JP6581698B2 - 画像処理装置およびその方法 - Google Patents

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Description

本発明は、記録材として有色色材、および、有色色材よりも透過率が高い高透過率材を用いる画像記録用の画像データを生成する画像処理に関する。
文字や画像などの情報を記録紙やフィルムなどのシート状の記録媒体に記録する記録装置の代表例としてインクジェット記録方式が知られている。また、インクジェット記録方式を採用した記録装置において、近年、様々な記録材が提案されているが、その代表例として染料インク、顔料インクがある。
染料インクの色材は、記録材中に非常に小さな分子として存在する。インクジェット記録方式において染料インクを用いると、色材は記録媒体内部へ浸透し定着する。第一の色材が記録媒体に定着した後、少し時間が経ってから第二の色材を印刷すると、第二の色材は、先に定着した第一の色材と混合した状態で記録媒体に定着する。
顔料インクの色材は、記録材中に数10nm程度の粒子として存在する。色材が粒子として存在する顔料インクは、色材の光による分解や水への溶解が生じ難く、染料インクに比べて、文字や画像の耐候性、耐水性の点で優れている。
インクジェット記録方式において顔料インクを用いると、色材の粒子サイズが大きいため、色材の記録媒体内部への浸透は起こり難く、色材は記録媒体の表面に定着する。第一の色材が記録媒体の表面に定着した後、少し時間が経ってから第二の色材を印刷すると、第二の色材は、先に定着した第一の色材の上に定着する。つまり、顔料インクにおいては、記録順に色材が記録層を形成する。そこで、顔料インクの記録順を制御することで、画像の装飾効果を得る技術が提案されている(特許文献1)。
特許文献1の技術によれば、相対的に下層に配置した比較的透過率が低い色材(有色色材)に対し、上層に比較的透過率が高い色材(無色色材)を定着する。上層に定着された無色色材は光学薄膜を形成し、無色色材の膜厚を制御することで、薄膜干渉による様々な色(構造色)が再現される。特許文献1の技術は、構造色が下層の有色色材の色とは異なる色になる点を利用して、上層の無色色材の膜厚を制御して所望する色画像を形成し、装飾・加飾効果を得る。
しかし、特許文献1の手法は、薄膜干渉を画像の装飾・加飾効果に利用するが、薄膜干渉を画像の画質向上に利用するわけではない。
特開2012-085123号公報 特開2011-025658号公報 特開2011-218563号公報 特許4590255号公報 特開2009-303185号公報 特開2012-101531号公報
本発明は、高透過率材の光学薄膜により画像記録装置の色域を拡大することを目的とする。
本発明は、前記の目的を達成する一手段として、以下の構成を備える。
本発明にかかる画像処理装置は、記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するための記録データを生成する画像処理装置であって、
入力画像データのに基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成する色分解手段と、
前記材量データに基づき、前記記録データを生成する生成手段と、
前記記録データに基づいて、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の同一になる又は近似するよう制御する制御手段とを有する。
また、本発明の画像処理装置は、記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するためのデータを生成する画像処理装置であって、
入力画像データの値に基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成する色分解手段と、
前記材量データに基づき、画像記録装置が画像を記録するために用いるN値データ(N≧2)を生成する生成手段と、を有し、
前記N値データ(N≧2)は、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の色同一になる又は近似するように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする。
本発明によれば、高透過率材の光学薄膜により画像記録装置の色域を拡大することができる。
実施例の画像処理を実行する情報処理装置の構成例を示すブロック図。 実施例の画像処理装置の処理構成とプリンタの構成例を示すブロック図。 記録ヘッドの構成例を示す図。 画像処理装置が実行する画像処理を説明するフローチャート。 全記録素子を使用する4パス印刷の記録走査を説明する図。 別の4パス印刷の記録走査を示す図。 記録データ設定テーブルが格納するテーブルを説明する図。 記録データ設定テーブルの一例を示す図。 記録走査ごとの記録データの設定方法を説明する図。 走査番号k=1からk=4の場合の切出位置を示す図。 HT処理部の構成例を示すブロック図。 ハーフトーン処理を説明するフローチャート。 閾値マトリクスの一例を示す図。 HT処理部が生成するHTデータを説明する図。 色域境界部におけるドット配置を示す図。 イエローの構造色が生じて色域がイエロー方向に拡大する理由を説明する図。 光学薄膜の正反射光の分光反射率を測定した結果を示す図。 色域内部におけるドット配置を示す図。 薄膜干渉による正反射光の色付きが無色に近付くことを説明する図。 他の色相の色域拡大の概要を示す図。 色域を明度方向に拡大する制御を説明する図。 光学薄膜の正反射光の分光反射率を測定した結果を示す図。 明度方向の色域の拡大を説明する図。 実施例2の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 有色色材のパスドットパターンの生成方法を説明する図。 実施例2の画像処理を説明する図。 実施例3の画像処理装置の構成例を示すブロック図。 記録方式の選択方法を説明する図。 実施例3の画像処理を説明するフローチャート。 平均明度値のみを考慮したテーブルを用いた場合に発生する可能性がある問題を説明する図。
以下、本発明にかかる実施例の画像処理装置および画像処理方法を図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施例に示す構成は一例に過ぎず、本発明は図示された構成に限定されるものではない。
以下では、記録材について、シアンC、マゼンタM、イエローYおよびブラックK(所謂、プロセスカラー)の色を有する比較的透過率の低い色材を「有色色材」、有色色材を含む顔料インクを「有色インク」と呼ぶ。また、各有色色材を「C色材」「M色材」「Y色材」「K色材」、各有色インクを「Cインク」「Mインク」「Yインク」「Kインク」、色分解後の各色の色材量データを「Cデータ」「Mデータ」「Yデータ」「Kデータ」と呼ぶ。
また、有色色材に対して比較的透過率が高い記録材である高透過率材を「無色色材」、無色色材を含む顔料インクを「無色インク」と呼ぶ。なお、無色色材は、有色色材に対して透過率が高い色材であればよく、若干の濁りや着色があるとしても無色色材として利用可能である。また、無色インクの色を「クリアT」と呼び、無色インクを「Tインク」、無色色材の色材量データを「Tデータ」と呼ぶ場合がある。
さらに、有色色材の色材量データと無色色材の色材量データを合わせて「材量データ」と呼ぶ場合がある。
[概要]
以下では、有色インクと無色インクを用いて、薄膜干渉による構造色の色または強度、あるいは、色および強度を制御して、画像記録装置が再現可能な色域の境界部において色の彩度を向上する、言い替えれば、色域を拡大する例を説明する。
つまり、無色色材を有色色材の記録層の上に定着する際に、色域境界部において、無色色材の記録層(以下、クリア層)によって光学薄膜を形成する。そして、薄膜干渉による構造色の色相が、下層の有色色材の色相と同一または近似するようにクリア層の形成を制御する。従って、高透過率材は、有色色材と同一または近似する色相、かつ、有色色材よりも高い透過率を有する色材を含むことができる。
一方、色域の内部においては、クリア層の膜厚のばらつきを増大させ、薄膜干渉を抑制するようにクリア層の形成を制御する。さらに、色域境界部と色域内部の中間部においては、色域境界部と色域内部の境目が目立たないように、クリア層の膜厚のばらつきを色域境界部と色域内部の中間に制御する。
[装置の構成]
図1のブロック図により実施例の画像処理を実行する情報処理装置の構成例を示す。CPU201は、RAMなどのメインメモリ202をワークメモリとして、ROM209やハードディスクドライブやソリッドステートドライブなどの記憶部203に格納されたプログラムを実行し、システムバス206を介して後述する構成を制御する。なお、ROM209や記憶部203には、後述する画像処理を実現するプログラムや各種データが格納されている。
USBやIEEE1394などの汎用インタフェイス(I/F)204には、キーボードやマウスなどの指示入力部207、ディジタルカメラ208(またはスキャナ)、プリンタ220などが接続される。また、ビデオカード(VC)205には、モニタ210が接続される。CPU201は、ユーザインタフェイス(UI)や処理経過や処理結果を示す情報をモニタ210に表示する。
例えば、CPU201は、指示入力部207を介して入力されるユーザ指示に従い記憶部203に格納されたアプリケーションプログラム(AP)をメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APを実行し、APに従いモニタ210にUIを表示する。
次に、CPU201は、ユーザによるUIの操作に従い記憶部203に格納された各種データをメインメモリ202の所定領域にロードする。そして、APに従いメインメモリ202にロードした各種データに所定の演算処理を施す。そして、CPU201は、ユーザによるUIの操作に従い演算処理結果をモニタ210に表示したり、プリンタ220に出力したり、記憶部203に格納したりする。
なお、CPU201は、システムバス206に接続された図示しないネットワークI/Fを介して、ネットワーク上のサーバ装置との間でプログラム、データ、演算処理結果の送受信を行うこともできる。
図2のブロック図により実施例の画像処理装置の処理構成例とプリンタの構成例を示す。画像記録用の画像データを生成する画像処理装置100は、図1に示す情報処理装置(コンピュータ)がプリンタドライバのプログラムを実行することにより実現される。なお、後述する画像処理装置100の各部の処理を実行するプログラムを組み込んだワンチップマイクロコントローラをプリンタ220に搭載することで、画像処理装置100の機能をプリンタ220が備える構成にすることも可能である。
●画像処理装置
画像処理装置100の入力画像バッファ102は、汎用I/F204によって実現される入力部101を介して、例えばディジタルカメラ208から入力される印刷対象の画像データをバッファする。色分解部103は、色分解ルックアップテーブル(LUT)104を参照して、入力画像バッファ102が格納する例えばRGB画像データをプリンタ12が備えるインク色に対応する材量データに色分解する。本実施例におけるインク色は、上述したように、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックK、クリアTの五色である。
