JP6589924B2 - 機能性積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は機能性積層体およびその製造方法に関する。
近年、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械において、エンジンが発する音を吸音する試みが多くなされている。
特に、自動車の分野においては、搭乗者の乗り心地の観点から、エンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材を吸音材でカバーすることにより、エンジン音を吸音する試みがなされている。カバー材としては、例えば、ウレタン発泡体、繊維不織布が単独で使用されている。
一方、ヘッドレスト、シート座部、シートバックおよびアームレスト等の一体発泡製品として、布帛の内面に直接適用されたラテックスフォーム薄層と、その内表面に直接注入され発泡硬化した本体フォームとからなる一体発泡製品が報告されている(特許文献1)。このような一体発泡製品において、ラテックスフォーム薄層は、布帛に近い領域で布帛内面の繊維を抱き込むように機械的に結合して結合領域を形成し、外側に、本体フォーム原液の侵入を実質的に阻止する通気性スキンを形成している。
また、イスおよびクッション等の発泡成形体として、発泡成形体本体の外面にシート材が一体化された発泡成形体が報告されている(特許文献2)。このような発泡成形体において、シート材は、延伸多孔質フィルムと不織布との積層体で構成され、気体を透過させる一方、液体は透過させない性質を有している。
国際公開第93/03904号 特開2011−148204号公報
本発明の発明者は、上記の発泡製品または発泡成形体に関する技術を、例えばパワートレイン部材のカバー材に適用したところ、吸音性が十分に得られないという新たな課題を見い出した。
そこで本発明の発明者は、成形型内において、例えばガラス繊維不織布の存在下で発泡成形を行っても、やはり吸音性が十分に得られないことを見い出した。
本発明は、吸音性により優れている機能性積層体を提供することを目的とする。
本発明はまた、吸音性だけでなく、断熱性にもより優れている機能性積層体を提供することを目的とする。
本発明は、
多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
前記多孔質表面層が、少なくとも樹脂発泡層側で、前記樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂に対する非親和性を有している、機能性積層体に関する。
本発明の機能性積層体は吸音性により優れている。
本発明の機能性積層体はまた、断熱性にもより優れている。
本発明の機能性積層体はまた、制振性にもより優れている。
本発明の機能性積層体の模式的断面図を示す。 本発明の機能性積層体の製造方法における発泡成形工程の発泡準備段階を説明するための成形型およびその内部の模式的断面図を示す。 本発明の機能性積層体の製造方法における発泡成形工程の発泡段階を説明するための成形型およびその内部の模式的断面図を示す。
[機能性積層体]
本発明の機能性積層体は少なくとも吸音性を備えた積層体に関するものであり、機能性は、吸音性、断熱性および制振性等のうちの少なくとも1つの性能を包含する。
本発明の機能性積層体10は、図1に示すように、多孔質表面層1および樹脂発泡層2が積層されており、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は相互に結合し一体化されている。本発明においては、多孔質表面層1は後述するように、少なくとも樹脂発泡層2側で、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂(液体原料)に対する非親和性を有するので、当該非親和性に起因して、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂(液体原料)の発泡前において多孔質表面層への当該発泡性樹脂の移動(滲入)を阻害する。詳しくは、多孔質表面層1は当該非親和性に起因して、発泡前において当該発泡性樹脂を直接的に堰き止める傾向にあり、結果として発泡前において発泡性樹脂は多孔質表面層1内に滲入し難い。このため、発泡が始まると、主として多孔質表面層1の外部にあった発泡性樹脂は多孔質表面層1に滲入しながら発泡する。発泡性樹脂が多孔質表面層1内に滲入していたとしても、未だ深くは滲入していないので、当該発泡性樹脂は多孔質表面層1にさらに滲入しながら発泡する。これらの結果、発泡性樹脂の多孔質表面層1への含浸量が適度に低減され、また発泡性樹脂が十分に発泡するようになるため、吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)が十分に向上するものと考えられる。多孔質表面層1が少なくとも樹脂発泡層側で非親和性を有さない場合には、発泡前において発泡性樹脂の多孔質表面層1への滲入および移動が過度に起こり、発泡時において発泡性樹脂が過剰量で多孔質表面層に移動(含浸)している。このため、発泡性樹脂は多孔質表面層内で十分に発泡しない。その結果、吸音性、断熱性および制振性が低下するものと考えられる。図1は本発明の機能性積層体の模式的断面図を示す。
樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂は樹脂発泡層2の原料として使用される発泡性樹脂のこと(液体原料)である。例えば樹脂発泡層2がポリウレタン発泡層の場合、発泡性樹脂はポリオール化合物およびイソシアネート化合物の混合物である。発泡性樹脂には発泡剤および整泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
(多孔質表面層)
多孔質表面層1は、多孔性を有するものである限り、その形態は、特に限定されず、例えば、繊維不織布であってもよいし、またはポリマー発泡体であってもよい。多孔性とは、微細な多数の空隙(または細孔)を有する特性のことである。多孔質表面層1が多孔性を有するため、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との一体化が達成される。本発明において多孔質表面層1は樹脂発泡層2と直接的に接している。
多孔質表面層1は、少なくとも樹脂発泡層側で、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂に対する非親和性(以下、単に「非親和性」ということがある)を有している。非親和性は後述の非親和処理によって付与され得る。従って、非親和処理として後述のフッ素樹脂コート処理を行う場合、多孔質表面層1は、少なくとも樹脂発泡層側に、フッ素樹脂を含む。多孔質表面層1が当該非親和性を有しているとは、多孔質表面層1を構成する材料の表面は発泡性樹脂に対してなじみ難いまたは濡れ難いという意味である。多孔質表面層1が少なくとも樹脂発泡層側で当該非親和性を有しているとは、多孔質表面層1における少なくとも樹脂発泡層側表面が当該非親和性を有しているという意味であり、好ましくは将来的に少なくとも後述の混層部が形成される深さ(厚み)までの領域が当該非親和性を有している。本発明においてより好ましくは、多孔質表面層1は全体で非親和性を有している。詳しくは、多孔質表面層1は、非親和性を有する部分(少なくとも樹脂発泡層側)において、発泡性樹脂に対する接触角θs(以下、単に「接触角θs」ということがある)として、通常は、15°以上、特に15〜90°を示し、多孔質表面層1での発泡性樹脂移動の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは20〜90°、より好ましくは20〜50°、さらに好ましくは20〜40°を示す。多孔質表面層1はこのような非親和性を有するため、多孔質表面層1は発泡性樹脂の移動を阻害し易くなる。例えば、多孔質表面層1の非親和性が高いほど、多孔質表面層1の接触角θsは大きい。また例えば、多孔質表面層1の非親和性が低いほど、多孔質表面層1の接触角θsは小さい。
多孔質表面層1の発泡性樹脂に対する接触角θsとは、多孔質表面層1を構成する材料と同等組成の表面を有する平面上での発泡性樹脂の接触角のことである。
多孔質表面層の発泡性樹脂に対する接触角(θs)は以下の方法で測定された値で表される。エルマ光学社製接触角測定装置G−1.2MGを使用し、PGM(プロピレングリコールモノメチルエーテル)を試験片に滴下し、30秒後の接触角を測定する。試験片は、多孔質表面層を構成する材料と同等組成の表面を有する平板を用いる。
多孔質表面層1を構成する材料は、上記のような多孔性を有し、かつ非親和性を有するものである限り特に限定されず、例えば、繊維不織布であってもよいし、またはポリマー発泡体であってもよい。以下、あらゆる処理なしに本来的に非親和性を有する繊維不織布およびポリマー発泡体ならびに本来的に非親和性を有していない繊維不織布およびポリマー発泡体の具体例を例示する。本来的に非親和性を有していない繊維不織布およびポリマー発泡体を用いる場合は、非親和性を付与するための後述の非親和処理を当該多孔質表面層に対して行い、非親和性が付与されたものを多孔質表面層として用いればよい。なお、以下で具体例と共に示すθは所定の材料があらゆる処理なしで本来的に示す接触角であって、上記した方法により測定された発泡性樹脂に対する接触角のことである。
多孔質表面層として本来的に非親和性を有する繊維不織布の具体例として、例えば、ポリプロピレン(PP)繊維(θ=20°)等のポリオレフィン繊維、PTFE等のフッ素含有樹脂繊維、シリコーン含有樹脂繊維からなる群から選択される1種以上の有機繊維の不織布が挙げられる。また、後述の本来的に非親和性を有していない有機繊維や無機繊維との混合繊維の不織布であってもよい。
多孔質表面層として本来的に非親和性を有していないが、非親和処理して用いることができる繊維不織布の具体例として、ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維(θ=4°)等のポリエステル繊維;アラミド繊維等のポリアミド繊維;ポリビニルアルコール繊維;セルロース繊維からなる群から選択される1種以上の有機繊維の不織布が挙げられる。そのような多孔質表面層の繊維不織布はまた、ガラス繊維(θ=12°)、シリカ繊維(θ=15°)、ロックウール、アルミニウム繊維、アルミナ繊維(θ=4°)からなる群から選択される1種以上の無機繊維の不織布であってもよい。有機繊維と無機繊維との混合繊維の不織布であってもよい。
