JP4408706B2 - 窒素除去方法および装置 - Google Patents

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Description

本発明は、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素、あるいはアンモニア性窒素などを含む被処理水の窒素を除去する窒素除去方法および装置に関するものである。
湖沼、内湾等の閉鎖性水域において、産業排水中の窒素やりんなどの栄養塩類流入が原因と考えられている赤潮藻類増殖が社会問題となっており、第5次水質総量規制で除去対象物質として窒素、りんが追加されることとなった。そのため、従来のBOD(生物化学的酸素要求量)除去型の処理システムに代わって、窒素、りんに的を絞った処理システムの整備が緊急を要する課題となってきている。また、欧州では、化学肥料や家畜の排泄物から、水溶性の硝酸塩が土壌中に浸透しておこる地下水の汚染が深刻な問題になっている。さらに、汚染水を摂取した場合、神経障害、がん、幼児のメトヘモグロビン血症などを引き起こすことが知られている。以上のことから、高性能な窒素除去技術の早期開発が望まれている。
窒素除去技術としては、生物学的脱窒法と、電気化学的脱窒法とが知られている。生物学的脱窒法では、一般的に硝化菌と脱窒菌による脱窒が行われている。脱窒菌のほとんどは従属栄養細菌であるので、脱窒菌の増殖には有機物を必要とする。そのため、半導体製造工程における排水やバイオガスの消化液などのBOD/N比が1以下の排水を処理する場合、水素供与体として多量のメタノール等を添加するだけでなく、大規模な浄化槽の設置が不可欠となる。したがって、生物学的脱窒法では、処理装置の設置場所や経費の面が問題となっている。
一方、電気化学的脱窒法としては、一般的に電気分解法が行われている。電気分解法は、被処理水を電気分解することによって、アンモニア、亜硝酸性窒素、硝酸性窒素などを酸化または還元分解して窒素ガスにして除去する方法である。この電気分解法は、排水処理の操作が簡単であり、装置の大きさに対して処理能力が大きく、BOD源が無い排水処理であるので産業廃棄物である汚泥の発生がないという利点を有する。したがって、電気分解法では、設置場所や経費の面での問題が大幅に解消される。
上記の電気分解法では、一般に時間によって電気分解を制御している。すなわち、窒素濃度が規定濃度である被処理水から窒素を除去するために要する時間を求めておき、求めた時間だけ被処理水を電気分解するように制御している。しかしながら、この制御方法では、被処理水中の窒素濃度が変動した場合、電気分解を適切に制御できないという問題がある。つまり、規定濃度より高い濃度の被処理水を処理する場合は、処理途中で電気分解が終わってしまうことになり、窒素除去が不完全になるという問題がある。逆に、規定濃度より低い濃度の被処理水を処理する場合は、窒素の除去が終了しても電気分解を続けるので、無駄な電力を消費してしまうという問題がある。
電気分解を適切に制御する方法としては、全窒素濃度測定器などの窒素濃度センサを処理装置に組み込み、被処理水中の窒素濃度を測定してフィードバック制御をかける方法がある。また、特許文献1には、電気化学反応によって被処理水中の硝酸イオン・亜硝酸イオンを還元し、さらに生成したアンモニアを窒素ガスに代えて被処理水から除去する一連の水処理工程を、自動制御によってかつ効率よく行うことのできる水処理装置が記載されている。この水処理装置は、たとえば、電解槽内の水素ガス濃度と電解槽の制御電流値とに基づいて硝酸イオン・亜硝酸イオンの還元反応の完了を検知したり、水素ガス濃度と制御電流値とに基づいて被処理水の硝酸イオン・亜硝酸イオンの濃度を推定し、推定されたイオン濃度と制御電流値とカソードの還元反応能力値とに基づいて被処理水に含まれる硝酸イオン・亜硝酸イオンを還元するのに要する通電時間を推定したりしている。
特開2003−225672号公報
窒素濃度センサを用いる方法では、窒素濃度センサは高価であるので、コスト面が大きな問題となる。また、特許文献1に記載されている水処理装置は、還元反応が終了したことすなわち窒素成分の除去が完了したことを検知したり、還元反応に要する通電時間を推定したりする装置であり、電気分解を細かく制御するものではない。また、特許文献1の水処理装置では、検知や推定に複数の測定値を使用しているので、処理が複雑になるという問題がある。
本発明は、このような従来技術における問題点に着目してなされたものであって、簡単な処理で安価に被処理水から窒素を除去することができる窒素除去方法および装置を提供することを目的とする。
