JP7346114B2 - 記録装置、画像処理装置、記録物、およびプログラム - Google Patents

記録装置、画像処理装置、記録物、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、記録媒体に対して、所定の色相を呈し、かつ、光輝性を備えたメタリックカラーで記録することが可能な記録装置、ならびに、画像データを処理する画像処理装置、記録物、およびプログラムに関する。
メタリックカラーで記録可能な記録装置では、メタリックインクにより形成された銀色の金属光沢(光輝性)を発現するメタリック層上に、カラーインクにより所定の色相を呈するカラー層を積層する。これにより、所定の色相を呈し、かつ、金属光沢を備えたメタリックカラーを実現している。
特許文献1には、カラーインクについて、メタリック層上にカラー層を形成する場合は、それ以外の場合と比較して、屈折率が低くなるような組成(シアン、マゼンタ、イエローなどの組み合わせ)とする技術が開示されている。これにより、カラー層表面での反射を抑制してカラー層内に入り込む光が増し、メタリック層での光の反射量を増大させて明度を高めることができるものとされている。
特開2014-180799号公報
一方で、特殊印刷においては、着色フィルムにアルミニウムを蒸着した箔押しフィルムや金属箔を箔押しすることでメタリックカラーを実現している。特殊印刷に用いられるアルミ蒸着フィルムによるメタリックカラーでは、明度や彩度が高い正反射光を実現可能である。しかし、インクジェット記録装置でメタリックカラーを再現する場合には、光輝性インク層の上に色材の層を積層する必要がある。しかしながら、正反射光の彩度を高くするために色材層を厚くすると、内部散乱により明度が低下してしまう。一方で、明度を高くするために色材層を薄くすると彩度が低下してしまうという課題がある。
特許文献1に記載の方法では、カラー層に入り込んだ光の散乱などについて考慮されていない。このため、十分な彩度の正反射光を得るためにカラー層を厚くすると、カラー層内で散乱した光によって拡散光が増えて正反射光が小さくなり、カラー層を薄くすると正反射光の明度が高くなるが彩度が小さくなる。従って、カラー層の厚さを考慮するだけでは、正反射光の明度と彩度をいずれも高くすることができない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、明度と彩度がともに高い正反射光を有するメタリックカラーを発現させることが可能な技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明は、光輝性を備えるメタリックカラー画像を記録するための記録装置であって、光輝性を発現するメタリックインクと、有色色材を含有するカラーインクと、有色色材を含有しないクリアインクと、を記録媒体に付与することが可能な記録ヘッドと、メタリックカラー画像の色相を示す色相情報に基づき、メタリックインク、カラーインク、およびクリアインクのそれぞれについて、単位面積あたりの付与量を設定する設定手段と、前記設定手段で設定された付与量に基づいて、メタリックインクにより形成されたメタリック層上に、カラーインクにより形成されたカラー層を形成し、該カラー層上にクリアインクによるクリア層を形成するように、前記記録ヘッドによるメタリックカラー画像の記録を制御する制御手段と、を備え、前記設定手段は、メタリックカラー画像を記録する記録領域における、拡散光の明度を、正反射光の明度で除した値が0.2以下となるようにカラーインクの付与量を設定することを特徴とする。
本発明によれば、明度と彩度がともに高い正反射光を有するメタリックカラーを発現させることができるようになる。
本実施形態における記録装置の概略構成図。 記録装置の制御系のブロック構成図。 記録ヘッドにおける吐出口列を説明する図。 生成処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャート。 本実施形態による発現するメタリックカラーの原理を説明する図。 クリアインク付与量と、発現する正反射光の色味との関係を示したグラフ。 メタリックカラーの反射強度分布を示す図。 正反射光の明度を測定するための測定装置を示す図。 評価結果を示す表。 メタリックカラー変換テーブルの一例を示す図。 マルチパス記録を説明する図。 本実施形態におけるマスクパターンの一例を示す図。 本実施形態における記録動作を説明する図。 メタリックカラー変換テーブルの変形例を示す図。
以下、本実施形態による記録装置、画像処理装置、記録物、およびプログラムについて、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の説明は、本実施形態を限定するものではなく、また、以下で説明されている特徴の組み合わせのすべてが本実施形態の解決手段に必須のものとは限らない。なお、本実施形態に記載されている構成要素の相対配置、形状などは、あくまで例示であり、本実施形態の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
(装置構成)
まず、図1および図2を参照しながら、本実施形態による記録装置10の構成について説明する。図1は、本実施形態の記録装置10の一部を破断した斜視構成図である。図2は、記録装置10の制御系のブロック構成図である。記録装置10は、記録媒体Mに対して、インクジェット方式により記録ヘッド16からインクを吐出して記録するインクジェット装置である。
記録装置10は、記録媒体Mを搬送する搬送部12と、搬送部12により搬送される記録媒体Mに対してインクを付与して記録する記録部14とを備えている。搬送部12は、駆動モータ34(図2参照)によって駆動が制御される搬送ローラ35(図2参照)により記録媒体Mを搬送方向に搬送する。記録部14は、記録媒体Mに対してインクを吐出する記録ヘッド16と、記録ヘッド16を搭載し、記録ヘッド16を搬送方向と交差する走査方向に移動するキャリッジ18とを備えている。また、記録部14は、記録ヘッド16においてインクを吐出する吐出口が形成された吐出口面と対向する位置に、プラテン20を備えている。
キャリッジ18は、走査方向に延在するガイドシャフト22に移動自在に支持され、駆動モータ38(図2参照)の駆動によって、ガイドシャフト22に沿って、走査方向に往復移動する。記録ヘッド16は、カラーインク、メタリックインクおよびクリアインクを吐出可能な構成となっている。本実施形態では、カラーインクは、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクが用いられる。記録ヘッド16から吐出されるカラーインクについては、上記した4色に限定されるものではない。
記録装置10では、キャリッジ18を介して記録ヘッド16が、走査方向の往方向に移動するとき、および、走査方向の復方向に移動するときのいずれにおいても、インクを吐出して記録する、所謂、双方向記録方式が採用されている。記録装置10には、ホストコンピュータ23が接続されている。記録装置10は、ホストコンピュータ23から記録動作コマンド(記録ジョブ)が入力されると、駆動モータ34の制御によって搬送ローラ35が駆動され、キャリッジ18に搭載された記録ヘッド16により記録可能な位置まで、記録媒体Mが搬送される。その後、駆動モータ38の制御によって、キャリッジ18を介して記録ヘッド16を走査方向で移動しながら、記録ヘッド16から記録媒体Mに対してインクを吐出して記録する記録動作が実行される。この記録動作が終了すると、駆動モータ34によって、記録媒体が所定量搬送される搬送動作が行われ、その後、再度記録ヘッド16による記録動作が行われる。こうした記録動作と搬送動作とを繰り返し実行して記録媒体Mに所定の画像を記録することとなる。
