JP6583160B2 - シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム - Google Patents

シリコーンゴム組成物及びシリコーンゴム Download PDF

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Description

本発明は、優れた透明性と優れた紫外線吸収性を有する硬化物を与えるシリコーンゴム組成物及び該組成物の硬化物(シリコーンゴム)に関する。
シリコーンゴムは、優れた耐候性、電気特性、低圧縮永久歪性、耐熱性、耐寒性等の特性を有しているため、電気機器、自動車、建築、医療、食品をはじめとして様々な分野で広く使用されている。例えば、リモートコントローラ、タイプライター、ワードプロセッサ、コンピュータ端末、楽器等のゴム接点として使用されるキーパッド;建築用ガスケット;オーディオ装置等の防振ゴム;コネクターシール、スパークプラグブーツなどの自動車部品、コンピュータに使用されるコンパクトディスク用パッキン、パンやケーキの型などの用途が挙げられる。現在、シリコーンゴムの需要は益々高まっており、優れた特性を有するシリコーンゴムの開発が望まれている。
特開2002−302606号公報(特許文献1)、特開2000−212541号公報(特許文献2)では、建築用シーリング材として、紫外線吸収剤を添加した室温硬化性シリコーンゴム組成物に関する記載がある。しかし、これらのシリコーンゴム組成物は縮合硬化性であり、接着耐久性を付与するために、光安定剤及び紫外線吸収剤を添加しており、透明性に関する記載はない。
特開2015−40223号公報(特許文献3)にも紫外線吸収性シリコーンコーティング組成物の記載があるが、コーティング剤であるため、成形物にコーティングして紫外線吸収特性を出す必要がある。また、紫外線吸収剤としてベンゾトリアゾール基含有シランを使用しているため、耐候性が劣る。
特開2006−335855号公報(特許文献4)では、紫外線吸収性基含有オルガノポリシロキサンのコーティング剤の記載があるが、基材に塗布する必要がある。また、耐候性が劣る。
特開2009−215521号公報(特許文献5)も、トリアジン系の紫外線吸収剤を含有する記載があるが、室温硬化性のコーティング剤である。
一方、酸化チタンの粒子を含有する分散液は、紫外線遮蔽性能を付与するための添加剤として有効であることが広く知られており、例えば、塗料・化粧料やハードコート剤などの分野で利用されている。特開2003−327430号公報(特許文献6)や特開2003−327431号公報(特許文献7)には、ルチル型二酸化チタン粒子を使用しているが、塗料用途であり、熱硬化性シリコーンゴム組成物に添加すると、透明性が悪化してしまう。
特開2002−302606号公報 特開2000−212541号公報 特開2015−40223号公報 特開2006−335855号公報 特開2009−215521号公報 特開2003−327430号公報 特開2003−327431号公報
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、透明性に優れ、且つ紫外線吸収性能に優れたシリコーンゴム(硬化物)となるシリコーンゴム組成物及びシリコーンゴムを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するため鋭意検討を行った結果、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンと補強性シリカとを含むシリコーンゴム組成物に対し、無機微粒子からなる核(コア)の外側に酸化ケイ素の殻(シェル)を有するコアシェル構造の無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合溶液を配合することにより、このシリコーンゴム組成物の硬化物が、透明性に優れ、且つ紫外線吸収性能に優れることを知見し、本発明をなすに至ったものである。
従って、本発明は、下記のシリコーンゴム組成物及び該組成物を硬化してなるシリコーンゴム硬化物並びにその製造方法を提供する。
〕 (A)下記平均組成式(1)
nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12の1価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
100質量部、
(B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜100質量部、
(C)動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積分布径が1〜200nmである無機微粒子からなる核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル構造を有する無機粒子の有機溶媒ゾルと、重合度が1〜20であるシラノール基含有シロキサンとの混合溶液 0.01〜50質量部、
(D)硬化剤 0.01〜10質量部
を含有してなるシリコーンゴム組成物であって、該シリコーンゴム組成物を200℃、4時間でポストキュアした後の2mm厚のシリコーンゴム硬化物の光透過率が、波長700nmで70%以上であることを特徴とするシリコーンゴム組成物。
〔2〕 (C)成分のコアシェル構造を有する無機粒子の表面が、下記一般式(3)
19Si(Y)3 (3)
(式中において、R19は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基と、炭素数2以上20以下のアルケニル基と、炭素数6以上20以下のアリール基と、ケイ素数50以下の(ポリ)ジメチルシロキシ基とからなる群から選ばれる置換基又は水素原子であり、Yはアルコキシ基、アセトキシ基、エノール基、塩素原子からなる群から選ばれる置換基である。)
で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物により表面修飾してなる〔1〕記載のシリコーンゴム組成物。
〔3〕 (C)成分の混合溶液において、コアシェル構造を有する無機粒子の含有量が1〜30質量%である〔1〕又は〔2〕記載のシリコーンゴム組成物。
〔4〕 (C)成分の有機溶媒ゾル中におけるコアシェル構造を有する無機粒子の含有量が1〜50質量%である〔1〕、〔2〕又は〔3〕記載のシリコーンゴム組成物。
〔5〕 前記コアシェル構造を有する無機粒子が、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄からなる群より選ばれる1種以上を含む核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル粒子である〔1〕〜〔4〕のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
〔6〕 硬化剤(D)が有機過酸化物である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
〔7〕 硬化剤(D)が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合せからなる付加反応硬化型である〔1〕〜〔5〕のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
〔8〕 〔1〕〜〔7〕のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーンゴム。
本発明のシリコーンゴム組成物は、透明性及び紫外線吸収性能に優れたシリコーンゴム(硬化物)を与えることができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のシリコーンゴム組成物としては、ベースポリマーとして1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(A)に、硬化剤(D)として付加反応硬化剤(D−1)及び/又は有機過酸化物硬化剤(D−2)を用いたものであることが特徴である。形状はミラブルタイプでも液状タイプでもよい。液状シリコーンゴム組成物は室温(通常、25℃±10℃)において自己流動性を有するのに対して、ミラブル型シリコーンゴム組成物とは、粘度が高く、室温において自己流動性がない非液状(固体状又は高粘稠なペースト状)であって、ロールミル等の混練手段によって高せん断応力下に均一に混合できる生ゴム状の組成物を意味するものである。
−(A)成分−
本発明において、(A)成分は、下記平均組成式(1)で表されるオルガノポリシロキサンである。
nSiO(4-n)/2 (1)
(式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12の1価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
