JP6581273B1 - 肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法、その定量用キット、腎疾患の検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬 - Google Patents

肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法、その定量用キット、腎疾患の検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の検体中のL−FABPないし酸化されたL−FABPを定量する方法、その定量用キット、被験者の尿中のL−FABP又は酸化されたL−FABPの定量結果に基づく腎疾患の検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬を提供すること。【解決手段】抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件において、肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を含む肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法。【選択図】図2

Description

本発明は、検体中の肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法、その定量用キット、腎疾患の検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬に関する。
肝型脂肪酸結合タンパク質(L−type Fatty Acid Binding Protein;以下、単に「L−FABP」ともいう。)は肝臓、腎臓の近位尿細管細胞などの細胞質に存在しており、腎臓では尿細管障害による虚血ないし酸化ストレスに応答して尿中への排泄量が増加する(例えば、非特許文献1)。そのため尿中の腎臓組織由来L−FABP蛋白質の総量の検出に基づく腎疾患の検査が可能である(例えば、特許文献1)。L−FABPは逆平行βシートが2枚直行したβバレル構造に2本のαへリックスが蓋をするような形で安定化され、2分子の遊離脂肪酸と結合することが知られている(例えば、非特許文献2)。
L−FABPはメチオニン残基の酸化修飾により構造変化が生じ、L−FABP分子の内部領域が露わとなる(例えば、非特許文献3)。その結果、L−FABP分子の内部領域と結合する抗体を用いることでELISAなどの抗原抗体反応を用いた測定において抗体結合能が変化し、測定値が大きく変化することが知られている。またこのL−FABPのメチオニン残基の酸化修飾は2,2’−アゾビズ2−アミジノプロパン(以下、「AAPH」と略記する。)処理、空気酸化等によって生じることが報告されている(特許文献2〜4)。
特許文献5には、尿試料に変性剤として、還元剤(グルタチオン、システイン、ペニシラミン等)、カオトロピック試薬(尿素、グアニジン等)及び界面活性剤(n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)からなる化合物の1種又は2種を添加し、尿試料をこれらの化合物を用いて前処理することで免疫測定の感度、すなわち測定対象物である尿中のタンパク質の測定感度を向上させる方法が開示されており、尿中のタンパク質の一例として、L−FABPが挙げられているがL−FABPの検出についての具体的な記載はない。また特許文献6には、有機アミン化合物を用いることによって、担体粒子の自然凝集を起こさせずに特異反応に基づく凝集を促進する方法が開示され、特許文献7には、ベンズアミジン誘導体などの分子内にNH−C=N−の部分構造と環状構造とを有する化合物を試料中のL−FABPと接触させることにより測定感度を向上させる方法が開示されている。
しかしながら、L−FABP分子の内部領域と結合する抗体を用いたL−FABPの酸化状態を評価する方法としての記載はない。
特開平11−242026号公報 特許第6174778号公報 特許第6218983号公報 特許第6059388号公報 特開2014−85208号公報 国際公開WO2007/074860号 国際公開WO2016/136863号
Kamijo,A.et al.:J Lab Clin Med,143:23−30,2004 Cai,J.,et al.:Biophys J,102:2585−2594,2012. Yan, J.,et al.:J Lipid Res,50:2445−2454,2009.
本発明は、このような従来技術の実情に鑑みてなされたものであり、任意の検体中のL−FABPないし酸化されたL−FABPを定量する方法、その定量用キット、被験者の尿中のL−FABP又は酸化されたL−FABPの定量結果に基づく腎疾患の検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、抗原抗体反応を促進する処理を適切に行うことで、酸化されていないL−FABPに対して酸化されたL−FABPの測定感度が相対的に高く、かつ酸化されたL−FABPの測定感度が絶対的にも高い条件の実現が可能であることを見出した。また、本発明者らは、慢性腎疾患(CKD)患者及び急性腎疾患(AKI)患者とで尿中におけるL−FABPの酸化率が相違することを見出した。
本発明は、上記知見に基づき完成されるに至ったものである。
すなわち本発明は以下の通りである。
<1>抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件において、肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を含む肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法。
<2>前記条件が、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物による処理によって形成された条件である、<1>に記載の方法。
<3>前記酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件よりも、酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質及び酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度差が小さい条件にて前記肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を更に含む、<1>又は<2>に記載の方法。
<4>前記測定感度差が小さい条件が、前記検体中の肝型脂肪酸結合タンパク質を界面活性剤による変性処理により形成された条件である、<3>に記載の方法。
