JP6558391B2 - 機能性積層体およびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は機能性積層体およびその製造方法に関する。
近年、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械において、エンジンが発する音を吸音する試みが多くなされている。
特に、自動車の分野においては、搭乗者の乗り心地の観点から、エンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材を吸音材でカバーすることにより、エンジン音を吸音する試みがなされている。カバー材としては、例えば、ウレタン発泡体、繊維不織布が単独で使用されている。
一方、ヘッドレスト、シート座部、シートバックおよびアームレスト等の一体発泡製品として、布帛の内面に直接適用されたラテックスフォーム薄層と、その内表面に直接注入され発泡硬化した本体フォームとからなる一体発泡製品が報告されている(特許文献1)。このような一体発泡製品において、ラテックスフォーム薄層は、布帛に近い領域で布帛内面の繊維を抱き込むように機械的に結合して結合領域を形成し、外側に、本体フォーム原液の侵入を実質的に阻止する通気性スキンを形成している。
また、イスおよびクッション等の発泡成形体として、発泡成形体本体の外面にシート材が一体化された発泡成形体が報告されている(特許文献2)。このような発泡成形体において、シート材は、延伸多孔質フィルムと不織布との積層体で構成され、気体を透過させる一方、液体は透過させない性質を有している。
国際公開第93/03904号 特開2011−148204号公報
本発明の発明者は、上記の発泡製品または発泡成形体に関する技術を、例えばパワートレイン部材のカバー材に適用したところ、吸音性が十分に得られないという新たな課題を見い出した。
そこで本発明の発明者は、成形型内において、例えば、単にガラス繊維不織布の存在下で発泡成形を行い、ガラス繊維不織布と発泡層とを、これらの境界の全部(全面)で、ガラス繊維不織布と発泡層との混層部により互いに接着させても、やはり吸音性が十分に得られないことを見い出した。
本発明は、吸音性により優れている機能性積層体を提供することを目的とする。
本発明はまた、吸音性だけでなく、断熱性にもより優れている機能性積層体を提供することを目的とする。
本発明は、
多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体に関する。
本発明の機能性積層体は吸音性により優れている。
本発明の機能性積層体はまた、断熱性にもより優れている。
本発明の機能性積層体はまた、制振性にもより優れている。
上段は本発明の実施態様1に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様1に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様2に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様2に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様3に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様3に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様4に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様4に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様5に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様5に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様6に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様6に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様7に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様7に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様8に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様8に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様9に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。 上段は本発明の実施態様9に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。
[機能性積層体]
本発明の機能性積層体は少なくとも吸音性を備えた積層体に関するものであり、機能性は、吸音性、断熱性および制振性等のうちの少なくとも1つの性能を包含する。
以下、本発明の機能性積層体を、各種実施態様に係る機能性積層体を示す図面を用いて詳しく説明する。本明細書中、図面における各種の要素は、本発明の理解のために模式的かつ例示的に示したにすぎず、外観および寸法比などは実物と異なり得る。本明細書で直接的または間接的に用いる“上下方向”、“左右方向”および“表裏方向”はそれぞれ、図中における上下方向、左右方向および表裏方向に対応した方向に相当する。特記しない限り、同じ符号または記号は、形状が異なること以外、同じ部材または同じ意味内容を示すものとする。
本発明の機能性積層体は、図1A〜図9Aに示すように、多孔質表面層1および樹脂発泡層2が積層されている。本発明において、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は、それらの境界4の一部で、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との混層部11により互いに接着されている。すなわち、多孔質表面層1と樹脂発泡層2とは、それらの境界4の一部のみで混層部11により互いに結合している。多孔質表面層1と樹脂発泡層2とが、それらの境界4の全部(全面)で混層部により接着または結合していると、吸音性、断熱性および制振性、特に吸音性が十分に得られない。図1A〜図9Aは、図1A、図2A、図3A、図4A、図5A、図6A、図7A、図8Aおよび図9Aを包含する。図1A〜図9Aにおいて、上段はそれぞれ本発明の実施態様1〜9に係る機能性積層体の模式的平面図を示し、下段は上段の機能性積層体のP−P断面を矢印方向で見たときの機能性積層体の模式的断面図を示す。
混層部11は、樹脂発泡層2の発泡成形時において、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂が多孔質表面層1に滲入し、発泡および硬化して形成された、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との結合部である。多孔質表面層1は境界4の一部のみに混層部11を有し、当該混層部11により多孔質表面層1と樹脂発泡層2との接着および結合が提供される。図1A〜図9Aにおいて混層部11は実線による斜線領域で示し、特に上段における破線による斜線領域は透視による混層部11を示す。
樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂は樹脂発泡層2の原料として使用される発泡性樹脂のこと(液体原料)である。後で詳述するように、樹脂発泡層2が例えばポリウレタン発泡層の場合、発泡性樹脂はポリオール化合物およびイソシアネート化合物の混合物である。発泡性樹脂には発泡剤および整泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
多孔質表面層1は、樹脂発泡層2との境界4における前記一部(混層部11を有する部分)以外の他の部分12においては、混層部11を有さない。後で詳述する機能性積層体の製造方法において、多孔質表面層1と重ね合わせられる中間フィルム3の存在により、多孔質表面層1への発泡性樹脂の滲入が阻害されるためである。すなわち、多孔質表面層1に中間フィルム3を重ね合わせて中間フィルム側で発泡成形するに際し、多孔質表面層1において中間フィルム3が積層されていない部分では、発泡性樹脂が滲入して混層部11が形成される。他方、中間フィルム3が積層されている部分12では当該中間フィルム3により多孔質表面層1への発泡性樹脂の滲入が阻害されるため、混層部11は形成されない。中間フィルム3は、後で詳述するように、後処理工程で消失するものであり、図1A〜図9Aにおいて、中間フィルム3が積層されていた部分を破線領域30で示す。なお、図1A〜図9Aにおいて、中間フィルム3が積層されていた部分30には、理論上、消失した中間フィルムのスペースが生じるものであるが、多孔質表面層1の重量および中間フィルム3の厚み等より、実質的には当該スペースは生じない。
多孔質表面層1が有する混層部11の位置(配置)は、樹脂発泡層2との境界4における一部において多孔質表面層1と樹脂発泡層2との結合が達成される限り、特に限定されない。例えば、多孔質表面層1が樹脂発泡層2に主として対向する第1主面15、第1主面と反対側の第2主面16、および第1主面または第2主面の少なくとも一方から立設されている側面17を有する場合、混層部11は以下の部分からなる群から選択される境界の一部に位置付けられていることが好ましい。
(部分1)前記第1主面15の一部(好ましくは外周端部);および
(部分2)前記側面17の一部または全部。
多孔質表面層1における境界4での混層部11の具体的な配置は多孔質表面層1および樹脂発泡層2の形状に応じて決定されてよい。
具体的には、例えば、図1Aおよび図2Aに示す実施態様1,2に係る機能性積層体100Aおよび100Bにおいては、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は共に平板形状を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は、第1主面15の一部に位置付けられていることが好ましい。図1Aにおいて混層部11は第1主面15の外周端部に連続的に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、図2Aに示すように第1主面15の外周端部に点在的に位置付けられていてもよいし、第1主面15の中央部に点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の中央部に連続的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は第1主面15の外周端部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図3Aに示す実施態様3に係る機能性積層体100Cにおいては、多孔質表面層1は平板形状を有する。樹脂発泡層2は平板部20および多孔質表面層1をその外周側面17の全部(全面)から包囲する包囲部21を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)および外周側面17の全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに外周側面17の一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図3Aにおいて混層部11は外周側面17の全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、外周側面17の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の外周端部および/または中央部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は外周側面17の全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図4Aに示す実施態様4に係る機能性積層体100Dにおいては、多孔質表面層1は平板形状を有する。樹脂発泡層2は平板部20および多孔質表面層1の外周側面17の一部と接触しながら第2主面16まで延在する延在部22を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)、外周側面17の一部および第2主面16の一部で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに側面16の一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図4Aにおいて混層部11は第1主面15の外周端部、外周側面17の一部および第2主面16の一部に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、外周側面17の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の外周端部および/または中央部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は外周側面17の全部(全面)または一部および第1主面15の外周端部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図5Aに示す実施態様5に係る機能性積層体100Eにおいては、多孔質表面層1は第1主面15から第2主面16に至る貫通孔18を有する平板形状を有する。樹脂発泡層2は平板部20および前記貫通孔18内部に形成された貫通部23を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)および貫通孔18を構成する側面17の全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに貫通孔18の側面17の一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図5Aにおいて混層部11は貫通孔18の側面17の全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、貫通孔18の側面17の一部または全部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の外周端部および/または中央部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は貫通孔18の側面17の全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図6Aに示す実施態様6に係る機能性積層体100Fにおいては、多孔質表面層1は空洞部を有する環形状を有する。