記録装置10は、図2のように、受信した画像データの処理、装置全体の制御などを行うコントローラ30を備えている。コントローラ30は、図示は省略するが、例えば、CPU、ROM、およびRAMなどを備えている。そして、CPUがRAMをワークエリアとしながら、ROMに格納されたプログラムや各種パラメータに従って、演算、判断、制御などの各種処理を行う。
コントローラ30は、モータドライバ32に接続され、モータドライバ32を介して搬送ローラ35を駆動するための駆動モータ34の駆動を制御する。また、コントローラ30は、モータドライバ36に接続され、モータドライバ36を介してキャリッジ18を移動するための駆動モータ38の駆動を制御する。
コントローラ30は、受信バッファ40を介してホストコンピュータ23に接続されている。ユーザは、ホストコンピュータ23を介して記録装置10に対して、記録画像を表す画像データなどの各種情報を入力する。受信バッファ40は、ホストコンピュータ23からのデータを一時的に格納し、コントローラ30からデータの読み込みが行われるまでデータを格納しておく。
フレームメモリ42(42K、42C、42M、42Y、42CL、42LU)は、コントローラ30で変換された2値の記録データを展開するためのメモリであって、インク毎に設けられている。コントローラ30は、例えば、ROMに格納されたインデックスパターンを利用して、受信バッファ40から読み出された多値の画像データを2値の記録データに変換(インデックス展開)し、この記録データをフレームメモリ42に格納する。フレームメモリ42は、例えば、記録媒体1枚分の記録データに対応する容量となる。
コントローラ30は、記録制御部44に接続される。記録制御部44は、記録ヘッドドライバ46を介して記録ヘッド16と接続されている。コントローラ30の制御によって、インク毎の記録データに基づき、記録ヘッドドライバ46を介して記録ヘッド16におけるインクの吐出を制御する。具体的には、記録ヘッドドライバ46は、記録制御部44からの信号によって、記録ヘッド16に設けられた吐出エネルギー発生素子の駆動を制御して、吐出口からインクを吐出させる。本実施形態では、コントローラ30および記録制御部44が、記録ヘッド16による記録媒体Mへの記録を制御する制御部として機能している。バッファ48(48K、48C、48M、48Y、48CL、48LU)は、インク毎の記録データを一時的に記憶するための構成であり、記録素子基板24(後述する)における吐出口の数に対応する容量となる。
こうした構成において、記録装置10では、まず、ホストコンピュータ23から入力される画像データは、受信バッファ40で一時的に格納され、コントローラ30によってインク毎にフレームメモリ42に展開される。次に、展開された記録データはコントローラ30によって読み出され、所定の画像処理が施された後に、インク毎にバッファ48に記憶される。そして、記録制御部44が、バッファ48に記憶された記録データに基づいて、記録ヘッド16の動作を制御して記録することとなる。
(記録ヘッドの構成)
次に、図3(a)(b)を参照しながら、記録ヘッド16の構成について説明する。図3(a)は、記録ヘッド16に配置された記録素子基板24を示す図である。図3(b)は、記録素子基板24を、インクを吐出する吐出口側から見た図である。
記録ヘッド16は、プラテン20と対抗する面(吐出口面)に、それぞれ異なる種類のインクを吐出するための記録素子基板24が6つ設けられている。具体的には、記録素子基板24CL、記録素子基板24K、記録素子基板24C、記録素子基板24M、記録素子基板24Y、記録素子基板24LUの順で復方向に沿って並設されている。なお、記録素子基板24の配置については、これに限定されるものではなく、適宜に変更してもよい。記録素子基板24CLではクリアインクを吐出する。記録素子基板24Kではブラックインクを吐出する。記録素子基板24Cではシアンインクを吐出する。記録素子基板24Mではマゼンタインクを吐出する。記録素子基板24Yではイエローインクを吐出する。記録素子基板24LUではメタリックインクを吐出する。記録素子基板24はそれぞれ同じ構成となっており、吐出口26が、1インチ当たり1200個の密度で搬送方向に1536個配列され、吐出口列60を形成している。
本実施形態では、記録素子基板24において吐出口列60を、搬送方向に対して均等に4つの領域に分割し、このうちの3つの領域に位置する吐出口26からインクを吐出して記録する。具体的には、搬送方向の上流から下流に向かって、領域1、領域、2、領域3、領域4に分割する。各領域では384個の吐出口26を備えている。そして、記録の際には、領域1、3、4に位置する吐出口26からインクを吐出して記録する。なお、各吐出口26から吐出される液滴は約4ngである。
本実施形態では、搬送方向の最上流に位置する領域1ではメタリックインクのみを吐出する。また、領域3ではカラーインク、つまり、ブラックインク、シアンインク、マゼンタインク、およびイエローインクを吐出する。さらに、搬送方向の最下流に位置する領域4では、クリアインクのみを吐出する。従って、本実施形態では、記録媒体に対して、メタリックインクが最も先に付与され、次いで、カラーインク、最後に、クリアインクが付与される構成となっている。領域2に位置する384個の吐出口26からインクを吐出しない理由は、カラーインクをメタリックインク上に吐出する際に、メタリックインクにより形成されるメタリック層に光輝性(金属光沢)を発現させるための時間を設けるためである。
記録装置10は、記録ヘッド16によって、走査方向に2400dpi(dot/inch)、搬送方向に1200dpiの記録密度でドットを記録することができる。従って、記録装置10では、1200dpi四方の領域において、各吐出口から1ドットずつインクを付与するときの記録密度を100%とすると、最大で記録密度200%での記録が可能となる。
(インクの組成および製造方法)
次に、本実施形態で用いられるインクの組成およびその製造方法の一例について説明する。以下の説明で、「部」および「%」で表される単位は、特に断りのない限り、質量基準となっている。
<イエローインク>
(1)分散液の作製
顔料10部、アニオン系高分子30部、純水60部を混合する。次に、上記材料を混合した混合液をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス社製)に仕込み、0.3mm系のジルコニアビーズを150部充填し、水冷しつつ12時間分散処理を行う。さらに、この分散液を遠心分離機にかけ、粗大粒子を除去する。その後、最終調整物として、固形分が約12.5%、重量平均粒径が120nmのイエロー分散液を得る。
・顔料:〔C.I.ピグメントイエロー74(製品名:Hanse Brilliant Yellow 5GX(クラリアント社製))〕
・アニオン系高分子P-1:〔スチレン/ブチルアクリレート/アクリル酸共重合体(共重合比(重量比)=30/40/30)、酸価202、重量平均分子量6500、固形分10%の水溶液、中和剤:水酸化カリウム〕
(2)インクの作製
得られたイエロー分散液を含む下記の材料を混合し、十分に攪拌して溶解、分散した後、ポアサイズ1.0μmのミクロフィルタ(富士フイルム社製)にて加圧濾過して、インクを調整する。
・イエロー分散液:40部
・グリセリン:9部
・エチレングリコール:6部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物(商品名:アセチレノールEH):1部
・1,2-ヘキサンジオール:3部
・ポリエチレングリコール(分子量1000):4部
・水:残部
<マゼンタインク>
(1)分散液の作製
ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価300、数平均分子量2500のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作製する。
