JPH10158425A - メタクリル酸メチル系樹脂発泡体及びその製造方法 - Google Patents
メタクリル酸メチル系樹脂発泡体及びその製造方法Info
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- JPH10158425A JPH10158425A JP8321698A JP32169896A JPH10158425A JP H10158425 A JPH10158425 A JP H10158425A JP 8321698 A JP8321698 A JP 8321698A JP 32169896 A JP32169896 A JP 32169896A JP H10158425 A JPH10158425 A JP H10158425A
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Abstract
で、発泡セルが均一であり、外観が良好であるメタクリ
ル酸メチル系樹脂発泡体を提供する。 【解決手段】(1)重量平均分子量が8万〜40万で、
Z平均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万
〜50万である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系
重合体(A)を30〜100重量%、直鎖状メタクリル
系樹脂(B)を0〜70重量%を含有するメタクリル酸
メチル系樹脂組成物、または(2)重量平均分子量が8
万〜40万で、Z平均分子量を用いて規定される分岐点
間分子量が3万〜50万である分岐構造を有するメタク
リル酸メチル系重合体(A)を30〜95重量%、直鎖
状メタクリル系樹脂(B)を0〜70重量%、ゴム状重
合体(C)を5〜70重量%を含有するメタクリル酸メ
チル系樹脂組成物からなるメタクリル酸メチル系樹脂発
泡体。
Description
ル系樹脂発泡体に関するものである。詳しくは高発泡倍
率で、発泡セルが均一であり、外観が良好であるメタク
リル酸メチル系樹脂発泡体に関する。さらに、着火した
際に煤煙がほとんどでなく、金属鋳造の際に使用する消
失模型や建築構造物への使用に適したメタクリル酸メチ
ル系樹脂発泡体に関する。
に難しく、溶融時の伸長粘度と剪断粘度が発泡挙動に対
して不適格であり、気泡の保持能力が不十分である。こ
のため十分に発泡しないばかりでなく、発泡セルが不均
一となり、得られた発泡体の表面の凸凹が多く平滑な表
面となし難く、且つ若干発泡しても気泡の収縮が激しく
商品価値を有する発泡体を得ることが困難であった。特
開平7−145261号公報には、分子量分布を広げる
ために多官能性単量体を共重合して分子量分布を拡げた
アクリル樹脂組成物が発泡性が良いことが開示されてい
る。特開昭50−127990号公報には、粒径制御の
ために熱可塑性重合体粒子を分散剤を含む水中に懸濁せ
しめ、これに重合開始剤のもとにメタクリル酸エステル
系単量体を熱可塑性重合体に対し特定の割合となるよう
滴下させ重合することにより、得られる重合体粒子の分
子量分布の不均一を減少させ発泡性能を好適とする方法
が開示されている。またメタクリル酸メチル系重合体の
発泡としては、伸長粘度を上げるためにキャスト重合等
で得られる溶融流動しない発泡板の提案がなされてい
る。また、煤煙を減少させる方法として特開平4−28
3209号公報には、芳香族ビニル化合物の割合を減少
した発泡用樹脂粒子について開示されている。
7−145261号公報に開示されているアクリル樹脂
組成物は、重量平均分子量が15万〜30万で、かつ重
量平均分子量と数平均分子量の比(Mw/Mn)が2.