<5>前記測定感度差が小さい条件における前記肝型脂肪酸結合タンパク質の測定値と、前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における測定値とに基づき、検体中の肝型脂肪酸結合タンパク質中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の比率に略対応する酸化率を算出する工程を更に含む、<3>又は<4>に記載の方法。
<6>肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、<1>〜<5>のいずれか1項に記載の方法に用いる定量用キット。
<7>抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件において、被験者の尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を含む腎疾患の検査方法。
<8>被験者の尿中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値を、抗原抗体反応を促進する処理後に定量する工程を含む、腎疾患の検査方法。
<9>前記定量が、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における定量である、<8>に記載の方法。
<10>前記条件が、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物による処理によって形成された条件である、<7>又は<9>に記載の検査方法。
<11>前記酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件よりも、酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質及び酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度差が小さい条件にて前記肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を更に含む、<7>、<9>又は<10>に記載の方法。
<12>前記測定感度差が小さい条件が、前記尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質を界面活性剤による変性処理により形成された条件である、<11>に記載の方法。
<13>前記測定感度差が小さい条件における前記肝型脂肪酸結合タンパク質の測定値と、前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における測定値とに基づき、尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の比率に略対応する酸化率を算出する工程を更に含む、<11>又は<12>に記載の方法。
<14>酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の正常範囲、又は腎疾患における酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の範囲と、被験者の尿中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値とを比較し、被験者における前記量若しくはそれと相関するパラメータの値が、前記範囲のいずれに該当するかを決定する工程を含む、被験者における酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値に基づく腎疾患の検査方法。
<15>肝型脂肪酸結合タンパク質又は酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、<7>〜<14>のいずれか1項に記載の方法に用いる検査キット。
<16>肝型脂肪酸結合タンパク質又は酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、<7>〜<14>のいずれか1項に記載の方法を用いるコンパニオン診断薬。
本発明によれば、任意の検体中のL−FABP又は酸化されたL−FABPを定量する方法、その定量用キットを提供し得る。
また、本発明によれば、被験者の尿中のL−FABP又は酸化されたL−FABPの定量結果に基づき、慢性腎疾患、急性腎疾患等の腎疾患を検査し得る検査方法、その検査キット及びコンパニオン診断薬を提供し得る。
参考例1の結果を示す図である。 実施例1の結果を示す図である。
以下、本発明の実施態様について詳細に説明するが、本発明は、以下の実施態様に何ら限定されるものではなく、本発明の目的の範囲内において、適宜変更を加えて実施することができる。
(L−FABP)
L−FABPのアミノ酸配列や遺伝子配列は既に報告されている(Veerkamp and Maatman, Prog. Lipid Res.,34:17−52,1995)。配列番号1は、野生型ヒトL−FABPのアミノ酸配列を表す。
配列表の配列番号1に記載した野生型ヒト肝型脂肪酸結合タンパク質のアミノ酸配列上の置換、挿入、欠失等による変異タンパク質であっても、その変異が野生型ヒト肝型脂肪酸結合タンパク質の3次元構造において保存性が高い変異であれば、これらは全て肝型脂肪酸結合タンパク質の範囲内に属し得る。
タンパク質の構成要素となるアミノ酸の側鎖は、疎水性、電荷、大きさなどにおいてそれぞれ異なるものであるが、実質的にタンパク質全体の3次元構造(立体構造とも言う)に影響を与えないという意味で保存性の高い幾つかの関係が、経験的にまた物理化学的な実測により知られている。例えば、アミノ酸残基の置換については、グリシン(Gly)とプロリン(Pro)、Glyとアラニン(Ala)又はバリン(Val)、ロイシン(Leu)とイソロイシン(Ile)、グルタミン酸(Glu)とグルタミン(Gln)、アスパラギン酸(Asp)とアスパラギン(Asn)、システイン(Cys)とスレオニン(Thr)、Thrとセリン(Ser)又はAla、リジン(Lys)とアルギニン(Arg)等が挙げられる。
上記L−FABPの取得方法については特に制限はなく、化学合成により合成したタンパク質でもよいし、遺伝子組み換え技術による作製した組み換えタンパク質でもよい。
≪L−FABPを定量する方法≫
本発明の第1の態様は、抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質(以下、単に「非酸化型L−FABP」ともいう。)の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質(以下、単に「酸化型L−FABP」ともいう。)の測定感度が高い条件において、L−FABPを定量する工程を含むL−FABPを定量する方法である。
L−FABPを含有する検体としては任意の検体でよく、例えば、尿、血液、汗等が挙げられ、尿が好ましい。