樹脂発泡層2は空洞部6aを有する平板部20および多孔質表面層1をその外周側面17aおよび内周側面17bの全部(全面)から包囲する包囲部21を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)および外周側面17aおよび内周側面17bの全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに外周側面17aおよび内周側面17bの一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図6Aにおいて混層部11は外周側面17aおよび内周側面17bの全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、外周側面17aおよび/または内周側面17bの一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は外周側面17aおよび/または内周側面17bの全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図7Aに示す実施態様7に係る機能性積層体100Gは平板形状を有する2つの多孔質表面層1を含む。樹脂発泡層2は空洞部6bを有する平板部20および前記2つの多孔質表面層1を連結する連結部24を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)および内側側面17cの全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに内側側面17cの一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図7Aにおいて混層部11は第1主面15の外側端部および内側側面17cの全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、内側側面17cの一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は第1主面15の外側端部および内側側面17cの全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図8Aに示す実施態様8に係る機能性積層体100Hにおいては、多孔質表面層1は平板部10および当該平板部10から当該多孔質表面層1の厚み方向に延在する延在部19を有する。樹脂発泡層2は平板部20および当該平板部20から当該樹脂発泡層2の厚み方向に延在する延在部25を有する。多孔質表面層1が第1主面15の全部(全面)ならびに平面部10の内側側面17dおよび延在部19の内側側面17eの全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに内側側面17dおよび17eの一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。機能性積層体100Hにおいて多孔質表面層1および樹脂発泡層2はその断面(例えば、図8Aの下段)において互いに相補的な形状を有している。図8Aにおいて混層部11は内側側面17dおよび17eの全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、内側側面17dおよび17eの一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は内側側面17dおよび17eの全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
また例えば、図9Aに示す実施態様9に係る機能性積層体100Jにおいては、多孔質表面層1は空洞部6cを有する環状部10aおよび外周側面17fおよび内周側面17gを備え、樹脂発泡層2を当該外周側面17fおよび内周側面17gの全部(全面)から包囲する包囲部19aを有する。樹脂発泡層2は環形状を有する。多孔質表面層1は第1主面15の全部(全面)ならびに外周側面17fおよび内周側面17gの全部(全面)で樹脂発泡層2と隣接する。この場合、混層部11は第1主面15の一部、ならびに外周側面17fおよび内周側面17gの一部または全部からなる群から選択される境界4の一部に位置付けられていることが好ましい。図9Aにおいて混層部11は外周側面17fおよび内周側面17gの全部(全面)に位置付けられている。しかし、混層部11は、樹脂発泡層2との境界4における一部に位置付けられる限り、外周側面17fおよび/または内周側面17gの一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよいし、または第1主面15の一部に連続的または点在的に位置付けられていてもよい。積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、混層部11は外周側面17fおよび/または内周側面17gの全部(全面)または一部に連続的または点在的に位置付けられることが好ましい。
混層部11は、機能性積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、多孔質表面層1の第1主面15の外周端部および/または側面17の一部または全部に位置付けられていることが好ましい。このような好ましい具体例として、上記の実施態様1〜9に係る機能性積層体100A〜100Jが挙げられる。第1主面15の外周端部とは、当該第1主面15の平面視において、最端から幅dの領域のことであり、当該幅方向の第1主面15の全長をDとしたとき、幅dは0.1×D〜0.25×Dであってもよい。従って、例えば、図1A〜図9Aに示すように、第1主面15が縦D1(mm)×横D2(mm)寸法の矩形形状のとき、外周端部の幅dは縦方向および横方向それぞれにおいてd1(mm)(=0.1×D1〜0.25×D1)およびd2(mm)(=0.1×D2〜0.25×D2)である。特に、図6A、図7Aおよび図9Aに示すように、全長Dが空洞部により分割されている場合、各長さD´およびD´´について外周端部の幅d´およびd´´が設定されればよい。例えば、d2´(mm)=0.1×D2´〜0.25×D2´)およびd2´´(mm)=0.1×D2´´〜0.25×D2´´。また例えば、第1主面15が直径D3(mm)寸法の円形形状のとき、外周端部の幅dはd3(mm)(=0.1×D3〜0.25×D3)である。ここで側面17は、図3Aおよび図4Aの多孔質表面層1の側面17、図5Aの貫通孔18の側面17、図6Aの多孔質表面層1の外周側面17aおよび内周側面17b、図7Aの多孔質表面層1の内側側面17c、図8Aの多孔質表面層1における平面部10の内側側面17dおよび延在部19の内側側面17e、ならびに図9Aの多孔質表面層1の外周側面17fおよび内周側面17gを包含する。
本発明の機能性積層体(例えば、100A〜100J)において、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との境界4における混層部11形成領域以外の他の部分(領域)12では、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は以下のいずれかの形態1または2またはこれらの複合形態を有している。
(形態1)多孔質表面層1および樹脂発泡層2は、当該他の部分12において、互いに離接可能に隣接している。すなわち、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は、当該他の部分12において、隣接しているものの、一体化されているわけではなく、外力により容易に、互いに離したり、接触させたりすることができる。形態1は、後で詳述するように、中間フィルム3として水溶性フィルムを用い、これを後処理工程で消失させたときに主としてもたらされる。