3以上のものであるが、分布が拡がると数平均分子量が
低下し機械強度が低下する。特開昭50−127990
号公報および特開平4−283209号公報に記載の樹
脂は、発泡性能が必ずしも十分でない。かかる事情に鑑
み、本発明者は発泡成形時のガス抜けが少なく、高発泡
倍率で、発泡セルが均一であり、外観が良好である発泡
体について鋭意検討した結果、特定の分岐構造を有する
メタクリル酸メチル系樹脂組成物からなる発泡体が、発
泡成形時のガス抜けが少なく、高発泡倍率で、発泡セル
が均一であり、外観が良好である発泡体が得られること
を見出し、本発明に至った。
(1)重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子量
を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万であ
る分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体(A)
を30〜100重量%、直鎖状メタクリル系樹脂(B)
を0〜70重量%を含有するメタクリル酸メチル系樹脂
組成物からなるメタクリル酸メチル系樹脂発泡体、およ
び(2)重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分子
量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万で
ある分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体
(A)を30〜95重量%、直鎖状メタクリル系樹脂
(B)を0〜70重量%、ゴム状重合体(C)を5〜7
0重量%を含有するメタクリル酸メチル系樹脂組成物か
らなるメタクリル酸メチル系樹脂発泡体である。以下、
本発明を詳細に説明する。
リル酸メチル系重合体(A)は、メタクリル酸メチルを
主成分とする単官能単量体およびこれと共重合可能な多
官能単量体の重合体である。メタクリル酸メチルを主成
分とする単官能単量体とは、メタクリル酸メチルの単
独、またはメタクリル酸メチルを50重量%以上、好ま
しくは80重量%以上のメタクリル酸メチルと共重合可
能な単官能単量体との混合物である。メタクリル酸メチ
ルが50重量%未満では、いわゆるメタクリル酸メチル
重合体の特性である透明性、機械的強度が発現しにく
い。
は、例えば、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピ
ル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ベンジル等のメ
タクリル酸エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸
エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アク
リル酸2−エチルヘキシル等のアクリル酸エステル類;
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸等
の不飽和カルボン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸
等の酸無水物;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アク
リル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸モノグリセ
ロール、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリ
ル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸モノグリセロー
ル等のヒドロキシル基含有のエステル;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドがあ
る。ニトリル類には、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、ジアセトンアクリルアミド、メタクリル酸ジメ
チルアミノエチル等の窒素含有単量体;アリルグリシジ
ルエーテル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリ
シジル等のエポキシ基含有単量体;スチレン、α−メチ
ルスチレン等のスチレン系単量体が挙げられる。
上、ビニル芳香族炭化水素0〜10重量%、およびメタ
クリル酸メチル以外のメタクリル酸エステルまたはアク
リル酸エステル0〜20重量%の組成の範囲のものが好
ましい。
と、鋳造用消失模型等に使用する場合等に、該樹脂を燃
焼する際に生じるカーボン残留品が残って鋳肌が粗くな
る等の欠点が生じる。また、メタクリル酸メチル以外の
メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルは、内
部可塑化を行い発泡を容易にするが、20重量%を越え
ると得られる樹脂の耐熱性が低下し、発泡成形後、収縮
が生じ好ましくない。
レングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレング
リコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート等のエチレングリコールまた
はそのオリゴマーの両末端水酸基をアクリル酸またはメ
タクリル酸でエステル化したもの;ネオペンチルグリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレ
ート等の2価のアルコールの水酸基をアクリル酸または
メタクリル酸でエステル化したもの;トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等の多価アルコールまた
はこれら多価アルコール誘導体をアクリル酸またはメタ
クリル酸でエステル化したもの;ジビニルベンゼン等の
アルケニル基を2個以上有するアリール化合物等が挙げ
られる。
合体(A)の重量平均分子量(Mw)は8万〜40万、
好ましくは、15万〜30万であり、Z平均分子量(M
z)を用いて規定される分岐点間分子量(Mzb)が3
万〜50万、好ましくは5万〜20万のものである。
十分でなく、これを成分とするメタクリル酸メチル系樹
脂組成物を発泡させた発泡体の強度も悪くなり、40万
を越えて高いと押出し発泡の場合溶融粘度が高く押出し
性能が悪く押し出せなくなり、発泡ビーズの場合には発
泡ビーズの成形時の融着特性が悪くなる。また、分岐点
間分子量(Mzb)が50万を越えると、得られる樹脂
の溶融延伸時の張力が劣りこれよりなる組成物の発泡性
能が劣り、3万未満の場合は、機械的強度が劣ると共に
成形品の外観にも劣る。
ション・クロマトグラフィー(GPC)と示差屈折率計
により求められた値である。この求め方は、例えば19
84年度版「高分子特性解析」(共立出版)24頁〜5
5頁に記載されている。
リマーにおいて分岐点から次の分岐点までの分子量の平
均値を意味する。本発明では、この分岐点間分子量をM
z値を用いて規定した。このZ平均分子量を用いて規定
する分岐点間分子量(Mzb)は、日本ゴム協会誌、第
45巻、第2号、105〜118頁「キャラクタリゼー
ション」の記載に基づき下記の数式 数1、数2より算
出される。
0.5 +4Bz/3π]-0.5
状メタクリル酸メチル重合体標準試料のGPC溶出時間
に対する極限粘度と絶対分子量との積の関係を示す普遍
較正曲線を用いて得られる測定対象の重合体の絶対分子
量に対する極限粘度の関係を示す較正曲線において、分
子量がMz値に対応する極限粘度である。η2 は、直鎖
状メタクリル酸メチル重合体標準試料の絶対分子量に対
する極限粘度の関係を示す較正曲線において、測定対象
の重合体と同じ分子量Mz値に対する極限粘度である。
Bzは、Z平均分子量Mzにおける分岐点の数である。
体(A)は、その重合体のうち分子量30万以上のもの
の割合が、その重合体のクロロホルム中25℃における
還元粘度が0.7dl/g以下の時は、{[14×(還元粘
度値)−6.8]〜[14×(還元粘度値)+11.
