JP2009018745A - 車両用防音材 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体パネルの室内面側に取り付ける車両用防音材であって、軽量化を図るとともに深絞り部分においても吸音性能の低下を抑え、優れた吸音性能を確保する。
【解決手段】ダッシュパネル10の車室内面側に取り付けられるインシュレータダッシュ20は、多孔質吸音機能を有する吸音層30と、メルトブロー繊維不織布からなる表皮層40とから構成されている。そして、表皮層40は、面密度を20〜40g/m2 で、厚みdを0.05〜0.18mmに調整することで、深絞り部Aにおいても、表皮層40の密度が低減することがなく、一定した通気抵抗値を確保でき、良好な吸音性能が期待できる。
【選択図】図2

Description

この発明は、車体パネルの室内面側に取り付けられる車両用防音材に係り、特に、製品の軽量化を図るとともに、製品の造形状、展開率の高い深絞り部分においても音振性能が低下し難い、優れた防音性能を発揮できる車両用防音材に関する。
通常、車室内の静粛性を高めるために、車両の防音構造として、車体パネルの室内面側に各種防音材が取り付けられている。この防音材の一例として、インシュレータダッシュがある。このインシュレータダッシュの従来例について、図8を基に説明する。図面において、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル1の室内面側には、インシュレータダッシュ2が添装されており、このインシュレータダッシュ2は、図9に拡大して示すように、再生ゴムシート、再生塩ビシート等、高密度材料からなる遮音層3と、その裏面側に積層一体化される繊維集合体からなる吸音層4とから構成されており、インシュレータダッシュ2の下側表面には、フロアカーペット5がラップ状に敷設され、また、インシュレータダッシュ2の上部側はインストルメントパネル6内に位置している(例えば、特許文献1参照。)。
ところで、インシュレータダッシュとしては、既存の遮音型インシュレータダッシュ2に加えて、最近では、軽量な通気型インシュレータダッシュ2´が提案されている。まず、既存の遮音型インシュレータダッシュ2は、図10(a)に示すように、遮音層3としては、非通気性で重量の嵩む再生ゴムシート、再生塩ビシート等が使用され、図10(b)に示すように、ダッシュパネル1を透過する騒音は、吸音層4で高周波数域の騒音が吸音されるが、低周波数域の騒音は遮音層3で跳ね返され、遮音層3とダッシュパネル1との間の二重壁遮音機能が防音機能に大きく寄与している。
次いで、通気型インシュレータダッシュ2´は、図11(a)に示すように、吸音層4の室内面側には、高密度不織布等の通気性を有する高密度層7が一体化されており、通気型インシュレータダッシュ2´における吸音のメカニズムは、図11(b)に示すように、ダッシュパネル1を透過する騒音は、吸音層4、高密度層7を通じて主に高周波数域の騒音が吸音処理される。更に、残る騒音は、室内側に透過し、インストルメントパネル6で反射した後、再度高密度層7から通気型インシュレータダッシュ2´内に吸音され、車室内の吸音性の向上に大きく貢献できる(例えば、特許文献2参照。)。
実開平7−5966号公報
特表2002−505209号公報
このように、従来では、例えば、図10に示すように、遮音型インシュレータダッシュ2においては、遮音層3として再生ゴムシート、再生塩ビシート等、重量の嵩む材料を使用するため、重量が嵩み、製品の軽量化に逆行し、燃費効率及び取付作業性を低下させる要因となっている。更に、吸音性能においても、高周波数域の騒音の吸音効果が充分ではなく、また、室内に透過した騒音は、インストルメントパネル6で反射し、更に、製品表面で再反射して、車室内の音圧が上昇し、車室内の静粛性においても満足のいくものではないという欠点が指摘されている。
一方、図11に示す通気型インシュレータダッシュ2´については、重量の嵩む遮音層3に替えて、繊維質成形体からなる高密度層7を使用するため、軽量化に貢献でき、更に、反射騒音等を解消でき、吸音性能の向上は見込めるものの、高密度層7を形成する際、使用繊維(フエルト)は、リサイクル品が主流であるため、季節により繊維の仕様が異なり、通気量の調整が非常に困難である。また、高密度層7を低通気化するために圧縮した際の反発力においても限界があり、通気量をコントロールする際の下限値にも限界があることを考慮すれば、所望の吸音性能を達成するとは言い難い。例えば、一般的な通気型インシュレータダッシュ2´における吸音層4は、面密度が2000g/m2 以下で、厚みが50mm以下に設定されており、高密度層7としては、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタン、ポリアミド等のメルトブロー繊維不織布が使用され、繊維層の厚みが0.2〜1.5mmで目付量20〜200g/m2 、通気量が3〜25cc/cm2 ・secに調整されている。