請求項1に係る窒素除去方法は、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法において、被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出し、検出した物性値に基づいて被処理水の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて電気分解の電流値を制御することを特徴とする。
請求項2に係る窒素除去方法は、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法において、被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を処理前に検出し、検出した物性値に基づいて被処理水の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて電気分解の時間を決定することを特徴とする。
請求項3に係る窒素除去方法は、請求項1〜2のいずれかに記載の窒素除去方法において、前記物性値として、被処理水のORP(酸化還元電位)を検出することを特徴とする。
請求項4に係る窒素除去方法は、請求項3記載の窒素除去方法において、検出したORPが所定の値に上昇したときに窒素成分の除去が完了したと判断して電気分解を終了することを特徴とする。
請求項5に係る窒素除去方法は、請求項1〜2のいずれかに記載の窒素除去方法において、前記物性値として、被処理水の吸光度を検出することを特徴とする。
請求項6に係る窒素除去装置は、アノードと、カソードと、アノードおよびカソードを収容するとともに被処理水を貯留する電解槽と、アノードとカソード間に直流電流を供給する直流電源と、直流電源を制御する制御手段とを備え、電解槽に貯留されている被処理水に電気分解を施して被処理水中の窒素成分を除去する窒素除去装置において、電解槽に貯留されている被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出する検出手段を設け、制御手段は、検出された物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて直流電源から供給する電流値を制御することを特徴とする。
請求項7に係る窒素除去装置は、アノードと、カソードと、アノードおよびカソードを収容するとともに被処理水を貯留する電解槽と、アノードとカソード間に直流電流を供給する直流電源と、直流電源を制御する制御手段とを備え、電解槽に貯留されている被処理水に電気分解を施して被処理水中の窒素成分を除去する窒素除去装置において、電解槽に貯留されている被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出する検出手段を設け、制御手段は、処理前に検出された物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて直流電源から直流電流を供給する時間を決定することを特徴とする。
請求項8に係る窒素除去装置は、請求項6〜7のいずれかに記載の窒素除去装置において、前記物性値は、被処理水のORP(酸化還元電位)であることを特徴とする。
請求項9に係る窒素除去装置は、請求項8記載の窒素除去装置において、制御手段は、検出されたORPが所定の値に上昇したときに窒素成分の除去が完了したと判断し、直流電源からの直流電流の供給を停止させて電気分解を終了することを特徴とする。
請求項10に係る窒素除去装置は、請求項6〜7のいずれかに記載の窒素除去装置において、前記物性値は、被処理水の吸光度であることを特徴とする。
本発明の窒素除去方法および装置によれば、被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある物性値を検出して電気分解を制御するので、被処理水中の窒素成分の濃度に応じた最適な電気分解を行うことができる。また、高価な窒素濃度センサを使用しないので、コスト面での問題が大幅に解消される。
また本発明の窒素除去方法および装置によれば、被処理水の窒素成分の推定した濃度に基づいて電気分解の電流値を制御するので、たとえば推定濃度が高い場合は電流値を大きく設定し、推定濃度が低い場合は電流値を小さく設定することができ、被処理水中の窒素成分の濃度に応じた最適な電気分解を行うことができる。これによって、効率よく被処理水から窒素成分を除去することができる。
また本発明の窒素除去方法および装置によれば、処理前に被処理水中の窒素成分の濃度を推定して電気分解を行う時間すなわち電流を供給する時間を設定するので、たとえば推定濃度が高い場合は電流供給時間を長く設定し、推定濃度が低い場合は電流供給時間を短く設定することができ、被処理水中の窒素成分の濃度に応じて過不足なく電気分解を行うことができる。これによって、窒素成分の除去が不完全になったり、無駄な電力を消費したりすることを防止して、効率よく被処理水から窒素成分を除去することができる。