2]}(重量%)であり、還元粘度が0.7dl/g以上の
時は、{[40×(還元粘度値)−25]〜[40×
(還元粘度値)−7]}(重量%)であることが好まし
い。なお、本発明で表す還元粘度とは、その測定する重
合体の溶液濃度が1g/dlでの値である。
量30万以上の割合が上記の範囲内の場合には、メタク
リル酸メチル系重合体(A)の流動性と溶融時の引張り
強度のバランスに優れ、それに伴って、これを用いて得
られる樹脂組成物の流動性と溶融延伸時の強度のバラン
スに優れることによる良好な発泡体が得られる。また本
発明におけるメタクリル酸メチル系重合体(A)の架橋
度は、ゲル分率(全重合体重量に対するアセトン不要部
分の重量%)で表して、通常3%以下、好ましくは1%
以下、更に好ましくはほぼ0%である。
(A)は、前述の単官能単量体、多官能単量体を含む多
官能性の構成単位となる成分、必要により更に連鎖移動
剤および/または重合開始剤を加えて重合することによ
って得られる。多官能性の構成単位となる成分として
は、前述の多官能単量体、多官能連鎖移動剤、多官能開
始剤、およびこれらの2種以上の混合物を挙げることが
できる。多官能性の構成単位となる成分の量は、および
単官能単量体に対し、通常は0.02〜1重量%であ
る。
の重合に用いられる周知のものでよい。この中には、連
鎖移動官能基を1つ有する単官能の連鎖移動剤および連
鎖移動官能基を2つ以上有する多官能連鎖移動剤とがあ
る。単官能連鎖移動剤としては、アルキルメルカプタン
類、チオグリコール酸エステル類等が挙げられ、多官能
連鎖移動剤としては、エチレングリコール、ネオペンチ
ルグリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリス
リトール、ジペンタエリスリトール、トリペンタエリス
リトール、ソルビトーロ等の多価アルコール水酸基をチ
オグリコール酸または3−メルカプトプロピオン酸でエ
ステル化したものが挙げられる。
に使用する連鎖移動剤の量は、該単官能単量体1モル当
たり、通常は5×10-5モル〜5×10-3モルであり、
共重合可能な多官能単量体の量は該単官能単量体1モル
当たり、通常はその官能基数が1×10-5〜{該連鎖移
動剤(モル)−2.5×10-4}当量となる範囲であ
る。
平均分子量は、一般に主として用いられる多官能単量体
の濃度、連鎖移動剤の濃度及びラジカル開始剤の濃度に
支配される。重合平均分子量の調整は、多官能単量体濃
度が高い程重合平均分子量は大きくなり、逆に連鎖移動
剤濃度が高い程小さくなることを考慮して、多官能単量
体の上記濃度範囲内及び連鎖移動剤の濃度の範囲内で適
宜変更することで行う。分岐点間分子量は、主として、
多官能単量体濃度によって調整できる。多官能単量体濃
度が高い程、分岐点間分子量は小さくなる。また、連鎖
移動剤では、多官能連鎖移動剤の濃度が高い程分岐点間
分子量は小さくなる。分子量30万以上の割合は、多官
能単量体の濃度が高い程多くなる。
を発生させる単官能重合開始剤および2対以上のラジカ
ルを発生させる多官能重合開始剤とがある。単官能重合
開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビス(2,4
−ジメチルバレロニトリル)、アゾビスイソブチロニト
リル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等
のアゾ化合物;t−ブチルパーオキシピバレート、t−
ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、クミルパ
ーオキシ2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエス
テル類;ジ−3,5,5−トリメチルヘキサノイルパー
オキシド、ジラウロイルパーオキサイド等のジアシルパ
ーオキサイド類の有機過酸化物等が挙げられる。多官能
重合開始剤としては、例えば、2官能の1,1−ビス
(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジ
ペートが、3官能のトリス−(t−ブチルパーキシ)ト
リアジン、4官能の2,2−ビス(4,4−ジ−t−ブ
チルパーオキシシクロヘキシル)プロパン等を挙げるこ
とができる。
%で重合を終了する場合には、3官能以上の多官能重合
開始剤を使用すると多官能単量体のみによる分岐に比
べ、多官能単量体による未反応ビニル基の量を低減する
ことができる。多官能重合開始剤を用いる場合は、前記
した多官能構成単位としての一部または全部と入れ替え
ることができる。重合開始剤の使用量は、重合方法に応
じた周知の適量でよく、単量体または単量体混合物10
0重量部に対して通常、0.001〜1重量部程度、好
ましくは0.01〜0.7重量部である。なお、重合開
始剤の量が多い程、重量平均分子量が小さくなるのは、
一般的なメタクリル酸メチル系重合体と同様である。
は、メタクリル酸メチルを主成分とする単官能単量体の
重合体である。メタクリル酸メチルを主成分とする単官
能単量体とは、メタクリル酸メチルの単独、またはメタ
クリル酸メチルを50重量%以上、好ましくは70重量
%以上のメタクリル酸メチルと共重合可能な単官能単量
体との混合物である。メタクリル酸メチルと共重合可能
な単官能単量体は、具体的には上記したものと同じであ
る。この直鎖状メタクリル系樹脂(B)は、重量平均分
子量Mwが7〜20万、好ましくは8万〜18万であ
る。重量平均分子量Mwが7万未満であると得られる樹
脂組成物から得られる発泡体の機械的強度が不十分とな
り、20万を越えると溶融流動性が低くなり発泡加工特
性が悪い。
チル系重合体(A)および直鎖状のメタクリル系樹脂
(B)を得る重合方法としては、一般のメタクリル酸メ
チル系樹脂を製造する周知の重合方法が適用できる。つ
まり懸濁重合法、塊状重合法、乳化重合法である。
は、分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体
(A)が30〜100重量%、直鎖状メタクリル系樹脂
(B)が0〜70重量%である。
成物には、重量平均分子量が8万〜40万で、Z平均分
子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜50万
である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合体
(A)および直鎖状メタクリル系樹脂(B)以外に、さ
らにゴム状重合体(C)を含有する組成物であっても良
い。ゴム状重合体(C)を配合することにより、その粘
り性および靭性が向上することから品質の良好な発泡体
が得られる。
リル系多層構造弾性体または(2)5〜80重量部のゴ
ム状重合体にエチレン性不飽和単量体を95〜20重量
部グラフト重合したグラフト共重合体が好ましく用いら
れる。
くとも2層構造よりなるゴム弾性の層またはエラストマ
ーの層を20〜60重量部を内在させるアクリル系重合
体であって、軟質層、最外硬質層を基本とするもので、
最内硬質層をさらに含む構造のものでも良い。例えば、
特公昭55−27576号公報、特開平6−80739
号公報または特開昭49−23292号公報に記載のも
のを用いることができる。
チレン性不飽和単量体を95〜20重量部グラフト重合
したグラフト共重合体は、例えば、ポリブタジエンゴ
ム、アクリロニトリル/ブタジエン共重合体ゴム、スチ
レン/ブタジエン共重合体ゴムなどのジエン系ゴム、ポ
リブチルアクリレート、ポリプロピルアクリレート、ポ
リ−2−エチルヘキシルアクリレートなどのアクリル系
ゴム、およびエチレン/プロピレン/非共役ジエン系ゴ
ムなどのゴム状重合体に、スチレン、アクリロニトリ
ル、アルキル(メタ)アクリレートなどのエチレン性単
量体をグラフト共重合したものである。これらのグラフ
ト共重合体としては特開昭55−147514号公報や
特公昭47−9740号公報に記載のものを用いること
ができる。
酸メチル樹脂組成物中の割合は、分岐構造を有するメタ
クリル酸メチル系重合体(A)が30〜95重量%、直
鎖状メタクリル系樹脂(B)が0〜70重量%、ゴム状
重合体(C)が5〜70重量%である。ゴム状重合体
