JP2694991B2 - 積層成形体 - Google Patents

積層成形体

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JP2694991B2
JP2694991B2 JP3544989A JP3544989A JP2694991B2 JP 2694991 B2 JP2694991 B2 JP 2694991B2 JP 3544989 A JP3544989 A JP 3544989A JP 3544989 A JP3544989 A JP 3544989A JP 2694991 B2 JP2694991 B2 JP 2694991B2
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保彦 大多和
敏幸 前田
昇 酒巻
徹 竹原
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三井石油化学工業株式会社
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【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、積層成形体に関し、さらに詳しくは、耐熱
性、耐寒性、耐油性、耐溶剤性、耐摩耗性および耐傷付
き性に優れたソフトな積層成形体に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 従来、立体成形品の表面を合成樹脂の表皮層で保護し
たり、あるいは、化粧、印刷した成形体として、合成樹
脂からなるコアー層に他の合成樹脂からなる表皮層を積
層した積層成形体が知られている。
この積層成形体は、合成樹脂シートを射出成形用金型
のキャビティ内壁面に真空成形により吸引して予備成形
し、その後、キャビティ内に流動可塑化状態にある合成
樹脂を射出成形して得られ、主に自動車の内外装部品、
建材などの用途に広く用いられている。
このような成形体では、表皮層としてあらかじめ文字
や模様などを付けた材料を使用すれば、立体成形品を成
形した後さらに絵付けを行なう必要がないというメリッ
トがある。
しかしながら、従来、表皮層として用いる合成樹脂シ
ートまたはフィルムとしては、ポリ塩化ビニルなどを用
いているが、従来の表皮層材料では、真空成形時の吸引
性が悪く、成形体の立体形状が複雑になるほど成形が難
しく、角部にひび割れが生じたり、あるいは、一部にし
わが生じたりするなどの問題点があった。また、金型の
キャビティ内壁面のシボ模様の転写によるシボ付けが必
ずしも良好ではないという問題点があった。さらに、ポ
リ塩化ビニルなどの表皮層では、耐熱性、耐寒性、耐油
性、耐溶剤性、耐摩耗性および耐傷付き性に劣るという
問題点があり、また可塑剤がブリードアウトするため、
自動車内装部品として肌触りが悪いという問題点があっ
た。
発明の目的 本発明は、上記のような問題点を解決しようとするも
のであって、耐熱性、耐寒性、耐油性、耐溶剤性、耐摩
耗性および耐傷付き性に優れたソフトな積層成形体を提
供することを目的としている。
また、本発明は、上記の諸特性に優れるとともに、ソ
フトでシャープなシボ模様を有する積層成形体を提供す
ることをも目的としている。
発明の概要 本発明に係る積層成形体は、 (イ)合成樹脂からなるコアー層と、 (ロ)このコアー層上に設けられた熱可塑性エラストマ
ー発泡体からなる中間層(I)と、 (ハ)この中間層(I)上に設けられた、不飽和カルボ
ン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、不飽和エポキシ単量
体および不飽和ヒドロキシ単量体からなる群から選択さ
れる少なくとも1種のグラフトモノマーでグラフト変性
された変性ポリオレフィン系エラストマーからなる中間
層(II)と、 (ニ)この中間層(II)上に設けられた、ポリアミド、
ポリウレタンおよびポリエステルからなる群から選択さ
れる少なくとも1種のポリマーからなる表皮層 とからなることを特徴としている。
発明の具体的説明 以下、本発明に係る積層成形体について具体的に説明
する。
本発明に係る積層成形体は、合成樹脂からなるコアー
層と、熱可塑性エラストマー発泡体からなる中間層
(I)と、変性ポリオレフィン系エラストマーからなる
中間層(II)と、ポリマーからなる表皮層とから構成さ
れている。
コアー層 本発明におけるコアー層は、合成樹脂からなり、本発
明では、熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーなどの合
成樹脂が好ましく用いられる。
上記熱可塑性樹脂としては、具体的には、結晶性、非
晶性を問わず、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレ
ン、ポリプロピレン、ポリ1−ブテン、ポリ4−メチル
−1−ペンテン、またはエチレン、プロピレン、1−ブ
テン、4−メチル−1−ペンテン等のα−オレフィン同
士のランダムあるいはブロック共重合体等のポリオレフ
ィン、エチレン・アクリル酸共重合体、エチレン・酢酸
ビニル共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合
体、エチレン・塩化ビニル共重合体等のエチレン・ビニ
ル化合物共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル・
スチレン共重合体、ABS、メタクリル酸メチル・スチレ
ン共重合体、α−メチルスチレン・スチレン共重合体等
のスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデ
ン、塩化ビニル・塩化ビニリデン共重合体、アクリル酸
エステルとして、ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリ
ル酸メチル等のポリビニル化合物、ナイロン6、ナイロ
ン6−6、ナイロン6−10、ナイロン11、ナイロン12等
のポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチ
レンテレフタレート等の熱可塑性ポリエステル、ポリカ
ーボネート、ポリフェニレンオキサイド等あるいはこれ
らの混合物、もしくはシリコーン系、ウレタン系等の樹
脂が挙げられる。
また、上記熱可塑性エラストマーとしては、具体的に
は、後述する中間層(II)を構成する変性ポリオレフィ
ン系エラストマー、ポリオレフィン系エラストマー、ス
チレン系エラストマー、エステル系エラストマー、ウレ
タン系エラストマー、塩化ビニル系エラストマーなどが
挙げられる。
本発明においては、上記のような合成樹脂の中から、
成形条件、用途、性質、価格などを考慮して用いる合成
樹脂を適宜選択するが、得られる積層成形体の耐衝撃
性、耐候性などの面からポリオレフィン系樹脂、とりわ
けポリプロピレンが好ましく用いられる。
また、本発明においては、必要に応じて、上記合成樹
脂を発泡剤で発泡させたり、あるいは上記合成樹脂に、
要求される物性を損なわない範囲で、もしくは物性をさ
らに改善する目的で木粉、繊維片、無機充填剤などの添
加剤を含めることができる。
中間層(I) 本発明における中間層(I)は、熱可塑性エラストマ
ー発泡体からなる。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー発泡体を構
成する熱可塑性エラストマーは、オレフィン系熱可塑性
エラストマーであり、たとえばポリオレフィン系樹脂と
エチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとを必須成分
として含有している熱可塑性エラストマーが用いられ
る。
本発明においては、上記エチレン・α−オレフィン系
共重合体ゴムは、エチレン・α−オレフィン系共重合体
ゴムの部分架橋物が好ましく用いられるが、エチレン・
α−オレフィン系共重合体ゴムの非架橋物を用いても良
い。
本発明で用いられる好ましい熱可塑性エラストマーと
しては、具体的には、以下のような熱可塑性樹脂組成物
