JP5539118B2 - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Description

本発明は、顔料系の色材を含む有色インクと画質向上液を用いたインクジェット記録装置に関し、画像の光沢感を制御するインクジェット記録装置に関するものである。
記録ヘッドから吐出したインクを記録媒体に付与してドットを形成することにより記録媒体上に画像を記録するインクジェット記録では、様々な記録媒体に対して高品位な画像を記録することが強く求められている。また、特に近年は写真画質を求められ、銀塩写真と同等な画質と風合いを実現できる光沢紙が広く市場に流通している。
光沢紙において、記録される画像の光沢感に関する要求には様々なものがある。その1つとして、記録媒体全体に光沢にムラのない均一な画像を記録したいという要求がある。この要求に対して、例えば、特許文献1は、画像が記録された記録物表面における顔料インク特有の光沢ムラを低減する手段について開示している。この光沢ムラは、顔料インクによる画像の記録領域と非記録領域との間で光沢度が異なるために発生する問題である。特許文献1では、記録ヘッドのノズルからの顔料系有色インクの吐出、不吐出(ON・OFF)を画素単位で検出し、その有色インクが付与されないOFFの画素(非記録領域の画像)に対しては、透明インクを付与する。これによって、非記録領域の光沢度を有色インクによる記録領域と同等にして、光沢均一性を高めている。
一方、別の要求としては、光沢感の違いを利用して、同一記録媒体中に光沢の高い領域と光沢の低い領域とを混在させて、特殊な効果を演出したいという要求も出てきている。例としては、光沢の高い状態で記録されている写真画像の中に、文字画像を光沢の低い状態で得たいという要求がある。このような画像が記録された記録物は、見る角度を変えるとあたかも文字が浮かび上がって見えるような装飾効果が得られるため、カタログやグラフィックアート向けの「装飾印刷」という用途に用いることができる。本用途を実現する手段としては、特許文献2に記載のように、光沢を制御するための無色透明な画質向上液を用いる手段がある。特許文献2には、画質向上液を付与する際の記録ヘッドの走査回数や各走査の間引きデータを変更することで光沢度を制御し、簡易な構成で記録物内に複数段階の光沢感を表現する方法が開示されている。
特開2002−307755号公報 特許第4040417号明細書
顔料インクを用いた記録画像の光沢を一様化するためには、顔料系有色インクの単位記録領域当たりのドットの形成密度に応じて、記録媒体上で有色インクと画質向上液とが層状に分離された状態ではなく、それらのドットが混在する状態にする必要がある。これは、有色インクおよび画質向上液のドットが混在することで、表面形状に凹凸が発生しやすくなり、これにより、光沢度が高すぎる階調部で光沢度が抑制され、全階調での光沢が均一化されるためである。本現象の詳細は、発明の実施形態で詳しく述べる。
一方、光沢を制御するための無色透明な画質向上液を記録媒体に付与して装飾印刷の効果を出すためには、記録媒体上に形成された有色インクの層(有色インク層)に対して、画質向上液の層(画質向上液層)を上層となるように形成する必要がある。すなわち、装飾印刷の目的のためには、画質向上液層を、いわゆるオーバーコート層として形成させる必要がある。この状態を説明する図を図1に示す。
このように、顔料系有色インクを用いた記録画像の光沢均一性を向上させるためには、記録媒体に対して必要に応じて画質向上液を付与し、その際に、有色インクおよび画質向上液のドットを混在させて表面形状を荒らして、鏡面光沢度を下げる必要がある。一方、装飾印刷の時には、画質向上液を有色インクにオーバーコートする必要がある。前述した特許文献1および2には、これらのことを両立するための技術はなんら開示されていなかった。
画質向上液を付与するための記録ヘッドとして、装飾印刷のための記録ヘッド(オーバーコート用記録ヘッド)、および光沢均一性向上のための記録ヘッド(ドット混在記録用記録ヘッド)の2種類を持つことで、同時に2つの機能を果たすことも可能である。しかしその場合は、2種類の記録ヘッドを搭載することによるコストアップや記録装置の大型化につながってしまうという別の課題が発生する。
よって、本発明の目的は、顔料インクを用いたインクジェット記録装置において、大幅なコストアップや装置の大型化をせずに、装飾印刷と光沢均一化とを両立させることである。
上記課題を解決する本発明は、色材を含有するインクを吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列と、画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第2のノズル列と、を有する記録ヘッドを用い、記録ヘッドを所定方向と交差する主走査方向に移動させつつ当該記録ヘッドからインクおよび画質向上液の少なくとも一方を記録媒体に吐出する記録走査を記録媒体の単位領域に複数回行うことにより、記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、少なくとも1回以上の第1の記録走査において、インクを吐出し、かつ、インクにより形成される画像の光沢が均一化されるように画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出し、第1の記録走査よりも後の少なくとも1回以上の第2の記録走査において、光沢性が均一化された画像の一部の光沢を低下させるように画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出するように記録ヘッドを制御する制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置である。
本発明によれば、顔料インクを用いるインクジェット記録装置において、画質向上液用の記録ヘッドを複数持つことでの大幅なコストアップや装置の大型化をせずに、光沢制御および装飾印刷の2つの目的を両立する画質向上液の記録が可能となる。
装飾印刷のための画質向上液層と有色インク層との関係を説明する図である。 光沢度およびヘイズを説明する図である。 記録媒体上の有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液のドット形成状態と光沢度・写像性との関係を説明するための図である。 図3におけるドット形成状態と写像性・光沢度との関係を説明する図である。 本発明の実施形態で適用するインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。 インクジェット記録装置内部を説明する斜視図である。 本発明の実施形態のインクジェット記録ヘッドの6色の有色インクのノズル列および無色透明な画質向上液のノズル列の配列状態を示す図である。 本発明の実施形態におけるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図である。 本発明の実施形態で用いる6色の有色インクの調製を説明する図である。 本発明のインクジェット記録装置の画像処理構成を示すブロック図である。 本発明のインクジェット記録装置で用いるドットパターンを説明する図である。 一般的なマルチパス記録で用いるマスクパターンを説明する図である。 図12で説明したマスクパターンを用いたマルチパス記録処理を説明する図である。 本発明の第1の実施例で用いる有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンを説明する図である。 装飾印刷用の画質向上液の使い方および装飾効果を説明する図である。 本発明の第1の実施例で用いる装飾印刷用マスクパターンを説明する図である。 有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンと、装飾印刷用マスクパターンが、マルチパス記録において使用される様子を示す図である。 本発明の第1の実施例における記録媒体上に有色インクと画質向上液とが付与される様子を説明する図である。 光沢均一化用の画質向上液と装飾印刷用の画質向上液とが記録媒体上に付与される様子を示す模式図である。 本発明の実施形態における記録媒体上の有色インク、光沢均一化用の画質向上液、および装飾印刷用の画質向上液のドット形成状態と光沢度・写像性との関係を説明するための図である。 図20におけるドット形成状態と写像性・光沢度との関係を説明する図である。 本発明の第2の実施例における、有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンと装飾印刷用マスクパターンとを説明する図である。 本発明の第2の実施例における記録媒体上に有色インクと画質向上液とが付与される様子を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。まず、本発明の具体的な実施形態の説明に先立ち、その実施形態における(光沢度と写像性の評価方法)、(ドット形成状態と光沢度・写像性との関係)、(装置構成)、および(インク構成)について説明する。
