JP2006104603A - 発泡成型用補強材とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】
高強度で通気性を確保しつつ、撥水性を有する不織布からなるクッション材に好適な発泡成形体用補強材を提供する。
【解決手段】
長繊維が絡合してなる不織布に撥水加工層を設けてなる補強材であって、該不織布の目付が30〜600g/m2であり、かつ該不織布の少なくとも一面側の撥水度が2点以上であることを特徴とする発泡成型用補強材である。その発泡成型用補強材の通気量は30〜800cc/cm2/secであることが好ましく、クッション材などの補強材に用いられる。
【選択図】 図1
高強度で通気性を確保しつつ、撥水性を有する不織布からなるクッション材に好適な発泡成形体用補強材を提供する。
【解決手段】
長繊維が絡合してなる不織布に撥水加工層を設けてなる補強材であって、該不織布の目付が30〜600g/m2であり、かつ該不織布の少なくとも一面側の撥水度が2点以上であることを特徴とする発泡成型用補強材である。その発泡成型用補強材の通気量は30〜800cc/cm2/secであることが好ましく、クッション材などの補強材に用いられる。
【選択図】 図1
Description
本発明は、通気性と撥水性を同時に有する発泡成型用補強材とその製造方法に関するものである。
従来、椅子やソファーおよびベッドを始めとするクッション材として、発泡成型体が使用されており、特に軟質ポリウレタン発泡体が一般的に使用されている。一般的な軟質ポリウレタン発泡体を用いたクッション材は、スプリングを介したフレームの上に載り、更にそのクッション材は表皮材に覆われているので、着座時は表皮材が人体と接触する。このようなクッション材では、軟質ポリウレタン発泡体を補強する目的で、軟質ポリウレタン発泡体の下部に補強材を接着させてスプリングと接触させている。この補強材は、軟質ポリウレタン発泡体がスプリングを始めとするフレームと接触する際に摩擦され、局部的応力を受けて損傷することを防ぐために用いられるものである。この補強材に要求される特性の一つとして、軟質ポリウレタンの発泡成型時に、補強材が軟質ポリウレタン発泡体と良好に接着することが挙げられる。また、当然、軟質ポリウレタン発泡体からなるクッション材は、表皮材を介してスプリングと接触するため、十分な強度も要求される。
また近年、クッション材の補強材がある程度の柔らかさを有することで、掛け心地への悪影響が少ないことや、補強材とスプリングとの接触時に発生する音が少なくすることも要求されている。また従来、寒冷紗(織物)をスラブウレタンと発泡ポリウレタンの間に入れ、加熱加圧で接着させたクッション材が用いられていたが、このクッション材では、強度不足や工程の煩雑さが問題となっていた。
そこで、これらの要求特性を満足させるべく、数多くの提案がなされている。その一つに、ポリウレタンの含浸層と透過防止層とを積層させた積層体が提案されている(特許文献1参照)。この提案は、発泡し膨張してくるポリウレタンが補強材の内部へ入り込み、ポリウレタン内に補強材が包埋されることで補強材とポリウレタン発泡体との接着性を確保する方法である。加えてそのポリウレタンの含浸層に緻密な不織布からなる透過防止層を積層させることにより、ポリウレタンの透過を防止させる仕組みである。しかしながら、この提案では、緻密な不織布からなる透過防止層を積層させるための工程が付加され、作業が依然として繁雑であるという問題もある。
また別の提案として、2層以上の不織布にして片面に高目付不織布を形成させること、若しくは単層不織布の片面に片面エンボス加工などで圧着部を形成させることにより、発泡体の通過を防止させる提案がなされている(特許文献2参照)。
この提案では、単層不織布も含まれており、単層不織布を用いる場合は製造工程が少なくなるが、片面が圧着されているため、不織布層の風合いが硬くなるため掛け心地が硬く悪化し、しかもスプリングとの接触音が大きいという問題が残る。
また別に、表皮材ではあるが、撥水剤でポリウレタンの透過を防止する発明も提案されている(特許文献3参照)。この提案では、表皮材に撥水剤が含浸されているが、その目的は、あくまでも表皮材からの発泡体透過を防止することであり、ポリウレタンとの接着性や、スプリングとの接触音防止性は考慮されておらず、発泡成型用補強材用途は対象とされていない。
