JP6476778B2 - サイドシル構造 - Google Patents

サイドシル構造 Download PDF

Info

Publication number
JP6476778B2
JP6476778B2 JP2014231818A JP2014231818A JP6476778B2 JP 6476778 B2 JP6476778 B2 JP 6476778B2 JP 2014231818 A JP2014231818 A JP 2014231818A JP 2014231818 A JP2014231818 A JP 2014231818A JP 6476778 B2 JP6476778 B2 JP 6476778B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vehicle
side sill
vertical wall
opening
extension member
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2014231818A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2016094115A (ja
Inventor
研作 伊藤
研作 伊藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Suzuki Motor Co Ltd
Original Assignee
Suzuki Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Suzuki Motor Co Ltd filed Critical Suzuki Motor Co Ltd
Priority to JP2014231818A priority Critical patent/JP6476778B2/ja
Publication of JP2016094115A publication Critical patent/JP2016094115A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6476778B2 publication Critical patent/JP6476778B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Body Structure For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、車両のフロントピラーの下方から車両後方に延びているサイドシル構造に関するものである。
車両のサイドドアの下方の敷居となる部分には、サイドシル構造が車両前後方向に延びるよう設けられている。サイドシル構造は、車両の骨格部材の役割をする構造物でもあり、車両のNVH性能(Noise(騒音)、Vibration(振動)、Harshness(走行時の振動や音))や衝突性能に影響を与えている。サイドシル構造の主要な部分は、車内側のサイドシルインナと車外側のサイドシルアウタとを閉断面を形成するよう接合させた構造となっている。
サイドシル構造は、車両のNVH性能や衝突性能の向上を目的として、日々改良されている。NVH性能や衝突性能を向上させるにあたって、サイドシル構造は入力荷重に対して断面変形を抑えることが可能な構成が望まれている。例えば車両の走行中、サイドシル構造には、フロントドアを保持しているフロントピラーの根本のあたりから荷重が加わりやすい。また例えば車両に前方からの衝突等が発生した場合においても、フロントタイヤやホイールハウス部が車両後方へ変形することで、サイドシル構造には車両前方から衝撃荷重が加わる。
例えば特許文献1に記載の車両の側部車体構造では、フロントピラーの下方においてサイドシルの内側にガセット部材を追加し、このガセット部材によってサイドシルの断面変形を抑えている。特許文献1では他にも、フロントピラーの内部にフロントピラーレインを設けたり、各種補強部材を設けたりすることで、車体の剛性を高めてその変形を抑えている。
特開2013−1226号公報
現在では、サイドシル構造に対して、剛性の向上を図りつつも、なるべく部品点数の増加および板厚の増大を抑えて軽量化を図りたいという要望がある。剛性向上と軽量化の両立の点において、特許文献1の多数のガセット部材等を追加して剛性の向上を図る手法は、安易に行うと車体重量および製造コストの増加につながるおそれがある。
本発明は、このような課題に鑑み、部品点数の増加および板厚の増大を抑えつつ、NVH性能および衝突性能を向上可能なサイドシル構造を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明にかかるサイドシル構造の代表的な構成は、車両のフロントピラーの下方から車両後方に延びているサイドシル構造において、車両のフロアパネルに沿って組み付けられ車両前側の前端面を有せず第1開口部が形成されているサイドシルインナと、サイドシルインナに沿ってその車外側に接合されサイドシルインナとの間に閉断面を形成し車両前側の前端面を有せず第2開口部が形成されているサイドシルアウタと、サイドシルインナの第1開口部を塞ぐ第1縦壁部を有するエクステンション部材と、サイドシルアウタの第2開口部を塞ぐ第2縦壁部を有しエクステンション部材に車外側から接続されるカバー部材とを備えることを特徴とする。