(光沢度と写像性の評価方法)
本発明の実施形態において、記録画像内の光沢均一性を評価するための基準となる記録媒体表面の光沢度と写像性について説明する。記録媒体や画像の光沢感を評価する指標には、光沢度と写像性がある。以下に、光沢度および写像性の評価方法を説明する。
図2(a)〜(d)は、この光沢度およびヘイズを説明する図である。図2(a)に示すように、20°鏡面光沢度(以下、光沢度と記載する)およびヘイズは、記録物表面で反射した反射光を検出器によって検出することにより値を求めることができる。検出器としては、例えば、BYK−Gardner社製のB−4632(日本名:マイクロ−ヘイズ プラス)を用いることができる。反射光はその正反射光の軸を中心にある角度で分布しており、図2(d)に示すように、光沢度は、例えば検出器中心の開口幅1.8°で検出され、ヘイズは、その外側の例えば±2.7°までの範囲で検出される。すなわち、反射光が観察される場合、その分布の中心軸をなす正反射光の入射光に対する反射率が、光沢度と定義される。また、反射光の分布において正反射光の近傍に生じている散乱光を測定したものが、ヘイズもしくはヘイズ値と定義される。なお、上記検出器により測定される光沢度およびヘイズの単位は無次元であり、光沢度はJIS規格のK5600に、ヘイズはISO規格のDIS13803に準拠している。
写像性は、例えば、JIS H8686「アルミニウム及びアルミニウム合金の陽極酸化皮膜の写像性測定方法」やJIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」を用いて測定され、記録媒体に映り込んだ像の鮮明さを表す。例えば、記録媒体に映り込んだ照明像がぼやけている場合は、写像性の値は低い。写像性を測定する装置としては、写像性測定器ICM−1T(スガ試験機製)や、写像性測定装置GP−1S(オプテック製)がJIS規格に準拠したもので市販されている。
図2(b)および(c)は、記録画像の表面の粗さに応じて反射光の量や向きが異なることを示す図である。図2(b)と図2(c)とでは、図2(c)の方が記録画像の表面が粗い。これらの図に示されるように、一般に、表面が粗くなるほど反射光が拡散し正反射光の量が減るため、光沢度および写像性がより小さく測定される。以下、本実施形態においては、目標の光沢度に対する測定した光沢度の測定値の大小に基づき、光沢度の高低を評価した。また、目標の写像性に対する測定した写像性の測定値の大小に基づき、写像性の高低を評価した。いずれも測定値が小さい場合を低い、大きい場合を高いと評価した。
(ドット形成状態と光沢度・写像性との関係)
前述のように、顔料インクを用いた記録画像の光沢を一様化するためには、顔料系有色インクの記録デューティーに応じて、記録媒体上で有色インクと無色透明な画質向上液とが層状に分離された状態ではなく、各ドットが混在する状態にする必要がある。なお、本明細書における「記録デューティー」とは、記録媒体上の単位記録領域に形成されるドットの密度をいう。
図3の(a)〜(f)に、ドット形成状態と光沢度・写像性との関係を説明する図を示す。図3の(a)〜(c)は、有色インクのドットのみが記録デューティーに応じて記録媒体上に形成されている状態を示す。図3(a)は、有色インクのドット密度が比較的低いハイライト部、図3(b)は、有色インクのドット密度が比較的高い中間調部、図3(c)は、有色インクのドット密度が高いシャドー部のドット形成状態を表す。図3(d)〜(f)は、図3(a)〜(c)に対して、各階調部の光沢感の均一化を目的として、必要に応じて画質向上液を付与した状態を説明するものである。
図3(a)に示すハイライト部では、ドット密度が比較的低いため、有色インクによる記録面の光沢度において、記録媒体そのものの光沢度の寄与率が、有色インクの光沢度の寄与率よりも大きい。なお、本明細書における「光沢度」とは、JISで定義されている20°鏡面光沢度を指す。一般的には、記録媒体の光沢度は、顔料系有色インクの光沢度よりも低い。そのため、ハイライト部の光沢度は低いと認識される。したがって、ハイライト部では図3(d)に示すように、有色インクのドットが形成されていない部分に画質向上液を付加して記録面の光沢度を上げ、中間調部やシャドー部との光沢度差を少なくする必要がある。
一方、図3(b)に示す中間調部においては、有色インクのドット密度が比較的高く、記録媒体上に占める有色インクのドットの割合が多い状態である。この時記録面の光沢度は、顔料系有色インクの高い光沢度によって、非常に高い値となる。特に、顔料濃度の低いいわゆる淡インク系で図3(b)の記録状態を形成した場合、20°鏡面光沢度が100を超える状態となる。これに対し、我々が被験者テストを行い最適な20°鏡面光沢度を調べたところ、60から80の間にあるのが光沢度として好ましいことがわかっている。中間調部における高すぎる光沢度は、記録物として見るとぎらぎらとして光沢が高すぎる印象を受け、あまり好ましくない。しかしながら、光沢度を低減させるために有色インクの上に画質向上液をオーバーコートしても、画質向上液を表面が滑らかな層状に塗布した場合は、その高すぎる光沢度を目的のレベルまで下げることができない。そこで、図3(e)にあるように、有色インクおよび画質向上液のドットを記録媒体上にある程度混在させて形成し、記録面に凹凸を持たせるようにする。これにより、光沢度測定における散乱光が増大し、正反射光の入射光に対する反射率が低減して、高すぎる鏡面光沢度を抑制することが可能となる。この時、光沢感を決めるもう1つの要素である写像性(記録面に対して像がどれだけ鮮明に写りこむか)にも影響が及び、写像性が若干低下することとなるが、他の階調部とのバランスをとることで全体の光沢の均一化をはかれる。
次に、図3(c)に示すシャドー部については、有色インクのドット同士が重なった部分においては、顔料インクの色材や分散樹脂等の固形分量が多くなるために、表層に盛り上がった状態となり、全体に凹凸が発生する。この時記録面の写像性は他の階調部と比べて若干低いが、鏡面光沢度は高すぎず、前述した好ましい20°鏡面光沢度である60から80程度の値となる。従って、図3(c)においては、画質向上液による光沢感の調整は必要ないため、画質向上液の付与は行われず、図3(f)は図3(c)と同じ状態を示す。
図4は、以上の図3の(a)から(f)の光沢感(写像性および20°鏡面光沢度)の関係をまとめた表を示す。図4中の(a)から(f)の符号は、図3中のそれぞれの符号の状態に対応する。図4中の評価「高+」は、「高」よりも高いレベルを示す。ハイライト部に対して画質向上液を付与することによって光沢度が中程度に向上し、中間調部に対して画質向上液を付与することによって光沢度が中程度に低下して、当初より中程度の光沢度を示すシャドー部を含めた全階調において、光沢の均一化が得られる。
(装置構成)
図5は本実施形態で適用するインクジェット記録装置の外観を示す斜視図である。また、図6はインクジェット記録装置の内部を示す斜視図である。
本実施形態では、図5において、給紙トレイ12より矢印で示す方向に記録媒体を挿入後、間欠的に搬送して画像形成し、排紙トレイM3160より排紙する。