第1の態様に係るL−FABPを定量する方法において、検体は非酸化型L−FABPを含んでいてもいなくてもよく、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの混合物であってもよいが、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの混合物又は酸化型L−FABPが好ましい。
L−FABPは、配列番号1における19番目、74番目及び113番目のメチオニンが酸化され得、上記酸化型L−FABPは、19番目、74番目及び113番目のメチオニンの少なくともいずれかが酸化されたL−FABPということができ、特に、抗L−FABP抗体を用いた測定値の変化に関しては、19番目及び113番目のメチオニンの酸化が支配的であると考えられることから、19番目及び113番目のメチオニンの少なくともいずれかが酸化されたL−FABPが好ましい。
L−FABPの検出ないし定量等の測定方法としては、酵素免疫測定法(EIA,ELISA)、蛍光酵素免疫測定法(FLEIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、電気化学発光測免疫測定法(ECLIA)、蛍光抗体法(FA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウェスタンブロット法(WB)、イムノブロット法などを採用したアッセイ法が挙げられ、抗L−FABP抗体を用いた測定であることが好ましい。
用いる抗L−FABP抗体としては、L−FABPを認識し得る限り特に制限はなく、公知の抗体であってもよく、今後開発される抗体であってもよい。抗L−FABP抗体を用いる測定である場合、上記メチオニンの酸化により外部へ曝露される部位を認識する抗体が更に好ましい。
また、非酸化型L−FABPは認識しないが、酸化型L−FABPを特異的に認識し得る抗酸化型L−FABP抗体を用いることもできるが、第1の態様に係るL−FABPを定量する方法における上記条件は、そのような抗体依存的な条件を含むものではない。
具体的には、例えば、50mMのAAPHにて37℃60分間処理した酸化型リコンビナントL−FABPと、未処理の非酸化型リコンビナントL−FABPとを、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」(シミックホールディングス株式会社製)の抗体を使用してELISA測定し、標識抗体の発色強度(OD450nm)を測定した場合に、濃度25ng/mlにおいて、非酸化型L−FABPに対して酸化型L−FABPの測定感度が1.4倍以上(好ましくは1.5倍以上、より好ましくは1.8倍以上、更に好ましくは2.0倍以上)高い条件における定量であることがより好ましい。
測定感度の倍率の上限値としては特に制限はないが、例えば、6倍以下又は4倍以下が挙げられる。
ここでいう「未処理の非酸化型リコンビナントL−FABP」とは、1000mMのベンズアミジン塩酸塩又は1500mMの塩化グアニジニウムの少なくとも一方にて25℃10分間処理した後、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」の抗体を使用してELISA測定し、標識抗体の発色強度(OD450nm)を測定した場合に、濃度25ng/mlにおいて、50mMのAAPHにて37℃60分間処理した酸化型L−FABPに対して発色強度が0.7倍以下となるL−FABPをいう。
上記測定方法として、より詳細には、抗原(L−FABP)に対する認識部位が異なる2種類の抗体を組み合わせて用いるサンドイッチELISA法であることが好ましい。
認識部位が異なる2種類の抗体は、一方を、マイクロプレートのウェル中の表面に結合させた固相化抗体として用い、他方を、検出ないし定量のための標識抗体として用いることが好ましい。上記標識抗体における標識としては特に制限はなく、例えば、パーオキシダーゼ標識等の酵素標識、蛍光標識、紫外線標識、放射線標識等が挙げられる。
抗原(L−FABP)に対する認識部位が異なる抗体としては、抗L−FABP抗体クローン1、クローン2、クローンL及びクローンFよりなる群から選択される抗体を含む抗体が挙げられ(例えば、特許文献2〜4)、抗L−FABP抗体クローンLを含む組み合わせ、又は抗L−FABP抗体クローン2を含む組み合わせであることが好ましく、抗L−FABP抗体クローンLを含む組み合わせであることがより好ましく、抗L−FABP抗体クローンLを固相化抗体として用い、任意の抗L−FABP抗体を標識抗体として用いることが更に好ましく、抗L−FABP抗体クローンLを固相化抗体として用い、抗L−FABP抗体クローン2を標識抗体として用いることが特に好ましい。
サンドイッチELISA法を利用したL−FABP測定キットの市販品としては、「レナプロ L−FABP テストTMB」(シミックホールディングス社製)、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」(シミックホールディングス社製)等が挙げられる。
例えば、抗L−FABP抗体を用いる定量等である場合、抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、上記酸化型L−FABPの測定感度が高い条件では、L−FABPの物理化学的特性が軽度に変更してL−FABPと抗体との反応が促進されつつ、L−FABPの立体構造が損なわれる程には変性していない。これにより、酸化型L−FABPの測定感度が非酸化型L−FABPの測定感度よりも高い特性を維持または亢進しつつ、絶対的な測定感度を増加することができる。
このような条件は、種々のタンパク質変性剤を適切な使用条件との組合せで使用することで形成可能であり、タンパク質変性作用の穏やかな物質を用いることは、使用条件の自由度が高くなる点で好ましい。ただし、タンパク質変性作用の強い物質(例えば、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS))を用いても、使用条件の自由度が相応に低くはなる(低濃度、低温、短時間等の制約が加わる)が、上記条件形成が可能であり得る。
この観点で、いわゆる免疫凝集促進剤が好ましく、具体的にはカオトロピック試薬又は有機アミン化合物がより好ましい。
参考例1において後述するように、免疫凝集促進剤を適切な条件で使用する処理後の測定感度は、酸化型L−FABPについて、絶対的に著しく増大しつつ、非酸化型L−FABPに比べて相対的に高い。
したがって、免疫凝集促進剤による処理後の抗L−FABP抗体を用いる測定値と、上記処理無しの抗L−FABP抗体を用いる測定値(好ましくは、後述する酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件における測定値)との対比から、検体中の酸化型L−FABPを定量し得る。
