JP2021194878A - 防音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】表皮一体成形後に表皮とは反対のポリウレタンフォーム側へ曲がった状態を、車両等の床面に載置された際に解消して、床面にポリウレタンフォームが密着できるようにし、それによって良好な防音性(制振性を含む)が得られる防音材の提供を目的とする。【解決手段】ポリウレタンフォーム20の片面に表皮材30が一体に成形された防音材10において、防音材10は、200mm角×厚み20mmのサンプルを、φ80mmの圧縮冶具により、試験スピード50mm/minでサンプル厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であり、ポリウレタンフォーム20は、表皮材30とは反対側の表面から表皮材30側へスリット25が形成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、防音材に関する。
従来、例えば車両のフロアに載置されるフロアサイレンサー等として使用される防音材として、表皮材の裏面にポリウレタンフォームが発泡成形された表皮一体ポリウレタンフォームからなるものがある。
下記の特許文献1には、カーペットの裏面にスキンレスのウレタン樹脂発泡体からなる衝撃材が一体成形された自動車用フロアカーペットが記載されている。
また、下記の特許文献2には、表皮の裏面に通気性が3.0ft/分以上で、フォーム層の硬さが8kg/314cm以下(25%ILD)のポリウレタンフォームが一体成形された表皮一体ポリウレタンフォームモールド品からなる防音材が記載されている。
特開平10−71884号 特開平11−5499号公報
しかし、特許文献1及び特許文献2に示されている表皮一体ポリウレタンフォームからなる自動車用フロアカーペットなどの防音材は、表皮材と一体成形されたポリウレタンフォームが、表皮一体成形後の自然冷却で収縮する。その際、ポリウレタンフォームは、片面が表皮材に固定されているため、表皮材側については収縮が阻害され、表皮材30とは反対側で主に収縮する。その収縮によって、図10の(10−1)に示す従来の防音材80のように、表皮材81とは反対のポリウレタンフォーム83側へ曲がることになる。符号84は、ポリウレタンフォーム83において、表皮材81とは反対側の表面である。
ポリウレタンフォーム83側へ曲がった防音材80は、ポリウレタンフォーム83の表面84が自動車等の床面90に載置されると、図10の(10−2)に示すように、ポリウレタンフォーム83の表面84と床面90との間に、ポリウレタンフォーム83の曲がりによる隙間95が発生して、ポリウレタンフォーム83が床面90に密着できなくなり、ポリウレタンフォーム83と床面90との密着により得られるはずの防音性(制振性を含む)が得られない問題がある。
本発明は前記の点に鑑みなされたものであり、表皮一体ポリウレタンフォームからなる防音材であって、表皮一体成形後に生じた、表皮材とは反対のポリウレタンフォーム側へ曲がった状態を、防音材が自動車等の床面に載置された際に解消し、自動車等の床面とポリウレタンフォームとが密着して良好な防音性(制振性を含む)が得られる防音材の提供を目的とする。
請求項1の発明は、ポリウレタンフォームの片面に表皮材が一体に成形された防音材において、前記防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルを、φ80mmの圧縮冶具により、試験スピード50mm/minでサンプル厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であり、前記ポリウレタンフォームは、前記表皮材とは反対側の表面から表皮材側へスリットが形成されていることを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1において、前記表皮材は、繊維集合体からなることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1または2において、前記表皮材は、前記ポリウレタンフォームとの境界部分にポリウレタンフォーム原料の含浸硬化層が形成されており、前記スリットは、前記含浸硬化層の位置まで形成されていることを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項1から3の何れか一項において、前記含浸硬化層を含む表皮材のJIS K6400−7B法:2012年に基づく通気量(1)が、5〜80cc/cm/secであることを特徴とする。
請求項5の発明は、請求項1から4の何れか一項において、防音材の損失係数比が、損失係数比=(両面テープ貼り合わせなしの損失係数)/(全面に両面テープを貼り合わせした損失係数)とした場合に、0.6以上であることを特徴とする。
本発明の防音材は、表皮一体成形後にポリウレタンフォームの収縮によって、表皮材とは反対側のポリウレタンフォーム側へ屈曲する。
しかし、本発明の防音材は、ポリウレタンフォームに表皮材とは反対側の表面から表皮材側へスリットが形成されているため、防音材が自動車等の床面等に載置された際に、防音材の重み、あるいは防音材の上に載置されたマットの重み及び防音材の重みによって、防音材が床面等に押し付けられ、それによって表皮材とは反対のポリウレタンフォームの表面側でスリットが拡開し、表皮材とは反対のポリウレタンフォームの表面側が外方へ拡がって平らになる。それにより、防音材のポリウレタンフォームが床面等に密着することができ、良好な防音効果(制振効果を含む)が得られる。
また、本発明の防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルを、φ80mmの圧縮冶具により、試験スピード50mm/minでサンプル厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であるため、比較的硬い。そのため、本発明におけるスリットがポリウレタンフォームに形成されていない場合、防音材の重み、あるいは防音材の上に載置されたマットの重み及び防音材の重みでは、ポリウレタンフォームが平らにならず、ポリウレタンフォームと床面等との間に隙間を生じ、良好な防音効果が得られない。また、本発明の防音材は、前記の硬さを有するため、防音材上に乗員などが乗った際に足が埋もれることがなく、安定した動きがとれる。
本発明の一実施形態の防音材についてスリットが拡開した状態の裏面側斜視図である。 図1のA−A及びB−B断面図である。 図1の防音材における使用例を示す断面図である。 他の実施形態の防音材についてスリットが拡開した状態の裏面側斜視図である。 図4のC−C断面図である。 防音材の表皮一体成形における途中までの工程を示す断面図である。 防音材の表皮一体成形における残りの工程を示す断面図である。 防音材の製造におけるスリットの形成工程を示す断面図である。 実施例及び比較例の配合、構成、物性値を示す表である。 従来の防音材の問題を示す断面図である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1及び図2に示す実施形態の防音材10は、ポリウレタンフォーム20の片面に表皮材30が一体に成形された表皮一体ポリウレタンフォームからなる。防音材10は、例えば、自動車等の床面に載置されるカーペット等として好適なものであり、ポリウレタンフォーム20における表皮材30とは反対側の表面21が自動車等の床面に載置される。
ポリウレタンフォーム20は、ポリウレタンフォーム原料から得られる発泡体であって、表皮材30とは反対側の表面21から表皮材30側へ、スリット加工によってスリット25が形成されている。
