JP6580428B2 - 廃水中の有害性窒素の除去方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃水中の有害性窒素の除去方法に関する。
近年、硝酸性窒素(硝酸態窒素)やアンモニア性窒素(アンモニア態窒素)等の有害性窒素を含む廃水に対する排出規制の要求が高まっており、廃水を排出する際には、有害性窒素のトータル濃度(全窒素濃度)を所定値以下とした上で排出することが求められる。ここで、工業的過程、農業的過程等の各種過程で排出される廃水においては、その過程に応じて廃水に含まれる物質が様々であり、例えば、硝酸性窒素を含む廃水と、アンモニア性窒素を含む廃水が別々に排出される場合がある。このような場合、それぞれの廃水を排出する際には、硝酸性窒素を含む廃水をその全窒素濃度が所定値以下となるように処理するとともに、アンモニア性窒素を含む廃水もその全窒素濃度が所定値以下となるように処理した上で、それぞれの廃水を別々に排出していた。
ここで、従来、廃水中に含まれる硝酸性窒素やアンモニア性窒素等の有害性窒素の分解は、微生物を利用した生物処理法により行われてきた。たとえば、有害性窒素を硝化菌により酸化させた後に、脱窒菌による還元を行うことにより、窒素まで分解することができる。
しかしながら、例えば、廃水中に殺菌作用のある銀等が含まれている場合や、廃水中に微生物が死滅してしまうほど高濃度の塩が含まれている場合等の、生物が死滅、または硝化、脱窒作用が阻害されてしまう環境下では、生物処理法を適用することは困難である。
そこで、有害性窒素を安定的に分解できる方法が求められている。ここで、生物処理法以外の方法としては、熱分解を利用する方法、電気分解を利用する方法、光触媒による酸化作用を利用する方法等が知られている。しかしながら、有害性窒素の中でも、硝酸性窒素は特に分解が難しく、電気分解による分解は可能ではあるが、効率が悪く、処理コストが高くなってしまう。したがって、生物処理法以外の方法で、硝酸性窒素を効率よく低コストで分解できる方法は未だ見出されていないのが現状である。
ここで、例えば、特許文献1及び特許文献2には、電気分解により廃水中の硝酸態窒素等の酸化態窒素を除去する方法が開示されている。
具体的には、特許文献1には、塩化物イオンを含む被処理水中の酸化態窒素成分を電気分解によって除去する酸化態窒素の除去方法であって、上記酸化態窒素に対して還元性能を有する合金を導電体の表面にアモルファス状態でコーティングした陰極を用いて電気分解することを特徴とする酸化態窒素の除去方法が開示されている。また、余剰次亜塩素酸を捕捉するスカベンジャーを添加し、該スカベンジャー濃度を所定濃度以上に維持しながら電気分解を行うこと、並びに、上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニア又はアンモニウム塩が用いられることが記載されている。
また、特許文献2には、陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法であって、窒素成分の除去処理過程で上記被処理水中の該窒素成分の濃度を測定し、上記窒素成分の濃度の測定結果に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御することを特徴とする窒素除去方法が記載されている。また、陽極にて発生した余剰の次亜塩素酸を捕捉し分解する余剰次亜塩素酸スカベンジャーとして、アンモニア又はアンモニウム塩を添加すること、並びに、処理経過時間に対する上記pH調整剤の添加速度が所定値以上となったときには、上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させることが記載されている。
また、特許文献3には、消費エネルギーの小さい廃水中の窒素成分の除去を可能とする廃水処理方法として、陽極としてアンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する能力を有する電極または塩素イオンを塩素ガスに酸化する能力を有する電極を、陰極として水を水素ガスに還元する能力を有する電極または硝酸態窒素を窒素ガスに還元する能力を有する電極を夫々配した反応槽内に廃水を導入し、前記陽極および前記陰極の間に電圧を印加して前記廃水の電気分解を行い、前記陽極において前記廃水中のアンモニア態窒素を窒素ガスに酸化すると共に、前記陰極において前記廃水中の硝酸態窒素を窒素ガスに還元することを特徴とする廃水処理方法が記載されている。
ここで、特許文献1や特許文献2に記載の方法では、被処理水中の硝酸態窒素等の酸化態窒素を電気分解により還元除去している。一方で、特許文献1や特許文献2に記載の方法においては、強い酸化作用を有する過剰の次亜塩素酸により陰極での酸化態窒素に対する還元反応が阻害されることを防止するために、アンモニア又はアンモニウム塩等の余剰次亜塩素酸スカベンジャーを添加し、また、当該余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度を所定濃度以上に維持しながら電気分解を行っている。したがって、廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の両方を積極的に低減させるものではない。また、特許文献1や特許文献2では、硝酸性窒素を含む廃水とアンモニア性窒素を含む廃水とが別々に存在する場合に、これらを効率的に処理することについて検討されていない。