図6において、キャリッジ5に搭載された記録ヘッド1は、矢印A1、A2方向にガイドレール4に沿って往復移動しながらノズルからインクを吐出し、記録媒体S2上に画像を形成する。記録ヘッド1は、例えば、それぞれ異なった色のインクと画質向上液とに対応した複数のノズル群を有している。例えば、後述する6色の有色インク(シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM))と、無色透明な画質向上液(CL)とを吐出するためのノズル群である。これら各色のインクと画質向上液とは、インクタンク(不図示)に貯留され、そのインクタンクから記録ヘッド1に供給される。本記録ヘッドの6色の有色インクのノズル列(第1のノズル列)および無色透明な画質向上液のノズル列(第2のノズル列)の配列状態を図7に示す。ノズル列には、インクおよび画質向上液を吐出可能な複数のノズルが、主走査方向と交差する方向(本例の場合は、直交する方向)に配列されている。ノズルには、インクの吐出エネルギーを発生するための吐出エネルギー発生素子として、電気熱変換体(ヒータ)やピエゾ素子などが備えられている。電気熱変換体を用いた場合には、その発熱によりインクを発泡させ、その発泡エネルギーを利用してノズル先端の吐出口からインクを吐出することができる。
この実施形態では、インクタンクと記録ヘッド1とは一体となりヘッドカートリッジ6を構成し、ヘッドカートリッジ6はキャリッジ5に搭載される構成となっている。
また、キャリッジモータ11の駆動力をタイミングベルト17によってキャリッジ5に伝えることにより、キャリッジ5を矢印A1、A2方向(主走査方向)にガイド軸3とガイドレール4に沿って往復移動させる。このキャリッジ移動の際に、キャリッジ位置は、キャリッジ5に設けられたエンコーダセンサ21により、キャリッジの移動方向に沿って備えられたリニアスケール19を読み取ることにより検出される。そして、この往復移動により記録媒体上への記録が開始される。この時、記録媒体S2は給紙トレイ12より供給され、搬送ローラ16とピンチローラ15とにより挟持され、プラテン2まで搬送される。
記録ヘッド1がキャリッジ5と共にA1方向に移動しつつ1走査分の記録を行うと、搬送モータ13によってリニアホイール20を介して搬送ローラ16が駆動される。そして、記録媒体S2が副走査方向(記録媒体搬送方向)である矢印B方向に所定量搬送される。副走査方向は、主走査方向と交差(本例の場合は直交)する。その後、キャリッジ5がA2方向に走査しながら、記録媒体S2に記録が行なわれる。ホームポジションには図6に示されているように、ヘッドキャップ10と回復ユニット14が備えられ、必要に応じて間欠的に記録ヘッド1の回復処理を行う。
上記説明した動作を繰り返すことにより、記録媒体の1枚分の記録が終了すると、記録媒体は排紙され、1枚分の記録が完了する。
図8は、本実施形態におけるインクジェット記録装置の制御構成を示すブロック図を示す。インクジェット記録装置210は、コントローラ100、ヘッド・ドライバ140、モータ・ドライバ150および160を含む。
コントローラ100は主制御部であり、例えばマイクロ・コンピュータ形態のASIC101、ROM103、およびRAM105を有する。ROM103は、ドット配置パターン、マスクパターン、およびその他の固定データを格納している。RAM105は、記録データを展開する領域や作業用の領域等を設けている。ASIC101は、ROM103からプログラムを読み出し、記録データを記録媒体へ記録するまでの一連の処理を実行する。ヘッド・ドライバ140は、記録データに応じて記録ヘッド1を駆動するドライバである。モータ・ドライバ150はキャリッジモータ11を駆動するドライバであり、モータ・ドライバ160は搬送モータ13を駆動するドライバである。
ホスト装置110は、画像データの供給源であり、記録に係る画像のデータ(記録データ)の作成、処理等を行うコンピュータとする他、画像読み取り用のリーダ部等の形態であってもよい。記録データの詳細については後述する。記録データ、その他のコマンド、およびステータス信号等は、インタフェース(I/F)112を介してインクジェット記録装置210のコントローラ100に対して送受信される。
(インク構成)
次に、この実施形態のインクジェット記録装置で使用される顔料色材を含む有色インク(以下、有色インクまたはインクと記載する)と、無色透明で光沢制御に用いる画質向上液について説明する。
まずは、インクを構成する各成分について説明する。
[水性媒体]
本発明で使用するインクには、水および水溶性有機溶剤を含有する水性媒体を用いることが好ましい。インク中の水溶性有機溶剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として3.0質量%以上50.0質量%以下とすることが好ましい。また、インク中の水の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として50.0質量%以上95.0質量%以下とすることが好ましい。
水溶性有機溶剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。メタノール、エタノール、プロパノール、プロパンジオール、ブタノール、ブタンジオール、ペンタノール、ペンタンジオール、ヘキサノール、ヘキサンジオール、等の炭素数1〜6のアルキルアルコール類。ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類。アセトン、ジアセトンアルコール等のケトンまたはケトアルコール類。テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類。ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等の平均分子量200、300、400、600、および1,000等のポリアルキレングリコール類。エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等の炭素数2〜6のアルキレン基を持つアルキレングリコール類。ポリエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の低級アルキルエーテルアセテート。グリセリン。エチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類。N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等。また、水は、脱イオン水(イオン交換水)を用いることが好ましい。
[顔料]
顔料は、カーボンブラックや有機顔料を用いることが好ましい。インク中の顔料の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上15.0質量%以下とすることが好ましい。
ブラックインクは、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラックを顔料として用いることが好ましい。具体的には、例えば、以下の市販品等を用いることができる。レイヴァン:7000、5750、5250、5000ULTRA、3500、2000、1500、1250、1200、1190ULTRA−II、1170、1255(以上、コロンビア製)。ブラックパールズL、リーガル:330R、400R、660R、モウグルL、モナク:700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、2000、ヴァルカンXC−72R(以上、キャボット製)。カラーブラック:FW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリンテックス:35、U、V、140U、140V、スペシャルブラック:6、5、4A、4(以上、デグッサ製)。No.25、No.33、No.40、No.47、No.52、No.900、No.2300、MCF−88、MA600、MA7、MA8、MA100(以上、三菱化学製)。また、本発明のために新たに調製したカーボンブラックを用いることもできる。勿論、本発明はこれらに限定されるものではなく、従来のカーボンブラックを何れも用いることができる。また、カーボンブラックに限定されず、マグネタイト、フェライト等の磁性体微粒子や、チタンブラック等を顔料として用いてもよい。
