上記目的を達成するため、本発明の特徴は、被加工物を切削加工する加工工具を回転駆動可能に保持するとともに加工工具に洗浄流体を供給可能な主軸が、洗浄流体を吐出するための筒状の吐出ノズルを有した吐出体および同吐出体を主軸の軸方向であるZ軸方向に直交する軸回りに回動可能に保持するノズル支持体をそれぞれ有した洗浄流体吐出具を着脱自在に保持する加工ヘッドと、加工工具を被加工物に対して互いに直交する3軸方向に相対的に変位させる変位手段と、加工ヘッドおよび変位手段の各作動を制御する制御部とを備えて被加工物に対して3次元形状を形成する工作機械において、制御部は、加工ヘッドに保持された洗浄流体吐出具が接触可能な範囲内にZ軸方向に対して交わる方向に延びて設けられた姿勢変更具に対して洗浄流体吐出具を保持した加工ヘッドを変位させて吐出体を姿勢変更具に接触させるとともにこの吐出体をZ軸に対して吐出体が平行な場合における同吐出体の外表面が姿勢変更具に接する位置まで変位させることによって吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にする原姿勢復帰処理を実行することにある。
この場合、制御部は、変位手段の作動を制御して加工ヘッドを3軸方向のうちの吐出体の回動方向に沿う軸方向に相対変位させて吐出体を姿勢変更具に接触させることにより吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にするとよい。
ここで、洗浄流体は、被加工物の切削加工において加工部分やその周囲から切削屑を除去する機能を発揮する流体であり、例えば、空気や液体がある。この場合、液体の洗浄流体としては、油を主成分として各種添加剤を加えたもの(水溶性切削油や不水溶性切削油など)や、水を主成分として各種添加剤を加えたものがあり、これらを総称して切削剤という。なお、洗浄流体は、洗浄を主目的とするか否かは関係ないものであり、例えば、加工部分の冷却を主目的とする流体であっても被加工物の加工部分やその周囲から切削屑を除去する機能を発揮する流体であれば含まれるものである。
このように構成した本発明の特徴によれば、工作機械は、制御部が加工ヘッドを姿勢変更具に対して相対変位させて吐出体を姿勢変更具に接触させることで吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にする原姿勢復帰処理を実行するため、作業者がセンタ出しを行うことなく効率的に加工領域内の洗浄作業を行うことができる。また、本発明の工作機械によれば、従来の洗浄流体吐出具において採用されているセンタリング機構(吐出体を手動でセンタ出しし易くするために吐出体がセンタ位置で軽度に位置決めされる機構)を省略することができ、洗浄流体吐出具の構成を簡単化および軽量化することができる。
また、本発明の他の特徴は、前記工作機械において、制御部は、原姿勢復帰処理を姿勢変更具における互いに反対側となる2つの側面に対してそれぞれ実行することで吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にすることにある。
また、本発明の他の特徴は、前記工作機械において、原姿勢復帰処理は、吐出体を姿勢変更具に接触させた状態でZ軸方向に変位させることにある。
また、本発明の他の特徴は、前記工作機械において、吐出体は、Z軸に対して90°以上の角度で回動可能であり、制御部は、原姿勢復帰処理を実行する前に、加工ヘッドを変位させて吐出体がZ軸に対して最大角度で回動している場合における吐出ノズルの先端部の位置が姿勢変更具よりも低い位置に吐出体を位置させた後にZ軸方向に変位させる予備復帰処理を実行することにある。
また、本発明の他の特徴は、前記工作機械において、前記工作機械において、さらに、複数の加工工具および少なくとも1つの洗浄流体吐出具をそれぞれ着脱自在に保持するツールマガジンを備え、制御部は、ツールマガジンおよび変位手段の各作動を制御して加工ヘッドに対して加工工具と洗浄流体吐出具と相互に付け替えさせる工具交換処理と、工具交換処理によって加工ヘッドから洗浄流体吐出具を取り外すとき原姿勢復帰処理を実行することにある。
また、本発明は、前記工作機械において、制御部は、姿勢変更具における互いに反対側となる2つの側面に吐出体をそれぞれ接触させることにより吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にすることもできる。これによれば、工作機械は、制御部の作動制御によって姿勢変更具における互いに反対側となる2つの側面にそれぞれ吐出体を接触させるため、吐出体がZ軸方向を境にしてどちら側に回動していたとしても吐出ノズルをZ軸方向に平行にすることができる。
また、本発明は、前記工作機械において、姿勢変更具は、Z軸方向に直交する方向に延びる丸棒で構成することができる。これによれば、工作機械は、姿勢変更具がZ軸方向に直交する方向(例えば、X軸方向やY軸方向)に延びる丸棒で構成されているため、姿勢変更具を平面で構成した場合に比べて吐出体における吐出ノズルの先端部が姿勢変更具に接触することを避けることができ吐出ノズルの先端部の損傷を抑制することができる。また、工作機械は、吐出体における吐出ノズルの先端部が姿勢変更具に接触した場合であっても姿勢変更具が丸棒で構成されているため、吐出体の姿勢復帰の過程で吐出ノズルの先端部が姿勢変更具から離隔して同先端部の損傷を防止することができる。
