JP6589731B2 - 祭祀設備 - Google Patents
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このような祭祀設備は、故人の遺骨が納められた骨壷が入った厨子を祭祀対象として参拝者が参拝することができるので、実際に墓地を所有していなくても、従来の墓参りのように故人の霊と触れ合うことができる。そのため、大都市等における墓地の入手困難を解消することができる。
ちなみに、特許文献1の祭祀設備では、遠隔地に在住している参拝者の便宜等を図って、祭祀設備と通信回線により接続された表示端末に参拝用の映像を表示できるようになっており、祭祀設備を実際に訪問しなくても墓参りを行うことができるようになっている。
しかしながら、昨今では、大都市等の住宅事情から仏壇を設置する家庭が少なくなり、故人の霊と日々の触れ合いを得る機会が減っており、故人の霊との触れ合いが十分にできないという問題がある。
前記祭祀用支持部として、仏壇の装飾を施した仏壇仕様祭祀箇所に配置されて、人が仏壇を祭祀する場合の祭祀対象である仏壇祭祀体を前記祭祀対象体として支持する仏壇支持部と、墓地の装飾を施した墓地仕様祭祀箇所に配置されて、人が墓地を祭祀する場合の祭祀対象又はそれを収容した容器であって前記仏壇祭祀体と異なる外形の墓地祭祀体を前記祭祀対象体として支持する墓地支持部との双方を備え、前記搬送装置は、前記仏壇仕様祭祀箇所において仏壇祭祀指令が指令されると、当該仏壇祭祀指令に基づいて前記仏壇祭祀体を前記仏壇支持部に搬送するとともに、前記墓地仕様祭祀箇所において墓地祭祀指令が指令されると、当該墓地祭祀指令に基づいて前記墓地祭祀体を前記墓地支持部に搬送し、
前記保管部は、同じ仕様の単位保管部を上下左右に配列した棚状に構成され、前記仏壇祭祀体は、前記墓地祭祀体よりも小型であり、前記仏壇祭祀体は、設定数の前記仏壇祭祀体を支持自在なパレットに支持された状態で前記単位保管部に保管され、前記墓地祭祀体は、前記墓地支持部に支持される荷姿のまま前記単位保管部に保管される点にある。
一方で、仏壇を祭祀する場合の祭祀対象である仏壇祭祀体を搬送装置が保管部から仏壇仕様祭祀箇所の仏壇支持部に搬送する。仏壇仕様祭祀箇所には仏壇の装飾が施されており、仏壇仕様祭祀箇所の仏壇支持部に支持される仏壇祭祀体を参拝することで、参拝者は、日々の生活の中で故人の霊と触れ合うための仏壇参りを仏壇仕様祭祀箇所において行うことができる。
このように、外形が互いに異なる仏壇祭祀体と墓地祭祀体とを搬送装置が仏壇仕様祭祀箇所の仏壇支持部と墓地仕様祭祀箇所の墓地支持部とに搬送することができるので、参拝者は、その目的に応じて仏壇仕様祭祀箇所又は墓地仕様祭祀箇所を選択して参拝することで、墓参りと仏壇参りとのうち参拝者の意向に沿った祭祀を行うことができる。
したがって、本特徴構成によれば、実際の墓地を所有していなくても墓参りにより年忌等の法要やお彼岸の時期等に故人の霊と触れ合うことができるだけでなく、仏壇を設置していない自宅に暮らしていても仏壇参りにより日々の生活の中で故人の霊と触れ合うことができ、墓参りの場面だけでなく日常の生活の中で故人の霊との触れ合うことができる祭祀設備を得ることができる。
また、本特徴構成によれば、保管部は棚状に構成されており単位保管部が上下左右に多数配置されているので、多数の仏壇祭祀体や墓地祭祀体を保管するにあたって空間を効率よく利用することができる。
そして、墓地祭祀体とは外形が異なる仏壇祭祀体をパレットに支持させることで、単位保管部にて墓地祭祀体及び仏壇祭祀体のいずれであっても保管することができるので、保管部における複数の単位保管部を同じ仕様で構成することが可能となり、墓地祭祀体及び仏壇祭祀体を異なる仕様の単位保管部で保管する場合に比べて、保管効率が向上する。