作製したポリマー水溶液:100g、C.I.ピグメントレッド122(顔料):100g、およびイオン交換水:300gを混合した混合液を機械的に0.5時間攪拌する。次に、攪拌した混合液を、マイクロフリュイダイザーを使用して、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通す。その後、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してマゼンタ分散液を取得する。得られたマゼンタ分散液は、顔料濃度が10%、分散剤濃度が5%であった。
(2)インクの作製
得られたマゼンタ分散液を含む下記の材料を混合し、十分に攪拌混合した後に、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルタ(富士フイルム社製)にて加圧濾過し、顔料濃度4%、分散剤濃度2%のインクを調整する。
・マゼンタ分散液:40部
・グリセリン:10部
・ジエチレングリコール:10部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:0.5部
・水:残部
<シアンインク>
(1)分散液の作製
ベンジルアクリレートとメタクリル酸を原料として、常法により、酸価250、数平均分子量3000のAB型ブロックポリマーを作り、水酸化カリウム水溶液で中和し、イオン交換水で希釈して均質な50%ポリマー水溶液を作製する。
作製したポリマー水溶液:180g、C.I.ピグメントブルー15:3(顔料):100g、およびイオン交換水220gを混合した混合液を、機械的に0.5時間攪拌する。次に、攪拌した混合液を、マイクロフリュイダイザーを使用して、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通す。その後、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してシアン分散液を取得する。得られたシアン分散液は、顔料濃度が10%、分散剤濃度が10%であった。
(2)インクの作製
得られたシアン分散液を含む下記の材料を混合し、十分に攪拌混合した後に、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルタ(富士フイルム社製)にて加圧濾過し、顔料濃度2%、分散剤濃度2%のインクを調整する。
・シアン分散液:20部
・グリセリン:10部
・ジエチレングリコール:10部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:0.5部
・水:残部
<ブラックインク>
(1)分散液の作製
イエローインクで使用したポリマー溶液(アニオン系高分子):100g、カーボンブラック:100g、およびイオン交換水:300gを混合した混合液を、機械的に0.5時間撹拌する。次に、攪拌した混合液を、マイクロフリュイダイザーを使用して、液体圧力約70MPa下で相互作用チャンバ内に5回通す。その後、遠心分離処理(12,000rpm、20分間)することによって、粗大粒子を含む非分散物を除去してブラック分散液を取得する。得られたブラック分散液は、顔料濃度が10%、分散剤濃度が6%であった。
(2)インクの作製
得られたブラック分散液を含む下記の材料を混合し、十分に撹拌混合した後に、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルタ(富士フイルム社製)にて加圧濾過し、顔料濃度5%、分散剤濃度3%のインクを調製する。
・ブラック分散液:50部
・グリセリン:10部
・トリエチレングリコール:10部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:0.5部
・水:残部
<クリアインク>
本実施形態では、クリアインクは、酸化チタン微粒子を含有するインクとした。
(1)インクの作製
酸化チタン濃度30%の酸化チタン溶液(商品名:STS-02(石原産業社製))を含む下記の材料を混合し、十分に攪拌混合した後に、ポアサイズ2.5μmのミクロフィルタ(富士フイルム社製)にて加圧濾過し、酸化チタン濃度3%のインクを調整する。
・酸化チタン溶液:10部
・グリセリン:10部
・トリエチレングリコール:5部
・2ピロリドン:5部
・アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物:0.5部
・水:残部
<メタリックインク>
本実施形態では、メタリックインクとして、銀ナノ粒子インクNBSIJ-MU01(三菱製紙社製)を用いた。
(生成処理)
以上の構成により、記録する画像を表わす画像データに基づいて記録処理を実行する場合には、まず、コントローラ30において、画像データに基づいてインク毎の吐出、不吐出を表す記録データを生成する生成処理が実行される。画像データは、メタリックインクを用いて記録する記録領域に関するメタリック画像データ(第1情報)を含む。また、画像データは、メタリックカラーではない、すなわちメタリックインクを用いずにカラーインクで記録される記録領域および当該領域における色情報に関するカラー画像データ(第2情報)を含む。つまり、メタリック画像データは、メタリックインクの記録「1」または非記録「0」を示す2値データである。一方、カラー画像データは、RGB形式の多値画像データである。なお、本実施形態では、画像データは、ユーザによりホストコンピュータ23から入力される。
図4は、生成処理の詳細な処理ルーチンを示すフローチャートである。生成処理が開始されると、まず、コントローラ30は、受信バッファ40に格納されたメタリック画像データを取得する(S400)。次に、コントローラ30は、メタリックカラーとして発現させる画像(メタリックカラー画像)の色相を示す色相情報を取得する(S402)。例えば、金色を呈するメタリックカラーに対応する「色相角82°」を示す色相情報を取得する。なお、こうした色相情報については、例えば、ユーザが予め入力している。本実施形態では、コントローラ30が、メタリックカラー画像を記録する記録領域を示す情報およびメタリックカラー画像の色相情報を取得する取得部として機能している。
そして、取得した色相情報に基づいて、メタリックカラー変換テーブル(後述する)を参照し、クリアインク、メタリックインク、カラーインクの多値画像データを生成する(S404)。具体的には、まず、コントローラ30が、メタリックカラー変換テーブル(後述する)を参照して、ユーザにより選択された色相情報に対応する色相のメタリックカラーを呈するためのクリアインク、メタリックインク、およびカラーインクの付与量を設定する。なお、本明細書においてインクの付与量は、単位面積あたりのインクの付与量(記録密度)とする。即ち、コントローラ30では、メタリックカラーを呈するためのクリアインク、メタリックインク、およびカラーインクの付与量を、メタリックカラー変換テーブルから取得している。メタリックカラー変換テーブルには、発現させるメタリックカラーの色相に対して、クリアインク、メタリックインク、カラーインクの付与量が対応付けられている。メタリックカラー変換テーブルについては、例えば、コントローラ30におけるROMなどの記憶領域に記憶されている。本実施形態では、コントローラ30が、各インクの付与量を設定する設定部として機能している。そして、メタリックカラー変換テーブルを参照して取得したインク付与量、および、メタリック画像データに基づいて、インク付与量に対応する階調値のクリアインク、メタリックインク、およびカラーインクの多値の画像データを生成する。具体的には、2値のメタリック画像データにおいて、記録「1」を示す画素に対して、メタリックインクの他に、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)とクリアインクを付与するための多値データが生成される。