生成部110は、記録データ設定部105、記録データ設定テーブル106、および、ハーフトーン処理部(HT)107を有し、材量データからプリンタ220に出力する画像データを生成する。記録データ設定部105は、記録データ設定テーブル106に基づき、色分解部103が出力する各色の材量データから記録走査ごとの記録データを設定する。なお、記録データは、各記録走査において記録される色材の記録量(インク量)を示す。
HT処理部107は、記録データ設定部105が出力する記録走査ごとの記録データを量子化した量子化データをハーフトーン処理後の記録データ(以下、HTデータ)として出力する。詳細は後述するが、Tインクの記録データは、入力画像バッファ102のRGBチャネルの値(つまり色分解前の画像データの値)に応じたディザ処理によって生成される。
生成部110から出力される記録走査ごとのHTデータは、ハーフトーン(HT)画像バッファ108に格納され、記録走査に応じて、汎用I/F204によって実現される出力部109を介してプリンタ220へ出力される。
●プリンタ
プリンタ220は、熱転写方式、インクジェット方式などの記録装置で、記録ヘッド221を、記録媒体222に対して相対的に縦横に移動して、画像処理装置100からバンド単位に入力されるHTデータが示す画像を記録媒体222上に形成する。その際、インク色選択部226は、画像処理装置100から入力されるHTデータに対応するインク色を、記録ヘッド221に搭載されたインク色の中から選択する。
記録ヘッド221は、一つ以上の記録素子(インクジェット方式であればノズル)を有する。記録ヘッド221の相対的な縦横の移動は、ヘッド制御部224が移動部223を制御して記録ヘッド221をX方向(主走査方向)に移動し、ヘッド制御部224が搬送部225を制御して記録媒体222をY方向(副走査方向)に搬送することで実現される。
図3により記録ヘッド221の構成例を示す。本実施例におけるインク色は、前述したように、シアンC、マゼンタM、イエローY、ブラックK、クリアTの五色であり、記録ヘッド221は、それら五色のインクを吐出する記録素子列を有する。
図3には、説明を簡単にするために、記録媒体222を搬送するY方向(副走査方向)に沿って記録素子が一列に配置された構成を示すが、記録素子の数、配置はこの例に限定されない。例えば、同一色(濃度)の記録素子としてインクの吐出量が異なる記録素子を有してもよいし、同一吐出量の記録素子列が複数あってもよい。さらに、記録素子がジグザグ配置された構成でもよい。また、図3(a)は各インク色の記録素子列を同一の副走査位置に配置した例を示すが、図3(b)に示すように、例えばTインクの記録素子列を異なる副走査位置に配置してもよい。
[画像処理]
図4のフローチャートにより画像処理装置100が実行する画像処理を説明する。なお、図4は1バンド分の処理を示し、図4には示さないが、印刷対象の画像データの全部を処理するまで図4の処理がバンド単位に繰り返される。
以下では、YインクとTインクを用いて、薄膜干渉による構造色の色と強度を制御して、色域境界部におけるイエローYの彩度を向上する例を説明する。つまり、無色色材をY色材の上に重畳する際に、色域境界部において、クリア層が光学薄膜を形成し、かつ、薄膜干渉による構造色の色相が、下層のY色材の色相と同一または近似するように、クリア層の形成を制御する。一方、色域内部においては、クリア層の膜厚のばらつきを増大させ、薄膜干渉を抑制するように、クリア層の形成を制御する。さらに、色域境界部と色域内部の中間部においては、色域境界部と色域内部の境目が目立たないように、クリア層の膜厚のばらつきを色域境界部と色域内部の中間に制御する。
これらの制御により、無色色材の光学薄膜による薄膜干渉を利用して、色域を彩度方向に拡大する。また、色域内部と色域境界部においては薄膜干渉の強度を調整して、色域境界部と色域内部の境目が目立つことを抑制する。
入力画像バッファ102は、入力部101を介して入力されるRGB画像データを格納する(S101)。色分解部103は、色分解LUT104を参照して、下式に示すように、入力画像バッファ102に格納されたRGB画像データを各インク色の材量データCMYKTに色分解する(S102)。なお、色分解後の材量データが8ビットの階調数を有するとして説明を行うが、より階調数が大きい材量データに色分解しても構わない。
C = CLUT_3D(R, G, B);
M = MLUT_3D(R, G, B);
Y = YLUT_3D(R, G, B);
K = KLUT_3D(R, G, B);
T = TLUT_3D(R, G, B); …(1)
ここで、XLUT_3Dは色分解LUT104のX色用の色分解テーブル、
XはC、M、Y、K、T。
以下のステップS103からS105の処理は、ステップS106の判定により、色ごとに実行される。ここでは、YインクとTインクの処理を説明し、他の三色のインクの処理は説明を省略するが、他の三色のインクについてはYインクと同様の処理が行われる。そして、全色の処理が終了すると、バンド単位のHTデータがプリンタ220に出力される(S107)。
●切出位置の座標yCUT(k)の設定
記録データ設定部105は、走査番号kと、材量データの切出位置の副走査方向の座標を示すyCUT(k)を設定する(S103)。座標yCUT(k)は、走査番号kにおける材量データの切出位置を示し、記録素子列の上端に相当する。また、走査番号kの初期値は「1」であり、処理ループごとに走査番号kがインクリメントされる。
ここで、記録素子列が16個の記録素子を備え、画像上の同一主走査記録領域に対して四回の記録走査で画像を形成する所謂4パス印刷を例として、材量データの切出位置の座標yCUT(k)の設定方法を説明する。
図5により全記録素子を使用する4パス印刷の記録走査を説明する。記録素子列の全記録素子を使用して4パス印刷により画像を印刷する場合、図5に示すように、走査番号k=1においては、記録素子列の下端の1/4の記録素子を使用して記録を行う。走査番号k=2においては、記録素子列の長さ(以下、列長)の1/4に相当する分、記録媒体222を搬送して、記録素子列の下端の1/2の記録素子を使用して記録を行う。
同様に、走査番号k=3においては、列長の1/4に相当する分、記録媒体222を搬送して、記録素子列の中央部の1/2の記録素子を使用して記録を行う。走査番号k=4においては、列長の1/4に相当する分、記録媒体222を搬送して、記録素子列の上端の1/2の記録素子を使用して記録を行う。走査番号k=5においては、列長の1/4に相当する分、記録媒体222を搬送して、記録素子列の上端の1/4の記録素子を使用して記録を行う。図5に示すような紙送りと記録を繰り返し、最終的に出力画像が形成される。
従って、記録素子列の上端に相当する材量データの切出位置の座標yCUT(k)は、記録素子列の記録素子数とパス数に関連する値になり、各記録走査における材量データの切出位置の座標yCUT(k)は下式によって与えられる。
yCUT(k) = -Nz + (Nz/Pass)×k …(2)
ここで、Nzは記録素子列の記録素子数、
Passはパス数、
図5においてk=1の場合、yCUT(1)=-16+(16/4)×1=-16+4=-12。
図5は全記録素子を使用する4パス印刷の例を示すが、一度の記録走査に使用する記録素子数を増やして、図5の例と同じ紙送り量(列長の1/4)で記録を行うことも可能である。図6により別の4パス印刷の記録走査を示す。図6は半数の記録素子を使用して、図5と同じ画像を、同じ紙送り量で形成する例である。図6においては、紙送り量は同じであるが、一度の記録走査に使用する記録素子数が二倍になり、実質2パス印刷によって画像が形成される。ただし、印刷に使用する記録素子数は、図5の全記録素子に対して1/2になり、各パスの記録ドット数を倍にする。
本実施例においては、図6に示すように、記録素子列の下端の1/2の記録素子を用いて有色インクを記録し、上端の1/2の記録素子を用いてTインクを記録することで、有色色材の記録層の上に無色色材を定着する。
●記録データ設定用テーブル
図7により記録データ設定テーブル106が格納するテーブルを説明する。図7は紙送り量が列長の1/4の場合のインク値分割率を示す記録データ設定テーブルを表す。図7において、縦軸が記録素子の位置に対応する素子番号を示し、横軸がインク値分割率を示す。図7(a)は、Yインクのインク値分割率を示し、記録素子列の下端の1/2の記録素子に対して0.5が設定され、上端の1/2の記録素子に対して0が設定されている。また、図7(b)は、Tインクのインク値分割率を示し、記録素子列の下端の1/2の記録素子に対して0が設定され、上端の1/2の記録素子に対して0.5が設定されている。
インク値分割率は、例えば四つの記録素子ごとに設定され、図7(a)の例では、素子番号が3、7、11、15の記録素子のインク値分割率Dy(3)、Dy(7)、Dy(11)、Dy(15)が設定されている。つまり、素子番号0-3のインク値分割率はDy(3)であり、同様に、素子番号4-7のインク値分割率はDy(7)、素子番号8-11のインク値分割率はDy(11)、素子番号12-15のインク値分割率はDy(15)である。
同様に、図7(b)の例において、素子番号が3、7、11、15の記録素子のインク値分割率Dt(3)、Dt(7)、Dt(11)、Dt(15)が設定されている。つまり、素子番号0-3のインク値分割率はDt(3)であり、同様に、素子番号4-7のインク値分割率はDt(7)、素子番号8-11のインク値分割率はDt(11)、素子番号12-15のインク値分割率はDt(15)である。各インク値分割率は次のルールに従い設定される。
Dy(3) + Dy(7) + Dy(11) + Dy(15) =1.0;
Dt(3) + Dt(7) + Dt(11) + Dt(15) =1.0; …(3)
つまり、図7(a)に示すように、Yインクのインク値分割率はDy(3)=Dy(7)=0.0、Dy(11)=Dy(15)=0.5であり、下端の半分の記録素子を用いてYインクの記録が行われることを意味する。つまり、0.5のインク値分割率と、同じ領域を二回印刷する2パス印刷に基づき、材量データに基づくインク量を記録する。
また、図7(b)に示すように、Tインクのインク値分割率はDt(3)=Dt(7)=0.5、Dt(11)=Dt(15)=0.0であり、上端の半分の記録素子を用いてTインクの記録が行われることを意味する。また、他の三色C、M、Kのインク値分割率Dc、Dm、Dkは、Dyと同じインク値分割率とする。つまり、下端の半分の記録素子が使用されることを意味する。
Yインクのインク値分割率DyとTインクのインク値分割率Dtから、記録素子の位置nyに関する関数は下記のようになる。
if (0 ≦ ny < Nz/2) {
Dy(ny) = 0.0;
Dt(ny) = 0.5;
}
if (Nz/2 ≦ ny < Nz) {
Dy(ny) = 0.5;
Dt(ny) = 0.0;
} …(4)
式(4)に示すインク値分割率が決まると、Yインク用の記録データ設定テーブル(以下、Yテーブル)およびTインク用の記録データ設定テーブル(以下、Tテーブル)を決定することができる。図8により記録データ設定テーブルの一例を示す。図8において、縦軸が素子番号、横軸が記録データ設定テーブルの値を示す。図8(a)はYテーブルであり、破線で示す下位テーブル(第一のテーブル)と実線で示す上位テーブル(第二のテーブル)の二つが設定される。図8(b)はTテーブルであり、破線で示す下位テーブル(第一のテーブル)と実線で示す上位テーブル(第二のテーブル)の二つが設定される。