(形態2)多孔質表面層1および樹脂発泡層2は、当該他の部分12において、互いに一体化されて隣接している。すなわち、多孔質表面層1および樹脂発泡層2は、当該他の部分12において、一体化されており、外力により容易には、互いに離したり、接触させたりすることができない。しかし、このような一体化は、混層部11による接着および結合に基づく一体化ほど、強力に達成されているわけではなく、ヒトの手による引張により、破壊できる程度の一体化である。形態2は、後で詳述するように、中間フィルム3としてホットメルトフィルムを用い、これを後処理工程で消失させたときに主としてもたらされる。
多孔質表面層1の第1主面15に占める混層部11の割合は、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との結合を達成される限り、小さいほど好ましい。多孔質表面層1の第1主面15に占める混層部11の割合は通常、90%以下、特に1〜90%であり、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との結合と、機能性積層体の機能性(特に吸音性)のさらなる向上とのバランスの観点から、好ましくは2〜50%であり、より好ましくは2〜20%であり、さらに好ましくは2〜10%である。
多孔質表面層1の第1主面15に占める混層部11の割合とは、多孔質表面層1の第1主面15の面積に対する混層部11形成領域の面積の割合のことである。
(多孔質表面層)
多孔質表面層1を構成する材料は、多孔性を有するものである限り特に限定されず、例えば、繊維不織布であってもよいし、またはポリマー発泡体であってもよい。
多孔質表面層の繊維不織布の具体例として、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン(PP)繊維等のポリオレフィン繊維;ポリエチレンテレフタレート(PET)繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維;アラミド繊維等のポリアミド繊維;ポリビニルアルコール繊維;セルロース繊維からなる群から選択される1種以上の有機繊維の不織布が挙げられる。多孔質表面層の繊維不織布はまた、ガラス繊維、シリカ繊維、ロックウール、アルミニウム繊維、アルミナ繊維からなる群から選択される1種以上の無機繊維の不織布であってもよい。有機繊維と無機繊維との混合繊維の不織布であってもよい。
多孔質表面層のポリマー発泡体は連続気泡構造を有するものが使用される。そのようなポリマー発泡体として、例えば、ポリウレタン発泡層;ポリエチレン発泡層、ポリプロピレン発泡層等のポリオレフィン発泡層;PET発泡層等のポリエステル発泡層;シリコーン発泡層;ポリ塩化ビニル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層が挙げられる。
多孔質表面層は、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、繊維不織布であることが好ましく、より好ましくは無機繊維または有機繊維の不織布、さらに好ましくはガラス繊維の不織布である。
多孔質表面層の平均空隙率Rsは通常、80〜99.5%であり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは90〜99%である。
多孔質表面層の平均空隙率は、多孔質表面層が繊維不織布である場合、繊維間に形成される空隙の体積割合、すなわち繊維間の空隙の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出す。この繊維不織布における空隙の体積割合を算出し、この値を、当該繊維不織布において厚みが機能性積層体における後述の多孔質表面層の厚みであるときの空隙の体積割合に換算する。空隙の体積割合は、当該繊維不織布の体積、重量、繊維の比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該繊維不織布の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該繊維不織布の空隙体積より算出できる。
多孔質表面層の平均空隙率は、多孔質表面層がポリマー発泡体である場合、多孔質表面層としてのポリマー発泡体が本来的に有するポリマー中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該ポリマー発泡体を切り出し、当該試料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求めることより算出できる。
多孔質表面層の平均空隙率は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される当該多孔質表面層材料の体積、重量、当該多孔質表面層材料の繊維またはポリマーの比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該多孔質表面層材料の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該多孔質表面層材料の空隙体積より算出できる。また、当該多孔質表面層材料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求めることより算出できる。
多孔質表面層の厚みは通常、1〜50mmであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは2〜30mmである。
多孔質表面層の厚みは、多孔質表面層が繊維不織布である場合であっても、またはポリマー発泡体である場合であっても、後述の混層部を含む厚みであって、多孔質表面層1における第1主面15から第2主面16までの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。
多孔質表面層の厚みは、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される当該多孔質表面層材料の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。また、膜厚計、変位計、ノギス等の計器で当該多孔質表面層材料の厚みを測定し、平均値を求める。
多孔質表面層が特に繊維不織布である場合、当該繊維不織布を構成する繊維の平均繊維径および平均繊維長は特に限定されない。平均繊維径は通常、0.005〜50μmであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは0.1〜20μmであり、より好ましくは1〜5μmである。平均繊維長は通常、2mm以上であり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは20mm以上である。
多孔質表面層の繊維不織布における繊維の平均繊維径は以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該試料の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100本の繊維の直径を測定し、平均値を求める。
多孔質表面層の繊維不織布における繊維の平均繊維長は以下の方法で測定された平均値で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該不織布より、任意の100本の繊維の長さを測定し、平均値を求める。また、CT等の手法で当該不織布内部を3次元画像化し、任意の100本の繊維の長さを測定して平均値を求める。
繊維不織布の繊維の平均繊維径および平均繊維長は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の繊維の平均繊維径は、当該不織布の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100本の繊維の直径を測定し、平均値を求める。製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の繊維の平均繊維長は、任意の100本の繊維の長さを測定し、平均値を求める。また、CT等の手法で当該繊維不織布内部を3次元画像化し、任意の100本の繊維の長さを測定して平均値を求める。
