JPH0688366B2 - 積層体 - Google Patents

積層体

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JPH0688366B2
JPH0688366B2 JP5164088A JP5164088A JPH0688366B2 JP H0688366 B2 JPH0688366 B2 JP H0688366B2 JP 5164088 A JP5164088 A JP 5164088A JP 5164088 A JP5164088 A JP 5164088A JP H0688366 B2 JPH0688366 B2 JP H0688366B2
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Du Pont Mitsui Polychemicals Co Ltd
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、耐スクラッチ性,層間接着性,緩衝性及び各
種成形性に優れた積層体に関する。
〔従来の技術〕
自動車内装材、例えば天井材,ドアの内張り,インスト
ルメントパネルなど、あるいは楽器や家電製品のキャリ
ングケースの如き用途に供される素材として、断熱,遮
音,緩衝などの効果を期待して、熱可塑性樹脂発泡体層
を有する積層体が使用されている。その表皮材としては
高級感を出すためレザー調の感触を有するものが求めら
れており、従来、ポリ塩化ビニルや軟質のポリオレフィ
ン系樹脂などが提案され、実用化されてきた。しかしな
がらこれらの樹脂には、耐スクラッチ性,ソフト感,ド
ライ感,低温衝撃強度,耐変色性などの面で不満足なも
のが多く新たな素材の提供が求められていた。
表皮材としては、単に上記諸性質に優れ、柔軟なレザー
調の感触を有するればよいというものではなく、耐熱変
形性が優れる外に、熱可塑性樹脂発泡体との層間接着性
がよく、積層後も圧縮成形,真空形成,圧空成形,スタ
ンピング成形などによって最終形状に成形する際に層間
剥離がなく、かつ成形性に優れたものである必要があっ
た。そしてこのような二次加工の際に艶戻り現象が現れ
ないものが好ましかった。さらにまたコスト面から薄く
かつ均一な表皮層が形成できるという薄肉成形性に優れ
た素材であることが望ましかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
本発明者らは、上記のような観点から検討を進めた結
果、希望する表皮材を見出し、本発明を完成するに至っ
た。従って本発明の目的は、耐スクラッチ性,耐衝撃
性,耐変色性,柔軟性,ドライ性,薄肉成形性が優れ、
艶戻し現象の少ない表皮層を有し、その表皮層との層間
接着性が良好で、緩衝性、各種成形性に優れた新規な積
層体を提供することにある。
〔発明の概要〕
本発明によれば、エチレン系アイオノマー樹脂40〜90重
量部および部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー
10〜60重量部を混合してなる重合体組成物表皮層および
熱可塑性樹脂発泡体層からなる積層体が提供される。本
発明によればまた上記表皮層、上記熱可塑性樹脂発泡体
層に加え、さらに第三の硬質板層、例えば熱可塑性樹脂
層やダンボール層,木質板層などが順次形成されてなる
積層体が提供される。
本発明の表皮層に使用するエチレン系アイオノマー樹脂
(A)はエチレン・α,β−不飽和カルボン酸共重合体
(I)やエチレン・α,β−不飽和カルボン酸・α,β
−不飽和カルボン酸エステル共重合体(II)などのカル
ボキシル基の全部又は一部、通常は5〜90%を金属イオ
ンにより中和したものである。表皮層としての耐熱性を
考慮すると、共重合体(I)や(II)におけるエチレン
単位の占める割合は、通常約75〜99、5モル%、好まし
くは88〜98モル%であり、α,β−不飽和カルボン酸単
位の占める割合は、通常0.5〜15モル%、好ましくは1