図8に示すような記録データ設定テーブルにする理由は後述するハーフトーン処理とドット配置の説明において詳述するが、Yテーブルの下位テーブルYL(ny)と上位テーブルYH(ny)は下の規則によって生成される。
if (0 ≦ ny< Nz) {
YL(ny) = Dy(ny+Nz/4) + Dy(ny+2×Nz/4) + Dy(ny+3×Nz/4);
YH(ny) = Dy(ny) + Dy(ny+Nz/4) + Dy(ny+2×Nz/4) + Dy(ny+3×Nz/4);
} …(5)
つまり、Yテーブルの下位テーブルの値と上位テーブルの値は次のようになる。
if (0 ≦ ny < 4) {
YL(ny) = 1.0;
YH(ny) = 1.0;
}
if (4 ≦ ny < 8) {
YL(ny) = 1.0;
YH(ny) = 1.0;
}
if (8 ≦ ny < 12) {
YL(ny) = 0.5;
YH(ny) = 1.0;
}
if (12 ≦ ny <16) {
YL(ny) = 0.0;
YH(ny) = 0.5;
}
同様に、Tテーブルの下位テーブルの値と上位テーブルの値は次のようになる。
if (0 ≦ ny < 4) {
TL(ny) = 0.5;
TH(ny) = 1.0;
}
if (4 ≦ ny< 8) {
TL(ny) = 0.0;
TH(ny) = 0.5;
}
if (8 ≦ ny< 16) {
TL(ny) = 0.0;
TH(ny) = 0.0;
}
●記録データの設定(S104)
図4に示す処理の説明に戻る。座標yCUT(k)が設定されると、記録データ設定部105は、記録データ設定テーブル106に基づき、各色の材量データから記録走査ごとの記録データを設定する(S104)。
図9により記録走査ごとの記録データの設定方法を説明する。ここでは、入力画像データのRGB値が色域境界部の場合、例えば、RGB値=(255, 255, 0)のイエローYの色域境界部のパッチ画像の印刷を例に記録データの設定を説明する。
この場合、図9(a)に示すように、Yデータは式(1)に基づき「255 (100%)」になり、Yデータ1301は全画素について「255」である。一方、図9(B)に示すように、Y色材の上に記録する無色色材のTデータは式(1)に基づき所定値α(例えば「128 (50%)」)になり、Tデータ1305は全画素について「α」になる。
詳細は後述するが、所定値αは、事前の測定に基づき色域を最大に拡大するように設定される値である。例えば、Y色材の上に、T=αで無色色材を形成すると、厚さ約40nmの無色色材の薄膜が形成され、薄膜干渉による構造色がイエローになる。この結果、下層のY色材と、イエローの構造色が相乗効果を示し、色域におけるイエロー方向の彩度が向上する。
図9(a)に示すように、Yデータ1301は、図8(a)に示す下位テーブルYL(ny)との乗算により下位記録データ(第一の記録データ)YL1303になり、上位テーブルYH(ny)との乗算により上位記録データ(第二の記録データ)YH1304になる。また、図9(b)に示すように、Tデータ1305は、図8(b)に示す下位テーブルTL(ny)との乗算により下位記録データTL1307になり、上位テーブルTH(ny)との乗算により上位記録データTH1308になる。
Yデータ1301とYテーブルの乗算、および、Tデータ1305とTテーブルの乗算の詳細は下記のとおりである。
YL(x, ny) = Y(x, ny+yCUT(k))×YL(ny);
YH(x, ny) = Y(x, ny+yCUT(k))×YH(ny);
TL(x, ny) = T(x, ny+yCUT(k))×TL(ny);
TH(x, ny) = T(x, ny+yCUT(k))×TH(ny); …(6)
ここで、Y(x, ny+yCUT(k))は、式(1)により得られる座標(x, ny+yCUT(k))のYデータ、
T(x, ny+yCUT(k))は、式(1)により得られる座標(x, ny+yCUT(k))のTデータ。
なお、座標(x, ny+yCUT(k))が画像の領域外の場合は、記録データを0とする。例えば、走査番号k=1において、記録素子列の上端側の3/4の素子番号ny=0-10に対応する記録データのY座標は負になり上位記録データ、下位記録データともに0が代入される。一方、記録素子列の下端側の1/4の素子番号ny=11-15に対応する記録データには0が代入されることはなく、式(6)の演算結果が維持される。
図10により走査番号k=1からk=4の場合の切出位置を示す。材量データの切出位置yCUT(k)は走査番号kによって決まる。図10(a)は、式(6)により決まる、各走査番号において使用する記録素子の位置に対応する下位記録データYLと上位記録データYHを示す。図10(b)は、式(6)により決まる、各走査番号において使用する記録素子の位置に対応する下位記録データTLと上位記録データTHを示す。
●ハーフトーン処理(S105)
記録データ設定部105による記録データの設定(S104)が終了すると、HT処理部107は、記録データをハーフトーン処理によって量子化したHTデータを生成する(S105)。詳細は後述するが、Tインクの記録データは、入力画像バッファ102のRGBチャネルの値に応じてハーフトーン処理される。
本実施例におけるハーフトーン処理は、有色インクとTインクで異なる。とくに、入力画像データが表す色に応じてクリア層の厚さや厚さのばらつきが制御される。つまり、色域境界部においては、ハーフトーン画像のドットの分散を高めることでクリア層の膜厚のばらつきを低減するとともに、無色色材の薄膜干渉による構造色の色相が、下層の色材の色相と同一または近似するようにクリア層の厚さを制御する。これにより、色域境界部において、下層の色材の色相と同色相または近似色相の構造色が得られ、色域が彩度方向に拡大する。
一方、色域内部においては、記録走査におけるハーフトーン画像のドットの集中を高めることでクリア層の膜厚のばらつきを増加させて、クリア層の薄膜干渉の強度を減少させ、画像を観察する際の弊害になる正反射光の色付きを抑制する。言い替えれば、HTデータにおけるドットの集中度合いにより、クリア層の膜厚のばらつき度合いを制御して、薄膜干渉の強度を制御する。
図11のブロック図によりHT処理部107の構成例を示す。また、図12のフローチャートによりハーフトーン処理(S105)を説明する。なお、以下では、説明を簡単化するために、量子化として二値データを生成する二値化を行う例を説明する。
<有色インクのハーフトーン処理>
まず、図11、図12(a)により有色インクのハーフトーン処理(S105)を説明する。比較器1502は、閾値マトリクス1501の閾値YThとYインクの上位記録データYHを比較して、上位記録データYHを量子化する(S201)。
図13により閾値マトリクスの一例を示す。図13(a)に示す閾値マトリクス1501の各閾値は画像データにおける画素に対応する。つまり、比較器1502は、画素ごとに、閾値YThと上位記録データYHを比較する。比較の結果、下式に示す二値化結果Y'Hが得られる。
if (YH < YTh)
Y'H = 0;
else
Y'H = 255; …(7)
比較器1503は、閾値マトリクス1501の閾値YThとYインクの下位記録データYLを比較して、下位記録データYLを量子化する(S202)。比較の結果、下式に示す二値化結果Y'Lが得られる。
if (YL < YTh)
Y'L = 0;
else
Y'L = 255; …(8)
図13(b)には各画素に一つの閾値をもつ閾値マトリクス1501の例を示すが、各画素に複数の閾値をもたせることができ、各画素の閾値の数がN-1個(N≧2)であれば記録データはN値化される。また、閾値マトリクス1501は、ドットの配置が分散し易いブルーノイズ特性を有することが好ましい。また、Yインク以外の有色インクの記録データの量子化にも図13(a)に示す閾値マトリクス1501を用いるが、各色、各走査番号ごとに異なる閾値マトリクスを用いてもよい。
減算器1504は、二値化結果Y'Hから二値化結果Y'Lを減算してYインクのHTデータY'とし(S203)、HTデータY'をHT画像バッファ108に格納する(S204)。
Y' = Y'H - Y'L; …(9)
次に、ステップS201からS204の処理を一記録走査分のバンドデータ(アドレス(0, 0)から(W-1, Nz-1))に施したか否かを判定し(S205)、未了であれば処理をステップS201に戻す。つまり、ステップS201からS204の処理を一記録走査分のバンドデータに繰り返すことで、一記録走査分のYインクのHTデータY'が決定し、Y色材のドット配置が決まる。
前述したように、本実施例においては、図6に示すように、記録素子列の下端の1/2の記録素子を用いて有色インクを記録する。従って、走査番号k=1、2の処理において有色色材のドットを形成するHTデータが出力され、走査番号k=3、4の処理において有色色材のドットを形成するHTデータは出力されない。
<無色インクのハーフトーン処理>
次に、図11、図12(b)によりTインクのハーフトーン処理(S105)を説明する。色変換部1505は、変換LUT1506を参照して、入力画像バッファ102から取得した注目画素のRGBデータを、プリンタ220の色再現範囲(色域)を示すために適当な色空間(例えばCIELAB空間)の色値に変換する。つまり、注目画素の色値を取得する(S301)。
L = LLUT_3D(R, G, B);
a = aLUT_3D(R, G, B);
b = bLUT_3D(R, G, B); …(10)
ここで、XLUT_3Dは変換LUT1506のX成分用の色変換テーブル、
XはL、a、b。
色域境界評価部1507は、色変換部1505が出力する色値Labと色域境界テーブル1508に基づき、注目画素の色が、プリンタ220の色域のどの領域に位置するかを示す評価値Eを計算する(S302)。Lab値のb値が負であれば注目画素の色はブルー寄り、正であれば注目画素の色はイエロー寄りを示す。そこで、色域境界テーブル1508を例えば下式によって計算される評価値Eを出力する一次元テーブルとする。
if (b < bB)
E = 0.0;
else
E = (b - bB)/(100 - bB); …(11)
つまり、評価値Eが有意(E>0.0)であれば注目画素の色が色域境界部に含まれることが示され、評価値Eが1.0に近付くほど注目画素の色が色域境界に近いことが示される。また、評価値E=0.0であれば注目画素の色が色域内部に位置することが示される。
式(11)において、色域境界部と色域内部の境目に対応する境界値bBは実験的に求める値であり、例えばbB=80である。例えば、イエローYの色域境界部のRGB値=(255, 255, 0)がLab=(90, 0, 100)に変換されると仮定すると、b=100であり評価値E=1.0になる。また、色域境界テーブル1508にb値に基づく一次元テーブルを格納する例を説明したが、色域境界テーブル1508にLabの三次元テーブルを格納して、Lab値に応じた評価値Eを算出することもできる。その場合、明度値L、彩度S、色相Hに応じたドット集中度合いの制御が可能になる。