(C)の量が、5重量%より少ないと得られる樹脂組成
物の耐衝撃性が低くなり、70重量%を越える場合には
発泡加工特性及び耐熱性が低下すると共にメタクリル酸
メチル系重合体(A)の効果がなくなる。
には、必要に応じて離型剤、紫外線吸収剤、着色剤、酸
化防止剤、熱安定剤、可塑剤等の一般的なアクリル樹脂
に添加できる各種剤を含有させることができる。
の発泡に使用する発泡剤としては、プロパン、ブタン、
ペンタン、ヘキサン等の脂肪族炭化水素類;シクロブタ
ン、シクロペンタン、シクロヘキサン等の環式脂肪族炭
化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソ
プロパノール及びブタノール等の低級脂肪族アルコール
類;メチルクロライド、ジクロロジフルオロメタン等の
ハロゲン化炭化水素類;二酸化炭素、窒素、水等のガス
類;アゾジカルボンアミド、重曹等の化学熱発泡剤など
が挙げられ、これらの少なくとも1種以上が用いられ
る。さらに必要なら一般的な発泡助剤を併用して用いる
ことができる。
を発泡して発泡体とする方法としては、特に制限がない
が、例えば、分解型発泡剤とメタクリル酸メチル系樹
脂組成物をを押出し機で溶融混練し、発泡させる方法、
メタクリル酸メチル系樹脂組成物を押出し機で溶融さ
せ、蒸発型発泡剤をシリンダー途中から直接圧注入し、
混練、発泡させる方法、該メタクリル酸メチル系樹脂
からなるペレットまたはビーズを押出し機または水系懸
濁液中で蒸発型発泡剤を含浸させ、その含浸ペレットま
たはビーズを水蒸気等で加熱しで発泡させる方法などが
挙げられる。
メチル系樹脂組成物をメタクリル酸メチル系樹脂組成物
以外の熱可塑性樹脂と多層状に発泡共押出して2層また
は3層などの多層状の発泡体(例えば、発泡体層/熱可
塑性樹脂層、熱可塑性樹脂層/発泡体層/熱可塑性樹
脂)とする方法が挙げられる。この際用いられる熱可塑
性樹脂としては、いわゆるアクリル樹脂、カーボネート
樹脂、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート等が挙げ
られる。また本発明におけるメタクリル酸メチル系樹脂
組成物の範疇であるが、組成の異なる樹脂を用いて多層
状の発泡体とすることもできる。
は、溶融張力と流動性のバランスが優れ、真空成形、圧
空成形法により、包装容器などに容易に成形できる。
体は、発泡成形時のガス抜けが少なく、高発泡倍率で、
発泡セルが均一であり、外観が良好であり、加工生産性
に優れ、さらには衝撃強度に優れたものであり、緩衝包
装材や断熱材、土木用材料として有用である。さらに、
本発明のメタクリル酸メチル系樹脂発泡体は、ビニル芳
香族炭化水素の含有量を少なくすることが可能であり、
着火した際に煤煙がほとんどでなく、金属鋳造の際に使
用する消失模型や建築構造物への使用に適している。
お、測定評価法のうち、上記に記載した項目以外の項目
については以下のとおり実施した。 (1)MFR:JIS K7210に準拠して行った。
なお、温度230℃、荷重3.8kgfとした。 (2)伸長粘度:東洋精機製作所製キャピログラフを用
い、オリフィスL/D=4.99/1.00(mm)、
温度230℃、、ピストン速度10mm/分で下記の数
式 数3に基づいて測定した。
(t);断面積、ε'(t);伸長速度を示す。
の程度を発泡倍率により評価した。すなわち、G=(発
泡倍率−1)×100/1.19とし、G≧200の場
合は○(良好)、G<200の場合は×(不良)で表し
た。 (4)発泡倍率:1.19/シート密度で表した。 (5)外観:得られた発泡体の外観を目視により観察
し、○(ガス抜けによるシートの肌荒れなく、セルが均
一)及び×(シートの肌荒れがあり、セルが不均一)に
より評価した。 (6)衝撃強度:得られたシートを50mm×50mm
に切り出し、鋼球の重さを28.8gとした以外はJI
S K7211に準じて実施し、50%破壊高さを測定
した。
酸メチル96重量部、アクリル酸メチル4重量部、1,
6−ヘキサンジオールジアクリレート0.147重量