その後、コントローラ30は、クリアインク、メタリックインク、およびカラーインクの多値画像データのそれぞれについて、予め記憶された階調値に対応付けられたドットパターンに従って、インクの吐出、不吐出を表す記録データに変換する(S406)。即ち、S406では、クリアインクの記録データ、メタリックインクの記録データ、および、メタリックカラーで記録される記録領域におけるカラーインクの記録データが生成される。なお、S406で行われる2値データへの変換については、量子化処理などの公知の2値化処理を適用するようにしてもよい。
次に、コントローラ30は、受信バッファ40に格納されたカラー画像データを取得する(S408)。本実施形態では、コントローラ30は、メタリックカラー画像を記録する記録領域、メタリックカラー画像の色相情報を取得するとともに、カラー画像を記録する領域およびその色情報を取得する取得部として機能している。そして、コントローラ30は、取得したRGB形式のカラー画像データを色補正した後に色変換し(S410)、画像形成に用いるカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)のそれぞれに対応する多値の画像データを取得する(S412)。その後、コントローラ30は、取得した多値画像データについて、予め記憶された階調値に対応付けられたドットパターンに従って、インクの吐出、不吐出を表す記録データに変換する(S414)。即ち、S414では、メタリックインクを用いずにカラーインクで記録される記録領域におけるカラーインクの記録データが生成される。なお、S414では、S406と同様に、量子化処理などの公知の2値化処理を適用するようにしてもよい。
そして、コントローラ30は、S406においてメタリック画像データに基づいて生成したカラーインクの記録データと、S414においてカラー画像データに基づいて生成したカラーインクの記録データとを組み合わせ(S416)、この生成処理を終了する。S416では、各インク色について、S406とS416とで生成した記録データにおいて、対応する画素の2値データの論理和を取ることで、全記録領域におけるカラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の記録データが生成される。生成処理では、メタリック画像データから記録データを生成するS400~S406の処理を、カラー画像データから記録データを生成するS408~S412の処理の後に実行してもよいし、これら処理を並行して実行してもよい。
(メタリックカラー変換テーブル)
本実施形態では、メタリックカラーで記録する記録領域には、メタリックインクにより形成されたメタリック層に、カラーインクにより形成されるカラー層を積層し、カラー層上にさらに、クリアインクにより形成されるクリア層を積層する。このとき、クリア層の膜厚を調整し、クリア層における薄膜干渉を利用して、メタリックカラーの色相を調整するとともに、メタリックカラーを高明度、高彩度で発現させる。また、カラー層の膜厚を調整することで、クリア層表層で発生した裏面反射光(後述する)をカラー層に吸収させるとともに、カラー層からの拡散光の発生を抑制する。
各インクにより形成される層の膜厚については、各インクの単位面積あたりの付与量で決まる。ここで、記録装置10では、1200dpiの記録解像度のもと、各画素に4ngのインク滴を付与する構成となっている。従って、本実施形態では、1200dpiで配列する記録媒体上の画素領域に対してインク滴を付与する画素の割合、つまり、記録密度を調整することによって、単位面積あたりの付与量、ひいては膜厚を調整する。本明細書では、説明の便宜上、このような記録密度について付与量と適宜に称する。
図5(a)(b)は、メタリック層上にクリア層を形成したときの、薄膜干渉による正反射光および薄膜干渉で表に出なかった裏面反射光を示す図である。図5(c)は、メタリック層とクリア層との間に、正反射光の色味と同色相のカラー層を形成したときの正反射光および裏面反射光を示す図である。
図5(a)のように、メタリック層上にクリア層を形成した場合、クリア層の膜厚を調整することで、薄膜干渉によって、メタリックカラーの色相を調整するとともに、高明度、高彩度の正反射光を得ることができる。具体的には、入射角θで光104が入射されると、クリア層102表面で反射した光106と、メタリック層100表面で反射してクリア層102から出射した光108とが干渉して、所定の色味が強調された正反射光が発現する(図5(b)参照)。このとき発現する正反射光の色味は、クリア層102の屈折率をn、膜厚をdとすると、下記(1)式の関係を満たす波長λを有する光の強度が増加し、増加した光の干渉色が他色に比べて強く視認される。
m×λ=n×2d×cosθ+λ/2(mは自然数) ・・・ (1)
しかしながら、クリア層内に入り込んだ光は、クリア層で散乱する。そして、この散乱光がクリア層表面から拡散光として漏出され、メタリックカラーの色相を変化させる。つまり、拡散光によってユーザの所望の色相とは異なる色相のメタリックカラー画像として視認される。具体的には、図5(b)のように、クリア層102内に入り込んだ光110は、メタリック層100表面で反射した後にクリア層102の表層で裏面反射する。こうした裏面反射光112は、メタリック層100表面とクリア層102の表層との間で反射を繰り返し、クリア層102内で散乱する。裏面反射光112は、薄膜干渉で発現した正反射光の色味と反対色(補色)となる。このため、裏面反射光112により生じた拡散光114は正反射光と異なる色味となり、メタリックカラーの色味を変化させる。
そこで、本実施形態では、裏面反射光を吸収させるためのカラー層を、クリア層とメタリック層との間に形成する。具体的には、図5(c)のように、メタリック層とクリア層との間に、クリア層において薄膜干渉により強調される正反射光の色相と同等(同色または近似色)の色相を発色するカラー層を形成する。これにより、裏面反射光が、その補色の色相を有するカラー層に吸収され、クリア層表面からの散乱光を大幅に抑制することができる。この結果、拡散光に起因するメタリックカラーの色相(正反射光の色味)の変化を抑制することができる。なお、本実施形態において、カラー層は正反射光とは異なる色味の光を吸収させるために設けられており、メタリックカラー画像において視認される色味にはカラー層による発色は寄与していない。従って、カラー層による拡散光がなるべく小さくなる膜厚となるように、カラーインクの付与量が制限される。本明細書において、カラーインクの付与量とは、記録ヘッド16から吐出可能なカラーインク毎の付与量であって、目的とする正反射光の色味に応じて、用いるカラーインクの種類とともに、その付与量が異なる。なお、用いないカラーインクの種類については、付与量が0%となる。
クリア層の膜厚、カラー層の膜厚および色は、クリアインクや各カラーインクのインク付与量によって決定される。本実施形態では、メタリックカラー変換テーブルを用い、取得したメタリックカラーの色相情報に応じて、メタリックインクと共に、こうしたクリアインクや各カラーインクのインク付与量を決定する。
メタリックカラー変換テーブルには、メタリックカラーの色相に対して、メタリックインク、クリアインク、カラーインクの付与量が設定されている。記録装置10では、取得したメタリックカラーの色相情報に応じて、メタリックカラー変換テーブルで設定されているインクの付与量に対応した記録データを生成する。これにより、各層において、目的とする特性を発現させる。即ち、メタリックカラー変換テーブルにおいてメタリックインクの付与量は、目的とする光輝性を発現可能な膜厚のメタリック層が形成されるような値に設定されている。また、クリアインクの付与量は、取得した色相情報に対応した色相を薄膜干渉によって発現可能な膜厚のクリア層が形成されるような値に設定されている。さらに、カラーインク(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)の付与量は、クリア層における正反射光の色相と同等の色相で発色し、かつ、拡散光の発生を抑制することができる膜厚のカラー層が形成されるように設定されている。各層の膜厚については、記録解像度、インク滴の量に応じて変化する。このため、メタリックカラー変換テーブルでは、記録解像度、インク滴の量などの記録装置の仕様に応じて、適切なインク付与量が関連付けられる。