また、ポリウレタンフォーム20は、密度(JIS K7222:2005)30〜95kg/m、厚み1〜40mmが好ましい。ポリウレタンフォーム20の密度が小さ過ぎると硬さが低くなりすぎ、逆に密度が大になると重くなる。またポリウレタンフォーム20が薄くなりすぎると、表皮一体成形に用いる金型の成形空間(キャビティ)における上下面間隔が狭くなってポリウレタンフォーム原料が充填できなくなるため、ウレタンフォームを成形できなくなり、逆に厚くなると防音材10が嵩張り、且つ重くなる。
ポリウレタンフォーム原料は、少なくともポリオール成分、触媒、発泡剤、イソシアネートを含む。
ポリオール成分は、ポリエーテルポリオールとポリマーポリオールを含むもの、あるいはポリマーポリオール単独からなるものが好ましい。
ポリエーテルポリオールは、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコール、またはその多価アルコールにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加したポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリエーテルポリオールとしては、官能基数2〜8、水酸基価20〜168mgKOH/g、数平均分子量168〜20000のポリエーテルポリオールが好ましい。ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、5〜90%が好ましい。ポリエーテルポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、1つの原料組成単位の全量を100重量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率である。
ポリマーポリオールは、ポリエーテルポリオール中でエチレン性不活性化合物を重合させて得られるものである。ポリマーポリオールをポリオール成分に含むことにより、通気性の向上と硬さの向上の効果が得られる。
ポリマーポリオールとしては、官能基数3〜8、水酸基価20〜60mgKOH/g、数平均分子量2000〜8000が好ましい。ポリマーポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、3〜50%が好ましい。ポリマーポリオールのエチレンオキサイド含有率(EO率)は、1つの原料組成単位の全量を100重量%とした場合のエチレンオキサイド単位の含有率である。
ポリール成分中におけるポリマーポリオールの重量割合は20〜100%が好ましく、より好ましくは50〜100%であり、残りの割合がポリエーテルポリオールである。
触媒は、ポリウレタンフォーム用として公知のものを用いることができる。例えば、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン、ジエタノールアミン、ジメチルアミノモルフォリン、N−エチルモルホリン、テトラメチルグアニジン、イミダゾール系化合物等のアミン触媒や、スタナスオクトエートやジブチルチンジラウレート等の錫触媒やフェニル水銀プロピオン酸塩あるいはオクテン酸鉛等の金属触媒(有機金属触媒とも称される。)を挙げることができる。触媒は複数を組み合わせて使用してもよい。触媒の一般的な量は、ポリオール成分100重量部に対して0.2〜4重量部程度である。
発泡剤は、特に限定されないが、水が好適である。発泡剤としての水の量は、ポリオール成分100重量部に対して2〜10重量部程度が好適である。さらに3〜7重量部がより好適である。
イソシアネートは、芳香族系、脂環式、脂肪族系の何れでもよく、また、1分子中に2個のイソシアネート基を有する2官能のイソシアネートであっても、あるいは1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する3官能以上のイソシアネートであってもよく、それらを単独であるいは複数組み合わせて使用してもよい。
例えば、2官能のイソシアネートとしては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシネート、p−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェニレンジイソネート、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ビフェニレンジイソシアネートなどの芳香族系のもの、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネート、メチルシクロヘキサンジイソシアネートなどの脂環式のもの、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、リジンイソシアネートなどの脂肪族系のものを挙げることができる。
また、3官能以上のイソシアネートとしては、1−メチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、1,3,5−トリメチルベンゾール−2,4,6−トリイソシアネート、ビフェニル−2,4,4’−トリイソシアネート、ジフェニルメタン−2,4,4’−トリイソシアネート、メチルジフェニルメタン−4,6,4’−トリイソシアネート、4,4’−ジメチルジフェニルメタン−2,2’,5,5’テトライソシアネート、トリフェニルメタン−4,4’,4”−トリイソシアネート、ポリメリックMDI等を挙げることができる。なお、その他ウレタンプレポリマーも使用することができる。また、イソシアネートは、それぞれ一種類に限られず一種類以上であってもよい。例えば、脂肪族系イソシアネートの一種類と芳香族系イソシアネートの二種類を用いたり、芳香族系イソシアネートとウレタンプレポリマーの二種類を用いたり、三種類以上のイソシアネートを用いたりしてもよい。イソシアネートインデックスは、90〜130が好ましく、95〜120がより好ましい。イソシアネートインデックスは、ポリウレタンの分野で使用される指数であって、原料中の活性水素基(例えばポリオール類の水酸基及び発泡剤としての水等の活性水素基等に含まれる活性水素基)に対するイソシアネートのイソシアネート基の当量比を百分率で表した数値である。
前記ポリオール成分には、適宜含まれる成分として、整泡剤と添加剤が挙げられる。
整泡剤は、ポリウレタンフォームに用いられるものであればよく、シリコーン系整泡剤、含フッ素化合物系整泡剤および公知の界面活性剤を挙げることができる。整泡剤の配合量は、ポリオール成分100重量部に対して0〜2重量部が好ましい。
添加剤は、連通化剤、架橋剤、顔料、充填材(フィラー)、難燃剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤等を挙げることができる。
連通化剤としては、EO付加比率の高いポリエーテルポリオール、ポリエチレングリコール、通気性を高くする(破泡性を有する)シリコーン整泡剤等を挙げることができる。連通化剤を配合する場合、連通化剤の量は、ポリオール100重量部に対して0.5〜20重量部が好ましい。連通化剤は、一種に限られず、二種以上を使用してもよい。
架橋剤としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,4−ブタントリオール、2−メチル−2,3,4−ブタントリオール、トリエタノールアミン、ペンタエリスリトール等を挙げることができ、一種または複数併用してもよい。好ましい架橋剤は、官能基数2〜4、分子量92〜136、水酸基価1066〜1826mgKOH/gの架橋剤として、グリセリン、ペンタエリスリトール、ジエタノールアミン等を挙げることができ、一種または複数併用してもよい。