また、特許文献3に記載の方法についても、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素をより効率的に処理する点において、さらに検討の余地があった。
特開2013−252508号公報 特開2015−009173号公報 特開平10−000473号公報
上記従来の問題点を鑑みて、本発明は、硝酸性窒素を含む廃水とアンモニア性窒素を含む廃水とが別々に存在する場合において、それぞれの廃水中に含まれる硝酸性窒素やアンモニア性窒素等の有害性窒素を、同時に、効率よく分解除去することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、下記の方法により上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、硝酸性窒素を含有する第1の廃水とアンモニア性窒素を含有する第2の廃水とを混合してなり、かつ塩化物イオンを含む混合廃水に電解処理することにより、前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度を低減させる、廃水中の有害性窒素の除去方法を提供する。
本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記電解処理前における前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度の比率(硝酸性窒素濃度/アンモニア性窒素濃度)が、モル比で、1/1〜1/3であることが好ましい。
また、本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記電解処理において、陽極として、白金、イリジウム及びルテニウム並びにこれらの少なくともいずれか1を含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極を用いるとともに、陰極として、白金、パラジウム及び銅並びにこれらの少なくともいずれか1を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極を用いることが好ましい。陽極と陰極をこの組み合わせとすることにより、陰極での硝酸性窒素の還元反応と陽極でのアンモニア性窒素の酸化反応の双方をより効率的に進行させることができる。
また、本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記電解処理を高周波電解により行うことが好ましい。
また、本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記電解処理中の、前記混合廃水のpHを6〜10の範囲に調整することが好ましい。
また、本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度を100mg/L以下まで低減させ、かつ、前記混合廃水中の前記アンモニア性窒素濃度を100mg/L以下まで低減させることが好ましい。
また、本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、前記混合廃水中の前記硝酸性窒素と前記アンモニア性窒素の合計の濃度を100mg/L以下まで低減させることが好ましい。
本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法においては、硝酸性窒素を含有する第1の廃水とアンモニア性窒素を含有する第2の廃水とを混合してなり、かつ塩化物イオンを含む混合廃水に電解処理する。この電解処理においては、陽極と陰極の両方で電流を活用して、陽極ではアンモニア性窒素を分解し、陰極では硝酸性窒素を分解して、混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度を低減させる。このようにすれば、電流効率よく電解処理を行うことができ、また、硝酸性窒素を含有する廃水とアンモニア性窒素を含有する廃水とを、それぞれの廃水中の全窒素濃度がそれぞれ所定値以下となるまで別々に処理する必要がない。したがって、廃水中に含まれる硝酸性窒素及びアンモニア性窒素を、同時に、効率よく分解除去することができる。また、特に電気分解しにくい硝酸性窒素にアンモニア性窒素を共存させた状態で電気分解させると、アンモニア性窒素が硝酸性窒素の還元を促進するため、硝酸性窒素のみを電気分解させる場合に比べて、高い電流効率で電気分解することができ、さらに効率的である。