〜6モル%である。またα,β−不飽和カルボン酸エス
テル単位の占める割合は、通常0〜10モル%、好ましく
は0〜6モル%である。
また上記(I)または(II)の共重合体中のカルボン酸
基のうち、金属イオンにより中和されるカルボン酸基の
割合(中和度)は通常5〜90%であるが、とくに耐スク
ラッチ性の優れた組成物を得るためには、中和度が15な
いし90%、とくに40ないし90%のものを用いるのが好ま
しい。
上記共重合体を構成するα,β−不飽和カルボン酸とし
ては、アクリル酸,メタクリル酸,エタクリル酸,マレ
イン酸,フマール酸,無水マレイン酸など炭素数3〜8
のα,β−不飽和カルボン酸が用いられ、またα,β−
不飽和カルボン酸のエステルとしては、アクリル酸メチ
ル,メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル,メタクリ
ル酸エチル,アクリル酸イソブチル,メタクリル酸ブチ
ル、フマル酸ジメチルなどの炭素数4〜8のα,β−不
飽和カルボン酸エステルが好適に用いられる。この中で
特に好ましいα,β−不飽和カルボン酸はアクリル酸や
メタクリル酸であり、好ましいエステルはアクリル酸や
メタクリル酸のエステルである。
また、上記エチレン共重合体のカルボン酸基を中和する
金属イオンとしては、1〜3価の原子価を有する金属イ
オン、とくに元素周期律表におけるI,II,III,IV A及びV
III族の1〜3価の原子価を有する金属イオンであり、
具体的には、Na+,K+,Li+,Cs+,Ag+,Hg+,Cu+,Be++,Mg++,C
a++,Sr++,Ba++,Cu++,Cd++,Hg++,Sn++,Pb++,Fe++,Co++,N
i++,Zn++,Al++,Sc++,Fe+++,Y+++などが挙げられる。こ
れらの金属イオンは2種以上の混合成分であっても差し
支えないし、アンモニウムイオンとの混合成分であって
も差し支えない。これらの金属イオンの中では特にZ
n++,Na+が好ましい。
本発明で使用するエチレン系アイオノマー樹脂のASTM D
1238に準じて測定したメルトフローレート(190℃)
は、通常0.1〜1000,好ましくは0.1〜30,とくに好ましく
は0.1〜10の範囲にある。
本発明において使用される部分架橋オレフィン系熱可塑
性エラストマー(B)は、部分架橋したエチレン・α−
オレフィン系共重合ゴムとポリオレフィン樹脂を必須成
分として含むもので、好ましくはポリオレフィンとエチ
レン・α−オレフィン系共重合ゴムを必須成分として含
有するゴム組成物を部分架橋したものまたはこの部分架
橋物とポリオレフィン樹脂の混合物である。上記熱可塑
性エラストマー(B)中に含有されるポリオレフィン樹
脂成分とエチレン・α−オレフィン系共重合ゴム成分の
相互比率は、両成分の合計を100重量部とした場合、前
者が5〜80重量部、とくに20〜70重量部、後者が20〜95
重量部、とくに30〜80重量部であることが好ましい。ま
た上記ゴム組成物を部分架橋するに際し、ペルオキシド
非架橋型炭化水素系ゴムや鉱油系軟化剤を共存させても
よい。これらの成分は、熱可塑性エラストマー(B)中
に50重量%以下、好ましくは5〜40重量%の範囲で含有
されるように使用することができる。
より具体的には、 (a) エチレン・α−オレフィン系共重合ゴム20〜95
重量部 (b) ポリオレフィン樹脂 5〜80重量部 (ここで(a)+(b)は、100重量部になるように選
ぶ) および(c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物
質と (d) 鉱油系化軟化剤から選ばれた少なくとも一種の
成分0〜100重量部、好ましくは5〜80重量部からなる
混合物を架橋剤の存在下に動的に熱処理して得られる部
分架橋ゴム組成物(I)100〜30重量部とポリオレフィ
ン樹脂(II)0〜70重量部とからなる混合物(但し、最
終混合物中の(b)と(II)の合計量が最終混合物100
重量部当り、5〜80重量部になるように選ぶ)を挙げる