マトリクス生成部1509は、評価値Eに応じて、閾値マトリクス1510に格納された複数の閾値マトリクスからドットの集中度を制御する閾値マトリクスを生成する(S303)。図13(b)に一例を示すように、閾値マトリクス1510には例えば二つの閾値マトリクスが格納され、それら閾値マトリクスは異なるドット集中度を有する。閾値マトリクス1510aはドット分散型であり、閾値マトリクス1510bは2×2ドットのドット集中を示すドット集中型である。なお、閾値マトリクス1510a、1510bの閾値は、ドット配列の位相ができるだけ合うように配置されている。
マトリクス生成部1509は、下式により、閾値マトリクス1510a、1510bを評価値Eに応じて線形結合してドットの集中度を制御する閾値マトリクスTThを生成する。
TTh(i, j) = E×th1(i, j) + (1-E)×th2(i, j); …(12)
ここで、(i, j)は閾値マトリクスのセル位置、
th1(i, j)は閾値マトリクス1510aの閾値、
th2(i, j)は閾値マトリクス1510bの閾値。
つまり、評価値Eが大きいほどドット分散型の閾値マトリクスTThが生成され、評価値Eが小さいほどドット集中型の閾値マトリクスTThが生成される。
比較器1511は、マトリクス生成部1509が生成した閾値マトリクスの閾値TThとTインクの上位記録データTHを比較して、上位記録データTHを量子化する(S304)。つまり、比較器1511は、画素ごとに、閾値TThと上位記録データTHを比較する。比較の結果、下式に示す二値化結果T'Hが得られる。
if (TH < TTh)
T'H = 0;
else
T'H = 255; …(13)
比較器1512は、閾値TThとTインクの下位記録データTLを比較して、下位記録データTLを量子化する(S305)。比較の結果、下式に示す二値化結果T'Lが得られる。
if (TL < TTh)
T'L = 0;
else
T'L = 255; …(14)
減算器1513は、二値化結果T'Hから二値化結果T'Lを減算してTインクのHTデータT'とし(S306)、HTデータT'をHT画像バッファ108に格納する(S307)。
T' = T'H - T'L; …(15)
次に、ステップS301からS307の処理を一記録走査分のバンドデータ(アドレス(0, 0)から(W-1, Nz-1))に施したか否かを判定し(S308)、未了であれば処理をステップS301に戻す。つまり、ステップS301からS307の処理を一記録走査分のバンドデータに繰り返すことで、一記録走査分のTインクのHTデータT'が決定し、無色色材のドット配置が決まる。
前述したように、本実施例においては、図6に示すように、記録素子列の下端の1/2の記録素子を用いて有色インクを記録し、上端の1/2の記録素子を用いてTインクを記録することで、有色色材の記録層の上に無色色材を定着する。従って、走査番号k=1、2の処理において無色色材のドットを形成するHTデータは出力されず、走査番号k=3、4の処理において無色色材のドットを形成するHTデータが出力される。
なお、上記では、上位記録データのHTデータと下位記録データのHTデータの間の差分を取ることで、HTデータを生成する例を説明したが、この演算は必須ではない。例えば、上位記録データと下位記録データの間にドットを形成するか否かの閾値を設けて、閾値判定によりHTデータを形成してもよい。
上記では、説明を簡単化するために、量子化として二値化を行う例を説明した。多値のHTデータを生成する場合は、閾値マトリクス1501、1510の各セルに複数の閾値を設定し、比較器1502、1503、1511、1512を量子化器に置き換えればよい。
[ドット配置]
図14によりHT処理部107が生成するHTデータを説明する。なお、図14においては、量子化後の値255を‘1’、値0を‘0’で表す。図14の左上は走査番号k=1において出力されるHTデータを示す。図10(a)に示すように、走査番号k=1におけるYデータはYH=128、YL=0であり、量子化後、Y'Hは‘1’または‘0’に、Y'Lは全画素‘0’になる。従って、HTデータY'として‘1’または‘0’が出力される。
一方、図10(b)に示すように、走査番号k=1におけるTデータはTH、TLともに0であり、量子化後、T'H、T'Lともに全画素‘0’になる。従って、HTデータT'として全画素‘0’が出力される。
図14の右上は走査番号k=2において出力されるHTデータを示す。図10(a)に示すように、走査番号k=2におけるYデータはYH=255、YL=128であり、量子化後、Y'Hは全画素‘1’に、Y'Lは‘1’または‘0’になる。従って、HTデータY'として‘0’または‘1’が出力される。ただし、k=1の場合とは、‘0’の画素と‘1’の画素の配置が異なる。
一方、図10(b)に示すように、走査番号k=2におけるTデータはTH、TLともに0であり、量子化後、T'H、T'Lともに全画素‘0’になる。従って、HTデータT'として全画素‘0’が出力される。
図14の左下は走査番号k=3において出力されるHTデータを示す。図10(a)に示すように、走査番号k=3におけるYデータはYH、YLともに255であり、量子化後、Y'H、Y'Lともに全画素‘1’になる。従って、HTデータY'として全画素‘0’が出力される。
一方、図10(b)に示すように、走査番号k=3におけるTデータはTH=0、TL=α/2であり、α/2=64かつ閾値マトリクス1510aが使用されると仮定すると、量子化後、T'Hは‘1’または‘0’、T'Lは全画素‘0’になる。従って、HTデータT'として‘1’または‘0’が出力される。
図14の右下は走査番号k=4において出力されるHTデータを示す。図10(a)に示すように、走査番号k=4におけるYデータはYH、YLともに255であり、量子化後、Y'H、Y'Lともに全画素‘1’になる。従って、HTデータY'として全画素‘0’が出力される。
一方、走査番号k=4におけるTデータはTH=α/2、TL=αであり、α=128かつ閾値マトリクス1510aが使用されると仮定すると、量子化後、T'Hは‘0’または‘1’、T'Lは‘1’または‘0’になる。従って、HTデータT'として‘0’または‘1’が出力される。ただし、k=3の場合とは、‘0’の画素と‘1’の画素の配置が一部異なる。
図15により色域境界部におけるドット配置を示す。図15は、図14に示すHTデータが出力された場合のドット配置を示す。つまり、走査番号k=1においてYドットの半数が形成され、k=2において全Yドットが形成され、k=3において一部のYドット上にTドットが重畳され、k=4において別の一部のYドット上にTドットが重畳される。図14、15の例において、無色色材のTドットの配置は、高い分散性を有するように制御されている。
なお、図14、15には、全TドットがYドット上に重畳された例を示すが、Yドットがない位置にTドットを配置してもよいし、全Yドット上にTドットを配置してもよい。図14、15は、Lab=(90, 0, 100)の色域境界部において、50%の面積率でTドットを分散するドットパターンにより光学薄膜(この例では膜厚約40nm)を形成する例を示す。これにより、薄膜干渉によるイエローの構造色が生じ、色域がイエロー方向に拡大する。
[構造色]
図16によりイエローの構造色が生じて色域がイエロー方向に拡大する理由を説明する。
図16は下層1601のY色材上に無色色材が重畳した積層状態において、無色色材による光学薄膜(クリア層)1602の薄膜干渉により正反射光の色がクリア層の厚さdに応じて変化する様子を示す。図16のグラフの軸は色度a*、b*を示し、グラフのカーブは薄膜干渉の影響を受けた正反射光の色を示す。なお、色域と区別するために、正反射光の色には「*」を付す。
薄膜干渉により正反射光の色がイエローになる領域、つまり、構造色がイエローになる領域は、b*>0かつa*=0付近であり、クリア層の厚さ40nm付近において最も顕著になる。言い替えれば、薄膜干渉により正反射光の色をイエローにするには、クリア層の厚さ(無色色材の膜厚)を40nm付近にすればよい。このようにして、薄膜干渉により正反射光の色をイエローにすることで、下層のY色材の正反射光の色との相乗効果により、色域をイエロー方向に拡大することができる。
図17により、図16に示す積層の正反射光の分光反射率を測定した結果を示す。無色色材の膜厚dは、図17(a)が20nm、図17(b)が40nm、図17(c)が60nm、図17(d)が80nmである。本来、光学薄膜の分光反射率は膜厚dに依らず一定であるが、膜厚dの変化によって正反射光の分光反射率が変化する測定結果が得られる。この測定結果は、薄膜干渉によって見掛けの分光反射率が変化することを示している。
他方、色域内部において、薄膜干渉は色域の拡大に寄与せず、不要であり、むしろ薄膜干渉を抑制して構造色を無色化する方がよい。さらに、色域内部における様々な色の構造色は画質弊害になり得る可能性もある。そのため、色域内部においては、薄膜干渉による正反射光の色付きを極力低減する必要がある。
●色域内部における薄膜干渉の抑制
以下では、RGB=(255, 255, 128)の場合の薄膜干渉光の抑制について説明する。なお、RGB=(255, 255, 128)は、色変換部1505により色域内部のLab=(90, 0, 50)に変換される(S301)と仮定する。
色域境界評価部1507は、色変換部1505が出力する色値Labと色域境界テーブル1508に基づき、注目画素の色が色域境界部に含まれる程度を評価する(S302)。この場合、b値が境界値bB未満(例えば、b<80)であるから、評価値E=0.0になる。
なお、「無色インクのハーフトーン処理」の説明においては、注目画素の色の色度bを評価する境界値bBにより評価値をE=(b-bB)/(100-bB)と計算する例を説明した。評価値Eは、色域境界部と色域内部の境目に近いほどE=0.0に近付き、色域境界に近いほどE=1.0に近付けばよい。この点を考慮すると、色域境界評価部1507が用いる色域境界テーブル1508を次のように設定することもできる。
C = √(a2 + b2);
E = f(C); ただし、0.0≦ E≦ 1.0 …(16)
ここで、Cはクロマ値。
あるいは
D = √{(100- L)2 + (0 - a)2 + (0 - b)2};
E = f(D); ただし、0.0≦ E≦ 1.0 …(17)
ここで、Lab=(100, 0, 0)は白色点、
Dは白色点と注目画素の色のユークリッド距離。
マトリクス生成部1509は、式(12)により評価値Eに応じた閾値マトリクスを生成する(S303)。この場合、E=0.0であるから図13(b)に示す閾値マトリクス1510bであるドット集中型の閾値マトリクスが生成される。従って、ドットは集中しクラスタになる。
図18により色域内部におけるドット配置を示す。走査番号k=1においてYドットの半数が形成され、k=2において全Yドットが形成され、k=3においてTドットが集中的に形成され、k=4においてk=3とは別の領域にTドットが集中的に形成される。図18の例において、無色色材のTドットの配置は、高い集中を有するように制御されている。図18はLab=(90, 0, 50)のイエローにおける無色色材のTドットの配置例を示し、Tドットの50%が集中しクラスタとして形成される。この結果、薄膜干渉による正反射光の色付きが無色に近付く。