図1は、実施例1の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフである。 図2は、実施例2の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフである。 図3は、実施例3の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフである。 図4は、比較例1の廃水中の硝酸性窒素濃度の経時変化を表すグラフである。 図5は、参考例1の廃水中のアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフである。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
本明細書における有害性窒素とは、硝酸性窒素(硝酸態窒素)及びアンモニア性窒素(アンモニア態窒素)を含むものである。なお、有害性窒素の一つとしては、亜硝酸性窒素(亜硝酸態窒素)も知られているが、亜硝酸性窒素は硝酸性窒素と同様に電気分解されるため、本明細書においては、亜硝酸性窒素も硝酸性窒素に含まれるものとする。
本発明による廃水中の有害性窒素の除去方法(以下、本発明の方法ともいう)は、硝酸性窒素を含有する第1の廃水とアンモニア性窒素を含有する第2の廃水とを混合してなり、かつ塩化物イオンを含む混合廃水に電解処理することにより、前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度を低減させるものである。本発明の方法においては、電解処理前に、硝酸性窒素を含有する第1の廃水とアンモニア性窒素を含有する第2の廃水とを混合した混合廃水が調製される。また、本発明の方法により電解処理される混合廃水には塩化物イオンが含まれるが、当該塩化物イオンは第1の廃水及び第2の廃水の少なくともいずれかに含まれていてもよく、第1の廃水と第2の廃水を混合した後の混合廃水中に別途添加されてもよく、あるいはその両方であってもよい。
つづいて、陽極と陰極とを備える電解槽中で硝酸性窒素及びアンモニア性窒素を含む混合廃水に電解処理を施すことにより、混合廃水中の硝酸性窒素及びアンモニア性窒素を電気分解させ、混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度を低減させる。
ここで、混合廃水中の硝酸性窒素は、電解処理により、陰極で、以下の反応式(1)にしたがって窒素(窒素ガス)まで還元され、混合廃水中から排出される。これにより、混合廃水中の硝酸性窒素濃度が低減する。
2NO + 12H + 10e → N +6HO (1)
また、混合廃水中のアンモニア性窒素は、電解処理により、陽極で、以下の反応式(2)〜(4)にしたがって窒素(窒素ガス)まで酸化され、混合廃水中から排出される。これにより、混合廃水中のアンモニア性窒素濃度が低減する。
2Cl → Cl + 2e (2)
Cl + HO → HClO + HCl (3)
2NH + 3HClO → N + 3HCl + 3HO (4)
なお、上記の反応式における次亜塩素酸イオン(ClO)は、混合廃水中に含まれる塩化物イオン(Cl)が陽極で酸化されることにより発生するものであり、アンモニア性窒素の還元に消費される。ここで、アンモニア性窒素の還元に必要となる量の塩化物イオンは、第1の廃水及び第2の廃水の少なくとも一つに含まれていてもよい。また、第1の廃水及び第2の廃水にアンモニア性窒素の還元に必要となる量の塩化物イオンが含まれていない場合には、混合廃水、第1の廃水及び第2の廃水の少なくともいずれかに、塩化カリウムや塩化ナトリウム等を添加することなどにより、塩化物イオンを必要量添加してもよい。
本発明の方法においては、電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の比率は特に限定されるものではなく、任意の割合で混合することができるが、電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の比率(硝酸性窒素濃度/アンモニア性窒素濃度)は、モル比で、1/1以下(硝酸性窒素濃度とアンモニア性窒素濃度が等しいか、あるいは、硝酸性窒素濃度がアンモニア性窒素濃度よりも低い)であることが好ましい。また、当該比率は、より好ましくは1/1〜1/3であり、さらに好ましくは1/1.5〜1/2.5である。電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度の割合が高くなりすぎると、硝酸性窒素に共存させるアンモニア性窒素が少なくなりすぎ、電流効率を向上させる効果が十分に得られない場合がある。また、電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度の割合が低くなりすぎると、硝酸性窒素の電気分解が完了した後にも多量のアンモニア性窒素が残存し、全体としての処理時間が長くなってしまう場合がある。なお、必要に応じて、電解処理前における混合廃水にさらに水を混合し、電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度を調整してもよい。