架橋剤を配合する場合、架橋剤の量は、ポリオール成分100重量部に対して1〜6重量部が好ましい。架橋剤は、エチレンオキサイド含有率(EO率)が0%より大のものでもよい。例えば、エチレンジアミン系(官能基数:4、分子量:280、水酸基価800mgKOH/g、EO率40%)、トリメチロールプロパン系(官能基:3、分子量:183、水酸基価920mgKOH/g、EO率50%)等である。
顔料としては、カーボンブラック、酸化チタン等を挙げることができる。
充填材(フィラー)としては、黒鉛、アルミナ、メラミン等を挙げることができる。
難燃剤としては、具体的には、例えば、デガブロムジフェニルエーテル、オクタブロムジフェニルエーテルなどのハロゲン化ジフェニルエーテル、例えば、ハロゲン化ポリカーボネートなどのハロゲン化合物、例えば、三酸化アンチモン、四酸化アンチモン、五酸化アンチモン、ピロアンチモン酸ソーダ、水酸化アルミニウムなどの無機化合物、トリアジン環含有化合物、金属水酸化物、リン酸エステル系難燃剤、縮合リン酸エステル系難燃剤、ホスフェート系難燃剤、無機リン系難燃剤、ジアルキルホスフィン酸塩、シリコーン系難燃剤、金属酸化物、ホウ酸化合物、膨張性黒鉛等を挙げることができる。
酸化防止剤としては、ナフチルアミン系、ジフェニルアミン系、p−フェニルジアミン系、キノリン系、ヒドロキノン誘導体、モノフェノール系、チオビスフェノール系、ヒンダートフェノール系、亜リン酸エステル系等を挙げることができる。
紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−オクトキシベンゾフェノン、5,5’−メチレンビス(2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン)等の2−ヒドロキシベンゾフェノン類;2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ第三ブチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−5’−第三オクチルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジクミルフェニル)ベンゾトリアゾ−ル、2,2’−メチレンビス(4−第三オクチル−6−(ベンゾトリアゾリル)フェノール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’−第三ブチル−5’−カルボキシフェニル)ベンゾトリアゾール等の2−(2’−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール類;フェニルサリシレート、レゾルシノールモノベンゾエート、2,4−ジ第三ブチルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、2,4−ジ第三アミルフェニル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート、ヘキサデシル−3,5−ジ第三ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート類;2−エチル−2’−エトキシオキザニリド、2−エトキシ−4’−ドデシルオキザニリド等の置換オキザニリド類;エチル−α−シアノ−β、β−ジフェニルアクリレート、メチル−2−シアノ−3−メチル−3−(p−メトキシフェニル)アクリレート等のシアノアクリレート類;2−(2−ヒドロキシ−4−オクトキシフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4,6−ジフェニル−s−トリアジン、2−(2−ヒドロキシ−4−プロポキシ−5−メチルフェニル)−4,6−ビス(2,4−ジ第三ブチルフェニル)−s−トリアジン等のトリアリールトリアジン類が挙げられる。
ポリウレタンフォーム20に形成されているスリット25は、表皮材30と一体成形されたポリウレタンフォーム20が、表皮一体成形後の自然冷却により表皮材30とは反対側へ曲がった状態を解消するために設けられている。
スリット25による防音材10の曲げ解消は、図3に示すように防音材10が自動車等の床面37にポリウレタンフォーム20の側を向けて載置された際に、防音材10の重みにより、あるいは防音材10の上に載置されるマット39の重みと防音材10の重みとによって、防音材10が床面37へ押し付けられることにより、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21側でスリット25が拡開し、ポリウレタンフォーム20を曲がった状態から平らにすることによる。
曲げの解消について、さらに詳述する。ポリウレタンフォーム20は、表皮材30側が表皮材30に固着されているため、表皮材30側ではスリット25の拡開が阻止、あるいは拡開が僅かとなる。一方、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21は、表皮材30等に固着されてなく開放されているため、表皮材30側よりも表皮材30とは反対の表面21側でスリット25の拡開が大になる。それによって、ポリウレタンフォーム20は、表皮材30とは反対の表面21側が外方へ拡がって前記ポリウレタンフォーム20の曲げが解消される。
スリット25は、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21から、ポリウレタンフォーム20を貫通して表皮材30との境界部分まで形成されるのが、前記スリット25の拡開を良好とするために好ましい。なお、スリット25が、ポリウレタンフォーム20の途中までしか形成されていない場合、スリット25の拡開時、ポリウレタンフォーム25の内部でスリット25の端の部分から裂ける(破れる)おそれがある。
スリットの態様は、図1及び図2に示した防音材10における格子状のスリット25、あるいは図4及び図5に示す防音材100における平行状のスリット250、あるいはその他の態様であってもよい。特に図1及び図2に示した格子状のスリット25の場合、図4及び図5に示す平行状のスリット250の場合と比べて、防音材10の曲げ解消をより効果的に行うことができる。図4における符号200はポリウレタンフォーム、300は表皮材、310は表皮材30における第1の層、330は表皮材における第2の層、340は含浸硬化層である。また、符号210は、ポリウレタフォーム200において、表皮材300とは反対側の表面である。なお、第1の層、第2の層及び含浸硬化層については後述する。
スリット25とスリット25の間隔は、適宜決定されるが、例えば5〜150mmを挙げる。より好ましくは、10〜100mmである。
防音材10は、ポリウレタンフォーム20の曲げが解消されることにより、床面37にポリウレタンフォーム20が密着し、良好な防音性(制振性を含む)を発揮する。
表皮材30は、不織布、フェルトなどの繊維集合体が挙げられ、特にフェルトが軽量性、防音(吸音)性の点から好ましい。表皮材30には、ポリウレタンフォーム20との境界部分にポリウレタンフォーム原料の含浸硬化層34が形成されている。
含浸硬化層34は、ポリウレタンフォーム20と表皮材30の表皮一体成形時に、ポリウレタンフォーム20を発泡形成するためのポリウレタンフォーム原料が、ポリウレタンフォーム20との境界部分で表皮材30に含浸し、硬化することにより形成される。含浸硬化層34によって、ポリウレタンフォーム20の表皮材30側の伸びが抑えられ、スリット25の拡開を、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21側で、表皮材30側よりも大にすることができ、前記ポリウレタンフォーム20の曲げ解消を効果的に行うことができるようになる。
表皮材30は、一層からなるものあるいは複数の層の積層体からなるものの何れであってもよい。
実施形態の表皮材30は、第1の層31と第2の層33で構成される2層の不織布シートからなる。第1の層31がポリレタンフォーム20とは反対を向く側とされ、一方、第2の層33がポリウレタンフォーム20を向く側とされる。