上記平均組成式(1)中、Rは、同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12の1価炭化水素基であり、特に炭素数1〜8のものが好ましい。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等のアルキル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、ビニル基、アリル基、プロペニル基等のアルケニル基、シクロアルケニル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基等のアラルキル基等が挙げられる。また、これらの基の水素原子の一部又は全部をフッ素、塩素等のハロゲン原子もしくはシアノ基などで置換してもよい。中でも、メチル基、ビニル基、フェニル基、トリフルオロプロピル基が好ましく、特にメチル基、ビニル基が好ましい。
特に、(A)成分としてのオルガノポリシロキサンは、1分子中に2個以上、通常、2〜50個、特に2〜20個程度のアルケニル基、シクロアルケニル基等の脂肪族不飽和基を有するものが好ましく、とりわけビニル基を有するものが好ましい。この場合、全R中0.01〜20モル%、特に0.02〜10モル%が脂肪族不飽和基であることが好ましい。なお、この脂肪族不飽和基は、分子鎖末端でケイ素原子に結合していても、分子鎖の途中(分子鎖非末端)のケイ素原子に結合していても、その両方であってもよいが、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
また、全R中80モル%以上、好ましくは90モル%以上、より好ましくは95モル%以上、更に好ましくは脂肪族不飽和基を除く全てのRがアルキル基、特にはメチル基であることが望ましい。
nは1.95〜2.05、好ましくは1.98〜2.02、より好ましくは1.99〜2.01の正数である。
(A)成分であるオルガノポリシロキサンの分子構造は、直鎖状、又は一部分岐構造を有する直鎖状であることが好ましい。具体的には、該オルガノポリシロキサンの主鎖を構成するジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2、Rは上記と同じ、以下同様)の繰り返し構造が、ジメチルシロキサン単位のみの繰り返しからなるもの、又はこの主鎖を構成するジメチルシロキサン単位の繰り返しからなるジメチルポリシロキサン構造の一部として、フェニル基、ビニル基、3,3,3−トリフルオロプロピル基等を置換基として有するジフェニルシロキサン単位、メチルフェニルシロキサン単位、メチルビニルシロキサン単位、メチル−3,3,3−トリフルオロプロピルシロキサン単位等のジオルガノシロキサン単位を導入したもの等が好適である。
また、分子鎖両末端は、例えば、トリメチルシロキシ基、ジメチルフェニルシロキシ基、ビニルジメチルシロキシ基、ジビニルメチルシロキシ基、トリビニルシロキシ基等のトリオルガノシロキシ基(R3SiO1/2)やヒドロキシジメチルシロキシ基等のヒドロキシジオルガノシロキシ基(R2(HO)SiO1/2)などで封鎖されていることが好ましい。
(A)成分のオルガノポリシロキサンは、上述したように、分子鎖両末端がトリオルガノシロキシ基(R3SiO1/2)又はヒドロキシジオルガノシロキシ基(R2(HO)SiO1/2)で封鎖され、主鎖がジオルガノシロキサン単位(R2SiO2/2)の繰り返しからなる直鎖状のものを好ましく挙げることができる。特に好ましいものとしては、分子中の置換基(即ち、ケイ素原子に結合する非置換又は置換の1価炭化水素基)の種類として、メチルビニルポリシロキサン、メチルフェニルビニルポリシロキサン、メチルトリフルオロプロピルビニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサン等を挙げることができる。
このようなオルガノポリシロキサンは、例えば、オルガノハロゲノシランの1種又は2種以上を(共)加水分解縮合することにより、或いは環状ポリシロキサン(シロキサンの3量体、4量体等)をアルカリ性又は酸性の触媒を用いて開環重合することによって得ることができる。
なお、上記オルガノポリシロキサンの重合度は100以上(通常、100〜100,000)、好ましくは150〜100,000であることが好ましい。なお、この重合度は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度として測定することができる。
(A)成分は、1種を単独で用いても、分子量(重合度)や分子構造の異なる2種又は3種以上の混合物であってもよい。
−(B)成分−
(B)成分の補強性シリカは、機械的強度の優れたシリコーンゴム組成物を得るために添加される充填材であり、この目的のためにはBET吸着法による比表面積が50m2/g以上であることが必要であり、好ましくは100〜450m2/g、より好ましくは100〜300m2/gである。比表面積が50m2/g未満であると、硬化物の機械的強度が低くなってしまう。
このような補強性シリカとしては、例えば、煙霧質シリカ(ヒュームドシリカ)、沈降シリカ(湿式シリカ)等が挙げられ、また、これらの表面をメチルクロロシラン等のオルガノシラン化合物やヘキサメチルジシラザン等のシラザン化合物などで疎水化処理したものも好適に用いられる。この中でも動的疲労特性に優れる煙霧質シリカが好ましい。
(B)成分は1種単独でも2種以上を併用してもよい。
(B)成分の補強性シリカの配合量は、(A)成分のオルガノポリシロキサン100質量部に対して5〜100質量部であり、10〜100質量部が好ましく、20〜60質量部であることがより好ましい。(B)成分の配合量が少なすぎる場合には補強効果が得られず、多すぎる場合には加工性が悪くなり、また機械的強度が低下してしまい、動的疲労耐久性も悪化してしまう。
なお、本発明においては、必要に応じて、(B)補強性シリカの分散剤(ウェッター)を任意成分として配合することができる。このウェッターとしては、例えば、ジフェニルシランジオール等のシラノール基(即ち、ケイ素原子結合水酸基)含有シラン化合物や、分子鎖両末端シラノール基封鎖の直鎖状ジメチルシロキサンオリゴマー(例えば、重合度又は分子中のケイ素原子数が2〜30個、特には3〜20個程度の低重合ポリマー)等のシラノール基含有オルガノシロキサンオリゴマーなどから選ばれる1種又は2種以上が用いられる。
ウェッターの配合量としては、ベースポリマー((A)成分)100質量部に対し、0〜25質量部とすることが好ましく、より好ましくは3〜20質量部の範囲の配合量とすることができる。
−(C)成分−
(C)成分は、動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積粒子径が1〜200nmである無機微粒子からなる核(コア)の外側に酸化ケイ素の殻(シェル)を有するコアシェル構造を有する無機粒子(以下、「コアシェル無機粒子」と言う場合もある)の有機溶媒ゾルと、重合度が1〜20であるシラノール基含有シロキサンとの混合溶液である。
この場合、有機溶媒ゾル中のコアシェル無機粒子の含有量は、1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは10〜40質量%である。上記含有量が1質量%より少ない場合は、添加量が増えてしまい、本発明シリコーンゴム組成物中から有機溶媒を取り除くのに時間がかかり経済的でない。逆に、上記含有量が50質量%より多いと、コアシェル無機粒子の分散が困難とある。
<コアシェル無機粒子>
(C)成分におけるコアシェル無機粒子は、核を構成する無機微粒子を構成する元素として、好ましくは13族元素、14族元素(炭素を除く)、第1遷移元素、第2遷移元素、第3遷移元素、ランタノイド等が挙げられる。13族元素では、特にアルミニウム、ホウ素、インジウム等から誘導される酸化物が好適である。14族元素(炭素を除く)では、金属ケイ素粒子や、ケイ素、スズ等から誘導される酸化物が好適である。第1遷移元素では、チタン、マンガン、亜鉛等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収材料として用いられることが多い。第2遷移元素では、銀粒子や、イットリウム、ジルコニウム等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収及び蛍光材料として用いられることが多い。第3遷移元素では、金粒子や、ハフニウム、タンタル等から誘導される酸化物が好適である。ランタノイドでは、ランタン、セリウム、プラセオジウム、ネオジウム、テルビウム、ジスプロジウム、イッテルビウム等から誘導される酸化物が好適である。これらの酸化物は、特定波長の光吸収及び蛍光材料として用いられることが多い。
(C)成分のコアシェル無機粒子において、用いられる無機微粒子としては、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸インジウムスズ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄の1種又は2種以上を含むことが好ましい。
上記の無機微粒子の粒子径は、レーザー光を用いた動的光散乱法で測定した体積基準の50%累積分布径(D50)とする。例えば、動的光散乱法としては、ナノトラックUPA−EX150(日機装(株)製)等の装置を用いることができる。本発明で用いるコアシェル無機粒子は、可視領域における透明性が重要であるため、原料無機微粒子のD50は、1〜200nmであることが必要であり、1〜100nmであることが好ましく、1〜80nmであることがより好ましく、1〜50nmであることが特に好ましい。無機微粒子の平均累計粒子径が200nmを超えると、可視領域の光波長より大きくなり、散乱が顕著となる場合がある。また、1nm未満になると、分散質の系中での総表面積が極めて大きくなることにより、凝集が起こりやすくなるなど分散液としての取扱いが困難になる場合がある。