図19により薄膜干渉による正反射光の色付きが無色に近付くことを説明する。図19(a)はTドットを分散して無色色材の光学薄膜を形成した様子を示す。一方、図19(b)はTドットを集中して無色色材の膜厚のばらつきを増加した様子を示す。図19(a)の状態においては薄膜干渉により正反射光の色付きが発生する。図19(b)の状態においては光学薄膜の膜厚のばらつきが大きく、薄膜干渉により正反射光に様々な色の色付きが局所的に発生する。様々な色の色付きが局所的に発生した正反射光を視認した場合、目の空間的なローパス特性(所謂面積の積分効果)によって局所的な色付きは知覚されず無色と知覚される。つまり、無色色材の光学薄膜の膜厚のばらつきを増加すると、薄膜干渉による正反射光の色付きが無色化されて視認され、画像弊害を低減することができる。
色域境界部と色域内部の中間部においては、ドット集中型の閾値マトリクスとドット分散型の閾値マトリクスの中間的な閾値マトリクスが生成され、薄膜干渉の強度の滑らかな制御が可能になる。
●他の色相の色域拡大
上記では、イエローYの色域拡大を説明したが、他の色相(レッドR、マゼンタM、グリーンG、ブルーB、シアンC、グリーンG)についても同様に薄膜干渉による色域拡大が可能である。図20により他の色相の色域拡大の概要を示す。
図16、図17に示すように、光学薄膜による構造色は膜厚により異るから、所望する色相の色付きになるように無色色材の光学薄膜の膜厚dを制御する必要がある。膜厚の制御は、式(1)に示すTインクの色分解テーブルTLUT_3Dにより可能である。つまり、構造色の色相が下層の色材の色相と同一または近似するTインクの色材量を実験によって決定し、実験結果に基づき色分解テーブルTLUT_3Dを設定すればよい。
[変形例]
上記では、記録走査ごとのディザ処理と、有色インクの記録後に無色インクを記録する制御により、有色色材の上に無色色材をドットの集中度を制御して重畳する例を説明した。しかし、記録走査ごとに誤差拡散処理を行って、上述と同等の制御を行うことが可能である。その場合、ドットの集中度の制御には、誤差拡散法におけるドット集中制御である、所謂、アウトプットフィードバック型の誤差拡散法を用いればよい。
また、有色インクの記録後、無色インクの記録を行うマスク分解(所謂パスマスク)を用いて、有色色材の上に無色色材を重畳することが可能である。さらに、入力画像データの色情報Labに応じて、マスク分解のドットパターンを集中させる制御(パスマスクのクラスタ化)によっても上述したドットの集中度の制御が可能である。マスク分解のドットパターン制御によるドットパターンクラスタ化制御は、例えば、特許文献2に示されるような方法が好ましい。
このように、有色色材の記録層の上に無色色材を定着する。その際、色域境界部においては、下層の有色色材の色相と同一または近似する、薄膜干渉による構造色の色相が得られるように無色色材の膜厚を制御する。他方、色域内部においては、無色色材の膜厚のばらつきを増大させて、薄膜干渉による正反射光の色付きを無色化するように制御する。さらに、色域境界部と色域内部の中間部は、無色色材の膜厚のばらつきを中間に制御して、色域境界部と色域内部の境目の目立ちを抑制する。
従って、光学薄膜による薄膜干渉を利用して色域(色再現範囲)を拡大し、画像の濃度向上、彩度向上を図ることができる。さらに、色域内部および色域境界部においては、薄膜干渉による構造色の色と強度を制御し、色域内部および色域境界部と色域内部の中間部においては、薄膜干渉による正反射光の色付きの程度を柔軟に制御することができる。
[明度方向の色域拡大]
上記では、彩度方向に色域を拡大する薄膜干渉の制御を説明したが、色の濃度(明度方向)に色域を拡大する制御も可能である。
ブラック色材の上に無色色材を重畳する際、黒領域の色域境界部において、無色色材を膜厚を制御して、比視感度の高い波長500-600nmにおける正反射光の光量が最小になるようにする。勿論、色域内部においては、無色色材の膜厚のばらつきを増大させて薄膜干渉による正反射光の色付きを抑制する(無色化する)。これにより、無色色材の光学薄膜による薄膜干渉を利用して、濃度方向(明度方向)の色域を拡大することができる。勿論、色域内部と色域境界部の間においては薄膜干渉の強度を制御して、色域境界部と色域内部の境目の目立ちを抑制する。
図21により色域を明度方向に拡大する制御を説明する。図21は下層のK色材上に無色色材が重畳した積層状態において、クリア層の厚さdにより正反射光の輝度が変化する様子を示す。なお、黒ガラスの反射輝度を1とする。
図21に示すように、膜厚60nm付近において、反射輝度が最も低下する。つまり、薄膜干渉により正反射光の輝度を小さくするには、無色色材の厚さを60nm付近にすればよいことが分かる。このようにして、正反射光の輝度を低減することで、下層のK色材の黒色との相乗効果により、濃度方向(明度方向)の色域を拡大することができる。
図22により、図21に示す積層の正反射光の分光反射率を測定した結果を示す。無色色材の膜厚dは、図22(a)が20nm、図22(b)が40nm、図22(c)が60nm、図22(d)が80nmである。本来、光学薄膜の分光反射率は膜厚dに依らず一定であるが、膜厚dの変化によって正反射光の分光反射率が変化する測定結果が得られる。この測定結果は、薄膜干渉によって見掛けの分光反射率が変化することを示している。とくに、比視感度が高い波長500-600nmの分光反射率が最低になるのは膜厚d=60nm付近であることが測定結果から分かる。
図23によりRGB=(0, 0, 0)の場合の明度方向の色域の拡大を説明する。なお、RGB=(0, 0, 0)は、色変換部1505により色域内部のLab=(5, 0, 0)に変換される(S301)と仮定する。図23に示すように、K色材の上に無色色材を厚さ約60nmで重畳することにより、薄膜干渉により比視感度が高い波長500-600nmの正反射光の強度を低下させ、明度方向の色域を拡大することができる。
また、黒色における色域内部(グレイライン)においては、光学薄膜による薄膜干渉光の制御は不要であり、彩度方向に色域を拡大する場合と同様に、薄膜干渉を抑制して正反射光の色付きを無色化する方がよい。
[膜厚の制御]
上記では、ドットパターンの集中度を制御することで、無色色材の光学薄膜の膜厚のばらつきを制御して薄膜干渉の強度を制御する例を説明した。しかし、ドットパターンの集中度以外の方法により膜厚のばらつきを制御してもよい。
例えば、膜厚のばらつきが比較的小さい薄膜になり易い無色インクSを吐出する記録素子列Tsと、膜厚のばらつきが小さい薄膜になり難い無色インクHを吐出する記録素子群Thをプリンタ220に用意する。HT処理部107は、例えばドット分散型の閾値マトリクス1510aを使用してTデータの量子化を行い、評価値Eに応じて記録素子列Tsを使うか記録素子列Thを使うかを示す1ビットのデータをTインクのHTデータに付加する。インク色選択部226は、付加ビットを参照して記録素子列TsとThの使用を制御する。
従って、色域境界部では所望の構造色が得られるよう無色インクSが使用され、色域内部では無色インクHが多用されて薄膜干渉による正反射光の色付きが抑制される。さらに、色域境界部と色域内部の中間部においては、無色インクSとTが評価値Eに応じた比率で使用され、無色インクSとHの双方を用いてクリア層が形成される。このようにしても、色域境界部における色域拡大と、色域内部における薄膜干渉による正反射光の色付きの無色化が可能である。
以下、本発明にかかる実施例2の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例2において、実施例1と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例1およびその変形例において、図19に示す有色色材と無色色材の二種類の積層構造を形成するために、図13に示すように、閾値マトリクス1510をドット集中型またはドット分散型に変化させる。しかし、特許文献2が示す方法のように、パスマスクのドット集中度を変化させて、図19に示す二種類の積層構造を形成することが可能である。なお、パスマスクは、予め設定されるテーブルである。実施例2では、ドット集中度が異なる二種類のパスマスクを色域に応じて切り替えて、図19に示す二種類の積層構造を形成する方法を説明する。
図24のブロック図により実施例2の画像処理装置の構成例を示す。パスドットパターン生成部801は、RGB多値の入力画像と、記録方式決定部806が出力する記録方式を示す情報RMに基づき、プリンタ220の記録パスごとのドットパターン(以下、パスドットパターン)を生成する。
パスドットパターンは、有色インクまたは無色インクを吐出するか否かを示す二値画像であり、同一領域を複数のパスで記録する際に、各パスにおいて記録するドットパターンである。パスドットパターンは、HT処理部803が出力する二値画像を、互いに排他関係を有するマスクで分配した画像であり、画像の解像度とサイズはHT処理部803が出力する二値画像と同じである。パスドットパターンは、前述した記録データに変換されて、図1に示すプリンタ220に出力される。
実施例2においては、8パス印刷を行い、前半の4パスで有色色材の記録を行い、後半の4パスで無色色材の記録を行う。そのため、パスドットパターン生成部801は、8パス印刷の前半の第1パスから第4パスまで、有色色材ごとに、四種類のパスドットパターンを生成する。また、8パス印刷の後半の第5パスから第8パスまで、無色色材の四種類のパスドットパターンを生成する。
パスドットパターン生成部801は、PCn、PMn、PYn、PKn(n=1-4)を出力する。例えば、PC1はシアンの第1パスのドットパターンであり、PM2はマゼンタの第2パスのドットパターンであり、CMYKは色材の色を、数字はパス番号を示す。
また、パスドットパターン生成部801は、PTn(n=5-8)を出力する。例えば、PT5は無色色材の第5パスのドットパターンであり、PT6は無色色材の第6パスのドットパターンである。
色分解部802は、色分解部103と同様に、RGB多値の入力画像を、画素ごとに、式(1)に基づき色分解する。なお、図24において、DC、DM、DY、DK、DTはそれぞれ、色分解後の有色色材と無色色材の多値の材量データを示す。多値の材量データの解像度とサイズは入力画像と同じである。
式(1)に含まれる有色色材用の色分解テーブルXLUT_3Dは、予め、色再現範囲、粒状性、階調性、濃度むらなどの特性を考慮して、公知の色分解テーブル作成方法に従い作成される。一方、無色色材用のTLUT_3Dは、予め、無色色材の記録量を異ならせた複数のパッチを形成し、それらパッチを測定し、測定結果から薄膜干渉の低減効果、色域の拡大効果、濃度の向上効果が好適に得られるテーブルとして作成される。
例えば、特許文献3は、正反射光の色付きと鏡面光沢度を考慮して無色色材の記録量を決定する方法を開示する。この方法を用いる場合、薄膜干渉の低減や色域の拡大に関しては、正反射光の色付きが目標値になるように無色色材の記録量を決定する。また、濃度の向上に関しては、暗部の濃度は鏡面光沢度を低下させれば向上するため、暗部において鏡面光沢度を小さくする無色色材の記録量を決定する。なお、ここで言及する濃度は、JIS Z8722の幾何条件cにおける鏡面反射を含むdi:8°の幾何条件の測定により得られる濃度である。
HT処理部803は、色分解後の材量データDC、DM、DY、DK、DTに基づき、有色色材と無色色材のドットパターンHC、HM、HY、HK、HTを生成する。なお、これらドットパターンは二値画像に相当し、解像度とサイズは材量データと同じである。有色色材と無色色材に対応する五つのドットパターンの生成方法は同じであり、以下では、シアン色材を例としてドットパターンHCの生成方法を説明する。