多孔質表面層として本来的に非親和性を有するポリマー発泡体の具体例として、例えば、ポリプロピレン発泡層(θ=20°)等のポリオレフィン発泡層;フッ素含有樹脂発泡層(θ=30°);シリコーン樹脂発泡層(θ=30°)からなる群から選択されるポリマー発泡層が挙げられる。ポリマー発泡体は連続気泡構造を有するものが使用される。
多孔質表面層として本来的に非親和性を有していないが、非親和処理して用いることができるポリマー発泡体の具体例として、例えば、ポリウレタン発泡層;PET発泡層(θ=4°)等のポリエステル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層が挙げられる。
多孔質表面層は、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、繊維不織布であることが好ましく、より好ましくは無機繊維または有機繊維の不織布、さらに好ましくはPET繊維またはガラス繊維の不織布、最も好ましくはガラス繊維の不織布である。ガラス繊維の不織布はグラスウールであってもよい。PET繊維の不織布はPETウールであってもよい。
多孔質表面層の平均空隙率Rs(%)は、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、樹脂発泡層の平均空隙率Rf(%)とともに、以下の関係式(x1)を満たすことが好ましく、以下の関係式(x2)を満たすことがより好ましく、以下の関係式(x3)を満たすことがさらに好ましく、以下の関係式(x4)を満たすことがさらに好ましい。
1.01≦Rs/Rf≦1.70 (x1)
1.05≦Rs/Rf≦1.50 (x2)
1.05≦Rs/Rf≦1.30 (x3)
1.10≦Rs/Rf≦1.15 (x4)
多孔質表面層の平均空隙率Rsは通常、80〜99.5%であり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは90〜99.5%、より好ましくは92〜99.5%、さらに好ましくは92〜98.5%である。
多孔質表面層の平均空隙率は、多孔質表面層が繊維不織布である場合、繊維間に形成される空隙の体積割合、すなわち繊維間の空隙の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出す。この繊維不織布における空隙の体積割合を算出し、この値を、当該繊維不織布において厚みが機能性積層体における後述の多孔質表面層の厚みであるときの空隙の体積割合に換算する。空隙の体積割合は、当該繊維不織布の体積、重量、繊維の比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該繊維不織布の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該繊維不織布の空隙体積より算出できる。
多孔質表面層の平均空隙率は、多孔質表面層がポリマー発泡体である場合、多孔質表面層としてのポリマー発泡体が本来的に有するポリマー中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該ポリマー発泡体を切り出し、当該試料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求めることより算出できる。
多孔質表面層の平均空隙率は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される当該多孔質表面層材料の体積、重量、当該多孔質表面層材料の繊維またはポリマーの比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該多孔質表面層材料の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該多孔質表面層材料の空隙体積より算出できる。また、当該多孔質表面層材料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求めることより算出できる。
多孔質表面層の厚みは通常、1〜50mmであり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは2〜30mmである。
多孔質表面層の厚みは、多孔質表面層が繊維不織布である場合であっても、またはポリマー発泡体である場合であっても、後述の混層部を含む厚みであって、多孔質表面層1における外表面12から、樹脂発泡層2との界面13までの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。
多孔質表面層の厚みは、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される当該多孔質表面層材料の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。また、膜厚計、変位計、ノギス等の計器で当該多孔質表面層材料の厚みを測定し、平均値を求める。