第1の層31と第2の層33の何れか一方の層は、2〜4dの繊維径からなる目付90g/m以上、好ましくは目付90g/m以上500g/m以下であり、他方の層は目付100g/m以上、好ましくは目付100g/m以上500g/m以下である。このように表皮材30を構成すると、一方の層が細い繊維が密になっているため、表皮材に30に含浸した粘性のあるポリウレタンフォーム原料が、表皮材30から染み出し難くなる。前記2層のうち何れか一方の層にはアクリル酸エステル系樹脂が35g/m以上、好ましくは35g/m以上100g/m以下含浸している。アクリル酸エステル系樹脂が含浸した層は、繊維間がアクリル酸エステル系樹脂で充填され、ポリウレタンフォーム原料が表皮材30を通過し難くなり、ポリウレタンフォーム原料が、さらに染み出し難くなる。なお、アクリル酸エステル系樹脂の表皮材30への含浸は、アクリル酸エステル系樹脂のエマルジョンを表皮材30の表面に塗布したり、アクリル酸エステル系樹脂のパウダーを表皮材30の表面に散布して熱ローラーや熱風を当てたりすることにより行うことができる。
第1の層31と第2の層33の目付量及びアクリル酸エステル樹脂の含浸を調整することにより、含浸硬化層34を含む表皮材30のJIS K6400−7B法:2012に基づく通気量(1)を、5〜80cc/cm/secにすることができる。含浸硬化層34を含む表皮材30のJIS K6400−7B法:2012に基づく通気量(1)を、5〜80cc/cm/secにすることにより、防音材10の防音(吸音)性を良好なものにできる。
表皮材30のより好ましい態様は、ポリウレタンフォーム20側となる第2の層33が、2〜4dの繊維径からなる目付90g/m以上からなり、かつアクリル酸エステル系樹脂を35g/m以上含浸させた態様である。この態様で表皮材30を構成すると、防音材10の製造時にポリウレタンフォーム原料と接する第2の層33が、細い繊維が密になっており、さらにアクリル酸エステル系樹脂が35g/m以上含浸しているため、ポリウレタンフォーム原料が第2の層33に含浸する(しみ込む)量を過剰とならないように制限することができる。また、第2の層33におけるポリウレタンフォーム20と接する部分に形成される、ポリウレタンフォーム原料の含浸・硬化による含浸硬化層34は、第2の層33への原料の浸透が抑制できる。
ポリウレタンフォーム20とは反対側の第1の層31の目付量を100g/m以上とすることにより、第1の層31へのウレタンフォーム原料の含浸を効果的に防いで表皮材30の通気性を確保することができる。
さらに第1の層31は、繊維径5d以上にして表面の耐摩耗性を向上させるのが好ましい。なお、第1の層31と第2の層33は接着またはニードルパンチにより一体となっている。
防音材10は、200mm角×厚み20mmのサンプルをφ80mmの圧縮冶具に、試験スピード50mm/minで厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であるのが好ましく、より好ましくは650〜1200Nである。防音材10の圧縮硬さが低すぎると、例えば乗員の足で防音材10の上面が押圧された場合に、押圧された部分が沈み込んで歩き難くなったり、姿勢が不安定になったりする。
前記防音材10の製造方法について、前記二層の表皮材30を用いる例について、図6〜図8を用いて説明する。防音材10の製造は、金型40を用いるモールド成形によって行うことができる。金型40は、下型41と上型43とよりなり、下型41または上型43の何れか一方に表皮材30が取り付けられる。表皮材30は第1の層31を一方の型の型面に向け、第2の層33が型内を向くようにして取り付けられる。上型43に表皮材30が取り付けられる場合、上型43の型面には、表皮材30を取り外し可能に保持するための係止ピン等からなる係止手段が設けられる。
図示の例では、図6の(6−1)のように、上型43の型面に表皮材30を取り付ける。
なお、金型40の型面に表皮材30を取り付ける前に、金型40の型面には離型剤38が塗布される。離型剤38は、前記ポリウレタンフォーム20の床面側(音源側)の表面をオープンセルにし易くするため、直鎖状炭化水素ワックスを含有するものが好ましい。前記ポリウレタンフォーム20の床面側(音源側)の表面をオープンセルにすることにより、防音性(吸音性)を、より高めることができる。
直鎖状炭化水素ワックスとしては、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、サゾールワックス等が挙げられ、有機溶剤に分散させた溶剤系離型剤、乳化剤を用いて水に分散させた水系離型剤等が使用できる。
金型40の型面に離型剤38を塗布し、表皮材30を取り付けた後に、図6の(6−2)のように金型40にポリウレタンフォーム原料20aを混合して注入し、閉型して表皮材30の第2の層33と金型40の下型41の型面との間の成形空間でポリウレタンフォーム原料20aを発泡させる。
金型40に注入されたポリウレタンフォーム原料20aは、発泡によって、表皮材30の第2の層33と金型40の下型の型面間の成形空間に充満し、図6の(6−3)のように、表皮材30と一体にポリウレタンフォーム20を形成する。その際、ポリウレタンフォーム原料20aの一部は、表皮材30の第2の層33内に含浸して硬化し、ポリウレタンフォーム20との境界部分に含浸硬化層34を形成する。
その後、図7のように、上型43を下型41から離して金型40を開き、図1に示した、ポリウレタンフォーム20の片面に表皮材30が一体に成形された表皮一体成形体10Aを取り出す。
その後、図8のように、表皮一体成形体10Aに対して、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21に、スリット加工により前記スリット25を形成する。符号51は下盤、53は押型、55は押型53に下向きに設けられているスリット形成刃である。スリット加工は、表皮一体成形体10Aにおける表皮材30を下盤51へ向け、表皮材30とは反対側のポリウレタンフォーム20の表面21を押型55へ向けて、前記ポリウレタンフォーム20を下盤51の上面に載置し、ポリウレタンフォーム20の上方に位置する押型53を下降させ、スリット形成刃55をポリウレタンフォーム20の表面21に挿入して前記スリット25を形成し、それによって、前記防音材10を得る。
図9の配合からなるポリウレタンフォーム原料を用い、図6〜図7に示した金型40を用いるモールド成形法により500mm角×厚み20mmの表皮一体成形体を形成し、その後、図8に示したスリット加工により、格子状のスリットをポリウレタンフォームに貫通させて含浸硬化層と当たるまで形成して実施例1〜実施例10の防音材を得た。スリットの間隔は、100mmである。なお、比較例1〜比較例4はスリット加工を行わず、スリットなしとした。
図9の配合における各成分の数値は重量部を示す。金型の加熱は温水により行い、下型41及び上型43を70℃に加熱した。離型剤は、スプレー塗布によって、直鎖状炭化水素ワックス(品名:URH−520、コニシ社製)を型面に10〜30g/m塗布した。
図9の配合を構成する各成分は次のとおりである。
・ポリオール−1:ポリエーテルポリオール、官能基数3.6、数平均分子量5500、水酸基価31.5mgKOH/g、EO率15%
・ポリオール−2:ポリエーテルポリオール、官能基数3、数平均分子量5000、水酸基価34mgKOH/g、EO率14%
・ポリオール−3:ポリエーテルポリオール、官能基数3、数平均分子量7000、水酸基価26mgKOH/g、EO率14%
・ポリオール−4:ポリエーテルポリオール、官能基数3、数平均分子量700、水酸基価245mgKOH/g、EO率0%