同様に表皮材において、撥油剤でポリウレタンの透過を防止する発明も提案されている(特許文献4参照)。この提案では、表皮材に撥油剤を含浸させているが、この提案もあくまでも表皮材からの発泡体透過を防止することが目的であり、ポリウレタンとの接着性や、スプリングとの接触音防止性は考慮されておらず、発泡成型用の補強材用途は対象とされていない。
また、発泡成型用補強材としては、捲縮長繊維で構成され、かつ部分熱圧着された不織布が提案されている(特許文献5参照)。しかしながら、この提案の不織布は、部分熱圧着でポリウレタン透過防止性を得ているが、なお強度やポリウレタンの透過防止性に課題が残る。またこの不織布では、合成樹脂の接合でポリウレタンの通過防止性と接着性を得る場合、不織布の伸長性や異音防止性が確保しにくく、また撥水性については配慮されていない。
特許2990207号公報
特許2611422号公報
特開平05−254070号公報
特開2004−27466号公報
特開2000−62061号公報
そこで本発明の目的は、発泡成型体の良好な成型性を確保しつつ、高強度で柔らかい風合いと十分な接触音防止性を併せ持つ発泡成型用補強材とその製造方法を提供することにある。
前記課題を解決するため、本発明は、次の構成を有するものである。即ち、本発明の発泡成型用補強材は、長繊維が絡合してなる不織布であって、該不織布の目付が30〜600g/m2であり、かつ該不織布の少なくとも一面側の撥水度が2点以上であることを特徴とする発泡成型体用補強材である。
本発明の発泡成型用補強材の好ましい態様の一つは、通気量が30〜800cc/cm2/secであることである。そして、本発明の発泡成型用補強材は、クッション材用途に好適である。
また、本発明の発泡成型用補強材の製造方法は、目付が30〜600g/m2の長繊維からなる不織布にニードルパンチ加工または/およびウォータージェットパンチ加工を施し、次いで該不織布の少なくとも一面に該不織布の表面積の50%以上に撥水加工を施すことを特徴とする発泡成型用補強材の製造方法である。
また、本発明の発泡成型用補強材の製造方法の好ましい態様の一つは、前記のウォータージェットパンチ加工後にニードルパンチ加工を施すことである。
本発明によれば、良好な通気性を確保しつつ、十分な撥水性を併せ持つ発泡成型用補強材を得ることができる。この発泡成型用補強材は、長繊維が絡合した不織布からなり、発泡成形体との接着性に優れているため、発泡成型体のための良好な成形性を確保しつつ、高強度で柔らかい風合いと十分な接触音防止性を併せ持つクッション材に供することができる。
また、これらの特性により、発泡成型用の補強材として良好な発泡成型加工性を有しつつ、補強材として十分な性能を付与することができる。
図1は、本発明の発泡成型用補強材を例示説明するための概略断面図である。図1において、本発明の発泡成型用補強材は、単層長繊維からなる不織布1と撥水加工層2の積層構造を有している。
本発明における長繊維からなる不織布は、スパンボンド法やメルトブローン法等、その製布方法は特に限定されないが、生産性や強度を考慮すると、スパンボンド法が好ましい。
これら長繊維からなる不織布の原料は、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の熱可塑性合成繊維をはじめ、再生繊維など長繊維からなる不織布として生産可能なものであれば特に限定されないが、強度、生産性、汎用性および撥水加工性等を考慮すると、ポリエチレンテレフタレートなどのポリエステルからなる合成繊維が好ましく用いられる。
また、合成繊維は異なる原料を複合させて使用しても構わない。この場合複合型繊維として、芯鞘型、海島型および分割割繊型など様々な型式が考えられる。
本発明で用いられる長繊維が絡合してなる不織布の目付は、30〜600g/m2であれば良いが、生産設備を考慮すると30〜300g/m2であることが好ましく、更に好ましくは30〜200g/m2である。目付は、小さい方が生産コストが少なく、含浸させて接着させるクッション材、即ち発泡成型体への伸長特性などへの影響も少ないが、発泡成型時に発泡成型体が透過しやすくなる。また、目付が大きすぎると、生産コストの増加のみならず、クッション材への伸長特性などの影響が大きくなる。