HT処理部803は、実施例1の比較器1502と同様に、画素ごとに、色分解後の色材量データと閾値マトリクスを比較してドットパターンを生成する。色材量データDCの範囲が0から255とすると、例えば、図13(a)に示す閾値マトリクス1501が用いられる。ここでは、閾値マトリクス1501をThCと表記する。HT処理部803は、色材量データDCに対して閾値マトリクスThCをタイル状に周期的に適用する。
ここで、色材量データDC、閾値マトリクスThC、ドットパターンHCの画素位置を(x, y)と表現する。なお、xは横方向(主走査方向)、yは縦方向(副走査方向)を表す。また、左上端の画素位置を(0, 0)とし、閾値マトリクスThCの横および縦のセル数をSxおよびSyとする。閾値マトリクス1501の場合、Sx=4、Sy=4である。このとき、ドットパターンHCの各画素の値は次式に従って決定される。
if (DC(x, y) < ThC(x%Sx, y%Sy))
HC(x, y) =‘0’;
else
HC(x, y) =‘1’; …(18)
ここで、%は剰余演算子、
画素値‘1’はオンドットを表す、
画素値‘0’はオフドットを表す。
有色パス分解部804は、HT処理部803が出力する有色色材のドットパターンHC、HM、HY、HKに基づき、有色色材のパスドットパターンをマスク処理によって生成する。図25により有色色材のパスドットパターンの生成方法を説明する。なお、有色色材のパスドットパターンの生成方法は四色で同じであり、以下では、C色材のパスドットパターンの生成方法を説明する。
図25(a)は有色パス分解部804が使用する第1パスから第4パスのパスマスク例を示す。パスマスクは二値画像であり、図25(a)に示す黒セルはドットの記録を許容するセル(値‘1’)、白セルはドットの記録を許容しないセル(値‘0’)である。また、第1パスから第4パスの各パスマスクをM1、M2、M3、M4と表記し、パスマスクの横および縦のセル数をMxおよびMyとする。なお、図25(a)(b)はMx=16、My=16のパスマスク例を示す。
有色パス分解部804は、パスマスクM1、M2、M3、M4をドットパターンHCにタイル状に周期的に適用する。第1パスのパスドットパターンPC1の各画素の値は、下式に示すドットパターンHCとパスマスクM1の論理積演算により決定される。勿論、他のパスにおけるシアン色材のパスドットパターンPC2、PC3、PC4も、パスマスクM2、M3、M4を用いて、下式により決定される。
PCp(x, y) = HC(x, y) & Mp(x%Sx, y%Sy) …(19)
ここで、pはパス番号(p=1-4)、
&は論理積演算子、
画素値‘1’はオンドットを表す、
画素値‘0’はオフドットを表す。
無色パス分解部805は、HT処理部803が出力する無色色材のドットパターンHTと、記録方式決定部806が出力する記録方式情報RMに基づき、無色色材のパスドットパターンをマスク処理によって生成する。
図25(b)は無色パス分解部805が使用するパスマスク例を示す。有色色材用のパスマスクと同様に、図25(b)に示す黒セルはドットの記録を許容するセル(値‘1’)、白セルはドットの記録を許容しないセル(値‘0’)である。前述したように、実施例2においては8パス印刷を行い、前半の4パスが有色色材の記録、後半の4パスが無色色材の記録である。従って、図25(b)は、後半の4パスである第5パスから第8パスのパスマスクを示す。
また、パスマスクのドット集中度を変化させて図19に示す有色色材と無色色材の二種類の積層構造を形成するため、図25(b)にはドット分散型のパスマスクとドット集中型のパスマスクの二種類のパスマスクが示されている。ドット集中型のパスマスクは、記録を許容するセルがクラスタ状に配置される。一方、ドット分散型のパスマスクは、記録を許容するセルが分散配置される。無色パス分解部805は、記録方式決定部806が出力する記録方式情報RMに基づき、これら二種類のパスマスクを選択し、選択したパスマスクをドットパターンHTにタイル状に周期的に適用する。
第5パス、第6パス、第7パス、第8パスのパスドットパターンの生成に用いられるドット分散型のパスマスクをMB5、MB6、MB7、MB8と表記する。第5パス、第6パス、第7パス、第8パスのパスドットパターンの生成に用いられるドット集中型のパスマスクをMS5、MS6、MS7、MS8と表記する。
記録方式情報RMは、ドットパターンと同じ解像度とサイズを有する画像であり、画素値によって凹凸化(値‘0’)と薄膜化(値‘1’)を示す。ドット集中型かドット分散型かを示す。無色パス分解部805は、凹凸化が指定された画素にドット集中型のパスマスクを選択して図19(b)に示す積層構造を形成し、薄膜干渉の低減を図る。一方、薄膜化が指定された画素にドット分散型のパスマスクを選択して図19(a)に示す積層構造を形成し、色域拡大や濃度向上を図る。
第5パスの無初期色材のパスドットパターンPT5の各画素の値は、下式に示すドットパターンHTと、パスマスクMB5またはパスマスクMS5の論理積演算により決定される。勿論、他のパスにおける無色色材のパスドットパターンPT6、PT7、PT8も、パスマスクMB6、MB7、MB8またはパスマスクMS6、MS7、MS8を用いて、下式により決定される。
if (RM(x, y) = ‘0’)
PTp(x, y) = HT(x, y) & MSp(x%Sx, y%Sy);ドット集中
else
PTp(x, y) = HT(x, y) & MBp(x%Sx, y%Sy);ドット分散 …(20)
ここで、pはパス番号(p=5-8)。
記録方式決定部806において、色変換部807は、RGB多値の入力画像の色値を算出するために、入力画像を例えばCIELAB空間のLab画像に色変換する。Lab値は、入力画像を生成したデバイスのカラープロファイルを用いてJIS X 9207に規定された方法によって算出する。
判定部808は、各画素の色値(Lab値)に基づき、各画素の記録方式を判定する。例えば、明度値L<30の場合は記録方式を薄膜化と判定し、明度値L≧30の場合は記録方式を凹凸化と判定する。これにより、明度値L<30の暗部において濃度の向上が図られ、明度値L≧30の領域では薄膜干渉の低減が図られる。
if (L(x, y) < 30)
RM(x, y) = ‘1’;薄膜化
else
RM(x, y) = ‘0’;凹凸化 …(21)
上記では明度値Lに基づき記録方式を切り替える例を示したが、実施例1に示したようにLab画像の色度値a、bから求めた彩度値Cに基づき記録方式を切り替えてもよい。この場合、例えば、彩度値C<30の場合は凹凸化を選択し、彩度値C≧30の場合は薄膜化を選択する。これにより、彩度値C<30の低彩度領域において薄膜干渉の低減が図られ、彩度値C≧30の領域では色域の拡大が図られる。また、Lab画像とテーブルを用いて記録方式を決定することも容易に実現可能であり、色に応じて記録方式を最適に切り替えることができる。例えば、特定の色や色域境界について薄膜化を選択するといった細かい切り替えが可能になる。
図26により実施例2の画像処理を説明する。図26(a)は画像処理のフローチャートを示すが、図26(a)は1バンド分の画像処理を示し、印刷対象の画像データの全部を処理するまで図26(a)の処理がバンド単位に繰り返される。
画像処理装置100にRGB画像データが入力されると(S401)、色分解部802は、RGB画像データを材量データDC、DM、DY、DK、DTに色分解しする(S402)。続いて、HT処理部803は、材量データをハーフトーン処理して、有色色材と無色色材のドットパターンHC、HM、HY、HK、HTを生成する(S403)。そして、有色パス分解部804は、有色色材のドットパターンHC、HM、HY、HKをパス分解する(S404)。パス分解によって得られる有色色材のパスドットパターンは、対応するパスごとにプリンタ220に出力される。
一方、色変換部807は、RGB画像データをLab画像データに色変換し(S405)、判定部808は、Lab画像データに基づき記録方式情報RMを生成する(S406)。なお、ステップS405とS406の処理は、ステップS404の処理が完了する前に終了することが好ましい。無色パス分解部805は、記録方式情報RMに基づき、無色色材のドットパターンHTをパス分解する(S407)。パス分解によって得られる無色色材のパスドットパターンは、対応するパスごとにプリンタ220に出力される。
図26(b)は、二種類のパスマスクを用いて125色のカラーパッチをプリントし、最暗部の明度と、光沢色付きの平均値を測定した結果を示す。明度は、JIS Z 8722の幾何条件cにおける鏡面反射を含むdi:8°の幾何条件で測定された。また、光沢色付きは、正反射光の彩度であり、薄膜干渉の低減効果を示し、光沢色付きの値が小さいほど薄膜干渉の低減効果が大きい。光沢色付きは、特許文献4に記載された方法で測定された。
図26(b)に示すように、暗部の濃度向上にはドット分散型のパスマスクが有効であり、薄膜干渉の低減にはドット集中型のパスマスクが有効であることが分かる。何故ならば、ドット集中型のパスマスクで無色色材の層を凹凸化すると比視感度の高い波長500〜600nmの光を薄膜干渉により打ち消す効果が、ドット分散型のパスマスクで無色色材の層を薄膜化する場合に比べて低下するからである。また、薄膜干渉の低減効果は、ドット分散型のパスマスクにより無色色材の層を薄膜化する場合に比べ、ドット集中型のパスマスクで無色色材の層を凹凸化する場合の方が大きい。つまり、一種類のパスマスクでは、濃度向上と薄膜干渉の低減を両立できないことが分かる。実施例1、実施例2に示したように、無色色材の記録方式を色によって切り替えることにより、このようなトレードオフを解消することができる。
このように、色域内の低彩度域においては、ドット集中型のパスマスクを用いて無色色材の層を凹凸化することで、薄膜干渉を低減する効果が期待される。また、暗部においては、ドット分散型のパスマスクを用いて、無色色材の層を薄膜化して比視感度の高い波長500〜600nmの光を薄膜干渉によって打ち消すことで、濃度を向上する効果が期待される。また、色域境界などの高彩度域においては、ドット分散型のパスマスクを用いて無色色材の層を薄膜化して、薄膜干渉により所望する色の干渉光を発生させることで、色域を拡大する効果が期待される。つまり、実施例2によれば、実施例1と同様の効果が得られる。
以下、本発明にかかる実施例3の画像処理装置および画像処理方法を説明する。なお、実施例3において、実施例1、2と略同様の構成については、同一の符号を付して、その詳細な説明を省略する場合がある。
実施例2においては、無色色材のドットパターンHTをバス分解するパスマスクを画素ごとに切替可能にする例を説明した。実施例3では、パスマスクの切替を画素ごとではなく、複数の画素から構成される単位領域ごとに行う例を説明する。なお、単位領域ごとに記録方式を切り替えた場合、画像のエッジ部において濃度差に起因するジャギーのような画質劣化が発生する可能性がある。実施例3においては、そのような画質劣化を防止可能な構成を示す。
図27のブロック図により実施例3の画像処理装置の構成例を示す。図24に示す実施例2の構成と異なるのは、記録方式決定部806の平均値算出部811、暗部比率算出部812、判定部813である。さらに、判定部813が例えば8×8画素の単位領域ごと記録方式を選択するため、無色パス分解部805の動作が異なる。つまり、無色パス分解部805は、ドット分散型のパスマスクとドット集中型のパスマスクの切り替えを単位領域ごとに行って無色色材のドットパターンのパス分解を行う。