機顔料は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。トルイジンレッド、トルイジンマルーン、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、ピラゾロンレッド等の水不溶性アゾ顔料。リトールレッド、ヘリオボルドー、ピグメントスカーレット、パーマネントレッド2B等の水溶性アゾ顔料。アリザリン、インダントロン、チオインジゴマルーン等の建染染料からの誘導体。フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン等のフタロシアニン系顔料。キナクリドンレッド、キナクリドンマゼンタ等のキナクリドン系顔料。ペリレンレッド、ペリレンスカーレット等のペリレン系顔料。イソインドリノンイエロー、イソインドリノンオレンジ等のイソインドリノン系顔料。ベンズイミダゾロンイエロー、ベンズイミダゾロンオレンジ、ベンズイミダゾロンレッド等のイミダゾロン系顔料。ピランスロンレッド、ピランスロンオレンジ等のピランスロン系顔料。インジゴ系顔料、縮合アゾ系顔料、チオインジゴ系顔料、ジケトピロロピロール系顔料。フラバンスロンイエロー、アシルアミドイエロー、キノフタロンイエロー、ニッケルアゾイエロー、銅アゾメチンイエロー、ペリノンオレンジ、アンスロンオレンジ、ジアンスラキノニルレッド、ジオキサジンバイオレット等。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
また、有機顔料をカラーインデックス(C.I.)ナンバーで示すと、例えば、以下のものを用いることができる。C.I.ピグメントイエロー:12、13、14、17、20、24、74、83、86、93、97、109、110、117、120、125、128、137、138、147、148、150、151、153、154、166、168、180、185等。C.I.ピグメントオレンジ:16、36、43、51、55、59、61、71等。C.I.ピグメントレッド:9、48、49、52、53、57、97、122、123、149、168、175、176、177、180、192等。同、215、216、217、220、223、224、226、227、228、238、240、254、255、272等。C.I.ピグメントバイオレット:19、23、29、30、37、40、50等。C.I.ピグメントブルー:15、15:1、15:3、15:4、15:6、22、60、64等。C.I.ピグメントグリーン:7、36等。C.I.ピグメントブラウン:23、25、26等。C.I.ピグメントブラック:7等。勿論、本発明はこれらに限定されるものではない。
[分散剤]
上記したような顔料を水性媒体に分散するための分散剤は、水溶性を有する樹脂であれば何れのものも用いることができる。中でも特に、分散剤の重量平均分子量が1,000以上30,000以下、更には3,000以上15,000以下のものが好ましい。インク中の分散剤の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上5.0質量%以下とすることが好ましい。
分散剤は、具体的には、例えば、以下のものを用いることができる。スチレン、ビニルナフタレン、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の脂肪族アルコールエステル、アクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、酢酸ビニル、ビニルピロリドン、アクリルアミド、またはこれらの誘導体等を単量体とするポリマー。なお、ポリマーを構成する単量体のうち1つ以上は親水性単量体であることが好ましく、ブロック共重合体、ランダム共重合体、グラフト共重合体、またはこれらの塩等を用いても良い。または、ロジン、シェラック、デンプン等の天然樹脂を用いることもできる。これらの樹脂は、塩基を溶解した水溶液に可溶である、即ち、アルカリ可溶型であることが好ましい。
[界面活性剤]
インクセットを構成するインクの表面張力を調整するためには、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、および両性界面活性剤等の界面活性剤を用いることが好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェノール類、アセチレングリコール化合物、アセチレングリコールエチレンオキサイド付加物等を用いることができる。
[その他の成分]
インクセットを構成するインクは、前記した成分の他に、保湿性維持のために、尿素、尿素誘導体、トリメチロールプロパン、およびトリメチロールエタン等の保湿性固形分を含有してもよい。インク中の保湿性固形分の含有量(質量%)は、インク全質量を基準として0.1質量%以上20.0質量%以下、更には3.0質量%以上10.0質量%以下とすることが好ましい。また、インクセットを構成するインクは、前記した成分以外にも必要に応じて、pH調整剤、防錆剤、防腐剤、防黴剤、酸化防止剤、還元防止剤、および蒸発促進剤等の種々の添加剤を含有してもよい。
次に、本実施形態で用いるインクをより具体的に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、下記実施例によって限定されるものではない。なお、文中「部」、および「%」とあるのは、特に断りのない限り質量基準である。
[顔料分散液1〜4の調製]
以下に示す手順により、顔料分散液1〜4を調製した。なお、以下の記載において、分散剤とは、酸価200、重量平均分子量10,000のスチレン−アクリル酸共重合体を、10質量%水酸化ナトリウム水溶液で中和することにより得られた水溶液のことである。
<C.I.ピグメントレッド122を含む顔料分散液1の調製>
顔料(C.I.ピグメントレッド122)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液1を得る。
<C.I.ピグメントブルー15:3を含む顔料分散液2の調製>
顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて5時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液2を得る。
<C.I.ピグメントイエロー74を含む顔料分散液3の調製>
顔料(C.I.ピグメントイエロー74)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて1時間分散する。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去した。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液3を得る。
<C.I.ピグメントブラック7を含む顔料分散液4の調製>
カーボンブラック顔料(C.I.ピグメントブラック7)10部、分散剤20部、イオン交換水70部を混合し、バッチ式縦型サンドミルを用いて3時間分散する。なお、分散する際の周速は、顔料分散液1を調製する際の2倍とした。その後、遠心分離処理によって粗大粒子を除去する。更に、ポアサイズ3.0μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過し、顔料濃度が10質量%である顔料分散液4を得る。
[インクの調製]
図9に示した各成分を混合し、十分攪拌した後、ポアサイズ0.8μmのセルロースアセテートフィルター(アドバンテック製)にて加圧ろ過を行い、インク1〜6を調製する。
次に、本実施形態で用いる光沢を制御するための無色透明な画質向上液を説明する。
[画質向上液の調製]
ラジカル開始剤を用いた溶液重合法により合成したスチレン(St)−アクリル酸(AA)共重合体C(St/AA=70/30(質量%)、分子量10500、実測酸価203)を用いて、下記組成の液体組成物Lを作製する。なお、塩基性物質としては水酸化カリウムを用い、液体組成物のpHが8.0となるように添加量を調整する。
スチレン−アクリル酸共重合体C 2部
グリセリン 7部
ジエチレングリコール 5部
水 86部