なお、コアシェル無機粒子のD50は、好ましくは1〜200nmであり、より好ましくは1〜100nm、更に好ましくは5〜50nmである。
(C)成分のコアシェル無機粒子において、核を構成する無機微粒子としては、前記の金属酸化物の群から選ばれるものであれば、1種単独、又は2種以上を複合したものを用いることができる。ここで述べる複合とは、広義の意味であり、単純混合及び化学結合を介して複合化されたものであればよい。化学結合を介した複合とは、例えば、下記一般式(2)で表されるような形態をいう。
(M1xd(M2ye (2)
ここで、M1は、Al、B、In、Si、Ge、Sn、Ti、Mn、Zn、Y、Zr、Hf、Ta、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、Ybの元素記号で表されるいずれか1種である。M2は、Al、B、In、Si、Ge、Sn、Ti、Mn、Zn、Y、Zr、Hf、Ta、La、Ce、Pr、Nd、Tb、Dy、Ybの元素記号で表されるいずれか1種であり、M1で選択されたものと同一ではない元素である。x、yは、M1の価数をaとすればx=a/2、M2の価数をbとすればy=b/2で表すことができる。d、eは、d+e=1を満たす実数であって、かつ0<d<1及び0<e<1を満たす。即ち、構造中において、M1とM2が酸素を介して結合した単位を有している。M1とM2は、構造中において散在していてもよく、また偏在していてもよい。M1とM2が構造中において散在しているものは、複数種の金属アルコキシドの共加水分解物において見られる構造である。M1とM2が構造中において偏在しているものは、コアシェル粒子(金属酸化物粒子を核とし、この核の外側に他の金属酸化物の殻を有する粒子)において見られる構造であり、例えば、複数種の金属アルコキシドを種類に応じて段階的に加水分解することで形成される。
ここで、(C)成分のコアシェル無機粒子において、用いられる無機微粒子が、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄からなる群より選ばれる1種以上を含むことが好ましく、この場合、無機微粒子が、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄からなる群より選ばれる1種以上を含む核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル粒子であることが好ましい。
本発明において、コアシェル無機粒子としては、上述した金属元素や金属酸化物の1種単独又は2種以上を複合したものを核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル粒子である。このようなコアシェル粒子の例としては、酸化チタン−酸化スズ複合酸化物(スズを固溶した酸化チタン粒子)を核とし、この核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル粒子等が挙げられる。
なお、このように無機微粒子の核に酸化ケイ素の殻を形成する方法としては、無機微粒子の分散液(ゾル)とアルコキシシランとを用いたゾル−ゲル法によって得られる加水分解物・重縮合物を該微粒子表面に形成して核とする方法などが挙げられる。
[(α)工程]
(C)成分のコアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルの製造方法における第一の工程(α)は、動的光散乱法で測定した体積基準の50%累積粒子径(D50)が1〜200nmであるコアシェル無機粒子が極性有機溶媒に分散した分散液を準備する工程である。
本発明中において分散液とは、上述したように、特に断りのない限り、粒子が継時で沈降しない安定分散(コロイダル分散)した状態のことを指す。安定分散状態は粒子のブラウン運動速度が自重による沈降速度以上に早くなった場合に生じる。一方で、シリコーンのような粘性液体中では粒子の沈降速度が遅いために、安定分散しているか否かの判断が難しい。そのような場合には、遠心分離機を用いて遠心力を加え、粒子の沈降を促進させることで、粒子沈降の有無を判断することができる。
本発明で準備するコアシェル無機粒子は、上述した通りであるが、本発明における無機微粒子原料は、合成したものであっても、市販されている汎用品であってもよい。市販品を用いる場合の具体例としては、酸化アルミニウムIPA分散液(Sigma−Aldrich社製)、酸化亜鉛ブチルアセテート分散液(Sigma−Aldrich社製)、酸化インジウムスズIPA分散液(Sigma−Aldrich社製)、ITRANB15WT%−G180(酸化インジウムスズアルコール分散液、CIKナノテック社製)等の有機溶媒に分散された無機微粒子が挙げられる。また、タイノックM−6(酸化チタン水分散液、多木化学製)、ニードラールP10(酸化セリウム水分散液、多木化学製)、ナノユースCE−T20B(酸化セリウム水分散液、日産化学工業(株)社製)、AS−100(酸化アルミニウム水分散液、日産化学工業(株)社製)、バイラールAlML15(酸化アルミニウム水分散液、多木化学社製)、ALW10WT%−G0(酸化アルミニウム水分散液、CIKナノテック社製)、CEW10WT%−G120(酸化セリウム水分散液、CIKナノテック社製)、セメラールS8(酸化スズ水分散液、多木化学社製)、バイラールFe−C10(酸化鉄水分散液、多木化学社製)、酸化ジルコニウム水分散液(Sigma−Aldrich社製)ITRW15WT%−G30(酸化インジウムスズ水分散液、CIKナノテック社製)等の水に分散された無機微粒子において、分散媒である水を極性有機溶媒で置換して用いてもよい。また、水分散液は溶媒置換前に汎用のシランカップリング剤や分散剤を用いてコアシェル無機粒子の表面を処理したものを用いてもよい。
<原料コロイド分散液>
上記の(α)工程においては、水を分散媒とするコアシェル無機酸化物粒子のコロイド分散液を用いて行うことが好ましい。水としては、水道水、工業用水、井戸水、天然水、雨水、蒸留水、イオン交換水等の淡水を用いることができるが、特にイオン交換水であることが好ましい。イオン交換水は、純水製造器(例えば、オルガノ(株)社製、製品名「FW−10」、メルクミリポア(株)社製、製品名「Direct−QUV3」等)を用いて製造することができる。また、分散媒には、以下に述べるように水分散コロイド溶液を製造する工程で水と任意に混和可能な1価のアルコールを含んでいてもよい。水と任意に混和可能な1価のアルコールは、コアシェル粒子を製造する際の共溶媒及びゾル−ゲル反応における金属アルコキシドの加水分解副生成物としての由来で含有してもよい。
本発明で準備する原料コロイド分散液の分散質濃度は、好ましくは1質量%以上35質量%以下、より好ましくは5質量%以上30質量%以下、更に好ましくは10質量%以上25質量%以下である。分散質濃度が1質量%より低いと、製造効率がよくないことがある。分散質濃度が35質量%より高いと、pHや温度等の条件によっては、ゲル化しやすくなることがある。
(α)工程は、コアシェル無機粒子表面にシロキサン被覆層を有する場合、有機ケイ素化合物及び/又は同有機ケイ素化合物の(部分)加水分解縮合物でコアシェル無機粒子表面を修飾する工程(α−1)、及び極性有機溶媒で溶媒置換する工程(α−2)からなる。以下に詳細を説明する。
[工程(α−1)]
工程(α−1)では下記一般式(3)で表される有機ケイ素化合物及び/又は同有機ケイ素化合物の(部分)加水分解縮合物を添加してコアシェル無機粒子表面を修飾する工程である。
19Si(Y)3 (3)
(式中において、R19は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基と、炭素数2以上20以下のアルケニル基と、炭素数6以上20以下のアリール基と、ケイ素数50以下の(ポリ)ジメチルシロキシ基とからなる群から選ばれる置換基又は水素原子であり、Yはアルコキシ基、アセトキシ基、エノール基、塩素原子からなる群から選ばれる置換基である。)
この場合、アルキル基としては、好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、特にメチル基、エチル基が挙げられ、アリール基としては炭素数6〜10のもの、特にフェニル基が挙げられる。更に(ポリ)ジメチルシロキシ基のケイ素数は1〜50、特に1〜30であることが好ましい。