平均値算出部811は、単位領域のLab値の平均値Lmambmを算出する。なお、平均値Lmambmは、単位領域のL値の平均値、a値の平均値、b値の平均値を示す。
暗部比率算出部812は、単位領域の暗部比率rを算出する。暗部比率rは、単位領域において所定の明度閾値ThLよりも暗い画素(L<ThL)の数nを、単位領域の画素数Nで除算した値(n/N)である。例えば、単位領域が8×8画素とすると、単位領域の画素数Nは64である。また、明度閾値ThLは例えば30である。この場合、単位領域に明度20の画素が32、明度80の画素が32あるとすると暗部比率はr=32/64=0.5になる。
判定部813は、単位領域ごとに、平均値Lmambmと暗部比率rに基づき記録方式を選択する。図28により記録方式の選択方法を説明する。図28(a)において、面積率閾値Thrは暗部比率rと比較される閾値であり、例えば、Thr=0.4である。
図28(a)に示すテーブルに従えば、暗部に属す画素が比較的少ない(r<Thr、例えば四割未満)単位領域の場合、平均明度値Lmが低い(Lm<ThL、例えば30未満)と記録方式に薄膜化を選択して濃度の向上を図る。また、平均明度値Lmが高いと記録方式に凹凸化を選択して薄膜干渉の低減を図る。
一方、暗部に属す画素が多い(r≧Thr、例えば四割以上)単位領域の場合、平均明度値Lmに関わらず記録方式に薄膜化を選択して、前述したエッジ部の画質劣化を防止する。つまり、暗部比率が面積率閾値未満(r<Thr)かつ平均明度値が明度閾値以上(Lm≧ThL)の場合だけ凹凸化が選択される。この理由は後述する。
図28(a)に示すテーブルにおいて、平均色度値am、bmを使用しないが、r<Thrの場合は、平均色度値am、bmも考慮して記録方式を選択することも可能である。例えば、平均色度値am、bmから求めた平均彩度値Cmが所の閾値よりも大きい場合は記録方式に薄膜化を選択することで、色域の拡大を図ることができる。
図29のフローチャートにより実施例3の画像処理を説明する。図29は1バンド分の画像処理を示し、印刷対象の画像データの全部を処理するまで図29の処理がバンド単位に繰り返される。なお、図26(a)に示す処理と略同様の処理には、同一符号を付して、その説明を省略する。
平均値算出部811は、色変換部807から単位領域のLab画像データを入力して、少なくとも平均明度値Lmを算出する(S411)。暗部比率算出部812は、色変換部807から単位領域のLデータを入力して、暗部比率rを算出する(S412)。判定部813は、単位領域の平均明度値Lmと暗部比率rに基づき記録方式情報RMを生成する(S413)。なお、判定部813は、単位領域の画素すべてに値‘0’(凹凸化)または値‘1’(薄膜化)を設定した記録方式情報RMを出力する。
次に、図28(a)に示すテーブルを用いて無色色材の記録方式を選択する理由を説明する。前述したように、暗部の濃度向上には薄膜化が有効であり、薄膜干渉の低減には凹凸化が有効である。この点に着目すれば、図28(b)に示すテーブルを使用して、暗部(Lm<ThL)で薄膜化、暗部以外(Lm≧ThL)で凹凸化を選択すれば、濃度の向上と薄膜干渉の低減を両立可能である。つまり、図28(b)に示す平均明度値Lmのみを考慮するテーブルが利用可能である。しかし、平均明度値Lmのみを考慮したテーブルを用いると問題が発生する可能性がある、
図30により平均明度値Lmのみを考慮したテーブルを用いた場合に発生する可能性がある問題を説明する。図30(a)は明度閾値ThLの設定または単位領域の平均輝度値Lmによって、単位領域の記録方式が変化する様子を示している。つまり、一部が暗部であるエッジ部(単位領域)は、Lm≧ThLであり凹凸化が選択される。一方、当該エッジ部の左に隣接する均一部A(単位領域)は暗部だけから構成され、Lm<ThLであり薄膜化が選択される。
仮に、均一部Aとエッジ部の暗部の画素値が図26に示す最暗部に相当すると、薄膜化が選択された均一部Aの明度値は19、凹凸化が選択されたエッジ部の暗部の明度は24になり、その差が濃度差として目立つことになる。この濃度差は、ジャギーのような画質劣化として視認される。
図30(c)は8×8画素の単位領域が6×6ある様子を示し、対角線上に位置する単位領域が図30(a)におけるエッジ部に相当し、対角線の左下側に位置する単位領域が図30(a)における均一部Aに相当する。図30(d)は、均一部Aの単位領域について薄膜化が選択され、対角線上のエッジ部の単位領域について凹凸化が選択された場合の濃度を表す。上記の仮定が当て嵌るとすれば、均一部Aの単位領域の明度が19、エッジ部の単位領域の暗部の明度が24になり、図30(d)に示す単位領域サイズの階段状の濃度変化がジャギーのような画質劣化として視認される。
上記の画質劣化の発生を防ぐには、図30(b)に示すように、エッジ部のように暗部を多く含む単位領域について薄膜化を選択すればよい。しかし、図28(b)に示す平均明度値Lmのみを考慮したテーブルを用いて、これを実現するには、明度閾値ThLを明るい側に設定する必要がある。
例えば、明度値が30以下の画素を暗部とし、紙白の明度値を90とする場合、単位領域における暗部比率rが50%以上で薄膜化を選択するには、明度閾値ThLを30と90の中間の60に設定する必要がある。しかし、画素値が均一なグラデーション画像では、明度閾値ThLを30くらいの暗い値に設定し、それよりも明るい領域は凹凸化を選択して薄膜干渉を低減したい要求がある。言い替えれば、、平均明度値Lmだけを考慮する図28(b)に示すテーブルによれば、暗部を多く含む単位領域で薄膜化を選択し、明度が30よりも明るい領域で凹凸化を選択する、という二つの要求を満たせない。
これら二つの要求を満たすために、実施例3では、平均明度値Lmだけではなく、暗部比率rを考慮する図28(a)に示すテーブルを用いる。当該テーブルによれば、r<Thr(面積率閾値)の場合は図28(b)に示すテーブルを用いる場合と同じ結果が得られ、r≧Thrの場合は、平均明度値Lmに関わらず薄膜化が選択される。これにより、単位領域ごとに記録方式を切り替える場合に発生する可能性がある画質劣化を防止することができる。
[変形例]
図19に示す有色色材と無色色材の二種類の積層構造を形成するために、実施例1では閾値マトリクスを切り替える方法、実施例2、3ではパスマスクを切り替える方法を説明した。積層構造の形成は、その他の方法でも実現可能である。例えば、特許文献5に記載されたグリーンノイズ法による誤差拡散処理を用いれば、透明インクのドットの集中度を色によって変化させることができ、積層構造を形成することができる。また、特許文献6に記載されたインデックスパターンの切り替えによっても積層構造の形成が実現される。また、記録ヘッド221から吐出するCLインクのドットサイズを公知の方法で制御して積層構造の形成を実現することができる。
また、実施例3では、記録方式を単位領域ごとに切り替える場合のエッジ部の画質劣化を防止する方法を説明した。しかし、単位領域ではなく、画素単位に記録方式を切り替える場合も、図30(a)に示すようなエッジ部の画質劣化が発生する可能性がある。つまり、無色色材をクラスタ状に記録して凹凸化を図る場合、クラスタ領域に暗部が含まれると、当該暗部の濃度は、薄膜化する場合に比べて明るくなる。当該クラスタに隣接する領域に薄膜化した無色色材によって濃度の向上が図られた暗部が存在する場合、濃度向上領域とクラスタ領域の間の濃度差が目立つことになる。この解決には、例えば実施例3のように、明度が所定の閾値以下の画素は、必ず薄膜化の対象にすればよい。あるいは、無色色材をクラスタ状に形成しようとする領域の暗部比率rを実施例3と同じ方法で求め、r>Thr(面積率閾値)の場合、無色色材のクラスタ状形成を中止する。そして、当該領域の暗部は、無色色材を薄膜状に形成する。
また、図30(a)に示すようなエッジ部の画質劣化は、単位領域内の画素配置によって目立つ度合いが変化する。そのため、判定部813において、平均値Lmambmと暗部比率rに加え、画素配置も考慮して、記録方式情報RMを決定しても構わない。例えば、平均値Lmambmと暗部比率rが同じ二つの単位領域を比較した場合、空間周波数が高い単位領域ほどドットゲインの影響により画質劣化が目立ち易い。そこで、空間周波数が高い単位領域は、薄膜化が選択され易いように記録方式の決定テーブルを作成する。
上記各実施例においては、所定方向に配列された複数の記録素子を有する記録ヘッドを記録素子の配列方向と直交する方向に複数回走査して、記録媒体にインクを吐出して画像を形成するインクジェット記録方式のプリンタに対応する画像処理装置を説明した。
しかし、本発明は、インクジェット記録方式以外の他の方式の記録装置(例えば熱転写方式や電子写真方式)のプリンタに対応する画像処理装置にも適用することができる。その場合、インク滴を吐出するノズル(記録素子)が、インクを溶融する発熱素子やドットの潜像を形成するレーザ発光素子に対応する。
また、記録媒体の記録幅に対応する長さの記録ヘッドを有し、記録ヘッドに対して記録媒体を移動して記録を行う、所謂フルライン型の記録装置などにも本発明を適用することができる。フルライン型の記録装置の場合、有色インクの記録の後、無色インクを記録するように、記録ヘッドを配置すればよい。
[その他の実施例]
本発明は、上述の実施形態の一以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける一以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、一以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
100 … 画像処理装置、103 … 色分解部、110 … 生成部

Claims (28)

  1. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するための記録データを生成する画像処理装置であって、
    入力画像データのに基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成する色分解手段と、
    前記材量データに基づき、前記記録データを生成する生成手段と、
    前記記録データに基づいて、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の同一になる又は近似するよう制御する制御手段と、
    を有することを特徴とする画像処理装置。
  2. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するためのデータを生成する画像処理装置であって、
    入力画像データの値に基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成する色分解手段と、
    前記材量データに基づき、画像記録装置が画像を記録するために用いるN値データ(N≧2)を生成する生成手段と、を有し、
    前記N値データ(N≧2)は、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
    前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の色同一になる又は近似するように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする画像処理装置。