免疫凝集促進剤としては、カオトロピック試薬、有機アミン化合物、還元剤(グルタチオン、システイン、ペニシラミン等)、界面活性剤(n−ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム等)、又は同様の効果を有する物質等が挙げられ、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物が好ましい。
第1の態様に係る酸化型L−FABPを定量する方法において、上記定量が、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物による処理後のL−FABPの定量であることがより好ましい。
測定に用いられる抗L−FABP抗体は上記と同様である。
上記カオトロピック試薬ないし有機アミン化合物の具体例としては、尿素、2−アミノ−2−チアゾリン塩酸塩、ベンズアミジン塩酸塩、ベンジルアミン塩酸塩、グアニジン塩酸塩、アミノピリン、アンチピリン、4−アミノアンチピリン、o−フェニレンジアミン二塩酸塩、p−アニシジン塩酸塩、ジフェンヒドラミン塩酸塩、2,4−ジアミノアニソール二塩酸塩、ピリジン塩酸塩、塩酸1,4−フェニレンジアミン、アミノグアニジン塩酸塩、ベタイン塩酸塩から選ばれる少なくとも1種が好ましく用いられる。この中でも、ベンズアミジン塩酸塩、ベンジルアミン塩酸塩、2−アミノ−2−チアゾリン塩酸塩がさらに好ましい。
また、下記式(A)で表される化合物もしくはその塩又はエステル、下記式(B)で表される化合物又はその塩も好ましく用い得る。
Figure 0006581273
(式(A)中、Xa1は、水素原子、水酸基又はアルキル基であり、Xa2〜Xa6は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、水酸基、カルボキシ基、アミノ基又は−SXa7(Xa7は、水素原子、水酸基又はアルキル基を表す。Xa7が複数存在するときは、それぞれ同一であっても異なる基であってもよい。)を表す。)
上記アルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましい。
Figure 0006581273
(式(B)中、Xb1〜Xb4は、それぞれ独立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アミノ基、ハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基又は−SXb6(Xb6は、水素原子、水酸基又はアルキル基を表す。Xb6が複数存在するときは、それぞれ同一であっても異なる基であってもよい。)であり、ここで、Xb1とXb2の両方が存在する場合はそれぞれ一緒になってカルボニル基を形成していてもよく、Xb3とXb4の両方が存在する場合はそれぞれ一緒になってカルボニル基を形成していてもよく、Xb5は、水素原子、ハロゲン原子又はアルキル基であり、
b1は、窒素原子又は硫黄原子であり、
b2及びEb3は、それぞれ独立して、炭素原子又は窒素原子であり、
q、r、s、t及びuは、それぞれ独立して、0又は1であり、
b1とEb3との間の二重破線及びEb2とEb3との間の二重破線は、それぞれ独立して、単結合又は二重結合であり、上記q、r、s、t及びuの値並びにEb1とEb3との間の二重破線及びEb2とEb3との間の二重破線の結合は、Eb1〜Eb3の原子価に応じて適宜定まる値及び結合を示す。)
上記アルキル基としては、直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、炭素原子数1〜3のアルキル基が好ましい。
なお、各有機アミン化合物の塩としては、硫酸塩、硝酸塩、臭化水素塩、ふっ化水素酸塩、ほうふっ化水素酸塩、しゅう酸塩、乳酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、よう化水素酸塩、トルエンスルホン酸塩、マロン酸塩、重炭酸塩など特に制限は無いが、本発明の効果以外に試薬としての取扱い易さや入手のしやすさ等を勘案して適宜選ぶことができる。
上記カオトロピック試薬、有機アミン化合物等の免疫凝集促進剤による処理としては、室温(例えば、25℃)もしくは加温条件下(例えば、35℃以下)にて適切な濃度(例えば、10mM〜3000mM)の免疫凝集促進剤により適切な時間(例えば、5〜60分間)処理する方法が挙げられ、非酸化型L−FABPに対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件を達成する観点、及び35℃以下の範囲では、測定感度の差異が小さい観点から、室温もしくは35℃以下の加温条件下にて任意の濃度の免疫凝集促進剤により処理する方法が好ましく、室温もしくは33℃以下の加温条件下にて任意の濃度の免疫凝集促進剤により処理する方法がより好ましく、室温もしくは30℃以下の加温条件下にて任意の濃度の免疫凝集促進剤により処理する方法が更に好ましく、室温もしくは28℃以下の加温条件下にて任意の濃度の免疫凝集促進剤により処理する方法が特に好ましく、室温(例えば、25℃)にて任意の濃度の免疫凝集促進剤により処理する方法が最も好ましい。典型的には、1000mMのベンズアミジン塩酸塩又は1500mMの塩化グアニジニウムにて25℃10分間処理することが挙げられる。
上記カオトロピック試薬、有機アミン化合物等の免疫凝集促進剤は1種単独で用いても、複数種を混合して用いてもよい。
SDS等の界面活性剤による処理としては、低温(例えば、25℃以下)にて適切な低濃度(例えば、0.12質量/体積%以下)の界面活性剤により適切な短時間(例えば、4分未満)処理する方法が挙げられる。
第1の態様に係るL−FABPを定量する方法は、上記非酸化型L−FABPに対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件よりも、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件にて上記L−FABPを定量する工程を更に含むことが好ましい。
酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件として、例えば、50mMのAAPHにて37℃60分間処理した酸化型リコンビナントL−FABPと、未処理の非酸化型リコンビナントL−FABPとを、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」(シミックホールディングス株式会社製)の抗体を使用してELISA測定し、標識抗体の発色強度(OD450nm)を測定した場合に、濃度25ng/mlにおいて、非酸化型L−FABPに対して酸化型L−FABPの測定感度が0.8倍以上1.4倍未満(好ましくは0.9倍以上1.25倍以下)の条件が挙げられる。
上記測定感度差が小さい条件では、L−FABPの一次構造を維持した状態で水素結合、ジスルフィド結合等を切断することによりその立体構造が変性している。これにより、抗体がL−FABP分子の内部領域と結合する場合であってもL−FABPの酸化状態に影響されることなく、高感度かつ特異的にL−FABPを検出ないし定量することができる。
