JP7244272B2 - 防音材とその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、防音材とその製造方法に関する。
従来、例えば車両のフロアに載置されるフロアサイレンサー等として使用される防音材として、ポリウレタンフォームの片面に表皮材が積層されたものがある。
下記の特許文献1には、カーペットの裏面にスキンレスのウレタン樹脂発泡体からなる衝撃材を一体的に形成して吸音性、制振性を向上させた自動車用フロアカーペットが記載されている。
また、下記の特許文献2には、フォーム層の通気性が3.0ft/分以上で、フォーム層の硬さが8kg/314cm以下(25%ILD)である表皮一体ポリウレタンフォームモールド品が記載されている。
特開平10-71884号 特開平11-5499号公報
特許文献1は、カーペットの裏面に通気止めフィルムや薄い不織布の皮膜を付与して通気止めをし、スキンレスのウレタン樹脂発泡体からなる衝撃材を一体的に形成し防音性を向上させている。
特許文献2の表皮一体ポリウレタンフォームモールド品は、低、中周波領域における良好な防音性を目的とするものであり、フォーム層の通気を良くする一方で、硬さが8kg/314cm以下(25%ILD)で成形されており、車両に備え付けられて使用し、表皮材に荷重がかかる場合には、柔らかいために沈み込んでしまうという問題があった。
また、特許文献1及び特許文献2の何れも、騒音の入射側である音源側(例えば車両の床側等)となるポリウレタンフォームの防音性について検討され、騒音の放出側である非音源側(例えば車両の室内側等)となるカーペット本体や表皮材の騒音の透過性については検討されていない。更に、荷重をかけたときに形状を保持する硬さとの両立が難しかった。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであって、両面に遮音材を有する2重壁の間に配置される、防音(吸音)効果の高い防音材とその製造方法の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリウレタンフォームの片面に表皮材が一体に成形された防音材において、前記ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォーム原料から得られた発泡体であって、前記表皮材とは反対の面がオープンセルであり、前記表皮材は、前記ポリウレタンフォームとの一体側に前記ポリウレタンフォーム原料が含浸して硬化した含浸層を有し、前記含浸層を含む前記表皮材のJIS K6400-7B法:2012年に基づく通気量が5~80cc/cm/secであることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記表皮材は、繊維集合体からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルをφ80mmの圧縮冶具に、試験スピード50mm/minで厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記防音材は、JIS A1409に基づいて測定した残響室吸音率が40%以上であることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、前記防音材は、JIS A1441-1:2007に基づいて測定した1600Hzの透過損失が42.2dB以上であることを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項1から5の何れか一項において、前記防音材は、両面に遮音材を有する2重壁の間にあることを特徴とする。
請求項7の発明は、発泡成形型の上型または下型の何れか一方の型の型面に表皮材を取り付け、少なくともポリオール成分、触媒、発泡剤、イソシアネートを含むポリウレタンフォーム原料を前記発泡成形型に注入し、前記ポリウレタンフォーム原料を発泡させることにより、ポリウレタンフォームの片面に前記表皮材が一体に成形された防音材を製造する方法において、前記表皮材は、繊維集合体からなり、前記ポリウレタンフォーム原料は、ポリマーポリオールを含み、前記ポリウレタンフォーム原料に含まれるエチレンオキサイドの重量を前記ポリウレタンフォーム原料の重量で除した値を、ポリウレタンフォーム原料のEO率と定義した場合の前記ポリウレタンフォーム原料のEO率が7~15%であり、前記ポリウレタンフォームは、前記表皮材とは反対の面がオープンセルであり、前記ポリウレタンフォームと一体に成形された前記表皮材は、前記ポリウレタンフォームとの一体側に前記ポリウレタンフォーム原料が含浸して硬化した含浸層を有し、前記含浸層を含む前記表皮材のJIS K6400-7B法:2012年に基づく通気量が、5~80cc/cm/secであり、前記防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルをφ80mmの圧縮冶具に、試験スピード50mm/minで厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であることを特徴とする。
本発明の防音材は、表皮材側が非音源側とされ、表皮材とは反対側のポリウレタンフォーム側が音源側とされる。本発明の防音材は、音源側とされるポリウレタンフォームの表面がオープンセルからなるため、音源からの音がポリウレタンフォームに入射し易くなり、さらに、非音源側(すなわち音の出口側)とされる表皮材は含浸層を有し、含浸層を含む表皮材のJIS K6400-7B法:2012年に基づく通気量が、5cc/cm/sec以上であるため、良好な防音性(吸音性)が得られる。また、ウレタンフォームのみ100mm角以下のスリット加工を施すことにより、遮音材との密着性が向上し、制振性がより向上する。
