JP2019099651A - 光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物 - Google Patents
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Description
本発明は、以下の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物および成形品に関する。
[2]エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)のエポキシ構造が、脂環式エポキシ構造である上記[1]に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
[3]エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)が、下記一般式(I)で表される化合物である上記[1]または[2]に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
[4]一般式(I)におけるR1〜R4が全てメチル基である上記[3]に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
[5]一般式(I)におけるnが全て2であるである上記[3]または[4]に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
[6]上記[1]〜[5]のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。
[7]成形品が導光板である上記[6]に記載の成形品。
[8]成形品が車外照明用導光部材である上記[6]に記載の成形品。
なお、本明細書において、「〜」とは、特に断りがない場合、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用するポリカーボネート樹脂の種類に制限はなく、ポリカーボネート樹脂は、1種類を用いてもよく、2種類以上を任意の組み合わせ及び任意の比率で併用してもよい。
式中、Xは一般には炭化水素であるが、種々の特性付与のためヘテロ原子、ヘテロ結合の導入されたXを用いてもよい。
1,2−ジヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシベンゼン(即ち、レゾルシノール)、1,4−ジヒドロキシベンゼン等のジヒドロキシベンゼン類;
2,5−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、4,4’−ジヒドロキシビフェニル等のジヒドロキシビフェニル類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−メトキシ−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
1,1−ビス(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3,5−ジメチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、
α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、
1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキシルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)(4−プロペニルフェニル)メタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、
ビス(4−ヒドロキシフェニル)ナフチルメタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−ナフチルエタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)オクタン、
4,4−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、
2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ノナン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ドデカン、
等のビス(ヒドロキシアリール)アルカン類;
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,4−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,5−ジメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−プロピル−5−メチルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−tert−ブチル−シクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3−フェニルシクロヘキサン、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、
等のビス(ヒドロキシアリール)シクロアルカン類;
9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン等のカルド構造含有ビスフェノール類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルフィド等のジヒドロキシジアリールスルフィド類;
4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジメチルジフェニルスルホン等のジヒドロキシジアリールスルホン類;
等が挙げられる。
なお、芳香族ジヒドロキシ化合物は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
エタン−1,2−ジオール、プロパン−1,2−ジオール、プロパン−1,3−ジオール、2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、2−メチル−2−プロピルプロパン−1,3−ジオール、ブタン−1,4−ジオール、ペンタン−1,5−ジオール、ヘキサン−1,6−ジオール、デカン−1,10−ジオール等のアルカンジオール類;
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、任意の方法を採用できる。その例を挙げると、界面重合法、溶融エステル交換法、ピリジン法、環状カーボネート化合物の開環重合法、プレポリマーの固相エステル交換法などを挙げることができる。
以下、これらの方法のうち、特に好適なものについて具体的に説明する。
まず、ポリカーボネート樹脂を界面重合法で製造する場合について説明する。
界面重合法では、反応に不活性な有機溶媒及びアルカリ水溶液の存在下で、通常pHを9以上に保ち、ジヒドロキシ化合物とカーボネート前駆体(好ましくは、ホスゲン)とを反応させた後、重合触媒の存在下で界面重合を行うことによってポリカーボネート樹脂を得る。なお、反応系には、必要に応じて分子量調整剤(末端停止剤)を存在させるようにしてもよく、ジヒドロキシ化合物の酸化防止のために酸化防止剤を存在させるようにしてもよい。
