JP6583349B2 - 車両の吸音構造 - Google Patents

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Description

この発明は、車両の吸音構造に関し、車両外壁に設けられたエキストラクタ開口から侵入し、車両外壁と車室内壁との間の通気空間を通じて車室内壁に設けられた通気用開口から車室内に伝播する車外の騒音の吸音構造に関する。
一般に、車室内壁には通気用開口が設けられるとともに、車体外壁にはエキストラクタ開口が設けられ、車室内壁と車体外壁との間には、これら通気用開口とエキストラクタ開口とを連通する通気空間を備えている。
そしてドア閉止の際には、車室の空気を通気用開口によって通気空間へ排出させ、さらに、エキストラクタ開口によって通気空間から車外へ排出させることで車室内の気圧調節が行われている。
ところで、近年では車室内の静粛性向上のニーズが益々高まっており、エキストラクタ開口から通気空間へ侵入する騒音は、通気空間を通じて車室内へ直接的に伝搬するため、特にこの通気空間を通じた経路における吸音対策が求められている。
従来の吸音対策としては、例えば車室内壁と車体外壁との通気空間側の各面に吸音部材を広範囲に渡って貼り付けるなどして行われてきた。
しかし車室内の静粛性向上のニーズが増す中で、吸音効果を高めるために上述したように、吸音部材を広範囲に渡って貼り付けると多量の吸音部材が必要となるため効率的ではなく、車体の軽量化を図ることも困難になる。
これに対して特許文献1の吸音構造は、通気空間としての空間部を第1,第2仕切部材(25,26)によってその上方空間と、下方空間とに区分けし、このうち下方空間の側に、通気用開口(24)およびエキストラクタ開口(17,19)を設けるとともに吸音材(23)を配設し、該下方空間において車室内の気圧調整や、車外からの騒音の吸音を行う構成としたものであって、車外の騒音が、アーチ状のリヤホイールハウスに沿ってその上方に形成される上方空間を伝搬して車室内へ侵入することを効果的に防止する構成としたものである。
ここで一般に、吸音部材は同一質量(同一使用量)かつ同一材料の下では、通気空間の内壁に通気方向の直交断面が小さくなるように配置すればする程、吸音効果が高くなるとされている。しかしながら、特許文献1では通気空間の一部(例えば、第1開口(17)の対向部分)のみに配置されており(特許文献1の図3参照)、通気経路の断面が小さくなるように吸音部材を配置して吸音効果を高めるという着想は見受けられず、同一質量かつ同一材料の下で吸音部材の吸音効果(すなわち吸音効率)を高めるという点で改善の余地がある。
また、特許文献2の吸音構造は、車両外装(14)と車両内装(30)との間において、少なくとも通気用開口部(32)を取り囲むようにその周縁部に沿って吸音材(50)を配設したものである(特許文献2の図6参照)。すなわち、この吸音材(50)は、車両外装(14)と車両内装(30)との間の隙間を埋めるように通気用開口部(32)の上縁、右縁、左縁のそれぞれに配設されたものである(同図3、図6参照)。
さらに特許文献2の吸音材は、通気用開口部の右縁、左縁の各部分が、エキストラクタ開口としてのベンチレータ貫通口(18)の右縁、左縁に至まで延設されているため、ベンチレータ貫通口(18)と通気用開口部(32)との間の通気経路は、その左右両側に配設された各吸音材の間隔に応じて小さく保つことができそうにも思われる。
しかしながら一般に、車両外装と車両内装との間隔は、通気経路の延設方向(車両の上下方向)に沿って一定ではなく、場所によっては車幅方向の間隔が広がる部分も存在するため、特許文献2の吸音材では通気経路の断面積を必ずしも小さく保つことができるとは言えず、やはり同一質量かつ同一材料の下で吸音材の吸音効果を高めるという点で改善の余地がある。
特開2012−144155号公報 特開2015−16809号公報
そこで本発明は、エキストラクタ開口から侵入し、車室内に伝播する車外の騒音を吸音する吸音部材の吸音効率を高めることができる車両の吸音構造の提供を目的とする。
この発明は、車室の内壁に、該車室の空気を車室外へ排出する通気用開口が設けられ、車体の外壁に、車室外へ排出した空気を車外へ排出するエキストラクタ開口が設けられ、上記車室内壁と上記車体外壁との間には、上記通気用開口と上記エキストラクタ開口とを連通する通気空間が設けられ、上記通気空間には、上記通気用開口と上記エキストラクタ開口との間に延びる吸音部材が配設され、該吸音部材が延びる方向に直交する方向の断面が該吸音部材によって全周が囲まれた閉断面となる閉断面通気経路が形成され、上記吸音部材は、上記車室内壁の上記通気空間側の面に設けられる第1吸音部材と、上記第1吸音部材よりも車幅外側に設けられ、且つ該第1吸音部材に向けて開放する開断面で形成される第2吸音部材とで構成し、上記第1吸音部材と上記第2吸音部材とで上記閉断面通気経路が形成されたものである。
上記構成によれば、通気経路の断面積を低減して吸音部材による吸音効果を最大化することができる。すなわち、吸音部材の吸音効率を高めることができる。
また上記構成によれば、上記車室内壁の上記通気空間側の面に設けられる第1吸音部材と、該第1吸音部材に向けて開放する開断面で形成される第2吸音部材とで吸音部材を構成するため、これら第1、第2吸音部材の合わせ部に隙間が生じ難く、吸音部材の内部に閉断面通気経路を確実に構成することができる。
さらに、上記吸音部材を第1吸音部材と第2吸音部材とで構成することで、各吸音部材は成形等によって容易に形成することが可能となり、これら第1,第2吸音部材を互いに組み合わせることで内部に閉断面通気経路を容易に形成することができる。