本発明の防音材の製造方法は、良好な防音性(吸音性)を有し、且つ、充分な硬さを有し、例えば車両のフロア等に載置されて乗員の靴等で加圧されるような場合に、加圧による沈み込みの少ない防音材を製造することができる。
実施形態の防音材の断面図である。 防音材の製造方法における途中までの工程を示す断面図である。 防音材の製造方法における残りの工程を示す断面図である。 実施例の構成と物性・防音性(吸音性)の測定結果を示す表である。 比較例の構成と物性・防音性(吸音性)の測定結果を示す表である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1に示す実施形態の防音材10は、ポリウレタンフォーム20の片面に表皮材30が一体に成形された積層体からなる。防音材10は、例えば、両面に遮音材を有する2重壁の間の防音(吸音)材として車両のフロアに載置されるフロアサイレンサー等として好適なものであり、ポリウレタンフォーム20における表皮材30とは反対側の表面が音源側とされて車両のフロア等の音源側部材に載置される。一方、防音材10の表皮材30側は非音源側とされる。
ポリウレタンフォーム20は、ポリウレタンフォーム原料から得られた発泡体であって、前記表皮材30とは反対の表面21(音源側の表面)がオープンセルとなっている。
ポリウレタンフォーム20における前記表皮材30とは反対の表面21(音源側の表面)には、スリット加工を施して遮音材に密着させて制振性を向上させてもよい。スリットの形状は限られず、例えば複数の切り込み線が格子状や平行状に形成されたものなどが挙げられる。
また、ポリウレタンフォーム20は、密度(JIS K7222:2005)30~95kg/m、厚み1~40mmが好ましい。ポリウレタンフォーム20の密度が小さ過ぎると硬さが低くなり、逆に密度が大になると重くなる。またポリウレタンフォーム20が薄くなりすぎると原料が充填できないためウレタンフォームを成形できなくなり、逆に厚くなると防音材10が嵩張り、且つ重くなる。
ポリウレタンフォーム原料は、少なくともポリオール成分、触媒、発泡剤、イソシアネートを含み、前記ポリオール成分にはポリマーポリオールを含む。
ポリオール成分は、ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールとからなる。
ポリエーテルポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、またはその多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、官能基数2~8、水酸基価20~168mgKOH/g、数平均分子量168~20000のポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、5~90%が好ましい。ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、1つの原料組成単位の全量を100重量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率である。
ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中でエチレン性不活性化合物を重合させて得られるものである。ポリマーポリオールをポリオール成分に含むことにより、通気性の向上と硬さの向上の効果が得られる。
ポリマーポリオールとしては、官能基数3~8、水酸基価20~60mgKOH/g、数平均分子量2000~8000が好ましい。ポリマーポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、3~50%が好ましい。ポリマーポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、1つの原料組成単位の全量を100重量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率である。
ポリール成分中におけるポリマーポリオールの重量割合は20~100%が好ましく、より好ましくは50~100%であり、残りの割合がポリエーテルポリオールである。
触媒は、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N-エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン、イミダゾール系化合物等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒は複数を組み合わせて使用してもよい。触媒の一般的な量は、ポリオール成分100重量部に対して0.2~4重量部程度であり、好ましくは1~3重量部である。
発泡剤は、特に限定されないが、水が好適である。発泡剤としての水の量は、ポリオール成分100重量部に対して2~10重量部程度が好適である。さらに3~7重量部がより好適である。