一般式(3)で示される有機ケイ素化合物の具体例としては、ハイドロジェントリメトキシシラン、ハイドロジェントリエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロオクチルエチルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソシアネート基同士が結合したトリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、トリス(3−トリエトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、メチルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「KC−89S」、「X−40−9220」信越化学工業(株)社製)、メチルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの部分加水分解縮合物(商品名「X−41−1056」信越化学工業(株)社製)等のアルコキシシラン類;トリアリルメチルシラン、トリアリルエチルシラン、トリアリルイソプロピルシラン等のアリルシラン類;トリアセトキシメチルシラン、トリアセトキシエチルシラン、トリアセトキシプロピルシラン、トリアセトキシフェニルシラン等のアセトキシシラン類;トリクロロメチルシラン、トリクロロエチルシラン、トリクロロプロピルシラン、トリクロロフェニルシラン等のクロロシラン類;トリイソプロぺニルオキシメチルシラン、エチルトリイソプロぺニルオキシシラン、トリイソプロぺニルオキシプロピルシラン、フェニルトリイソプロぺニルオキシシラン等のエノールシラン類などを挙げることができる。
一般式(3)で示される有機ケイ素化合物において、R19が(ポリ)ジメチルシロキサンである場合の具体例としては、下記一般式(4)で表される化合物を挙げることができる。一般式(4)中において、好ましくはrが0以上49以下の整数であり、より好ましくはrが5以上40以下の整数であり、更に好ましくはrが10以上30以下の整数である。rが49より大きくなると、シリコーンオイルとしての性質が強くなり、表面処理されたオルガノゾルの各種樹脂への溶解性が限定されることがあるため好ましくない。下記一般式(4)中において、平均構造がr=30の化合物は、商品名「X−24−9822」(信越化学工業(株)社製)として入手することができる。なお、Meはメチル基を示す。
Figure 0006583160
添加する有機ケイ素化合物の添加量は、原料コロイド水分散液の分散質重量に対して、好ましくは0.5倍以上で50倍以下であり、より好ましくは1倍以上で25倍以下であり、更に好ましくは2倍以上で10倍以下である。添加量が原料コロイド水分散液の分散質重量に対して50倍よりも多いと、ゲル化することがある。添加量が0.5倍よりも少ないと、被覆が十分行われず凝集することがある。
有機ケイ素化合物の添加方法は、液中滴下、液外滴下、ポーション添加などを実施することができ、液中滴下であることが好ましい。
工程(α−1)では、必要に応じて、表面処理を促進させるための酸或いは塩基触媒を添加することができる。具体的な塩基触媒としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウムや塩基性イオン交換樹脂等が挙げられる。酸触媒としては塩酸、硫酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、酢酸、カチオン性イオン交換樹脂などが挙げられる。また、カチオン性イオン交換樹脂の一例として、アンバーライト(オルガノ社製)、レバチット(ランクセス社製)、ピューロライト(ピューロライト社製)、ムロマック(室町ケミカル社製)等が挙げられる。触媒の使用量は、無機粒子に対して、好ましくは0.01質量%以上20質量%以下であり、より好ましくは0.1質量%以上10質量%以下であり、更に好ましくは1質量%以上5質量%以下である。添加量が20質量%よりも多いと反応が急激に進行し制御が困難となることがあるため好ましくなく、添加量が0.01質量%よりも少ないと反応が進行しないことがある。
有機ケイ素化合物添加時の液温は、好ましくは0℃以上45℃以下であり、より好ましくは5℃以上40℃以下であり、更に好ましくは10℃以上35℃以下である。液温が0℃より低くなると、コロイド水分散液が凍結による状態変化を経て変質する可能性があるため好ましくない。液温が45℃より大きくなると、添加した有機ケイ素化合物が予期せぬ加水分解縮合反応を起こすことがあるため好ましくない。加水分解縮合による結果、反応液の温度が70℃を超えない程度に達することがある。
工程(α−1)では、必要に応じて有機溶剤で前記反応液を希釈してもよく、希釈用溶剤は好ましくはメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ブタノール等の1価アルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類;プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、グリム、ジグリム等のエーテル類;アセトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類;酢酸エチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;ヘキサンジオールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の反応性エステル類を用いることができ、特に、エタノール、イソプロピルアルコールが好ましい。希釈は次工程(α−2)のソルベントショックを避けるために実施することが好ましいが、必須であるとは限らない。希釈倍率は好ましくは1〜20倍、より好ましくは2〜15倍、更に好ましくは3〜10倍である。1よりも小さいと意図したソルベントショック緩和の効果が十分でない場合がある。20よりも大きいと次工程で多くの処理時間を要する場合がある。
[工程(α−2)]
工程(α−2)は極性有機溶媒で反応液中の分散媒を置換する工程であって、限外ろ過によって分散液の分散媒を滲出せしめることによって、必要に応じて濃縮を行うことができる。分散媒には、工程(α−1)で製造した水分散液に含まれる水、添加した有機ケイ素化合物及び/又は有機ケイ素化合物の加水分解縮合物及び/又は加水分解縮合で生成した珪酸エステルに由来するアルコール類、有機溶剤類を含むことができる。このような複合系の分散液を滲出することによって、ろ過室内の分散液の分散質濃度を、好ましくは1〜30質量%、より好ましくは5〜25質量%、更に好ましくは10〜20質量%まで濃縮する。本系で滲出する分散媒は、複雑な混合物をなしているが、多孔性セラミックフィルターを好適に用いることができる。従来の手法では水中の塩類の除去には中空糸膜が好適に用いられていたが、粒子分散系では閉塞のおそれがあった。粒子の除去・濃縮・固液分離といった領域には有機系高分子性限外ろ過膜が用いられることが多いが、有機溶剤が含有するとろ過膜が膨潤して使用できなくなるおそれがあった。有機溶剤を含有する試料の固液分離・濃縮には無機セラミックフィルターが有用である。
限外ろ過では、好ましくは平均細孔径5nm以上20nm未満、より好ましくは6nm以上18nm未満、最も好ましくは7nmの無機セラミック製の膜を備えたろ板を用いることが好ましい。ろ板は回転することができる円盤状であることが好ましい。多孔性無機セラミック膜は公知の方法によって製造することができる。多孔性無機セラミック膜の材質としては、スピネル系、アルミナ系、チタニア系、ジルコニア系等をそれぞれ例示することができる。例えば、スピネル系であれば公知の手法(Ueno,SらJournal of Physics:Conference Series 2009年、165巻、1号、Fabrication of porous magnesium spinel with cylindirical pores by undirectional solidification、又はZhang,Guo−changら、2000年、2000巻、03号、MgAl2O Ultrafiltration Ceramic Membrane Derived from Mg−Al Double Alkoxide等)で合成することができる。合成条件、スピネルの結晶成長を制御することによって細孔径を制御することが好ましい。ろ板はアルミナ製等の多孔性円盤状素焼き板の上にゾル−ゲル法によって、均一な細孔径を有する表面層をエピタキシャル成長によって形成せしめることが好ましい。アルミナ製等の多孔性円盤としては細孔径が0.05μm以上1μm以下のものを基材として用いることが好ましい。表面層は、好ましくは平均細孔径5nm以上20nm未満、より好ましくは6nm以上18nm未満、最も好ましくは7nmである。円盤状ろ板の大きさは、好ましくは直径100mm以上500mm未満、より好ましくは120mm以上300mm未満、更に好ましくは140mm以上200mmである。この直径が100mm未満であると、回転した際にせん断応力がかかりにくく、また面積も確保しづらいため好ましくないことがある。逆に、上記直径が500mm以上であると、回転に要するトルクが大きくなることがある。また、上記直径が大きすぎると割れやすくなることがあり扱いにくくなる場合もある。ろ板の厚さは、好ましくは1mm以上10mm未満であり、3mm以上5mm未満であることが更に好ましい。ろ板が1mm未満であると、機械的強度を確保できないことがある。ろ板が10mm以上であると、ろ過室の容積確保の点で好ましくない場合がある。このようなフィルターは公知の手法によって製造してもよく、また市販のものを用いることもできる。