また、高密度層7における通気量を制御するには、厚みや目付量を調整して通気量を制御するが、通気量が大きくなると遮音性能が低下し、低・中周波数域の吸音性能が悪化する傾向にある。その理由としては、成形時の高展開率部分(深絞り部)では、不織布等が伸びることにより、繊維間の距離が長くなり、隙間が大きくなるためである。
この発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、車体パネルの室内面側に装着される車両用防音材であって、軽量化を維持するために基本的に通気型インシュレータダッシュの構成を採用し、特に、製品形状において深絞り部を有する高展開率部分において通気量を一定に維持でき、製品の造形状に左右されることなく、優れた音振性能が得られる車両用防音材を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、車体パネルの室内面側に装着される車両用防音材であって、車体パネルの面形状に沿って成形され、車体パネルを通して透過する騒音を吸音する多孔質吸音機能を備えた吸音層と、吸音層の表面側に積層され、メルトブロー繊維不織布からなる表皮層との積層体から構成される車両用防音材において、前記表皮層は、目付量を20〜40g/m2 、厚みを0.05〜0.18mmに設定することで、製品造形状の深絞り部においても、通気量が5〜10cc/cm2 ・secの範囲内に調整されていることを特徴とする。
ここで、防音材の設置箇所は、車体パネルの車室内側面、エンジンルーム内側面、ラゲージルーム内側面、そして、トランクルーム内側面等に適用できる。また、製品形態としては、インシュレータダッシュ、ルーフトリム、エンジンルームインシュレータ、ラゲージトリム、トランクトリムがある。
そして、吸音層としては、フエルト、PET(ポリエステル)繊維等の合成繊維不織布、紙類(パルプ等)を繊維状にした繊維集合体からなり、通常は繊維集合体をマット状に集積した原反マットを加熱軟化処理後、所要形状の型面を有するコールドプレス成形金型によりプレス成形して成形される。この吸音層の物性としては、密度0.01〜0.6g/cm3 、面密度200〜2400g/m2 、厚みは全体の防音材の平均厚みが5〜60mmとなるように、4.8〜50mm、好ましくは5〜10mm、通気量0.1〜30cc/cm2 ・sec、好ましくは1〜20cc/cm2 ・secの範囲が良い。
次に、表皮層としては、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等のメルトブロー繊維を素材とした不織布を使用する。メルトブロー繊維不織布は、厚みが0.05〜0.18mm、好ましくは0.1mm程度、目付量は20〜40g/m2 、好ましくは25g/m2 、密度は0.1〜0.4g/cm3 、好ましくは0.25g/cm3 に調整することにより、通気量が5〜10cc/cm2 ・secに設定できる。尚、通気量としては、JIS L 1096 一般織物試験方法 フラジールA法に準じて測定した数値を使用する。
そして、メルトブロー繊維不織布生産工程において、通気コントロールをするためのサーマルローラー工程を一次サーマルローラー工程、二次サーマルローラー工程のように、複数回サーマルローラーを通すことで目付量を小さくすることができ、より安価な不織布を使用することが可能になるとともに、復元することがなく、初期の厚みを長期に亘り維持することができる。
次に、吸音層と表皮層とを一体化するための接着層としては、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダー、ホットメルトフィルム(溶融時、隙間ができるため通気性が損なわれることがない)、ホットメルトウエブを使用することができる。樹脂パウダーを使用する際は、吸音層の素材である原反マットに樹脂パウダーを散布して、熱風加熱により溶融させた後、吸音層形成用の原反マットと表皮層の原反マットとを重ね合わせて成形金型内で所要形状に一体プレス成形すれば良い。また、ホットメルトフィルム、あるいはホットメルトウエブを使用する際は、吸音層、あるいは表皮層のいずれか一方側の原反マットにラミネート処理しておけば良い。
以上の構成から明らかなように、従来の再生ゴムシート、再生塩ビシート等、重量の嵩む遮音性シートを廃止できるため、軽量化に貢献できる。特に、表皮層としては、メルトブロー繊維不織布を素材として、目付量を20〜40g/m2 、厚みを0.05〜0.18mmに調整することで製品形状が深絞り部分においても不織布に透けが生じることがなく、適切な通気量を維持できるため、造形自由度に左右されることなく、要求される通気抵抗値を確保でき、優れた吸音性能が得られる。