また、本発明は、前記工作機械において、さらに、複数の加工工具および少なくとも1つの洗浄流体吐出具をそれぞれ着脱自在に保持するツールマガジンを備え、制御部は、ツールマガジンおよび変位手段の各作動を制御して加工ヘッドに対して加工工具または洗浄流体吐出具を保持させる工具交換処理を実行することができる。これによれば、工作機械は、複数の加工工具および少なくとも1つの洗浄流体吐出具をそれぞれ着脱自在に保持するツールマガジンを備えるとともに、制御部が加工ヘッドに対して洗浄流体吐出具を工具交換処理するため、加工領域の洗浄作業に対して作業者を介在させることなく無人で行うことができる。
また、本発明は、前記工作機械において、制御部は、工具交換処理によって加工ヘッドに洗浄流体吐出具を保持させたとき、および加工ヘッドから洗浄流体吐出具を取り外すときのうちの少なくとも一方で原姿勢復帰処理を実行することができる。これによれば、工作機械は、制御部が工具交換処理によって加工ヘッドに洗浄流体吐出具を保持させたときに原姿勢復帰処理を実行する場合においては、吐出体の向きをZ軸に平行にした後に吐出体の向きの変更を行うため、吐出体の向きを正確に角度決めすることができる。また、工作機械は、制御部が工具交換処理によって加工ヘッドから洗浄流体吐出具を取り外すときに原姿勢復帰処理を実行する場合においては、吐出体の向きをZ軸に平行にした状態で洗浄流体吐出具を工具マガジンに収納するため、工具マガジンへの収納時および洗浄流体吐出具への工具交換時に洗浄流体吐出具が他の部品や被加工物に物理的に接触することを防止することができる。また、制御部は、洗浄流体吐出具による加工領域内の洗浄作業が終了したとき、作業者によって洗浄流体吐出具が主軸に取り付けられたとき、または作業者によって原姿勢復帰処理の実行を指示されたときになどにも実行することができる。
また、本発明は、工作機械の発明としてだけでなく、この工作機械に実行される原姿勢復帰処理プログラムの発明としても実施できるものである。
具体的には、原姿勢復帰処理プログラムは、被加工物を切削加工する加工工具を回転駆動可能に保持するとともに加工工具に洗浄流体を供給可能な主軸が、洗浄流体を吐出するための筒状の吐出ノズルを有した吐出体および同吐出体を主軸の軸方向であるZ軸方向に直交する軸回りに回動可能に保持するノズル支持体をそれぞれ有した洗浄流体吐出具を着脱自在に保持する加工ヘッドと、加工工具を被加工物に対して互いに直交する3軸方向に相対的に変位させる変位手段と、加工ヘッドおよび変位手段の各作動を制御する制御部とを備えて被加工物に対して3次元形状を形成する工作機械における制御部に実行させる原姿勢復帰処理プログラムであって、制御部に、加工ヘッドに保持された洗浄流体吐出具が接触可能な範囲内にZ軸方向に対して交わる方向に延びて設けられた姿勢変更具に対して洗浄流体吐出具を保持した加工ヘッドを変位させて吐出体を姿勢変更具に接触させるとともにこの吐出体をZ軸に対して吐出体が平行な場合における同吐出体の外表面が姿勢変更具に接する位置まで吐出体を変位させることによって吐出ノズルの向きをZ軸方向に平行にする原姿勢復帰処理ステップを実行させるようにすればよい。
これによれば、原姿勢復帰処理プログラムは、上記工作機械と同様の作用効果を期待することができる。
以下、本発明に係る工作機械および同工作機械に実行される原姿勢復帰プログラムの一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係る工作機械100の外観構成の概略を示す斜視図である。また、図2は、工作機械100の作動を制御するための制御システムのブロック図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。この工作機械100は、コンピュータ制御(NC制御)によって被加工物WKに対して加工工具を相対変位させて切削加工を行うことにより被加工物WKに3次元形状を形成する機械装置である。
(工作機械100の構成)
工作機械100は、加工ヘッド101を備えている。加工ヘッド101は、加工工具104および洗浄流体吐出具110を選択的に保持して回転駆動する機械装置であり、主として主軸101aおよび主軸駆動モータ101bを備えている。主軸101aは、加工工具104および洗浄流体吐出具110を選択的かつ着脱自在に保持する部品であり、金属材を円筒状に形成して構成されている。この主軸101aは、先端部に加工工具104および洗浄流体吐出具110を選択的かつ着脱自在に保持する円錐穴状の接続部が形成されるとともに内部に加工工具104および洗浄流体吐出具110に対してそれぞれ洗浄流体を供給するための図示しない流路が形成されている。