・ポリオール−5:ポリマーポリオール、官能基数3、数平均分子量5000、水酸基価25mgKOH/g、EO率0%、固形分濃度32%
・ポリオール−6:ポリマーポリオール、官能基数3、数平均分子量3000、水酸基価31mgKOH/g、EO率40%、固形分濃度32%
・発泡剤:水
・アミン触媒1:ジエタノールアミン
・アミン触媒2:脂肪族三級アミン組成物〔ビス(2-ジメチルアミノエチル)エーテル/ ジプロピレングリコール〕
・アミン触媒3:DABCO 33LSI EVONIK社
・整泡剤:有機変性シロキサン、品名;B8715LF2、EVONIC社
・添加剤:ポリエーテルポリオール、分子量5000、官能基数3、水酸基価34mgKOH、EO率70%
・イソシアネート1(ISO−1):ポリメリックMDI、NCO%31.5%
・イソシアネート2(ISO−2):4,4’−MDI/ウレタンプレポリマー=75〜85/15〜25、NCO%26.5%
・イソシアネート3(ISO−3):クルードMDI、NCO%:31.7%
各実施例及び各比較例について、第2の層における含浸硬化層の厚み、防音材の硬さ、防音材の制振性、ポリウレタンフォームの密度、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)、残響室吸音率、ポリウレタンフォームの残響室吸音率、防音材の透過損失を算出あるいは測定により得た。
第2の層における含浸硬化層の厚みの測定は、500mm角×厚み20mmの防音材から走査型電子顕微鏡(SEM:日本電子製)にて、倍率35倍で測定し、5点(最大と最小を含む)の平均より求めた。
防音材の硬さの測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を200mm角×厚み20mmに裁断したサンプルを、表皮材が上面になるように設置し、φ80mmの圧縮治具によって圧縮スピード50mm/minで、変位量が厚みの80%(サンプルの変位量16mm、サンプルの残り厚み4mm)となるまで圧縮し、その際の25%圧縮時、50%圧縮時、75%圧縮時の荷重を測定値として読み取った。
防音材の硬さの評価は、50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが1000N以上の場合に「◎」、500N以上1000N未満の場合に「〇」、500未満の場合に「×」とした。
防音材の制振性(損失係数比)は、30×300mmの防音材のサンプルに対し、ポリウレタンフォーム下に厚み1mmの金属板(遮音材)と表皮材に厚み1mmのゴムシートを重ね、約650Hzにおける損失係数をJIS K 7391:2008に基づいて測定し、下記の式で制振性評価のための損失係数比を算出した。
損失計数比=(両面テープ貼り合わせなしの損失係数)/(全面に両面テープを貼り合わせした損失係数)
なお、「両面テープ貼りあわせなしの損失係数」とは、金属板を両面接着テープを用いること無くポリウレタンフォーム下に配置した状態で測定した損失係数である。一方、「全面に両面テープを貼りあわせした損失係数」は、金属板とポリウレタンフォームを貼りあわせ面の全面において両面接着テープで貼りあわせた状態で測定した損失係数である。
制振性(損失係数比)の評価は0.80以上の場合に「◎」、0.60以上0.80未満の場合に「〇」、0.40以上0.6未満の場合に「△」、0.40未満の場合に「×」とした。
ポリウレタンフォームの密度の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を100mm角×厚み20mmに裁断して得られた裁断片から表皮材部分(含浸硬化層が存在する場合は含浸硬化層を含む表皮材部分)を除去し、残ったポリウレタンフォームからなるサンプルに対し、JIS K7222:2005に基づいて行った。
ポリウレタンフォームのスキン層と中央層の通気量(2)、(3)の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を100mm角×厚み20mmに裁断して得られた裁断片から表皮材部分(含浸層が存在する場合は含浸層を含む表皮材部分)を除去し、スキン層(ウレタフォームの表面側)と中央層(厚みに対して中央部分)に分けるため、40mm角以上×厚み3mmにスライスしたサンプルに対し、表面側に近い面を下側にして、JIS K 6400−7B法:2012に基づいて測定した。この時、クランプ口径は、5cm(φ約25mm)を使用した。また、厚みを換算するため、次の式で通気量(2)、(3)を求めた。
計算通気量〔(cc/cm/sec)・mm〕=JIS測定通気量〔cc/cm/sec〕×測定部位の厚み〔mm〕
含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材を100mm角×厚み20mmに裁断して得られた裁断物から表皮材部分(含浸硬化層が存在する場合は含浸硬化層を含む表皮材部分)を切り取り、切り取った表皮材部分(含浸硬化層が存在する場合は含浸硬化層を含む表皮材部分)からなるサンプルに対し、含浸硬化層を下側に設置して、JIS K6400−7B法:2012に基づき、測定面積38cm〔φ約70mm〕を使用して測定した。
含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の測定は、500mm角×厚み20mmの防音材10を4枚残響室(約30m)内の床面に敷き、表皮材の表面(非音源側表面)に対し、JIS A 1409に基づき行った。ここでサンプル同士、サンプルと冶具との隙間はすべてアルミテープにてシールした。残響室吸音率は、各周波数(500、630、800、1000、1250、1600、2000、2500、3150、4000、5000、6300Hz)の吸音率の測定値を平均して得た平均吸音率を、残響室吸音率とした。防音材10の残響室吸音率は、含浸硬化層を含む表皮材側の表面に対する平均吸音率に相当する。
含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価は65%以上の場合に「◎」、50%以上65%未満の場合に「〇」、35%以上50%未満の場合に「△」、35%未満の場合に「×」とした。
防音材の透過損失の測定は、JIS A1441−1:2007に基づいて行った。音源残響室は36m、受音無響室は20m、測定面積は400×400mm(0.16m)である。500mm角×厚み20mmの防音材の床面側であるポリウレタンフォーム表面に厚み0.8mmの鉄板(遮音材)と表皮材に厚み1mmのゴムシート(遮音材)(1700g/m)を重ね、防音材の周囲を50mm幅の枠で固定した状態でさらに隙間を粘土でシールし、鉄板側を音源として音を入射させ、ゴムシートの表面から100mm離れた位置で中央分離散点4箇所(100mmピッチ)における1600Hzにおける数値を測定した。
透過損失の「構成A」はウレタンフォームを金属板に、すなわち表皮材をゴムシートに密着する構成であり、「構成B」は表皮材を金属板に、すなわちウレタンフォームをゴムシートに密着する構成である。
透過損失の評価は44.2dB以上の場合に「◎」、42.2dB以上で44.2dB未満の場合に「〇」、42.2dB未満の場合に「×」とした。
各実施例及び各比較例について総合評価を行った。総合評価は各評価のうち最低の評価とする。例えば、評価の全てが「◎」の場合に総合評価「◎」、少なくとも評価の1つが「〇」で残りが「◎」の場合に総合評価「〇」、少なくとも評価の1つが「△」で残りが「〇」あるいは「◎」の場合に総合評価「△」、少なくとも評価の1つが「×」で残りが「△」または「〇」あるいは「◎」の場合に総合評価「×」になる。