以下、メタリックカラー変換テーブルにおいて、メタリックカラーの色相に対して設定される各インクの付与量について説明する。以下の説明では、金色(色相角82°)のメタリックカラーを発現するための、メタリックインク、クリアインク、カラーインクの付与量について説明する。
<クリアインクの付与量>
正反射光の色味については、クリアインクの付与量によって決まるクリア層の膜厚と、クリア層の屈折率によって、上記(1)式より一意的に決定することができる。図6は、クリアインクの付与量と、薄膜干渉により発現する正反射光の色味との関係を示したグラフである。なお、図6では、インク付与量を記録密度で表し、薄膜干渉により強調される正反射光の色味を色相角で表している。金色(色相角82°)の正反射光を発現するには、図6のグラフから、クリアインクの付与量は記録密度90%となる。なお、一般的に、薄膜干渉による干渉色を発現させるには、100~800nm程度の膜厚と、可視光領域において1.5~2.5程度の屈折率を有するクリア層を用いることが好ましい。
<メタリックインクの付与量>
メタリックインクの付与量は、使用するメタリックインクの種類毎に、例えば、隠蔽性、光輝性などの特性を考慮して実験的に求められる。本実施形態では、金色(色相角82°)の正反射光を得るためのメタリックインクの付与量を、記録密度180%とした。
<カラーインクの付与量>
クリア層の表層での裏面反射光は、クリア層表面における薄膜干渉により強調される正反射光の色相の反対色となる。そのため、裏面反射光を吸収するためのカラー層としては、薄膜干渉による正反射光の色味と同じ、または、近似するように、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクおよびブラックインクの付与量を決定する。
また、カラー層が厚くなると、カラー層からの拡散光が多くなるため、箔押しフィルムや金属箔を用いた特殊印刷のような自然なメタリックカラーにならない。従って、裏面反射光を吸収するためのカラー層を形成するためのカラーインクは、拡散光が抑制されるような付与量に設定される。
拡散光の強度に関するメタリックカラーの視認性については、メタリックカラーにより記録される記録領域における反射光強度の角度依存性で議論できる。具体的には、図7のように、反射特性Aおよび反射特性Bは共に、正反射方向からずれた角度での明度(反射強度)と正反射光の明度との差が、正反射方向からはずれるほど大きくなっている。しかしながら、反射特性Aでは、その差が大きく、メタリックカラーの視認性は良好となり、自然なメタリックカラーとなる。一方、反射特性Bでは、その差が小さく、メタリックカラーの視認性は低下し、不自然なメタリックカラーとなる。つまり、カラーインクの付与量が増えると、カラー層による拡散光が増大して反射特性Bのようになる。このため、カラーインクの付与量は制限される。
本実施形態では、メタリックカラーによる視認性に関わる反射光強度の角度依存性は、例えば、正反射光の明度と、JIS Z 8722条件aで規定される測定方式で測定した明度との比として扱う。
図8は、正反射光の明度を測定するための測定装置の一例を示す図である。照明部50は、評価対象となる記録媒体54を照明する。この照明部50は、ハロゲン電球、キセノンランプ、超高圧水銀ランプ、重水素ランプ、LED、あるいは、これらのいずれか複数を組み合わせたものでもよい。
光検出部52は、記録媒体54からの正反射光を検出する。光検出部52に備わる検出器としては、単受光面形のフォトダイオード、光電管、光電子増倍管、多素子受光面形のSiフォトダイオードアレイ、CCDなどを用いることができる。また、光検出部52には、回折格子やプリズムなどの分光する分光部も備えられている。さらに、光検出部52は、記録媒体54の法線方向に対して、照明部50と反対側に同一角度傾いた位置(本実施形態では、入射角45°であるため反射角45°となる位置)の正反射位置に備えられる。照明部50および光検出部52は、それぞれ光学(レンズなど)系を備える構成でもあってもよい。
記録媒体54は、例えば、静電吸着やエアポンプによる吸引などの固定手段により、平坦に保たれている。光検出部56は、照明部50の光を検出する。光検出部56は、光検出部52と同じ構成であり、明度を算出するために、特に、照明部50の分光強度を測定する。この照明部50の分光強度は、完全拡散反射体などの白色板、または黒板ガラスなどの鏡面を測定対象として、その正反射光の分光強度を光検出部52で測定してもよい。あるいは、照明光をビームスプリットなどで分離して、光検出部52とは別の光検出部によって測定してもよい。
次に、記録媒体54の反射光から明度を算出する方法について説明する。
光検出部52によって測定される記録媒体54からの正反射光の分光強度をRX(λ)とし、その分光強度RX(λ)から、下記(2)式によって、正反射光の三刺激値Xx,Yx,Zxを算出する。
Figure 0007346114000001
但し、上記(2)式において、図8の光学系では正反射光を測定するため、測定値のレンジは光源(照明部50)の測定値のレンジに近くなる。つまり、光源からの光を直接側光する測定系に類似している。従って、通常の反射による物体色の三刺激値の算出とは異なり、正反射光の分光強度を光源の相対分光分布とみなし、光源色の三刺激値の算出方法に従う。なお、上記(2)式における
Figure 0007346114000002
は、JIS Z 8781の等色関数である。また、本実施形態では、比例定数の乗算による正規化を行わないが、下記(3)式のKを乗算するなどの正規化を行ってもよい。
Figure 0007346114000003
光検出部56によって測定される照明の分光強度S(λ)から、下記(4)式によって、光源の三刺激値Xs,Ys,Zsを算出する。下記(4)式は、光源色の三刺激値の算出方法に基づいており、上記照明の分光データから三刺激値Xs,Ys,Zsを算出する変換式である。
Figure 0007346114000004
上記(4)式における
Figure 0007346114000005
は、JIS Z 8781の等色関数である。また、上記(4)式のkは比例定数であり、三刺激値のYsの値が側光量に一致するように定める。
次に、光検出部52で検出された記録媒体54の正反射光の三刺激値Xx,Yx,Zxと、光検出部56で検出された光源の三刺激値Xs,Ys,Zsを取得する。そして、これらの三刺激値Xx,Yx,Zxと、三刺激値Xs,Ys,Zsとから、JIS Z8729規格で規定される式(1)乃至式(4)に基づいて、記録媒体54の正反射光のCIE-Lab色空間におけるL*a*b*値を算出する。
JIS Z 8729規格で規定される式(1)乃至式(4)は、例えば、JISハンドブック 色彩(2001年1月31日 日本規格協会発行)に示されている。但し、JIS Z 9729の式(1)乃至式(4)におけるX,Y,Zの値には、記録媒体54の正反射光の三刺激値Xx,Yx,Zxを使用する。また、Xn,Yn,Znの値には、光源の三刺激値Xs,Ys,Zsを使用する。即ち、L*a*b*の値は、下記(5)式によって算出される。
Figure 0007346114000006