ここで、洗浄流体とは、加工工具104による被加工物WKの切削加工部分の潤滑、切削加工部分の冷却および切削加工によって生じる切削屑の除去を目的として被加工物WKの切削加工中や切削加工前後に被加工物WKやその周辺に連続的または断続的に供給される液体であり、油や水を主成分とした所謂切削剤である。この洗浄流体は、洗浄流体供給ポンプ102によって主軸101aに供給される。
主軸駆動モータ101bは、主軸101aを回転駆動するための電動機であり、後述する制御部140によって作動が制御される。そして、この加工ヘッド101は、被加工物WKに対して接近または離隔する方向であるZ軸方向に変位可能な状態で工作機械100における図示しない支持部材に支持されている。この場合、加工ヘッド101には、加工ヘッド101を前記Z軸方向に変位させるための駆動力を発生するZ軸駆動モータ103が図示しないネジ送り機構を介して連結されている。
加工工具104は、被加工物WKを切削加工するための刃物であり、具体的にはドリルやエンドミルなどの切削工具で構成されている。本実施形態においては、加工工具104は、被加工物WKへの加工の種類に応じた複数種類の加工工具104が用意される。そして、これら複数個の加工工具104の中には、先端部側(刃先側)の一部から前記洗浄流体を吐出するための吐出口および同吐出口に洗浄流体を導くための流路がそれぞれ形成されている。すなわち、この工作機械100は、主軸101aから供給される洗浄流体を加工工具104から吐出することにより切削加工部分の潤滑、切削加工部分の冷却および切削屑の除去を行うセンタースルークーラント機能を有して構成されている。
洗浄流体吐出具110は、図3および図4にそれぞれ示すように、主軸101aから供給される洗浄流体を所望する位置に吐出するための器具であり、主として、吐出体111とノズル支持体112とで構成されている。吐出体111は、ノズル支持体112を介して主軸101aから供給される洗浄流体を吐出する金属製の部品であり、主として、吐出ノズル111a、胴部111cおよび連結部111dをそれぞれ備えている。
吐出ノズル111aは、ノズル支持体112を介して供給される洗浄流体を吐出する部分であり、円筒状に延びて形成されている。この吐出ノズル111aは、一方の端部に洗浄流体を吐出するために円形に開口する吐出口111bが形成されるとともに他方の端部が胴部111cに着脱自在な状態で連結されている。すなわち、吐出ノズル111aは、胴部111cに対して径や形状が同じまたは互いに異なる吐出口111bを付け替え可能に構成されている。
胴部111cは、ノズル支持体112を介して供給される洗浄流体を吐出ノズル111aに導くとともに、後述する姿勢変更具130に押し付けられる部分であり、吐出ノズル111aよりも太い円筒状に延びて形成されている。連結部111dは、吐出体111をノズル支持体112に可動的に連結される部分である。
ノズル支持体112は、主軸101aから供給される洗浄流体を吐出体111に導きつつ吐出体111を回動可能に支持するとともに洗浄流体吐出具110を加工ヘッド101における主軸101aに取り付けるための金属製の部品であり、主として、保持部112aおよび接続部112cをそれぞれ備えて構成されている。保持部112aは、吐出体111を回動自在に保持する部分である。より具体的には、保持部112aは、吐出体111における連結部111dを両側から挟んで保持している。この場合、保持部112aは、ノズル支持体112の軸方向に直交する方向に延びて吐出体111の連結部111dを貫通する回動軸112bとともに連結部111dを保持する。
これにより、保持部112aは、前記回動軸を回動中心として吐出体111を回動自在に保持する。この場合、保持部112aは、外部から力を受けない状態で吐出体111の回動角度を維持しつつ人手による外力によって回動角度が変更可能な程度の保持力で連結部111dを保持する。なお、本実施形態においては、保持部112aは、ノズル支持体112の中心軸に対して両側(右回り方向(時計回り)および左回り方向(反時計回り)に)にそれぞれ110°の角度範囲で回動可能にノズル支持体112を保持している。
接続部112cは、洗浄流体吐出具110を主軸101aに着脱自在に保持させる部分であり、テーパシャンクによって構成されている。この場合、接続部112cは、主軸101aに対して主軸101aの軸回りにおける特定の角度で取り付けられるように切欠き部112dが形成されている。すなわち、洗浄流体吐出具110は、工作機械100における制御部140によって吐出体111の回動方向が把握された状態で主軸101aに取り付けられる。そして、このノズル支持体112および吐出体111の各内部には、吐出ノズル111aに主軸101aから供給される洗浄流体を導くための流路113が貫通した状態で形成されている。なお、この洗浄流体吐出具110における全長、吐出ノズル111aの長さおよび外径、および胴部111cの長さおよび外径は、作業者によって予め制御部140に設定されている。