多孔質表面層が特に繊維不織布である場合、当該繊維不織布の目付は特に限定されず、通常は50〜6000g/mであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは100〜3000g/mである。
多孔質表面層の繊維不織布における目付は以下の方法で測定された値で表される。機能性積層体から、発泡性樹脂が含浸されていない多孔質表面層部分の当該不織布を切り出し、当該不織布の面積、重量より目付を算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。
繊維不織布の目付は、上記のように機能性積層体から測定された値を用いているが、製造(発泡成形)に使用される材料から測定しても、同等の測定値が得られる。つまり、製造(発泡成形)に使用される繊維不織布の面積、重量より目付を算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。
(樹脂発泡層)
樹脂発泡層2はポリマーの発泡層であり、連続気泡構造を有するものである。樹脂発泡層を構成するポリマーは、プラスチックの分野で発泡体を構成し得るポリマーとして知られているあらゆるポリマーであってもよい。樹脂発泡層の具体例として、例えば、ポリウレタン発泡層;ポリエチレン発泡層、ポリプロピレン発泡層等のポリオレフィン発泡層;PET発泡層等のポリエステル発泡層;シリコーン発泡層;ポリ塩化ビニル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層が挙げられる。
樹脂発泡層は、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、ポリウレタン発泡層であることが好ましい。
樹脂発泡層の平均空隙径Dfは特に限定されず、吸音対象の音の周波数に応じて、例えば、0.04〜800μm、特に10〜600μmの範囲内であってもよい。樹脂発泡層の平均空隙径Dfが上記範囲内で大きいほど、吸音される音の周波数は大きくなる。一方、樹脂発泡層の平均空隙径Dfが上記範囲内で小さいほど、吸音される音の周波数は小さくなる。
例えば、樹脂発泡層の平均空隙径Dfが50〜500μm、特に100〜300μmのとき、周波数1000〜4000Hzの音が有効に吸音される。このような吸音は、機能性積層体を自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途で使用する場合に好適である。
樹脂発泡層の平均空隙径Dfは、ポリマー中の気泡の直径のことであり、以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体から、樹脂発泡層を切り出し、当該試料の平行断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100個の気泡の直径を測定し、平均値を求める。
樹脂発泡層の平均空隙率Rfは通常、60〜98%であり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは80〜95%である。
樹脂発泡層の平均空隙率は、ポリマー中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体から、樹脂発泡層を切り出し、当該樹脂発泡材の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求める。また、当該樹脂発泡材の体積、重量、ポリマーの比重等の物性より算出できる。本明細書中、重量の測定は、電子天秤(AE160;メトラー社製)を用いて行った。また、当該樹脂発泡材の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該樹脂発泡材の空隙体積より算出できる。
樹脂発泡層の厚みは通常、1〜100mmであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは2〜30mmである。
樹脂発泡層の厚みは、多孔質表面層1の第2主面16に対して略垂直方向の厚みであって、樹脂発泡層2における中間フィルム3との界面22までの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体の垂直断面の光学顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。
(混層部)
混層部11は、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との界面4における前記した所定の位置(配置)に形成される、樹脂発泡層と多孔質表面層との複合層である。混層部11は、詳しくは、樹脂発泡層2を構成する発泡性樹脂が多孔質表面層1に滲入し、発泡および硬化して形成された層であり、換言すると、多孔質表面層1の構成材料と樹脂発泡層2の構成材料とが共存する層のことである。混層部11においては、発泡性樹脂の滲入前の多孔質表面層1の空隙内において、発泡性樹脂による気泡が形成されている。より詳しくは、多孔質表面層1における樹脂発泡層2側の一部が混層部11に変換されており、換言すると、多孔質表面層1内における樹脂発泡層2側の一部において混層部11が生成している。
混層部の平均空隙径Dxは特に限定されず、吸音対象の音の周波数に応じて、例えば、0.04〜800μm、特に10〜500μmの範囲内であってもよい。混層部の平均空隙径Dxが上記範囲内で大きいほど、吸音される音の周波数は大きくなる。一方、混層部の平均空隙径Dxが上記範囲内で小さいほど、吸音される音の周波数は小さくなる。
例えば、混層部の平均空隙径Dxが20〜250μm、好ましくは42〜250μm、47〜250μm、50〜200μmのとき、周波数1000〜4000Hzの音が有効に吸音される。このような吸音は、機能性積層体を自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途で使用する場合に好適である。
混層部の平均空隙径Dxは、発泡性樹脂の滲入前における多孔質表面層の空隙内において形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の直径のことであり、以下の方法で測定された平均直径で表される。機能性積層体における混層部の平行断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100個の気泡の直径(最長径)を測定し、平均値を求める。任意の100個の気泡は、発泡性樹脂の発泡により形成された任意の100個の気泡のことであり、当該気泡と、多孔質表面層としてのポリマー発泡体が本来的に有する気泡とは、気泡周囲の明度等の差異により、容易に区別することができる。また、機能性積層体から、混層部を切り出し、この混層部における空隙の直径の分布を、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定し、平均直径を算出できる。
混層部の平均空隙率Rxは通常、30〜95%であり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは50〜90%である。