溶媒置換工程で用いるフィルターの細孔径は、電子顕微鏡法によって求めることが好ましい。このような目的に利用できる電子顕微鏡としては、走査型電子顕微鏡、透過型電子顕微鏡、原子間力顕微鏡を挙げることができる。
溶媒置換工程では、好ましくは0.5MPa未満、より好ましくは0.4MPa未満、更に好ましくは0.3MPa未満、最も好ましくは0.2MPa未満0.03MPa以上の静圧力によって分散媒を滲出せしめる。0.5MPa以上の静圧力ではろ過装置のインターフェイス選定が限定される場合がある。0.03MPa未満であると、効率的に滲出しない場合がある。静圧力は表面が大気に接触した形の水頭管又は閉鎖系であって油圧及び圧縮空気圧によって達成されることが好ましい。特に、圧縮空気圧による方式は装置をコンパクトにすることができるため好ましい。圧縮空気は、公知の手法或いは市販のコンプレッサーを利用して容易に作り出すことができる。
溶媒置換工程では、分散液に好ましくは0.1Pa以上10Pa以下、より好ましくは0.5Pa以上5Pa以下、更に好ましくは1Pa以上5Pa以下の剪断応力を前記ろ板に与える。剪断応力は分散液の流動によって達成してもよく、また、円盤状ろ板の回転によって達成してもよい。特にろ板の回転によって剪断応力を与える場合は、ろ板の表面の剪断速度が大きくなるため好ましい。剪断応力はろ室内の壁間距離と回転速度から計算することができる。また、ろ室内には必要に応じて適切なバッフル(邪魔板)を設けることができる。バッフルはろ室内の壁間距離を小さくする目的で設置することが好ましい。回転及びバッフルによって剪断応力を高めることは公知の手段である。円周上に働く最大の剪断応力(τ)は、円盤状ろ板の直径を(φ[m])、ろ板の回転速度を(ω[rps])、ろ板とろ過室の壁間距離を(L[m])、円周率を(π)、分散液の粘度を(η[Pa・s])とした場合に、一例として数式(1)のように計算することができる。
τ=(η・π・φ・ω)/L [Pa] …… 数式(1)
例えば、直径φ=0.15[m]、ろ板の回転速度ω=16.7[rps](≒1,000[rpm])、円周率π=3.14、分散液の粘度η=0.001[Pa・s]、壁間距離L=0.003[m]とした場合のτ=(0.001×3.14×0.15×16.7)/0.003≒2.6[Pa]である。剪断応力は、上記好ましい範囲になるように、φ・ω・Lのそれぞれのパラメーターを変化させることで与えることができる。
溶媒置換工程で分散液に与える回転エネルギーについては、剪断応力によって規定することが好ましいが、流体の状態で規定することもできる。流体の状態は、レイノルズ数によって規定することもできる。撹拌レイノルズ数は、好ましくは3,000以上5,000,000以下、より好ましくは5,000以上1,000,000以下、更に好ましくは10,000以上500,000以下である。3,000より小さいと、層流撹拌となり効率的な分散が困難な場合があり、5,000,000より大きいと、撹拌に要するエネルギーが不必要に大きくなることによる産業効率上の観点から好ましくないことがある。なお、上記レイノルズ数(Re)は、数式(2)から求めることができる。数式(2)においてρは密度(kg/m3)、ωは回転数(rps)、φはろ板直径(m)、ηは粘度(Pa・s)をそれぞれ表す。
Re=ρ・ω・φ2/η …… 数式(2)
本発明で扱うコアシェル無機粒子分散液は、ρが900〜2,000(kg/m3)、好ましくは1,000〜1,500(kg/m3)、ηは0.001〜0.05(Pa・s)、好ましくは0.002〜0.01(Pa・s)である。例えば、0.15(m)の円盤状ろ板を16.7(rps)でρが1,000(kg/m3)、ηが0.001(Pa・s)の酸化チタン分散液を処理した場合のReは約3.8×105である。ωとφを適宜選択することによって上記所望のReの範囲となるように調節することができる。また、撹拌には、バッフルを設置した反応器を用いることによる撹拌効率の向上方法を実施してもよい。
溶媒置換工程については、好ましくは5〜80℃、より好ましくは10〜60℃、更に好ましくは15〜50℃、最も好ましくは20〜40℃で実施する。5℃よりも低いと、分散液が凍結する場合がある。80℃よりも高いと、分散媒が揮散することによる作業環境上の問題及び/又は反応性エステル類を用いた場合の反応エネルギーとなりゲル化する場合がある。分散液の粘度は一般に温度に依存する。粘度は回転トルクに影響を与えるため、電磁回転機及び/又は発動機に負荷がかかりすぎないように温度を調整することによって実施してもよい。溶媒置換工程では連続した限外ろ過によって、必要に応じて未反応化合物や副生成物を除去することも可能である。
ここで、溶剤置換工程で用いる有機溶剤の具体例としては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、シクロペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、β−チアジグリコール、ブチレングリコール、グリセリン等の単価及び多価アルコール類を挙げることができる。
これらの中でも特に、無機粒子の分散性や分散媒留去の容易さの点から、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール等が好適である。
溶剤置換工程で利用する有機溶剤の量は、ろ過室容量の好ましくは1〜20体積倍、より好ましくは2〜10体積倍、更に好ましくは3〜8体積倍である。1体積倍より少ないと、溶媒置換が十分でない場合がある。20体積倍より多いと、産業効率上好ましくない場合がある。
なお、前記式(2)において、コアシェル無機粒子表面にSiR13/2単位からなるシロキサン被覆層を持たない場合、工程(α−1)は実施せず、工程(α−2)のみを実施するが、この場合、コアシェル無機粒子が水に分散されたものを用いた場合は上述したように溶媒置換を行う。しかし、コアシェル無機粒子が粉状の場合はこれを上記有機溶媒に分散すればよく、また、予めコアシェル無機粒子が上記有機溶媒に分散されている場合は、工程(α−2)も省略し得る。
[(β)工程]
この工程は、(C)成分における、コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液を調製する工程である。コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルは、前記(α−1)及び(α−2)を経て調製されたものを用いてもよいし、市販されているものを用いてもよい。分散質濃度など該有機溶媒ゾルの好ましい態様については、前記に述べたとおりである。シラノール基含有シロキサンは、1分子中に少なくとも2個、好ましくは2〜10個のシラノール基を有するオルガノ(ポリ)シロキサンである。シラノール基が2個未満であると、コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルと混合した際に、該粒子が凝集してしまったり、ゾルの透明性が低下したりするおそれがあるため好ましくない。なお、オルガノ(ポリ)シロキサンのケイ素原子に結合する水酸基以外の基は、炭素数1〜10、特に1〜6の1価炭化水素基が挙げられ、好ましくはアルキル基、特にメチル基である。シラノール基含有シロキサンの重合度は、1〜20であることが必要であり、好ましくは1〜10である。重合度が20より大きいと、コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルと混合すると、コアシェル無機粒子が沈降してしまい、シリコーンゴム組成物及びその硬化物の透明性が悪化してしまう。コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとを混合する際には、それらの割合は、質量比で1/10〜5/1である。コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合割合は、特に制限はないが、質量比で1/10〜5/1であることが好ましく、より好ましくは1/5〜2/1である。有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの割合が1/10より小さい場合には、混合液中の無機粒子の分散が不十分になり、シリコーンゴム組成物及びその硬化物の透明性が悪化するおそれがある。上記混合割合が5/1より大きい場合には、コンパウンド中の無機粒子の分散が不十分になり、シリコーンゴム組成物及びその硬化物の透明性が悪化するおそれがある。コアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合物は、均一に分散していることが好ましく、特には沈降物が無いことが望ましい。
−(D)成分−
硬化剤としては、上記したように(D−1)付加反応硬化剤と(D−2)有機過酸化物硬化剤が挙げられる。
(D−1)付加反応硬化剤