このような条件は、種々のタンパク質変性剤を適切な使用条件との組合せで使用することで形成可能であり、タンパク質変性作用の強い物質を用いることは、使用条件の自由度が高くなる点で好ましい。ただし、タンパク質変性作用の穏やかな物質(例えば、上記の免疫凝集促進剤)を用いても、使用条件の自由度が相応に低くはなる(高濃度、高温、長時間等の制約が加わる)が、上記条件形成が可能であり得る。
この観点で、界面活性剤が好ましく、具体的にはドデシル硫酸ナトリウム(SDS)が好ましい。
ここでいう「未処理の非酸化型リコンビナントL−FABP」については前述の通りである。
上記変性処理としては、室温(例えば、25℃)もしくは加温条件下(例えば、37℃)にて適切な濃度(例えば、0.2質量/体積%(w/v%)〜10質量/体積%、好ましくは0.4質量/体積%(w/v%)以上、0.5質量/体積%(w/v%)以上、又は0.7質量/体積%(w/v%)以上であってよい。)の界面活性剤により適切な時間(例えば、5〜60分間)処理する方法が挙げられる。典型的には、1w/v%のSDSにて25℃10分間変性処理することが挙げられる。
免疫凝集促進剤による処理としては、加温条件下(例えば、37℃以上)にて適切な高濃度(例えば、3500mM)の免疫凝集促進剤により適切な長時間(例えば、80分間)処理する方法が挙げられる。
本明細書及び特許請求の範囲において、検体中L−FABPの全濃度(酸化型L−FABPと、非酸化型L−FABPとの総和)に対する検体中の酸化型L−FABPの比率を「L−FABPの酸化率」と定義することができる。
精度の観点から、第1の態様に係るL−FABPを定量する方法は、上記測定感度差が小さい条件における上記L−FABPの測定値と、上記酸化型L−FABPの測定感度が高い条件における測定値とに基づき、検体中のL−FABP中の酸化型L−FABPの比率に略対応する酸化率を算出する工程を更に含むことが好ましい。
「L−FABPの酸化率」は、上記酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件におけるL−FABPの測定値(例えば、標識強度)に対する上記酸化型L−FABPの測定感度が高い条件における測定値の比(例えば、下記式で表される吸光度比(OD比))に略対応し得る。

上記酸化型L−FABPの測定感度が高い条件におけるOD値/上記酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件におけるL−FABPのOD値
また、「L−FABPの酸化率」は、例えば、下記式のように表すこともできる。
(aX+bY)(OD値)/L−FABPの全濃度(OD値)
(上記式中、a、bは係数を表し、Xは酸化型L−FABPの濃度を表し、Yは非酸化型L−FABPの濃度を表す。)
係数aは酸化型L−FABPに対する抗体の反応性を表す係数であることが好ましく、係数bは非酸化型L−FABPに対する抗体の反応性を表す係数であることが好ましい。
第1の態様に係るL−FABPを定量する方法は、検体中の酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値を定量する工程を含み、上記定量する工程が、上記酸化型L−FABPを定量する工程であることが好ましい。
酸化型L−FABPの量と相関するパラメータとしては、酸化型L−FABPの量そのものではなく、測定値(例えば、標識強度)から換算して算出されるパラメータが挙げられ、具体的には、非酸化型L−FABPの測定感度に対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件における測定値、「L−FABPの酸化率」等が挙げられる。
「酸化型L−FABPの量」の方が、「L−FABPの酸化率」及び「検体中L−FABPの全濃度」のそれぞれ単独の定量結果よりも精度が高いからである。
上記酸化型L−FABPの濃度は、上記酸化率と、上記酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件におけるL−FABPの測定値(検体中L−FABPの全濃度)との積から定量し得る。
第1の態様に係るL−FABPを定量する方法において、上記定量は、測定される標識の強度(例えば、吸光度、酵素標識強度、蛍光強度、紫外線強度、放射線強度等)と、L−FABPの量(例えば、濃度)との関係に基づき検量線を作成し、上記検量線に基づき(例えば、対比して)定量してもしなくてもよい。
≪定量用キット≫
本発明の第2の態様は、L−FABPを定量し得る物質を含む、第1の態様に係るL−FABPを定量する方法に用いる定量用キットである。
第2の態様に係る定量用キットにおいて、L−FABPを定量し得る物質としては、酵素免疫測定法(EIA,ELISA)、蛍光酵素免疫測定法(FLEIA)、化学発光酵素免疫測定法(CLEIA)、化学発光免疫測定法(CLIA)、電気化学発光測免疫測定法(ECLIA)、蛍光抗体法(FA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)、ウェスタンブロット法(WB)、イムノブロット法などに基づいてL−FABPを定量する物質が挙げられ、具体的には、抗L−FABP抗体が好ましい。
用いる抗L−FABP抗体としては、L−FABPを認識し得る限り特に制限はなく、公知の抗体であってもよく、今後開発される抗体であってもよい。例えば、上記変性処理、上記メチオニンの酸化等により外部へ曝露される部位を認識する抗体が挙げられる。
上記定量手段として、より詳細には、抗原(L−FABP)に対する認識部位が異なる2種類の抗体を組み合わせて用いるサンドイッチELISA法を採用したアッセイ系が好ましい。
認識部位が異なる2種類の抗体については上述した通りである。
上記定量手段としては、試薬として上記抗L−FABP抗体を含むことが好ましく、標識抗L−FABP抗体を更に含むことがより好ましく、必要に応じて吸着防止剤(ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、スキムミルク、ポリエチレングリコール等)、前処理液(任意の界面活性剤、任意の緩衝液等)、反応緩衝液(任意の緩衝液等)、発色基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、過酸化水素水等)等を含んでいてもよい。
上記定量手段における吸着防止剤の含有量としては本発明の効果を損なわない限りにおいて特に制限はないが、0.05〜10質量%であることが好ましい。
上記定量手段として、抗原に対する認識部位が異なる2種類の抗体を組み合わせて用いるサンドイッチELISA法を用いたキットであることが好ましく、固相に抗L−FABP抗体クローンL、標識抗体に抗L−FABP抗体クローン2を使用しているキットであることがより好ましい。
第2の態様に係る定量用キットは、抗L−FABP抗体により定量を行なう場合、定量に先だって、界面活性剤によりL−FABPを変性する手段を備えることが好ましい。