ことができる。
本発明において、熱可塑性エラストマーの原料であるエ
チレン・α−オレフィン系共重合ゴム(a)とは、例え
ばエチレン−プロピレン共重合ゴム,エチレン−プロピ
レン−非共役ジエン三元あるいは多元重合ゴム,エチレ
ン−プロピレン−1−ブテン共重合ゴム,エチレン−1
−ブテン共重合ゴム,エチレン−1−ブテン−非共役ジ
エン多元共重合体ゴム等のエチレンと炭素数3ないし14
のα−オレフィンを主成分とする結晶化度20%以下,好
ましくは10%以下の低結晶性又は非晶質のエラストマー
またはそれらの混合物である。中でも好ましいものはエ
チレン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレ
ン−非共役ジエン三元共重合体ゴムである。
ここで、非共役ジエンと、ジシクロペンタジエン、1,4
−ヘキサジエン,シクロオクタジエン,メチレンノルボ
ルネン,5−エチリデン−2−ノルボルネン等をいい、中
でも、ジシクロペンタジエンおよび5−エチリデン−2
−ノルボルネンを第三成分とする共重合体が好ましい。
これら二元または多元共重合体のムーニー粘度〔ML1+4
(100℃)〕は通常10〜180、好ましくは40〜140であ
り、またその沃素価(不飽和度)は好ましくは16以下で
ある。
これらエラストマー中に含有される各構成単位の量は1
−オレフィン部分において、エチレン単位/α−オレフ
ィン単位が50/50〜90/10、好ましくは60/40〜84/16(モ
ル比)の割合であり、1−オレフィン(エチレン+α−
オレフィン)単位/非共役ジエン単位(三元あるいは多
元共重合体の場合)が通常98/2〜90/10、好ましくは97/
3〜94/6(モル比)の場合である。
また本発明においてエチレン・α−オレフィン系共重合
体ゴムと動的熱処理の際に混合するポリオレフィン樹脂
(b)としては、エチレン,プロピレン,ブテン−1,ヘ
キセン−1,4−メチル−1−ペンテンなどの1−オレフ
ィンの単独重合体、その2種以上の共重合体、あるいは
α−オレフィンと15モル%以下の他の重合性単量体との
共重合体、例えばエチレン−酢酸ビニル共重合体,エチ
レン−アクリル酸共重合体,エチレン−アクリル酸メチ
ル共重合体,エチレン−アクリル酸エチル共重合体,エ
チレン−メタクリル酸メチル酸共重合体,エチレン−メ
タクリル酸メチル共重合体等であって、樹脂状高分子物
質のものが挙げられる。本発明ではこの中でメルフロー
ト(ASTM-D-1238-65T)が0.1ないし50g/10分、特に5な
いし20g/10分で、かつX線回折測定法により求められた
結晶化度が40%以上のポリオレフィン樹脂が好ましく用
いられる。
本発明において、特に好ましいポリオレフィン樹脂
(b)としては、メルトフローレート0.1ないし50、結
晶化度が40%以上のペルオキシド分解型ポリオレフィン
樹脂(ペルオキシドと混合し、加熱して混練することに
より熱分解して分子量を減じ、樹脂の流動性が増加する
ポリオレフィン樹脂),具体的にはアイソタクチックポ
リプロピレン、あるいはプロピレンと15モル%以下の他
のα−オレフィンとの共重合体例えばプロピレン−エチ
レン共重合体,プロピレン−1−ブテン共重合体,プロ
ピレン−1−ヘキセン共重合体,プロピレン−4−メチ
ル−1−ペンテン共重合体を例示することができる。
また本発明において上記ペルオキシド分解型ポリオレフ
ィン樹脂とペルオキシド架橋型ポリオレフィン樹脂(ペ
ルオキシドと混合し、加熱下混練することにより架橋し
て樹脂の流動性が低下するポリオレフィン樹脂)、例え
ば、密度0.910〜0.940g/cm2の低,中密度ポリエチレン
との混合物もポリオレフィン樹脂(b)として好ましく
使用される。
次に熱可塑性エラストマーの調製に際し、必要に応じて
配合される(c)ペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム
状物質とは、例えば、ポリイソブチレン,ブチルゴム,
プロピレン70モル%以上のプロピレン−エチレン共重合