  3. 前記高透過率材に対応する前記色分解テーブルは、前記高透過率材の記録量が異なる複数のパッチを形成し、前記複数のパッチの測定結果に基づいて作成されたテーブルであることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  4. 前記生成手段は、
    前記記録材ごとに、前記材量データに基づき、記録走査ごとの記録データを設定する設定手段と、
    前記記録走査ごとの記録データにハーフトーン処理を行って、前記記録走査ごとのN値データ(N≧2)を生成するハーフトーン処理手段と
    を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  5. 前記色分解手段は、前記入力画像データのRGB値に基づき前記高透過率材の材量データを決定することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  6. 前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、前記画像記録装置が再現可能な色域の内部について、前記高透過率材の層の厚みのばらつきを大きくするように、前記高透過率材の吐出を制御するために用いられることを特徴とする請求項2乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  7. 前記ハーフトーン処理手段は、ドット分散型の閾値マトリクスを用いて前記有色色材の記録データをハーフトーン処理し、前記入力画像データの色に基づく閾値マトリクスを用いて前記高透過率材の記録データをハーフトーン処理することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  8. 前記入力画像データの色が前記画像記録装置の色域の境界部に対応する場合、前記ハーフトーン処理手段は、前記高透過率材の記録データのハーフトーン処理にドット分散型の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項7に記載の画像処理装置。
  9. 前記入力画像データの色が前記画像記録装置の色域の内部に対応する場合、前記ハーフトーン処理手段は、前記高透過率材の記録データのハーフトーン処理にドット集中型の閾値マトリクスを用いることを特徴とする請求項7又は8に記載の画像処理装置。
  10. 前記ハーフトーン処理手段は、
    前記入力画像データの色が属す前記画像記録装置の色域の領域を示す評価値を計算する評価手段と、
    前記評価値に基づきドット分散型の閾値マトリクスとドット集中型の閾値マトリクスを線形結合した閾値マトリクスを生成するマトリックス生成手段と
    を有することを特徴とする請求項7乃至9のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  11. 前記ハーフトーン処理手段は、前記生成された閾値マトリクスを用いて前記高透過率材の記録データを量子化することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  12. 前記評価手段は、前記入力画像データの色の色度に基づき前記評価値を計算することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  13. 前記評価手段は、前記入力画像データの色のクロマ値に基づき前記評価値を計算することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  14. 前記評価手段は、前記入力画像データの色と白色点の距離に基づき前記評価値を計算することを特徴とする請求項10に記載の画像処理装置。
  15. 前記設定手段は、テーブルを参照して、前記記録データとして第一の記録データと第二の記録データを設定することを特徴とする請求項4に記載の画像処理装置。
  16. 前記ハーフトーン処理手段は、前記第一の記録データと前記第二の記録データをそれぞれハーフトーン処理し、前記ハーフトーン処理した第二の記録データから前記ハーフトーン処理した第一の記録データを減算した結果を前記ハーフトーン処理後の記録データとすることを特徴とする請求項15に記載の画像処理装置。
  17. さらに、前記N値データ(N≧2)を前記画像記録装置に出力する出力手段を有することを請求項2に記載の画像処理装置。
  18. 前記高透過率材は、前記有色色材と同一または近似する色相、かつ、前記有色色材よりも高い透過率を有する色材であることを特徴とする請求項1乃至17のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  19. 前記制御手段は、画像記録装置が再現可能な色域を拡大するように、前記高透過率材の層の厚みを制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  20. 前記制御手段は、画像記録装置が再現可能な色域の境界部について、前記有色色材の層の上に形成される前記高透過率材の層の厚みを、前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色の色相が前記有色色材の色相と同一になる又は近似するよう制御することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
  21. 前記N値データ(N≧2)は、前記画像記録装置が再現可能な色域を拡大するように、前記高透過率材の層の厚みを制御するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  22. 前記N値データ(N≧2)は、前記画像記録装置が再現可能な色域の境界部について、前記有色色材の層の上に形成される前記高透過率材の層の厚みを、前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色の色相が前記有色色材の色相と同一になる又は近似するように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする請求項2に記載の画像処理装置。
  23. 前記N値データは二値データであって、
    前記二値データを前記記録材を吐出するか否かを示す、ドット分散型の二値のパスマスクで分配することによって、記録走査ごとの二値データを生成する第2生成手段をさらに、有し、
    前記記録走査ごとの二値データは、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
    前記高透過率材の吐出に対応する前記記録走査ごとの二値データは、前記有色色材の層の上に形成される前記高透過率材の層の厚みを、前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色の色相が前記有色色材の色相と同一になる又は近似するように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする請求項2又は3に記載の画像処理装置。
  24. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するためのデータを生成する画像処理装置であって、
    入力画像データの値に基づいて、前記色値と、比視感度が高い波長における正反射光の光量が最小になる前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成する色分解手段と、
    前記材量データに基づき、画像記録装置が画像を記録するために用いるN値データ(N≧2)を生成する生成手段と、を有し、
    前記N値データ(N≧2)は、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
    前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、記高透過率材の層の厚みを、前記正反射光の光量が最小になるように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする画像処理装置。
  25. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するための記録データを生成する画像処理方法であって、
    入力画像データの値に基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成し、
    前記材量データに基づき、前記記録データを生成し、
    前記記録データに基づいて、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の同一になる又は近似するよう制御することを特徴とする画像処理方法。
  26. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するためのデータを生成する画像処理方法であって、
    入力画像データの値に基づいて、前記色値と、前記有色色材の層の色と前記高透過率材の層における薄膜干渉により色付いた正反射光の色とが同一になる又は近似する前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成し、
    前記材量データに基づき、画像記録装置が画像を記録するために用いるN値データ(N≧2)を生成し、
    前記N値データ(N≧2)は、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
    前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、記高透過率材の層の厚みを、前記反射光の色前記有色色材の層の同一になる又は近似するように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする画像処理方法。
  27. 記録材として有色色材および高透過率材を用いて前記有色色材の層の上に前記高透過率材の層を形成するためのデータを生成する画像処理方法であって、
    入力画像データの値に基づいて、前記色値と、比視感度が高い波長における正反射光の光量が最小になる前記高透過率材の記録量と、が対応付けられた色分解テーブルを参照することにより、前記記録材それぞれの記録量を表す材量データを生成し、
    前記材量データに基づき、画像記録装置が画像を記録するために用いるN値データ(N≧2)を生成し
    前記N値データ(N≧2)は、前記有色色材の吐出と、前記高透過率材の吐出と、を制御するために用いられ、
    前記高透過率材の吐出に対応する前記N値データ(N≧2)は、記高透過率材の層の厚みを、前記正反射光の光量が最小になるように、前記高透過率材の吐出により制御するために用いられることを特徴とする画像処理方法。
  28. コンピュータを請求項1乃至24のいずれか1項に記載の画像処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
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