が挙げられる。
(I)エチレンまたはプロピレンの単独重合体または少
量の他の重合性単量体との共重合体によって代表される
各種ポリオレフィン系樹脂と、エチレンと炭素数3〜14
のα−オレフィンとの二元共重合体ゴムまたはこれに各
種ポリエン化合物をさらに共重合させた三元ないし四元
共重合体ゴムであるエチレン・α−オレフィン系共重合
体ゴムの部分架橋物とを混合して得られる熱可塑性樹脂
組成物(たとえば、特公昭53−21021号および特開昭55
−71738号公報参照)、 (II)ポリオレフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィ
ン系共重合体ゴムとのブレンド体を少量の架橋剤の存在
下に、動的に熱処理して得られた熱可塑性樹脂組成物
(たとえば、特公昭53−34210号、特開昭53−149240号
公報、および特開昭53−149241号公報参照)、 (III)上記(I)または(II)の組成物に、さらにポ
リオレフィン系樹脂をブレンドして得られた熱可塑性樹
脂組成物(たとえば、特開昭53−145857号公報および特
開昭54−16554号公報参照)、 (IV)エチレンの単独重合体もしくは少量の他の重合性
単量体との共重合体によって代表されるペリオキシド架
橋型ポリオレフィン系樹脂、プロピレンの単独重合体も
しくは少量の他の重合性単量体との共重合体によって代
表されるペルオキシド非架橋型ポリオレフィン系樹脂、
およびエチレン・α−オレフィン系共重合体ゴムのブレ
ンド体を少量のペルオキシドの存在下に、動的に熱処理
して得られた熱可塑性樹脂組成物(たとえば、特開昭55
−71739号公報参照)など。
これら各種の熱可塑性エラストマーにおいて、ポリオ
レフィン系樹脂とエチレン・α−オレフィン系重合体ゴ
ムとは、通常90/10〜10/90、好ましくは80/20〜20/80の
重量比となるように用いられる。
ポリオレフィン系樹脂として、成形性、シートの耐傷
付き性などを向上させる目的で、ポリエチレン、特に低
密度ポリエチレンとポリプロピレンとを10/90〜70/30の
重量比で混合して用いることができる。
また、エチレン・α−オレフィン系重合体ゴムとして
は、主として強度的な理由から、エチレンとα−オレフ
ィンとのモル比が50/50〜90/10、好ましくは70/30〜85/
15の範囲内であり、またムーニー粘度ML1+4(121℃)が
約20以上、好ましくは約40〜80であるエチレン・α−オ
レフィン系重合体ゴムを使用することが望ましい。これ
らのエチレン・α−オレフィン系重合体ゴムを部分架橋
する場合は、一般に熱可塑性エラストマー100重量部に
対し、約0.1〜2重量部の有機ペルオキシドを用いて、
動的に熱処理して行なうことが好ましい。
本発明における熱可塑性エラストマーは、上記熱可塑
性樹脂組成物中に必要に応じてポリイソブチレン、ブチ
ルゴムなどによって代表されるペルオキシド非架橋型炭
化水素系ゴム状物質および/または鉱物油系軟化剤を含
めることもできる。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマー発泡体は、
通常、上記熱可塑性エラストマーの未発泡シートを加熱
して得る。
上記熱可塑性エラストマーの未発泡シートを構成する
熱可塑性エラストマーは、上記熱可塑性エラストマーに
加えて、発泡剤を必須成分として含有している。
本発明で用いられる発泡剤としては、具体的には、炭
酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニ
ウム、炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウムなどの無
機発泡剤;N,N′−ジメチル−N,N′−ジニトロソテレフ
タルアミド、N,N′−ジニトロソペンタメチレンテトラ
ミンなどのニトロソ化合物;アゾジカルボンアミド、ア
ゾビスイソブチロニトリル、アゾシクロヘキシルニトリ
ル、アゾジアミノベンゼン、バリウム・アゾジカルボキ
シレートなどのアゾ化合物ベンゼンスルホニルヒドラジ
ド、トルエンスルホニルヒドラジド、p,p′−オキシビ
ス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)、ジフェニルスル
ホン−3,3′−ジスルホニルヒドラジドなどのスルホニ
ルヒドラジド化合物;カルシウムアジド、4,4′−ジフ
ェニルジスルホニルアジド、p−トルエンスルホニルア
ジドなどのアジド化合物などが挙げられる。中でも、ア
ゾジカルボンアミドが好ましい。
本発明において、熱可塑性エラストマーの未発泡シー
ト中に含まれる発泡剤の割合は、0.1〜50重量%であ
り、好ましくは0.5〜20重量%である。
本発明では、上記熱可塑性エラストマーの未発泡シー
トは、通常、Tダイ成形法、カレンダー成形法などを用
いて成形される。
本発明で用いられる熱可塑性エラストマーの未発泡シ
ートの厚みは、通常、0.05〜5.0mm、好ましくは0.1〜3.
0mmである。
次に、上記熱可塑性エラストマーの未発泡シートを加
熱して発泡させ、熱可塑性エラストマー発泡体を得る。
この加熱は、エアーオーブン中で行なわれることが好ま
しいが、他の加熱方法を採用することもできる。
上記の加熱条件は、通常、温度が160〜260℃、好まし
くは170〜250℃であり、加熱時間は0.5〜10分、好まし
くは2〜5分である。
本発明においては、上記発泡の倍率は、通常、1.1〜2
0倍、好ましくは1.2〜5倍であり、発泡層の厚みは、通
常、0.1〜10mm、好ましくは0.2〜5mmである。
上記のような熱可塑性エラストマー発泡体を中間層に
用いれば、形状、稜線がシャープでしかもソフト感に優
れた積層成形体を得ることができる。
中間層(II) 本発明で用いられる中間層(II)を構成する変性ポリ
オレフィン系エラストマーとしては、具体的には、 (a)ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム10
0〜10重量部、好ましくは95〜10重量部、特に好ましく
は95〜60重量部と、 (b)オレフィン系プラスチック0〜90重量部、好まし
くは5〜90重量部、特に好ましくは5〜40重量部
((a)成分と(b)成分の合計量は100重量部)と、 (c)不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、
不飽和エポキシ単量体および不飽和ヒドロキシ単量体か
らなる群から選択される少なくとも1種のグラフトモノ
マー0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部 とを含有するブレンド物を、有機ペルオキシドの存在下
において動的に熱処理を行ない、部分的に架橋せしめる
ことにより得られる熱可塑性エラストマーなどが挙げら
れる。
また、熱処理を行なうべきブレンド物には、上記
(a)〜(c)成分に加えて、成分(a)および(b)
の合計量100重量部当り、(d)ペルオキシド非架橋型
ゴム状物質0〜100重量部、好ましくは5〜100重量部、
特に好ましくは5〜50重量部、および/または、(e)
鉱物油系軟化剤0〜200重量部、好ましくは3〜100重量
部、特に好ましくは3〜80重量部をさらに配合すること
が、特に得られる熱可塑性エラストマーの成形加工性を
向上させるという見地から望ましい。
成分(a)を前記の範囲で配合することにより、ゴム
弾性などのゴム的特性に優れるとともに、成形性に優れ
た組成物が得られる。
成分(b)、(d)および(e)を前記の範囲で配合
することにより、ゴム弾性などのゴム的特性に優れると
ともに、流動性ならびに成形性に優れた組成物が得られ
る。
成分(c)を前記の範囲で配合することにより、成形
性ならびに樹脂や金属に対する熱接着性に優れた組成物
が得られる。
(a)ペルオキシド架橋型オレフィン系共重合体ゴム 本発明において用いられるペルオキシド架橋型オレフ
ィン系共重合体ゴムとは、たとえばエチレン−プロピレ
ン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴ
ム、エチレン−ブタジエン共重合体ゴムのようなオレフ
ィンを主成分とする無定形の弾性共重合体であって、有
機ペルオキシドと混合し、加熱下に混練することにより
架橋して流動性が低下し、あるいは流動しなくなるゴム
をいう。なお、非共役ジエンとは、ジシクロペンタジエ
ン、1,4−ヘキサジエン、ジシクロオクタジエン、メチ
レンノルボルネン、エチリデンノルボルネンなどを指称
する。
本発明では、これらの共重合体ゴムの中でも、エチレ
ン−プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非
共役ジエンゴムが好ましく用いられ、通常、エチレン単
位とプロピレン単位とのモル比(エチレン/プロピレ
ン)が50/50〜90/10であるエチレン−プロピレン共重合
体ゴム、エチレン−プロピレン非共役ジエンゴムが用い
られ、特に上記モル比が55/45〜85/15であるエチレン−
プロピレン共重合体ゴム、エチレン−プロピレン非共役
ジエンゴムが好ましく用いられる。中でも、エチレン−
プロピレン非共役ジエン共重合体ゴム、特にエチレン−
プロピレン−5−エチリデン−2−ノルボルネン共重合
体ゴムおよびエチレン−プロピレン−5−エチリデン−
2−ノルボルネン−ジシクロペンタジエン四元共重合体
が、耐熱性、引張特性および反撥弾性に優れた熱可塑性
エラストマー組成物が得られる点で好ましい。
また、上記共重合体ゴムのムーニー粘度[ML1+4(100
℃)]、10〜250、特に40〜150が好ましい。ムーニー粘
度がこの範囲内にある上記共重合体ゴムを用いることに
より、引張特性および流動性に優れた熱可塑性エラスト
マー組成物が得られる。
さらに、上記共重合体ゴムのヨウ素価(不飽和度)は
25以下であることが好ましい。ヨウ素価がこの範囲内に
ある上記共重合体ゴムを用いることにより、流動性とゴ
ム的特性とのバランスに優れた熱可塑性エラストマー組
成物が得られる。
(b)オレフィン系プラスチック 本発明において用いられるオレフィン系プラスチック
は、高圧法または低圧法の何れかによる1種または2種
以上のモノオレフィンを重合して得られる結晶性の高分
子量固体生成物からなる。このようなオレフィン系プラ
スチックとしては、たとえばアイソタクチックおよびシ
ンジオタクチックのモノオレフィンからなるホモまたは
共重合体樹脂が挙げられるが、これらの代表的なものは
商業的に入手できる。
適当な原料オレフィンとしては、たとえばエチレン、
プロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、2−メチル−1−プロペン、3−メチル−1−ペン
テン、4−メチル−1−ペンテン、5−メチル−1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセンおよびこれらの2種
以上の混合系オレフィンが挙げられる。重合様式は、ラ
ンダム型でもブロック型でも、樹脂状物が得られるもの
であればいずれも採用することができる。
中でも好ましいオレフィン系プラスチックは、ペルオ
キシド分解型オレフィン系プラスチック、およびポリエ
チレンである。
ペルオキシド分解型オレフィン系プラスチックとは、
ペルオキシドと混合し、加熱下で混練することにより熱
分解して分子量を減じ、樹脂の流動性が増加するオレフ
ィン系プラスチックをいい、このようなオレフィン系プ
ラスチックとしては、たとえば、アイソタクチックポリ
プロピレンやプロピレンと、他の少量のα−オレフィン
との共重合体、たとえばプロピレン−エチレン共重合
体、プロピレン−1−ブテン共重合体、プロピレン−1
−ヘキセン共重合体、プロピレン−4−メチル−1−ペ
ンテン共重合体などを挙げることができる。上記混合で
用いられるオレフィン系プラスチックのメルトインデッ
クス(ASTM−D−1238−65T、230℃)は0.1〜50、特に
5〜20の範囲内にあることが好ましい。本発明におい
て、オレフィン系プラスチックは、組成物の流動性の向
上および耐熱性の向上に寄与している。
(c)不飽和カルボン酸またはその誘導体、不飽和エポ
キシ単量体、不飽和ヒドロキシ単量体 本発明において(c)成分の1つとして用いられる不
飽和カルボン酸またはその誘導体としては、具体的に
は、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール
酸、イタコン酸、シトラコン酸、テトラヒドロフタル酸
等のα,β−不飽和カルボン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘ
プト−2−エン−5,6−ジカルボン酸等の不飽和カルボ
ン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコ
ン酸、テトラヒドロ無水フタル酸等のα,β−不飽和カ
ルボン酸の無水物、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エ
ン−5,6−ジカルボン酸無水物等の不飽和カルボン酸の
無水物、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、マレ
イン酸ジメチル、マレイン酸モノメチル、フマール酸ジ
エチル、イタコン酸ジメチル、シトラコン酸ジエチル、
テトラヒドロ無水フタル酸ジメチル、ビシクロ[2,2,
1]ヘプト−2−エン−5,6−ジカルボン酸ジメチル等の
不飽和カルボン酸のエステルなどが挙げられる。中で
も、マレイン酸、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−2−エン
−5,6−ジカルボン酸またはこれらの無水物が好ましく
用いられる。
また、本発明において(c)成分の他の1つである不
飽和エポキシ単量体としては、具体的には、グリシジル
アクリレート、グリシジルメタクリレート、p−スチリ
ルカルボン酸グリシジル等の不飽和モノカルボン酸のグ
リシジルエステル:マレイン酸、イタコン酸、シトラコ
ン酸、ブテントリカルボン酸、エンド−シス−ビシクロ
[2,2,1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸、エン
ド−シス−ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−
メチル−2,3−ジカルボン酸等の不飽和ポリカルボン酸
のモノグリシジルエステルあるいはポリグリシジルエス
テル:アルリルグリシジルエーテル、2−メチルアルリ
ルグリシジルエーテル、o−アルリルフェノールのグリ
シジルエーテル、m−アルリルフェノールのグリシジル
エーテル、p−アルリルフェノールのグリシジルエーテ
ル、イソプロペニルフェノールのグリシジルエーテル、
o−ビニルフェノールのグリシジルエーテル、m−ビニ
ルフェノールのグリシジルエーテル、p−ビニルフェノ
ールのグリシジルエーテル等の不飽和グリシジルエーテ
ル:2−(o−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−
(p−ビニルフェニル)エチレンオキシド、2−(o−
ビニルフェニル)プロピレンオキシド、2−(p−ビニ
ルフェニル)プロピレンオキシド、2−(o−アルリル
フェニル)エチレンオキシド、2−(p−アルリルフェ
ニル)エチレンオキシド、2−(o−アルリルフェニ
ル)プロピレンオキシド、2−(p−アルリルフェニ
ル)プロピレンオキシド、p−グリシジルスチレン、3,
4−エポキシ−1−ブテン、3,4−エポキシ−3−メチル
−1−ブテン、3,4−エポキシ−1−ペンテン、3,4−エ
ポキシ−3−メチル−1−ペンテン、5,6−エポキシ−
1−ヘキセン、ビニルシクロヘキセンモノオキシド、ア
ルリル−2,3−エポキシシクロペンチルエーテルなどが
好ましく用いられる。
さらに、本発明において(c)成分の他の1つである
不飽和ヒドロキシ単量体は、エチレン性不飽和結合およ
びヒドロキシル基を各1個以上有する単量体であり、具
体的には、ヒドロキシエチルアクリレート、ヒドロキシ
プロピルアクリレート、ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、ヒドロキシプロピルメタクリレート、ポリエチレン
