JP6587968B2 - 内装材 - Google Patents
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Description
上記内装材において、前記被覆シートは、難燃性であり、UL−94規格のVTM−0を満たす。この構成によれば、ポリエチレン製の被覆シートに比べて高い難燃性を有し、燃焼における安全性が高い。
図1を参照して、内装材の一例を説明する。
内装材1は、例えば、車両フロアに配置されたり、車両の部品と部品との間のスペーサとして用いられたりする。図1に示される内装材1は、後部座席の前に配置されるマットと、車両フロアとの間に配置される。内装材1は、発泡樹脂製の部材本体10と、部材本体10の少なくとも一部を覆う被覆シート20とを備える。
次に、表1〜表5を参照して、実施例に係るEMMA含有エチレン樹脂製の被覆シート20についてその特性を、比較例に係るポリエチレン製の被覆シートと比較して説明する。
比較例の被覆シートのサンプルC1は、樹脂流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のいずれの方向の引っ張りにおいてもその引張強度は2500N/cm2よりも大きい。これに対して、実施例の被覆シート20のサンプルS1〜S3は、樹脂流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のいずれの方向の引っ張りにおいても引張強度が1000N/cm2以上2500N/cm2以下である。なお、S4及びS5においても同様に引張強度が1000N/cm2以上2500N/cm2以下であった。すなわち、実施例の被覆シート20は、引張強度が上述した好適な範囲内にあり、適度な強さを有する。引張強度と剛性とは直接関係するものではないが、引張強度が適度であることにより柔軟性が備わり追従性の向上に寄与している。また、適度な引張強度であることが異音の発生の抑制に寄与していると考えられる。
比較例の被覆シートのサンプルC1は、樹脂流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のいずれの方向の引っ張りにおいてもその引裂強度は1000N/cmよりも大きい。これに対して、実施例の被覆シート20のサンプルS1〜S3は、樹脂流れ方向(MD)及び垂直方向(TD)のいずれの方向の引っ張りにおいても引裂強度が400N/cm以上1000N/cm以下である。なお、S4及びS5においても同様に引裂強度が400N/cm以上1000N/cm以下であった。すなわち、実施例の被覆シート20は、引裂強度が上述した好適な範囲内にあり、適度な強さを有する。引裂強度と剛性とは直接関係するものではないが、引裂強度が適度であることにより柔軟性が備わり追従性の向上に寄与している。また、適度な引張強度であることが異音の発生の抑制に寄与していると考えられる。
表2に示されるように、比較例の被覆シートと実施例の被覆シート20ともに破れ強度は6N/cm2以上である。すなわち、破れ強度については、実施例の被覆シート20は、比較例の被覆シートと略同じ強度を有する。なお、表2に示されるように、実施例の被覆シート20では、厚みが大きくなる程、破れ強度が高くなる。
比較例に係るポリエチレン製の被覆シートは、米国 UNDERWRITERS LABORATORIES INC.社が策定した安全規格(以下、「UL」)−94のグレードVTM−0の判定条件を満たさない。これに対して、実施例に係る被覆シート20である厚さ35μm〜70μmのEMMA含有エチレン樹脂製の被覆シート20は、UL−94のグレードVTM−0の判定条件を満たす。
異音は、被覆シート20と他の物体との擦れにより発生し、特定周波数の振動として定義することができず、かつ異音と判定するか否かは人によるばらつきがある。そこで、異音の評価を次のように行った。すなわち、評価する人が指の腹で被覆シート20を触ったときに生じる音を聞き、その人がその音について評価点を付ける。異音であるか否かの評価基準は、その人が不快と感ずるか否かである。評価点数は1〜4であり、評価点数は大きいほど異音でないことを示す。「4」は、音が発生していない、または音の発生が感じられないときの評価点であり、「3」は、音の発生が認識できるが、異音ではないと感じられるときの評価点である。「2」は、音の発生が認識でき、異音ではあるが、不快程度が低いときの評価点であり、「1」は、音の発生が認識でき、その音が不快な異音として感じられるときの評価点である。そして、各試料について、評価者が付けた評価点の平均点に基づいて異音の発生状態を判定する。この試験では、評価点の平均点が2.5未満であるとき、異音が発生すると判定する。評価点の平均点が2.5以上3.0未満であるとき、不快な異音が発生していないと判定する。評価点の平均点が3.0以上であるとき異音が発生していないと判定する。表4及び表5では、評価点の平均点が2.5未満であるとき「×」とされ、2.5以上3.0未満であるとき「△」とされ、3.0以上であるとき「○」として表記されている。なお、評価者は、5人(A〜E)である。
実施例に係る内装材1は、部材本体10と被覆シート20とを備える。被覆シート20の引裂強度は、400N/cm以上1000N/cm以下である。被覆シート20の引張強度は、1000N/cm2以上2500N/cm2以下である。これにより、被覆シート20としての強度を有し、異音の発生が抑制される。
Claims (4)
- 輸送機に装備される内装材であって、
前記内装材は、発泡樹脂製の部材本体と、前記部材本体を覆う袋状の被覆シートとを備え、
前記被覆シートは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂を含むエチレン系樹脂シートによって構成され、
前記被覆シートの引裂強度は、400N/cm以上1000N/cm以下であり、前記被覆シートの引張強度は、1000N/cm2以上2500N/cm2以下である
内装材。 - 前記被覆シートの破れ強度は、6N/cm2以上である
請求項1に記載の内装材。 - 前記被覆シートは、難燃性であり、UL−94規格のVTM−0を満たす
請求項1または請求項2に記載の内装材。 - 前記被覆シートは、エチレン−メチルメタクリレート共重合体樹脂の含有量が10質量%以上20質量%以下であるエチレン系樹脂シートであり、厚さ30μm以上70μm以下である
請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の内装材。
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