なお、反応温度は通常0〜40℃であり、反応時間は通常は数分(例えば、10分)〜数時間(例えば、6時間)である。
次に、ポリカーボネート樹脂を溶融エステル交換法で製造する場合について説明する。
溶融エステル交換法では、例えば、炭酸ジエステルとジヒドロキシ化合物とのエステル交換反応を行う。
一方、炭酸ジエステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジ−tert−ブチルカーボネート等の炭酸ジアルキル化合物;ジフェニルカーボネート;ジトリルカーボネート等の置換ジフェニルカーボネートなどが挙げられる。中でも、ジフェニルカーボネート及び置換ジフェニルカーボネートが好ましく、特にジフェニルカーボネートがより好ましい。なお、炭酸ジエステルは1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、より積極的な調整方法としては、反応時に別途、末端停止剤を混合する方法が挙げられる。この際の末端停止剤としては、例えば、一価フェノール類、一価カルボン酸類、炭酸ジエステル類などが挙げられる。なお、末端停止剤は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また自動車あるいはオートバイ等の車両用前照灯(ヘッドランプ)あるいはリアランプ等におけるLED等の光源からの光を導光するライトガイドやレンズ等では15,000〜23,000が好ましく、流動性・色相の点からさらに好ましくは17,000〜20,000である。
粘度平均分子量を上記範囲の下限値以上とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の機械的強度をより向上させることができ、粘度平均分子量を上記範囲の上限値以下とすることにより、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の流動性低下を抑制して改善でき、成形加工性を高めて薄肉成形加工を容易に行えるようになる。
なお、粘度平均分子量の異なる2種類以上のポリカーボネート樹脂を混合して用いてもよく、この場合には、粘度平均分子量が上記の好適な範囲外であるポリカーボネート樹脂を混合してもよい。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
本発明の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物は、数平均分子量が500〜5000であるポリアルキレングリコール化合物(B)を含有する。
上記一般式(1)で表される分岐型ポリアルキレングリコールは、一種のRからなる単独重合体でも、また異なるRからなる共重合体であってもよい。
上記一般式(2)で表される直鎖型ポリアルキレングリコールは、一種のpからなる単独重合体でも、また異なるpからなる共重合体であってもよい。
一般式(3)で表される直鎖アルキレンエーテル単位としては、一種のpからなる単独の単位でも、また異なるpからなる複数の単位が混合していてもよい。
なお、モル分率は、1H−NMR測定装置を用い、重水素化クロロホルムを溶媒として測定される。
脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、炭素数1〜23の1価又は2価の脂肪酸、例えば、1価の飽和脂肪酸、具体的には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、ヘプタデシル酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキジン酸、ベヘン酸や、1価の不飽和脂肪酸、具体的には、オレイン酸、エライジン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などの不飽和脂肪酸、また炭素数10以上の二価の脂肪酸、具体的には、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸、テトラデカン二酸、タプシア酸及びデセン二酸、ウンデセン二酸、ドデセン二酸が挙げられる。
これらの脂肪酸は1種又は2種以上組み合せて使用できる。前記脂肪酸には、1つ又は複数のヒドロキシル基を分子内に有する脂肪酸も含まれる。
なお、ここでいうポリアルキレングリコール化合物(B)の数平均分子量は、JIS K1577に準拠して測定した水酸基価に基づいて算出される数平均分子量Mnである。
本発明の樹脂組成物はエポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)を含有する。エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)をポリアルキレングリコール化合物(B)と併せて含有することで耐熱変色性をより向上させることができ、成形時のガス発生が極めて少ない。
エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)1分子中のエポキシ構造(エポキシ基)の数は、2〜4個が好ましく、特に4個であることが特に好ましい。エポキシ構造(エポキシ基)の数は、2〜4個の混合物であることも好ましく、特に好ましい4個の場合でも、エポキシ構造(エポキシ基)の数が2または3個のものを含んでいることも好ましい。
エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)のエポキシ当量(JIS K7236に準拠)は、特に限定されないが、180〜400が好ましく、より好ましくは180〜400、さらに好ましくは180〜350である。
また、一般式(I)中のnは、同一でも異なってもよく、1〜4の整数であるが、好ましくは1〜3であり、より好ましくは2であり、全てのnが2であることが特に好ましい。
一般式(I)の化合物の具体例としては、R1〜R4の全てがメチル基で全てのnが2である2,4,6,8−テトラメチル‐2,4,6,8−テトラキス[β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチル]シクロテトラシロキサン等が特に好ましい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、リン系安定剤を含有することが好ましい。リン系安定剤を含有することで、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の色相がより良好なものとなり、さらに耐熱変色性がより向上する。
リン系安定剤としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第2B族金属のリン酸塩;ホスフェート化合物、ホスファイト化合物、ホスホナイト化合物などが挙げられるが、ホスファイト化合物が特に好ましい。ホスファイト化合物を選択することで、より高い耐変色性と連続生産性を有するポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