混層部の平均空隙率は、発泡性樹脂の滲入前における多孔質表面層の空隙内において形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の体積割合のことであり、以下の方法で測定された割合で表される。機能性積層体における混層部の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で全面積に対する気泡の面積の割合を測定し、平均値を求める。気泡の面積は、多孔質表面層の空隙内において発泡性樹脂の発泡により形成された樹脂(ポリマー)中の気泡の面積である。また、当該混層部の体積と、計算機トモグラフィー法、液浸法、水蒸発法、懸吊法、水銀圧入法、ガス吸着法等の方法で測定した当該混層部の空隙体積より算出できる。
混層部の厚みは通常、0.05〜5mmであり、自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途での吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、好ましくは0.5〜4mmであり、より好ましくは1〜3mm、さらに好ましくは1〜2.5mmである。
混層部の厚みは、多孔質表面層1の第2主面16に対して略垂直方向の厚みのことであって、多孔質表面層1における第1主面15から、多孔質表面層1内に発泡性樹脂が含浸されなくなるまでの厚みであり、以下の方法で測定された厚みで表される。機能性積層体における混層部近傍の垂直断面の光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、任意の100カ所で厚みを測定し、平均値を求める。当該光学顕微鏡や電子顕微鏡写真において、多孔質表面層1内に発泡性樹脂が含浸されていること、および含浸されていないことは、多孔質表面層1の空隙内での発泡性樹脂の存在/不存在により容易に区別できる。
(中間フィルム)
中間フィルム3は非通液性を有する。中間フィルム3の非通液性とは、当該中間フィルム3が機能性積層体の製造時に自己の内部を発泡性樹脂(液体)に通過させ得ない特性のことである。
中間フィルム3は、機能性積層体の製造方法において、発泡成形工程では消失しないが、後処理工程では消失するフィルムである。そのような中間フィルム3の具体例として、例えば、ホットメルトフィルムおよび水溶性フィルム等が挙げられる。
ホットメルトフィルムは、後述の後処理工程において加熱処理により消失(溶融)し、フィルムとしての形態を有さなくなるポリマーフィルムである。ホットメルトフィルムの融点は、後で詳述する後処理工程において多孔質表面層1および樹脂発泡層2の形態が保持されつつ、当該ホットメルトフィルムの消失が達成される温度である限り特に限定されず、通常は50〜250℃であり、好ましくは70〜150℃である。
ホットメルトフィルムを構成するポリマーとして、例えば、ポリウレタン;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン;アラミド等のポリアミド;およびセルロース等が挙げられる。
水溶性フィルムは、後述の後処理工程において水中撹拌処理により消失(溶解)し、フィルムとしての形態を有さなくなるポリマーフィルムである。水溶性フィルムは、5〜100℃、好ましくは30〜50℃の水に対してフィルムが溶解し得る程度の水溶性を有していればよい。溶解は1時間、好ましくは40分間の撹拌により達成されてよい。
水溶性フィルムを構成するポリマーとして、例えば、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、プルラン、デンプン、アルギン酸、カラギーナン等が挙げられる。
中間フィルムの厚みは通常、0.01〜2mmであり、機能性積層体の吸音性、断熱性および制振性のさらなる向上の観点から、好ましくは0.02〜0.5mmである。
中間フィルム3は市販品として入手可能である。
ホットメルトフィルムは、例えば、SHM103−PUR、SHM104−PUR等のエセランシリーズ(NTW(株)社製)、エルファンシリーズ(日本マタイ(株)社製)、クランベターシリーズ(倉敷紡績(株)社製)等として入手可能である。
水溶性フィルムは、例えば、C−200等のハイセロンシリーズ(日本合成化学工業(株)社製)、ソルブロンシリーズ((株)アイセロ社製)、ポバールシリーズ((株)クラレ社製)等として入手可能である。
[機能性積層体の製造方法]
本発明の機能性積層体は以下の積層用基材形成工程、発泡成形工程および後処理工程を含む製造方法により製造することができる。本発明の機能性積層体の製造方法を、図1B〜図9Bを用いて詳しく説明する。図1B〜図9Bは、図1B、図2B、図3B、図4B、図5B、図6B、図7B、図8Bおよび図9Bを包含する。図1B〜図9Bにおいて、上段はそれぞれ本発明の実施態様1〜9に係る機能性積層体を製造するときの金型内における積層用基材の模式的平面図を示し、下段は上段の金型内の積層用基材のP−P断面を矢印方向で見たときの金型と積層用基材の模式的断面図を示す。
(積層用基材形成工程)
本工程においては、多孔質表面層1および中間フィルム3を重ね合わせ、積層用基材40を得る。重ね合わせは、単に、一方の層の上に、他方の層を載置すればよいが、積層用基材の取り扱い性の観点から多孔質表面層1と中間フィルム3とは接着することが好ましい。
接着方法は、発泡成形工程において多孔質表面層1上の中間フィルム3の移動が防止される限り特に限定されず、例えば、接着剤を用いる方法を採用すればよい。接着は多孔質表面層1と中間フィルム3との接触面の一部で達成されてもよいし、または全面で達成されてもよい。自動車のパワートレイン部材のためのカバー部材用途での吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)のさらなる向上の観点から、接着は多孔質表面層1と中間フィルム3との接触面の一部で達成されることが好ましい。
多孔質表面層1および中間フィルム3はそれぞれ前記した材料が使用可能であり、市販品として入手可能である。特に多孔質表面層1が繊維不織布の場合、所定の繊維を熱プレス成形法またはニードルパンチ成形法等の公知の成形法により所望の物性に調整して成形したもの(シート状材料)を使用することができる。
中間フィルム3は所定の寸法および形状に裁断されている。このため、後述の発泡成形工程において、多孔質表面層1において中間フィルム3が積層されていない部分では、発泡性樹脂が滲入して混層部11が形成される。他方、中間フィルム3が積層されている部分12では当該中間フィルム3により多孔質表面層1への発泡性樹脂の滲入が阻害されるため、混層部11は形成されない。
(発泡成形工程)
本工程においては、成形型50内において、発泡成形を行う。成形型50は通常、上型51および下型52からなっている。
発泡成形は、樹脂発泡層2を構成する原料として発泡性樹脂を用いて、積層用基材40の中間フィルム3側で行う。発泡成形を積層用基材40の中間フィルム3側で行うとは、積層用基材40の中間フィルム3側で樹脂発泡層2が形成されるように、発泡性樹脂および積層用基材40を配置して、発泡成形を行うという意味である。例えば、積層用基材40を、図1B〜図9Bの下段に示すように、金型50内に配置させた後、発泡性樹脂を金型50内の中間フィルム3の上に注入する。その後、上型51を閉じ、発泡が開始されると、発泡性樹脂が膨張し、上型51と下型52との間のキャビティ内を充たし、樹脂発泡層2が形成される。冷却後、成形体を脱型することにより、多孔質表面層1、樹脂発泡層2および中間フィルム3が一体化された機能性積層体前駆体が得られる。
発泡性樹脂は樹脂発泡層の原料であり、例えば樹脂発泡層がポリウレタン発泡層の場合、発泡性樹脂はポリオール化合物およびイソシアネート化合物の混合物が使用される。発泡性樹脂には発泡剤および整泡剤等の添加剤が含有されていてもよい。
発泡条件は、発泡性樹脂の種類に応じて、適宜決定され、例えば、成形型50を加熱してもよいし、かつ/または成形型50内を加圧または減圧してもよい。