イソシアネートは、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4-トリレンジイソシアネート、2,6-トリレンジイソシアネート、m-フェニレンジイソシネート、p-フェニレンジイソシアネート、4,4’-ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’-ジフェニルメタンジアネート、2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’-ジメチル-4,4’-ビフェニレンジイソネート、3,3’-ジメトキシ-4,4’-ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン-1,4-ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン-4,4’-ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン-1,4-ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、1-メチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、1,3,5-トリメチルベンゾール-2,4,6-トリイソシアネート、ビフェニル-2,4,4’-トリイソシアネート、ジフェニルメタン-2,4,4’-トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン-4,6,4’-トリイソシアネート、4,4’-ジメチルジフェニルメタン-2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン-4,4’,4”-トリイソシアネート、ポリメリックMDI等を挙げることができる。なお、その他ウレタンプレポリマーも使用することができる。また、イソシアネートは、それぞれ一種類に限られず一種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系イソシアネートの一種類と芳香族系イソシアネートの二種類を用いたり、芳香族系イソシアネートとウレタンプレポリマーの二種類を用いたり、三種類以上のイソシアネートを用いたりしてもよい。イソシアネートインデックスは、90~130が好ましく、95~120がより好ましい。イソシアネートインデックスは、ポリウレタンの分野で使用される指数であって、原料中の活性水素基(例えばポリオール類の水酸基及び発泡剤としての水等の活性水素基等に含まれる活性水素基)に対するイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表した数値である。
前記ポリオール成分には、適宜含まれる成分として、整泡剤と添加剤が挙げられる。
整泡剤は、ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して0~2重量部が好ましい。
添加剤は、連通化剤、架橋剤、顔料、充填材(フィラー)、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
連通化剤としては、EO付加比率の高いポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール、通気性を高くする(破泡性を有する)シリコーン整泡剤等を挙げることができる。連通化剤を配合する場合、連通化剤の量は、ポリオール100重量部に対して0.5~20重量部が好ましい。連通化剤は、一種に限られず、二種以上を使用してもよい。
架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4-ブタントリオール、2-メチル-2,3,4-ブタントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール等を挙げることができ、一種または複数併用してもよい。好ましい架橋剤は、官能基数2~4、分子量92~136、水酸基価1066~1826mgKOH/gの架橋剤として、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエタノールアミン等を挙げることができ、一種または複数併用してもよい。
架橋剤の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して1~6重量部が好ましい。架橋剤は、エチレンオキサイド含有率(EO率)が0%より大のものでもよい。例えば、エチレンジアミン系(官能基数:4、分子量:280、水酸基価800mgKOH/g、EO率40%)、トリメチロールプロパン系(官能基:3、分子量:183、水酸基価920mgKOH/g、EO率50%)等である。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等を挙げることができる。
充填材(フィラー)としては、黒鉛、アルミナ、メラミン等を挙げることができる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテルなどのハロゲン化ジフェニルエーテル、例えば、ハロゲン化ポリカーボネートなどのハロゲン化合物、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスフェート系難燃剤、無機リン系難燃剤、ジアルキルホスフィン酸塩、シリコーン系難燃剤、金属酸化物、ホウ酸化合物、膨張性黒鉛等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p-フェニルジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン、2-ヒドロキシ-4-オクトキシベンゾフェノン、5,5’-メチレンビス(2-ヒドロキシ-4-メトキシベンゾフェノン)等の2-ヒドロキシベンゾフェノン類;2-(2’-ヒドロキシ-5’-メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジ第三ブチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第三ブチル-5’-メチルフェニル)-5-クロロベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-5’-第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2-(2’-ヒドロキシ-3’,5’-ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ-ル、2,2’-メチレンビス(4-第三オクチル-6-(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2-(2’-ヒドロキシ-3’-第三ブチル-5’-カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2-(2’-ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4-ジ第三ブチルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、2,4-ジ第三アミルフェニル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル-3,5-ジ第三ブチル-4-ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2-エチル-2’-エトキシオキザニリド、2-エトキシ-4’-ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル-α-シアノ-β、β-ジフェニルアクリレート、メチル-2-シアノ-3-メチル-3-(p-メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2-(2-ヒドロキシ-4-オクトキシフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-4,6-ジフェニル-s-トリアジン、2-(2-ヒドロキシ-4-プロポキシ-5-メチルフェニル)-4,6-ビス(2,4-ジ第三ブチルフェニル)-s-トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォームのEO率が、7~15%であるのが好ましく、より好ましくは8~13%である。ポリウレタンフォームのEO率が低過ぎたり、高すぎたりすると防音材の防音(吸音)性が低下する。
ここでポリウレタンフォームのEO率の測定方法は、ポリウレタンフォームだけをソックスレー抽出器に入れて〔投入したポリウレタンフォームの重量をA(g)〕、溶媒(:アセトン)で68~72℃8時間洗浄し、乾燥した後、アルカリ分解をする。その後、ポリオール成分だけを抽出〔抽出できた重量をB(g)〕し、その一部をマトリックス支援レーザー飛行時間型質量分析<日本電子製>にて評価をする。各分子量でのEO率〔各分子量のEO率(=EOのN数(:理論値)×各分子量の個数÷全体の個数)〕を算出しその総和をCとする。ポリウレタンフォームのEO率の算出方法は、下記の通りである。
ポリウレタンフォームのEO率=〔B×C〕/〔A〕×100
但し、分子量800以上を算出する。
表皮材30は、不織布、フェルトなどの繊維集合体が挙げられ、特にフェルトが軽量性、防音(吸音)性の点から好ましい。実施形態の表皮材は、第1の層31と第2の層33で構成される2層の不織布シートからなる。第1の層31がポリレタンフォーム20とは反対を向く側とされ、一方、第2の層33がポリウレタンフォーム20を向く側とされる。
第1の層31と第2の層33の何れか一方の層は、2~4dの繊維径からなる目付90g/m以上、好ましくは目付90g/m以上500g/m以下であり、他方の層は目付100g/m以上、好ましくは目付100g/m以上500g/m以下である。このように表皮材30を構成すると、一方の層が細い繊維が密になっているため、粘性のあるポリウレタンフォーム原料が表皮材30から染み出し難くなる。前記2層のうち何れか一方の層にはアクリル酸エステル系樹脂が35g/m以上、好ましくは35g/m以上100g/m以下含浸している。アクリル酸エステル系樹脂が含浸した層は、繊維間がアクリル酸エステル系樹脂で充填され、ポリウレタンフォーム原料が表皮材30を通過し難くなり、ポリウレタンフォーム原料が、さらに染み出し難くなる。なお、アクリル酸エステル系樹脂の表皮材30への含浸は、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョンを表皮材30の表面に塗布したり、アクリル酸エステル系樹脂のパウダーを表皮材30の表面に散布して熱ローラーや熱風を当てたりすることにより行うことができる。
第1の層31と第2の層33の目付量及びアクリル酸エステル樹脂の含浸を調整することにより、含浸層34を含む表皮材30のJIS K6400-7B法:2012に基づく通気量を、5~80cc/cm/secにすることができる。含浸層34を含む表皮材30のJIS K6400-7B法:2012に基づく通気量を、5~80cc/cm/secにすることにより、防音材10の防音(吸音)性を良好なものにできる。
表皮材30のより好ましい態様は、ポリウレタンフォーム20側となる第2の層33が、2~4dの繊維径からなる目付90g/m以上からなり、かつアクリル酸エステル系樹脂を35g/m以上含浸させた態様である。この態様で表皮材30を構成すると、防音材10の製造時にポリウレタンフォーム原料と接する第2の層33が、細い繊維が密になっており、さらにアクリル酸エステル系樹脂が35g/m以上含浸しているため、ポリウレタンフォーム原料が第2の層33に含浸する(しみ込む)量が制限される。そのため、第2の層33におけるポリウレタンフォーム20と接する部分に形成される、ポリウレタンフォーム原料の含浸・硬化による含浸層34が薄くまたは粗となり、第2の層33の通気性を確保することができる。
ポリウレタンフォーム20とは反対側の第1の層31の目付量を100g/m以上とすることにより、第1の層31へのウレタンフォーム原料の含浸を効果的に防いで表皮材30の通気性を確保することができる。