部、ラウロイルパーオキサイド0.3重量部、n−ドデ
シルメルカプタン0.45重量部、イオン交換水200
重量部、ポリメタクリル酸ナトリウム1重量部を入れて
混合し、加熱昇温して、80℃で重合を開始し、90分
経過後さらに100℃で60分重合させた。重合後、洗
浄、脱水、乾燥を行い、ビーズ状の分岐構造を有するメ
タクリル酸メチル系樹脂(以下、PMMA1と略する)
を得た。PMMA1の組成、物性を表1に示す。次に、
このPMMA1を100重量部に、分解温度165℃の
アゾジカルボナミド系発泡剤(セルマイク172−C
三協化成(株)製:ガス発生量=180ml/g)を2
重量部添加し、250mmTダイスを付けた40mmφ
押し出し機にてシリンダー温度220℃、ダイス温度2
30℃スクリュー回転数40rpmにて押出発泡し、シ
ート厚み5.0mmで密度0.28である均一なシート
状発泡体を得た。結果を表2、表3に示す。
オールジアクリレートを0.19重量部、n−ドデシル
メルカプタンを0.38重量部、イオン交換水を150
重量部とし、ポリメタクリル酸ナトリウム1重量部の代
わりにリン酸水素ナトリウム2重量部とした以外は、実
施例1と同様に重合を行い、ビーズ状の分岐構造を有す
るメタクリル酸メチル系樹脂(以下、PMMA2と略す
る)を得た。PMMA2の組成、物性を表1に示す。次
に、このPMMA2を用いて実施例1と同様にしてシー
ト厚み5.2mmで密度が0.23である均一なシート
状発泡体を得た。結果を表2、表3に示す。
レートを用いず、n−ドデシルメルカプタンを0.18
重量部とした以外は、実施例1と同様に行ってビーズ状
の直鎖状メタクリル酸メチル系樹脂(以下、PMMA3
と略する)を得た。PMMA3の組成、物性を表1に示
す。次に、このPMMA3を用いて実施例1と同様にし
てシート厚み4.5mmで密度が0.92であるシート
状発泡体を得た。結果を表2、表3に示す。
DR101(ローム&ハース社製)30%を押出機を用
いてブレンド造粒した。得られたブレンド物100重量
部に、実施例1と同様に発泡剤を添加し、シート厚み
4.8mmで密度0.3である均一なシート状発泡体を
得た。結果を表2、表3に示す。
工業(株)製)を用いた以外は、実施例3と同様にして
シート厚み4.9mmで密度0.31である均一なシー
ト状発泡体を得た。結果を表2、表3に示す。
ト厚み3.8mmで密度0.91のシート状発泡体を得
た。結果を表2、表3に示す。
ブタジエン/スチレン樹脂(以下、ABSと称する)と
してクララスチックSRE(住友ダウ(株)製)を供給
し、シリンダー2に実施例3で得たブレンド物(PMM
A1/DR101=70/30)に発泡剤を添加供給
し、2mmのABS層と1mmのアクリルのシート状発
泡体層からなる外観の良好な2層シートを得た。アクリ
ルのシート状発泡体層にはセルの破れなどはみられなか
った。結果を表2、表3に示す。
A3とDR101のブレンド物(PMMA3とDR10
1=70/30)にした以外は実施例5同様に2層シー
トを成形した。アクリルのシート状発泡体層はセルの均
一性が悪く外観の良くないものであった。結果を表2、
表3に示す。
1を1500g、イオン交換水3000g、ポリメタク
リル酸ナトリウム15g、発泡剤としてペンタン200
gを仕込み、撹拌下で120℃で2時間保持してペンタ
ンを含浸させた。この発泡剤含浸樹脂を(株)関製作所
製の加圧予備発泡機で嵩倍率で41倍の予備発泡ビーズ
を作製し、2日間放置した後、笠原工業(株)製の発泡
成形機を用いて120℃で厚み20mmの発泡板を成形
した。得られた発泡板は密度0.029で表面のセルの
破れもなく外観の良好なものであった。結果を表2、表
3に示す。
例6と同様にして発泡板を得た。発泡板は密度0.9で
セルの破れがひどく外観の劣るものであった。結果を表
2、表3に示す。
Claims (8)
- 【請求項1】 重量平均分子量が8万〜40万で、Z平
均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜5
0万である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合