体ゴム,プロピレン−1−ブテン共重合体ゴム,アタク
チックポリプロピレン等の如くペルオキシドと混合し、
加熱下に混練しても架橋せず、流動性が低下しない炭化
水素系のゴム状物質をいう。これらの中では、ポリイソ
ブチレンおよびプロピレン−1−ブテン共重合体ゴムが
最も好ましい。
また(d)鉱物油系軟化剤とは、通常ゴムをロール加工
する際ゴムの分子間作用力を弱め、加工を容易にすると
ともに、カーボンブラック,ホワイトカーボン等の分散
を助ける、あるいは加硫ゴムの硬さを低下せしめて柔軟
性,弾性を増す目的で使用されている高沸点の石油留分
で、パラフィン系,ナフテン系、あるいは芳香族系等に
区別されているものである。
本発明においては熱可塑性エラストマーの調製に際し、
これらのペルオキシド非架橋型炭化水素系ゴム状物質
(c)および/または鉱物油系軟化剤(d)を必ずしも
配合する必要はないが、本発明の重合体組成物の流れ特
性、ひいては成形加工性を一層向上させるためにはエチ
レン−α−オレフィン共重合体ゴム(a)とポリオレフ
ィン樹脂(b)合計量100重量部に対し(c)および/
または(d)を100重量部まで、好ましくは5ないし100
重量部加えることが好ましい。
更に本発明において動的熱処理後に、必要に応じ混合さ
れるポリオレフィン樹脂(II)は、動的熱処理の際に加
えられるポリオレフィン樹脂(b)と同様の樹脂,すな
わち、エチレン,プロピレン,ブテン−1,ヘキセン−1,
4−メチル−1−ペンテンなどの1−オレフィンの単独
重合体、その2種以上の共重合体、あるいはα−オレフ
ィンと15モル%以下の他の重合性単量体との共重合体、
例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ア
クリル酸共重合体,エチレン−アクリル酸メチル共重合
体、エチレン−アクリル酸エチル共重合体,エチレン−
メタアクリル酸共重合体,エチレン−メタクリル酸メチ
ル共重合体等であって、樹脂状高分子物質のものが挙げ
られる。これらのポリオレフィン樹脂(II)のメルトフ
ローレート(ASTM-D-1238-65T、190℃、但し、プロピレ
ン系重合体は230℃)は5〜100、とくに10〜50であるこ
とが好ましい。動的熱処理時と熱処理後の両方にポリオ
レフィン樹脂を加える場合は、ポリオレフィン樹脂
(b)とポリオレフィン樹脂(II)は同種のものでも、
異種のものでもよい。
本発明において熱可塑性エラストマーを調製するには、
エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムの95ないし20重
量部とポリオレフィン樹脂(b)5乃至80重量部、必要
により更にペルオキシド非架橋型ゴム(c)および/ま
たは鉱油系軟化剤(d)0〜100重量部を混合してなる
ブレンド物(以下被処理物)という100重量部に対し約
0.05〜2重量%、好ましくは0.1ないし0.5重量%の架橋
剤を配合し動的に熱処理し、部分架橋を行えばよい。
ここで動的に熱処理することは、溶融状態で混練するこ
とをいう。
混練は非解放型の装置中で行うことが好ましく、窒素ま
たは炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ま
しい。その温度は通常150〜280℃、好ましくは170〜240
℃、混練時間は通常1〜20分間、好ましくは1〜10分間
である。
本発明において部分架橋のために使用される架橋剤とし
ては、有機ペルオキシド,硫黄,フェノール系加硫剤,
オキシム類、ポリアミンなどが挙げられるが、これらの
中では得られる熱可塑性エラストマーの物性の面から、
有機ペルオキシドおよびフェノール系加硫剤が好ましい
架橋剤である。
本発明で用いられるフェノール系加硫剤としては、アル
キルフェノールホルムアルデヒド樹脂、トリアジン−ホ
ルムアルデヒド樹脂,メラミン−ホルムアルデヒド樹脂
を挙げることができる。
また本発明で使用される有機オペオキシドとしては、ジ