第2の態様に係る定量用キットは、上記検体中のL−FABPを界面活性剤により変性処理する手段、及び
上記変性処理後のL−FABPを定量する手段を更に備えることがより好ましい。
上記界面活性剤としては、上述の通りである。
第2の態様に係る定量用キットは、検体中のL−FABPないし酸化型L−FABPを免疫凝集促進剤(好ましくはカオトロピック試薬又は有機アミン化合物)により処理する手段を更に備え、かつ上記定量する手段が上記処理後のL−FABPを定量する手段であることが好ましい。
第2の態様に係る定量用キットが、サンドイッチELISA法を用いたキットである場合の具体的態様としては、例えば、下記(1)〜(10)を含むキットが挙げられる。
(1)L−FABP抗体固相化マイクロプレート……抗ヒトL−FABPマウスモノクローナル抗体結合ウェル(例えば、クローンL産生細胞株由来)
(2)変性処理液(例えば、任意の界面活性剤)
(3)免疫凝集促進剤処理液(例えば、カオトロピック試薬、有機アミン化合物)
(4)反応緩衝液
(5)酵素標識抗体……パーオキシダーゼ標識抗ヒトL−FABPマウスモノクローナル抗体(例えば、クローン2産生細胞株由来)
(6)酵素基質液
(7)洗浄剤(任意の緩衝液、界面活性剤等)
(8)反応停止液(1N硫酸等)
(9)標準緩衝液(任意の緩衝液等)
(10)肝型脂肪酸結合タンパク質標品
(10)肝型脂肪酸結合タンパク質標品の濃度としては特に制限はなく、例えば、10〜10000ng/mLが挙げられ、50〜5000ng/mLが好ましく、100〜1000ng/mLがより好ましく、200〜800ng/mLが更に好ましく、300〜600ng/mLが特に好ましい。
第2の態様に係る定量用キットは、タンパク吸着防止を目的としてBSAを含有するタンパク質保存緩衝液を含むことが好ましい。例えば、下記タンパク質保存緩衝液が挙げられる。
(タンパク質保存緩衝液)
10mMリン酸バッファー(pH7.2)、150mM NaCl、1.0%BSA、0.1%NaN
≪腎疾患の検査方法≫
本発明の第3の態様は、抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、非酸化型L−FABPに対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件において、被験者(例えば、患者)から採取した尿中のL−FABPを定量する工程を含む腎疾患の検査方法である。
また、本発明の第4の態様は、被験者から採取した尿中の酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値を、抗原抗体反応を促進する処理後に定量する工程を含む腎疾患の検査方法であり、上記定量する工程が、上記酸化型L−FABPの量を定量する工程であることが好ましい。
酸化型L−FABPの量と相関するパラメータとしては、酸化型L−FABPの量そのものではなく、測定値(例えば、標識強度)から換算して算出されるパラメータが挙げられ、具体的には、上述した非酸化型L−FABPの測定感度に対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件における測定値、上述した「L−FABPの酸化率」等が挙げられる。
第3及び4の態様に係る腎疾患の検査方法において、非酸化型L−FABPを含んでいてもいなくてもよく、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの混合物であってもよいが、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの混合物又は酸化型L−FABPが好ましい。
第3及び4の態様に係る腎疾患の検査方法において、上記腎疾患は、CKD及びAKIよりなる群から選択される少なくとも1種の腎疾患が好ましく、AKIがより好ましい。
L−FABPないし酸化型L−FABPの検出ないし定量等の測定方法としては、≪L−FABPを定量する方法≫について上述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
第3及び4の態様に係る腎疾患の検査方法において、上記腎疾患の検査が、疾患の進行状況の判断、治療方針の参考にされることはもちろんであるが、腎疾患の重篤度の判定、腎疾患発症リスクの予測及び腎疾患進行のモニタリングよりなる群から選択される少なくとも1種の検査が好ましく、腎疾患の予後の重篤度の判定、腎疾患発症リスクの予後予測及び腎疾患進行のモニタリングによる予後予測よりなる群から選択される少なくとも1種の検査がより好ましい。
第4の態様に係る腎疾患の検査方法において、上記定量が、非酸化型L−FABPの測定感度に対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件における定量であることが好ましい。
非酸化型L−FABPの測定感度に対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件の具体例及び好ましい例としては、≪L−FABPを定量する方法≫について上述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
第3及び4の態様に係る腎疾患の検査方法は、上記非酸化型L−FABPの測定感度に対して酸化型L−FABPの測定感度が高い条件よりも、酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件にて上記L−FABPを定量する工程を更に含むことが好ましい。
酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPの測定感度差が小さい条件の具体例及び好ましい例としては、≪L−FABPを定量する方法≫について上述した具体例及び好ましい例と同様のものが挙げられる。
第3及び4の態様に係る腎疾患の検査方法において、上記定量は、測定される標識の強度(例えば、吸光度、酵素標識強度、蛍光強度、紫外線強度、放射線強度等)と、L−FABPの量(例えば、濃度)との関係に基づき検量線を作成し、上記検量線に基づき(例えば、対比して)定量してもしなくてもよい。
本発明の第5の態様は、酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の正常範囲、又は腎疾患における酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の範囲と、被験者の尿中の酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値とを比較し、被験者における上記量若しくはそれと相関するパラメータの値が、上記範囲のいずれに該当するかを決定する工程を含む、被験者における酸化型L−FABPの量若しくはそれと相関するパラメータの値に基づく腎疾患の検査方法である。