上記のサイドシルインナおよびサイドシルアウタは、車両前側の前端面を有していない。例えばこれらサイドシルインナ等を車幅方向にプレス成型する場合、仮に前端面が存在していると、サイドシルインナ等の前端部分は側面、上面、下面、および前端面の計4面を有する多面的な部位として成型しなくてはならない。このような多面的な部位は、プレス方向の都合上、成型可能な形状が制限されやすい。そこで、上記構成では、サイドシルインナおよびサイドシルアウタそれぞれの前端面をあえて設けない構造とし、これらの前端面の役割を別部材であるエクステンション部材およびカバー部材によって補っている。この構成によって、サイドシルインナおよびサイドシルアウタの成形性は向上し、例えば車幅方向の太さ、すなわち車幅方向の閉断面を変更するなど、形状の仕様変更を容易に行うことが可能になっている。これによって、例えば目的に応じて閉断面を拡大させることも可能になるため、板厚の増大に頼ることなく剛性を高めることができる。また、上記構成では、サイドシルインナおよびサイドシルアウタに前端面を設けない分、単に補強部材の追加のみを行う場合と比べて、重量の増加を抑えることができる。これらによって、当該サイドシル構造であれば、部品点数の増加や板厚の増大を抑えたまま、NVH性能および衝突性能を向上させることができる。
上記第1縦壁部および第2縦壁部は、車両前方を向くよう設けられるとよい。これら第1縦壁部および第2縦壁部は、サイドシルインナおよびサイドシルアウタの前端面の役割をし、車両前方からの荷重がかかりやすい部位である。これら第1縦壁面および第2縦壁面が車両前方を向いて広がっていることで、車両前方からの荷重を効率よく受けて車両後方へと伝達させ、車体全体を利用して荷重を吸収することが可能になる。
上記のエクステンション部材はさらに、第1縦壁部から車両後方へ屈曲してサイドシルインナに接続される第1接続部を有し、カバー部材はさらに、第2縦壁部から車両後方へ屈曲してサイドシルアウタに接続される第2接続部を有し、第1接続部は、第2接続部よりも車両後方にまで延びていてもよい。
上記エクステンション部材は、第1接続部がカバー部材の第2接続部よりも車両後方に延びてサイドシルインナに接続されているため、カバー部材よりも接続強度が高く設定されている。サイドシルインナはフロアパネルに沿って組み付けられるため、このサイドシルインナに接合されたエクステンション部材もまたフロアパネルに隣接した位置に配置される。この構成であると、走行中等において車両前方から加えられた荷重を、高い接続強度のエクステンション部材を介してフロアパネルへと伝えて吸収することが可能になる。
当該サイドシル構造はさらに、車両のエンジンルームと車室とを隔て、車両のフロントタイヤを囲うホイールハウス部を有するダッシュパネルを備え、エクステンション部材は、ホイールハウス部と接続されてもよい。この構成によって、エクステンション部材の剛性がさらに高められ、エクステンション部材に加えられた荷重をより好適に吸収することが可能になる。
当該サイドシル構造はさらに、サイドシルインナの第1開口部の上縁から下方へ向かって延びエクステンション部材の第1縦壁部に接合される第1前端フランジを備えてもよい。この構成によって、エクステンション部材をサイドシルインナに好適に接合させることができる。
上記の第1前端フランジは、車両のフロントタイヤの中心の車両後方に設けられていて、当該サイドシル構造はさらに第1前端フランジに車両前方から重なるダッシュサイド部材を備えてもよい。第1前端フランジの箇所では、車両前方から順にダッシュサイド部材、サイドシルインナの第1前端フランジ、およびエクステンション部材の3つの部材が重なることになる。この3つの部材が重なった箇所は剛性が高く、この箇所がフロントタイヤの中心の車両後方に位置していることで、走行中等にフロントタイヤに生じ車両後方に加わり得る荷重を好適に吸収することができる。
当該サイドシル構造はさらに、サイドシルアウタの第2開口部の上縁から下方へ向かって延びカバー部材の第2縦壁部に接合される第2前端フランジを備えてもよい。この構成によって、カバー部材をサイドシルアウタに好適に接合させることができる。
第2前端フランジは、車両のフロントタイヤの中心の車両後方に設けられていて、当該サイドシル構造はさらに、フロントピラーの一部であって第2前端フランジに車両前方から重なるフロントピラー部材を備えてもよい。第2前端フランジの箇所では、車両前方から順にフロントピラー部材、サイドシルアウタの第2前端フランジ、およびカバー部材の3つの部材が重なることになる。この3つの部材が重なった箇所は剛性が高く、この箇所がフロントタイヤの中心の車両後方に位置していることで、走行中等にフロントタイヤに生じ車両後方に加わり得る荷重を好適に吸収することができる。
本発明によれば、部品点数や板厚の増大を抑えつつ、NVH性能および衝突性能を向上可能なサイドシル構造を提供することが可能になる。
本発明の実施形態に係るサイドシル構造を示す図である。 図1(b)のサイドシル構造を車内側上方から示した斜視図である。 図2(b)のサイドシル構造の主要な部位を単独で示した図である。 図3(b)のサイドシルインナを示した図である。 図4(b)のエクステンション部材を各方向から示した図である。 図3(b)のサイドシルアウタを示した図である。 図3(a)の主要部を車両前方から見た斜視図である。 図7の主要部の各断面図である。 図7の主要部に他の部材を組み付けた部材である。 図9(b)の各断面図である。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。かかる実施形態に示す寸法、材料、その他具体的な数値などは、発明の理解を容易とするための例示に過ぎず、特に断る場合を除き、本発明を限定するものではない。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能、構成を有する要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略し、また本発明に直接関係のない要素は図示を省略する。