加工ヘッド101に対向する側には、ワークテーブル120が設けられている。ワークテーブル120は、工作機械100の切削加工対象である被加工物WKをクランプなどのチャック装置を介して着脱自在に保持する部品であり、金属材を板状に形成して構成されている。このワークテーブル120は、前記Z軸方向に直交する平面内で互いに直交するX軸方向およびY軸方向にそれぞれ変位可能な状態で工作機械100における図示しない支持部材に支持されている。この場合、ワークテーブル120には、ワークテーブル120を前記X軸方向および前記Y軸方向にそれぞれ変位させるための駆動力を発生するX軸駆動モータ121およびY軸駆動モータ122がそれぞれ図示しないネジ送り機構を介して連結されている。
これにより、加工ヘッド101は、ワークテーブル120の上方でワークテーブル120の範囲内でX軸方向およびY軸方向にそれぞれ相対的に変位する。なお、本実施形態においては、X軸方向は工作機械100の正面に対して左右方向であり、Y軸方向は工作機械100の正面に対して奥行方向である。
ワークテーブル120の周囲には、カバー123が設けられている。カバー123は、ワークテーブル120の周囲を覆って切削屑や洗浄流体の飛散を防止するための部品であり、金属板で構成されている。この場合、カバー123は、工作機械100の前面側が作業者によって開閉自在に構成されているとともに、後述する工具交換装置124とツールマガジン125との間の部分が工具交換装置124と連動して開閉するように構成されている。そして、このカバー123によって囲まれた内側の領域が工作機械100における加工領域MEとなる。
加工領域ME内における加工ヘッド101に隣接した位置には、工具交換装置124が設けられている。工具交換装置124は、加工ヘッド101と後述するツールマガジン125との間で加工工具104または洗浄流体吐出具110の付け替え作業を行う機械装置であり、制御部140によって作動が制御される。
ツールマガジン125は、加工ヘッド101が保持する加工工具104および洗浄流体吐出具110をそれぞれ着脱自在に保持する機械装置であり、カバー123の外側における工具交換装置124に隣接した位置に設けられている。このツールマガジン125は、複数個の加工工具104および洗浄流体吐出具110を保持することができ、制御部140による作動制御によって保持す複数個の加工工具104および洗浄流体吐出具110のうちの1つの加工工具104または洗浄流体吐出具110を工具交換装置124側に位置決めして提供する。
また、ワークテーブル120の上面には、姿勢変更具130が設けられている。姿勢変更具130は、洗浄流体吐出具110の吐出体111の向きを変更するための器具であり、主として、変更体131および支持体132をそれぞれ備えて構成されている。変更体131は、洗浄流体吐出具110における吐出体111が押し付けられる部品であり、金属製の丸棒体で構成されている。この変更体131は、Y軸方向に平行な向きとなる姿勢で支持体132に支持されている。
支持体132は、変更体131をワークテーブル120の上面よりも上方で支持するための部品であり、金属製の棒体における一方(上方)の端部が変更体131を支持するとともに他方(下方)の端部がワークテーブル120に着脱自在な状態で取り付けられている。この姿勢変更具130は、洗浄流体吐出具110の原姿勢復帰処理の実行の前に作業者によって加工領域ME内のワークテーブル120に取り付けられるとともに、変更体131の位置、長さおよび外径が制御部140にそれぞれ設定される。
ここで、洗浄流体吐出具110の原姿勢復帰処理とは、吐出体111の向きをZ軸方向に平行にした原姿勢に向きを整える処理である。したがって、姿勢変更具130は、変更体131が加工ヘッド101の可動範囲内に位置するように配置される。
制御部140は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、工作機械100の全体の作動を総合的に制御するとともに、作業者によって用意される図示しない加工プログラム(所謂NC(Numerical Control)プログラム)を実行することにより被加工物WKに対して切削加工を行う。具体的には、制御部140は、主軸駆動モータ101b、洗浄流体供給ポンプ102、Z軸駆動モータ103、X軸駆動モータ121、Y軸駆動モータ122、工具交換装置124およびツールマガジン125の各作動を制御して加工工具104を被加工物WKに対してX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向からなる直交3軸方向に相対変位させて被加工物WKの切削加工を行う。
また、制御部140は、原姿勢復帰処理プログラムおよび加工領域洗浄プログラム(所謂NC(Numerical Control)プログラム)をそれぞれ実行することにより洗浄流体吐出具110の原姿勢復帰処理および加工領域ME内の洗浄作業を行う。具体的には、制御部140は、主軸駆動モータ101b、洗浄流体供給ポンプ102、Z軸駆動モータ103、X軸駆動モータ121、Y軸駆動モータ122、工具交換装置124およびツールマガジン125の各作動を制御して加工工具104を加工領域ME内でX軸方向、Y軸方向およびZ軸方向からなる直交3軸方向に相対変位させて原姿勢復帰処理および加工領域ME内の洗浄作業をそれぞれ行う。