多孔質表面層が特に繊維不織布である場合、当該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径および平均繊維長は、多孔質表面層での発泡性樹脂の移動(滲入)が阻害される限り特に限定されない。平均繊維径は通常、0.005〜50μmであり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは0.1〜20μmμmであり、より好ましくは1〜5μmである。平均繊維長は通常、2mm以上であり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは20mm以上である。
多孔質表面層の繊維不織布における繊維の平均繊維径は以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該試料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100本の繊維の直径を測定し、平均値を求める。
多孔質表面層の繊維不織布における繊維の平均繊維長は以下の方法で測定された平均値で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該不織布より、任意の100本の繊維の長さを測定し、平均値を求める。また、CT等の手法で当該不織布内部を3次元画像化し、任意の100本の繊維の長さを測定して平均値を求める。
繊維不織布の繊維の平均繊維径および平均繊維長は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の繊維の平均繊維径は、当該不織布の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100本の繊維の直径を測定し、平均値を求める。製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の繊維の平均繊維長は、任意の100本の繊維の長さを測定し、平均値を求める。また、CT等の手法で当該繊維不織布内部を3次元画像化し、任意の100本の繊維の長さを測定して平均値を求める。
多孔質表面層が特に繊維不織布である場合、当該繊維不織布の目付は、多孔質表面層での発泡性樹脂の移動(滲入)が阻害される限り特に限定されず、通常は50〜6000g/mであり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは100〜3000g/mである。
多孔質表面層の繊維不織布における目付は以下の方法で測定された値で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該不織布の面積、重量より目付を算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。
繊維不織布の目付は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の面積、重量より目付を算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。
(樹脂発泡層)
樹脂発泡層2はポリマーの発泡層である。樹脂発泡層を構成するポリマーは、プラスチックの分野で発泡体を構成し得るポリマーとして知られているあらゆるポリマーであってもよい。樹脂発泡層の具体例として、例えば、ポリウレタン発泡層;ポリエチレン発泡層、ポリプロピレン発泡層等のポリオレフィン発泡層;PET発泡層等のポリエステル発泡層;シリコーン発泡層;ポリ塩化ビニル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層が挙げられる。
樹脂発泡層は、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、ポリウレタン発泡層であることが好ましい。
樹脂発泡層の平均空隙径Dfは特に限定されず、吸音対象の音の周波数に応じて、例えば、0.04〜800μm、特に10〜600μmの範囲内であってもよい。樹脂発泡層の平均空隙径Dfが上記範囲内で大きいほど、吸音される音の周波数は大きくなる。一方、樹脂発泡層の平均空隙径Dfが上記範囲内で小さいほど、吸音される音の周波数は小さくなる。
例えば、樹脂発泡層の平均空隙径Dfが50〜500μm、特に100〜300μmのとき、周波数1000〜4000Hzの音が有効に吸音される。このような吸音は、機能性積層体を自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途で使用する場合に好適である。
樹脂発泡層の平均空隙径Dfは、ポリマー中の気泡の直径のことであり、以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体から、樹脂発泡層を切り出し、当該試料の平行断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100個の気泡の直径を測定し、平均値を求める。
樹脂発泡層の平均空隙率Rfは通常、60〜98%であり、多孔質表面層での発泡性樹脂移動(滲入)の阻害のし易さおよび機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは80〜95%である。