体(A)を30〜100重量%、直鎖状メタクリル系樹
脂(B)を0〜70重量%を含有するメタクリル酸メチ
ル系樹脂組成物からなるメタクリル酸メチル系樹脂発泡
体。 - 【請求項2】 重量平均分子量が8万〜40万で、Z平
均分子量を用いて規定される分岐点間分子量が3万〜5
0万である分岐構造を有するメタクリル酸メチル系重合
体(A)を30〜95重量%、直鎖状メタクリル系樹脂
(B)を0〜70重量%、ゴム状重合体(C)を5〜7
0重量%を含有するメタクリル酸メチル系樹脂組成物か
らなるメタクリル酸メチル系樹脂発泡体。 - 【請求項3】 メタクリル酸メチル系重合体(A)が、
その重合体のうち分子量30万以上のものの割合が、そ
の重合体のクロロホルム中25℃における還元粘度が
0.7dl/g以下の時は、{[14×(還元粘度値)−
6.8]〜[14×(還元粘度値)+11.2]}(重
量%)であり、還元粘度が0.7以上の時は、{[40
×(還元粘度値)−25]〜[40×(還元粘度値)−
7]}(重量%)である請求項1または請求項2記載の
メタクリル酸メチル系発泡体。 - 【請求項4】 ゴム状重合体(C)がアクリル系多層構
造弾性体である請求項2記載のメタクリル酸メチル系発
泡体。 - 【請求項5】 ゴム状重合体(C)が5〜80重量部の
ゴム状重合体にエチレン性不飽和単量体を95〜20重
量部グラフト重合したグラフト共重合体である請求項2
記載のメタクリル酸メチル系発泡体。 - 【請求項6】 請求項1または請求項2に記載のメタク
リル酸メチル系樹脂組成物を高温高圧下で発泡剤と混練
した後、低圧域に押出し発泡させることを特徴とするメ
タクリル酸メチル系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項7】 請求項1または請求項2に記載のメタク
リル酸メチル系樹脂組成物のビーズまたはペレットに発
泡剤を含浸した後、発泡させることを特徴とするメタク
リル酸メチル系樹脂発泡体の製造方法。 - 【請求項8】発泡剤と混練した請求項1または請求項2
に記載のメタクリル酸メチル系樹脂組成物を該メタクリ
ル酸メチル系樹脂組成物以外の熱可塑性樹脂と多層状に
発泡共押出しすることを特徴とするメタクリル酸メチル
系樹脂発泡体の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP32169896A JP3653897B2 (ja) | 1996-12-02 | 1996-12-02 | メタクリル酸メチル系樹脂発泡体及びその製造方法 |
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JPH10158425A true JPH10158425A (ja) | 1998-06-16 |
JP3653897B2 JP3653897B2 (ja) | 2005-06-02 |
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JP (1) | JP3653897B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006089705A (ja) * | 2004-08-27 | 2006-04-06 | Sekisui Chem Co Ltd | アクリル系樹脂発泡シート及びその製造方法 |
JP2007514027A (ja) * | 2003-12-12 | 2007-05-31 | ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト | ペレット状の発泡性フィラー含有熱可塑性ポリマー材料から構成される成形用発泡成形体 |
-
1996
- 1996-12-02 JP JP32169896A patent/JP3653897B2/ja not_active Expired - Fee Related
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