図1は、本発明の実施形態に係るサイドシル構造100を示す図である。図1(a)は、サイドシル構造100を実施した車両102の概要を示している。サイドシル構造100は、主にサイドドア開口部104の敷居の役割をする部位であって、フロントピラー106の下方から車両後方に延びるよう設置されている。
図1(b)は、図1(a)のサイドシル構造100の拡大図である。サイドシル構造100は、車体の骨格を担う部位であり、荷重を受けやすい。例えば、サイドシル構造100には、走行中にフロントピラー106を通じて車体上部からの荷重が加わる。また、サイドシル構造100には、その車両前方にフロントタイヤ112(図10(a)参照)が配置されるため、フロントタイヤ112を囲うホイールハウス部108が併設されている。ホイールハウス部108は、エンジンルームと車室とを隔てるダッシュパネル110を含めて形成されている。ホイールハウス部108が形成されていることで、サイドシル構造100にはフロントタイヤ112から生じる荷重も加わる。サイドシル構造100は、これら荷重に好適に耐え得る性能が要求される。
図1(b)にわずかながら示されているように、サイドシル構造100の車両前側の部位には、カバー部材150(カバーサイドシルアウタ)が設置されている。本実施形態では、このカバー部材150等を利用して、部品点数を抑えた構成で、板厚の増大に頼らずに剛性の向上を図り、NVH性能および衝突性能を向上させている。
図2は、図1(b)のサイドシル構造100を車内側上方から示した斜視図である。図2(a)に示すように、サイドシル構造100は、フロアパネル114に沿って設けられていて、ダッシュパネル110のホイールハウス部108や、フロントピラー106の根本における車内側の部位を構成しているダッシュサイド部材116など、複数の部材を含んで構成されている。
図2(b)は、図2(a)のホイールハウス部108およびダッシュサイド部材116を省略した図である。サイドシル構造100には、フロントピラー106の車外側の一部部を構成するフロントピラー部材118も含まれている。サイドシル構造100は、フロントピラー部材118等から成るフロントピラー106の根本から、サイドドア開口部104およびフロアパネル114に沿って車両後方へ延びている。サイドシル構造100が車両102の衝突性能を向上させるためには、車体前方からの衝撃荷重に対してのサイドドア開口部104の変形も抑える必要がある。
図3は、図2(b)のサイドシル構造100の主要な部位(主要部120)を単独で示した図である。図3(a)に示すサイドシル構造100の主要部120は、車内側のサイドシルインナ122、およびサイドシルインナ122に沿ってその車外側に接合されたサイドシルアウタ124で構成された、車両前後方向に延びる柱状の構造を成している。
図3(b)は、図3(a)の主要部120の分解図である。サイドシルインナ122は車幅方向内側(以下、「車内側」と称する。)に凸の、断面ハット形状になっている。サイドシルアウタ124は、車幅方向外側(以下、「車外側」と称する。)に凸の、断面ハット形状になっている。サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124は、それぞれ上下に設けられた上側フランジ126、128および下側フランジ130、132等を利用して、スポット溶接や所定の締結具等を利用して、互いに閉断面を形成するよう接合される。
図4は、図3(b)のサイドシルインナ122を示した図である。図4(a)では、図3(b)のサイドシルインナ122を、車外側から見て示している。サイドシルインナ122の車両前側の前端部分134には、エクステンション部材136(サイドシルフロントエクステンション)が設置されている。エクステンション部材136は、サイドシルインナ122の前端面として機能する。
図4(b)は、図4(a)のサイドシルインナ122およびエクステンション部材136を分離させた図である。図4(b)に示すように、サイドシルインナ122は、車両前側の前端面を有しておらず、第1開口部138が形成されている。エクステンション部材136は、この第1開口部138を埋め合わせるように、サイドシルインナ122の内側に設置される。
図5は、図4(b)のエクステンション部材136を各方向から示した図である。図5(a)は、エクステンション部材136を車内側上方から見た斜視図である。エクステンション部材136は、車両前側の第1縦壁部140、車内側の側面部142、下方の第1接続部144のおおよそ3面を有した形状となっている。エクステンション部材136は、上部には平面領域が設けられていない。これによって、エクステンション部材136は全体の形状が簡潔になり、プレス成型時の成型の容易さが確保されている。また、第1縦壁面140から第1接続部144にかけての車外側に第1フランジ部146が設けられている。第1フランジ部146は、サイドシルインナ122の下側フランジ130、および後述するカバー部材150の第2フランジ部162と、スポット溶接や締結具等によって接合される。
図5(b)は、図4(b)のエクステンション部材136を車内側から見た図である。第1接続部144は、エクステンション部材136の下面にあたる部位であり、車両前方の第1縦壁部140の下部から車両後方へ屈曲または湾曲して、車両後方へ延びてサイドシルインナ122(図4(a)参照)に接続される。
図5(c)は、図5(b)のエクステンション部材136のA−A断面図である。このA−A断面は、ほぼ水平に広がる断面である。エクステンション部材136の第1縦壁部140は、車両前方を向くよう設けられている。エクステンション部材136は、車両前後方向(図5(c)左右方向)へのプレス成型によって製造される。車両前後方向のプレス方向であれば、車両前方を向いた第1縦壁部140に対して金型が対向するため、成型が容易になる。そのため、第1縦壁部140は、さらに車幅方向に広げるなど、形状の変更も容易になっている。