クミルオキシド,ジ−tert−ブチルペルオキシド,2,5−
ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
サン,2,3−ジメチル−2,5−ビス(tert−ブチルオキ
シ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルオキシイ
ソプロピル)ベンゼン,1,1−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン,n−ブチル
−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシパレラート,ジ
ベンゾイルペルオキシド,tert−ブチルペルオキシベン
ゾアート等を挙げることができるが、中でも、臭気の少
ない点,スコーチ安定性の高い点で、ビスペルオキシド
系化合物が好まれ、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキ
シイソプロピル)ベンゼンが最適である。
また部分架橋熱処理に際し、p−キノンジオキシム、p,
p′−ジベンゾイルキノンジオキシムなどの架橋助剤や
ジビニルベンゼン(DVB),ジエチレングリコールメタ
クリレート、ポリエチレンジグリコールメタクリレート
などの多官能性ビニルモノマーを配合することにより、
より均一、かつ飽和な架橋反応が実現できるので、これ
ら架橋助剤や多官能性ビニルモノマーを配合することが
好ましい。特にジビニルベンゼン(DVB)は熱処理によ
る架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれた
熱可塑性エラストマーが得られるので最も好ましい。
本発明においては、熱可塑性エラストマーに更にカーボ
ンブラック,クレー,タルク,炭酸カルシウム,重質炭
酸カルシウム,カオリン,けいそう土,シリカ,アルミ
ナ,アスベスト,グラファイト,ガラス繊維等の充填剤
やフェニル−α−ナフチルアミン,2,6−ジターシャリ−
ブチルフェノール,テトラキス〔メチレン(3,5−ジ−t
ert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネー
ト〕などの酸化防止剤、その他の添加成分を配合するこ
とができる。
これらの充填剤や添加剤は熱可塑性エラストマーの調製
段階で加えてもよく、調製後に加えてもよい。
なお、本発明において部分的に架橋されたとは、架橋後
の塑性物が熱可塑性エラストマーとしての性質を失わな
い程度に架橋されていることを言い、通常は下記の方法
で測定されたゲル含量が40%以上,好ましくは40〜110
℃のものを言う。本発明では、とりわけそのゲル含量が
45〜99.5%になるように部分架橋された熱可塑性エラス
トマーが好ましい。
ゲル含量の測定 熱可塑性エラストマーの試料ペレットを約100mg秤量
し、密閉容器中にて30ccのシクロヘキサンに23℃で48時
間浸漬したのち、試料を取り出し乾燥した。この乾燥残
渣の重量からすべての不溶性の充填剤試料その他を減じ
たものを乾燥後の補正された最終重量(Y)とする。一
方試料ペレットの重量からエチレン・α−オレフィン共
重合体とポリオレフィン樹脂以外のシクロヘキサン可溶
性成分、例えば、鉱油や可塑剤およびシクロヘキサン可
溶のゴム成分および不溶性の充填剤、試料等の成分重量
を減じたものを補正された初期重量(X)とする。ここ
に、 本発明の部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー
(B)としてはまたショア硬度(JISA)が95以下、とく
に50〜95のものが好ましい。
本発明の表皮層を形成する重合体組成物はエチレン系ア
イオノマー樹脂(A)および部分架橋オレフィン系可塑
性エラストマー(B)を必須成分として含有する。
(A)と(B)の配合割合は、(A)40〜90重量部、好
ましくは50〜85重量部に対し、(B)10〜60重量部、好
ましくは15〜5重量部である。かかる配合割合とするこ