この制御部140には、操作パネル141および外部インターフェース142がそれぞれ接続されている。操作パネル141は、作業者からの指示を受け付けて制御部140に入力するスイッチ群からなる入力装置および制御部140の作動状況を表示する液晶表示装置で構成されており、工作機械100の前面におけるカバー123に隣接した位置に設けられている。外部インターフェース142は、制御部140に対して外部機器を電気的に接続するための接続端子である。また、この工作機械100は、主軸駆動モータ101b、洗浄流体供給ポンプ102、Z軸駆動モータ103、X軸駆動モータ121、Y軸駆動モータ122、工具交換装置124、ツールマガジン125、制御部140をそれぞれ作動させるための電気を供給する電源部なども備えているが、これらの本発明に直接関わらない構成については、その説明は省略する。
(工作機械100の作動)
次に、上記のように構成した工作機械100の作動について説明する。この工作機械100は、被加工物WKを加工する工場内に単独で配置または加工ライン内に組み込まれて被加工物WKを加工する一工程を構成する。本実施形態においては、洗浄流体吐出具110の原姿勢復帰処理のみを説明し、本発明に直接関わらない加工プログラムの実行による被加工物WKの切削加工および加工領域洗浄プログラムの実行による加工領域ME内の洗浄作業については説明を省略する。
この洗浄流体吐出具110の原姿勢復帰処理を行うための原姿勢復帰処理プログラムは、工作機械100を製造する過程において予め制御部140内の記憶装置内に記憶されており、所定の条件下において制御部140によって実行される。具体的には、制御部140は、主軸101aが洗浄流体吐出具110を保持しているときであって、例えば、主軸101aに洗浄流体吐出具110を保持させたとき、主軸101aに保持した洗浄流体吐出具110をツールマガジン125に返すとき、加工領域ME内の洗浄作業が終了したとき、作業者によって洗浄流体吐出具110が主軸101aに取り付けられたとき、または作業者によって原姿勢復帰処理の実行を操作パネル141を介して指示されたときにそれぞれ実行する。なお、この原姿勢復帰処理プログラムは、工作機械100の製造者の他、工作機械100を使用して被加工物WKを加工する作業者によって制御部140内の記憶装置内に記憶されて実行されてもよい。
制御部140は、図5に示すように、原姿勢復帰処理プログラムの実行をステップS100で開始した後、ステップS102にて、洗浄流体吐出具110の第1予備復帰処理を実行する。この第1予備復帰処理は、主軸101aに保持された洗浄流体吐出具110の吐出体111の向きが主軸101aの中心軸、すなわち、Z軸に対して回動軸112bを回動中心として90°以上の角度で回動した位置に向いている場合に、この吐出体111の向きをZ軸に対して90°未満の角度の回動位置に向くように吐出体111の向きを修正するものである。具体的には、第1予備復帰処理は、次のサブステップ1〜3の各処理によって構成されている。
サブステップ1:まず、制御部140は、洗浄流体吐出具110の位置決めを行う。具体的には、制御部140は、図6(A)に示すように、変更体131のX軸方向側の2つの側面における一方(図示右側)の側面から充分離れた対向する位置で吐出体111の回動平面が変更体131の長手方向(Y軸方向)に交わるように主軸101aの回転角度位置を位置決めするとともに、吐出体111が主軸101aの中心軸であるZ軸に対して最大角度(本実施形態においては、110°)で回動している場合における吐出ノズル111aの先端部の位置が変更体131の下端部よりも低い位置に位置するように加工ヘッド101の直交3軸方向上の位置を位置決めする。
この場合、吐出体111の回動平面の向きは、変更体131の長手方向(Y軸方向)に交わる向きに位置決めされていれば特に限定されるものではないが、吐出体111の回動平面の向きは変更体131の長手方向(Y軸方向)に対して直交する向きに位置決めされるとよい。なお、図6(A)においては、吐出体111がZ軸に対して右回りに110°で回動している状態を示している。
サブステップ2:次に、制御部140は、洗浄流体吐出具110の姿勢変更具130へのアプローチを行う。具体的には、制御部140は、図6(B)に示すように、加工ヘッド101を姿勢変更具130側に変位させて変更体131の下方に洗浄流体吐出具110における胴部111cが位置する位置に位置決めする。この場合、制御部140は、吐出ノズル111aの先端部の位置が変更体131の下端部よりも低い位置に位置決めしているため、吐出体111が変更体131に接触することはない。
サブステップ3:次に、制御部140は、洗浄流体吐出具110を上昇させる。具体的には、制御部140は、図6(C)に示すように、加工ヘッド101をZ軸方向に上昇させる。この場合、制御部140は、洗浄流体吐出具110における吐出体111がZ軸方向に平行な場合における吐出ノズル111aの先端部が変更体131の上端部よりも上方に位置するまで加工ヘッド101を上昇させる。