(後処理工程)
本工程では、機能性積層体前駆体の中間フィルム3を消失させる。
消失方法は、中間フィルム3に応じて決定される。
例えば、中間フィルム3がホットメルトフィルムのとき、本工程は加熱処理工程であり、加熱により、ホットメルトフィルムを溶融し、消失させる。加熱温度および加熱時間は、中間フィルム3の融点および厚み等に応じて決定されてよい。中間フィルム3の融点および厚みが上記した範囲内のとき、加熱温度は通常、50〜250℃であり、好ましくは70〜150℃であり、加熱時間は通常、1秒〜10時間であり、好ましくは10秒〜1時間である。
中間フィルム3がホットメルトフィルムのとき、本工程により当該ホットメルトフィルムを消失させると、ホットメルト成分が残る。その結果、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との界面4において中間フィルム3が存在していた領域12で、ホットメルト成分による多孔質表面層1と樹脂発泡層2との一体化(結合)が達成される(前記した形態2)。ホットメルト成分とはホットメルトフィルムの構成成分のことであり、ホットメルトフィルムを構成するポリマー成分であってもよいし、当該ポリマー成分の分解物であってもよいし、またはこれらの混合物であってもよい。
また例えば、中間フィルム3が水溶性フィルムのとき、本工程は水中撹拌処理工程であり、水中での撹拌により、水溶性フィルムを溶解し、消失させる。水の温度および撹拌時間は、中間フィルム3の材料および厚み等に応じて決定されてよい。中間フィルム3の材料および厚みが上記した範囲内のとき、水の温度は通常、5〜100℃であり、好ましくは30〜50℃であり、撹拌時間は通常、1秒〜10時間であり、好ましくは1分間〜1時間である。
中間フィルム3が水溶性フィルムのとき、本工程により当該水溶性フィルムを消失させると、当該水溶性成分は通常、多孔質表面層1および樹脂発泡層2の内部おおび表面に残るが、多孔質表面層1と樹脂発泡層2との一体化(結合)には寄与しない(前記した形態1)。水溶性成分とは水溶性フィルムの構成成分のことであり、水溶性フィルムを構成するポリマー成分であってよい。
[用途]
本発明の機能性積層体10は、吸音性、断熱性および制振性(特に吸音性)に優れているため、吸音材、断熱材かつ/または制振材(特に吸音材)として有用である。
本発明の機能性積層体10が有用な分野として、例えば、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械等の分野が挙げられる。
本発明の機能性積層体10が、例えば、エンジンを備えた機械における吸音断熱材として使用される場合、詳しくは、エンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材のためのカバー部材として使用される。このとき機能性積層体10は、より詳しくは、パワートレイン部材を部分的または全体的に包囲するカバー部材として使用される。機能性積層体10は、樹脂発泡層2側がパワートレイン部材に接触するように配置され使用される。あるいは、多孔質表面層1側が音源および/または熱源に非接触で対向するように、すなわち多孔質表面層1側にエンジンおよびトランスミッションが配置されるように、使用される。
(測定方法)
各層の各種物性は前記した方法により測定した。
(評価方法)
吸音率(α):
日本音響エンジニアリング社製 垂直入射吸音率測定システム WinZacMTXを使用し、測定周波数範囲 200〜4800Hz(1/3オクターブバンド)にて、内径40mmの音響管を用いた垂直入射吸音率の測定(JIS A 1405−2、ISO 10534−2準拠)を行い、1000〜4000Hzの平均垂直入射吸音率を算出した。測定試料は、各実施例/比較例で得られた機能性積層体から直径40mmの円柱状にくり抜いたものを使用した。測定試料としての機能性積層体は、多孔質表面層1側から音が入射されるように配置した。中間フィルムを用いることなく、同じ多孔質表面層を用いた比較例における吸音率からの増加幅に基づいて評価した。
◎◎:8.0%≦増加幅;(最良)
◎:6.0%≦増加幅<8.0%;(優良)
○:4.0%≦増加幅<6.0%;(良)
△:2.0%≦増加幅<4.0%;(実用上問題なし)
×:増加幅<2.0%。
熱伝導率:
NETZSCH社製 定常法熱伝導率測定装置 HFM436/3/1Lambdaを使用し、測定温度30℃にて、機能性積層体の厚み方向の熱伝導率をJIS A1412−2第2部熱流計法に基づいて測定した。
(実施例1〜2)
・積層用基材形成工程
平均繊維径約7.5μmのグラスウールAを、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう熱プレス成形し、多孔質表面層1を得た。この多孔質表面層1に、表1の中間フィルム(ホットメルトフィルム)3を接着して、図1Bの下段に示すように積層用基材40を得た。接着は多孔質表面層と中間フィルムとの接触面の一部で接着剤により達成した。
・発泡成形工程
発泡性樹脂として表1のポリウレタンフォームの原料をミキサーで混合し、図1Bの下型52の成形面上に注入した。次いで、図1Bの上型51に積層用基材40を、中間フィルム3が発泡性樹脂と接触するように、配置させた。その後、25℃および常圧の環境下で、図1Bの上型51を閉じ、発泡が開始されると、発泡性樹脂が膨張し、上型51と下型52との間のキャビティ(寸法100mm×100mm×25mm)内を充たし、樹脂発泡層2が形成された。冷却後、成形体を脱型することにより、多孔質表面層1、樹脂発泡層2および中間フィルム3が一体化された機能性積層体前駆体を得た。
・後処理工程
機能性積層体前駆体を、150℃で5時間加熱し、中間フィルムを消失させ、機能性積層体を得た。
(実施例3)
中間フィルムとして表1に記載の水溶性フィルムを用いたこと、および以下の後処理工程を行ったこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
・後処理工程
機能性積層体前駆体を、40℃の温水中、30分間撹拌し、中間フィルムを消失させ、機能性積層体を得た。
(実施例4〜6)
多孔質表面層1として平均繊維径約3.5μmのグラスウールBを、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう、熱プレス成形したものを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(実施例7)
多孔質表面層1として平均繊維径約3.5μmのグラスウールBを、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう、熱プレス成形したものを用いたこと以外、実施例3と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(実施例8)
多孔質表面層1として繊度2.2デニール(平均繊維径約16μm)のPET繊維を、表1に記載の平均空隙率および厚みになるよう、ニードルパンチおよび接着剤にてシート状に成形したものを用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例1)
中間フィルムを用いることなく、積層用基材の代わりに多孔質表面層を単独で用いたこと以外、実施例1と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例2)
中間フィルムを用いることなく、積層用基材の代わりに多孔質表面層を単独で用いたこと以外、実施例4と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例3)