とによって所望の性能のものを得ることができる。
なお、上記重合体層には、表面光沢を一層低減させる目
的で、15重量%以下、好ましくは12重量%以下のエチレ
ン−α−オレフィン系共重合ゴム(C)を添加すること
ができる。かかる共重合ゴム(C)は、熱可塑性エラス
トマー(B)の調製に用いることができる前述のエチレ
ン・α−オレフィン系重合ゴム(a)と同様のものを用
いることができる。勿論ゴム(C)とゴム(a)は同一
のものでも異なるものであってもよい。
かかる表皮層にはまた、各種充填剤例えばカーボンブラ
ック,クレー,タルク,炭酸カシウム,重質炭酸カルシ
ウム,カオリン,けいそう土,シリカ,アルミナ,アス
ベスト,グラファイト,ウィスカー,金属粉,ガラス
球,ガラス繊維,カーボン繊維等や着色剤,例えば、酸
化チタン,亜鉛華,ベンガラ,群青,紺青,アゾ顔料,
レーキ顔料,フタロシアニン顔料等、あるいはその他の
添加剤、例えば、公知の酸化防止剤,可塑剤,耐熱安定
剤,耐候安定剤,帯電防止剤,金属セッケン,ワックス
等の滑材、難燃材などを添加することができる。
これらの充填剤,着色剤,添加剤は前記したようにオレ
フィン系熱可塑性エラストマーの調製段階で加えてもよ
く、また重合体組成物を調製する段階で加えてもよい。
重合体組成物としてメルトフローレート(190℃、荷重2
160gの値以下MFRと略す。)は0.1ないし50g/10分、とく
に0.1ないし10g/10分のものが好ましい。
前記重合体組成物を調製するには、エチレン系アイオノ
マー樹脂(A),オレフィン系熱可塑性エラストマー
(B)、必要に応じ添加される他の成分を同時的または
逐次的にドライブレンドまたはメルトブレンドすること
によって行われる。ドライブレンドは、ヘンシェルミキ
サー,ダンブラーミキサー,リボンブレンダーなど各種
ブレンダーを用いて混合し、メルトブレンドの混合は単
軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサーなどの各種
ミキサー,ロール,各種ニーダーなどを用いて溶融混合
すればよく、その混合順序には特に制限はない。
表皮層表面は、装飾目的であるいは光沢を一層低減させ
る目的でしぼ加工を施すことができる。
本発明の積層体は、前述の重合体組成物からなる表皮層
に隣接して熱可塑性樹脂発泡体層が設けられている。こ
の目的に使用される熱可塑性樹脂としては、先にポリオ
レフィン樹脂(b)として例示したようなもの、例えば
ポリプロピレン,ポリ−1−ブデン,ポリ−4−メチル
−1−ペンテンのようなポリオレフィン類やエチレン・
酢酸ビニル共重合体,エチレン・アクリル酸エチル共重
合体,エチレン・メタクリル酸メチル共重合体,エチレ
ン系アイオノマー樹脂のようなオレフィン・極性ビニル
モノマー共重合体の外にポリスチレン,ポリ塩化ビニ
ル,ポリエステル,ポリアミドなどを例示することがで
きる。これらの中では表皮層との層間接着性,二次成形
性,リサイクル性などの観点から、ポリオレフィン樹脂
を使用するのが望ましい。
また発泡体の発泡倍率としては、使用目的によっても異
なるが、通常5ないし70倍、好ましくは10ないし50倍程
度のものがよい。
本発明の積層体においては積層体の剛性の改善、発泡体
側の表面保護,形状保持,強度改善などの目的でさらに
第三の硬質板層を設けることができる。かかる目的に使
用される層は、表皮層よりも硬質な層であって、熱可塑
性樹脂や熱硬化性樹脂、あるいは木質合板,パーティク
ルボードの如き木質板,ファイバーボードやフェノール
樹脂含浸フェルト板の如き繊維板などが好適である。こ
のような熱可塑性樹脂として各種ポリエチレン,ポリプ
ロピレン,ポリ−1−ブデン,ポリ−4−メチル−1−
ペンテンのようなポリオレフィンやエチレン・酢酸ビニ
ル共重合体,エチレン・アクリル酸エチル共重合体,エ
チレン・メクリル酸メチル共重合体,エチレン系アイオ
ノマーのようなオレフィン・極性ビニルモノマー共重合
体の如きポリオレフィン樹脂,ポリスチレン,ハイイン