これにより、洗浄流体吐出具110における吐出体111は、胴部111cや吐出ノズル111aが変更体131に押し付けられながら上方に変位することによって吐出体111の回動角度がZ軸に対して90°未満の角度に修正される。本実施形態においては、吐出体111の回動角度は、Z軸に対して図示右回りに方向に25°の角度まで修正される。
なお、この第1予備復帰処理において、洗浄流体吐出具110における吐出体111が変更体131とは反対側(図示左回り)に回動していた場合には、吐出体111は変更体131に接触することがない所謂空振りのため回動角度は変更されない。
次に、制御部140は、ステップS104にて、洗浄流体吐出具110の第2予備復帰処理を実行する。この第2予備復帰処理は、前記第1予備復帰処理を変更体131のX軸方向側の2つの側面における前記一方の側面側とは反対側の他方(図示左側)の側面側で同様に実行するものである。したがって、制御部140は、図7(A)〜(C)に示すように、変更体131のX軸方向側の2つの側面における他方の側面側で洗浄流体吐出具110の位置決めを行って前記サブステップ1〜3の各処理と同様のサブステップ1〜3を実行する。この第2予備復帰処理におけるサブステップ1〜3は、前記第1予備復帰処理におけるサブステップ1〜3と同様であるため、説明は省略する。
これにより、制御部140は、前記第1予備復帰処理において吐出体111が変更体131とは反対側(図示左回り)に回動していた場合であっても、この第2予備復帰処理によって吐出体111の回動角度を主軸101aの中心軸に対して90°未満の角度に修正することができる。なお、前記第1予備復帰処理において吐出体111の回動角度を修正した場合には、この第2予備復帰処理においては所謂空振りとなる。
次に、制御部140は、ステップS106にて、洗浄流体吐出具110の第1復帰処理を実行する。この第1復帰処理は、洗浄流体吐出具110の吐出体111の向きが主軸101aの中心軸に対して0°以上かつ90°未満の角度で回動した位置に向いている場合に、この吐出体111の向きを主軸101aの中心軸に対して平行、すなわち、0°の角度の回動位置に向くように吐出体111の向きを修正するものである。具体的には、第1復帰処理は、前記第1予備復帰処理と同様な次のサブステップ1〜3の各処理によって構成されている。
サブステップ1:まず、制御部140は、図8(A)に示すように、洗浄流体吐出具110の位置決めを行う。具体的には、制御部140は、変更体131のX軸方向側の2つの側面における一方(図示右側)の側面から充分離れた対向する位置で吐出体111の回動平面が変更体131の長手方向(Y軸方向)に交わるように主軸101aの回転角度位置を位置決めするとともに、吐出体111がZ軸に対して直角(90°)の角度で回動している場合における吐出ノズル111aの先端部の位置が変更体131の下端部よりも低い位置に位置するように加工ヘッド101の直交3軸方向上の位置を位置決めする。
この場合、制御部140は、洗浄流体吐出具110の吐出体111における胴部111cが変更体131の側面に対向する位置に位置するように位置決めする。また、この場合、吐出体111の回動平面の向きは変更体131の長手方向(Y軸方向)に交わる向きに位置決めされれば特に限定されるものではないが、吐出体111の回動平面の向きは変更体131の長手方向(Y軸方向)に対して直交する向きに位置決めするとよい。
サブステップ2:次に、制御部140は、洗浄流体吐出具110の姿勢変更具130へのアプローチを行う。具体的には、制御部140は、図8(B)に示すように、加工ヘッド101を姿勢変更具130側に変位させて吐出体111の胴部111cを変更体131に押し付ける。この場合、制御部140は、図8(C)に示すように、Z軸に対して吐出体111が平行な場合における胴部111cの外表面が変更体131の側面に接する位置まで加工ヘッド101を姿勢変更具130側に変位させる。
これにより、洗浄流体吐出具110における吐出体111は、胴部111cが変更体131に押し付けられることによって回動角度が主軸101aの中心軸に対して平行な回動角度(0°)の原姿勢に修正される。
サブステップ3:次に、制御部140は、洗浄流体吐出具110を上昇させる。具体的には、制御部140は、図8(D)に示すように、加工ヘッド101をZ軸方向に上昇させる。この場合、制御部140は、洗浄流体吐出具110における吐出体111がZ軸方向に平行な場合における吐出ノズル111aの先端部が変更体131の上端部よりも上方に位置するまで加工ヘッド101を上昇させる。
これにより、洗浄流体吐出具110における吐出体111は、胴部111cが変更体131に押し付けられながら上方に変位することによって吐出体111の回動角度がZ軸に対して平行な角度に修正される。この場合、前記サブステップ2によって吐出体111の向きがZ軸に対して平行な原姿勢に変更されているため、本サブステップ3は理論的には不要である。しかし、前記サブステップ2においては変更体131が吐出体111における胴部111cの表面に略点状に接触するため原姿勢への復帰が不十分な場合があるのに対して、本サブステップ3においては変更体131が胴部111cの表面に長手方向に沿って線状に接触するため、より正確に吐出体111の向きをZ軸に対して平行な原姿勢に変更することができる。