次いで、本発明の好ましい実施の形態においては、前記表皮層の表面所定部位に遮音層が貼付されていることを特徴とする。
ここで、遮音層としては、EPDM、再生ゴム、再生塩ビウレタン等、比較的面密度の高い素材が使用できる。そして、占有面積が多いと製品の軽量化にそぐわないため、騒音が大きい部位に限り部分的に遮音層を貼付するが、インストルメントパネル内に設置するのは反射騒音を跳ね返すため避けたほうが良く、ダッシュパネルロア部やトーボード部に集中的に用いるのが良い。そして、この実施の形態によれば、騒音が大きい部位(低周波数域の騒音が車体パネルを通じて室内側に集中的に透過する部位)に部分的に遮音層を配置することで効率的に音振性能を向上させることができる。
以上説明した通り、本発明に係る車両用防音材は、多孔質吸音機能を有する吸音層と、吸音層の表面側に積層されるメルトブロー繊維不織布からなる表皮層とから構成され、特に、表皮層の厚みを0.05〜0.18mm、目付量を20〜40g/m2 に設定することで深絞り部分においてもメルトブロー繊維の伸びが小さいため、隙間の発生を回避でき、高展開率部位においても通気抵抗値が低下することがない。
従って、表皮層にメルトブロー繊維不織布を使用することで軽量化を図り、燃費効率を高め、かつパネルへの取付作業性を向上させることができるという効果を有するとともに、メルトブロー繊維不織布の目付量及び厚みを特定することで深絞り部分において吸音性能が低下することがなく、良好な吸音性能を維持できるという効果を有する。
以下、本発明に係る車両用防音材の実施例について、ダッシュパネルの車室内面側に装着されるインシュレータダッシュに適用した具体例について、添付図面を参照しながら詳細に説明する。尚、念のため付言すれば、本発明の要旨は特許請求の範囲に記載した通りであり、以下に説明する実施例の内容は、本発明の一例を単に示すものに過ぎない。
図1乃至図7は本発明の一実施例を示すもので、図1はダッシュパネルに取り付けたインシュレータダッシュの構成を示す断面図、図2は同インシュレータダッシュの構成を拡大して示す断面図、図3は同インシュレータダッシュにおける表皮層の形成工程を示す説明図、図4は同インシュレータダッシュの製造方法における素材のセット工程を示す説明図、図5は同インシュレータダッシュの製造方法におけるプレス成形工程を示す説明図、図6,図7は本発明に係るインシュレータダッシュの変形例を示す正面図並びに断面図である。
図1において、エンジンルームEと車室Rとを区画するダッシュパネル10は、上部側からダッシュアッパー部10a、ダッシュロア部10b、トーボード部10cに区画され、ダッシュパネル10の室内面に沿ってインシュレータダッシュ20が取り付けられている。また、トーボード部10c上に装着されるインシュレータダッシュ20の表面側にはフロアカーペット11がラップ状に敷設され、更に、ダッシュパネル10のダッシュアッパー部10a及びダッシュロア部10bの上半部分に装着されるインシュレータダッシュ20の上半部分は、インストルメントパネル12内に位置している。尚、インストルメントパネル12には、図示しないクラッシュパッドが取り付けられている。
ところで、本発明に係るインシュレータダッシュ20は、燃費効率、及び取付作業性を高めるために、製品重量が大幅に軽量化されており、更に、軽量化しても充分な防音特性を備えるように構成されている。このインシュレータダッシュ20は、図2の構成説明図から明らかなように、ダッシュパネル10と対向する側に配置され、多孔質吸音機能により高・中周波数域の騒音を有効に吸音できる吸音層30と、車室Rと対向する側に配置され、特に、深絞り部においても、密度が低減することがなく、良好な吸音性能が期待できる表皮層40と、吸音層30、表皮層40を強固に一体化する接着層50とから大略構成されている。
更に詳しくは、吸音層30は、フエルト、ポリエチレンテレフタレートに代表されるポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維等の合成繊維不織布、紙類(パルプ等)を繊維状にした繊維集合体、あるいはポリプロピレン、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリエステル等の合成樹脂材料内に重炭酸ソーダ等の無機発泡剤、あるいはアゾジカルボンアミド等の有機発泡剤から選択される発泡剤を混入した発泡樹脂材料を使用することができる。この吸音層30としては、高周波数域の騒音を吸音できる多孔質吸音機能を備えていれば良く、面密度としては200〜2400g/m2 、厚みとしてはインシュレータダッシュ20の厚みが5〜60mmとなるように、4.8〜50mmの間に設定されている。