樹脂発泡層の平均空隙率は、ポリマー中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、樹脂発泡層を切り出し、当該樹脂発泡材の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求める。また、当該樹脂発泡材の体積、重量、ポリマーの比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該樹脂発泡材の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該樹脂発泡材の空隙体積より算出できる。
樹脂発泡層の厚みは通常、1〜100mmであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは2〜30mmである。
樹脂発泡層の厚みは、多孔質表面層1の外表面12に対して略垂直方向の厚みであって、樹脂発泡層2における多孔質中間層3との界面22までの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。
(混層部)
本発明の機能性積層体10は、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との間に、混層部11を備えている。詳しくは、多孔質表面層1が樹脂発泡層2側に、混層部11を備えている。より詳しくは、多孔質表面層1における樹脂発泡層2側の一部が混層部11に変換されており、換言すると、多孔質表面層1内における樹脂発泡層2側の一部において混層部11が生成している。混層部により、機能性積層体の剛性が向上する。
混層部は、樹脂発泡層と多孔質表面層との間に形成される、樹脂発泡層と多孔質表面層との複合層である。混層部は、詳しくは、樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂が多孔質表面層に滲入し、発泡および硬化して形成された層であり、換言すると、多孔質表面層の構成材料と樹脂発泡層の構成材料とが共存する層のことである。混層部においては、発泡性樹脂の滲入前の多孔質表面層の空隙内において、発泡性樹脂による気泡が形成されている。
混層部の平均空隙径Dxは特に限定されず、吸音対象の音の周波数に応じて、例えば、0.04〜800μm、特に10〜500μmの範囲内であってもよい。混層部の平均空隙径Dxが上記範囲内で大きいほど、吸音される音の周波数は大きくなる。一方、混層部の平均空隙径Dxが上記範囲内で小さいほど、吸音される音の周波数は小さくなる。
例えば、混層部の平均空隙径Dxが50〜250μm、特に60〜200μmのとき、周波数1000〜4000Hzの音が有効に吸音される。このような吸音は、機能性積層体を自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途で使用する場合に好適である。
混層部の平均空隙径Dxは、発泡性樹脂の滲入前における多孔質表面層の空隙内において形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の直径のことであり、以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体における混層部の平行断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100個の気泡の直径(最長径)を測定し、平均値を求める。任意の100個の気泡は、発泡性樹脂の発泡により形成された任意の100個の気泡のことであり、当該気泡と、多孔質表面層としてのポリマー発泡体が本来的に有する気泡とは、気泡周囲の明度等の差異により、容易に区別することができる。また、機能性積層体から、混層部を切り出し、この混層部における空隙の直径の分布を、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定し、平均直径を算出できる。
混層部の平均空隙率Rxは通常、30〜95%であり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは50〜90%である。
混層部の平均空隙率は、発泡性樹脂の滲入前における多孔質表面層の空隙内において形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体における混層部の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求める。気泡の面積は、多孔質表面層の空隙内において発泡性樹脂の発泡により形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の面積であり、多孔質表面層がポリマー発泡体の場合、当該気泡と、当該ポリマー発泡体が本来的に有する気泡とは、気泡周囲の明度等の差異により、容易に区別することができる。また、別の測定方法として、機能性積層体から、混層部を切り出し、当該混層部の体積、重量、ポリマーの比重等の物性より算出できる。また、当該混層部の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該混層部の空隙体積より算出できる。
混層部の厚みは通常、0.05〜3mmであり、自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途での吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、好ましくは0.1〜2mmであり、より好ましくは0.2〜1.7mmである。