このような範囲の長繊維からなる不織布の目付は、長繊維の吐出量を一定にしたまま、製布速度を調整することにより得ることができる。
不織布を構成する長繊維の単繊維繊度は、0.1〜10デシテックスの範囲内が好ましい。目付が30〜600g/m2の範囲内において、単繊維繊度が小さいほど通気量が少なくなる傾向にあるが、長繊維を絡合させるニードルパンチ加工やウォータージェットパンチ加工との兼ね合いから、通気量が30〜800cc/cm2/secの範囲内にあることが好ましい。しかしながら一般的に、繊度が小さいほど絡合性も向上するため、繊度は小さい方が好ましいが、単繊維繊度が小さ過ぎると製糸が難しくなるため、生産性を考慮し、単繊維繊度はより好ましくは1〜5デシテックスである。
また、スパンボンド法での製布後、一般的に行われるエンボス加工は、本発明の場合行っても構わない。しかしながら、後述のとおり、製布後にニードルパンチ加工を行うので、ニードルパンチ加工の加工性を考慮すると、エンボス加工は行わない方が好ましい。
本発明で用いられる不織布においては、不織布に長繊維の絡合を目的とした加工を施す。絡合加工を施すことで、長繊維からなる不織布の両表面に、嵩高さと柔らかい風合いを付与することができる。両表面の嵩高さは、不織布の片面で接着する発泡成形体との含浸性と、不織布の反対面でスプリングと接触する際に発生する接触音の防止性を、同時に不織布に付与することができる。また、柔らかい風合いは、クッション材の風合いを硬化させる度合いを少なくできるだけでなく、伸長性も阻害しないため、発泡成型加工性も保つことができる。
また不織布を単層とすることにより、生産工程の簡略化が可能となる。また、生産工程は若干複雑になるが、目付と通気量が前記範囲内となる限りにおいて、積層不織布とすることもできる。
本発明では、長繊維を絡合させるため、製布後の不織布に、撥水加工前にニードルパンチ加工を施すことができる。ニードルパンチ加工は不織布の片面、両面のいずれに行っても構わない。片面のみのニードルパンチ加工でも、ニードルが不織布の反対面へ嵩高さを十分に付与できるからである。また、撥水加工後にニードルパンチ加工を行うと、撥水加工層での十分な撥水性が得られにくいが、ニードルパンチ加工条件と撥水加工条件を調整し、撥水加工層での撥水性が2点以上を満たせば特に限定されない。
また同様に、本発明では、長繊維を絡合させるため、製布後の撥水加工前にウォータージェットパンチ加工を施すことができる。この場合、ウォータージェットパンチ加工とニードルパンチ加工を併用し、両加工法の加工条件を調整して通気量が30〜800cc/cm2/secを満たすようにする。ウォータージェットパンチ加工は、ノズル径や水圧などで加工条件を調整する。また、両加工法の加工順序は特に限定されないが、ポリウレタンの含浸性およびスプリングとの摩擦で発生する接触音の防止性を考慮すると、ウォータージェットパンチ加工後にニードルパンチ加工をする方が、得られる不織布が嵩高くなり望ましい態様である。
ニードルパンチ加工で使用する加工機やニードル種は特に限定されないが、加工機は一般的に使用されるニードルパンチ加工機が好ましく、ニードルは1バーブ若しくは9バーブの組合せが好ましい。また、加工条件は、針密度は好ましくは100〜5000P/cm2であり、更に好ましくは500〜3000P/cm2である。また、低針密度でニードルパンチ加工を行うと、繊維間の絡合が少ないため、通気量が大きくなる場合がある。このような場合は、ウォータージェットパンチ加工との併用で繊維間の絡合を増やすことも可能である。
また、ウォータージェットパンチ加工で使用する加工機は特に限定されない。また、好適な加工条件としては、水圧1〜40MPa、ノズルピッチ0.1〜10mm、ノズル径10〜500μm、および加工速度0.1〜30.0m/分の範囲内であれば問題ない。
本発明で用いられる不織布の厚さは、好ましくは0.4〜12.0mmであり、より好ましくは0.4〜3.0mmである。不織布が厚すぎると、樹脂の滲み出しは少なくなるが発泡成型時の成型加工性に劣り、また、厚さが薄すぎると、樹脂の滲み出しを抑える効果が小さくなる。