上記調製により得られる画質向上液は、光沢を制御するための液である。この画質向上液は、後述するように、インクジェット記録装置にて、記録画像の各階調部における光沢を均一化するため、および装飾印刷のために使用されることができる。同様の効果が得られる限り、画質向上液は前記調製例によって限定されるものではない。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態を詳細に説明する。
図10は本発明のインクジェット記録装置の画像処理構成を示すブロック図である。前提として、本発明において、無色透明の画質向上液は、記録画像の光沢を制御するための液であり、詳細には、各階調領域における光沢を均一化するため(以下、光沢均一化用という)、および装飾印刷のため(以下、装飾印刷用という)に用いられる。ここで、本明細書における「装飾印刷」とは、記録媒体上の記録画像に対して画質向上液を付与することにより、画質向上液が付与された領域の光沢をその周囲の光沢よりも低下させて、その領域が浮かび上がって見えるような効果(装飾効果)を与えることをいう。
まず、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液のための記録データを生成する処理フローについて説明する。
901はPC上のアプリケーションである。アプリケーション901からRGBそれぞれについて8bit、計24bitの画像データが色処理部902に入力される。色処理部902では、RGBの画像データから、インクジェット記録装置で使用する有色インク色の信号、および光沢を制御するための無色透明の画質向上液(以下CLと略する)の信号に変換する。本例において、インクジェット記録装置で使用する有色インク色は、前述したようにシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、ブラック(K)、ライトシアン(LC)、ライトマゼンタ(LM)の6色であるが、これに限られない。色処理部902から出力される信号は、階調性を確保するため、各色12bit、計84bitの信号となる。
903はハーフトーン処理部である。ハーフトーン処理部903では、入力された各色12bit(=4096値)の多値信号に対して、誤差拡散等の擬似中間調処理(ハーフトーニング処理)を行って、4096値よりも少ないN値のデータに変換する。このN値とは、具体的には、例えば3〜16値程度であり、各色2〜4bitの多値のハーフトーニングを行う。本実施例では多値ハーフトーニングで説明をするが、これに限るものではなく、2値ハーフトーニングでも良い。
905はプリントバッファ1である。前記ハーフトーニング処理までがホスト装置(PC)110上で行う処理であり、以降の処理はインクジェット記録装置本体で行う処理である。そのため、ハーフトーン処理部903でハーフトーニング処理されたN値のデータは、PCから905のプリントバッファ1に一旦格納される。
907はドットパターン展開部である。ドットパターン展開部907では、905のプリントバッファ1より入力されるN値のデータに対応したN種類の階調のドットパターンに展開を行う。図11を用いてこの例を説明する。図11の例は、入力されるLevel0から4の5値のデータを、対応する2×2画素のドットパターンに展開した例である。黒で塗りつぶされた画素はドットが形成されるONの意味であり、白の画素はドットが形成されないOFFの意味である。
909はマスク処理部である。同一の記録領域に対して記録ヘッドを複数回数走査して画像を記録する記録走査を、マルチパス記録処理という。マスク処理部909は、マルチパス記録処理において、複数回数行う走査毎に記録データを間引くために、展開されたドットパターンに基づく間引きパターン(以下マスクパターンと呼ぶ)を用いてマスク処理を行う。
ここで、マスクパターンについて説明する。図12に、一般的なマスクパターンを示す。図12のマスクパターンは4回の走査で記録を完成させる4パス用マスクパターンの例である。このマスクパターンは、記録データに応じてドットが形成されるONの画素を黒で示し、ドットが形成されないOFFの画素を白抜きで表し、記録データがランダムに間引かれる。マスクパターンの縦横のサイズは768×768画素であり、縦方向は記録ヘッドのノズル列方向、横方向は記録ヘッドを走査する主走査方向に対応する。縦方向のサイズの768画素は、記録ヘッドのノズル数の768と対応している。図の点線で示すように、縦方向の768画素を1/4の192画素ずつに分割したパターンが1〜4パス目のマスクパターンとなり、これら1〜4パス目のマスクパターンはそれぞれ補間関係にある。本例では1〜4パス目のマスクパターンはほぼ同じ記録デューティー、すなわち約25%の記録デューティーとなっている。
続いて図13に、図12の一般的なマスクパターンを用いたマルチパス記録処理を説明する図を示す。本図では、説明の容易のため、1色の記録ヘッドで説明する。1201から1204は記録ヘッドを表し、4パスのマルチパス記録を行う際に、記録媒体が副走査方向に順次搬送され、記録媒体の同一領域に対して記録ヘッドの位置が相対的にずれていく様子を示すものである。1205から1208は、それぞれN+1パス目からN+4パス目で記録された画像であり、1209は、4パス全てにおいて重複して記録された領域を示す。
図14を用いて、本実施形態で用いる特徴的なマスクパターンについて説明する。本発明のマスクパターンが図12の一般的な4パスのマスクパターンと異なるのは、1パス目と2パス目にあたる部分にのみONの画素が存在し、3パス目と4パス目にはONの画素が存在しないことである。すなわち実質的には2パスのマルチパスで記録を構成していることになり、1パス目と2パス目で記録される画像の記録デューティーは、それぞれ約50%の記録デューティーとなっている。この図14に示されるマスクパターンは、6色の有色インクC、M、Y、K、LC、LMおよび無色の画質向上液(ただし、光沢均一化用の画質向上液)CLの計7色全てに対して適用される。先に(ドット形成状態と光沢度・写像性との関係)の箇所でも述べたように、全階調領域の光沢を均一化させるためには、有色インクおよび画質向上液を層状に付与するのではなく、それぞれのドットをある程度混在させて形成する必要がある。そのためには、有色インクおよび画質向上液を同じ走査で付与することが有効であり、両者何れの付与についても、図14のようなマスクパターンを用いる。
ここで、記録データを生成する図10の処理フローについての説明に戻る。912は、インクジェット記録装置の記録ヘッドのうちの有色インク用ヘッドである。マスク処理部909で間引きが行われると、有色インクについての間引き後の記録データ(第1の記録データ)と、光沢均一化用の画質向上液についての間引き後の記録データ(第2の記録データ)とが得られる。このうち有色インクについての間引き後の第1の記録データが有色インク用ヘッド912に送られて、有色インク用ヘッド912が駆動される。なお、光沢均一化用の画質向上液についての間引き後の第2の記録データは、以下に説明する装飾印刷用の画質向上液についての間引き後の記録データ(第3の記録データ)と合成部911にて合成されてから、画質向上液用ヘッド913に送られる。画質向上液についてのデータ生成の詳細は、後述する。
次に、画質向上液を、画像に装飾効果を与える装飾印刷に用いるための方法について述べる。図15(a)は、装飾印刷用の画質向上液の使い方を示す図である。1401は記録媒体を示し、1402は記録媒体上の画像の記録領域(画像領域)を示す。この画像領域1402に有色インクによって画像が記録される。1403が示す文字「ABC」は、有色インクによって記録された画像領域1402に対して、画質向上液によって装飾印刷された文字を表す。また、図15(b)に示される文字「ABC」は、装飾印刷用の画質向上液を付与するために使用された記録データである。有色インクが記録された箇所に画質向上液を記録することで、その箇所の光沢度が変化し文字が浮き出るような効果(装飾効果)を得ることができる。