第3〜5の態様に係る腎疾患の検査方法は、ROC(受信者動作特性)解析結果として、曲線下面積(AUC)が0.650以上で検査し得ることが好ましく、0.700以上で検査し得ることがより好ましく、0.710以上で検査し得ることが更に好ましい。
第3〜5の態様に係る腎疾患の検査方法は、L−FABPのみの定量結果に基づくことができ、CKD又はAKIを評価することができ、CKD及びAKIを一貫して評価することもできる。
≪検査キット、コンパニオン診断薬≫
本発明の第6の態様は、L−FABPないし酸化型L−FABPを定量し得る物質を含む、第3又は4の態様に係る腎疾患の検査方法に用いる検査キットである。
本発明の第7の態様は、L−FABPないし酸化型L−FABPを定量し得る物質を含む、第3又は4の態様に係る腎疾患の検査方法を用いるコンパニオン診断薬である。
本明細書及び特許請求の範囲において、「コンパニオン診断薬」は、個々の腎疾患(例えば、CKD、AKI)患者に対する医薬品の効果、副作用のリスク、適切な投薬量を予測するために、実際に投薬を開始する前に行う検査で使用される診断薬をいう。
第7の態様に係るコンパニオン診断薬において、腎疾患は、CKD及びAKIよりなる群から選択される少なくとも1種の疾患が好ましい。
第6の態様に係る検査キット及び第7の態様に係るコンパニオン診断薬において、L−FABP又は酸化型L−FABPを定量し得る物質の具体例及び好ましい例としては、≪定量用キット≫について上述したものと同様のものが挙げられる。
上記定量手段としては、試薬として上記抗L−FABP抗体を含むことが好ましく、標識抗L−FABP抗体を更に含むことがより好ましく、必要に応じて吸着防止剤(ウシ血清アルブミン(BSA)、カゼイン、スキムミルク、ポリエチレングリコール等)、前処理液(任意の界面活性剤、任意の緩衝液等)、反応緩衝液(任意の緩衝液等)、発色基質(3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン、過酸化水素水等)等を含んでいてもよい。
上記定量手段における吸着防止剤の含有量としては本発明の効果を損なわない限りにおいて特に制限はないが、0.05〜10質量%であることが好ましい。
第6の態様に係る検査キット及び第7の態様に係るコンパニオン診断薬は、抗L−FABP抗体により定量を行なう場合、定量に先だって、界面活性剤によりL−FABPを変性する手段を備えることが好ましい。
界面活性剤によりL−FABPを変性する手段の具体例及び好ましい例としては、≪定量用キット≫について上述したものと同様のものが挙げられる。
第6の態様に係る検査キット及び第7の態様に係るコンパニオン診断薬は、尿中のL−FABPを免疫凝集促進剤(好ましくはカオトロピック試薬又は有機アミン化合物)により処理する手段を更に備え、かつ上記定量する手段が上記処理後のL−FABPを定量する手段であることが好ましい。
第6の態様に係る検査キット及び第7の態様に係るコンパニオン診断薬が、サンドイッチELISA法を用いたキットである場合の具体的態様としては、例えば、≪定量用キット≫について上記(1)〜(10)を含むキットが挙げられる。
第6の態様に係る検査キット及び第7の態様に係るコンパニオン診断薬は、タンパク吸着防止を目的としてBSAを含有するタンパク質保存緩衝液を含むことが好ましい。
以下に本発明の実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で種々の応用が可能である。
<参考例1>
50mMのAAPHにて37℃60分間処理した様々な濃度の酸化型リコンビナントL−FABPと、未処理の様々な濃度の非酸化型リコンビナントL−FABPとを、それぞれ、1w/v%のSDSにて25℃10分間変性処理した後、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」(シミックホールディングス株式会社製)の抗体を使用してELISA測定を実施し、標識抗体の発色強度(OD450nm)を測定した。上記検査用キットの使用方法は通常添付されている添付文書に従った測定方法に準じて行った。
結果を図1(a)に示す。
一方、SDSによる変性処理の代わりに1000mMのベンズアミジン塩酸塩にて25℃10分間処理(以下、「BA処理」ともいう。)すること以外は同様にしてELISA測定を実施した。結果を図1(b)に示す。
また、SDSによる変性処理の代わりに1500mMの塩化グアニジニウムにて25℃10分間処理(以下、「GU処理」ともいう。)すること以外は同様にしてELISA測定を実施した。結果を図1(c)に示す。
図1a)に示した結果から明らかなように、リコンビナントL−FABPの各濃度において、酸化型リコンビナントL−FABPのOD値と、非酸化型リコンビナントL−FABPのOD値とはほぼ同一になることが分かる。
一方、図1(b)及び(c)に示した結果から明らかなように、SDSによる変性処理の代わりにBA処理又はGU処理した場合は、リコンビナントL−FABPの任意の1つの濃度において、非酸化型リコンビナントL−FABPのOD測定感度に対する酸化型リコンビナントL−FABPのOD測定感度が大きいことが分かる。
この測定感度の増大は、酸化型L−FABPは抗体が認識するL−FABP内部領域が外部へ曝露される構造変化を起こすことに起因するものと考えられる。
一方、非酸化型リコンビナントL−FABPでは、L−FABP内部領域を認識する抗L−FABP抗体を測定に用いても上記抗体が認識するL−FABP内部領域が外部へ曝露される構造変化を起こしていないことから測定強度が増大していないものと考えられる。
<実施例1>
慢性腎疾患(CKD)患者及び急性腎疾患(AKI)患者の各々の尿検体を用いて、1w/v%のSDSにて25℃10分間変性処理した後、「レナプロ L−FABP テストHS(高感度)」(シミックホールディングス株式会社製)の抗体を使用して尿中L−FABP全濃度(ng/ml)を測定した。結果を図2(a)に示す。
また、CKD患者(n=6)及びAKI患者(n=16)の各々の尿検体を、SDSによる変性処理の代わりにBA処理すること以外は同様にしてELISA測定を実施した。
BA処理後OD値/SDSによる変性処理後OD値から尿中L−FABPの酸化率を算出した。結果を図2(b)に示す。
図2(a)に示した結果から明らかなように、CKD患者及びAKI患者の尿中L−FABPの全濃度(ng/ml)(酸化型L−FABP及び非酸化型L−FABPを含む。)はほぼ同一であることが分かる。
一方、図2(b)に示した結果から明らかなように、L−FABPの酸化率は、CKD患者に対してAKI患者では著しく低いことが分かる。この結果は、また、急性腎障害(AKI)により細胞内L−FABPが生理的な条件によらずに尿中に出てきた場合には非酸化型L−FABPの割合が高く、逆に生理的条件下で尿中に排泄されたL−FABPは酸化率が高いことを示しているといえる。
また、図2(b)に示したCKD患者、AKI患者におけるL−FABPの酸化率と、図2(a)に示したCKD患者、AKI患者における尿中L−FABPの全濃度との積から、それぞれ、CKD患者、AKI患者における尿中酸化型L−FABPの濃度を定量することができる。