撥水性を付与するために行う撥水加工は、発泡成形体、特にポリウレタン発泡成型体の透過性を防止することが目的である。このため撥水加工は、発泡成型体とは接触しない不織布の片面のみに行うことが好ましいが、不織布の両面に撥水加工を施しても構わない。また、生産性の点で、不織布の製布後に撥水剤を塗布させる方法が好ましい。撥水加工は、不織布の加工面の全面に対し、表面積で50%以上の面積に加工
しないと十分な撥水性が得られないが、撥水度が2点以上であれば特に限定されない。
撥水度は大きいほど好ましい。より好ましい撥水度は3以上である。
しないと十分な撥水性が得られないが、撥水度が2点以上であれば特に限定されない。
撥水度は大きいほど好ましい。より好ましい撥水度は3以上である。
全面撥水加工でない場合、撥水面積の分布は、なるべく偏りがない方が望ましい。このような部分撥水加工の状態は、不織布の表面に水を散布し目視で確認することができる。また、不織布への部分撥水加工は、捺染機のローラーで撥水剤を部分的に付与する方法、もしくはスプレーで撥水剤を部分的に付与させる方法で実施することができる。撥水度は、撥水剤の付着量や付着方法で調整することができる。
撥水性を目的に長繊維の原料を変更する場合、フッ素系長繊維が考えられるが、生産コストの観点や発泡体特にポリウレタン発泡体との接着性が要求されるためあまり好ましくはないが、フッ素系長繊維を用いる場合は不織布の片面にポリウレタンとの接着性を改善する加工を施すことができる。
撥水加工には、ローラー捺染機やオートスクリーン捺染機等の捺染機を用いても良く、不織布の両面に撥水加工を行う場合は、液流染色機やパッドスチーム機等を使用しても良い。
使用する撥水剤は、シリコン系、フッ素系およびワックス系等の撥水剤を、要求される撥水性能や撥水加工を施す繊維種によって使い分ければ良く、不織布に撥水性を付与できるもので有れば特に限定されない。また、撥水加工条件は、撥水剤の付着量や乾燥温度と時間、撥水剤の固着温度と時間などがあるが、加工機種や使用する撥水剤の種類で変更すれば良い。撥水性は、発泡成形時にのみ必要であるため、耐久性は必要とされない。このため助剤を使用しない場合も考えられる。
撥水剤と併せて、その他の樹脂と併用しても構わない。この場合、撥油剤や難燃剤などが考えられるが、撥水加工を施された面の撥水性が2点以上を満たせば特に限定されない。また、複数の樹脂を複数の工程で付着させる場合、撥水剤は最後に付着させ、撥水剤が最表面に付着することが望ましい。
不織布は、通気量が高いほど発泡し膨張する発泡成形体の含浸性が高いが、高すぎると発泡成形工程で発泡成形体が空気と一緒に透過してしまい、生産できない。また通気量が少なすぎると、発泡体の透過防止性に優れるものの、発泡体の含浸性が低く、不織布と発泡成形体との接着性が悪くなる。このため、本発明の発泡成形体用補強材の通気量は、30〜800cc/cm2/secが好ましく、更に好ましくは30〜300cc/cm2/secである。しかしながら、ニードルパンチ加工を始めとする絡合加工による嵩高性と、目付が特定範囲内であることが前提である。
以上の加工条件の組合せから、本発明の発泡成形体用補強材の通気量は30〜800cc/cm2/secが好適であり、撥水加工を施された面の撥水性が2点以上を満たすことが重要である。通気量は、不織布の目付、ニードルパンチ加工条件、ウォータージェットパンチ加工、および撥水加工などが影響するため、必要とされる通気量を確保すべく、各加工条件を決定することが重要である。
本発明の発泡成型用補強材は、クッション材、消音材、断熱材および緩衝材などに好適に用いられる。
本発明で使用した評価方法は、下記のとおりである。
<目付>
JIS L 1906「一般長繊維不織布試験方法」、4.2「単位面積当りの質量」に準じて測定した。
JIS L 1906「一般長繊維不織布試験方法」、4.2「単位面積当りの質量」に準じて測定した。
<通気量>
JIS L 1096「一般織物試験方法」、6.27.1A法、フラジール形通気量測定機を用いて測定した。
JIS L 1096「一般織物試験方法」、6.27.1A法、フラジール形通気量測定機を用いて測定した。
<撥水度>
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」、6.2「撥水度試験(スプレー試験)」を用いて測定した。