再び図10を用いて、装飾印刷用の画質向上液のための記録データ(第3の記録データ)を生成する処理フローについて説明する。アプリケーション901から、上述の図15(a)に示すような装飾印刷のために、図15(b)に示されるような装飾印刷用の画質向上液の付与に使用される第3の記録データが生成される。この記録データは、装飾印刷用の画質向上液CLのみについての記録データであり、アプリケーション901の持つ機能を用いて有色インクについての通常の記録データとは別に作成される多値データである。上述のように、色処理部902から出力される有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液についての第1および第2の記録データは、階調性を考慮して12bitであった。一方、この装飾印刷用の画質向上液の第3の記録データは、階調性をそれほど必要としないため、8bitデータ、すなわち256階調として出力する。
ハーフトーン処理部904では、入力された装飾印刷用の画質向上液の多値の記録データをハーフトーニング処理して、256値よりも少ないM値のデータに変換する。
906はプリントバッファ2であり、908はドットパターン展開部である。これらの機能は、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液のデータを処理するフローにおける905のプリントバッファ1および907のドットパターン展開部と同様の機能であるため、説明は割愛する。
910はマスク処理部である。図16を用いて、装飾印刷用の画質向上液の付与に用いるマスクパターン(以下、装飾印刷用マスクパターンまたは第3のマスクパターンという)について説明する。図16に示されるマスクパターンは、図14で示した有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液の付与に用いるマスクパターン(以下、有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンまたは第1および第2のマスクパターンという)を上下反転した形をしている。すなわち、3パス目と4パス目にあたる部分のみONの画素が存在し、1パス目と2パス目にはONの画素が存在しない。
続いて、図17を用いて、マスク処理部909で用いられる図14の有色インクおよび光沢均一化用マスクパターン、およびマスク処理部910で用いられる図16の装飾印刷用マスクパターンが、マルチパス記録時にどのように用いられるかを説明する。本図では、説明の容易のため1色の記録ヘッドで説明する。
図17(a)、(b)の2101から2104は1つの記録ヘッドを表し、4パスのマルチパス記録を行う際に、記録媒体が副走査方向に順次搬送され、記録媒体の同一領域2109、2114に対して記録ヘッドの位置が相対的にずれていく様子を示す。図17(a)は図14の有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンを用いたマルチパス記録を示す。図17(a)の場合は、前半のN+1パスとN+2パスの2つのパスにおいて(第1のマルチパス記録時に)、有色インクによる画像が記録されると共に、光沢均一化用の画質向上液が、同一走査において同一領域に対して必要に応じて付与される。また、図17(b)は、図16の装飾印刷用マスクパターンを用いたマルチパス記録を示す。図17(b)の場合は、後半のN+3パスとN+4パスの2つのパスにおいて(第2のマルチパス記録時に)、装飾印刷用の画質向上液によって画像が記録される。すなわち、有色インクの付与のためには、図17(a)で示されるように、図14の有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンのみが、マルチパス記録において用いられる。また、画質向上液の付与のためには、図17(a)および(b)で示されるように、図14の有色インクおよび光沢均一化用マスクパターンに加え、図16の装飾印刷用マスクパターンが、共に、マルチパス記録において用いられる。
再度図10のフローを参照して、911は合成部である。ここでは、マスク処理部909で間引き処理が行われた光沢均一化用の画質向上液の第2の記録データと、マスク処理部910で間引き処理が行われた装飾印刷用の画質向上液の第3の記録データとを合成する。画質向上液の間引き処理に使用する2つのマスクパターンは、図14および図16に示されるように、ONの画素が存在するパス領域のデータが互いに排他的になっている。そのため、合成の際のビット演算子としては、単純なビットORをとればよい。合成部911で、光沢均一化用および装飾印刷用の画質向上液についての間引き後のデータが合成された後、その合成データが画質向上液用ヘッド913に送られて、画質向上液用ヘッド913が駆動される。
以上図10を用いて説明を行ってきた記録データ処理フローによって記録媒体上で有色インクおよび画質向上液が実際にどのように付与されるかについて、図18を用いて説明する。図18の1601は記録媒体を示す。また、1602は有色インク用ヘッドを示し、1603は画質向上液用ヘッドを示し、この2つがインクジェット記録装置の記録ヘッドを構成する。有色インク用ヘッド1602および画質向上液用ヘッド1603は、それぞれ、複数のノズルが副走査方向(記録媒体搬送方向)に並ぶノズル列を有し、図18に示されるように、記録ヘッドが移動する主走査方向に横並びに配列される。
1604は、有色インク用ヘッドの使用領域と、光沢均一化のために使用される画質向上液用ヘッドの使用領域とを表すものである。両者のヘッドは、同一記録走査(第1の記録走査)において同じ領域1604に有色インクと画質向上液とを付与する。以下これを同時記録という。この記録走査時には、第1および/または第2のノズル列における複数のノズルのうち、副走査方向の上流側に位置するノズルから有色インクおよび/または画質向上液が記録媒体上に付与される。
また、1605は、装飾印刷のために使用される画質向上液用ヘッドの使用領域を表すものである。有色インク用ヘッドの使用領域1604に対して有色インクよる画像が記録された後に、その領域1604が画質向上液用ヘッドの使用領域1605に移動する。したがって、有色インクによる画像が記録された後の記録走査(第2の記録走査)において、その画像の記録部分に装飾印刷用の画質向上液が付与されることになる。以下これを後がけ記録という。この記録走査時には、第2のノズル列における複数のノズルのうち、副走査方向の下流側に位置するノズルから画質向上液が記録媒体上に付与される。
次に、図19を用いて、有色インクと同時記録される画質向上液(光沢均一化用の画質向上液)、および後がけ記録される画質向上液(装飾印刷用の画質向上液)が、記録媒体上でどのように付与されるかを模式的に示す。図19は、計4パスのマルチパス記録を行う際に、記録媒体の同一領域2205および2214に対して、記録ヘッドの位置が相対的にずれて記録が行われた様子を示すものである。
図19に示すN+1パス目およびN+2パス目の記録パスにおいて、2201および2202に示されるように有色インク用の第1のマスクパターンを用いて、有色インクによる画像を間引いて記録する。このとき、同時記録される画質向上液(光沢均一化用の画質向上液)は、有色インクと同様に2201および2202に示されるように第2のマスクパターンにより間引かれた状態で記録媒体上の領域2205に2206および2207に示されるように付与される。続いてN+3パス目およびN+4パス目の記録パスにおいて、2203および2204で示されるように有色インクおよび光沢均一化用の第1および第2のマスクパターンが用いられる。このとき、領域2205に対しては、2208および2209に示されるように、有色インクも光沢均一化用の画質向上液も付与されない。このように、光沢均一化用の第2のマスクパターンにより、記録媒体上の領域2205に対して、2206、2207、2208、および2209を重ね合わせた2219に示されるように、光沢均一化用の画質向上液が付与される。