混層部の厚みは、多孔質表面層1の外表面12に対して略垂直方向の厚みのことであって、多孔質表面層1における樹脂発泡層2との界面13から、多孔質表面層1内に発泡性樹脂が含浸されなくなるまでの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体における混層部近傍の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。当該光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、多孔質表面層1内に発泡性樹脂が含浸されていること、および含浸されていないことは、多孔質表面層1の空隙内での発泡性樹脂の存在/不存在により容易に区別できる。
[機能性積層体の製造方法]
本発明の機能性積層体は以下の非親和処理工程および発泡成形工程を含む製造方法により製造することができる。
(非親和処理工程)
本工程においては、多孔質表面層1の少なくとも一方側に対して非親和処理を行う。多孔質表面層1が少なくとも樹脂発泡層側で非親和性を有するように、多孔質表面層1の少なくとも一方側、好ましくは両方側(すなわち全体)に対して非親和処理を行う。
非親和処理は、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂に対する非親和性を、多孔質表面層1に付与するための処理である。非親和処理としては、フッ素樹脂コート処理が挙げられる。フッ素樹脂としては、フッ素原子含有樹脂(例えばフッ素原子含有ポリマー)が使用される。フッ素樹脂コート処理は、このようなフッ素樹脂の溶液または分散液を適用する処理であり、例えば、含浸法、浸漬法、コート法等のあらゆる適用法により達成されてもよい。フッ素樹脂コート処理は通常、適用後において、乾燥処理を含む。乾燥温度は特に限定されず、加熱により達成される温度であってもよいし、または常温(25℃)であってもよい。
多孔質表面層1は前記した材料が使用可能であり、市販品として入手可能である。特に多孔質表面層1が繊維不織布の場合、所定の繊維を熱プレス成形法またはニードルパンチ成形法等の公知の成形法により所望の物性に調整して成形したもの(シート状材料)を使用することができる。多孔質表面層1が少なくとも一方側に非親和性を有さない場合には上記非親和処理したものを用いればよい。
(発泡成形工程)
本工程においては、図2Aに示すように、成形型50内において、発泡成形を行う。成形型50は通常、上型51および下型52からなっている。図2Aは、発泡成形工程の発泡準備段階を説明するための成形型およびその内部の模式的断面図を示す。
発泡成形は、樹脂発泡層2を構成する原料として発泡性樹脂20を用いて、多孔質表面層1の上記一方側、すなわち非親和処理側で行う。発泡成形を多孔質表面層1の非親和処理側で行うとは、多孔質表面層1の非親和処理側で樹脂発泡層2が形成されるように、多孔質表面層1を配置して、発泡成形を行うという意味である。例えば、図2Aに示すように、下型52の成形面520に発泡性樹脂20を注入した後、当該発泡性樹脂20の上に多孔質表面層1を、その非親和処理側が発泡性樹脂20と接触するように、配置させる。(多孔質表面層1を、その非親和処理側が発泡性樹脂20と接触するように、上型51に配置させてもよい。)多孔質表面層1の全体が非親和処理されている場合には、その配置方向は問わない。その後、図2Bに示すように、上型51を閉じ、発泡が開始されると、発泡性樹脂20が膨張し、上型51と下型52との間のキャビティ内を充たし、樹脂発泡層2が形成される。発泡時の温度は樹脂発泡層2原料としての発泡性樹脂の種類に応じて決定され、常温(25℃)であってもよいし、または加熱された温度であってもよい。その後、所望により冷却し、成形体を脱型することにより、多孔質表面層1および樹脂発泡層2が混層部11により一体化された機能性積層体が得られる。図2Bは、発泡成形工程の発泡段階を説明するための成形型およびその内部の模式的断面図を示す。
発泡性樹脂20は樹脂発泡層の原料であり、例えば樹脂発泡層がポリウレタン発泡層の場合、発泡性樹脂20はポリオール化合物およびイソシアネート化合物の混合物が使用される。この場合の発泡時の温度は常温であってもよい。発泡性樹脂20には発泡剤および整泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
発泡条件は、発泡性樹脂20の種類に応じて、適宜決定され、例えば、成形型50を常温保持または加熱してもよいし、かつ/または成形型50内を加圧または減圧してもよい。
[用途]
本発明の機能性積層体10は、吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)に優れているため、吸音材、断熱材かつ/または制振材(特に吸音材)として有用である。
本発明の機能性積層体10が有用な分野として、例えば、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械等の分野が挙げられる。