さらに第1の層31は、繊維径5d以上にして表面の耐摩耗性を向上させるのが好ましい。なお、第1の層31と第2の層33は接着またはニードルパンチにより一体となっている。
前記防音材10は、200mm角×厚み20mmのサンプルをφ80mmの圧縮冶具に、試験スピード50mm/minで厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であるのが好ましく、より好ましくは650~1200Nである。防音材10の圧縮硬さが低すぎると、例えば乗員の足で防音材10の上面が押圧された場合に、押圧された部分が沈み込んで歩き難くなったり、姿勢が不安定になったりする。
前記防音材10の製造方法について、図2を用いて説明する。防音材10の製造は、金型40を用いるモールド成形によって行われる。金型40は、下型41と上型43とよりなり、下型41または上型43の何れか一方に表皮材30が取り付けられる。表皮材30は第1の層31を一方の型の型面に向け、第2の層33が型内を向くようにして取り付けられる。上型43に表皮材30が取り付けられる場合、上型43の型面には、表皮材30を取り外し可能に保持するための係止ピン等からなる係止手段が設けられる。
図示の例では、図2の(2-1)のように、上型43の型面に表皮材30を取り付ける。
なお、金型40の型面に表皮材30を取り付ける前に、金型40の型面には離型剤38が塗布される。離型剤38は、前記ポリウレタンフォーム20の音源側の表面をオープンセルにし易くするため、直鎖状炭化水素ワックスを含有するものが好ましい。直鎖状炭化水素ワックスとしては、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等が挙げられ、有機溶剤に分散させた溶剤系離型剤、乳化剤を用いて水に分散させた水系離型剤等が使用できる。
金型40の型面に離型剤38を塗布し、表皮材30を取り付けた後に、図2の(2-2)のように金型40にポリウレタンフォーム原料20aを混合して注入し、閉型して表皮材30の第2の層33と金型40の下型41の型面との間の成形空間でポリウレタンフォーム原料20aを発泡させる。
金型40に注入されたポリウレタンフォーム原料20aは、発泡によって、表皮材30の第2の層33と金型40の下型の型面間の成形空間に充満し、図2の(2-3)のように、表皮材30と一体にポリウレタンフォーム20を形成する。その際、ポリウレタンフォーム原料20aの一部は、表皮材30の第2の層33内に含浸して硬化し、ポリウレタンフォーム20との境界側に含浸層34を形成する。
その後、図3のように、上型43を下型41から離して金型40を開き、図1に示した、ポリウレタンフォーム20の片面に表皮材30が一体に成形された積層体からなる防音材10を取り出す。
図4及び図5の配合からなるポリウレタンフォーム原料を用い、図2及び図3に示した金型40を用いるモールド発泡方法により500mm角×厚み20mmの防音材を製造した。図4及び図5の配合における各成分の数値は重量部を示す。金型の加熱は温水により行い、下型41及び上型43を70℃に加熱した。離型剤は、スプレー塗布によって、直鎖状炭化水素ワックス(品名:URH-520、コニシ社製)を型面に10~30g/m塗布した。
実施例1~実施例5及び比較例1~比較例3は、表皮材を図2及び図3のように上型43の型面に取り付けて防音材を製造した。比較例4は、ポリウレタンフォームに代えて、材質:合成繊維、綿などを熱可塑性樹脂などで成形、目付量1200g/mのフェルトを用いた例である。
図4の配合を構成する各成分は次のとおりである。
・ポリオール-1:ポリエーテルポリオール、官能基数3.6、数平均分子量5500、水酸基価31.5mgKOH/g、EO率8%
・ポリオール-2:ポリマーポリオール、官能基数3、数平均分子量5000、水酸基価25mgKOH/g、EO率13%、固形分濃度30%
・発泡剤:水
・アミン触媒1:ジエタノールアミン
・アミン触媒2:脂肪族三級アミン組成物〔ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル/ ジプロピレングリコール〕
・整泡剤:有機変性シロキサン、品名;B8715LF2、EVONIC社
・添加剤:ポリエーテルポリオール、分子量5000、官能基数3、水酸基価34mgKOH、EO率70%
・イソシアネート1(ISO-1):ポリメリックMDI、NCO%31.5%
・イソシアネート2(ISO-2):4,4’-MDI/ウレタンプレポリマー=75~85/15~25で、NCO%26.5%、EO率10%
各実施例及び各比較例について、第2の層における含浸層の厚み、ポリウレタンフォームの外観、防音材の硬さ、ポリウレタンフォームの密度、含浸層を含む表皮材の通気量、残響室吸音率、ポリウレタンフォームの残響室吸音率、防音材の透過損失を算出あるいは測定により得た。
表皮材30における含浸層の厚みの測定は、500mm角×厚み20mmの防音材から走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子製)にて、倍率35倍で測定し、5点(最大と最小を含む)の平均より求めた。
ポリウレタンフォームの外観は、500mm角×厚み20mmの防音材のポリウレタンフォームの断面を目視で観察し、最大平均直径5mm以下のセルで構成され、5mmより大のボイドが無い場合「◎」、最大平均直径5mmより大きく18mm以下のボイドが存在する場合「〇」、最大平均直径18mmより大きいボイドが存在する場合「×」とした。最大平均直径は、長径と短径の平均値をいう。大きいボイドが存在する場合、その部分の硬さが大きく低下し、加圧時にその部分で沈み込みが大きくなる。