なお、一つの単位保管部の容量は適宜設定できる。すなわち、一つの単位保管部に複数の墓地祭祀体を保管したり、一つの単位保管部に複数の仏壇祭祀体を保管したり、一つの単位保管部に墓地祭祀体と仏壇祭祀体とを混載状態で保管したり、単位保管部で保管できる墓地祭祀体及び仏壇祭祀体の個数は適宜設定できる。
前記仏壇用搬送装置は、前記仏壇祭祀体を前記仏壇中継部から前記仏壇支持部に搬送する際には、前記仏壇中継部に支持された前記パレットから前記仏壇祭祀体を分離させ、前記仏壇祭祀体を前記仏壇支持部から前記仏壇中継部に搬送する際には、前記仏壇中継部に支持された前記パレットに対して前記仏壇祭祀体を支持させると好適である。
このような仕切壁を設けても、仕切壁に形成された出し入れ用の複数の開口の並び方向に沿って移載ロボットを移動装置により移動させることで、多節アームの移載ロボットが開口を通過させて仏壇祭祀体を搬送する場合に、仕切壁との干渉を避けて仏壇祭祀体を出し入れし易くなる。
図1及び図2に示すように、本実施形態に係る祭祀設備は、仏壇の装飾を施した仏壇仕様祭祀箇所1と、墓地の装飾を施した墓地仕様祭祀箇所2と、が壁体Pにより区分けされた異なる領域に設けられている。仏壇を祭祀するために祭祀設備を訪れた参拝者は、仏壇祭祀領域Z1における仏壇仕様祭祀箇所1を参拝し、墓地を祭祀するために祭祀設備を訪れた参拝者は、墓地祭祀領域Z2における墓地仕様祭祀箇所2を参拝する。
図2に示すように、保管部10は、後述するスタッカークレーン20の走行経路Lを挟んで両側に設置される一対の棚体11(第1棚体11a・第2棚体11b)にて構成されている。各棚体11は、図4及び図6に示すように、同じ仕様の単位保管部12を上下左右に配列して構成されている。図3及び図5にも示すように、単位保管部12は棚奥行方向に長尺の一対の腕木13を備えており、この一対の腕木13により保管対象物を下方から支持する。一対の腕木13は、スタッカークレーン20の昇降台23が備える出退フォーク24が、一対の腕木13の間を上下に通過できる間隔を隔てて設けられている。ちなみに、腕木13は板状部材により構成され、棚奥行方向で走行経路L側の端部は上向きに折り曲げ加工されている。これにより、地震により棚体11が揺れた場合にでも保持対象物が落下しないようにしている。
図7に示すように、パレット14は、位牌Hにおける基部31を下方から支持する凹入部16(支持部に相当)が、上下方向にみて格子状に整列した状態で複数(8個)備えられている。凹入部16はパレット上面から下方に向けて凹入形成されている。凹入部16は、複数の傾斜側面17(本実施形態では4面)が下方側程互いに近づくように形成されており、凹入部16は、頂点が下を向く逆四角錐台を形成している。
図2に示すように、搬送装置9は、保管部10と中継部Mとに亘って祭祀対象体(厨子G及び位牌H)を搬送するスタッカークレーン20と、中継部Mと祭祀用支持部(仏壇支持部3及び墓地支持部4)とに亘って祭祀対象体(厨子G及び位牌H)を搬送する移載ロボット25及び厨子コンベヤ18を備えている。
スタッカークレーン20は、図2〜図6に示すように、床面に敷設された直線軌道に沿う走行経路Lを往復走行する走行体21と、走行体21に立設された一対の昇降マスト22と、一対の昇降マスト22に案内されて上下昇降する昇降台23と、昇降台23に設けられた移載装置としての出退フォーク24とを備えている。出退フォーク24は、厨子G及びパレット14を支持自在であり、スタッカークレーン20は、走行体21の走行経路Lに沿う走行作動及び昇降台23の上下に沿う昇降作動により出退フォーク24を保管部10に対して移動させて、保管部10の単位保管部12との間で厨子Gを移載し、かつ、保管部10の単位保管部12との間でパレット14を移載する。