一方、装飾印刷用の画質向上液については、N+1パス目およびN+2パス目の記録パスにおいて、2210および2211に示されるように装飾印刷用の第3のマスクパターンが用いられる。このとき、記録媒体上の領域2214に対しては、2215および2216に示されるように、装飾印刷用の画質向上液は付与されない。続いてN+3パス目およびN+4パス目の記録パスにおいて、2212および2213で示されるように装飾印刷用の第3のマスクパターンが用いられる。このとき、装飾印刷用の画質向上液は、記録媒体上の領域2214に対して、2217および2218に示されるように第3のマスクパターンで間引きされた状態で記録される。よって、装飾印刷用の第3のマスクパターンにより、記録媒体上の領域2214に対して、2215、2216、2217、および2218を重ね合わせた2220に示されるように、装飾印刷用の画質向上液が付与される。2219に示される光沢均一化を目的とした画質向上液の第2の記録データ、および2220に示される装飾印刷を目的とした画質向上液の第3の記録データは、合成されて、2221に示されるような記録データとなる。2219に示される第2の記録データに基づいて光沢均一化用の画質向上液が記録媒体上に付与された後に、2220に示される第3の記録データに基づいて装飾印刷用の画質向上液が記録媒体上に付与される。したがって、合成された記録データ2221における「ABC」で表した装飾印刷用の画質向上液の下には、第2の記録データ2219に基づいて付与された光沢均一化用の画質向上液が存在し得ることとなる。
ここで、装飾効果を得るために画質向上液によって記録媒体上にどのようにドット形成するかを、図20を用いて説明する。図20(a)から(c)は、前述した(ドット形成状態と光沢度・写像性の関係)を説明するのに用いた図3と同様、有色インクのドットのみが記録デューティーに応じて記録媒体上に形成された状態を示す図である。図20(a)から(c)はこの順でドット密度が高くなり、(a)はハイライト部、(b)は中間調部、および(c)はシャドー部と呼ばれる階調の状態を示す。図20(d)から(f)は、図20(a)から(c)に対して、光沢均一化用および/または装飾印刷用の画質向上液を必要に応じて付与した状態を示す。詳細には、図20(d)から(f)において、図中矢印Cで示した範囲の記録媒体上の領域は、装飾効果を得ようとする領域であり、装飾印刷用の画質向上液のドットが必要に応じて形成される。また、図中矢印Cで示した範囲以外の記録媒体上の領域は、光沢の均一化を図った領域であり、光沢均一化用の画質向上液のドットが必要に応じて形成される。
図20(d)に示されるハイライト部において、矢印Cで示した範囲以外の記録媒体上の領域に対しては、光沢を均一化するための画質向上液が既に付与されており、一方、矢印Cで示した範囲の記録媒体上の領域に対しては、これが付与されていない。これにより、光沢均一化を目的とする領域の光沢度は中程度にまで向上し、装飾効果を得ようとする領域の光沢度は低いままであるため、この段階で、光沢度の差が生じ、装飾効果が得られている。この装飾効果を得ようとする領域に対して画質向上液を付与したとすると、その領域の光沢度は向上して、光沢均一化を目的とする領域との光沢度の差が無くなってしまう。したがって、ハイライト部においては、装飾効果を得ようとする領域に対して、画質向上液を付与しない。
続いて、図20(e)に示される中間調部において、矢印Cで示した範囲以外の記録媒体上の領域に対しては、光沢を均一化するための画質向上液が付与されている。これにより、その色材に起因して光沢度が高い有色インクのドットと、それよりも光沢度が低い画質向上液のドットとが記録媒体上に混在するようになるため、光沢度は中程度に抑制される。一方、装飾効果を得ようとする領域については、低い光沢度が要求される。したがって、有色インクのドットに対して、その上層に装飾印刷用の画質向上液のドットを形成する。これにより、色材に起因して高い光沢度を有する有色インクが、それよりも低い光沢度を提供する画質向上液のドットに被覆されるため、そのような低い光沢度を達成することができる。また、この方法によれば、記録面の表面形状をあまり変化させずに済むため、写像性に対する影響が小さい。なお、装飾効果を得ようとする領域については、光沢均一化のための画質向上液をあらかじめ付与していてもよいが、画質向上液の総使用量、および表面形状への影響を考慮して、光沢均一化のための画質向上液はあらかじめ付与していなくてもよい。
次に、図20(f)に示されるシャドー部においては、有色インクの高いドット密度に起因して光沢度は中程度であるため、他階調部との光沢の均一化を図った領域において、光沢度の調整は必要なく、光沢を均一化するための画質向上液は付与されていない。一方、装飾効果を得ようとする領域については、低い光沢度が要求される。したがって、中間調部の場合と同様に、有色インクのドットの上層に装飾印刷用の画質向上液のドットを形成する。これにより、色材起因の高い光沢度を有する有色インクが、それよりも低い光沢度を提供する画質向上液のドットに被覆されるため、そのような低い光沢度を達成することができる。また、この方法によれば、記録面の表面形状をあまり変化させずに済むため、写像性に対する影響が小さい。
以上のようにして、本発明によれば、各階調部において、所望の装飾効果を得ることができる。
図21は、図20(a)から(f)の光沢感(写像性および20°鏡面光沢度)の関係を示す。図中、「装飾部」は、装飾効果を得ようとする領域を指し、「非装飾部」はそれ以外の記録領域を指す。本発明によれば、このように、装飾部では光沢度が低い状態、非装飾部では光沢度が装飾部と比べて相対的に高い中程度の状態を実現することができる。各領域の光沢度の差は、人間の目には光沢の違いによる装飾印刷の効果として見える。
(第2の実施形態)
次に本発明の第2の実施形態について説明する。本実施形態においては、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液による第1のマルチパス記録におけるパス数と、装飾印刷用の画質向上液による第2のマルチパス記録のパス数と、を異ならせている。
第1の実施形態では、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液による第1のマルチパス記録も、装飾印刷用の画質向上液による第2のマルチパス記録も、それぞれ実質的には2パスで行われ、合計4パスで目的の画像を記録した。しかしながら、有色インクによる2パスでの記録では、インクジェット記録装置本体のメカ機構の部品のばらつきや搬送動作における搬送精度のばらつき等によって、インクの着弾位置の乱れ(ドットの形成位置の乱れ)が発生するおそれがある。そのような乱れは局所的な濃度変動となって、スジやムラといった画像弊害が発生するおそれがある。その回避手段としては、有色インクによるマルチパスの記録を3パスや4パスに増やすことが最も効果があるが、その分、記録速度の低下に繋がる。一方、画質向上液のような無色透明のインクのマルチパス記録においては、画質向上液の着弾位置の乱れは有色インクで発生するような画像濃度の変動としては認識されない。そのため、画質向上液に関しては、有色インクのマルチパス記録のパス数に比較して少ないパス数でも画像弊害が起こりにくい。
そこで、本実施形態では、有色インクおよび光沢均一化用の画質向上液による第1のマルチパス記録のパス数を4、装飾印刷用の画質向上液による第2のマルチパス記録のパス数を2として、合計6パスとした。
図22(a)に有色インクおよび光沢均一化用マスクパターン、図21(b)に装飾印刷用マスクパターンを示す。各々のマスクパターンの縦方向のサイズは記録ヘッドのノズル数768に対応した768画素であり、合計6パスの記録であるため、各パスは128画素に分割されている。これは、ノズル数として128ノズルに対応する。
図23を用いて、本例において有色インクおよび画質向上液がどのように付与されるかについて説明する。前述した第1の実施形態の説明に用いた図18において同じ働きを示すものについては説明を割愛する。2004は、有色インク用ヘッドの使用領域、および光沢均一化のために使用される画質向上液用ヘッドの使用領域を表すものである。上記説明にあるように、本使用領域2004は1パス目から4パス目までの計4パスの記録において使用されるため、副走査方向における記録幅は、128画素×4=512画素となる。これは、ノズル数として512ノズルに対応する。また、2005は装飾印刷のために使用される画質向上液用ヘッドの使用領域を表すものである。上記説明にあるように、本使用領域2005は5パス目および6パス目の計2パスの記録において使用されるため、副走査方向における記録幅は、128画素×2=256画素となる。これは、ノズル数として256ノズルに対応する。第1の実施形態では装飾印刷および光沢均一化のために割り当てられたノズル数は同一であったが、第2の実施形態では、装飾印刷のために割り当てられたノズル数は、光沢均一化のために割り当てられたノズル数よりも多い。このように、本発明においては、光沢均一化のために割り当てられた画質向上液を吐出可能なノズルの数は、装飾印刷のために割り当てられた画質向上液を吐出可能なノズルの数以上であることができる。また、光沢均一化のために割り当てられた画質向上液を吐出可能な前記ノズルの数と、有色インクを吐出可能なノズルの数とは、同一である。