パクトポリスチレン,AS樹脂,ABS樹脂のようなスチレン
系樹脂,ポリ塩化ビニル,ポリエステル,ポリアミドな
どであってよい。この中では、層間接着性,加工性,リ
サイクル性等を重視すると、熱可塑性樹脂発泡体層と同
種の樹脂を用いるが好ましく、例えばポリオレフィン樹
脂の使用が好ましい。
この第三の硬質板層として熱可塑性樹脂層を用いる場合
には、樹脂中に剛性,耐熱変形性,増量効果などの目的
で各種充填剤や添加剤を配合してもよい。このような充
填剤の例は、熱可塑性エラストマーに配合できるものと
して先に例示した充填剤の外に、木粉,段ボール片など
であってもよい。
硬質板として使用できる熱硬化性樹脂としては、フェノ
ール樹脂,メラミン樹脂,ウレア樹脂,エポキシ樹脂,
不飽和ポリエルテル樹脂,ウレタン樹脂などを例示でき
る。
この第三の層は、単層のシート(又はフィルム)状のみ
ならず、複層あるいは特殊構成の層、例えば段ボール状
であってもよい。
本発明の積層板を製造するには、共押出法,溶融押出ラ
ミネート法、多色射出成形法その他公知の手段を適宜採
用すればよい。多層の厚みは、勿論使用目的によっても
異なるが、表皮層が通常0.05〜5mm、好ましくは0.1〜3m
m,熱可塑性樹脂発泡体層が通常0.5〜30mm、好ましくは
1〜20mm、第三の層が0〜20mm、好ましくは1〜10mmの
範囲とするのがよい。
〔発明の効果〕
本発明によれば、表皮層の薄肉成形性が優れているた
め、薄肉にして均一かつ平滑な表皮層を有する積層体が
提供できる。本発明においてはまた耐スクラッチ性,層
間接着性,真空成形性,圧縮成形性,スタンピング成形
性,緩衝性に優れたレザー感触を有する積層体を提供す
ることができる。特に真空成形や圧縮成形のような二次
加工を行った場合に、艶戻り減少が少ないという利点が
ある。
このような特性を生かして本発明の積層体は自動車部
品、例えば天井材,ドア内張り材,インストルメントパ
ネルなど、自転車部品,スポーツ用品,建築用品,電気
製品ハウジング,電気製品や楽器のキャリングケース,
カバン類のような日用品,装飾品など各種成形品用途に
広く用いることができる。これらは射出成形,中空成
形,圧縮成形,真空成形,スタンピング成形などの各種
成形法を適用して製造することができる。
〔実施例〕
次に実施例により、本発明を説明する。
尚、後述の略語は以下の意味を有する。
アイオノマー(1)(エチレン含量96 mol%,メタクリ
ル酸含量1 mol%,メタクリル酸亜鉛含量3 mol%,MFR
1g/10分) アイオノマー(2)(エチレン含量96 mol%,メタクリ
ル酸含量3 mol%,メタクリル酸亜鉛含量1 mol%,MFR
5g/10分) アイオノマー(3)(エチレン含量96 mol%,メタクリ
ル酸含量2 mol%,メタクリル酸ナトリウム含量2 mol
%,MFR 1g/10分) 部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー(4)(以
下TPEと略す) (ミラストマー 8030B,MFR10g/10分(230℃,荷重10k
g)ショア硬度(A)85,三井石油化学工業(株)) 熱可塑性樹脂発泡体(5) 20倍発泡ポリエチレン(以下PEFと略す。)2mmシート
(片面SBR系感熱接着剤処理) 熱可塑性樹脂発泡体(6) 30倍発泡ポリプロピレン(以下PPFと略す。)2mm 高密度ポリエチレン(7) (ハイゼックス 5000S,MFR1g/10分(190℃,荷重2160
g),密度0.954g/cc,三井石油化学(株)) ポリプロピレン(8) (三井石油化学ポリプロF601,MFR7g/10分(230℃,荷重
2160g),密度0.910g/cc,三井石油化学工業(株)) 段ボール (9) 厚み 3mm 実施例1〜2,比較例1〜2 アイオノマー(1)及びTPE(4)の所定量を、40mm径
単軸押出機を用いてダイ温度200℃,スクリュー回転数4
0 rpmの条件下で、溶融混合して、ペレット化した。こ
れらのペレットについて、700mm巾T−ダイを装着した6