中継部Mとして、図3及び図4に示すように、パレット14に支持された状態の位牌Hが搬送される仏壇中継部Maと、図5及び図6に示すように、厨子Gが搬送される墓地中継部Mbと、が設けられている。
図2、図3及び図4に示すように、仏壇中継部Maは、第1棚体11aの設置領域内において、仏壇支持部3に対して仏壇中継部Maが割り当てられる形態で、複数設けられている。隣接する一対の仏壇支持部3についての一対の仏壇中継部Maは、当該一対の仏壇支持部3の並び方向でこれらの中心に向かって互いに近接させて設置されている。
移載ロボット25は、仏壇中継部Maに支持されているパレット14と仏壇支持部3との間で位牌Hを移動させる。移載ロボット25は、中継部と祭祀用支持部との間で祭祀対象体を搬送する中継搬送装置に対応する。図3及び図4に示すように、移載ロボット25は、仏壇支持部3の並び方向で互いに隣接する一対の仏壇支持部3に対して1台が配備されており、以下に説明するように、1台の移載ロボット25が、一対の仏壇支持部3の双方に対して位牌Hを移載できるようになっている。
図2、図5及び図6に示すように、墓地中継部Mbは、第1棚体11aの設置領域内に複数設けられている。それぞれの墓地中継部Mbは、墓地仕様祭祀箇所2と保管部10の第1棚体11aとに亘って設けられた厨子コンベヤ18の保管部10側に端部に設定されている。厨子コンベヤ18の墓地仕様祭祀箇所2側の端部が墓地支持部4に設定されている。つまり、厨子コンベヤ18は、墓地中継部Mbと墓地支持部4との間で厨子Gを搬送する墓地用搬送装置である。
厨子コンベヤ18は、図2及び図5に示すように、墓地中継部Mbが設定された端部は、コンベヤ幅方向で中間部が切り欠けられ、コンベヤ幅方向で両端部に搬送駆動ローラを備えている。厨子コンベヤ18は、墓地中継部Mbが設定された部分よりも墓地支持部4側の部分はコンベヤ幅方向で全幅のローラが並べられた通常のローラコンベヤとなっている。厨子コンベヤ18の端部に切り欠けを設けることで、スタッカークレーン20が厨子Gを墓地中継部Mbとの間で移載する場合に、出退フォーク24が切り欠き部分を上下に通過できるようになっている。
以上に説明した搬送装置9の動作について説明する。仏壇仕様祭祀箇所1において参拝者が液晶モニタ8のタッチ操作により参拝対象の故人を選択することで仏壇祭祀指令が管理装置C(図10参照)に指令される。管理装置Cは、仏壇祭祀指令が指令されると、液晶モニタ8から入力された参拝対象情報に基づいて、指定された故人の位牌Hを支持しているパレット14が保管されている単位保管部12を判別し、当該単位保管部12から参拝者が位置する仏壇仕様祭祀箇所1に対応する仏壇中継部Maまで、当該パレット14を搬送させる出庫搬送指令をスタッカークレーン20に指令する。
以上、発明者によってなされた発明を発明の実施形態に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。以下、本発明の別実施形態を例示する。上記実施形態及び下記実施形態は、矛盾の生じない範囲で組み合わすことができる。
2 :墓地仕様祭祀箇所
3 :仏壇支持部
4 :墓地支持部
9 :搬送装置
10 :保管部
12 :単位保管部
14 :パレット
16 :凹入部(支持部)
18 :厨子コンベヤ(墓地用搬送装置・中継搬送装置)
19a :位置決め支持部
20 :スタッカークレーン(入出庫搬送装置)
24 :出退フォーク(移載装置)
25 :移載ロボット(仏壇用搬送装置・中継搬送装置)
26 :把持部
39 :仕切壁
39b :第2種開口(開口)