JIS L 1092「繊維製品の防水性試験方法」、6.2「撥水度試験(スプレー試験)」を用いて測定した。
(実施例1)
スパンボンド法で製布した後、針密度68P/cm2で両面からニードルパンチ加工を施した東レ(株)製ポリエステル長繊維からなる不織布“アクスター”(登録商標)(品番D5200―8T)(単繊維繊度5.6デシテックス、厚さ2.4mm)に対し、ハンドスクリーン捺染機を使用して、片面のみに撥水加工を施した。撥水剤は京絹化成社製“マックスガード”(登録商標)E−470を使用し、40g/Lに希釈した後、不織布に100重量%塗布し、乾熱で130℃の温度で180秒間乾燥した後、170℃の温度で90秒間の乾熱処理で撥水剤を固着させた(100%撥水加工)。
スパンボンド法で製布した後、針密度68P/cm2で両面からニードルパンチ加工を施した東レ(株)製ポリエステル長繊維からなる不織布“アクスター”(登録商標)(品番D5200―8T)(単繊維繊度5.6デシテックス、厚さ2.4mm)に対し、ハンドスクリーン捺染機を使用して、片面のみに撥水加工を施した。撥水剤は京絹化成社製“マックスガード”(登録商標)E−470を使用し、40g/Lに希釈した後、不織布に100重量%塗布し、乾熱で130℃の温度で180秒間乾燥した後、170℃の温度で90秒間の乾熱処理で撥水剤を固着させた(100%撥水加工)。
その結果、表1に示すとおり、通気量を確保しながら良好な撥水性を有する不織布(補強材)が得られた。このようにして得られた補強材を、ポリウレタン発泡体とポリウレタンの発泡工程で接着させたところ、ポリウレタンの透過がなく接着性に優れていた。また、該補強材を接着させたポリウレタン発泡体を車両用シートに使用したところ、掛け心地が良く、発生する接触音が少ないシートが得られた。
(比較例1)
スパンボンド法で製布した後、針密度68P/cm2で両面からニードルパンチ加工を施した東レ(株)製ポリエステル長繊維からなる不織布“アクスター” (登録商標)(品番D5200―8T)(単繊維繊度5.6デシテックス、厚さ2.4mm)をそのまま補強材として使用した。その補強材は表1に示すとおり、通気性は良好ながら、撥水性は不十分であった。また、同補強材をポリウレタン発泡体とポリウレタンの発泡工程で接着させたところ、ポリウレタンの透過が起こり、発泡加工ができなかった。
スパンボンド法で製布した後、針密度68P/cm2で両面からニードルパンチ加工を施した東レ(株)製ポリエステル長繊維からなる不織布“アクスター” (登録商標)(品番D5200―8T)(単繊維繊度5.6デシテックス、厚さ2.4mm)をそのまま補強材として使用した。その補強材は表1に示すとおり、通気性は良好ながら、撥水性は不十分であった。また、同補強材をポリウレタン発泡体とポリウレタンの発泡工程で接着させたところ、ポリウレタンの透過が起こり、発泡加工ができなかった。
本発明は、良好な通気性を確保しつつ、十分な撥水性を併せ持つ不織布からなる補強材を提供することにある。更に詳しくは、この補強材は、発泡成形体用補強材として車両シートなどに用いることができるが、その応用範囲はこれらに限られるものではなく広い用途に適用可能である。
1 : 不織布
2 : 撥水加工層
2 : 撥水加工層
Claims (5)
- 長繊維が絡合してなる不織布であって、該不織布の目付が30〜600g/m2であり、かつ該不織布の少なくとも一面側の撥水度が2点以上であることを特徴とする発泡成型用補強材。
- 通気量が30〜800cc/cm2/secであることを特徴とする請求項1記載の発泡成型用補強材。
- クッション材に用いられる請求項1または2記載の発泡成型用補強材。
- 目付が30〜600g/m2の長繊維からなる不織布にニードルパンチ加工または/およびウォータージェットパンチ加工を施し、次いで該不織布の少なくとも一面に該不織布の表面積の50%以上に撥水加工を施すことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の発泡成型用補強材の製造方法。
- ウォータージェットパンチ加工後にニードルパンチ加工を施すことを特徴とする請求項4記載の発泡成型用補強材の製造方法。
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