この発明の態様として、上記閉断面通気経路が、少なくとも車両上下方向の上記エキストラクタ開口の通気用開口側端相当位置と、車両前後方向の上記通気用開口のエキストラクタ開口側端相当位置との間において延設されたものである。
上記構成によれば、吸音部材の使用量を削減しつつ吸音効果を得ることができる
の発明の態様として、上記エキストラクタ開口はリヤホイールハウスと車体後端部との間から車幅外側へ開口形成され、上記第2吸音部材の後下部には、上記リヤホイールハウスと上記車体後端部との間において車幅外側に膨出する膨出部が設けられ、上記第2吸音部材は、上記膨出部の車幅外面に上記エキストラクタ開口と連通する膨出部外面開口を有するものである。
上記構成によれば、膨出部によって、車体の形状に沿って膨出部外面開口をエキストラクタ開口の直近において該エキストラクタ開口と連通させることができるため、エキストラクタ開口を通じて車外側から通気空間に侵入した空気を吸音部材内部の閉断面通気経路へ確実に取り込むことができ、閉断面通気経路において車外側の騒音を効果的に吸音することができる。
この発明の態様として、上記第2吸音部材は、上記膨出部の前面と後面とを連結する吸音平面部を有するものである。
上記構成によれば、吸音平面部を膨出部内に設けることで、吸音部材が延びる方向の中でも騒音を、吸音効果の高い騒音の発生源により近い位置において吸音平面部を配置することができ、吸音平面部を、上記膨出部の前面と後面とを連結するように設けることで吸音平面部によって断面積がより小さくなった膨出部内の閉断面通気経路に車外側の空気(騒音)を通過させることができるため、効果的に吸音することができる。
この発明の態様として、上記閉断面通気経路は、上記リヤホイールハウスに沿って上記膨出部の上方に延びると共に、上記吸音平面部は水平方向に延びるものである。
上記構成によれば、上記閉断面通気経路はリヤホイールハウスに沿って上記膨出部の上方に延びると共に上記吸音平面部は水平方向に延びるため、閉断面通気経路(吸音部材が延びる方向)において、膨出部に対して上方部分と吸音平面部とは車両側面視で略直交方向に配置されることになるため、上記膨出部内からその上方に延びる経路に渡って空気が伝播する際の吸音効果をより高めることができる。
この発明によれば、エキストラクタ開口から侵入し、車室内に伝播する車外の騒音を吸音する吸音部材の吸音効率を高めることができる。
本実施形態の吸音構造を備えた車体後部の右側側壁部およびその周辺部分を荷室側から見て示した、荷室の右サイド部分における車幅方向の直交断面図。 図1においてトランクサイドパネルの図示を省略した状態を示す断面図。 図2において第1吸音部材の図示を省略した状態を示す断面図。 図3において第2吸音部材の図示を省略した状態を示す断面図。 図2のA−A線断面図。 図2のB−B線断面図。 図2のC−C線斜視断面図。 図2のD−D線断面図。 図2のE−E線断面図。 図2のF−F線断面図。 リヤパッケージトリムおよびその周辺を車幅中央よりやや左側かつ後下方から見た要部斜視断面図。 本実施形態の吸音構造を備えた車体後部の右側側壁部およびその周辺部分を荷室側から見て示した、車幅方向の中央部分における車幅方向の直交断面図。 本発明の吸音構造をジャッキ収容部を備えていない側壁部に適用した他の実施形態の車体後部を、図10に対応して示した断面図。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態を詳述する。
図中、矢印Fは車両前方を示し、矢印OUTは車幅方向外側(車両右側)を示し、矢印INは車幅方向内側(車両左側)を示し、矢印Uは車両上方を示すものとする。また本実施形態の車両は左右対称形状であるため、車両右側の構成に基づいて説明する。
図1に示すように、本実施形態の吸音構造を適用した車両は、乗員室2の後方に、該乗員室2とは隔壁としてのリヤパッケージトリム90(図11、図12参照)を隔てて車体後部に設けられた荷室3(トランクルーム)を有するセダンタイプの自動車であって、荷室3の両サイドには車体後部側方部に沿って設けられた車体側壁部4(車両右側のみ図示)を備えている。
車体側壁部4は、リヤホイールハウス5(以下、「ホイールハウス5」と称する。)と、サイドアウタパネル6と、ピラーインナパネル7と、トランクサイドトリム8を備えている。
図4、図6〜図9に示すように、ホイールハウス5は、車両側面視で前後方向の中間部が上方へ凸のアーチ状に形成されており、車幅方向外側のホイールハウスアウタパネル51と車幅方向内側のホイールハウスインナパネル52とで形成され互いの上縁51a,52aが接合固定されている(図6〜図9中の接合部分S1参照)。
ホイールハウスアウタパネル51は、車幅外方へ膨出する車幅外方膨出部53を形成するとともに、ホイールハウスインナパネル52は、車幅内方へ膨出する車幅内方膨出部54を形成して、これらの間の空間には車両後輪用のタイヤ収容部55を構成している。ホイールハウス5は、その後端が車体後端に位置するリヤエンドパネル41よりも前方に離間するように配設されている(図4参照)。
なお、リヤエンドパネル41は図4のみ図示し、便宜上他の図面では図示省略している。
図3、図4、図8に示すように、ホイールハウスインナパネル52の車両前後方向中央部には後輪用のサスペンションを支持するサスペンション支持部12がホイールハウスインナパネル52の一部を構成するように設けられている。また、ホイールハウス5はリヤピラー15(Cピラー)(図1、図8参照)の下方に位置し、ホイールハウスインナパネル52のサスペンション支持部12の前側部位には、リヤピラー15の下側部分の補強するガセット13が設けられている(図3参照)。