図6は、図3(b)のサイドシルアウタ124を示した図である。図6(a)は、図3(b)のサイドシルアウタ124およびカバー部材150を分離させた図である。サイドシルアウタ124は、車両前側の前端面を有しておらず、第2開口部152が形成されている。カバー部材150は、第2開口部152を埋め合わせるようにサイドシルアウタ124の前端部分154に外側から設置され、前端面として機能する。
図6(b)は、カバー部材150を車内側上方から見た斜視図である。カバー部材150は、車両前側の第2縦壁部156、車外側の側面部158、下方の第2接続部160のおおよそ3面を有した形状となっている。カバー部材150の上部には、平面領域は設けられていない。これによって、カバー部材150の全体の形状が簡潔になり、プレス成型時の成型の容易さが確保されている。また、第2縦壁面156から第2接続部160にかけての車内側に第2フランジ部162が設けられている。第2フランジ部162は、サイドシルアウタ124の下側フランジ132、およびエクステンション部材136の第1フランジ部146と、スポット溶接や締結具等によって接合される。
第2接続部160は、カバー部材150の下面にあたる部位であり、車両前方の第1縦壁部140の下部から車両後方へ屈曲または湾曲して、車両後方へ延びてサイドシルアウタ124(図6(a)参照)に接続される。
図6(c)は、図6(b)のエクステンション部材136のB−B断面図である。このB−B断面は、ほぼ水平に広がる断面である。カバー部材150の第2縦壁部156は、車両前方を向くよう設けられている。カバー部材150は、車両前後方向(図6(c)左右方向)へのプレス成型によって製造される。車両前後方向のプレス方向であれば、車両前方を向いた第2縦壁部156に対して金型が対向するため、成型が容易になる。そのため、第2縦壁部156は、さらに車幅方向に広げるなど、形状の変更も容易になっている。
図7は、図3(a)の主要部120を車両前方から見た斜視図である。エクステンション部材136は、おもに第1縦壁部140によって、第1開口部138を塞いでいる。サイドシルインナ122の第1開口部138の上縁164には、第1前端フランジ166が設けられている。第1前端フランジ166は、上縁164から下方へ向かって延び、エクステンション部材136の第1縦壁部140の車両前側に重なり、スポット溶接等によって接合される。この第1前端フランジ166によっても、エクステンション部材136のサイドシルインナ122への接続強度が高められている。
カバー部材150も、おもに第2縦壁部156によって、第2開口部152を塞いでいる。サイドシルアウタ124の第2開口部152の上縁168には、第2前端フランジ170が設けられている。第2前端フランジ170は、上縁から下方へ向かって延び、カバー部材の第2縦壁部の車両前側に重なり、スポット溶接等に168よって接合される。この第2前端フランジ170によっても、カバー部材150のサイドシルアウタ124への接続強度が高められている。
前述したように、本実施形態では、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124は、車両前側の前端面を有していない。例えばこれらサイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124を車幅方向にプレス成型する場合、仮に前端面が存在していると、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124の前端部分は側面、上面、下面、および前端面の計4面を有する多面的な部位として成型しなくてはならない。このような多面的な部位は、プレス方向の都合上、成型可能な形状が制限されやすい。そこで、上記構成では、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124それぞれの前端面をあえて設けない構造とし、これらの前端面の役割を別部材であるエクステンション部材136およびカバー部材150によって補うことで、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124の成型の容易さを確保している。
図8は、図7の主要部120の各断面図である。図8(a)は、図7のC−C断面図である。サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124は、それぞれ前端面を設けないことによって、成形性が向上している。そのため、例えば車幅方向の太さ、すなわち閉断面172の形状を変更するなど、仕様変更を容易に行うことが可能になっている。これによって、例えば目的に応じて閉断面172を拡大させることも可能になるため、板厚の増大に頼ることなく剛性を高めることができる。
図8(b)は、図7のD−D断面図である。本実施形態では、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124に前端面を設けない分、単に補強部材の追加のみを行う場合と比べて、重量の増加を抑えることができる。これらによって、当該サイドシル構造100であれば、部品点数の増加や板厚の増大を抑えたまま、NVH性能および衝突性能を向上させることができる。また、部品点数の増加や板厚の増大を抑えることで、製造コストも抑えることが可能である。