図9は、カラーインクの付与量が異なる4つのサンプルにおける正反射光と拡散光との色相角の差、明度の比、およびその主観評価の結果を示した表である。サンプル1~4ではそれぞれ、メタリックインクおよびクリアインクについては同じ付与量となっており、カラーインク付与量は、100%、20%、10%、5%となっている。拡散光については、JIS Z 8722条件aで規定される測定方式で測定したCIEL*a*b*表色系におけるL*a*b*を用いている。また、正反射光については、黒板ガラスにおける正反射強度を分光反射率100%として上述した方法で算出したL*a*b*を用いている。
正反射光と拡散光との色相の差については、拡散光の正反射光の色相角からの差分で評価しており、正反射光と拡散光の色味の差が不自然でないかについての主観評価結果を示している。また、正反射光と拡散光との明度について、メタリックカラーとして視認性の良さの主観評価結果を示している。カラーインクの内訳、つまり、シアンインク、マゼンタインク、およびイエローインクの比率は、クリア層がない場合に、金色(色相角82°)の正反射光と同色相を呈する比率とした。なお、記録媒体には、プレミアム光沢紙2(厚口)LFM-GPP2(キヤノン社製)を用いた。
正反射光と拡散光との色相の差については、色相角差が30°以下で正反射光の色味が不自然でないとの主観評価結果を得ることができた。また、正反射光と拡散光との明度については、拡散光の明度を正反射光の明度で除した値が0.2以下で、メタリックカラーとしての視認性が良好となるとの主観評価結果を得ることができた。即ち、この実験結果では、カラーインク付与量を概ね10%程度とすることによって、正反射光と拡散光との色味が同等で、かつ、拡散光の発生を抑制して、視認性が良好な金色(色相角82°)のメタリックカラーを得ることができる膜厚のカラー層を取得できた。即ち、カラーインクの付与量を10%としたときの膜厚のカラー層によって、視認性が良好なメタリックカラーを得ることができた。なお、インクにより形成される層の膜厚は、記録解像度およびインク滴の量によって変動する。このため、カラー層が上記条件を満たす膜厚となるように、記録装置の仕様に応じて適宜にインク付与量が設定される。本実施形態の記録装置10では、図10(および図14)のように、カラーインクの付与量が、シアンインク、マゼンタインクおよびイエローインクの付与量の総和が16%となったときに、カラー層において上記条件を満たすものとする。
(記録動作)
記録装置10は、生成処理により生成されたインク毎の記録データに基づいて記録動作を行う。なお、本実施形態では、記録装置10は、記録ヘッド16による16パスのマルチパス記録を行う。即ち、このマルチパル記録では、生成した各インクに対応する記録データについて、記録ヘッド16の1回の走査で記録可能な領域(単位領域)を、予め記憶されているマスクパターンに従って間引いた記録データを生成する。そして、生成した記録データに基づいて記録ヘッド16を16回記録走査させることで上記領域における画像を完成させる。
図11(a)は、吐出口列60の分割領域に対応するマスクパターンを示す図である。図11(b)は、記録走査を重ねることによって記録媒体に画像が完成されていく様子を示す図である。なお、理解を容易にするために、図11(a)(b)を用いた説明では、16個の吐出口を有する吐出口列60を用い、4パスのマルチパス記録を行う場合について説明する。4パスのマルチパス記録の場合、吐出口列60は、それぞれ4つの吐出口を含む4つの領域(第1領域~第4領域)に分割し、領域毎に吐出口からのインクの吐出を制御する。パターン62a、62b、62c、62dは、それぞれ第1領域、第2領域、第3領域、第4領域の対応するマスクパターンである。
パターン62a~62dはそれぞれ、4画素×4画素の領域内に、黒で示した記録許容画像と白で示した非記録許容画素とが設定されている。このマスクパターンであるパターン62a~62dは、重ね合わせることにより記録許容画像が補完される構成となっている。実際に記録を行う際には、吐出口のそれぞれに宛がわれた記録データ(記録/非記録データ)とマスクパターンとの間で論理積演算を行い、その結果に基づいた吐出動作が実行される。
図11(b)のように、1回の記録走査(パス)において、吐出口列60の第1領域~第4領域では、対応するパターン62によって記録が許容された画素に対してのみ記録を行う。そして、1回の記録走査が終了すると、記録媒体が搬送方向に各領域の幅に対応した量(4画素分)だけ搬送される。これにより、記録媒体の単位領域(記録ヘッド16の1回の記録走査により記録される領域であり、吐出口列60の各領域の幅に対応する記録媒体の領域である)は、4回の記録走査によって画像が完成されることとなる。
こうしたマルチパス記録を行うことで、記録媒体の各単位領域が、複数回(図11(a)(b)を用いた説明では4回)の記録走査によって、吐出口列の各領域に位置する吐出口から吐出されるインクにより記録される。このため、各吐出口における特性のばらつきや記録媒体の搬送精度のばらつきが分散され、記録画像における濃度ムラやスジの発生を抑制することができる。
図11(a)(b)を用いた説明では、理解を容易にするために、4パスのマルチパス記録を一例として説明したが、本実施形態のように16パスのマルチパス記録では、各インクを吐出する吐出口列60が、搬送方向において16領域に均等に分割される。そして、各領域に対しては、互いに補完関係にあるマスクパターンが対応付けられる。なお、本実施形態では、吐出口列60のうち、インク色毎に領域1(メタリックインク)、領域3(カラーインク)、領域4(クリアインク)の各領域が使用される。このため、領域1、領域3、領域4それぞれに含まれる4つの領域に対し、互いに補完関係にあるマスクパターンが対応付けられる。領域1、3、4それぞれにおける4つの領域のマスクパターンは、互いに補完関係にあれば、記録許容画素の配置位置は限定されるものではない。また、インクの種類毎にマスクパターンを異ならせるようにしてもよい。
具体的には、例えば、図12のようなマスクパターンを用いることができる。図12は、16パスのマルチパス記録に用いられるマスクパターンを示す図である。領域1~4にはそれぞれ384個の吐出口が位置している。従って、領域1~4の各領域を4分割した、領域A、領域B、領域C、領域Dにはそれぞれ96個の吐出口が備えられている。なお、図12の領域A~領域Dにおいてはそれぞれ、最下流から4つの吐出口に対応したパターンPA、PB、PC、PDのみが示されているが、領域A~領域Dに対応付けられるマスクパターンは、表示されたパターンが繰り返し形成されたものとなる。なお、記録密度100%を超える場合には、パターンPA~PDにおけるインクの付与率を50%として重複記録を行うようにする。
図13(a)~(d)は、記録ヘッド16による16パスのマルチパス記録を説明するための図である。記録動作が開始されると、まず、記録開始位置まで搬送された記録媒体Mに対して、1パス目の記録を行う(図13(a)参照)。このとき、領域1を4分割した4つの領域のうちの最上流に位置する1つの領域(図12の領域Aに相当)にある吐出口から、単位領域70aに対してメタリックインクが吐出される。その後、記録媒体Mを所定量搬送し、2パス目の記録を行う。このとき、領域1における4つの領域のうち、上流側に位置する2つの領域(図12の領域A、Bに相当)にある吐出口から、単位領域70aおよびそれの搬送方向上流側に隣接する単位領域に対して、メタリックインクが吐出される。このようにして、4パス目の記録が終了すると、単位領域70aに対するメタリックインクによる記録が完了する。これにより、単位領域70aにメタリック層が形成される。
次に、5パス目の記録を行うが、領域2ではインクを吐出しない構成のため、5パス目から8パス目の記録までは、記録が行われない(図13(b)参照)。このとき、領域1と対向する位置にある単位領域にはメタリックインクが吐出される。本実施形態において、メタリックインクによる記録と、カラーインクによる記録との間に記録を行わない時間を設けた理由は、吐出されたメタリックインクが記録媒体Mに定着して光輝性(金属光沢性)発現するための時間を確保するためである。これにより、メタリックインクによる光輝性が発現するために必要な所定の時間が経過した後に、メタリック層上にカラーインクが付与されることとなる。