グリコールモノメタクリレート、ポリプロピレングリコ
ールモノメタクリレートなどが挙げられ、特に、ヒドロ
キシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロ
ピル(メタ)アクリレートが好ましい。
これらの(c)成分は、後述する動的な熱処理に際し
て、グラフト変性剤として作用し、ポリアミド、ポリウ
レタンまたはポリエステルからなる表皮層と変性ポリオ
レフィン系エラストマーからなる中間層(II)との積層
界面の接着力を強化する働きを有する。
(d)ペルオキシド非架橋型ゴム状物質 上記(d)成分ペルオキシド非架橋型ゴム状物質と
は、たとえばポリイソブチレン、ブチルゴム(IIR)、
プロピレン70モル%以上のプロピレン−エチレン共重合
体ゴム、アタクチックポリプロピレン等の如く、ペルオ
キシドと混合し、加熱下に混練しても架橋せず、流動性
が低下しない炭化水素系のゴム状物質をいう。中でも、
ポリイソブチレンおよびブチルゴム(IIR)が性能およ
び取扱い上最も好ましい。
ペルオキシド非架橋型ゴム状物質は、熱可塑性エラス
トマー組成物の流動性を改良するものであり、特にムー
ニー粘度が60以下のペルオキシド非架橋型ゴム状物質が
好適である。
(e)鉱物油系軟化剤 上記(e)成分の鉱物油系軟化剤は、通常、ゴムをロ
ール加工する際、ゴム分子間作用力を弱め、加工を容易
にするとともに、充填剤として配合するカーボンブラッ
ク、ホワイトカーボン等の分散を助け、あるいは加硫ゴ
ムの硬さを低下せしめて柔軟性、弾性を増す目的で使用
されている高沸点の石油留分であり、パラフィン系、ナ
フテン系、芳香族系等に区別されている。
変性ポリオレフィン系エラストマーの製造 本発明の積層成形体において、中間層(II)を構成す
る変性ポリオレフィン系エラストマーは、前述した
(a)ないし(c)の各成分および必要により、(d)
および/または(e)の各成分を前述した量比に従って
ブレンドし、有機ペルオキシドの存在下で動的に熱処理
し、部分的に架橋せしめることによって製造される。
また変性ポリオレフィン系熱可塑性エラストマーの流
動性(成形性)、ゴム的性質、およびポリアミド、ポリ
ウレタンまたはポリエステルからなる表皮層との接着性
を損わない範囲内において、繊維状フィラー、ポリオレ
フィンプラスチック、または充填剤、たとえば、ガラス
繊維、チタン酸カリウム繊維、高密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、アイソタクチ
ックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重
合体、炭酸カルシウム、ケイ酸カルシウム、クレー、カ
オリン、タルク、シリカ、ケイソウ土、雲母粉、アスベ
スト、アルミナ、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、硫
酸カルシウム、塩基性炭酸マグネシウム、二硫化モリブ
デン、グラファイト、ガラス繊維、ガラス球、シラスバ
ルーン、カーボン繊維等あるいは着色剤、たとえば、カ
ーボンブラック、酸化チタン、亜鉛華、べんがら、群
青、紺青、アゾ顔料、ニトロソ顔料、レーキ顔料、フタ
ロシアニン顔料等を配合することができる。
また本発明では、フェノール系、サルファイト系、フ
ェニルアルカン系、フォスファイト系あるいはアミン系
安定剤の如き公知の耐熱安定剤、老化防止剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、金属セッケン、ワックス等の滑剤など
を、オレフィン系プラスチックあるいはオレフィン系共
重合体ゴムで使用される程度の量で配合することができ
る。
本発明においては、上述した各成分のブレンド物を有
機ペルオキシドの存在下に動的に熱処理して部分的に架
橋して、変性ポリオレフィン系エラストマーを製造す
る。
動的に熱処理するとは、融解状態で混練することをい
う。
本発明において変性ポリオレフィン系エラストマーを
製造する際に用いる有機ペルオキシドとしては、具体的
には、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオ
キシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ−(tert−ブチルペル
オキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブ
チルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブ
チルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(t
ert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオ
キシ)バレレート、ベンゾイルペルオキシド、p−クロ
ロベンゾイルペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイル
ペルオキシド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、
tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルオキ
シイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキシ
ド、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルクミルペル
オキシドなどを挙げることができる。
中でも、臭気性、スコーチ安定性の点で2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5
−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキ
シン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプ
ロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキ
シ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびn−ブ
チル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレー
トが好ましく、中でも1,3−ビス(tert−ブチルペルオ
キシイソプロピル)ベンゼンが最も好ましい。
この有機ペルオキシドの配合量は、上記(a)、
(b)および(c)成分の合計量当り0.05〜3重量%、
好ましくは0.1〜1重量%の範囲内にあるように選ばれ
る。この配合量を上記範囲にすることにより、得られる
変性ポリオレフィン系エラストマーの耐熱性、引張特
性、弾性回復および反撥弾性等のゴム的性質および強度
が十分なものとなり成形性も優れたものとなる。
変性ポリオレフィン系エラストマー組成物における
(c)成分の含有量は、赤外吸光度分折法、または化学
分折法により測定される。
混練装置としては、具体的には、開放型のミキシング
ロールや非開放型のバンバリーミキサー、押出機、ニー
ダー、連続ミキサー等、従来より公知の混練装置が用い
られる。中でも非開放型の装置を用いるのが好ましく、
また混練は、窒素や炭酸ガス等の不活性ガス雰囲気下で
行なうことが好ましい。混練は、使用する有機ペルオキ
シドの半減期が1分未満となる温度、通常150〜280℃、
好ましくは170〜240℃で1〜20分、好ましくは1〜10分
間行なえばよい。また加えられる剪断力は、剪断速度で
通常10〜104sec-1、好ましくは102〜103sec-1とするの
がよい。
本発明においては、前記有機ペルオキシドによる部分
架橋処理に際し、硫黄、p−キノンジオキシム、p,p′
−ジベンゾイルキノンジオキシム、N−メチル−N,4−
ジニトロソアニリン、ニトロベンゼン、ジフェニルグア
ニジン、トリメチロールプロパン−N,N′−m−フェニ