防音材の硬さの測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を200mm角×厚み20mmに裁断したサンプルを、表皮材が上面になるように設置し、φ80mmの圧縮治具によって圧縮スピード50mm/minで、変位量が厚みの80%(サンプルの変位量16mm、サンプルの残り厚み4mm)となるまで圧縮し、その際の25%圧縮時、50%圧縮時、75%圧縮時の荷重を測定値として読み取った。
防音材の硬さの評価は、50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが1000N以上の場合に「◎」、500N以上~1000N未満の場合に「〇」、500N未満の場合に「×」とした。
ポリウレタンフォームの密度の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を100mm角×厚み20mmに裁断して得られた裁断片から表皮材部分(含浸層が存在する場合は含浸層を含む表皮材部分)を除去し、残ったポリウレタンフォームからなるサンプルに対し、JIS K7222:2005に基づいて行った。
含浸層を含む表皮材の通気量の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を100mm角×厚み20mmに裁断して得られた裁断物から表皮材部分(含浸層が存在する場合は含浸層を含む表皮材部分)を切り取り、切り取った表皮材部分(含浸層が存在する場合は含浸層を含む表皮材部分)からなるサンプルに対し、含浸層を下側に設置して、JIS K6400-7B法:2012に基づいて測定した。
残響室吸音率の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材10を残響室(約30m)内の床面に敷き、表皮材の表面(非音源側表面)に対し、JIS A 1409に基づき行った。ここでサンプル同士、サンプルと冶具との隙間はすべてアルミテープにてシールした。残響室吸音率は、各周波数(500、630、800、1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000、5000、6300Hz)の吸音率の測定値を平均して得た平均吸音率を、残響室吸音率とした。防音材10の残響室吸音率は、含浸層を含む表皮材側の表面に対する平均吸音率である。
残響室吸音率の評価は65%以上の場合に「◎」、40%以上65%未満の場合に「〇」、40%未満の場合に「×」とした。
透過損失の測定は、JIS A1441-1:2007に基づいて行った。音源残響室は36m、受音無響室は20m、測定面積は400×400mm(0.16m)である。500mm角×厚み20mmの防音材の音源側であるポリウレタンフォーム表面に厚み0.8mmの鉄板(遮音材)と非音源側である表皮材に厚み1mmのゴムシート(遮音材)(1700g/m)を重ね、防音材の周囲を50mm幅の枠で固定した状態でさらに隙間を粘土でシールし、鉄板側を音源として音を入射させ、ゴムシートの表面から100mm離れた位置で中央分離散点4箇所(100mmピッチ)における1600Hzにおける数値を測定した。図4及び図5における
透過損失の「構成A」はウレタンフォームを鉄板に、すなわち表皮材をゴムシートに密着する構成であり、「構成B」は表皮材を鉄板に、すなわちウレタンフォームをゴムシートに密着する構成である。
透過損失の評価は44.2dB以上の場合に「◎」、42.2以上44.2dB未満の場合に「〇」、42.2dB未満の場合に「×」とした。
各実施例及び各比較例について総合評価を行った。総合評価は各評価のうち最低の評価とする。例えば、評価の全てが「◎」の場合に総合評価「◎」、少なくとも評価の1つが「〇」で残りが「◎」の場合に総合評価「〇」、少なくとも評価の1つが「△」で残りが「〇」あるいは「◎」の場合に総合評価「△」、少なくとも評価の1つが「×」で残りが「△」または「〇」あるいは「◎」の場合に総合評価「×」になる。
実施例1は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を5.10重量部、アミン触媒-1を2.71重量部、アミン触媒-2を0.39重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を0重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=22:78、イソシアネートインデックスを105、ポリウレタンフォームのEO率を9.20%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として第1の層が6dのPET繊維、目付量150g/m、第2の層が3dのPET繊維、目付量100g/m、アクリル酸エステル樹脂が50g/m含浸したものからなり、全体目付量が300g/mの表皮材を使用した。
実施例1の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1110N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が20.8cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が71%、評価「◎」、防音材の透過損失が「構成A」49.2dB、評価「◎」、総合評価「◎」であり、防音(吸音)性が良好であった。
実施例2は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を5.76重量部、アミン触媒-1を3.06重量部、アミン触媒-2を0.45重量部、整泡剤を0.31重量部、添加剤を2.27重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=22:78、イソシアネートインデックス105、ポリウレタンフォームのEO率を9.65%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