中間フィルムを用いることなく、積層用基材の代わりに多孔質表面層を単独で用いたこと以外、実施例8と同様の方法により、機能性積層体を得た。
(比較例4)
実施例5の発泡成形工程で得られた機能性積層体前駆体を機能性積層体として評価した。
Figure 0006558391
Figure 0006558391
グラスウールA:平均繊維径約7.5μmおよび平均繊維長約50mmの硝子繊維(グラスウールAによる多孔質表面層1の目付 実施例1〜3:960g/m、比較例1:960g/m
グラスウールB:平均繊維径約3.5μmおよび平均繊維長約50mmの硝子繊維(グラスウールBによる多孔質表面層1の目付 実施例4:1920g/m、実施例5:960g/m、実施例6:480g/m、実施例7:960g/m、比較例2:960g/m、比較例4:960g/m
PETウール:平均繊維長51mmおよび繊度2.2デニール(平均繊維径約16μm)のPET繊維(PETウールによる多孔質表面層1の目付 実施例8:540g/m、比較例3:540g/m
ホットメルトフィルムA:SHM103−PUR(NTW(株)社製)
ホットメルトフィルムB:SHM104−PUR(NTW(株)社製)
水溶性フィルムA:C−200(日本合成化学工業(株)社製)
ポリウレタンフォームAの原料:DKシステム(第一工業製薬(株)製)
本発明の機能性積層体は、車両(例えば、自動車、トラック、バスおよび電車等)および農業機械(例えば、草刈り機および耕耘機等)等のエンジンを備えた機械等の分野における吸音材、断熱材かつ/または制振材として有用である。
1:多孔質表面層
2:樹脂発泡層
3:中間フィルム
11:混層部
15:多孔質表面層の第1主面
16:多孔質表面層の第2主面
4:多孔質表面層と樹脂発泡層との界面
40:積層用基材
50:成形型
51:上型
52:下型
100:機能性積層体

Claims (23)

  1. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記混層部は、前記樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂が前記多孔質表面層に滲入し、
    発泡および硬化して形成された、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との結合部であり、
    前記多孔質表面層は前記境界の一部のみに前記混層部を有する、機能性積層体
  2. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記多孔質表面層は前記樹脂発泡層に主として対向する第1主面、前記第1主面と反対側の第2主面および前記第1主面または前記第2主面の少なくとも一方から立設されている側面を有し、
    前記多孔質表面層が有する前記混層部は、以下の部分からなる群から選択される前記境界の一部に位置付けられている、機能性積層体:
    (部分1)前記第1主面の外周端部;および
    (部分2)前記側面の一部または全部
  3. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記多孔質表面層が繊維不織布である、機能性積層体
  4. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記多孔質表面層が無機繊維の不織布である、機能性積層体
  5. 前記多孔質表面層の繊維不織布を構成する繊維が0.005〜50μmの平均繊維径を有する、請求項またはに記載の機能性積層体。
  6. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記機能性積層体は吸音材、断熱材かつ/または制振材として使用される、機能性積層体
  7. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記機能性積層体は、前記樹脂発泡層側が熱源および/または音源に接触するように配置され使用される、あるいは、前記多孔質表面層側が熱源および/または音源に非接触で対向するように配置され使用される、機能性積層体
  8. 多孔質表面層および樹脂発泡層が積層されており、
    前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、それらの境界の一部で、前記多孔質表面層と前記樹脂発泡層との混層部により互いに接着されている、機能性積層体であって、
    前記機能性積層体は、自動車のエンジンおよびトランスミッションを含むパワートレイン部材のためのカバー部材として、使用される、機能性積層体
  9. 前記混層部が0.05〜5mmの厚みを有する、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  10. 前記混層部が20〜250μmの平均空隙径を有する、請求項1〜のいずれかに記載の機能性積層体。
  11. 前記混層部が50〜90%の平均空隙率を有する、請求項1〜10のいずれかに記載の機能性積層体。
  12. 前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が前記境界における前記一部以外の他の部分において、以下のいずれかの形態を有する、請求項1〜11のいずれかに記載の機能性積層体:
    (形態1)前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、前記他の部分において、互いに離接可能に隣接している;
    (形態2)前記多孔質表面層および前記樹脂発泡層が、前記他の部分において、互いに一体化されて隣接している。
  13. 前記多孔質表面層および/または前記樹脂発泡層がホットメルト成分または水溶性成分を含む、請求項1〜12のいずれかに記載の機能性積層体。
  14. 前記多孔質表面層が80〜99.5%の平均空隙率を有する、請求項1〜13のいずれかに記載の機能性積層体。
  15. 前記多孔質表面層が1〜50mmの厚みを有する、請求項1〜14のいずれかに記載の機能性積層体。
  16. 前記樹脂発泡層が0.04〜800μmの平均空隙径を有する、請求項1〜15のいずれかに記載の機能性積層体。
  17. 前記樹脂発泡層がポリウレタン発泡層、ポリオレフィン発泡層、ポリエステル発泡層、シリコーン発泡層およびポリ塩化ビニル発泡層からなる群から選択されるポリマー発泡層である、請求項1〜16のいずれかに記載の機能性積層体。
  18. 請求項1〜17のいずれかに記載の機能性積層体の製造方法であって、
    多孔質表面層および中間フィルムを重ね合わせ、積層用基材を得る工程;
    樹脂発泡層を構成する発泡性樹脂の発泡成形を、前記積層用基材の中間フィルム側で行い、機能性積層体前駆体を得る発泡成形工程;および
    前記機能性積層体前駆体の中間フィルムを消失させる後処理工程を含む、機能性積層体の製造方法。
  19. 前記中間フィルムは、発泡成形工程では消失しないが、後処理工程では消失するフィルムである、請求項18に記載の機能性積層体の製造方法。
  20. 前記中間フィルムがホットメルトフィルムまたは水溶性フィルムである、請求項18または19に記載の機能性積層体の製造方法。
  21. 前記中間フィルムがホットメルトフィルムであり、
    前記後処理工程が加熱処理工程である、請求項20に記載の機能性積層体の製造方法。
  22. 前記中間フィルムが水溶性フィルムであり、
    前記後処理工程が水中撹拌工程である、請求項20に記載の機能性積層体の製造方法。
  23. 前記中間フィルムが0.02〜0.5mmの厚みを有する、請求項1822のいずれかに記載の機能性積層体の製造方法。
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