ここで、仮想線で例示するエクステンション部材136の第1接続部144は、同じく仮想線で例示するカバー部材150の第2接続部160よりも距離H1ほど車両後方にまで延びて、サイドシルインナ122に接続されている。すなわち、エクステンション部材136は、カバー部材150よりも接続強度が高く設定されている。
図9は、図7の主要部120に他の部材を組み付けた部材である。図9(a)は、図7の主要部120にフロアパネル114およびダッシュパネル110を組み付けた図である。サイドシルインナ122は、フロアパネル114に沿って組み付けられる。そのため、サイドシルインナ122に接合されたエクステンション部材136もまたフロアパネル114に隣接した位置に配置される。エクステンション部材136がカバー部材150よりも接続強度を高く設定されているのは、走行中等において車両前方から加えられた荷重を、高い接続強度のエクステンション部材136を介してフロアパネル114へと伝えて吸収するためである。これによって、NVH性能および衝突性能をさらに向上させることが可能である。
本実施形態では、エクステンション部材136には、ダッシュパネル110のホイールハウス部108が接続される。この構成によって、エクステンション部材136の接合剛性がさらに高められ、エクステンション部材136に加えられた荷重をより好適に吸収することが可能になる。
エクステンション部材136の第1縦壁部140およびカバー部材150の第2縦壁部156は、車両前方を向いて広がっている。これら第1縦壁部140および第2縦壁部156は、サイドシルインナ122およびサイドシルアウタ124の前端面の役割をし、車両前方からの荷重がかかりやすい部位である。これら第1縦壁部140および第2縦壁部156が車両前方を向いて広がっていることで、車両前方からの荷重を効率よく受けて車両後方へと伝達させ、車体全体を利用して荷重を吸収することが可能になる。なお、図8(b)等に示した第1縦壁部140および第2縦壁部156は、車幅方向に対してやや傾斜して成型されているが、厳密に車幅方向に延びるよう設けることも可能である。
図9(b)は、図9(a)の主要部120にさらにフロントピラー部材118およびダッシュサイド部材116を組み付けた図である。図9(b)には、ダッシュパネル110のホイールハウス部108も図9(a)よりも広範囲にわたって示している。車両102に前突等が発生すると、車体前方からの衝撃荷重が伝わり、車体前部が圧潰変形してフロントタイヤ(図10(a)参照)が車両後方に移動することがある。その場合、本実施形態では、図9(a)に示した車両前方を向いたエクステンション部材136の第1縦壁部140およびカバー部材150の第2縦壁部156が荷重を受けて効率よく車両後方へと受け流すため、主要部120の閉断面172(図8(a)参照)が車体前後方向で変化しにくく局所的な変形も抑えられている。そして、荷重や衝撃エネルギーを後方へ受け流して車体全体で吸収することで、板厚の増大および部品点数の増加を行わずとも、目的とするNVH性能および衝突性能を発揮することが可能となっている。
図10は、図9(b)の各断面図である。図10(a)は、図9(b)のE−E断面図である。図10(a)に示すように、サイドシルインナ122の第1前端フランジ166は、車両のフロントタイヤ112の中心P1の車両後方(矢印174)に設けられている。第1前端フランジ166の箇所では、車両前方から順にダッシュサイド部材116、サイドシルインナ122の第1前端フランジ166、およびエクステンション部材136の3つの部材が重なることになる。この3つの部材が重なった箇所は剛性が高く、この箇所がフロントタイヤ112の中心の車両後方に位置していることで、走行中等にフロントタイヤ112に生じ車両後方に加わり得る荷重を、好適に吸収することが可能になっている。
図10(b)は、図9(b)のF−F断面図である。図10(b)に示すように第2前端フランジ170もまた、車両のフロントタイヤ112の中心P1の車両後方に設けられている。第2前端フランジ170の箇所では、車両前方から順にフロントピラー部材118、サイドシルアウタ124の第2前端フランジ170、およびカバー部材150の3つの部材が重なることになる。この3つの部材が重なった箇所は剛性が高く、この箇所がフロントタイヤ112の中心P1の車両後方に位置していることで、走行中等にフロントタイヤ112に生じ車両後方に加わり得る荷重を、好適に吸収することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
本発明は、車両のフロントピラーの下方から車両後方に延びているサイドシル構造に利用することができる。
P1…中心、100…サイドシル構造、102…車両、104…サイドドア開口部、106…フロントピラー、108…ホイールハウス部、110…ダッシュパネル、112…フロントタイヤ、114…フロアパネル、116…ダッシュサイド部材、118…フロントピラー部材、120…主要部、122…サイドシルインナ、124…サイドシルアウタ、126…サイドシルインナの上側フランジ、128…サイドシルアウタの上側フランジ、130…サイドシルインナの下側フランジ、132…サイドシルアウタの下側フランジ、134…サイドシルインナの前端部分、136…エクステンション部材、138…第1開口部、140…第1縦壁部、142…エクステンション部材の側面部、144…第1接続部、146…第1フランジ部、150…カバー部材、152…第2開口部、154…サイドシルアウタの前端部分、156…第2縦壁部、158…カバー部材の側面部、160…第2接続部、162…第2フランジ部、164…第1開口部の上縁、166…第1前端フランジ、168…第2開口部の上縁、170…第2前端フランジ、172…主要部の閉断面、174…フロントタイヤの中心の車両後方を示す矢印