Claims (18)

  1. 抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件において、肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を含む肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する方法。
  2. 前記条件において、前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質が、2,2’−アゾビズ2−アミジノプロパンにより酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質であり、前記酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質が、2,2’−アゾビズ2−アミジノプロパンにより酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記条件が、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物による処理によって形成された条件である、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件よりも、酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質及び酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度差が小さい条件にて前記肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を更に含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記測定感度差が小さい条件が、検体中の肝型脂肪酸結合タンパク質を界面活性剤による変性処理により形成された条件である、請求項4に記載の方法。
  6. 前記測定感度差が小さい条件における前記肝型脂肪酸結合タンパク質の測定値と、前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における測定値とに基づき、検体中の肝型脂肪酸結合タンパク質中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の比率に略対応する酸化率を算出する工程を更に含む、請求項4又は5に記載の方法。
  7. 肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法に用いる定量用キット。
  8. 抗原抗体反応を促進する処理を行い、かつ、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件において、被験者の尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を含む腎疾患の検査方法。
  9. 被験者の尿中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値を、抗原抗体反応を促進する処理後に定量する工程を含む、腎疾患の検査方法。
  10. 前記定量が、酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における定量である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記条件が、カオトロピック試薬又は有機アミン化合物による処理によって形成された条件である、請求項8又は10に記載の検査方法。
  12. 前記酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度に対して酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件よりも、酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質及び酸化されていない肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度差が小さい条件にて前記肝型脂肪酸結合タンパク質を定量する工程を更に含む、請求項8、10又は11に記載の方法。
  13. 前記測定感度差が小さい条件が、前記尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質を界面活性剤による変性処理により形成された条件である、請求項12に記載の方法。
  14. 前記測定感度差が小さい条件における前記肝型脂肪酸結合タンパク質の測定値と、前記酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の測定感度が高い条件における測定値とに基づき、尿中の肝型脂肪酸結合タンパク質中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の比率に略対応する酸化率を算出する工程を更に含む、請求項12又は13に記載の方法。
  15. 酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の正常範囲、又は腎疾患における酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値の既知の範囲と、被験者の尿中の酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値とを比較し、被験者における前記量若しくはそれと相関するパラメータの値が、前記範囲のいずれに該当するかを決定する工程を含む、被験者における酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質の量若しくはそれと相関するパラメータの値に基づく腎疾患の検査方法。
  16. 肝型脂肪酸結合タンパク質又は酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法に用いる検査キット。
  17. 肝型脂肪酸結合タンパク質又は酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質を定量し得る物質を含む、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法に用いるコンパニオン診断薬。
  18. 肝型脂肪酸結合タンパク質又は酸化された肝型脂肪酸結合タンパク質からなり、請求項8〜15のいずれか1項に記載の方法における定量対象として用いられる腎疾患マーカー。
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