(D−1)付加反応硬化剤としては、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒を組み合せて用いる。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、1分子中に2個以上、好ましくは3個以上、より好ましくは3〜200個、更に好ましくは4〜100個程度のケイ素原子に結合した水素原子(即ち、SiH基)を含有すれば、直鎖状、環状、分枝状、三次元網状構造のいずれであってもよく、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の架橋剤として公知のオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができ、例えば、下記平均組成式(6)で表されるオルガノハイドロジェンポリシロキサンを用いることができる。
20 pqSiO(4-p-q)/2 (6)
上記平均組成式(6)中、R20は非置換又は置換の1価炭化水素基を示し、同一であっても異なっていてもよく、脂肪族不飽和結合を除いたものであることが好ましい。通常、炭素数1〜12、特に1〜8のものが好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基等のアルキル基、シクロヘキシル基等のシクロアルキル基、フェニル基、トリル基等のアリール基、ベンジル基、2−フェニルエチル基、2−フェニルプロピル基等のアラルキル基、及びこれらの基の水素原子の一部又は全部をハロゲン原子等で置換した基、例えば3,3,3−トリフロロプロピル基等が挙げられる。
なお、p,qは0<p<3、好ましくは0.5≦p≦2.2、より好ましくは1.0≦p≦2.0、0<q≦3、好ましくは0.002≦q≦1.1、より好ましくは0.005≦q≦1、0<p+q≦3、好ましくは1≦p+q≦3、より好ましくは1.002≦p+q≦2.7を満たす正数である。
オルガノハイドロジェンポリシロキサンは、SiH基を1分子中に2個以上、好ましくは3個以上有するが、これは分子鎖末端にあっても、分子鎖の途中にあっても、その両方にあってもよい。また、このオルガノハイドロジェンポリシロキサンとしては、25℃における粘度が0.5〜10,000mPa・s、特に1〜300mPa・sであることが好ましい。
このようなオルガノハイドロジェンポリシロキサンとして、具体的には、例えば、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)メチルシラン、トリス(ハイドロジェンジメチルシロキシ)フェニルシラン、メチルハイドロジェンシクロポリシロキサン、メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン環状共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチルフェニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体、両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体、(CH32HSiO1/2単位と(CH33SiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位とからなる共重合体、(CH32HSiO1/2単位とSiO4/2単位と(C653SiO1/2単位とからなる共重合体などや、上記例示化合物において、メチル基の一部又は全部を他のアルキル基や、フェニル基等に置換したものなどが挙げられる。
上記オルガノハイドロジェンポリシロキサンの配合量は、(A)成分100質量部に対し0.1〜40質量部が好ましい。また(A)成分の脂肪族不飽和結合(アルケニル基及びジエン基等)1個に対し、ケイ素原子に結合した水素原子(≡SiH基)の割合が0.5〜10個の範囲が適当であり、好ましくは0.7〜5個となるような範囲が適当である。0.5個未満だと架橋が十分でなく、十分な機械的強度が得られない場合があり、また10個を超えると硬化後の物理特性が低下し、特に耐熱性が悪くなったり、圧縮永久歪が大きくなったりする場合がある。
ヒドロシリル化触媒は、(A)成分のアルケニル基とオルガノハイドロジェンポリシロキサンのケイ素原子結合水素原子(SiH基)とをヒドロシリル化付加反応させる触媒である。ヒドロシリル化触媒としては、白金族金属系触媒が挙げられ、白金族金属の単体とその化合物があり、これには従来、付加反応硬化型シリコーンゴム組成物の触媒として公知のものが使用できる。例えば、シリカ、アルミナ又はシリカゲルのような担体に吸着させた粒子状白金金属、塩化第二白金、塩化白金酸、塩化白金酸6水塩のアルコール溶液等の白金触媒、パラジウム触媒、ロジウム触媒等が挙げられるが、白金又は白金化合物(白金触媒)が好ましい。
触媒の添加量は、付加反応を促進できればよく、通常、白金族金属量に換算して(A)成分のオルガノポリシロキサンに対して1質量ppm〜1質量%の範囲で使用されるが、10〜500質量ppmの範囲が好ましい。添加量が1質量ppm未満だと、付加反応が十分促進されず、硬化が不十分である場合があり、一方、1質量%を超えると、これより多く加えても、反応性に対する影響も少なく、不経済となる場合がある。
(D−2)有機過酸化物硬化剤
(D−2)有機過酸化物硬化剤としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、p−メチルベンゾイルパーオキサイド、o−メチルベンゾイルパーオキサイド、2,4−ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、ジ−t−ブチルパーオキサイド、t−ブチルパーベンゾエート、1,6−ヘキサンジオール−ビス−t−ブチルパーオキシカーボネート等が挙げられる。有機過酸化物の添加量は、(A)成分100質量部に対して0.1〜10質量部、特に0.2〜5質量部が好ましい。配合量が少なすぎると硬化が不十分となる場合があり、多すぎると有機過酸化物の分解残渣によりシリコーンゴム硬化物が黄変する場合がある。なお、(A)成分に、(D−1)成分と(D−2)成分とを、それぞれ上記配合量の範囲内で組み合せて配合した、付加反応硬化と有機過酸化物硬化とを併用した共加硫型のシリコーンゴム組成物とすることもできる。
[その他の成分]
本発明のシリコーンゴム組成物には、本発明の目的を損なわない範囲において上記成分に加え、必要に応じて、粉砕石英、結晶性シリカ、珪藻土、炭酸カルシウム等の充填材、着色剤、引き裂き強度向上剤、受酸剤、アルミナや窒化硼素等の熱伝導率向上剤、離型剤、充填材用分散剤として各種アルコキシシラン、特にフェニル基含有アルコキシシラン及びその加水分解物、ジフェニルシランジオール、カーボンファンクショナルシラン、シラノール基含有低分子シロキサンなどの熱硬化型のシリコーンゴム組成物における公知の充填材や添加剤を添加することは任意である。
熱硬化型シリコーンゴム組成物及びその他任意成分は、上記各成分をニーダー、バンバリーミキサー、二本ロール等の公知の混練機で混合することにより得ることができるが、通常は(A)成分のオルガノポリシロキサンと(B)成分の補強性シリカと(C)成分のコアシェル無機粒子の有機溶媒ゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合溶液を混合した後、(D)成分の硬化剤を添加することが好ましい。
このようにして得られた本発明のシリコーンゴム組成物は、加熱硬化させることにより、透明性と紫外線吸収性能に優れたシリコーンゴムとなる。成形方法としては、目的とする成形品の形状や大きさにあわせて公知の成形方法を選択すればよい。例えば、注入成形、圧縮成形、射出成形、カレンダー成形、押出し成形、コーティング、スクリーン印刷などの方法が例示される。硬化条件としてもその成形方法における公知の条件でよく、一般的に60〜450℃、特に80〜400℃、更には120〜200℃の温度で数秒〜1日程度である。また、硬化物の圧縮永久歪性を低下させたり、シリコーンゴム中に残存している低分子シロキサン成分を低減したりする、或いは有機過酸化物の分解物を除去する等の目的で、150〜250℃、好ましくは200〜240℃のオーブン内等で1時間以上、好ましくは1〜70時間程度、更に好ましくは1〜10時間程度のポストキュア(二次加硫)を行ってもよい。
このようにして得られるシリコーンゴムは透明性が高く、2mm厚の硬化物(シリコーンゴム)の光透過率が、後述する測定法によって波長700nmで70%以上、より好ましくは75%以上、更に好ましくは80%以上であることが好ましく、屋外で使用する光学部材等に好適に用いられる。また、このようにして得られるシリコーンゴムは紫外線吸収性能に優れ、2mm厚の硬化物の光透過率が、後述する測定法によって波長340nmで10%以下、より好ましくは5%以下である。
以下、実施例と比較例を示し、本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に制限されるものではない。なお、シロキサンの重合度は、トルエンを展開溶媒としたゲルパーミエーションクロマトグラフィ分析によるポリスチレン換算の重量平均重合度である。
[各種物性測定方法]
JIS K 6249:2003に準拠して作製した試験用シートを用いて、JIS K 6249:2003に準じた方法で、各種物性〔硬さ(デュロメーターA)、引張強さ、切断時伸び〕を測定した。その結果を表1に示す。
[光透過率の測定]