Claims (5)

  1. 車両のフロントピラーの下方から車両後方に延びているサイドシル構造において、
    車両のフロアパネルに沿って組み付けられ車両前側の前端面を有せず第1開口部が形成されているサイドシルインナと、
    前記サイドシルインナに沿ってその車外側に接合され該サイドシルインナとの間に閉断面を形成し車両前側の前端面を有せず第2開口部が形成されているサイドシルアウタと、
    前記サイドシルインナの前記第1開口部を塞ぐ第1縦壁部を有するエクステンション部材と、
    前記サイドシルアウタの前記第2開口部を塞ぐ第2縦壁部を有し前記エクステンション部材に車外側から接続されるカバー部材と
    前記サイドシルインナの前記第1開口部の上縁から下方へ向かって延び前記エクステンション部材の前記第1縦壁部に接合される第1前端フランジとを備え
    前記第1前端フランジは、前記車両のフロントタイヤの中心の車両後方に設けられていて、
    当該サイドシル構造はさらに、前記第1前端フランジに車両前方から重なるダッシュサイド部材を備えることを特徴とするサイドシル構造。
  2. 車両のフロントピラーの下方から車両後方に延びているサイドシル構造において、
    車両のフロアパネルに沿って組み付けられ車両前側の前端面を有せず第1開口部が形成されているサイドシルインナと、
    前記サイドシルインナに沿ってその車外側に接合され該サイドシルインナとの間に閉断面を形成し車両前側の前端面を有せず第2開口部が形成されているサイドシルアウタと、
    前記サイドシルインナの前記第1開口部を塞ぐ第1縦壁部を有するエクステンション部材と、
    前記サイドシルアウタの前記第2開口部を塞ぐ第2縦壁部を有し前記エクステンション部材に車外側から接続されるカバー部材と、
    前記サイドシルアウタの前記第2開口部の上縁から下方へ向かって延び前記カバー部材の前記第2縦壁部に接合される第2前端フランジとを備え、
    前記第2前端フランジは、前記車両のフロントタイヤの中心の車両後方に設けられていて、
    当該サイドシル構造はさらに、前記フロントピラーの一部であって第2前端フランジに車両前方から重なるフロントピラー部材を備えることを特徴とするサイドシル構造。
  3. 前記第1縦壁部および前記第2縦壁部は、車両前方を向くよう設けられることを特徴とする請求項1または2に記載のサイドシル構造。
  4. 前記エクステンション部材はさらに、前記第1縦壁部から車両後方へ屈曲して前記サイドシルインナに接続される第1接続部を有し、
    前記カバー部材はさらに、前記第2縦壁部から車両後方へ屈曲して前記サイドシルアウタに接続される第2接続部を有し、
    前記第1接続部は、前記第2接続部よりも車両後方にまで延びていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のサイドシル構造。
  5. 当該サイドシル構造はさらに、前記車両のエンジンルームと車室とを隔て、該車両のフロントタイヤを囲うホイールハウス部を有するダッシュパネルを備え、
    前記エクステンション部材は、前記ホイールハウス部と接続されることを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載のサイドシル構造。
JP2014231818A 2014-11-14 2014-11-14 サイドシル構造 Active JP6476778B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014231818A JP6476778B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 サイドシル構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014231818A JP6476778B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 サイドシル構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016094115A JP2016094115A (ja) 2016-05-26
JP6476778B2 true JP6476778B2 (ja) 2019-03-06