なお、この第1復帰処理においても、前記第1予備復帰処理と同様に、洗浄流体吐出具110における吐出体111が変更体131とは反対側(図示左回り)に回動していた場合には、吐出体111は変更体131に接触することがない所謂空振りのため回動角度は変更されない。
次に、制御部140は、ステップS108にて、洗浄流体吐出具110の第2復帰処理を実行する。この第2復帰処理は、前記第1復帰処理を変更体131のX軸方向側の2つの側面における前記一方の側面側とは反対側の他方(図示左側)の側面側で同様に実行するものである。したがって、制御部140は、変更体131のX軸方向側の2つの側面における他方の側面側で洗浄流体吐出具110の位置決めを行って前記サブステップ1〜3の各処理と同様のサブステップ1〜3を実行する。この第2復帰処理におけるサブステップ1〜3は、前記第1復帰処理におけるサブステップ1〜3と同様であるため、説明は省略する。
これにより、制御部140は、前記第1復帰処理において吐出体111が変更体131とは反対側に回動していた場合であっても、この第2復帰処理によって吐出体111の回動角度を主軸101aの中心軸に対して平行の角度(0°)に修正することができる。なお、前記第1復帰処理において吐出体111の回動角度を修正した場合には、この第2復帰処理においては所謂空振りとなる。
このステップS108による洗浄流体吐出具110の第2復帰処理を実行後、制御部140は、ステップS110にて、この原姿勢復帰処理プログラムの実行を終了する。したがって、制御部140は、この原姿勢復帰処理プログラムの終了後、加工領域洗浄プログラムの実行による加工領域ME内の洗浄作業を行うことができる。この場合、制御部140は、吐出体111が主軸101aの中心軸に対して平行な向きとなっているため、吐出体111の回動角度、すなわち、洗浄流体の吐出方向を姿勢変更具130を用いて正確に調整することができる。
また、制御部140は、原姿勢復帰処理プログラムの実行後、洗浄流体吐出具110をツールマガジン125に格納する場合においては、吐出体111が主軸101aの中心軸に対して平行な向きとなっているため、カバー123、被加工物WKまたは加工工具104などの他の物体との接触を防止しながら加工工具104との工具交換処理およびツールマガジン125への格納処理を行うことができる。
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、工作機械100は、制御部140が加工ヘッド101を姿勢変更具130に対して相対変位させて吐出体111を姿勢変更具130に接触させることで吐出ノズル111aの向きをZ軸方向に平行にする原姿勢復帰処理を実行するため、作業者がセンタ出しを行うことなく効率的に加工領域ME内の洗浄作業を行うことができる。また、この工作機械100によれば、従来の洗浄流体吐出具において採用されているセンタリング機構(吐出体を手動でセンタ出しし易くするために吐出体がセンタ位置で軽度に位置決めされる機構)を省略することができ、洗浄流体吐出具110の構成を簡単化および軽量化することができる。
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記各変形例の説明および参照する図においては、上記実施形態と同様の構成部分について同じ符号を付して、その説明を省略する。
例えば、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理プログラムは、ステップS102およびステップS104にて、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理をそれぞれ実行するように構成した。しかし、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理は、主軸101aに保持された洗浄流体吐出具110の吐出体111の向きがZ軸に対して回動軸112bを回動中心として90°以上の角度で回動した位置に向いていることが想定される場合に実行されるものである。したがって、原姿勢復帰処理プログラムは、吐出体111の向きがZ軸に対して90°未満の角度でしか回動していないと想定される場合には、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理を省略することができる。
また、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理プログラムは、吐出体111の向きがZ軸に対して90°以上の場合と90°未満の場合とに分けて、すなわち、吐出体111の原姿勢への復帰が第1予備復帰処理および第2予備復帰処理と第1復帰処理および第2復帰処理とに分けて実行される。これは、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理における各サブステップ3、具体的には、洗浄流体吐出具110を変更体131に接触させた状態で上昇させる工程において、洗浄流体吐出具110をZ軸方向にのみ上昇させておりX軸方向分の回動角度の変更を行っていないためである。