G :厨子(墓地祭祀体・祭祀対象体)
H :位牌(仏壇祭祀体・祭祀対象体)
M :中継部
Ma :仏壇中継部
Mb :墓地中継部
Claims (5)
- 祭祀対象体を保管する保管部と、前記保管部から祭祀用支持部に前記祭祀対象体を搬送する搬送装置と、を備えた祭祀設備であって、
前記祭祀用支持部として、仏壇の装飾を施した仏壇仕様祭祀箇所に配置されて、人が仏壇を祭祀する場合の祭祀対象である仏壇祭祀体を前記祭祀対象体として支持する仏壇支持部と、墓地の装飾を施した墓地仕様祭祀箇所に配置されて、人が墓地を祭祀する場合の祭祀対象又はそれを収容した容器であって前記仏壇祭祀体と異なる外形の墓地祭祀体を前記祭祀対象体として支持する墓地支持部との双方を備え、
前記搬送装置は、前記仏壇仕様祭祀箇所において仏壇祭祀指令が指令されると、当該仏壇祭祀指令に基づいて前記仏壇祭祀体を前記仏壇支持部に搬送するとともに、前記墓地仕様祭祀箇所において墓地祭祀指令が指令されると、当該墓地祭祀指令に基づいて前記墓地祭祀体を前記墓地支持部に搬送し、
前記保管部は、同じ仕様の単位保管部を上下左右に配列した棚状に構成され、
前記仏壇祭祀体は、前記墓地祭祀体よりも小型であり、
前記仏壇祭祀体は、設定数の前記仏壇祭祀体を支持自在なパレットに支持された状態で前記単位保管部に保管され、
前記墓地祭祀体は、前記墓地支持部に支持される荷姿のまま前記単位保管部に保管される祭祀設備。 - 前記搬送装置は、前記単位保管部と中継部とに亘って前記祭祀対象体を搬送する入出庫搬送装置と、前記中継部と前記祭祀用支持部とに亘って前記祭祀対象体を搬送する中継搬送装置と、を備え、
前記入出庫搬送装置は、前記墓地祭祀体及び前記パレットを支持自在でかつ前記墓地祭祀体及び前記パレットを前記単位保管部及び前記中継部に対して移載自在な移載装置を前記保管部に対して移動自在に備え、
前記中継部として、前記墓地祭祀体が搬送される墓地中継部と、前記パレットに支持された状態の前記仏壇祭祀体が搬送される仏壇中継部と、が設けられ、
前記中継搬送装置として、前記仏壇中継部に支持されている前記パレットと前記仏壇支持部とに亘って前記仏壇祭祀体を移動させる仏壇用搬送装置と、前記墓地中継部と前記墓地支持部とに亘って前記墓地祭祀体を移動させる墓地用搬送装置と、を備え、
前記仏壇用搬送装置は、
前記仏壇祭祀体を前記仏壇中継部から前記仏壇支持部に搬送する際には、前記仏壇中継部に支持された前記パレットから前記仏壇祭祀体を分離させ、
前記仏壇祭祀体を前記仏壇支持部から前記仏壇中継部に搬送する際には、前記仏壇中継部に支持された前記パレットに対して前記仏壇祭祀体を支持させる請求項1に記載の祭祀設備。 - 前記仏壇中継部は、前記パレットを位置決めした状態で支持する位置決め支持部を備えている請求項2に記載の祭祀設備。
- 前記仏壇用搬送装置は、複数の関節を有する多節アームの先端に前記仏壇祭祀体を把持自在な把持部を備えたロボットアームを備えた移載ロボットにて構成され、
前記仏壇仕様祭祀箇所が複数並べて設けられ、
前記複数の仏壇仕様祭祀箇所におけるそれぞれの前記仏壇支持部のうちの一部又は全部である互いに隣接する複数のものに対して前記移載ロボットが1台配備されている請求項2又は3に記載の祭祀設備。 - 前記保管部及び前記搬送装置が配置される搬送用区画と、前記複数の仏壇仕様祭祀箇所が配置される祭祀用区画とが仕切壁にて仕切られており、
前記仕切壁は、前記仏壇祭祀体を出し入れするための開口を、複数の前記仏壇支持部に対応して複数備え、
前記複数の開口の並び方向に沿って前記移載ロボットを移動させる移動装置が設けられている請求項4に記載の祭祀設備。
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