実施例2の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1400N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が11.7cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が65%、評価「◎」、防音材の透過損失が「構成A」47.2dB、評価「◎」、総合評価「◎」であり、防音(吸音)性が良好であった。
実施例3は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を5.88重量部、アミン触媒-1を3.13重量部、アミン触媒-2を0.45重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を9.84重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=0:100、イソシアネートインデックス105、ポリウレタンフォームのEO率を12.56%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
実施例3の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「〇」、防音材の50%圧縮時の硬さが650N、評価「〇」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が72cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が73%、評価「◎」、防音材の透過損失が「構成A」50.2dB、評価「◎」、総合評価「〇」であり、ポリウレタンフォームの外観が他の実施例よりも劣っていたが、防音(吸音)性は良好であった。
実施例4は、ポリオール-1を0重量部、ポリオール2を100重量部、発泡剤を6.41重量部、アミン触媒-1を3.33重量部、アミン触媒-2を0.37重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を2.47重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=0:100、イソシアネートインデックス120、ポリウレタンフォームのEO率を11.26%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
実施例4の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1024N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が8.23cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が59%、評価「〇」、防音材の透過損失が「構成A」44.2dB、評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(吸音)性が良好であった。
実施例5は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を5.10重量部、アミン触媒-1を2.71重量部、アミン触媒-2を0.39重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を0重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=22:78、イソシアネートインデックス105、ポリウレタンフォームのEO率を9.20%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
実施例5の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1110N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が20.8cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が71%、評価「◎」、防音材の透過損失の音源側と非音源側を反対向きにセットし、表皮材側に音源を配置した透過損失が「構成B」47.2dB、評価「◎」、総合評価「◎」であり、防音(吸音)性が良好であった。
比較例1は、実施例1~3の表皮材における第2の層のポリウレタンフォーム側となる表面に、厚み0.03mmのポリエチレンテレフタレート樹脂からなる樹脂フィルムをアクリル系のウレタン接着剤で接着したこと以外は、第1実施例と同様の構成からなる。
比較例1の結果は、含浸層がなし(厚みが0mm)、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1230N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、表皮材の通気量が0cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が30%、評価「×」、防音材の透過損失が「構成A」41.2dB、評価「×」、総合評価「×」であった。比較例1は、表皮材の第2の層に樹脂フィルムが積層されているため、表皮材に含浸層及び通気性が無く、表皮材の残響室吸音率が低く、防音材の防音(吸音)性が実施例1~3と比べて劣っていた。