その後、9パス目の記録では、領域3の4つの領域のうちの最上流に位置する1つの領域にある吐出口から、単位領域70aに対してカラーインクが吐出される(図13(c)参照)。つまり、単位領域70aに形成されたメタリック層上にカラーインクが吐出される。次いで、10パス目の記録を行い、11パス目の記録を行って、12パス目の記録が終了すると、単位領域70aに対するカラーインクによる記録が完了する。これにより、単位領域70aにおいて、メタリック層上にカラー層が形成される。なお、9~12パス目の記録では、領域1と対向する位置にある単位領域にはメタリックインクが吐出される。
そして、13パス目の記録では、領域4の4つの領域のうちの最上流に位置する1つの領域にある吐出口から、単位領域70aに対してクリアインクが吐出される(図13(d)参照)。つまり、単位領域70aに形成されたカラー層上にクリアインクが吐出される。次いで、14パス目の記録を行い、15パス目の記録を行って、16パス目の記録が終了すると、単位領域70aに対するクリアインクによる記録が完了し、単位領域70aへの記録が終了する。これにより、単位領域70aにおいて、メタリック層上に形成されたカラー層上にさらに、クリア層が形成される。なお、13~16パス目の記録では、領域1と対向する位置にある単位領域にはメタリックインクが吐出され、領域3と対向する位置にある単位領域にはカラーインクが吐出される。
ここで、クリアインクの付与量は、メタリックカラー変換テーブルで設定された値に対応している。このため、クリアインクにより形成されるクリア層では、薄膜干渉により特定の色の干渉光を発現させることができる。また、カラーインクの付与量についても、メタリックカラー変換テーブルで設定された値に対応している。このため、カラーインクにより形成されるカラー層では、クリア層表層の裏面反射光を吸収し、拡散光の発生を抑制することができる。
以上において説明したように、記録装置10では、メタリックカラーを記録する記録領域では、メタリック層上にカラー層を形成し、カラー層上にさらにクリア層を形成する。このとき、クリア層は、クリアインクの付与量が調整されて、薄膜干渉により強調される正反射光が目的とする色相を呈する膜厚とされる。また、カラー層は、カラーインクの付与量が調整されて、発色する色相が薄膜干渉により強調される正反射光と同等の色相とされ、かつ、カラー層による拡散光の発生が抑制される膜厚とされる。
これにより、クリア層において、薄膜干渉により所望の色を発現させるとともに、カラー層において、クリア層内に入り込み、クリア層表層の裏面で反射した裏面反射光を吸収することができる。このため、クリア層における薄膜干渉によって高明度、高彩度の色相を呈するとともに、拡散光の発生が抑制されてより自然なメタリックカラーを発現することができるようになる。即ち、視認性の良好なメタリックカラーを発現することができるようになる。
(他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下の(1)乃至(6)に示すように変形するようにしてもよい。
(1)上記実施形態では、メタリックカラー変換テーブルに金色(色相角82°)に対応するメタリックインク、クリアインク、カラーインクの付与量が設定されるようにしたが、これに限定されるものではない。予め発現しうる色相を選択可能としておき、その中からユーザが選択した入力を受け付けるようにしてもよい。この場合、メタリックカラー変換テーブルに、発現しうる色相に対応する各インクの付与量を設定しておく。これにより、1つの画像中に複数の異なる色相のメタリックカラー画像が含まれる場合においても、各色相のメタリックカラーを再現可能となる。
具体的には、メタリック変換テーブルとして、図14に示すように、正反射光の色相角0°から360°に階調値を対応させ、各色相にそれぞれメタリックインク、クリアインク、カラーインクの付与量を対応付ける。なお、図14では、カラーインクとして、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクのみが表示されているが、ブラックインクを含むようにしてもよく、カラーインクの種類については、記録装置で使用可能なインクに応じて、適宜に変更される。
この場合、記録する画像を表す画像データは、メタリックインクを用いて記録する記録領域に関するメタリック画像データについて、メタリック変換テーブルでの色相に対応した階調値で示される8bitグレースケール画像とする。そして、生成処理のS404では、入力されたメタリックカラー画像の階調値に基づいて、メタリックカラー変換テーブルにより各インクの付与量に対応した多値画像データを生成することとなる。
また、上記実施形態では、クリアインクおよびメタリックインクをそれぞれ1種類のみ吐出可能な構成としたが、これに限定されるものではない。即ち、記録ヘッド16は、複数のクリアインク、メタリックインクを吐出可能な構成としてもよい。この場合、メタリックカラー変換テーブルでは、クリアインク、メタリックインクについて、目的とする色相に対してより適したインクを用いるように設定される。
(2)上記実施形態におけるメタリックカラー変換テーブルに示した各インクの付与量については、一例に過ぎず、使用するインクの種類に応じて適宜に変更することができる。また、上記実施形態では、メタリックインクとして、銀微粒子を含むインクを用いるようにしたが、これに限定されるものではなく、金属光沢(光輝性)を発現する各種インクを用いるようにしてもよい。さらに、上記実施形態では、クリアインクは酸化チタン微粒子を含むようにしたが、これに限定されるものではなく、有色色材を含有しない公知の種々のクリアインクを用いることができる。さらにまた、上記実施形態では、カラーインクについて、顔料インクを用いるようにしたが、これ限定されるものではない。即ち、染料インクを用いるようにしてもよく、有色色材を含有するインクであればよい。
(3)本実施形態による記録装置10は、インクジェット方式により記録媒体Mに対して記録するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、記録装置10の記録方式は、インクジェット方式に限定されず、公知の種々の記録方式を適用することができる。また、上記実施形態では、記録装置10を、記録ヘッドの走査方向の移動と、走査方向と交差する搬送方向における記録媒体の搬送とを、交互に繰り返しながら記録する、所謂、シリアルスキャンタイプの記録装置としたが、これに限定されるものではない。即ち、記録装置10を、記録媒体の全幅に対応した範囲に亘ってインクを吐出するノズルが配列された記録ヘッドを用いて、記録媒体を搬送しながら記録する、所謂、フルラインタイプの記録装置としてもよい。
(4)上記実施形態では、予め記憶されているメタリックカラー変換テーブルにおける各インクの付与量に基づいて、メタリックインク、クリアインク、およびカラーインクの記録データを取得するようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、発現させるメタリックカラーの色相に応じて、例えば、ユーザが各インクの付与量の入力し、入力されたインク付与量に基づいて、各インクの記録データを取得するようにしてもよい。上記実施形態では、カラー層が発色する色相を、クリア層における薄膜干渉によって強調される正反射光の色味と同じになるようにした。このとき、カラー層の色相と正反射光の色味とが完全に一致することに限定されるものではなく、人間がほぼ同程度の色であると感じることができる、あるいは、許容できる範囲内にある近似した色相としてもよい。