レンジマレイミドの如きペルオキシ架橋助剤、あるいは
ジビニルベンゼン、トリアリルシアヌレート、エレチン
グリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジ
メタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレ
ート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ア
リルメタクリレートの如き多官能性メタクリレートモノ
マー、ビニルブチラートまたはビニルステアレートの如
き多官能性ビニルモノマーを配合することができる。こ
のような化合物により、均一かつ緩和な架橋反応が期待
できる。特に、本発明においてはジビニルベンゼンを用
いると、取扱い易さ、前記被処理物を主成分たるオレフ
ィン系ゴムおよびオレフィン系プラスチックへの相溶性
が良好であり、かつ有機ペルオキシド可溶化作用を有
し、ペルオキシドの分散助剤として働くため、熱処理に
よる架橋効果が均質で、流動性と物性のバランスのとれ
た組成物が得られるため最も好ましい。本発明において
は、このような架橋助剤もしくは多官能性ビニルモノマ
ーの配合量は、被処理物全体に対し、0.1〜2重量%、
特に0.3〜1重量%の範囲が好ましく、この範囲で配合
することにより、流動性に優れ、かつ、組成物を加工成
形する際の熱履歴により物性の変化をもたらさない組成
物が得られる。
また、有機ペルオキシドの分解を促進するために、ト
リエチルアミン、トリブチルアミン、2,4,6−トリス
(ジメチルアミノ)フェノール等の三級アミンや、アル
ミニウム、コバルト、バナジウム、銅、カルシウム、ジ
ルコニウム、マンガン、マグネシウム、鉛、水銀等のナ
フテン酸塩などの分解促進剤を使用することもできる。
上述したような、有機ペルオキシド存在下での動的な
熱処理によって、部分的な架橋が行なわれるとともに、
上記(c)成分によってグラフト変性された変性ポリオ
レフィン系エラストマーが得られる。
なお、本発明において、グラフト変性ポリオレフィン
系エラストマーが部分的に架橋されたとは、下記の方法
で測定したゲル含量が20%以上、好ましくは20〜99.5
%、特に好ましくは45〜98%の範囲内にある場合をい
う。
ゲル含量の測定 熱可塑性エラストマーの試料を100mg秤取し、これを
0.5mm×0.5mm×0.5mmの細片に裁断したものを、密閉容
器中にて30mlのシクロヘキサンに、23℃で48時間浸漬し
た後、試料を濾紙上に取出し、室温で72時間以上、恒量
となるまで乾燥する。
この乾燥残渣の重量からポリマー成分以外のすべての
シクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填剤、
顔料等)の重量およびシクロヘキサン浸漬前の試料中の
オレフィン系プラスチック成分の重量を減じたものを、
「補正された最終重量(Y)」とする。
一方、試料中のペルオキシド架橋型オレフィン系共重
合体ゴムの重量[すなわち、試料の重量からペルオキ
シド架橋型オレフィン系共重合体ゴム以外のシクロヘキ
サン可溶性成分(たとえば、鉱油や可塑剤)およびオ
レフィン系プラスチック成分およびポリマー成分以外
のシクロヘキサン不溶性成分(繊維状フィラー、充填
剤、顔料等)の重量を減じたもの]を、[補正された初
期重量(X)」とする。
ここにゲル含量は、次の式で求められる。
上記の変性ポリオレフィン系エラストマーは、柔軟
性、耐熱性および耐寒性に優れ、また、ポリアミド、ポ
リウレタンあるいはポリエステルとの接着性に優れてい
る。
表皮層 本発明で用いられる表皮層を構成するポリマーは、ポ
リアミド、ポリウレタンおよびポリエステルからなる群
から選択される少なくとも1種のポリマーである。
本発明で用いられるポリアミドとしては、ヘキサメチ
レンジアミン、デカメチレンジアミン、ドデカメチレン
ジアミン、2,2,4−または2,4,4−トリメチルヘキサメチ
レンジアミン、1,3−または1,4−ビス(アミノメチル)
シクロヘキサン、ビス(p−アミノシクロヘキシルメタ
ン)、m−またはp−キシリレンジアミン等の脂肪族、
脂環族、芳香族等のジアミンとアジピン酸、スベリン
酸、セバシン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、テレフ
タル酸、イソフタル酸等の脂肪族、脂環族、芳香族等の
ジカルボン酸との重縮合によって得られるボリアミド、
ε−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸等のア
ミノカルボン酸の縮合によって得られるポリアミド、ε
−カプロラクタム、ω−ラウロラクタム等のラクタムか
ら得られるポリアミドあるいはこれらの成分からなる共
重合ポリアミド、これらポリアミドの混合物などが挙げ
られ、具体的には、ナイロン6、ナイロン66、ナイロン
610、ナイロン9、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン6
/66、ナイロン66/610、ナイロン6/11などが挙げられ
る。
本発明で用いられるポリウレタンとしては、それ自体
公知のものは全て使用し得る。たとえば、原料ポリオー
ル成分の点から分類されるポリエステル系のポリウレタ
ンやポリエーテル系のポリウレタン、および硬さの点か
ら分類される軟質、半硬質または硬質のポリウレタンな
ど、何れのポリウレタンをも使用し得る。
特に、本発明の積層成形体を、自動車などの車両の内
装材として用いる場合には、表皮層をポリウレタンシー
トの形で形成することが好適である。この場合、積層の
容易さの点から熱可塑性のポリウレタンを用いることが
望ましい。
本発明で用いられるポリエステルとしては、具体的に
は、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレート、ポリエチレンイソフタレートなどの熱可塑性
ポリエステルが挙げられる。
上記のポリアミド、ポリウレタン、ポリエステルは、
耐熱性、耐油性、耐溶剤性、耐摩耗性および耐傷付き性
に優れているので、これらのポリマーは、成形体の表面
外層材として最適である。
次に、本発明に係る積層成形体の代表的な製造方法を
3種類以下に説明する。
まず、本発明に係る積層成形体の第1の製造方法とし
て、以下の方法を例示することができる。
前記合成樹脂からなるシート、前記熱可塑性エラスト
マーからなる未発泡シート、前記変性ポリオレフィン系
エラストマーからなるシートおよび前記ポリマーからな
るシートを、押出機、カレンダーロール、圧縮成形機な
どを用いて、未発泡シートが発泡しない条件下で熱融着
して4層積層シートを得る。次いで、エアーオーブンな
どで4層シート中の熱可塑性エラストマー層を加熱発泡
させた後、真空成形法、ホットプレス成形法等の二次加
工を施して一体化する。
また、本発明に係る積層成形体の第2の製造方法とし
て、以下の方法を例示することができる。
前記合成樹脂からなるシート、前記熱可塑性エラスト
マーからなる未発泡シート、前記変性ポリオレフィン系
エラストマーからなるシートおよび前記ポリマーからな
るシートを、押出機、カレンダーロール、圧縮成形機な
どを用いて、未発泡シートが発泡しない条件下で熱融着
して、4層積層シートを得る。次いで、真空成形法、ホ
ットプレス成形法などの二次加工を施して一体化と上記
未発泡シート層の発泡を同時に行なう。
また、本発明に係る第3の製造方法として、以下の方
法を例示することができる。
前記熱可塑性エラストマーからなる未発泡シート、前
記変性ポリオレフィン系エラストマーからなるシートお
よび前記ポリマーからなるシートを、押出機、カレンダ
ーロール、圧縮成形機などを用いて未発泡シートが発泡
しない条件下で熱融着して3層積層シートを得る。次い
で、この3層シートを予備加熱して発泡させ真空成形用
金型のキャビティ内壁面に前記ポリマーシート側が接触
する様、吸引密着して、凹部を有する予備成形品を得
る。次いで、流動可塑化造態にある前記合成樹脂を射出
成形ないしはスタンピング成形し、一体化する。
このようにして得られる積層成形品は、コアー層(0.