実施例1は、ポリオール−1(ポリエーテルポリオール)を30重量部、ポリオール6(ポリマーポリオール)を70重量部、発泡剤を5.10重量部、アミン触媒−1を2.71重量部、アミン触媒−2を0.39重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を0重量部、イソシアネートをISO−1:ISO−2=22:78、イソシアネートインデックスを105としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として第1の層が6dのPET繊維、目付量150g/m、第2の層が3dのPET繊維、目付量100g/m、アクリル酸エステル樹脂が50g/m含浸したものからなり、全体目付量が300g/mの表皮材を使用した。
実施例1の結果は、含浸硬化層の厚みが1mm、防音材の構成が表皮一体、スリットあり、防音材の25%圧縮時の硬さが570N、50%圧縮時の硬さが1110N、75%圧縮時の硬さが3100N、防音材の硬さの評価「◎」、防音材の制振性(ゴムシートの載置なしの損失係数比)が0.60、制振性の評価[〇]、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、ポリウレタンフォームの通気量はスキン層の通気量(2)が78(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が287(cc/cm/sec)・mm、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)が20.8cc/cm/sec、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が71%、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価「◎」、防音材の透過損失の構成が[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)、防音材の透過損失が49.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(制振、吸音)性が良好であった。
実施例2は、実施例1の防音材を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを一枚載置して防音材の制振性を測定した以外は、実施例1と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
実施例2の結果は、防音材の制振性の結果以外、実施例1と同様である。
実施例2は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.95、制振性の評価[◎]、総合評価[◎]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの実施例1よりもゴムシート載置ありの実施例2の方が良好である。この制振性の結果から、実施例2は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって防音材が、実施例1(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームのスリットが、表皮材とは反対側で実施例1(ゴムシート載置なし)よりも大きく拡開して、ポリウレタンフォームが表皮材とは反対側で実施例1(ゴムシート載置なし)よりも外方へ広がり、それにより防音材の曲げが解消され、実施例1よりも確実に金属板に密着していることが理解される。
実施例3は、実施例1における発泡剤を5.76重量部、アミン触媒−1を3.06重量部、アミン触媒−2を0.45重量部、整泡剤を0.31重量部、添加剤を2.27重量部とし、他を実施例1と同様とした。
実施例3の結果は、含浸硬化層の厚みが1mm、防音材の構成が表皮一体、スリットあり、防音材の25%圧縮時の硬さが700N、50%圧縮時の硬さが1400N、75%圧縮時の硬さが3900N、防音材の硬さの評価「◎」、防音材の制振性(ゴムシートの載置なしの損失係数比)が0.59、制振性の評価[〇]、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、ポリウレタンフォームの通気量は、スキン層の通気量(2)が39(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が70(cc/cm/sec)・mm、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)が11.7cc/cm/sec、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が65%、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価「◎」、防音材の透過損失の構成が[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)、防音材の透過損失が47.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(制振、吸音)性が良好であった。
実施例4は、実施例3の防音材を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを一枚載置して防音材の制振性を測定した以外は、実施例3と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
実施例4の結果は、防音材の制振性の結果以外、実施例3と同様である。
実施例4は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.93、制振性の評価[◎]、総合評価[◎]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの実施例3よりもゴムシート載置ありの実施例4の方が良好である。この制振性の結果から、実施例4は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって防音材が、実施例3(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームのスリットが、表皮材とは反対側で実施例3(ゴムシート載置なし)よりも大きく拡開して、ポリウレタンフォームが表皮材とは反対側で実施例3(ゴムシート載置なし)よりも外方へ広がり、それにより防音材の曲げが解消され、実施例3よりも確実に金属板に密着していることが理解される。
実施例5は、実施例1における発泡剤を5.88重量部、アミン触媒−1を3.13重量部、アミン触媒−2を0.45重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を9.84重量部、イソシアネートをISO−1:ISO−2=0:100とし、他を実施例1と同様とした。
実施例5の結果は、含浸硬化層の厚みが1mm、防音材の構成が表皮一体、スリットあり、防音材の25%圧縮時の硬さが375N、50%圧縮時の硬さが650N、75%圧縮時の硬さが1500N、防音材の硬さの評価「〇」、防音材の制振性(ゴムシートの載置なしの損失係数比)が0.64、制振性の評価[〇]、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、ポリウレタンフォームの通気量は、スキン層の通気量(2)が276(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が352(cc/cm/sec)・mm、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)が72cc/cm/sec、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が73%、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価「◎」、防音材の透過損失の構成が[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)、防音材の透過損失が50.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(制振、吸音)性が良好であった。