本発明の機能性積層体10が、例えば、エンジンを備えた機械における吸音断熱材として使用される場合、詳しくは、エンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材のためのカバー部材として使用される。このとき機能性積層体10は、より詳しくは、パワートレイン部材を部分的または全体的に包囲するカバー部材として使用される。機能性積層体10は、樹脂発泡層2側がパワートレイン部材に接触するように配置され使用される。あるいは、多孔質表面層1側が音源および/または熱源に非接触で対向するように、すなわち多孔質表面層1側にエンジンおよびトランスミッションが配置されるように、使用される。
(測定方法)
各層の各種物性は前記した方法により測定した。なお、グラスウールの接触角の測定には当該グラスウールと同等組成のガラス板を用いた。PETウールの接触角の測定には当該PETウールと同等組成のPET板を用いた。フッ素樹脂をコートしたグラスウールである「グラスウール+フッ素樹脂コート」の接触角の測定には、当該グラスウールと同等組成のガラス板に、当該フッ素樹脂コートと同等組成のフッ素樹脂コートを成膜した板を用いた。フッ素樹脂をコートしたPETウールである「PETウール+フッ素樹脂コート」の接触角の測定には、当該PETウールと同等組成のPET板に、当該フッ素樹脂コートと同等組成のフッ素樹脂コートを成膜した板を用いた。接触角の測定に使用した上記板の表面粗さは共通してRaが1.6μm以下であった。
(評価方法)
吸音率(α):
日本音響エンジニアリング社製 垂直入射吸音率測定システム WinZacMTXを使用し、測定周波数範囲 200〜4800Hz(1/3オクターブバンド)にて、内径40mmの音響管を用いた垂直入射吸音率の測定(JIS A 1405−2、ISO 10534−2準拠)を行い、1000〜4000Hzの平均垂直入射吸音率を算出した。測定試料は、各実施例/比較例で得られた機能性積層体から直径40mmの円柱状にくり抜いたものを使用した。測定試料としての機能性積層体は、多孔質表面層1側から音が入射されるように配置した。非親和処理を行わなかったこと以外ことなく、同様の多孔質表面層を用いた比較例における吸音率からの増加幅に基づいて評価した。
◎:3.0%≦増加幅;(最良)
○:1.0%≦増加幅<3.0%;(良)
△:0.5%≦増加幅<1.0%;(実用上問題なし)
×:増加幅<0.5%。
熱伝導率:
NETZSCH社製 定常法熱伝導率測定装置 HFM436/3/1Lambdaを使用し、測定温度30℃にて、機能性積層体の厚み方向の熱伝導率をJIS A1412−2第2部熱流計法に基づいて測定した。
(実施例1〜3)
・非親和処理工程
平均繊維径約7.5μmのグラスウールAを、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう熱プレス成形し、グラスウール成形体の全体にフッ素樹脂コーティング剤(FG5030C;(株)フロロテクノロジー製)を含浸し、常温乾燥させ、多孔質表面層1を得た。
・発泡成形工程
発泡性樹脂20として表1のポリウレタンフォームの原料をミキサーで混合し、図2Aに示すように、下型52の成形面520上に注入し、当該発泡性樹脂20の上に多孔質表面層1を配置させた。その後、25℃および常圧の環境下で、図2Bに示すように、上型51を閉じ、発泡が開始されると、発泡性樹脂20が膨張し、上型51と下型52との間のキャビティ(寸法100mm×100mm×25mm)内を充たし、樹脂発泡層2が形成された。その後、成形体を脱型することにより、多孔質表面層1、樹脂発泡層2および混層部11を有する機能性積層体を得た。
(実施例4)
・非親和処理工程
平均繊維径約3.5μmのグラスウールBを、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう熱プレス成形し、グラスウール成形体の全体にフッ素樹脂コーティング剤(FG5030C;(株)フロロテクノロジー製)を含浸し、常温乾燥させ、多孔質表面層1を得た。
・発泡成形工程
この多孔質表面層1を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(実施例5)
・非親和処理工程
平均繊維長51mmおよび繊度2.2デニール(繊維径16.31μm)のPET繊維を、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう、ニードルパンチにてシート状に成形しPETウールを得た。PETウールの全体にフッ素樹脂コーティング剤(FG5030C;(株)フロロテクノロジー製)を含浸し、常温乾燥させ、多孔質表面層1を得た。
・発泡成形工程
この多孔質表面層1を用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例1)
フッ素樹脂コーティング剤の含浸を行わなかったこと以外、実施例2と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例2)
フッ素樹脂コーティング剤の含浸を行わなかったこと以外、実施例4と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例3)
フッ素樹脂コーティング剤の含浸を行わなかったこと以外、実施例5と同様の方法により、機能性積層体を得た。
Figure 0006589924
グラスウールA:平均繊維径約7.5μmおよび平均繊維長約50mmの硝子繊維(グラスウールAによる多孔質表面層1の目付 実施例1:1920g/m、実施例2:960g/m、実施例3:480g/m、比較例1:960g/m
