(B)を含有する。
ポリトリメチレングリコール(B)は、[-CH2CH2CH2-O-]を構造単位とするポリエーテルであり、工業的にはメチレン基が直鎖状に結合するトリメチレングリコール(または1,3-プロパンジオール)を、酸触媒を用いて重縮合させることによって製造される。ポリトリメチレングリコール(B)は、ポリプロピレングリコールと一般に称されるポリエーテルとは異なる。ポリプロピレングリコールは、通常プロピレンオキシドの開環重合により製造され、ポリ(2-アルキル)エチレングリコールであり、メチル分岐を有する構造単位から構成されるポリエーテルである。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1~22の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸や、1価の不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸である。
ここでいうポリトリメチレングリコールの数平均分子量MnはJIS K1577に準拠して測定された水酸基価に基づいて算出した数平均分子量である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤を含有する。リン系安定剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の色相がさらに良好なものとなり、そして、さらに耐熱変色性が向上する。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2-メチレンビス(4,6-ジ-tert-ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4-ジ-tert-ブチルフェニル)-4,4’-ビフェニレン-ジホスファイト、6-[3-(3-tert-ブチル-ヒドロキシ-5-メチルフェニル)プロポキシ]-2,4,8,10-テトラ-tert-ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]-ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、さらに、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)を含有することも好ましい。
本発明の樹脂組成物はエポキシ化合物を含有することも好ましい。エポキシ化合物をポリトリメチレングリコール化合物(B)と併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。
エポキシ化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の樹脂組成物はオキセタン化合物を含有することも好ましい。オキセタン化合物をポリトリメチレングリコール化合物(B)と併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。
オキセタン化合物を含有することによって、良好な色相と高度の耐熱変色性を一層向上させることができる。
また、R2はアルキル基またはフェニル基であるが、好ましくは炭素数2~10のアルキル基であり、鎖状のアルキル基、分岐したアルキル基または脂環式アルキル基のいずれであってもよく、或いはアルキル鎖の途中にエーテル結合(エーテル系酸素原子)を有する鎖状または分岐状のアルキル基であってもよい。R2の具体例としては、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2-エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3-オキシペンチル基、シクロヘキシル基、フェニル基などを挙げることができる。そのうちでも、R2は2-エチルヘキシル基、フェニル基、シクロヘキシル基が好ましい。
一般式(5)の化合物の具体例としては、3-エチル-3-(2-エチルヘキシロキシメチル)オキセタン等が特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、離型剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリトリメチレングリコール化合物(B)及びリン系安定剤(C)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240~320℃の範囲である。
なお、樹脂温度とは、直接測定することが困難な場合はバレル設定温度として把握される。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物を用いた光学部品は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の分野で好適に使用できる。このような装置の例としては、携帯電話、モバイルノート、ネットブック、スレートPC、タブレットPC、スマートフォン、タブレット型端末等の各種携帯端末、カメラ、時計、ノートパソコン、各種ディスプレイ、照明機器等が挙げられる。
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記表1~2に記載した各成分を、以下の表3~4に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS-40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
得られたペレットを120℃で5~7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(Sodick社製「HSP100A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
次に、上記長光路成形品を95℃で500時間保持した後、300mmの光路長でYIを測定し、初期YI値との差ΔYIを求め、耐熱変色性の評価を行った。
上記の方法で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥した後、JIS P8115に準拠し、高架式フローテスターを用いて、280℃の温度、荷重160kgf/cm2の条件下で組成物の単位時間あたりの流出量(Q値、単位:×10-2cm3/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80III」)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル45秒の条件で、ISO179-1、2に基づく3mm厚の耐衝撃性試験片を作製した。得られた試験片をR0.25mm/深さ2mmのノッチ切削加工を行い、23℃の温度環境下においてノッチ付シャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。
射出成形における汚染性評価(金型汚れ)
上記で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「SE7M」)を用い、図2に示すようなしずく型金型を用いて、シリンダー温度を340℃、成形サイクル10秒、金型温度40℃の条件にて、150ショット射出成形し、終了後の金型固定側の金属鏡面に発生する白い付着物による汚れの状態を、下記の基準で、目視にて評価判定した。
A:金型付着物量が少なく、耐金型汚染性は極めて良好である。
B:金型付着物量は、AとCの間で少し見られる。
C:金型付着物が多く、金型汚染が著しく見られる。
以上の評価結果を以下の表3~4に示す。
[樹脂組成物ペレットの製造]
前記表1~2に記載した各成分を、以下の表5に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS-40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
得られたペレットを120℃で5~7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(Sodick社製「HSP100A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
次に、上記長光路成形品を95℃で500時間保持した後、300mmの光路長でYIを測定し、初期YI値との差ΔYIを求め、耐熱変色性の評価を行った。
上記の方法で得られたペレットを120℃で4時間以上乾燥した後、JIS P8115に準拠し、高架式フローテスターを用いて、240℃の温度、荷重160kgf/cm2の条件下で組成物の単位時間あたりの流出量(Q値、単位:×10-2cm3/sec)を測定し、流動性を評価した。なお、オリフィスは直径1mm×長さ10mmのものを使用した。
得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(日精樹脂工業社製「NEX80III」)にて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル45秒の条件で、ISO179-1、2に基づく3mm厚の耐衝撃性試験片を作製した。得られた試験片をR1.0mm/深さ2mmのノッチ切削加工を行い、23℃の温度環境下においてノッチ付シャルピー衝撃強度(kJ/m2)を測定した。
射出成形における汚染性評価(金型汚れ)
上記で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「SE8M」)を用い、前記したしずく型金型を用いて、シリンダー温度を340℃、成形サイクル10秒、金型温度40℃の条件にて、150ショット射出成形し、終了後の金型固定側の金属鏡面に発生する白い付着物による汚れの状態を、下記の基準で、目視にて評価判定した。
A:金型付着物量が少なく、耐金型汚染性は極めて良好である。
B:金型付着物量は、AとCの間で少し見られる。
C:金型付着物が多く、金型汚染が著しく見られる。
以上の評価結果を以下の表5に示す。
図1から実施例はいずれも流動性と衝撃強度をバランスよく達成できており、比較例よりも高い流動性を有しつつ、優れた衝撃強度を維持していることが分かる。一方、比較例はそのバランスが劣ることが分かる。
Claims (8)