実施例6は、実施例5の防音材を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを一枚載置して防音材の制振性を測定した以外は、実施例5と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
実施例6の結果は、防音材の制振性の結果以外、実施例5と同様である。実施例6は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.96、制振性の評価[◎]、総合評価[◎]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの実施例5よりもゴムシート載置ありの実施例6の方が良好である。この制振性の結果から、実施例6は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって防音材が、実施例5(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームのスリットが、表皮材とは反対側で実施例5(ゴムシート載置なし)よりも大きく拡開して、ポリウレタンフォームが表皮材とは反対側で実施例5(ゴムシート載置なし)よりも外方へ広がり、それにより防音材の曲げが解消され、実施例5よりも確実に金属板に密着していることが理解される。
実施例7は、ポリオール6(ポリマーポリオール)を100重量部、発泡剤を6.41重量部、アミン触媒−1を3.33重量部、アミン触媒−2を0.37重量部、整泡剤を0重量部、添加剤を2.47重量部、イソシアネートをISO−1:ISO−2=0:100、イソシアネートインデックスを105としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として第1の層が6dのPET繊維、目付量150g/m、第2の層が3dのPET繊維、目付量100g/m、アクリル酸エステル樹脂が50g/m含浸したものからなり、全体目付量が300g/mの表皮材を使用した。
実施例7の結果は、含浸硬化層の厚みが1mm、防音材の構成が表皮一体、スリットあり、防音材の25%圧縮時の硬さが529N、50%圧縮時の硬さが1024N、75%圧縮時の硬さが3933N、防音材の硬さの評価「◎」、防音材の制振性(ゴムシートの載置なしの損失係数比)が0.62、制振性の評価[〇]、ポリウレタンフォームの密度が55kg/m、ポリウレタンフォームの通気量は、スキン層の通気量(2)が36(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が55(cc/cm/sec)・mm、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)が8.23cc/cm/sec、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が59%、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価「◎」、防音材の透過損失の構成が[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)、防音材の透過損失が44.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(制振、吸音)性が良好であった。
実施例8は、実施例7の防音材を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを一枚載置して防音材の制振性を測定した以外は、実施例7と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
実施例8の結果は、防音材の制振性の結果以外、実施例7と同様である。実施例8は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.95、制振性の評価[◎]、総合評価[◎]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの実施例7よりもゴムシート載置ありの実施例8の方が良好である。この制振性の結果から、実施例8は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって防音材が、実施例7(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームのスリットが、表皮材とは反対側で実施例7(ゴムシート載置なし)よりも大きく拡開して、ポリウレタンフォームが表皮材とは反対側で実施例7(ゴムシート載置なし)よりも外方へ広がり、それにより防音材の曲げが解消され、実施例7よりも確実に金属板に密着していることが理解される。
実施例9は、実施例1の防音材を使用し、防音材の透過損失の構成を[B](表皮材を金属板に密着させ、ウレタンフォームをゴムシートに密着させる構成)とした以外は、実施例1と同様である。
実施例9の結果は、防音材の制振性及び透過損失の結果以外、実施例1と同様である。実施例9は、防音材の制振性(ゴムシート載置なしの損失係数比)が0.62、制振性の評価[〇]、防音材の透過損失が47.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「〇」であり、防音(制振、吸音)性が良好であった。
実施例10は、実施例9(実施例1と同じ)の防音材を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを一枚載置して防音材の制振性を測定した以外は、実施例9と同様である。防音材の透過損失の構成は[B](表皮材を金属板に密着させ、ウレタンフォームをゴムシートに密着させる構成)である。
実施例10の結果は、防音材の制振性の結果以外、実施例9と同様である。実施例10は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.95、制振性の評価[◎]、総合評価[◎]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの実施例9よりもゴムシート載置ありの実施例10の方が良好である。この制振性の結果から、実施例10は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって防音材が、実施例9(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームのスリットが、表皮材とは反対側で実施例7(ゴムシート載置なし)よりも大きく拡開して、ポリウレタンフォームが表皮材とは反対側で実施例7(ゴムシート載置なし)よりも外方へ広がり、それにより防音材の曲げが解消され、実施例9よりも確実に金属板に密着していることが理解される。
実施例1〜10において、ポリウレタンフォーム(スキン層、中央層)の通気量(2)、(3)が大になると、防音材の透過損失の値が高くなる傾向があり、高い防音効果が得られるようになる。特に、ポリウレタンフォームのスキン層及び中央層の通気量(2)、(3)が何れも最も大の実施例5は、実施例1〜10の中で最も防音材の透過損失の値が高く、防音効果に優れるものである。