このようなホスファイト化合物としては、例えば、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、ジステアリルペンタエリスリトールジホスファイト、ビス(2,4−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールホスファイト、ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト、テトラキス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)−4,4’−ビフェニレン−ジホスファイト、6−[3−(3−tert−ブチル−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロポキシ]−2,4,8,10−テトラ−tert−ブチルジベンゾ[d,f][1,3,2]−ジオキサホスフェピン等が挙げられる。
なお、リン系安定剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、上記した以外のその他の添加剤、例えば、酸化防止剤、離型剤、紫外線吸収剤、蛍光増白剤、顔料、染料、ポリカーボネート樹脂以外の他のポリマー、難燃剤、耐衝撃改良剤、帯電防止剤、可塑剤、相溶化剤などの添加剤を含有することができる。これらの添加剤は一種または二種以上を配合してもよい。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、ポリカーボネート樹脂(A)、ポリアルキレングリコール化合物(B)及びエポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)、並びに、必要に応じて配合されるその他の成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
本発明の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物は、上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して光学部材を製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、成形して光学部材にすることもできる。
特に液晶バックライト用導光板等の薄肉の成形品の場合には、射出成形の際の樹脂温度は、一般にポリカーボネート樹脂の射出成形に適用される温度である260〜300℃よりも高い樹脂温度にて成形することが好ましく、305〜380℃の樹脂温度が好ましい。樹脂温度は310℃以上であるのがより好ましく、315℃以上がさらに好ましく、320℃以上が特に好ましく、370℃以下がより好ましい。従来のポリカーボネート樹脂組成物を用いた場合には、薄肉成形品を成形するために成形時の樹脂温度を高めると、成形品の黄変が生じやすくなるという問題もあったが、本発明の樹脂組成物を使用することで、上記の温度範囲であっても、良好な色相を有する成形品、特に薄肉の光学部材を製造することが可能となる。
なお、樹脂温度とは、直接測定することが困難な場合はバレル設定温度として把握される。
導光板は、液晶バックライトユニットや各種の表示装置、照明装置の中で、LED等の光源の光を導光するためのものであり、側面または裏面等から入れた光を、通常表面に設けられた凹凸により拡散させ、均一の光を出す。その形状は、通常平板状であり、表面には凹凸を有していても有していなくてもよい。
導光板の成形は、通常、好ましくは射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法などにより行われる。
以下の実施例及び比較例で使用した原料は次の通りである。
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分を、以下の表2に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、スクリュー径40mmのベント付単軸押出機(田辺プラスチック機械社製「VS−40」)により、シリンダー温度240℃で溶融混練し、ストランドカットによりペレットを得た。
得られたペレットを120℃で5〜7時間、熱風循環式乾燥機により乾燥した後、射出成形機(東芝機械社製「EC100SX−2A」)により、樹脂温度340℃、金型温度80℃で長光路成形品(300mm×7mm×4mm)を成形した。
この長光路成形品について、300mmの光路長でYI(黄変度)の測定を行った。測定には長光路分光透過色計(日本電色工業社製「ASA 1」、C光源、2°視野)を使用した。
さらに、この長光路成形品を、95℃で500時間加熱処理した後、上記と同様の評価を行った。
射出成形における汚染性評価(金型汚れ)
上記で得られたペレットを、120℃で5時間乾燥させた後、射出成形機(住友重機械工業社製「MINIMAT M8/7A」)を用い、図1に示すようなしずく型金型を用いて、シリンダー温度340℃、成形サイクル10秒、金型温度40℃の条件にて、150ショット射出成形し、終了後の金型固定側の金属鏡面に発生する白い付着物による汚れの状態を、比較例2と比較した下記の基準で、目視にて評価判定した。
◎:金型付着物は、比較例2の150ショット成形後の状態より極めて少なく、耐金型汚染性は極めて良好である。
○:金型付着物は、比較例2の150ショット成形後の状態より少なく、耐金型汚染性は良好である。
△:金型付着物は、比較例2の150ショット成形後の状態と同等の金型汚染性である。
×:金型付着物は、比較例2の150ショット成形後の状態よりも金型汚染性が劣る。
以上の評価結果を、以下の表2に示す。
Claims (8)
- ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、数平均分子量が500〜5000のポリアルキレングリコール化合物(B)を0.1〜2質量部、エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)を0.001〜0.15質量部を含有することを特徴とする光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
- エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)のエポキシ構造が、脂環式エポキシ構造である請求項1に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
- エポキシ構造を有する環状シリコーン化合物(C)が、下記一般式(I)で表される化合物である請求項1または2に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
- 一般式(I)におけるR1〜R4が全てメチル基である請求項3に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
- 一般式(I)におけるnが全て2であるである請求項3または4に記載の光学部材用ポリカーボネート樹脂組成物。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のポリカーボネート樹脂組成物からなる成形品。
- 成形品が導光板である請求項6に記載の成形品。
- 成形品が車外照明用導光部材である請求項6に記載の成形品。
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