電解処理前における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度は、本発明の方法によりこれらの濃度を低減させうる限りにおいて、特に限定されるものではないが、硝酸性窒素濃度は、たとえば所定の排出基準値(100mg/L)を超える濃度であり、あるいはそれ以下の濃度(たとえば、50mg/L程度)であってもよい。また、アンモニア性窒素濃度は、たとえば所定の排出基準値(100mg/L)を超える濃度であり、あるいはそれ以下の濃度(たとえば、50mg/L程度)であってもよい。ここで、混合廃水中の硝酸性窒素濃度はイオンクロマトグラフ法(日本工業規格(JIS) K0102(2013) 43.2.5)により測定することができる。また、混合廃水中のアンモニア性窒素濃度はイオンクロマトグラフ法(日本工業規格(JIS) K0102(2013) 42.5)により測定することができる。
なお、本発明の方法により処理される混合廃水中には、殺菌作用のある銀等が含まれていてもよい。また、微生物の生存が困難な程度に高濃度(例えば、海水並の3%以上)の塩分が含まれていてもよい。また、毒性作用のあるニッケル、亜鉛、クロム、鉛、鉄およびその化合物等が含まれていてもよい。
本発明の方法において、陽極としては、アンモニア性窒素を窒素まで酸化できるものであれば、特に限定されず、また、陰極としては、硝酸性窒素を窒素まで還元できるものであれば、特に限定されない。
陽極としては、塩素の発生効率や電解による電極の耐久性の観点からは、白金、イリジウム及びルテニウム並びにこれらの少なくともいずれか1を含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極であることが好ましい。なお、白金、イリジウム及びルテニウムの少なくともいずれか1を含む酸化物としては、例えば、酸化白金、酸化イリジウム及び酸化ルテニウムが挙げられる。ここで、当該陽極は、白金、イリジウム及びルテニウム並びにこれらの少なくともいずれか1を含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1種のみで構成されていてもよいが、本発明の方法に適用される陽極としての機能を阻害しない範囲であれば、その他の成分を適宜含んでいてもよい。また、貴金属の使用量を抑制してコストを低減するとの観点からは、当該陽極は、チタンをはじめとする遷移金属からなる基材の上に、白金、イリジウム及びルテニウム並びにこれらの少なくともいずれか1を含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1種をめっき及び/又は焼成等により1層以上被覆したものであってもよい。
また、陰極としては、硝酸の還元反応の触媒効果を有することから、白金、パラジウム及び銅並びにこれらの少なくともいずれか1を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極であることが好ましい。なお、白金、パラジウム及び銅の少なくともいずれかを含む合金としては、例えば、白金と銅の合金(PtCu)やパラジウムと銅の合金(PdCu)等が挙げられる。ここで、当該陰極は、白金、銅及び銅合金からなる群から選択される少なくとも1種のみで構成されていてもよいが、本発明の方法に適用される陰極としての機能を阻害しない範囲であれば、その他の成分を適宜含んでいてもよい。
また、本発明の方法においては、直流電解、高周波電解等により電解を行うことができるが、発熱を抑制するためには、高周波電解を行うことが好ましい。高周波電解によって発熱を抑制することにより、電解効率の低下を抑制することができ、また、発熱により必要となる電解装置の冷却コストを抑制することができる。
また、電解処理時の電圧は特に限定されるものではなく、処理すべき廃液中の成分等に応じて、適宜設定することができる。
また、本発明の方法においては、電解処理中の混合廃水のpHを6〜10の範囲に調整することが好ましい。電解処理中の混合廃水のpHが10以下であると、反応速度が低下するのを抑制することができる。一方、電解処理中の混合廃水のpHが6以上であると、アンモニア性窒素と次亜塩素酸の反応により爆発性の物質である三塩化窒素が発生するのを抑制することができる。電解処理中の混合廃水のpHは、6〜8であることがより好ましく、6〜7であることがさらに好ましい。
本発明の方法においては、混合廃水中の硝酸性窒素濃度を、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは2mg/L以下、特に好ましくは0mg/L(すなわち、混合廃水中に硝酸性窒素が含まれていない状態)まで低減させてから、混合廃水を排出する。また、本発明の方法においては、混合廃水中のアンモニア性窒素濃度を、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは0.5mg/L以下、特に好ましくは0mg/L(すなわち、混合廃水中にアンモニア性窒素が含まれていない状態)まで低減させてから、混合廃水を排出する。