比較例2は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を4.35重量部、アミン触媒-1を2.50重量部、アミン触媒-2を0.37重量部、整泡剤を0.50重量部、添加剤を1.85重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=100:0、イソシアネートインデックス105、ポリウレタンフォームのEO率を6.58%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
比較例2の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「◎」、防音材の50%圧縮時の硬さが1280N、評価「◎」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が2.61cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が34%、評価「×」、防音材の透過損失が「構成A」39.2dB、評価「×」、総合評価「×」であった。比較例2は、イソシアネートをISO1の100%としたことにより、ポリウレタンフォームのEO率が6.58%と低くなり、含浸層を含む表皮材の通気量が2.61cc/cm/secと極端に少なくなり、含浸層を含む表皮材及びポリウレタンフォームの残響室吸音率と防音材の透過損失が小さく、防音材の防音(吸音)性が実施例1~3と比べて劣っていた。
比較例3は、ポリオール-1を30重量部、ポリオール2を70重量部、発泡剤を6.73重量部、アミン触媒-1を3.13重量部、アミン触媒-2を0.51重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を25.46重量部、イソシアネートをISO-1:ISO-2=0:100、イソシアネートインデックス105、ポリウレタンフォームのEO率を15.5%としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1と同じ構成の表皮材を使用した例である。
比較例3の結果は、含浸層の厚みが0.5mm、ポリウレタンフォームの外観が「×」、防音材の50%圧縮時の硬さが600N、評価「△」、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、含浸層を含む表皮材の通気量が93cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が40%、評価「〇」、防音材の透過損失が「構成A」42.2dB、評価「〇」、総合評価「×」であった。比較例3は、イソシアネートをISO2の100%としたことにより、防音材の硬さが低くなり、一方、ポリウレタンフォームのEO率が15.5%と大になり、かつ含浸層を含む表皮材の通気量が93cc/cm/secと大きくなり、含浸層を含む表皮材及びポリウレタンフォームの残響室吸音率と防音材の透過損失が小さく、防音材の防音(吸音)性が実施例1~3と比べて劣っていた。
比較例4は、ポリウレタンフォームに代えてフェルトを使用し、実施例1と同様の表皮材の第2の層に積層した例である。
比較例4の結果は、表皮材の含浸層が無く、防音材の50%圧縮時の硬さが62N、評価「×」、フェルトの密度が55kg/m、表皮材の通気量が106cc/cm/sec、防音材の残響室吸音率が84%、評価「◎」、防音材の透過損失が「構成A」48.2dB、評価「◎」、総合評価「×」であった。比較例4は、ポリウレタンフォームに代えてフェルトを使用したことにより、防音材の硬さが62Nと極端に小さくなり、押圧による沈み込みが大きく、フロアサイレンサー等として使用された場合に乗員の足が防音材に埋まって動きにくく、かつ姿勢が不安定になる。
このように、本発明の防音材は防音(吸音)性が高く、車両のフロアサイレンサーなどの車両用防音材に限られず、例えば建物、産業機械、家電等の防音材として好適である。
10 防音材
20 ポリウレタンフォーム(吸音材)
20a ポリウレタンフォーム原料
30 表皮材(吸音材)
31 第1の層
33 第2の層
34 含浸層
40 金型
41 下型
43 上型
38 離型剤

Claims (6)

  1. ポリウレタンフォームの片面に表皮材が一体に成形された防音材において、
    前記ポリウレタンフォームは、ポリウレタンフォーム原料から得られた発泡体であって、前記表皮材とは反対の面がオープンセルであり、
    前記表皮材は、前記ポリウレタンフォームとの一体側に前記ポリウレタンフォーム原料が含浸して硬化した含浸層を有し、
    前記含浸層を含む前記表皮材のJIS K6400-7B法:2012年に基づく通気量が5~80cc/cm/secであることを特徴とする防音材。
  2. 前記表皮材は、繊維集合体からなることを特徴とする請求項1に記載の防音材。
  3. 前記防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルをφ80mmの圧縮冶具に、試験スピード50mm/minで厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であることを特徴とする請求項1または2に記載の防音材。
  4. 前記防音材は、JIS A1409に基づいて測定した残響室吸音率が40%以上であることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の防音材。
  5. 前記防音材は、JIS A1441-1:2007に基づいて測定した1600Hzの透過損失が42.2dB以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の防音材。
  6. 前記防音材は、両面に遮音材を有する2重壁の間にあることを特徴とする請求項1から5の何れか一項に記載の防音材。
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