1〜10mm)/中間層(I)(0.1〜10mm)/中間層(II)
(0.1〜50mm)/表皮層(5〜500μm)という構成であ
り、形状、稜線がシャープで、しかもソフト感に優れた
成形品である。また、本発明では必要に応じて、エンボ
スロールを用いて表皮層表面にエンボス加工を施しても
良いし、印刷工程で表皮層表面に文字、絵柄、模様を印
刷しても良い。
発明の効果 本発明に係る積層成形体は、合成樹脂からなるコアー
層と、熱可塑性エラストマー発泡体からなる中間層
(I)と、特定の変性ポリオレフィン系エラストマーか
らなる中間層(II)と、特定のポリマーからなる表皮層
とから構成されているので、耐熱性、耐寒性、耐油性、
耐溶剤性、耐摩耗性および耐傷付き性に優れるととも
に、ソフト感に富むという効果がある。また、本発明に
係る積層成形体がシボ模様を有する場合には、上記の諸
効果を有するだけでなく、シャープなシボ模様が形成さ
れるという効果がある。
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、
これら実施例に限定されるものではない。
まず、実施例および比較例で得られた積層成形体にお
ける層間接着性、シボ深さ、ソフト感、耐摩耗性、耐傷
付き性、耐油性、耐溶剤性、耐熱性および耐寒性の評価
方法を下記に示す。
[評価方法] (1)層間接着性 1)引張り剥離試験 試験片の端から表皮層を剥がして、180度の反転方向
に引張り速度25mm/分の条件で引張って剥離し、その時
の最大剥離荷重を試験片の幅で除し、この値を表皮層と
中間層(II)との間における層間接着強度とした。
また、中間層(II)と、中間層(I)またはコアー層
との間における層間接着性の評価方法では、中間層(I
I)を剥がして上記方法に準じて引張り剥離試験を行な
ってその評価をした。
さらに、中間層(I)とコアー層との間における層間
接着性の評価方法では、中間層(I)を剥がして上記方
法に準じて引張り剥離試験を行なってその評価をした。
なお、試験片のサイズは長さ100mm、幅25mmであり、
試験片は、積層成形体の第3図に示した個所から採取し
た。
2)ゴバン目剥離試験 鋭利なカミソリでシート表面を、2mm間隔で11本平行
に、深さ1mmの傷を入れ、さらに、それに直角に11本平
行に同様の傷を入れる。
これにより、2mm四方に切れた枡が100個形成される。
この100個の枡をすべて覆うように、ニチバン株式会社
製のセロテープを張り付け、張り付けたテープを勢いよ
く剥し剥離状態を観察した。
剥離状態の評価は、100個中剥がれずに残った数/100
で表わした。100/100は全く剥がれなかった状態を示
し、0/100は全部剥がれた状態を示す。
なお、試験片のサイズは長さ100mm、幅100mmであり、
試験片は積層成形体の第3図に示した個所から採取し
た。
(2)シボ深さ 積層成形体の表面に転写されたエンボスの山頂から谷
底までの距離を測定した。
(3)ソフト感 積層成形体の表面を手で触れてその感触を5段階表示
した。
5…非常に柔らかい 4…柔らかい 3…普通 2…硬い 1…非常に硬い (4)耐摩耗性 テーバー摩耗試験を、CS−11摩耗輪、荷重500gの条件
で行ない、1000回転後の積層成形体の摩耗減量を測定し
た。
(5)耐傷付き性 テーバー式スクラッチテスターを用い、荷重100gでカ
ッターの刃先を試料表面に接触させ、1rpmで1回転させ
た後、表面の引っかき傷を観察した。
評 点 :A 全く認められない。
B わずかに認められる。
C 明らかに認められる。
(6)耐油性 JIS 3号油を、シート表面に1g滴下し、70℃、168時間
放置後、室温に戻し表面をネル布で強く拭いた時に、表
面に異常がないか調べた。
評 点 :A 全く異常が無い。
B 白濁等の痕跡を認める。
C 剥離、溶解による損傷を生じる。
(7)耐溶剤性 工業用ガソリンを含ませたネル布で表面を強く拭いた
ときに、表面に異常がないかについて調べた。
評 点 A:全く異常がない。
B:白濁等の痕跡を認める。
C:剥離、溶解による損傷を生じる。
(8)耐熱性 シートの縦方向からJIS K 6301の引張り試験片のダン
ベル1号型を打ち抜き120℃、500時間放置した後、室温
に戻し、200mm/分の速度で引張り試験を行い、破断点伸
び(E Baged)を測定する。一方、熱老化前のサンプル
の破断点伸び(E Borig)をあらかじめ測定しておき、
破断点伸びの保持率を算出した。
AR(EB)%=E Baged/E Borig×100 (9)耐寒性 シートから巾20mm、長さ100mmの試験片をとり、表皮
面を外側にして長さ方向の両端を重ね合わせ、試験片を
折り曲げ、折り曲げ部と反対側の端を固定した後、−30
℃、20分、放置した後、5kgの落下体を5cmの高さから折
り曲げ部に落下させた後、表皮のひびおよび割れの有無
を調べる。
本発明に係る第1の製造方法の実施例等 実施例1 [中間層(II)の原料ペレットTPE−A、中間層(I)
の原料ペレットTPE3およびコアー層の原料ペレットTPE
(1)の製造] <TPE−A> エチレン含有量70モル%、沃素価12、ムーニー粘度
[ML1+4(100℃)]120のエチレン・プロピレン・5−
エチリデン−2−ノルボルネン共重合体ゴム(以下、EP
DM(1)と略す)80重量部と、MFR(ASTM D 1238−65
T、230℃)13g/10分、密度0.91g/cm3のポリプロピレン
(以下、PPと略す)20重量部とをバンバリーミキサーで
窒素雰囲気中、180℃で5分間混練した後、この混練物
をロールに通してシート状にし、これをシートカッター
で角ペレットにした。
次に、この角ペレット100重量部と1,3−ビス(tert−
ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(以下、ペル
オキシド(a)と略す)0.3重量部と、ジビニルベンゼ
ン(以下、DVBと略す)0.5重量部と、無水マレイン酸
(以下、MAHと略す)0.5重量部とをヘンシェルミキサー
で撹拌混合した。次いで、この混合物をL/D=30、スク
リュー径50mmの一軸押出機で窒素雰囲気中、220℃で押
出し、グラフト変性ポリオレフィン系エラストマー(以
下、TPE−Aと略す)を製造した。
<TPE3> アイソタクチックポリプロピレン樹脂[メルトフロー