また、本発明の方法においては、硝酸性窒素とアンモニア性窒素の合計の濃度、すなわち、全窒素濃度を、好ましくは100mg/L以下、より好ましくは50mg/L以下、さらに好ましくは2.5mg/L以下、特に好ましくは0mg/L(すなわち、混合廃水中に硝酸性窒素とアンモニア性窒素等の有害性窒素が含まれていない状態)まで低減させてから、混合廃水を排出する。本発明の方法によれば、硝酸性窒素を含む第1の廃水とアンモニア性窒素を含む第2の廃水の混合廃水を電解処理することにより、一度の電解処理で硝酸性窒素とアンモニア性窒素等の有害性窒素の濃度(全窒素濃度)を所定の排出基準以下に抑制した上で、廃水を実施することができる。
以下、本発明を実施例および比較例によりさらに説明するが、本発明は下記例に制限されるものではない。
(実施例1)
硝酸性窒素を含む第1の廃水と、アンモニア性窒素を含む第2の廃水を混合及び攪拌し、混合廃水2Lを調製した。ここで、混合廃水中の硝酸性窒素濃度は、2000mg/Lであり、アンモニア性窒素濃度は2000mg/Lであった。すなわち、電解処理前の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の比率(硝酸性窒素濃度/アンモニア性窒素濃度)は、モル比で1/1であった。なお、混合廃水中には、塩化カリウムを10g/Lの濃度となるように添加した。
つづいて、チタン基材上に酸化イリジウムを被覆した電極(電極面積:172cm)を陽極とし、銅電極(電極面積:172cm)を陰極とする電解装置を用意し、電解装置の電解槽に調製した混合廃水を投入した。
つづいて、定電圧:12V、電流密度:6A/dm、及び、電極間の距離:10mmの条件で、高周波電解を行った。なお、電解処理中においては、水酸化ナトリウム水溶液及び硫酸を適宜使用することにより、pHを6〜7の範囲に調整した。ここで、電解中の電流は10Aであった。
図1に、実施例1の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフを示す。ここで、図1中の「NO−N」は硝酸性窒素濃度を、「NH−N」はアンモニア性窒素を表し、後述する図2〜図5においても同様である。また、表1に、電解開始から所定時間経過後の、実施例1の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度を示す。また、実施例1における電流効率は46%であった。なお、各段階における混合廃水中の硝酸性窒素濃度は、イオンクロマトグラフ法(JIS K0102(2013) 43.2.5)により測定した。また、混合廃水中のアンモニア性窒素濃度はイオンクロマトグラフ法(JIS K0102(2013) 42.5)により測定した。
Figure 0006580428
(実施例2)
混合廃水中の硝酸性窒素濃度が2000mg/Lであり、アンモニア性窒素濃度が4000mg/Lとなるように、すなわち、電解処理前の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の比率(硝酸性窒素濃度/アンモニア性窒素濃度)が、モル比で1/2でとなるように調整した混合廃水を用いた以外は、実施例1と同様にして、電解処理を行った。
図2に、実施例2の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフを示す。また、表2に、電解開始から所定時間経過後の、実施例1の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度を示す。また、実施例2における電流効率は60%であった。なお、各段階における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度は実施例1と同様にして測定した。
Figure 0006580428
(実施例3)
混合廃水中の硝酸性窒素濃度が2000mg/Lであり、アンモニア性窒素濃度が6000mg/Lとなるように、すなわち、電解処理前の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の比(硝酸性窒素濃度:アンモニア性窒素濃度)が、モル比で1:3でとなるように調整した混合廃水を用いた以外は、実施例1と同様にして、電解処理を行った。
図3に、実施例3の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフを示す。また、表3に、電解開始から所定時間経過後の、実施例3の混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度を示す。また、実施例3における電流効率は62%であった。なお、各段階における混合廃水中の硝酸性窒素濃度及びアンモニア性窒素濃度は実施例1と同様にして測定した。