次いで、表皮層40は、その材質として、ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ナイロン6、ナイロン66等の合成繊維を使用しており、吸音性能を高めるためにメルトブロー工法により製造されたメルトブロー繊維を使用した不織布から構成されている。そして、表皮層40における繊維の目付量が20〜40g/m2 、好ましくは25g/m2 で、特に表皮層40の厚みを0.05〜0.18mm、好ましくは0.1mmに設定することで、密度を0.1〜0.4g/cm3 、好ましくは0.25g/cm3 で、その時の通気量を5〜10cc/cm2 ・secに調整することができる。尚、通気量の値は、フラジール式通気量測定器による。
更に、吸音層30と表皮層40とを接着させる接着層50は、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダーをホットメルトとして使用するか、あるいはホットメルトフィルム、ホットメルトウエブ等の熱可塑性樹脂材料を素材としている。また、表皮層40の構成として、メルトブロー繊維を使用した不織布であり、目付量が20〜40g/m2 の時、厚みを0.05〜0.18mmに特定することで、製品形状が部分的に深絞り部を有する複雑な形状に設定されても、良好な吸音性能を維持できる特質を備えており、そのために、表皮層40は、図3に示す加工工程で形成される。図3において、メルトブロー繊維は、図示しないフィーダーからクロスレイヤーに送られ、コンベア60上にシート厚みが調整された原反シートSとして形成され、これも図示しない熱処理機により熱風処理され、この時の原反シートSの初期厚みはd1であり、原反シートSは一次サーマルローラー61により一次サーマルローラー加工が加えられた後、二次サーマルローラー62により更に厚み調整がなされて、最終的にd2で示す厚みに調整される。
このように、一次サーマルローラー61、二次サーマルローラー62等のように、複数回のサーマルローラー処理により原反シートSは厚み調整がなされているため、成形後、復元して表皮層40の密度が可変することがないことから、成形時において繊維が伸ばされてスキが発生することがなく、表皮層40の厚みdを一定に維持できるため、良好な吸音性能を確保する上で大きな意味をもつ。
次に、図4,図5に基づいて、上記インシュレータダッシュの製造方法について簡単に説明する。図4は各素材のセット工程を示すもので、図4に示すようにコールドプレス成形用上下型70,71が型開操作された状態の時、型内に吸音層30の素材である原反マットMを定寸カットした後、一面に樹脂パウダーPを散布し、図示しない熱風加熱炉内で原反マットMを所定温度に加熱軟化させ、原反マットMに付着している樹脂パウダーPを溶融させて、コールドプレス成形用上下型70,71内に投入する。尚、原反マットMの周縁はクランプ装置72により保持されている。そして、表皮層40についても、図3に示すように、複数回のサーマルローラー61,62のローラー処理により、厚みをd2まで低減した原反シートSの周縁をクランプ装置73により保持した状態でコールドプレス成形用上下型70,71内に投入する。そして、図5に示すように、コールドプレス成形用上下型70,71を型締めすれば、原反マットMを所要形状に絞り成形して、吸音層30を所望の曲面形状に成形するとともに、接着層50を介して表皮層40を表面側に一体成形することができる。
この時、インシュレータダッシュ20の造形状の深絞り部(図5中符号Aで示す)において、コールドプレス成形用上下型70,71から張力が表皮層40に加わるが、表皮層40は比較的高密度に設定されているため、この深絞り部Aで表皮層40が伸びきることがなく、型内に表皮層40の余剰部分が引き込まれることで、繊維空隙が大きくならず、所望の嵩密度を確保できる。そして、深絞り部Aを含む全域において通気量を5〜10cc/cm2 ・secの範囲内に調整できるため、全体として優れた吸音性能をもたらすことができる。また、複数回のローラー処理により、厚みを低減したため、表皮層40は復元して密度が変化することがなく、吸音性能の低下を招いたり、また、繊維層が脱落することを可及的に防止でき、吸音性能を良好に確保できる。