5mm径単軸押出機を用いて、T−ダイ温度200℃の条件下
で押出成形熱可塑性樹脂発泡体PEF(5)との貼り合わ
せを、表面にエンボス模様を彫刻した、金属ロール2本
の感を通過させる事で行った。尚、PEF(5)の貼り合
わせ面は、SBR系感熱接着剤を処理していない方であ
る。
これらの貼り合わせシートについて、表−1に示す物性
等の評価を行なった。
〔薄引き性〕
シート引取機の引取速度を調節して、表皮材(アイオノ
マー(1)及びTPE(4)の混練物)単独のシートに穴
があく時のシート厚み(mm)で、薄引き性の評価を行な
った。
〔耐スクラッチ性〕
厚み0.2mmの表皮材に、100円銀貨の側面部をこすりつけ
て、傷のつきやすさを肉眼で判定した。傷がつかないも
のを○、傷がつくものを×、中間を△とした。
〔積層物接着性〕
表皮材と熱可塑性樹脂発泡体層を、手ではくりし界面は
くりであるものを×、熱可塑性樹脂発泡体の材質破壊で
あるものを○、中間を△とした。
実施例−3 実施例−1に於いて、アイオノマー(1)の代わりに、
アイオノマー(2)が同量用いられた。
実施例−4 実施例−1に於いて、アイオノマー(1)の代わりに、
アイオノマー(3)が同量用いられた。
実施例−5 実施例−2に於いて、熱可塑性樹脂発泡体PEF(5)の
代わりに、熱可塑性樹脂発泡体PPF(6)が用いられ
た。
実施例−6 高密度ポリエチレン(7)について、700mm巾T−ダイ
を装着した65mm径押出機と、3本金属ロールを装着しシ
ート引取機を用いて、T−ダイ温度220℃の条件で、1mm
厚のシート状に押出し、実施例−1で作成したはりあわ
せシートのPEF(5)側と、さらにはりあわせを行っ
た。次に、このはりあわせシートについて以下の条件で
真空成型テストを行なった。
試験機 ハーミス(株)製 FE−36 型深さ 150mm 型面積 500mm×500mm 加熱条件 190℃,50秒 冷却時間 60秒 上記の条件で、艶戻り現象もなく良好な外観を有する真
空成型サンプルが得られた。
実施例−7 実施例−6に於いて、高密度ポリエチレン(7)の代わ
りに、ポリプロピレン(8)が用いられた他は、同様に
して真空成型テストを行ない、艶戻り現象もなく良好な
結果が得られた。
実施例−8 実施例−1で得られた貼り合わせシートと、段ボール
(9)を用いて、圧縮成型を以下の条件で行った。
試験機 東邦プレス(株)製 50Ton プレス 試験方法(イ)プレース上型温度を100℃,下型温度を1
30℃に設定する。
(ロ)設定温度下で、段ボール(9)を20秒間75%厚に
圧縮する(プレス圧150kg/cm2)。
(ハ)段ボールをヒートプレス後、すばやく、表皮材を
のせ、再び20秒間圧縮する(プレス150kg/cm2)この場
合、表皮材圧縮率は50%である。
以上の条件で得られた、圧縮成型サンプルは、艶戻り現
象もなく良好な外観,接着(SBR感熱接着剤と段ボール
間の接着)が得られた。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エチレン系アイオノマー樹脂40〜90重量部
    および部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー10〜
    60重量部を混合してなる重合体組成物表皮層および熱可
    塑性樹脂発泡体層からなる積層体。
  2. 【請求項2】エチレン系アイオノマー樹脂40〜90重量部
    および部分架橋オレフィン系熱可塑性エラストマー10〜
    60重量部を混合してなる重合体組成物表皮層,熱可塑性
    樹脂発泡体中間層および硬質板層が順次形成されてなる
    積層体。
  3. 【請求項3】表皮層がしぼ加工されてなる請求項(1)
    又は(2)の積層体。
  4. 【請求項4】自動車部材として用いられる請求項(1)
    又は(2)記載の積層体。
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