レート:13g/10分(230℃)]25重量部、 エチレン・プロピレン・エチリデンノルボルネン三元
共重合体ゴム[エチレン単位/プロピレン単位(モル
比):78/22、ヨウ素価:15、ムーニー粘度ML1+4(121
℃):61]75重量部、 ブチルゴム(エッソ製IIR 065)25重量部と、 ナフテン系プロセスオイル30重量部とを、バンバリー
ミキサーを用いて窒素雰囲気下、180℃で5分間混練し
た後、得られた混練物をシートカッターで角ペレット状
とした。
次いで、この角ペレット100重量部に対し、1,3−ビス
(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン20重
量%、ジビニルベンゼン30重量%およびパラフィン系鉱
油50重量%よりなる混合物1重量部をヘンシェルミキサ
ーで混練し、押出機で窒素雰囲気下、220℃押出し、熱
可塑性エラストマー[TPE3]のペレットを製造した。
<TPE(1)> エチレン含有率70モル%、ヨウ素価15、ムーニー粘度
[ML1+4(100℃)]20のエチレン・プロピレン−エチリ
デンノルボルネン共重合体ゴム(以下、EPDM(1)と略
す)70重量部と、MFR(ASTM D 1238−65T、230℃)13g/
10分、密度0.91g/cm3のポリプロピレン(以下、PPと略
す)30重量部と、ブチルゴム(エッソ製IIR−065、不飽
和度0.8モル%、以下、IIRと略す)10重量部と、パラフ
ィン系プロセスオイル(以下、オイルと略す)30重量部
とをバンバリーミキサーにより窒素雰囲気中、190℃で
5分間混練した後、この混練物をロールに通してシート
カッターにより角ペレットを製造した。
次に、この角ペレット100重量部と、1,3−ビス(tert
−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン(以下、ペ
ルオキシド(A)と略す)0.3重量部と、ジビニルベン
ゼン(以下、DVBと略す)0.5重量部とをヘンシェルミキ
サーで撹拌混合した。次いで、このペレットを押出機で
窒素雰囲気下、220℃で押出し、MFR3g/10分の熱可塑性
エラストマー[以下、TPE(1)と略す]を得た。
[4層積層シートの製造] まずTPE3 100重量部に対して、発泡剤としてアゾジ
カルボンアミド(ADCA)20重量部およびトリアリルイソ
シアヌレート(TAIC)0.1重量部をヘンシェルミキサー
でブレンドし、東芝製90mmφT−ダイ押出成形機を用い
て、フルフライトスクリュー、L/D=22、押出温度180
℃、引取速度5m/分の条件でシート厚み0.5mmの未発泡シ
ートを製造した。
次に、東芝製90mmφ、40mmφからなるクロスヘッドタ
イプ二層T−ダイ押出成形機を用い、TPE−Aを90mmφ
押出機にポイアミド樹脂(ダイセルヒュルス、ナイロン
12 L2140)を40mmφ押出機に供給し、押出温度220℃、
引取速度2.5m/分の条件で二層シート状に押出し、押出
された溶融状態にあるTPE−A上に、TPE3の未発泡シー
トを積層し、一対のロール間に通し、ポリアミド層の厚
みが30μm、TPE−Aが0.7mm、TPE3が0.5mmの3層シー
トを製造した。
次に、東芝製90mmφT−ダイ押出成形機を用いて、押
出温度220℃、引取速度2.5m/分の条件でTPE(1)をシ
ート状に押出し、押出された溶融状態にあるシート状の
TPE(1)を先に製造した3層シートのTPE3の未発泡層
側と接触させて一対のロールに通し、ポリアミド層30μ
m、TPE−Aが0.7mm、TPE3が0.5mm、TPE(1)が3mmの
4層シートを製造した。
[未発泡シート層の発泡] 上記4層シートを、温度240℃のエアーオーブン中に
4分間放置してTPE3未発泡シートを発泡させ、ポリアミ
ド層30μm、TPE−Aが0.7mm、TPE3が1.0mm、TPE(1)
が3mmの4層シートを製造した。
[積層成形体の製造] 上記4層シートを予備加熱して4層シートを構成する
ポリアミド層を雌型金型側にして、真空成形により雌型
金型の深さ150μmのシボ模様が施されているキャビテ
ィ内壁面に吸引密着させて絞り加工した後、金型を開い
て4層からなる積層成形体を得た。
なお、上記真空成形の条件は、以下の通りである。
ヒーター温度:360℃ 予備加熱時間:100秒 真空圧 :700mmHg このようにして得られた4層からなる積層成形体にお
けるポリアミド層(表皮層)とTPE−A層[中間層(I
I)]との層間接着性、発泡TPE3層[中間層(I)]とT
PE(1)層(コアー層)との層間接着性、シボ深さ、ソ
フト感、耐摩耗性、耐傷付き性、耐油性、耐溶剤性、耐
熱性および耐寒性について、前記評価方法により評価し
た。
評価の結果を表1に示す。
実施例2,3,4,5 実施例1の中間層IIとコアー層の原料ペレットおよび
表皮層を表1のようにした以外は、実施例と同様に行な
った。
なお、表1に記載されているTPE−B、TPE(2)、TP
E−C、PP(1)、ポリエステル、TPE−D、PP(2)、
ポリウレタンおよびTPE−Eについては以下の通りであ
る。
<TPE−B> EPDM(1)とPPとの配合割合をEPDM(1)60重量部、
PP40重量部とし、さらに、ブチルゴム(エッソ製、IIR
−065)20重量部とパラフィン系プロセスオイル40重量
部とを加えた以外は、TPE−Aと同様にして、グラフト
変性ポリオレフィン系エラストマー(以下、TPE−Bと
略す)を製造した。
<TPE(2)> エチレン含有率78モル%、ヨウ素価10、ムーニー粘度
[ML1+4(100℃)]160、油展量40重量部のペレット状
エチレン・プロピレン−エチリデンノルボルネン共重合
体ゴム(以下、EPDM(2)と略す)60重量部(従って、
EPDM分43重量部と、オイル分17重量部)と、PP40重量部
と、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)
ヘキシン−3(以下、ペルオキシド(B)と略す)0.5
重量部とをヘンシェルミキサーで撹拌混合した。次い
で、この混合物をワーナー2軸押出機(L/D=43、噛み
合タイプ、同方回転、3条タイプスクリュー)で窒素雰
囲気下、220℃で押出し、MFR15g/10分の熱可塑性エラス