サイドアウタパネル6は、車両外装となる側壁を形成し、その上側部分が不図示のリヤサイドドアとバックドアとの間に位置する。そしてサイドアウタパネル6の上側部分がピラーインナパネル7を、サイドアウタパネル6の下側部分がホイールハウス5を、夫々車幅方向外側から覆っている(図8、図9参照)。
サイドアウタパネル6のホイールハウス5に対応する部分と、ホイールハウスアウタパネル51の少なくとも下縁とは互いに接合固定されている(図8、図9中の接合部分S3参照)。
図4、図6、図10に示すように、サイドアウタパネル6の車体後方下部、詳しくは、ホイールハウス5とリヤエンドパネル41(図4参照)との車両前後方向の間に位置する部位には、車室外へ排出した空気(後述する通気空間の空気)を車外へ排出するエキストラクタ開口14が貫通形成されている。
このエキストラクタ開口14は、車幅外方向に開口形成されている。なお、このエキストラクタ開口14は、車体後部の両サイドの平面視コーナー部の湾曲形状に沿って前方へ延びる不図示のリヤバンパーの端部に、車外側との通気を確保したうでで車幅方向外側から覆われている。
図8に示すように、ピラーインナパネル7は、サイドアウタパネル6の上側部分に対して車幅方向内側に配置され、該サイドアウタパネル6の上側部分と共に、互いの間に上下方向に延びる閉断面15Aを有するリヤピラー15を構成している。ピラーインナパネル7は、その下端7aが、ホイールハウスアウタパネル51の上端51aに接合固定されている(図8、図9参照)。この接合部分S2は、ホイールハウスアウタパネル51の上端51aとホイールハウスインナパネル52の上端52aとの接合部分S1よりも上方に位置している。ピラーインナパネル7は、ホイールハウスアウタパネル51の上端51aとの接合部分S2から上方へ延びており、その上縁がサイドアウタパネル6の上縁に接合固定されている(図8、図9中の接合部分S4参照)。
上述したピラーインナパネル7とホイールハウスアウタパネル51およびホイールハウスインナパネル52とで車体側壁部4のサイドインナパネル16を形成している(図8、図9参照)。
トランクサイドトリム8は、荷室3内の内装として該荷室3の側壁面(意匠面)を構成するものであり、ホイールハウス5を荷室3側から覆うようにホイールハウス5やサイドアウタパネル6の下側部分に対して車幅方向内側に離間して配設されている(図5〜図7参照)。
なお、当例ではトランクサイドトリム8は樹脂製である。また、荷室3の床面を形成するリヤフロアパネル40には不図示のトランクルームマットが敷設されている。
図1、図6、図7、図10に示すように、トランクサイドトリム8の車両側面視でホイールハウス5に対応する部位よりも後方部分であって上下方向の中間部分は、その周辺部分に対して車室側から見て車幅方向外側に凹む凹状部80が形成されており、図10に示すように、トランクサイドトリム8の凹状部80よりも下側空間には、ジャッキを収容するジャッキ収容部87が設けられている。ジャッキ収容部87では、ジャッキを不図示の台座を介して荷室3等車体後部の床面を形成するリヤフロアパネル40に設置した状態で収容することができる。
詳しくは図1、図10に示すように、トランクサイドトリム8の後下部には、凹状部80を形成することによって、トランクサイドトリム8の凹状部80の下側で上下方向に延びる凹状部下側縦壁部81と、凹状部下側縦壁部81の上端から凹状部80の下面を形成するように車幅方向外側へ略水平に延びる段差面部82と、段差面部82の車幅方向外側端から上方へ延びる車幅方向外側縦壁部83と、凹状部80の前壁を形成する凹状部前壁部84(図1、図6参照)とが形成されている。そして、ジャッキ収容部87は、凹状部下側縦壁部81よりも車幅方向外側、且つ段差面部82の下方に位置し、段差面部82を上面とし、凹状部下側縦壁部81を車幅方向内面とする空間である(図10参照)。
さらに図1、図6、図10に示すように、トランクサイドトリム8の後下部、すなわち、段差面部82と、その上下各側および前側の周縁部分(凹状部下側縦壁部81の下部より上側部位、車幅方向外側縦壁部83の下部および凹状部前壁部84の下部)とには、ジャッキ収容部87に収容したジャッキを荷室3側から出し入れ可能とするジャッキ出入用開口部85が開口形成されている。そして、トランクサイドトリム8のジャッキ出入用開口部85に対応する部位には、該ジャッキ出入用開口部85を開閉可能とする蓋部86を備えている。なお、蓋部86はトランクサイドトリム8のジャッキ出入用開口部85に相当する部分を形造っている。
上述した車体側壁部4内の空間、すなわちトランクサイドトリム8とサイドアウタパネル6との間の空間は、車両前後方向においてホイールハウス5に対応する部分においては、図4〜図9の特に図5、図7に示すように、サイドインナパネル16によって車幅方向に仕切られる一方で、サイドインナパネル16(ホイールハウス5)と車両後端部としてのリヤエンドパネル41(図4参照)の車両前後方向の間部分においては、図4〜図7、図10に示すように、サイドインナパネル16によって車幅方向に仕切られることがなく車幅方向に連通している。
ここで、車体側壁部4内のサイドインナパネル16によって車幅方向に仕切られた空間のうち車幅方向内側の空間を側壁内車幅内側空間31に設定するとともに、サイドインナパネル16とリヤエンドパネル41との車両前後方向の間部分において、車幅方向に連通する空間を側壁内車幅連通空間32に設定する(特に図4、図5、図7参照)。