したがって、洗浄流体吐出具110を変更体131に接触させた状態で上昇させる工程において、洗浄流体吐出具110をX軸方向にも変位させることによって連続的な1つの処理によって吐出体111を原姿勢に復帰させることができる。例えば、制御部140は、図9(A),(B)にそれぞれ示すように、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理の各サブステップ3において、吐出体111のZ軸に対する回動角度が90°未満になった段階(図9(A)参照)で第1復帰処理および第2復帰処理の各サブステップ2を実行して、Z軸に対して吐出体111が平行な場合における胴部111cの外表面が変更体131の側面に接する位置まで加工ヘッド101を姿勢変更具130側(X軸方向)に変位させる(図9(B)参照)。すなわち、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理と第1復帰処理および第2復帰処理とを統合することによって、連続的な1つの処理によって吐出体111を原姿勢に復帰させることができる。
また、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理プログラムは、ステップS106およびステップS108の第1復帰処理および第2復帰処理における各サブステップ2において、Z軸に対して吐出体111が平行な場合における胴部111cの外表面が変更体131の側面に接する位置まで加工ヘッド101を姿勢変更具130側に変位するように構成した。しかし、原姿勢復帰処理プログラムは、ステップS106およびステップS108の第1復帰処理および第2復帰処理における各サブステップ2において胴部111cを変更体131に接触させるのみにした上で、各サブステップ3において洗浄流体吐出具110をX軸方向に変位させて変更体131に押し付けながらZ軸方向に上昇させるように構成しても吐出体111を原姿勢に復帰させることができる。
また、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理プログラムは、変更体131における互いに反対側の2つの側面に吐出体111を押し付けることによって吐出体111を原姿勢に復帰させた。しかし、原姿勢復帰処理プログラムは、洗浄流体吐出具110がZ軸に対して左回りおよび右回りのうちの一方にのみ回動する構成の場合には、変更体131における互いに反対側の2つの側面のうちの一方に吐出体111を押し付けて吐出体111を原姿勢に復帰させることができる。すなわち、原姿勢復帰処理プログラムは、第1予備復帰処理および第2予備復帰処理のうちの一方、および第1復帰処理および第2復帰処理のうちの一方を実行するように構成することができる。
また、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理プログラムは、洗浄流体吐出具110における主として胴部111cを変更体131に押し付けて吐出体111を原姿勢に復帰させた。しかし、原姿勢復帰処理プログラムは、吐出体111のいずれかの箇所に変更体131に押し付けて吐出体111を原姿勢に復帰させればよい。したがって、原姿勢復帰処理プログラムは、洗浄流体吐出具110における主として吐出ノズル111aを変更体131に押し付けて吐出体111を原姿勢に復帰させることもできる。
また、上記実施形態においては、変更体131は、Y軸方向に延びて配置した。しかし、変更体131は、主軸101aの中心軸方向であるZ軸に対して直交するXY平面内に配置されていればよい。したがって、変更体131は、例えば、X軸方向に延びて配置されていてもよい。なお、本実施形態においては、工作機械100は、Z軸が工作機械100の上下方向に設定された所謂立形マシニングセンタであるが、Z軸が工作機械100の前後方向(上記実施形態におけるY軸方向)に設定された所謂横形マシニングセンタであってもよいことは当然である。
また、上記実施形態においては、原姿勢復帰処理は、姿勢変更具130を用いて行った。しかし、原姿勢復帰処理は、洗浄流体吐出具110の吐出具110の向きを変更することができれば、姿勢変更具130の形態は何ら限定されるものではない。したがって、原姿勢復帰処理は、工作機械100の一部(例えば、ワークテーブル120)や被加工物WKを保持するクランプなどの器具、または被加工物自体を姿勢変更具130として用いることができる。また、姿勢変更具130における変更体131は、丸棒以外で構成、例えば、断面が多角形の棒体(例えば、角棒)、立方体や直方体のブロックなどで構成することができる。
また、上記実施形態においては、工作機械100は、工具交換装置124およびツールマガジン125を備えて構成した。しかし、工作機械100は、工具交換装置124およびツールマガジン125を省略した工作機械100、すなわち、加工工具104および洗浄流体吐出具110を人手によって主軸101aに着脱する構成の工作機械100であってもよいことは当然である。