比較例1は、実施例1と同様のポリウレタンフォームに対してスリットを形成しなかったこと以外、実施例1と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
比較例1の結果は、防音材の制振性と、ポリウレタンフォームのスキン層の通気量(2)、中央増の通気量(3)、防音材の透過損失の結果以外、実施例1と同様である。比較例1は、防音材の制振性(ゴムシート載置なしの損失係数比)が0.29、制振性の評価[×]、ポリウレタンフォームのスキン層の通気量(2)が64(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が267(cc/cm/sec)・mm、防音材の透過損失が47.2dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価[×]である。防音材の制振性の結果が、スリットありの実施例1よりもスリットなしの比較例1の方が悪かった。比較例1はポリウレタンフォームにスリットが形成されていないため、防音材が、表皮一体成形後におけるポリウレタンフォームの収縮によってポリウレタンフォーム側へ曲がったままの状態で測定され、防音材のポリウレタンフォームが金属板に密着しないことにより、比較例1(スリットなし)の制振性は、実施例1(スリットあり)の制振性よりも悪くなる。
比較例2は、比較例1と同様の防音材(スリットなし)を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを載置して防音材の制振性を測定した以外は、比較例1と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
比較例2は、防音材の制振性の結果以外、比較例1と同様である。比較例2は、防音材の制振性(ゴムシート載置あり)が0.57、制振性の評価[△]、総合評価[△]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの比較例1よりもゴムシート載置ありの比較例2の方が良好である。比較例2は表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって、防音材が比較例1(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームと装置との接触面積が比較例1(ゴムシート載置なし)よりも大になって制振性が比較例1よりも良くなり、制振性の評価が「△」になった。
比較例3は、ポリオール−2(ポリエーテルポリオール)を65重量部、ポリオール3(ポリエーテルポリオール)を15重量部、ポリオール4(ポリエーテルポリオール)を10重量部、ポリオール5(ポリマーポリオール)を10重量部、発泡剤を3.30重量部、アミン触媒−1を0重量部、アミン触媒−2を0.1重量部、アミン触媒−3を0.6重量部、整泡剤を0.25重量部、添加剤を2重量部、イソシアネートをISO−3の100重量部、イソシアネートインデックスを90としたポリウレタンフォーム原料を用い、表皮材として実施例1及び実施例2と同様の表皮材を使用した。
比較例3の結果は、含浸硬化層の厚みが1mm、防音材の構成が表皮一体、スリットなし、防音材の25%圧縮時の硬さが16N、50%圧縮時の硬さが30N、75%圧縮時の硬さが114N、硬さの評価「×」、防音材の制振性(ゴムシート載置なしの損失係数比)が0.70、制振性の評価[〇]、ポリウレタンフォームの密度が70kg/m、ポリウレタンフォームのスキン層の通気量(2)が53(cc/cm/sec)・mm、中央層の通気量(3)が131(cc/cm/sec)・mm、含浸硬化層を含む表皮材の通気量(1)が3.10cc/cm/sec、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が32%、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率の評価「×」、防音材の透過損失の構成が[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)、防音材の透過損失が51.5dB、防音材の透過損失の評価「◎」、総合評価「×」であった。比較例3は、硬さが低く、制振性がやや悪く、含浸硬化層を含む表皮材の残響室吸音率が悪かった。
比較例3は、防音材の硬さが低いため、表皮一体成形後のポリウレタンフォームの収縮によりポリウレタンフォーム側へ曲がっていても、防音材が装置に載置された際に、防音材の自重によって防音材が押され、ポリウレタンフォームにスリットが形成されていないにも係わらず、表皮材とは反対側でポリウレタンフォームが外方へ広がって、ポリウレタンフォームと装置との接触面積が他の比較例よりも大になり、防音材の制振性が他の比較例よりも良くなった。
比較例4は、比較例3と同様の防音材(スリットなし)を使用し、その表皮材の表面に厚み1mmのゴムシートを載置して防音材の制振性を測定した以外は、比較例3と同様である。防音材の透過損失の構成は[A](ウレタンフォームを金属板に密着させ、表皮材をゴムシートに密着させる構成)である。
比較例4の結果は、防音材の制振性の結果以外、比較例3と同様である。比較例4は、防音材の制振性(ゴムシート載置ありの損失係数比)が0.97、制振性の評価[◎]、総合評価[×]である。防音材の制振性の結果が、ゴムシート載置なしの比較例3よりもゴムシート載置ありの比較例4の方が良好であった。
比較例4の防音材は、表皮材の表面に載置されたゴムシートの重みによって、防音材が比較例3(ゴムシート載置なし)よりも強く押され、それにより、ポリウレタンフォームと装置との接触面積が比較例3(ゴムシート載置なし)よりも大になって、制振性が比比較例3よりも良好になった。
このように、本発明の防音材は、表皮一体成形後に生じた、表皮材とは反対のポリウレタンフォーム側へ曲がった状態を、防音材が自動車等の床面に載置された際に、ポリウレタンフォームに形成されているスリットの拡開で解消できるため、床面にポリウレタンフォームが密着して良好な防音性(制振性を含む)が得られる。
10、100 防音材
20、200 ポリウレタンフォーム
20a ポリウレタンフォーム原料
25、250 スリット
30、300 表皮材
31、310 第1の層
33、330 第2の層
34、340 含浸硬化層
40 金型
41 下型
43 上型
38 離型剤

Claims (5)

  1. ポリウレタンフォームの片面に表皮材が一体に成形された防音材において、
    前記防音材は、200mm角×厚み20mmのサンプルを、φ80mmの圧縮冶具により、試験スピード50mm/minでサンプル厚みの80%まで圧縮した際の50%圧縮時の荷重を測定値とした圧縮硬さが500N以上であり、
    前記ポリウレタンフォームは、前記表皮材とは反対側の表面から表皮材側へスリットが形成されていることを特徴とする防音材。
  2. 前記表皮材は、繊維集合体からなることを特徴とする請求項1に記載の防音材。
  3. 前記表皮材は、前記ポリウレタンフォームとの境界部分にポリウレタンフォーム原料の含浸硬化層が形成されており、
    前記スリットは、前記含浸硬化層の位置まで形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の防音材。
  4. 前記含浸硬化層を含む表皮材のJIS K6400−7B法:2012年に基づく通気量(1)が、5〜80cc/cm/secであることを特徴とする請求項1から3の何れか一項に記載の防音材。
  5. 防音材の損失係数比が、損失係数比=(両面テープ貼り合わせなしの損失係数)/(全面に両面テープを貼り合わせした損失係数)とした場合に、0.6以上であることを特徴とする請求項1から4の何れか一項に記載の防音材。
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