Family

ID=56071064

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014231818A Active JP6476778B2 (ja) 2014-11-14 2014-11-14 サイドシル構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6476778B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7043972B2 (ja) * 2018-05-23 2022-03-30 マツダ株式会社 車両の車体構造
JP7504544B2 (ja) 2020-12-11 2024-06-24 ダイハツ工業株式会社 車両用フレーム部材

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6288682U (ja) * 1985-11-25 1987-06-06
JP3607974B2 (ja) * 1999-01-13 2005-01-05 トヨタ自動車株式会社 自動車の車体の下部構造

Also Published As

Publication number Publication date
JP2016094115A (ja) 2016-05-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5915622B2 (ja) サスペンションタワー及び車両前部構造
JP6128334B2 (ja) 車両の後部車体構造
US9180916B2 (en) Vehicle body lower section structure
JP6015619B2 (ja) 車体フレーム及び車両床下構造
JP6372494B2 (ja) 車両の前部車体構造
JP6052408B2 (ja) 車体の前部構造
US9963170B2 (en) Vehicle front structure
JP2007302127A (ja) 自動車の前部車体構造
JP5546926B2 (ja) 自動車の後部車体構造
JP5639936B2 (ja) 車体側部構造
JP6181099B2 (ja) 車体の後部構造
US20200180703A1 (en) Vehicle Body Structure
CN105522896A (zh) 用于车辆的车门结构
JP6476778B2 (ja) サイドシル構造
JP2012171611A (ja) 自動車のロッカ構造
WO2012095991A1 (ja) 車体下部構造
JP5803685B2 (ja) 車体構造
JP2019073097A (ja) 車両側部構造
JP2012126166A (ja) 自動車用車体骨格における補強構造
JP2012091640A (ja) 自動車の後部車体構造
JP6237669B2 (ja) 車両の上部車体構造
JP2015093507A (ja) 車両下部構造
JP2020183220A (ja) 車両のフロントボディ
CN111776077A (zh) 用于车辆的前柱结构
JP5411245B2 (ja) 車体側部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170619

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20180322

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180508

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180709

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20180717

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20190108

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20190121

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6476778

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151