次いで、図6,図7は、本発明の変形例を示すもので、この変形例におけるインシュレータダッシュ20Aは、多孔質吸音機能を有する吸音層30と、表皮層40が接着層50を介して一体化されている構成である点は上述実施例と同一であるものの、部分的に遮音層80が表皮層40の表面の一部に貼付されている。この変形例ではEPDMシート(面密度500〜7000g/m2 )が使用されているが、再生ゴムシート、再生塩ビシート等、比較的高密度素材を使用することができる。そして、従来の遮音層を使用したインシュレータダッシュに比べ、適用部位が制限されているため、それ程重量化することがない。また、この遮音層80を設定する部位は、主にダッシュパネル10におけるダッシュロア部10bであり、エンジンルームEからダッシュパネル10を通じて特に低周波数域の騒音が侵入し易い部位に集中的に設置するのが望ましい。
このように、遮音層80の設置箇所をエンジンルームEから車室R内に侵入する低周波数域が集中する部位に限定したため、それ程重量アップを招くことがなく、しかも、ダッシュパネル10のダッシュアッパー部10aは省略したため、インストルメントパネル12内の音圧上昇を招くことがない。従って、インシュレータダッシュ20Aにおける重量アップがあるものの、低周波数域の騒音が集中する部位に配置することで低周波数域の騒音を有効に遮断することから、車室内の静粛性を高めることができるという効果がある。
上述した実施例は、ダッシュパネル10の車室内面側に取り付けられるインシュレータダッシュ20に本発明を適用したが、車室内に装着されるルーフトリムはもとより、エンジンルーム、ラゲージトリムあるいはトランクルーム内に取り付けられる防音材全般に適用することができる。更に、接着層50としては、ポリエチレンパウダー等の樹脂パウダータイプの他に、ホットメルトフィルム、ホットメルトウエブ等も使用できるため、接着形態は限定されない。
本発明に係る車両用防音材をインシュレータダッシュに適用した一実施例を示す断面図である。 図1に示すインシュレータダッシュの構成を示す拡大断面図である。 図1に示すインシュレータダッシュにおける表皮層の形成工程を示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュの製造方法における素材のセット工程を示す説明図である。 図1に示すインシュレータダッシュの製造方法におけるコールドプレス成形工程を示す説明図である。 本発明に係る車両用防音材をインシュレータダッシュに適用した変形例を示す正面図である。 図6に示すインシュレータダッシュをダッシュパネルに取り付けた状態を示す断面図である。 従来のインシュレータダッシュの設置箇所を示す説明図である。 従来のインシュレータダッシュの構成を示す断面図である。 従来の遮音型インシュレータダッシュの構成及び防音メカニズムを示す説明図である。 従来の通気型インシュレータダッシュの構成及び防音メカニズムを示す説明図である。
符号の説明
10 ダッシュパネル
10a ダッシュアッパー部
10b ダッシュロア部
10c トーボード部
11 フロアカーペット
12 インストルメントパネル
20,20A インシュレータダッシュ
30 吸音層
40 表皮層
50 接着層
60 コンベア
61 一次サーマルローラー
62 二次サーマルローラー
70 コールドプレス成形用上型
71 コールドプレス成形用下型
72,73 クランプ装置
80 遮音層
A 深絞り部
M 原反マット(吸音層形成用)
S 原反シート(表皮層形成用)
P 樹脂パウダー
d 表皮層の板厚
d1,d2 原反シートの板厚

Claims (3)

  1. 車体パネル(10)の室内面側に装着される車両用防音材(20)であって、車体パネル(10)の面形状に沿って成形され、車体パネル(10)を通して透過する騒音を吸音する多孔質吸音機能を備えた吸音層(30)と、吸音層(30)の表面側に積層され、メルトブロー繊維不織布からなる表皮層(40)との積層体から構成される車両用防音材(20)において、
    前記表皮層(40)は、目付量を20〜40g/m2 、厚み(d)を0.05〜0.18mmに設定することで、製品造形状の深絞り部(A)においても、通気量が5〜10cc/cm2 ・secの範囲内に調整されていることを特徴とする車両用防音材。
  2. 前記表皮層(40)は、メルトブロー繊維不織布の原反シート(S)の初期厚み(d1)に対して、サーマルローラー(61,62)による複数回のローラー送りで原反シート(S)を所定の厚み(d2)まで圧縮した後、成形後における表皮層(40)の厚み(d)が0.05〜0.18mmに調整されることにより、復元性を抑え、所要厚みを維持するようにしたことを特徴とする請求項1に記載の車両用防音材。
  3. 前記表皮層(40)の表面所定部位に遮音層(80)が貼付されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の車両用防音材。
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