一方、このような車体側壁部4の内部には、トランクサイドトリム8側に設けた後述する荷室側通気用開口88(特に図8、図11、図12参照)とサイドアウタパネル6側に設けたエキストラクタ開口14とを連通する通気空間30が設けられており、該通気空間30は主に上記の側壁内車幅内側空間31と側壁内車幅連通空間32とで構成されている。
図11、図12に示すように、荷室3の上部には、荷室3と乗員室2とを仕切るリヤパッケージトリム90が配設されている。
なお、図11、図12以外の図面においてはリヤパッケージトリム90の図示を省略している。
リヤパッケージトリム90は荷室3の両サイドにて、支持ブラケット92を介してピラーインナパネル7に取付け支持されている。
特に図4、図8に示すように、支持ブラケット92は、その基端部がピラーインナパネル7のトランクサイドトリム8の上端8u(図8、図11、図12参照)よりも上方部位に接合されており、荷室3の両サイドにおいてリヤパッケージトリム90を下側から支持可能に車幅方向内側かつ車両前後方向に略水平に延びている。なお、支持ブラケット92の前部は、リヤパッケージトリム90の取付け面に対して一段降下してガセット13の上面に取り付けられている(図4参照)。
図1、図8に示すように、トランクサイドトリム8の上端8uと、その上方で前後方向に延びる支持ブラケット92との間には、荷室3内の空気を荷室3外(トランクサイドトリム8よりも車幅方向外側に位置する通気空間30)へ排出可能に車幅方向に開口する荷室側通気用開口88が設けられている。
また図11、図12に示すように、リヤパッケージトリム90は、車体1における不図示の後部座席の後方において、荷室3と乗員室2との隔壁を構成するパネル部材であり、その車幅方向の中央部には、乗員室2内の空気を荷室3内へ排出可能に上下方向に開口するスリット状の乗員室側通気用開口91が設けられている。
なお、図11、図12中の太矢印は、サイドドア閉止時に乗員室2から車外へ排出される空気の流れを模式的に示す。また当例の乗員室側通気用開口91は、車幅方向に延びるスリット部91aを複数配設して構成されたものであるが、この構成に限らず、メッシュ状に形成する等、荷室3と乗員室2とが通気可能に開口形成したものであれば特に限定しない。
すなわち、本実施形態のようにセダンタイプの車両においては、図11、図12に示すように、リヤパッケージトリム90の乗員室側通気用開口91を介して乗員室2と荷室3とが連通し、トランクサイドトリム8の上方に設けた荷室側通気用開口88を介して荷室3と通気空間30とが連通しているため(図8参照)、サイドドアが設けられる車室内(乗車空間)から荷室3を介して通気空間30へ通気可能としている。
なお、ハッチバックタイプの車両においては、荷室3と乗員室2との間に隔壁(リヤパッケージトリム90)を配設していないため、乗員室2と荷室3とが乗員室側通気用開口91を介さずに直接連通している。
図3〜図10に示すように、通気空間30には、荷室側通気用開口88とエキストラクタ開口14との間に延びる吸音部材20が配設されている。
吸音部材20は、図2、図5〜図10に示すように、トランクサイドトリム8の意匠面と反対側の面8a(図5〜図10参照)に接着接合されるパネル状の第1吸音部材21と、図3、図5、図7、図9に示すように、第1吸音部材21よりも車幅方向外側に設けられ、且つ該第1吸音部材21に向けて開放する開断面で形成される第2吸音部材22とで構成している。これら1吸音部材20と第2吸音部材22とは共に成型によって形成されており、さらにこれら第1吸音部材21と第2吸音部材22とで、吸音部材20の内部には、該吸音部材20が延びる方向の直交断面が該吸音部材20によって全周が囲まれた閉断面となる閉断面通気経路24A,25Aを形成する(図3、図5、図6、図9、図10参照)。
図2、図5に示すように、第1吸音部材21は、トランクサイドトリム8の後下部分を除いた車両側面視形状に対応するパネル状に形成し、前側第1吸音部材21fと、該前側第1吸音部材21fよりも後側に備えた後側第1吸音部材21rとの2部材で構成され、これら前後方向の対向縁部は、互いに接触又は僅かな隙間を有して前後各側に並設されている。
前側第1吸音部材21fは、ホイールハウス5の略全体に対応する車両側面視形状に形成されており(図2参照)、ホイールハウスインナパネル52の車幅内方膨出部54とトランクサイドトリム8との車幅方向の間において、これらの間54,8の隙間を埋めるように介在している(図6〜図8参照)。前側第1吸音部材21fの上部は、側壁内車幅内側空間31を隔ててホイールハウスアウタパネル51とホイールハウスインナパネル52との各上端部51a,52aと対向している(図5、図8、図9参照)。
後側第1吸音部材21rは、前側第1吸音部材21fよりも後方に位置し、主に第2吸音部材22の後述する車体取付フランジ部29(図3参照)を除く略全体と車幅方向内側で対向する車両側面視形状(図2、図3参照)に形成されている。すなわち後側第1吸音部材21rは、側壁内車幅連通空間32に配設された第2吸音部材22を隔ててその車幅方向外側に位置するサイドアウタパネル6と対向している(図5、図7、図10参照)。
第1吸音部材21の後下コーナー部には、車両側面視で少なくとも蓋部86(図10参照)に対応する部位を下縁から上方かつ後縁から前方へ切欠き状に形成した逃げ部21aが前側第1吸音部材21fと後側第1吸音部材21rに渡って形成されている(図2参照)。
この逃げ部21aによって後側第1吸音部材21rの下端部は、上下方向のエキストラクタ開口14の上端14uに相当する位置14uPに位置している(図2、図10参照)。