トマー[以下、TPE(2)と略す]を得た。
<TPE−C> EPDM(1)とPPとの配合割合をEPDM(1)80重量部、
PP20重量部とし、さらに、ブチルゴム(エッソ製、IIR
−065)10重量部とパラフィン系プロセスオイル30重量
部とを加えて未変性のポリオレフィン系エラストマーの
角ペレットを製造したこと、無水マレイン酸の代わりに
グリシジルメタクリレートを用いてグラフト変性ポリオ
レフィン系エラストマー(以下、TPE−Cと略す)を製
造したこと以外はTPE−Aと同様の方法で製造した。
<PP(1)> メルトインデックス(ASTM D−1238−65T、230℃)1
3、密度0.91g/cm3のポリプロピレン <ポリエステル> 25℃オルソクロロフェノール溶液での極限粘度[η]
が1.0dl/gのポリエチレンテレフタレート <TPE−D> 無水マレイン酸の代わりにヒドロキシプロピルメタク
リレートを用いる以外はTPE−Aと同様に製造した。
<PP(2)> 微粉タルク10%、短繊維グラスファイバー10%を有す
るMFR5g/10分のポリプロピレン <ポリウレタン> 日本ポリウレタン(株)製熱可塑性ポリウレタンP26S
RNAT <TPE−E> TPE−A80重量部に低密度ポリエチレン(密度0.917g/c
m3、メルトインデックス6.5g/10分(190℃)20重量部ド
ライブレンドして押出機でメルトブレンドして製造し
た。
実施例6,7 発泡剤量を表1のようにした以外は、実施例1と同様
に行なった。
実施例8,9 中間層(I)としてTPE3の代わりに、表1に示したTP
E3と密度0.917g/cm3、メルトインデックス6.5g/10分(1
90℃)の低密度ポリエチレン(LLDPE)のブレンド物を
用いた以外は、実施例1と同様に実施した。
実施例10 未発泡の4層シートを下記条件下で真空成形し、発泡
と成形を同時に行なった以外は、実施例1と同様に行な
った。
[成形条件] ヒーター温度:380℃ 予熱時間 :180秒 真空圧 :700mmHg 実施例11 [3層積層シートの製造] 実施例1と同様の方法でポリアミド、TPE−A、TPE3
を積層した。
[未発泡シートの発泡] 上記3層シートを、温度240℃のエアーオーデン中に
4分間放置して、TPE3未発泡シートを発泡させ、ポリア
ミド層30μm、TPE−Aが0.7mm、TPE3が1.0mmの3層シ
ートを製造した。
[積層成形体の製造] 上記3層シートを予備加熱して3層シートを構成する
ポリアミド層を雌型金型側にして、真空成形により雌型
金型の深さ150μmのシボ模様が施されているキャビテ
ィ内壁面に吸引密着させて絞り加工した後、雌型金型を
閉じ、この雄型金型側よりキャビティ内に、射出成形機
のノズルから溶融状態の上記コアー用熱可塑性エラスト
マー[TPE(1)]を射出充填して固化し、TPE(1)が
上記3層シートと一体化したところで金型を開いて4層
からなる積層成形体を得た。
なお、上記真空成形の条件は、以下の通りである。
ヒーター温度:360℃ 予備加熱時間:45秒 真空圧 :700mmHg また、上記射出成形の条件は、以下の通りである。
成形機:ダイナメルター(名機製作所製) 成形温度:220℃ 射出圧力:一次圧1000kg/cm2 二次圧 700kg/cm2 射出速度:最大 成形サイクル:90秒/1サイクル ゲート:ダイレクトゲート(ランド長さ10mm、幅10m
m、厚さ3mm このようにして得られた4層からなる積層成形体にお
けるポリアミド層(表皮層)とTPE−A層[中間層(I
I)]との層間接着性、TPE3層[中間層(I)]とTPE
(1)層(コアー層)との層間接着性、シボ深さ、ソフ
ト感、耐摩耗性、耐傷付き性、耐油性、耐溶剤性、耐熱
性および耐寒性について、前記評価方法により評価し
た。
実施例12 積層成形体の製造を以下のようにした以外は、実施例
11と同様に行なった。
[積層成形体の製造] 3層シートを予備加熱して3層シートを構成するポリ
アミド層を雌型金型側にして、真空成形により雌型金型
の深さ150μmのシボ模様が施されているキャビティ内
壁面に吸引密着させて絞り加工した後、3層シート上に
溶融状態のコアー用熱可塑性エラストマー[TPE
(1)]を配分よく載せ、雄型金型を閉じてTPE(1)
が固化して上記3層シートと一体化したところで金型を
開いて4層からなる積層成形体を得た。
なお、上記真空成形の条件は、実施例11における真空
成形の条件と同様である。
また、上記スタンピング成形の条件は、以下の通りで
ある。
成形機:池貝ISM−300 スクリュー径:50mmφ 樹脂温度:230℃ プレス圧力:200kg/cm2 成形サイクル:50秒/1サイクル 成形品:長さ500mm、幅500mm、厚さ3mm 比較例1 発泡剤を用いなかった以外は、実施例1と同様に行な
った。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/40 B32B 27/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(イ)合成樹脂からなるコアー層と、 (ロ)このコアー層上に設けられた熱可塑性エラストマ
    ー発泡体からなる中間層(I)と、 (ハ)この中間層(I)上に設けられた、不飽和カルボ
    ン酸、不飽和カルボン酸の誘導体、不飽和エポキシ単量
    体および不飽和ヒドロキシ単量体からなる群から選択さ
    れる少なくとも1種のグラフトモノマーでグラフト変性
    された変性ポリオレフィン系エラストマーからなる中間
    層(II)と、 (ニ)この中間層(II)上に設けられた、ポリアミド、
    ポリウレタンおよびポリエステルからなる群から選択さ
    れる少なくとも1種のポリマーからなる表皮層 とからなることを特徴とする積層成形体。
  2. 【請求項2】前記熱可塑性エラストマー発泡体を構成す
    る熱可塑性エラストマーが、ポリオレフィン系樹脂とエ
    チレン・α−オレフィン系共重合体ゴムとを必須成分と
    して含有しているオレフィン系熱可塑性エラストマーで
    あることを特徴とする請求項第1項に記載の積層成形
    体。
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