グラスウールB:平均繊維径約3.5μmおよび平均繊維長約50mmの硝子繊維(グラスウールBによる多孔質表面層1の目付 実施例4:960g/m、比較例2:960g/m
PETウール:平均繊維長51mmおよび繊度2.2デニール(平均繊維径約16μm)のPET繊維(PETウールによる多孔質表面層1の目付 実施例5:540g/m、比較例3:540g/m
フッ素樹脂コート:フッ素樹脂コーティング剤(FG5030C;(株)フロロテクノロジー製)
ポリウレタンフォームAの原料:DKシステム(第一工業製薬(株)製)
本発明の機能性積層体は、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械等の分野における吸音材、断熱材かつ/または制振材として有用である。
1:多孔質表面層
2:樹脂発泡層
10:機能性積層体
11:混層部
12:多孔質表面層の外表面
13:多孔質表面層における樹脂発泡層との界面
20:発泡性樹脂
22:樹脂発泡層における多孔質表面層との界面
50:成形型
51:上型
52:下型
520:下型の成形面

Claims (17)

  1. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層が、少なくとも樹脂発泡層側で、前記樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂に対する非親和性を有している、機能性積層体であって、
    前記多孔質表面層が90〜99.5%の平均空隙率を有し、
    前記多孔質表面層が前記樹脂発泡層側に、前記樹脂発泡層と前記多孔質表面層との混層部を備えており、
    前記混層部が60〜200μmの平均空隙径を有し、
    前記機能性積層体は吸音材として使用される、機能性積層体。
  2. 前記多孔質表面層が、少なくとも樹脂発泡層側で、前記非親和性に起因して、前記多孔質表面層への前記発泡性樹脂の移動を阻害する、請求項1に記載の機能性積層体。
  3. 前記多孔質表面層が、少なくとも樹脂発泡層側で、前記発泡性樹脂に対する接触角θsとして15°以上を示す、請求項1または2に記載の機能性積層体。
  4. 前記多孔質表面層が、少なくとも樹脂発泡層側に、フッ素樹脂を含む、請求項1〜3のいずれかに記載の機能性積層体。
  5. 前記多孔質表面層が、樹脂発泡層側で、樹脂発泡層と直接的に接している、請求項1〜4のいずれかに記載の機能性積層体。
  6. 前記多孔質表面層が1〜50mmの厚みを有する、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  7. 前記多孔質表面層が繊維不織布である、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  8. 前記多孔質表面層が無機繊維および/または有機繊維の不織布である、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  9. 前記多孔質表面層の繊維不織布を構成する繊維が0.005〜50μmの平均繊維径を有する、請求項またはに記載の機能性積層体。
  10. 前記樹脂発泡層が0.04〜800μmの平均空隙径を有する、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  11. 前記樹脂発泡層がポリウレタン発泡層、ポリオレフィン発泡層、ポリエステル発泡層、シリコーン発泡層およびポリ塩化ビニル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層である、請求項1〜10のいずれかに記載の機能性積層体。
  12. 前記混層部が0.2〜1.7mmの厚みを有する、請求項1〜11のいずれかに記載の機能性積層体。
  13. 前記混層部が50〜90%の平均空隙率を有する、請求項12のいずれかに記載の機能性積層体。
  14. 前記機能性積層体は、前記樹脂発泡層側が音源に接触するように配置され使用される、あるいは、前記多孔質表面層側が音源に非接触で対向するように配置され使用される、請求項1〜13のいずれかに記載の機能性積層体。
  15. 前記機能性積層体は、自動車のエンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材のためのカバー部材として、使用される、請求項1〜14のいずれかに記載の機能性積層体。
  16. 請求項1〜15のいずれかに記載の機能性積層体の製造方法であって、
    前記多孔質表面層の少なくとも一方側に対して、前記樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂に対する非親和処理を行う、非親和処理工程;および
    成形型内において、前記樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂の発泡成形を、前記多孔質表面層の前記一方側で行う発泡成形工程を含む、方法。
  17. 前記非親和処理がフッ素樹脂コート処理である、請求項16に記載の機能性積層体の製造方法。
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