図3に示すように、第2吸音部材22は、通気空間30の形状に沿って荷室側通気用開口88とエキストラクタ開口14とを繋ぐようにこれら開口88,14の間に延びており、該第2吸音部材22の延びる方向の略全長に渡って車幅方向内側に向けて開口する開断面に形成している。
第2吸音部材22は、後下部23と、該後下部23に対して前上方に延出する前上延出部25とで一体に形成されている(図3参照)。上記の閉断面通気経路24Aは、後下部23(後延する膨出部24)の内部に形成されるとともに、上記の閉断面通気経路25Aは前上延出部25の内部に形成されている(図3、図10参照)。
図3、図6、図10に示すように、後下部23には、ホイールハウス5とリヤエンドパネル41との車両前後方向の間において車幅外側に膨出する膨出部24が設けられている。
後下部23の膨出部24よりも車幅方向内側の上部は、前上延出部25の下部と一体に結合されており、後下部23(膨出部24)から上方へ延びる閉断面通気経路25Aと、後述するように車幅方向に延びる閉断面通気経路24Aとは互いに連通している(図3、図10参照)。
膨出部24を備えた後下部23は、主に側壁内車幅連通空間32に配設されており(図3、図6、図10参照)、サイドインナパネル16、厳密にはホイールハウスアウタパネル51とホイールハウスインナパネル52との接合部分S1を車幅方向に跨ぐように車幅方向内側から外側へ膨出している(図6、図10参照)。
膨出部24は、上面24a、下面24b、前面24c、後面24dおよび車幅外面24eを有し(図3、図6、図10参照)、閉断面通気経路24Aは、これらのうち上面24a、下面24b、前面24cおよび後面24dによって全周が囲まれ、車幅方向の直交断面が閉断面となるように構成され、主に車幅方向に延びている。
膨出部24の車幅外面24eには、エキストラクタ開口14と連通する膨出部外面開口26が貫通形成されている。膨出部外面開口26は、エキストラクタ開口14と車両側面視で略同形状であるとともに、同じ大きさ或いは若干大きく形成しており、膨出部24の車幅外面24eの膨出部外面開口26の周縁がサイドアウタパネル6のエキストラクタ開口14の周縁に車幅方向内側から当接している(図10参照)。
これにより、エキストラクタ開口14および膨出部外面開口26との開口方向と、膨出部24の膨出方向(膨出部24内部の閉断面通気経路24Aが延びる方向)とは共に車幅方向で一致する。
さらに図3、図6、図10に示すように、第2吸音部材22は、膨出部24の前面24cと後面24dとを連結する(換言すると前面24cと後面24dとに架設される)複数(当例では3つ)の吸音平面部27(27a,27b,27c)(連結部)を有しており、前面24cおよび後面24dに対して一体に形成されている。これら吸音平面部27は、共に車幅方向および前後方向に水平に延びる面を有するパネル状に形成されており、エキストラクタ開口14の開口方向、すなわち車外側からの騒音(空気)が膨出部24内に侵入してくる方向に対して直交方向に配設される。
さらにこれら吸音平面部27(27aと27および27bと27c)は、上下方向に互いに隙間を有するとともに、上側の吸音平面部27aは膨出部24の上面24aに対して、下側の吸音平面部27cは膨出部24の下面24bに対してそれぞれ隙間を有して配設されている(図10参照)。
図3に示すように、前上延出部25の内部の閉断面通気経路25Aは、ホイールハウス5に沿って膨出部24を有する後下部23に対して上方に延びている。
前上延出部25は、その後下端が後下部23から上方へ立ち上がるように延出し、アーチ形状のホイールハウス5の頂部5aに向けて該頂部5aに対して後方部分の湾曲形状(円弧形状)に沿って上方程前方へ延出されている(図3参照)。
詳しくは、同図に示すように、前上延出部25は、側壁内車幅連通空間32における後下部23の配設箇所よりも上方に配設され、上方程徐々に車幅方向内側にオフセットするとともにホイールハウスインナパネル52の車幅内方膨出部54に沿って前上方向に延びて前上部分が、サイドインナパネル16(ホイールハウス5)とトランクサイドトリム8との間に位置する側壁内車幅内側空間31に側壁内車幅連通空間32側から入り込むように配設されている(図3、図5、図7、図9参照)。
そして図3、図5に示すように、前上延出部25は、車両前後方向の荷室側通気用開口88の後端88rに相当する位置88rPまで、すなわちホイールハウス5の頂部5aに対して後方手前まで延びており、その内部の前上端(後下部23側とは反対側端)に有する開口28(閉断面通気経路25Aの前上端)が前方を向けて開口している。
なお、第2吸音部材22における前上延出部25の後上コーナー部には、車体側、すなわちサイドインナパネル16やサイドアウタパネル6に、クリップやファスナ等の適宜の固定手段を用いて直接又は不図示のブラケットを介して第2吸音部材22を取り付ける車体取付フランジ部29が形成されている(特に図3参照)。
前上延出部25は、その延出方向(エキストラクタ開口14と荷室側通気用開口88との連通方向)の直交断面が第1吸音部材21に向けて開口した開断面で形成、すなわちコ字状に形成されている(図3、図5、図7、図9、図10参照)。
例えば、前上延出部25の延出方向が主に車両前方向となる部分においては、車幅方向外面部と、その上下両端から車幅方向内側へ延びる上面部と下面部とで、前上延出部25の直交断面がコ字状になるように形成し(図3、図9参照)、同じく延出方向が主に上方向となる部分においては、車幅方向外面部と、その前後両端から車幅方向内側へ延びる前面部と後面部とで上方向の直交断面がコ字状になるように形成し(図3、図7参照)、これらコ字状断面は共に第1吸音部材21に向けて開口する。