分光光度計(日立製作所(株)製、型式:U−3310)を用いて、200℃、4時間ポストキュア後の2mm厚シリコーンゴムシートの光透過率を測定した。波長700nmと340nmの際の光透過率を表1に併記する。
無機粒子−ポリシロキサン複合体(ポリシロキサングラフト化無機粒子)を下記のように調製した。
[調製例1]
(コアシェル粒子の水分散液1の調製)
無機酸化物水分散液として、酸化チタン−酸化スズ複合酸化物を核とし、酸化ケイ素を殻とするコアシェル粒子を分散質とし、水を分散媒とするものを調製した。まず、核となる酸化チタン−酸化スズ粒子を含有する分散液を製造し、次いで、テトラエトキシシランを加水分解縮合することで、コアシェル粒子を含有する分散液とした。
36質量%の塩化チタン(IV)水溶液(石原産業(株)製、製品名:TC−36)66.0gに塩化スズ(IV)五水和物(和光純薬工業(株)製)1.8gを添加し、よく混合した後、これをイオン交換水1,000gで希釈した。この金属塩水溶液混合物に5質量%のアンモニア水(和光純薬工業(株)製)300gを徐々に添加して中和、加水分解することによりスズを含有する水酸化チタンの沈殿物を得た。このときの水酸化チタンスラリーのpHは8であった。得られた水酸化チタンの沈殿物を、イオン交換水の添加とデカンテーションを繰り返して脱イオン処理した。この脱イオン処理後のスズを含有する水酸化チタン沈殿物に30質量%過酸化水素水(和光純薬工業(株)製)100gを徐々に添加し、その後60℃で3時間撹拌して十分に反応させた。その後、純水を添加して濃度調整を行うことにより、半透明のスズ含有ペルオキソチタン酸溶液(固形分濃度1質量%)を得た。容積500mLのオートクレーブ(耐圧硝子工業(株)製、製品名:TEM−D500)に、上記のように合成したペルオキソチタン酸溶液350mLを仕込み、これを200℃、1.5MPaの条件下、240分間水熱処理した。その後、オートクレーブ内の反応混合物を、サンプリング管を経由して、25℃の水浴中に保持した容器に排出し、急速に冷却することで反応を停止させ、複合酸化物分散液(i)を得た。
磁気回転子と温度計を備えたセパラブルフラスコに、前記の複合酸化物分散液(i)1,000質量部、エタノール100質量部、アンモニア2.0質量部を室温(25℃)で加えて磁気撹拌した。このセパラブルフラスコを氷浴に浸漬し、内容物温度が5℃になるまで冷却した。ここに、テトラエトキシシラン18質量部(信越化学工業(株)社製、商品名「KBE−04」)を加えた後に、セパラブルフラスコをμReactorEx(四国計測工業(株)製)内に設置して、周波数2.45GHz・出力1,000Wのマイクロ波を1分間にわたって照射しながら磁気撹拌した。その間、温度計を観測して内容物温度が85℃に達するのを確認した。得られた混合物を定性ろ紙(Advantec 2B)でろ過して希薄コロイド溶液を得た。この希薄分散液をダイナフィルター(三菱化工機(株)社製、製品名「DyF152/S」、平均細孔径7nmのMgAl2O製ディスク[ANDRITZ KMPT GmbH製、品番2065181、型φ152/7nm])を用いた限外ろ過によって分散質濃度10質量%まで濃縮し、酸化チタン−酸化スズ複合酸化物を核とし酸化ケイ素を殻とするコアシェル粒子の水分散液1を得た。
[調製例2]
(コアシェル粒子のエタノール分散液1の合成)
ジムロート冷却管、窒素導入管、温度計、機械撹拌羽根を備えた4つ口2Lセパラブルフラスコに、金属酸化物粒子水分散液として、調製例1で調製したコアシェル粒子の水分散液1(300g、固形分濃度14質量%)と、触媒としてスルホン酸系カチオン性イオン交換樹脂を3g入れた。ここに、メチルトリメトキシシラン(信越化学工業(株)社製、製品名「KBM−13」、225g)を入れて激しく撹拌(250rpm)した。撹拌によって分散液とアルコキシシランが反応し、均一になる様子が観測された。その際、分散液の温度が25℃から52℃まで上昇する様子が観測された。分散液の温度が50℃になるように2時間加熱撹拌した後、分散液にエタノール(750g)を撹拌(250rpm)しながら添加して希釈した。希釈分散液をダイナフィルター(三菱化工機(株)社製、製品名「DyF152/S」、平均細孔径7nmのMgAl2O製ディスク[ANDRITZ KMPT GmbH製、品番2065181、型φ152/7nm])に導入した。0.2MPaの静圧を圧縮空気によって与えながら、フィルターと連結した回転軸を回転(1,000rpm)させた。セラミックフィルターを経て分散液が滲出する様子が観測された。フィルター排出口には受器(5,000mL)を設け、滲出液を800g分取した。濃縮された分散液に対して、継続して有機溶剤(エタノール)を加圧供給(0.2MPa)した。0.2MPaの静圧を圧縮空気によって与えながら、フィルターと連結した回転軸を回転(1,000rpm)させた。セラミックフィルターを経て分散液が滲出する様子が観測された。フィルター排出口には受器(5,000mL)を設け、滲出液が800gに達するまでエタノールの加圧供給を行った。ろ過室から分散液を取り出し、コアシェル粒子のエタノール分散液1を得た。コアシェル粒子のエタノール分散液1の分散質濃度は17質量%、水分濃度1.1質量%、粒径3nmであった。この時、粒径は動的光散乱法で測定した体積基準の50%累積分布径(D50)の値であり、ナノトラックUPA−EX150(日機装(株)製)を用いて測定した。また、コアシェル粒子のエタノール分散液1の分散媒を減圧留去によって除去したサンプルの熱重量分析を行った結果、粒子全体に対するシロキサン成分の含有量は9質量%であった。
[調製例3]
(コアシェル粒子のエタノール分散液2の合成)
調製例1で調製した酸化チタン−酸化スズ複合酸化物を核としたコアシェル粒子の水分散液1の代わりに、酸化セリウム水分散液(日産化学工業(株)社製、「ナノユースCE−T20B」、分散質濃度20質量%)150gとイオン交換水150gの混合液を用いた他は、調製例2と同様の方法で、酸化セリウムを核(コア)とし、メチルトリメトキシシランの縮合物を殻(シェル)としたコアシェル粒子のエタノール分散液2を調製した。このエタノール分散液2の分散質濃度は15質量%、水分濃度は0.4質量%、粒径3nmであった。また、コアシェル粒子のエタノール分散液2の分散媒を減圧留去によって除去したサンプルの熱重量分析を行った結果、粒子全体に対するシロキサン成分の含有量は8質量%であった。
[調製例4]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1の調製)[β工程]
調製例2で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液1の16.5gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度3、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン50gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液1を調製した。
[調製例5]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液2の調製)[β工程]
調製例2で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液1の10.0gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度3、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン50gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液2を調製した。
[調製例6]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液3との調製)[β工程]
調製例3で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液2の20.0gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度3、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン50gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液3を調製した。
[調製例7]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液4の調製)[β工程]
調製例2で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液1の16.5gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度15、25℃における粘度が30mPa・sであるジメチルポリシロキサン100gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液4を調製した。
[調製例8]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液5の調製)[β工程]