- 下記一般式(1)に示す末端構造を有するポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、数平均分子量が500~5000のポリトリメチレングリコール化合物(B)を0.01~4質量部、リン系安定剤(C)を0.005~0.5質量部含有することを特徴とするポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量が10000~20000である請求項1に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記末端構造が下記一般式(1’)に示す末端構造である請求項1または2に記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 前記一般式(1)または(1’)におけるR1が、n-オクチル基、イソ-オクチル基及びt-オクチル基からなる群から選択される1種以上である請求項1~3のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)の一般式(1)または(1’)における末端構造がt-オクチルフェニル基である請求項1~4のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- さらに、エポキシ化合物及び/又はオキセタン化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.0005~0.2質量部含有する請求項1~5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1~6のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形体。
- 光学部材である請求項7に記載の成形体。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019098497A JP7309452B2 (ja) | 2019-05-27 | 2019-05-27 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019098497A JP7309452B2 (ja) | 2019-05-27 | 2019-05-27 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2020193255A JP2020193255A (ja) | 2020-12-03 |
JP7309452B2 true JP7309452B2 (ja) | 2023-07-18 |
Family
ID=73547830
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019098497A Active JP7309452B2 (ja) | 2019-05-27 | 2019-05-27 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7309452B2 (ja) |
Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009096117A (ja) | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 樹脂スタンパ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、樹脂スタンパの製造方法および樹脂スタンパ |
JP2016125028A (ja) | 2015-01-07 | 2016-07-11 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 |
JP2017171811A (ja) | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2018028025A (ja) | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2018143327A1 (ja) | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
-
2019
- 2019-05-27 JP JP2019098497A patent/JP7309452B2/ja active Active
Patent Citations (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009096117A (ja) | 2007-10-18 | 2009-05-07 | Idemitsu Kosan Co Ltd | 樹脂スタンパ用芳香族ポリカーボネート樹脂組成物、樹脂スタンパの製造方法および樹脂スタンパ |
JP2016125028A (ja) | 2015-01-07 | 2016-07-11 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 |
JP2017171811A (ja) | 2016-03-24 | 2017-09-28 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
JP2018028025A (ja) | 2016-08-18 | 2018-02-22 | 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 | 光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物 |
WO2018143327A1 (ja) | 2017-02-01 | 2018-08-09 | 出光興産株式会社 | ポリカーボネート樹脂組成物 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2020193255A (ja) | 2020-12-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP6101856B1 (ja) | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 | |
JP5893774B1 (ja) | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 | |
JP2015180709A (ja) | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 | |
JP2018028025A (ja) | 光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物 | |
CN110719936B (zh) | 光学部件用聚碳酸酯树脂组合物和光学部件 | |
JP6587948B2 (ja) | 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品 | |
JP6630872B1 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6645886B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2018030946A (ja) | 光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP7457728B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6522818B2 (ja) | 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物及び光学部品 | |
JP7309452B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP2018095803A (ja) | 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物 | |
WO2016111117A1 (ja) | 薄肉光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 | |
JP6522493B2 (ja) | 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品 | |
JP6889221B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
JP6490490B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および薄肉光学部品 | |
JP7347962B2 (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物 | |
KR102642651B1 (ko) | 광학 부품용 폴리카보네이트 수지 조성물 및 광학 부품 | |
JP6446601B1 (ja) | 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物及び光学部品 | |
JP2022144176A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 | |
JP2022144172A (ja) | ポリカーボネート樹脂組成物および成形品 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220214 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20221226 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20230110 |
|
RD03 | Notification of appointment of power of attorney |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423 Effective date: 20230301 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230704 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230705 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 7309452 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |