JP6587948B2 - 光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物および光学部品 - Google Patents
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Description
そして、特許文献6では、直鎖アルキル基で構成されるポリアルキレングリコールを配合することにより、透過率や色相を改良する提案がなされている。ポリテトラメチレンエーテルグリコールを配合することで透過率や黄変度(イエローインデックス:YI)に改善が見られる。
本発明は、以下の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物及び光学部品を提供する。
[2]さらに、エポキシ化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.0005〜0.2質量部含有する上記[1]に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]前記ポリアルキレングリコール重合体(B)が、ネオペンチルエーテル単位とテトラメチレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体である上記[1]又は[2]に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]前記ポリアルキレングリコール重合体(B)が、ジネオペンチルエーテル単位を有するポリアルキレングリコール重合体である上記[1]〜[3]のいずれかに記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[5]前記ポリアルキレングリコール重合体(B)が、ジネオペンチルエーテル単位とテトラメチレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体である上記[1]〜[4]のいずれかに記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[6]ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)が10,000〜15,000である上記[1]〜[5]のいずれかに記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
[7]上記[1]〜[6]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる光学部品。
なお、本明細書において、「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ネオペンチルエーテル単位を有するポリアルキレングリコール重合体(B)0.05〜4質量部及びリン系安定剤(C)0.005〜0.5質量部を含有することを特徴とする。
以下、本発明のポリカーボネート樹脂組成物を構成する各成分、光学部品等につき、詳細に説明する。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、ネオペンチルエーテル単位を有するポリアルキレングリコール重合体(B)を含有する。
ネオペンチルエーテル単位は、ネオペンチルグリコール、即ち、(2,2−ジエチル)トリメチレングリコールに由来する以下の式(1)で示されるエーテル含有単位である。
−[−CH2−C(CH3)2CH2O−]−…(1)
また、ネオペンチルエーテル単位は、ジネオペンチルエーテル単位であることも好ましく、ジネオペンチルグリコールに由来する以下の式(2)で示されるエーテル含有単位である。
−[−CH2−C(CH3)2CH2O−CH2−C(CH3)2CH2O−]−…(2)
なお、以下の説明において、上記式(2)のジネオペンチルグリコール由来のエーテル含有単位は、式(1)のネオペンチルエーテル単位1モルの2倍のモル量として計算されるものとする。
(2−メチル)トリメチレングリコール、(3−メチル)トリメチレングリコール、(2−エチル)トリメチレングリコール、(3−エチル)トリエチレングリコール、(2,2−ジメチル)トリメチレングリコール、(2,2−メチルエチル)トリメチレングリコール、(3,3−ジメチル)トリメチレングリコール、(3,3−メチルエチル)トリメチレングリコール、(3,3−ジエチル)トリメチレングリコール等の分岐を有するトリメチレングリコール類;
ネオペンチルエーテル単位の量が10モル%未満であった場合、ポリアルキレングリコール重合体(B)が分解しやすくなり、金型付着物が増加しやすく、80モル%以上であった場合、ポリカーボネート樹脂(A)との相溶性が低下しやすい。
また、ジネオペンチルエーテル単位の量は、前記したようにネオペンチルエーテル単位の2倍モルと計算して、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、また好ましくは60モル%未満であり、さらに好ましくは50モル%未満であり、中でも40モル%未満、特に30モル%以下であることが好ましい。
なお、モル分率の測定は、各種の方法で可能であるが、好ましくは、1H−NMR測定装置を用い、重水素化クロロホルムを溶媒として測定される。
末端脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1〜22の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、例えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸や、1価の不飽和脂肪酸、例えば、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、例えば、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸である。
ここでいうポリアルキレングリコール共重合体の数平均分子量はJIS K1577に準拠して測定される水酸基価に基づいて算出される数平均分子量である。
また、ポリアルキレングリコール重合体(B)は、ジネオペンチルエーテル単位とテトラメチレンエーテル単位からなる共重合体も特に好ましい。このとき、ジネオペンチルエーテル単位は、前記したようにネオペンチルエーテル単位の2倍モルと計算して、好ましくは5モル%以上であり、より好ましくは10モル%以上であり、さらに好ましくは15モル%以上であり、また好ましくは60モル%未満であり、さらに好ましくは50モル%未満であり、中でも40モル%未満、特に30モル%以下であることが好ましい。
また、テトラメチレンエーテル単位と2,2−ジメチルトリメチレンエーテル単位からなる共重合体は特願2015−2533に記載の方法で製造することも可能である。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤を含有することを必要とする。リン系安定剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の色相が良好なものとなり、さらに耐熱変色性が向上する。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジホスファイト、2,4,8,10−テトラ−tert−ブチル−6−[3−(3−tert−ブチル−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]ジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明の樹脂組成物はエポキシ化合物(D)を含有することも好ましい。エポキシ化合物(D)をポリアルキレングリコール重合体(B)と併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができる。
エポキシ化合物は、単独で用いても2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリアルキレングリコール重合体(B)及びリン系安定剤(C)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物は、上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して光学部品を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して光学部品にすることもできる。
なお、樹脂温度とは、直接測定することが困難な場合はバレル設定温度として把握される。
導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の中で、LED等の光源の光を導光するためのものであり、側面または裏面等から入れた光を、通常表面に設けられた凹凸により拡散させ、均一の光を出す。その形状は、通常平板状であり、表面には凹凸を有していても有していなくてもよい。
導光板の成形は、通常、好ましくは射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などにより行われる。
本発明の樹脂組成物を用いて成形した導光板は、良好な色相を有し且つ金型汚染による成形不良が少なく、白濁や透過率の低下がなく、透過率および色相が極めて良好である。
以下の実施例及び比較例で使用した原料および評価方法は次の通りである。なお、ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量の測定方法は、前述したとおりである。
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分を、以下の表2に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製「EC100SX−2A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
(i)射出成形における汚染性評価(金型汚れ)
上記で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「MINIMAT M8/7A」)を用い、図1に示すようなしずく型金型を用いて、シリンダー温度340℃、成形サイクル10秒、金型温度40℃の条件にて、200ショット射出成形し、終了後の金型固定側の金属鏡面に発生する白い付着物による汚れの状態を、比較例3と比較した下記の基準で、目視にて評価判定した。
A:金型付着物は、比較例3の200ショット成形後の状態より極めて少なく、耐金型汚染性は極めて良好である。
B:金型付着物は、比較例3の200ショット成形後の状態より少ないが、耐金型汚染性は若干見られる。
C:金型付着物は、比較例3の200ショット成形後の状態よりは少ないが、金型汚染が明らかに見られる。
D:金型付着物は、比較例3の200ショット成形後の状態と同レベルであり、金型汚染が著しく見られる。
以上の評価結果を以下の表2に示す。
一方、比較例1、4及び5のものは300mmYIが実施例のものに比べて高いことが分かる。また、比較例2及び3は金型付着物量が実施例に比べて多いことが分かる。
したがって、本発明の、色相の良好で金型付着のない光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物を提供するという目的は、本発明の要件を全て満たして、はじめて達成されるということが分かる。
Claims (4)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、ネオペンチルエーテル単位を有するポリアルキレングリコール重合体(B)0.05〜4質量部及びリン系安定剤(C)0.005〜0.5質量部を含有し、
前記ポリアルキレングリコール重合体(B)が、ネオペンチルエーテル単位とテトラメチレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体、またはジネオペンチルエーテル単位とテトラメチレンエーテル単位を有するポリアルキレングリコール共重合体であることを特徴とする光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。 - さらに、エポキシ化合物(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.0005〜0.2質量部含有する請求項1に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
- ポリカーボネート樹脂(A)の粘度平均分子量(Mv)が10,000〜15,000である請求項1または2に記載の光学部品用ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる光学部品。
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