調製例2で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液1の16.5gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度25、25℃における粘度が60mPa・sであるジメチルポリシロキサン150gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液5を調製した。
[調製例9]
(コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液6の調製)[β工程]
調製例3で調製したコアシェル粒子のエタノール分散液2の20.0gと、両末端にシラノール基を有し、平均重合度25、25℃における粘度が60mPa・sであるジメチルポリシロキサン150gを混合し、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンの混合液6を調製した。
[実施例1]
ジメチルシロキサン単位99.825モル%、メチルビニルシロキサン単位0.15モル%、ジメチルビニルシロキシ単位0.025モル%からなり、平均重合度が約6,000であるオルガノポリシロキサン生ゴム100質量部、BET法比表面積が200m2/gのヒュームドシリカ(アエロジル200、日本アエロジル(株)製)55質量部に、調製例4で調製したコアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1を6.65質量部添加し、ニーダーにて混練りし、170℃にて2時間加熱処理して組成物(ベースコンパウンド1)を調製した。
この組成物(ベースコンパウンド1)100質量部に対し、硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン0.4質量部を二本ロールにて添加し、均一に混合して生ゴム状のシリコーンゴム組成物を製造した後、該組成物を165℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアを行い、2mm厚のシートを作製した。次いで200℃のオーブンで4時間ポストキュアを実施した。
これらのシリコーンゴムシートを室温(25℃)に戻し、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例2]
調製例5で調製したコアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、調製例6で調製したコアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液2を6質量部用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例3]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液3を7質量部用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例4]
硬化剤として2,5−ジメチル−2,5−ビス(t−ブチルパーオキシ)ヘキサンではなく、付加反応型硬化剤としてC25A(白金触媒、白金原子として0.09質量%含有、信越化学工業(株)社製)0.5質量部及びC25B(オルガノハイドロジェンポリシロキサン40質量%含有、信越化学工業(株)社製、オルガノハイドロジェンポリシロキサン)2.0質量部を添加し、該組成物を120℃、70kgf/cm2の条件で10分間プレスキュアした以外は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[実施例5]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液4を11.65質量部用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。結果を表1に示す。
[比較例1]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、両末端にシラノール基を有し、平均重合度3、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン5質量部を用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例2]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、コアシェル粒子のエタノール分散液1を1.65質量部と両末端シラノール基を有し、平均重合度3、25℃における粘度が15mPa・sであるジメチルポリシロキサン5.0質量部を用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例3]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液1のかわりに、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液5を16.65質量部用いた他は、実施例1と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
[比較例4]
コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液3のかわりに、コアシェル無機粒子エタノールゾルとシラノール基含有シロキサンとの混合液6を17質量部用いた他は、実施例3と同様にして、各種物性及び光透過率を測定した。その結果を表1に示す。
Figure 0006583160

Claims (8)

  1. (A)下記平均組成式(1)
    nSiO(4-n)/2 (1)
    (式中、Rは同一又は異種の非置換もしくは置換の炭素数1〜12の1価炭化水素基であり、nは1.95〜2.05の正数である。)
    で表され、一分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
    100質量部、
    (B)比表面積が50m2/g以上の補強性シリカ 5〜100質量部、
    (C)動的光散乱法による体積基準の粒度分布における50%累積分布径が1〜200nmである無機微粒子からなる核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル構造を有する無機粒子の有機溶媒ゾルと、重合度が1〜20であるシラノール基含有シロキサンとの混合溶液 0.01〜50質量部、
    (D)硬化剤 0.01〜10質量部
    を含有してなるシリコーンゴム組成物であって、該シリコーンゴム組成物を200℃、4時間でポストキュアした後の2mm厚のシリコーンゴム硬化物の光透過率が、波長700nmで70%以上であることを特徴とするシリコーンゴム組成物。
  2. (C)成分のコアシェル構造を有する無機粒子の表面が、下記一般式(3)
    19Si(Y)3 (3)
    (式中において、R19は、それぞれ同一又は異なっていてもよく、(メタ)アクリル基、オキシラニル基、アミノ基、メルカプト基、イソシアネート基もしくはフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1以上20以下のアルキル基と、炭素数2以上20以下のアルケニル基と、炭素数6以上20以下のアリール基と、ケイ素数50以下の(ポリ)ジメチルシロキシ基とからなる群から選ばれる置換基又は水素原子であり、Yはアルコキシ基、アセトキシ基、エノール基、塩素原子からなる群から選ばれる置換基である。)
    で示される有機ケイ素化合物及び/又はその(部分)加水分解縮合物により表面修飾してなる請求項1記載のシリコーンゴム組成物。
  3. (C)成分の混合溶液において、コアシェル構造を有する無機粒子の含有量が1〜30質量%である請求項1又は2記載のシリコーンゴム組成物。
  4. (C)成分の有機溶媒ゾル中におけるコアシェル構造を有する無機粒子の含有量が1〜50質量%である請求項1、2又は3記載のシリコーンゴム組成物。
  5. 前記コアシェル構造を有する無機粒子が、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化スズ、酸化インジウムスズ、酸化ジルコニウム及び酸化鉄からなる群より選ばれる1種以上を含む核の外側に酸化ケイ素の殻を有するコアシェル粒子である請求項1〜4のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  6. 硬化剤(D)が有機過酸化物である請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  7. 硬化剤(D)が、オルガノハイドロジェンポリシロキサンとヒドロシリル化触媒との組み合せからなる付加反応硬化型である請求項1〜5のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項記載のシリコーンゴム組成物の硬化物からなるシリコーンゴム。
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