そして吸音部材20は、第1吸音部材21と第2吸音部材22とが、第2吸音部材22の第1吸音部材21に向けての開口を塞ぐように互いの対向部分が接合され、内部に吸音部材20が延びる方向の直交断面の全周が吸音部材20によって囲まれた閉断面となる閉断面通気経路24A,25Aが形成される。
このうち、閉断面通気経路25Aは、第2吸音部材22の前上延出部25と、該前上延出部25に対向する第1吸音部材21との接合によって構成され、上下方向のエキストラクタ開口14の上端14uに相当する位置14uPから前後方向の荷室側通気用開口88の後端88rに相当する位置88rPまで延びている(図2、図3、図5、図10参照)。
さらに、閉断面通気経路24A,25Aは、共に夫々の延出方向に沿って断面積が略一定に形成している(図3、図9、図10参照)。
本実施の形態の車両の吸音構造は、車室としての荷室3のトランクサイドトリム8(内壁)に、乗員室2および荷室3の空気を車室外へ排出する通気用開口としての荷室側通気用開口88が設けられ(図1参照)、車体のサイドアウタパネル6(外壁)に、車室外へ排出した空気を車外へ排出するエキストラクタ開口14が設けられ(図4参照)、トランクサイドトリム8とサイドアウタパネル6との間には、荷室側通気用開口88とエキストラクタ開口14とを連通する通気空間30が設けられ、通気空間30には、荷室側通気用開口88とエキストラクタ開口14との間に延びる吸音部材20が配設され、該吸音部材20が延びる方向に直交する方向の断面が該吸音部材20によって全周が囲まれた閉断面となる閉断面通気経路24A,25Aが形成されたものである(図3参照)。
上記構成によれば、閉断面通気経路24A,25Aの断面積を低減して吸音部材20による吸音効果を最大化し、エキストラクタ開口14から侵入し、車室内に伝播する車外の騒音の吸音部材20による吸音効率を高めることができる。
詳述すると、吸音部材20は、該吸音部材20が延びる方向に直交する方向の断面が閉断面となる閉断面通気経路24A,25Aを形成することで、閉断面通気経路24A,25Aの全周が吸音部材20によって囲まれることによる吸音効果を得ることができることに加えて、サイドアウタパネル6(外壁)やトランクサイドトリム8(内壁)の形状や間隔に依存することなく吸音部材20が延びる方向全体に渡って断面積を小さくすることができるため、吸音部材20による吸音効果を最大限高めることができる。
詳述すると、吸音部材20に有する閉断面通気経路24A,25A(特に吸音部材20の延出方向における、第2吸音部材22の前上延出部25に対応する部分における閉断面通気経路25A)は、その延出方向に沿って断面積が略一定に形成している。
ここで、吸音部材20の延出方向に直交する閉断面の断面積が小さい場合には、ドア閉止の際に、車室内から空気が排出され難くなり、車室(乗員室2)内のスムーズな気圧調整が行い難くなるおそれがあるため、断面積が大きい方が好ましい一方で、車外側の騒音に対しては吸音部材20の延出方向に直交する閉断面の断面積が小さい方が同一質量、同一材料の吸音部材20の下で吸音効果は高くなるため、断面積が小さい方が好ましいとされている。
そして上述したように、通気経路を吸音部材20に囲まれた閉断面通気経路24A,25Aによって構成することで、例えば、車体側壁部4内において設けられるタイヤホイールハウス5やサイドアウタパネル6等、通気空間30を構成する各種パネルの表面に吸音材を単に貼り付けた従来の吸音構造のように、パネル形状やパネル間の間隔が通気空間30の場所に応じて大きく異なることに伴って通気空間30の断面積が通気方向に沿って大きく異なることもなく、通気経路の断面積を、パネル形状やパネル間の間隔等に影響され難くなり、吸音部材20の形態に応じてより正確かつ容易に設定することが可能となる。
このため、本実施形態においては、閉断面通気経路24A,25Aを構成する吸音部材20を通気空間30に配設したため、ドア閉止の際における乗員室2内のスムーズな気圧調整と、吸音効果を高めるという上述した相反する関係がある2つの観点を勘案して閉断面通気経路24A,25Aの断面積を適切に設定することができる。
さらに、通気経路を全周が吸音部材20に囲まれた閉断面通気経路24A,25Aによって構成することで、閉断面通気経路24A,25Aの断面積の場合と同様に、閉断面通気経路24A,25Aの屈曲部分についても吸音部材20の形態に応じて任意の屈曲形状で設けたり、設けなかったりすることを設定することが可能となる。このため、例えば、閉断面通気経路24A,25Aの屈曲部分を極力減らしてドア閉止の際における乗員室2内のスムーズな気圧調整を行い易い構成とすることも可能となる。
この発明の態様として、閉断面通気経路24A,25Aが、少なくとも上下方向のエキストラクタ開口14の上端14u(通気用開口88側端)に相当する位置14uPと(図2、図10参照)、通気用開口の後端88r(エキストラクタ開口14側端)に相当する位置88rP(図3〜図5、図8参照)との間において延設されたものである。
上記構成によれば、吸音部材20を、エキストラクタ開口14の上端14uや通気用開口88の後端88rに対して車幅方向において対向するように設けることができるため、吸音効果を確保することができる。さらに上記構成によれば、吸音部材20を、例えば、エキストラクタ開口14全体や通気用開口88全体に車幅方向に対向するように設けた場合と比較して吸音部材20の使用量を削減することができる。