Figure 0006580428
(比較例1)
硝酸性窒素濃度が2000mg/Lであり、アンモニア性窒素を含まない廃水2Lを用いた以外は、実施例1と同様にして、電解処理を行った。
図4に、比較例1の廃水中の硝酸性窒素濃度の経時変化を表すグラフを示す。また、表4に、電解開始から所定時間経過後の、比較例1の廃水中の硝酸性窒素濃度を示す。また、比較例1における電流効率は27%であった。なお、各段階における廃水中の硝酸性窒素濃度は実施例1と同様にして測定した。
Figure 0006580428
(参考例1)
硝酸性窒素を含まず、アンモニア性窒素濃度が4000mg/Lである廃水2Lを用いた以外は、実施例1と同様にして、電解処理を行った。
図5に、参考例1の廃水中のアンモニア性窒素濃度の経時変化を表すグラフを示す。また、表5に、電解開始から所定時間経過後の、参考例1の廃水中のアンモニア性窒素濃度を示す。また、参考例1における電流効率は89%であった。なお、各段階における廃水中のアンモニア性窒素濃度は実施例1と同様にして測定した。
Figure 0006580428
上記結果に示されるように、硝酸性窒素及びアンモニア性窒素を含む混合廃水に電解処理した実施例1〜3では、硝酸性窒素とアンモニア性窒素を同時に分解できた。また、硝酸性窒素のみを含む廃水に電解処理した比較例1に比較して、高い電流効率で電解を行うことができ、硝酸性窒素の分解時間を大幅に短縮することができた。例えば、実施例2と比較例1とを比較すると、硝酸性窒素を2000mg/L含み、アンモニア性窒素を含まない、すなわち全窒素濃度が2000mg/Lである廃水を電解処理した比較例1では、硝酸性窒素濃度(すなわち全窒素濃度)を50mg/L以下まで低減するのに、およそ14時間を要した。一方、硝酸性窒素を2000mg/L、アンモニア性窒素を4000mg/L含み、すなわち全窒素濃度が6000mg/Lである混合廃水を電解処理した実施例2では、およそ7時間で硝酸性窒素濃度を0.5mg/L以下まで低減できており、また、およそ8時間でアンモニア性窒素濃度を2mg/L以下まで低減できた。そして、全窒素濃度としても、電解処理前には比較例1よりも全窒素濃度が高いにも関わらず、およそ8時間で全窒素濃度を2.5mg/L以下まで低減できた。

Claims (7)

  1. 硝酸性窒素を含有する第1の廃水とアンモニア性窒素を含有する第2の廃水とを混合してなり、かつ塩化物イオンを含む混合廃水に電解処理することにより、前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度を低減させる、廃水中の有害性窒素の除去方法であって、
    前記電解処理前における前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度及び前記アンモニア性窒素濃度の比率(硝酸性窒素濃度/アンモニア性窒素濃度)が、モル比で、1/1〜1/3である、廃水中の有害性窒素の除去方法
  2. 前記電解処理において、陽極として、白金、イリジウム及びルテニウム並びにこれらの少なくともいずれか1を含む酸化物からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極を用いるとともに、陰極として、白金、パラジウム及び銅並びにこれらの少なくともいずれか1を含む合金からなる群から選択される少なくとも1種を含む電極を用いる、請求項に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
  3. 前記電解処理を高周波電解により行う、請求項1又は2に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
  4. 前記電解処理を高周波電解により行う(但し、電極として陽極および陰極のみを用いない場合を除く。)、請求項1〜3のいずれか1項に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
  5. 前記電解処理中の、前記混合廃水のpHを6〜10の範囲に調整する、請求項1〜4のいずれか1項に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
  6. 前記混合廃水中の前記硝酸性窒素濃度を100mg/L以下まで低減させ、かつ、前記混合廃水中の前記アンモニア性窒素濃度を100mg/L以下まで低減させる、請求項1〜5のいずれか1項に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
  7. 前記混合廃水中の前記硝酸性窒素と前記アンモニア性窒素の合計の濃度を100mg/L以下まで低減させる、請求項1〜6のいずれか1項に記載の廃水中の有害性窒素の除去方法。
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