(5)上記実施形態では、メタリックカラー変換テーブルにおいて、メタリックカラーに応じてインク付与量が対応付けられるようにしたが、これに限定されるものではない。即ち、メタリックカラー変換テーブルでは、メタリックカラーに応じて、インク付与量に基づく8bitの値が対応付けられるようにしてもよい。なお、このとき、インク付与量100%、つまり、記録密度100%が「255」となる。具体的には、図10に示す付与量の場合、メタリックインクについては「459」、クリアインクについては「229」となる。また、シアンインクについては「0」、マゼンタインクについては「5」、イエローインクについては「36」となる。なお、メタリックインクについては、記録密度が100%を超えているので、階調値を「230」とし、マスクパターン(図12のパターンPA~PD)の付与率を50%として重複記録を行うようにする。
(6)上記実施形態および上記した(1)乃至(5)に示す各種の形態は、適宜に組み合わせるようにしてもよい。本発明は、上記実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワークまたは記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給し、そのシステムまたは装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
10 記録装置
16 記録ヘッド
30 コントローラ
44 記録制御部

Claims (19)

  1. 光輝性を備えるメタリックカラー画像を記録するための記録装置であって、
    光輝性を発現するメタリックインクと、有色色材を含有するカラーインクと、有色色材を含有しないクリアインクと、を記録媒体に付与することが可能な記録ヘッドと、
    メタリックカラー画像の色相を示す色相情報に基づき、メタリックインク、カラーインク、およびクリアインクのそれぞれについて、単位面積あたりの付与量を設定する設定手段と、
    前記設定手段で設定された付与量に基づいて、メタリックインクにより形成されたメタリック層上に、カラーインクにより形成されたカラー層を形成し、該カラー層上にクリアインクによるクリア層を形成するように、前記記録ヘッドによるメタリックカラー画像の記録を制御する制御手段と、を備え、
    前記設定手段は、メタリックカラー画像を記録する記録領域における、拡散光の明度を、正反射光の明度で除した値が0.2以下となるようにカラーインクの付与量を設定することを特徴とする記録装置。
  2. 前記設定手段は、クリア層において、薄膜干渉により強調される正反射光が、前記色相情報が示す色相を呈する膜厚となるようにクリアインクの付与量を設定することを特徴とする請求項1に記載の記録装置。
  3. 前記設定手段は、カラー層において、クリア層において薄膜干渉により強調される正反射光と同等の色相で発色するように、カラーインクの付与量を設定することを特徴とする請求項1または2に記載の記録装置。
  4. 前記設定手段はさらに、メタリックインクが付与されないカラー画像を記録する記録領域におけるカラーインクの付与量を設定することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の記録装置。
  5. 前記設定手段は、メタリックカラー画像を記録する記録領域における、拡散光の色相と、正反射光の色相との差が、色相角にして30°以下となるようにカラーインクの付与量を設定することを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の記録装置。
  6. 拡散光の色相は、JIS Z 8722条件aで規定される測定方式で測定されることを特徴とする請求項5に記載の記録装置。
  7. 正反射光の色相は、黒板ガラスにおける正反射強度を分光反射率100%として、メタリックカラー画像を記録する記録領域における入射角45°の正反射光の分光反射率を元に、JIS Z 9729に基づいて求められることを特徴とする請求項5または6に記載の記録装置。
  8. 拡散光の色相は、JIS Z 8722条件aで規定される測定方式で測定されることを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の記録装置。
  9. 正反射光の色相は、黒板ガラスにおける正反射強度を分光反射率100%として、メタリックカラー画像を記録する記録領域における入射角45°の正反射光の分光反射率を元に、JIS Z 9729に基づいて求められることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載の記録装置。
  10. 前記制御手段は、メタリックインクによる光輝性が発現するために必要な所定の時間が経過した後に、カラーインクを付与することを特徴とする請求項1からのいずれか1項に記載の記録装置。
  11. メタリックインクは、銀微粒子を含むインクであることを特徴とする請求項1から10のいずれか1項に記載の記録装置。
  12. クリアインクは、酸化チタン微粒子を含むインクであることを特徴とする請求項1から11のいずれか1項に記載の記録装置。
  13. 光輝性を発現するメタリックインクと、有色色材を含有するカラーインクと、有色色材を含有しないクリアインクとを用いて記録媒体にメタリックカラー画像を記録するための画像データの処理を行う画像処理装置であって、
    光輝性を備えたメタリックカラー画像を記録する記録領域に関する第1情報を取得する取得手段と、
    前記取得手段により取得した前記第1情報およびメタリックカラーの色相を示す色相情報に基づいて、記録領域において、メタリックインクによりメタリック層を形成し、該メタリック層上にカラーインクによりカラー層を形成し、該カラー層上にクリアインクによりクリア層を形成するための、メタリックインク、カラーインク、およびクリアインクのそれぞれの、単位面積あたりの付与量を設定する設定手段と、を有し、
    前記設定手段は、メタリックカラー画像を記録する記録領域における、拡散光の明度を、正反射光の明度で除した値が0.2以下となるようにカラーインクの付与量を設定することを特徴とする画像処理装置。
  14. 前記設定手段は、クリア層において、薄膜干渉により強調される正反射光が、前記色相情報が示す色相を呈する膜厚となるようにクリアインクの付与量を設定することを特徴とする請求項13に記載の画像処理装置。
  15. 前記設定手段は、カラー層において、クリア層で薄膜干渉により強調される正反射光と同等の色相で発色するようにカラーインクの付与量を設定することを特徴とする請求項13または14に記載の画像処理装置。
  16. 前記取得手段はさらに、前記画像データから、メタリックインクを用いずにカラーインクにより記録する記録領域および該記録領域における色情報に関する第2情報を取得し、
    前記設定手段はさらに、前記取得手段で取得した前記第2情報に基づいて、記録領域におけるカラーインクの付与量を設定することを特徴とする請求項13から15のいずれか1項に記載の画像処理装置。
  17. 請求項13から16のいずれか1項に記載の画像処理装置として、コンピュータを機能させるためのプログラム。
  18. 記録媒体上に光輝性を発現するメタリックインクによりメタリック層が形成され、有色色材を含有するカラーインクにより形成されたカラー層が該メタリック層上に形成され、有色色材を含有しないクリアインクにより形成されたクリア層が該カラー層上に形成され、拡散光の明度を正反射光の明度で除した値が0.2以下である記録物。
  19. 拡散光の色相と正反射光の色相との差が、色相角にして30°以下である請求項18に記載の記録物。
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