またこの発明の態様として、吸音部材20は、トランクサイドトリム8の意匠面と反対側の面8aに設けられる第1吸音部材21と(図2参照)、第1吸音部材21よりも車幅外側に設けられ、且つ該第1吸音部材21に向けて開放する開断面で形成される第2吸音部材22とで構成し(図3参照)、第1吸音部材21と第2吸音部材22とで閉断面通気経路24A,25Aが形成されたものである(図5、図7、図9、図10参照)。
上記構成によれば、トランクサイドトリム8の意匠面と反対側の面8aに設けられるパネル状の第1吸音部材21と、該第1吸音部材21に向けて開口する開断面を形成する第2吸音部材22とを互いの対向部分を接合して吸音部材20を構成するため、互いの接合部分に隙間が生じ難く、閉断面通気経路25Aを確実に構成することができる。
さらに、このように吸音部材20を第1吸音部材21と第2吸音部材22とで構成することで、各吸音部材21,22は成形等によって容易に形成することが可能となり、これら第1吸音部材21と第2吸音部材22を互いに組み合わせることで内部に閉断面通気経路24A,25Aを容易に形成することができる。
またこの発明の態様として、エキストラクタ開口14はホイールハウス5と車体後端部としてのリヤエンドパネル41との間から車幅外側へ開口形成され(図4参照)、第2吸音部材22の後下部23には、ホイールハウス5とリヤエンドパネル41との間において車幅外側に膨出する膨出部24が設けられ(図3、図6、図10参照)、第2吸音部材22は、膨出部24の車幅外面24eにエキストラクタ開口14と連通する膨出部外面開口26を有するものである(同図参照)。
上記構成によれば、膨出部24によって、車体の形状に沿って膨出部外面開口26をエキストラクタ開口14の直近において該エキストラクタ開口14と連通させることができるため、エキストラクタ開口14を通じて車外側から通気空間30に侵入した空気を吸音部材20内部の24A,25Aへ確実に取り込むことができ、24A,25Aにおいて車外側の騒音を効果的に吸音することができる。
またこの発明の態様として、第2吸音部材22は、膨出部24の前面24cと後面24dとを連結する吸音平面部27(27a,27b,27c)を有するものである(図3、図6、図10参照)。
上記構成によれば、吸音平面部27を膨出部24内に設けることで、吸音部材20が延びる方向の中でも、騒音の吸音効果が高いとされる騒音の発生源により近い位置において吸音平面部27を配置することができ、吸音平面部27を、膨出部24の前面24cと後面24dとを連結するように設けることで吸音平面部27によって断面積がより小さくなった膨出部24内の閉断面通気経路24Aに車外側の空気(騒音)を通過させることができるため、効果的に吸音することができる。
また、膨出部24は、上述したように、ホイールハウス5とリヤエンドパネル41との間において車幅外側に膨出することで、該膨出部24の膨出方向とエキストラクタ開口14の開口方向とを一致させることができる。
そして、この構成において上記構成のとおり、吸音平面部27は膨出部24の前面24cと後面24dとを連結させることで、車外側からエキストラクタ開口14を介して侵入してくる車外側の空気の流れ(騒音の伝播方向)に対して吸音平面部27を横切るように吸音効果の高い配置で設けることができるため、吸音効果を効果的に高めることができる。
詳述すると、上記構成によれば、車体後端に位置するリヤエンドパネル41から前方へ離間した位置にホイールハウス5が配設された車体後部側方の構造において、これらホイールハウス5とリヤエンドパネル41との間においてサイドアウタパネル6にエキストラクタ開口14を設け、さらに、これらホイールハウス5とリヤエンドパネル41との間の空間(側壁内連通空間32)を利用して車幅外側に膨出する膨出部24を設けることができる。さらに、車幅方向外方に膨張する膨出部24によってその車外面に、エキストラクタ開口14との間に隙間がなく該エキストラクタ開口14と連通する膨出部外面開口26を形成することができ、膨出部24の前面24cと後面24dとに連結する吸音平面部27を、エキストラクタ開口14を介して車外側から侵入する空気の侵入方向に対して交差するように配置することができるとともに、吸音部材20が延びる方向の中でも吸音効果のより高い位置となる、車外側の騒音の発生源により近い膨出部24の閉断面通気経路24Aに設けことができる。
加えて、アーチ状に形成されたホイールハウス5に沿って吸音部材20を延出することで、断面積が略一定となる閉断面通気経路25Aをホイールハウス5に沿って設けやすくなる。
すなわち本実施形態においては、車体後部側方のレイアウト構造を活かして閉断面通気経路24A,25Aを有する吸音部材20を設けることで、吸音効果を効果的に高めることができる。
またこの発明の態様として、閉断面通気経路25Aは、ホイールハウス5に沿って膨出部24の上方に延びると共に、吸音平面部27は水平方向に延びている(図2、図10参照)。
上記構成によれば、閉断面通気経路24A,25Aはホイールハウス5に沿って膨出部24の上方に延びるのに対して吸音平面部27は水平方向に延びるため、閉断面通気経路25Aと吸音平面部27は車両側面視で略直交方向に配置されることになるため、膨出部24からその上方に延びる経路に渡って空気(騒音)が伝播する際の吸音効果をより高めることができる。
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではなく様々な実施形態で形成することができる。
図13は、本発明の吸音構造をジャッキ収容部87を備えていない側壁部に適用した他の実施形態の車体後部を、図10に対応して示した断面図を示す。