以上説明したように、本実施形態によれば、有色インクによる第1のマルチパス記録のパス数を増やすことにより、インクジェット記録装置本体のメカ機構のばらつきによって発生する有色インクの着弾誤差に起因する濃度変動を回避することができる。また、一方で装飾印刷用の画質向上液による第2のマルチパス記録のパス数を減らすことにより、装飾印刷のための画質向上液を後がけ記録する機能を有しながら、記録速度の低下を最低限に抑えることが可能となる。

Claims (14)

  1. 色材を含有するインクを吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列と、画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出するための複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列と、を有する記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドを前記所定方向と交差する主走査方向に移動させつつ当該記録ヘッドから前記インクおよび前記画質向上液の少なくとも一方を記録媒体に吐出する記録走査を前記記録媒体の単位領域に複数回行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録装置であって、
    少なくとも1回以上の第1の記録走査において、前記インクを吐出し、かつ、前記インクにより形成される画像の光沢が均一化されるように画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出し、前記第1の記録走査よりも後の少なくとも1回以上の第2の記録走査において、前記光沢性が均一化された画像の一部の光沢を低下させるように画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出するように前記記録ヘッドを制御する制御手段を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 前記第1の記録走査を複数回数行い、前記制御手段は、前記複数回数の前記第1の記録走査のそれぞれにおいて前記インクを吐出し、かつ、前記複数回数の前記第1の記録走査のそれぞれにおいて前記画質向上液を吐出するように前記記録ヘッドを制御することを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  3. 前記制御手段は、
    前記第1の記録走査において前記記録ヘッドが前記インクを吐出するように制御するための第1の記録データを、前記複数回数の前記第1の記録走査それぞれでのインクの吐出量を決定するための第1のマスクパターンを用いて作成する第1のデータ生成手段と、
    前記第1の記録走査において前記記録ヘッドが前記画質向上液を吐出するように制御するための第2の記録データを、前記複数回数の前記第1の記録走査それぞれでのインクの吐出量を決定するための第2のマスクパターンを用いて作成する第2のデータ生成手段と、
    を備えることを特徴とする請求項2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 前記単位領域に対して前記第2の記録走査を複数回行い、
    前記制御手段は、前記複数回数の前記第2の記録走査のそれぞれにおいて前記画質向上液を吐出するように前記記録ヘッドを制御し、
    前記制御手段は、前記第2の記録走査において前記記録ヘッドが前記画質向上液を吐出するように制御するための第3の記録データを、前記複数回数の前記第2の記録走査それぞれでのインクの吐出量を決定するための第3のマスクパターンを用いて作成する第3のデータ生成手段を備えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  5. 前記複数回数の前記第1の記録走査の回数と、前記複数回数の前記第2の記録走査の回数と、が異なることを特徴とする請求項4に記載のインクジェット記録装置。
  6. 前記複数回数の前記第1の記録走査の回数は、前記複数回数の前記第2の記録走査の回数よりも多いことを特徴とする請求項5に記載のインクジェット記録装置。
  7. 前記記録走査と次の前記記録走査との間に前記主走査方向と交差する搬送方向に前記記録媒体を搬送する搬送手段を備え、
    前記制御手段は、前記第1の記録走査において、前記第1のノズル列における前記搬送方向の上流側に位置するノズルから前記単位領域に前記インクを吐出し、前記第2のノズル列における前記搬送方向の上流側に位置するノズルから前記単位領域に前記画質向上液を吐出し、かつ前記第2の記録走査時において、前記第2のノズル列における前記搬送方向の下流側に位置するノズルから前記単位領域に前記画質向上液を吐出するように前記記録ヘッドを制御する請求項1から6のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  8. 前記制御手段が前記第1の記録走査において前記画質向上液を吐出することを許容する前記第2のノズル列における前記ノズルの数は、前記インクを吐出する前記第1のノズル列における前記ノズルの数と同一であり、かつ前記第2の記録走査において前記画質向上液を吐出することを許容する可能な前記ノズルの数以上であることを特徴とする請求項7項に記載のインクジェット記録装置。
  9. 前記制御手段は前記第1の記録走査と前記第2の記録走査とで同じ前記画質向上液を前記単位領域に吐出することを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  10. 光沢を低下させる前記一部により画像に装飾効果が与えられることを特徴とする請求項1から9のいずれか1項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 色材を含有するインクを吐出するための複数のノズルが所定方向に配列された第1のノズル列と、画像の光沢性を調整するための画質向上液を吐出するための複数のノズルが前記所定方向に配列された第2のノズル列と、を有する記録ヘッドを用い、前記記録ヘッドを前記所定方向と交差する主走査方向に移動させつつ当該記録ヘッドから前記インクおよび前記画質向上液の少なくとも一方を記録媒体に吐出する記録走査を前記記録媒体の単位領域に複数回行うことにより、前記記録媒体に画像を記録するインクジェット記録方法であって、
    少なくとも1回以上の第1の記録走査において、前記インクを吐出し、かつ、前記インクにより形成される画像の光沢が均一化されるように前記画質向上液を吐出し、前記第1の記録走査よりも後の少なくとも1回以上の第2の記録走査において、前記光沢性が均一化された画像の一部の光沢を低下させるように前記画質向上液を吐出することを特徴とするインクジェット記録方法。
  12. 前記第1の記録走査を複数回数行い、前記複数回数の前記第1の記録走査のそれぞれにおいて前記インクを吐出し、かつ、前記複数回数の前記第1の記録走査のそれぞれにおいて前記画質向上液を吐出することを特徴とする請求項10に記載のインクジェット記録方法。
  13. 前記第1の記録走査と前記第2の記録走査とで同じ前記画質向上液を前記単位領域に吐出することを特徴とする請求項11または12に記載のインクジェット記録方法。
  14. 光沢を低下させる前記一部により画像に装飾効果が与えられることを特徴とする請求項11から13のいずれか1項に記載のインクジェット記録方法。
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