例えば、図13に示す他の実施形態の車体後部のように、トランクサイドトリム8の下縁座面89と車幅方向外側縦壁部83とのコーナー部、すなわち、凹状部80の下部には、図10に示すような段状のジャッキ収容部87を設けずに、ジャッキ収容部87に相当する部位を、荷室3の一部(荷室3の下部右サイドのコーナー部)として構成してもよい。
具体的には、トランクサイドトリム8の下部には、図10に示すような凹状部下側縦壁部81や段差面部82を設けずに、図13に示すように、車幅方向外側縦壁部83を下縁座面89の右縁から上方へ延びるように形成しており、トランクサイドトリム8の後下部には、図10に示すようなジャッキ出入用開口部85を形成したり、蓋部86を備えたりせずに構成している。
そして当例では、第1吸音部材21は、ジャッキ収容部87に対応させた後下部に図2に示すような逃げ部21aを設けておらず、トランクサイドトリム8の後下部を含めた側面視形状の略全体に亘って接着されている(図13参照)。
これにより、上述した他の実施形態のように、第1吸音部材21は、上下方向のエキストラクタ開口14の上端14uに相当する位置14uPだけでなく、エキストラクタ開口14全体に車幅方向内側で対向するように配設されている(同図参照)。
上記構成によれば、エキストラクタ開口14全体に車幅方向内側で対向するように第1吸音部材21を配設したため、エキストラクタ開口14を介して侵入した車外側の空気(騒音)を該第1吸音部材21によってより効果的に吸音することができる。
ここで、トランクサイドトリム8の下縁座面89と車幅方向外側縦壁部83とのコーナー部にジャッキ収容部87を設け、それに対応して第1吸音部材21に逃げ部21aを設けた上述した実施形態を、第1実施形態とし、トランクサイドトリム8の下縁座面89と車幅方向外側縦壁部83とのコーナー部にジャッキ収容部87を設けず、且つ第1吸音部材21に逃げ部21aを設けない上述した実施形態を、第2実施形態とする。
第1実施形態のような構成を、車両の左右両サイドのうち一方に採用し、第2実施形態のような構成を、車両の左右両サイドのうち他方の側に採用してもよい。また、第1実施形態のような構成と第2実施形態のような構成とのうちいずれか一方の構成を車両の左右両サイドに採用した構成としてもよい。
さらに言うまでもなく、第1実施形態においては、第2吸音部材22の前上端は前後方向の通気用開口88の後端88rに相当する位置88rPに留めて形成したが、これに限らず、図示省略するが、通気用開口88と車両前後方向でオーバーラップするように、通気用開口88の後端88rに相当する位置88rPより前方まで延出させてもよい。
2…乗員室(車室)
3…荷室(車室)
5…リヤホイールハウス
6…サイドアウタパネル(車体外壁)
8…トランクサイドトリム(車室内壁)
8a…トランクサイドトリムの意匠面と反対側の面(車室内壁の通気空間側の面)
14…エキストラクタ開口
14u…エキストラクタ開口の上端(エキストラクタ開口の通気用開口側端)
20…吸音部材
21…第1吸音部材
22…第2吸音部材
23…第2吸音部材の後下部
24…膨出部
24A,25A…閉断面通気経路
24c…膨出部の前面
24d…膨出部の後面
24e…膨出部の車幅外面
26…膨出部外面開口(膨出部の車外側の開口)
27(27a,27b,27c)…吸音平面部
30…通気空間
41…リヤエンドパネル(車体後端部)
88…荷室側通気用開口(通気用開口)
88r…荷室側通気用開口の後端(通気用開口のエキストラクタ開口側端)
91…乗員室側通気用開口(通気用開口)

Claims (5)

  1. 車室の内壁に、該車室の空気を車室外へ排出する通気用開口が設けられ、
    車体の外壁に、車室外へ排出した空気を車外へ排出するエキストラクタ開口が設けられ、
    上記車室内壁と上記車体外壁との間には、上記通気用開口と上記エキストラクタ開口とを連通する通気空間が設けられ、
    上記通気空間には、上記通気用開口と上記エキストラクタ開口との間に延びる吸音部材が配設され、
    該吸音部材が延びる方向に直交する方向の断面が該吸音部材によって全周が囲まれた閉断面となる閉断面通気経路が形成され
    上記吸音部材は、上記車室内壁の上記通気空間側の面に設けられる第1吸音部材と、
    上記第1吸音部材よりも車幅外側に設けられ、且つ該第1吸音部材に向けて開放する開断面で形成される第2吸音部材とで構成し、
    上記第1吸音部材と上記第2吸音部材とで上記閉断面通気経路が形成される
    車両の吸音構造。
  2. 上記エキストラクタ開口はリヤホイールハウスと車体後端部との間から車幅外側へ開口形成され、
    上記第2吸音部材の後下部には、上記リヤホイールハウスと上記車体後端部との間において車幅外側に膨出する膨出部が設けられ、
    上記第2吸音部材は、上記膨出部の車幅外面に上記エキストラクタ開口と連通する膨出部外面開口を有する
    請求項に記載の車両の吸音構造。
  3. 上記第2吸音部材は、上記膨出部の前面と後面とを連結する吸音平面部を有す
    請求項に記載の車両の吸音構造。
  4. 上記閉断面通気経路は、上記リヤホイールハウスに沿って上記膨出部の上方に延びると共に、上記吸音平面部は水平方向に延びている
    請求項に記載の車両の吸音構造。
  5. 上記閉断面通気経路は、上記リヤホイールハウスに沿って上記膨出部の上方に延びると共に、上記吸音平面部は水平方向に延びている
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の車両の吸音構造。
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