また本発明の窒素除去方法および装置によれば、検出する物性値として、被処理水のORP、吸光度または導電率を用いることができる。これらの物性値は、被処理水中の窒素成分の濃度との間に一定の相関関係があることが発明者によって確認されている。本発明では、1種類の物性値に基づいて電気分解の制御を行うので、複数種類の物性値を使用する場合に比べて制御処理が簡単になる。
また、物性値としてORPを使用する場合は、ORPと窒素成分の濃度との間には、窒素成分の濃度がほぼ0になったときにORPが所定の値まで上昇するという関係があるので、ORPが所定の値に上昇したときに窒素成分の除去が完了したと判断して電気分解を終了させることができる。
図1は、本発明の実施形態である窒素除去装置1の概略的構成を示す構成図である。窒素除去装置1は、アノード2と、カソード3と、アノード2およびカソード3を収容するとともに被処理水を貯留する電解槽4と、アノード2とカソード3間に直流電流を供給する直流電源5と、直流電源5を制御する制御装置6と、電解槽4に貯留されている被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出する検出装置7とを備えて構成される。
被処理水は、窒素成分を含む溶液であり、供給管8から電解槽4に供給される。窒素成分としては、アンモニア性窒素、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素などである。電解槽4に貯留された被処理水には、アノード2およびカソード3が挿入される。アノード2およびカソード3には直流電源5が接続されている。直流電源5は、制御装置6によってアノード2およびカソード3に供給する電流値や電流供給時間が制御される。アノード2とカソード3との間には直流電源5から直流電流が供給されて通電され、これによって被処理水が電気分解される。この電気分解によって、被処理水中の窒素成分は窒素ガスとして放出され、被処理水からの窒素成分の除去が行われる。
電解槽4には、底部と上部とを接続する循環経路9が設けられており、循環経路9に設けられたポンプ10を駆動することによって、被処理水は電解槽4の底部から循環経路9を通って上部に戻される。これによって、電解槽4に貯留されている被処理水を攪拌することができ、効率よく電気分解を行うことができる。
窒素成分が除去された被処理水は、開閉弁11を開くことによって電解槽4の底部に設けられている排水管12から外部に排出される。排出が完了すると、再び被処理水が供給されて電気分解が行われる。このように窒素除去装置1では、被処理水の供給、電気分解、排水が繰り返される。
本発明は、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する際に、被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出し、検出した物性値に基づいて電気分解を制御することを特徴とするものである。物性値を検出する検出装置7は、循環経路9に設けられている。検出装置7によって検出された物性値は、制御装置6に与えられ、制御装置6は、検出された物性値に基づいて直流電源5を制御して電気分解を制御する。
このように、制御装置6は、被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある物性値を検出して電気分解を制御するので、被処理水中の窒素成分の濃度に応じた最適な電気分解を行うことができる。また、高価な窒素濃度センサを使用しないので、コスト面での問題が大幅に解消される。
制御装置6による電気分解の制御内容としては、様々なものが考えられる。たとえば、制御装置6は、検出した物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、推定した濃度に基づいて電気分解の電流値を制御することができる。電流値を制御する場合は、推定濃度が高いときは電流値を大きく設定し、推定濃度が低いときは電流値を小さく設定する。これによって、被処理水中の窒素成分の濃度に応じた最適な電気分解を行うことができ、効率よく被処理水から窒素成分を除去することができる。
また制御装置6は、処理前に被処理水の物性値を検出し、検出した物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、推定した濃度に基づいて電気分解の時間すなわち電流を供給する時間を設定することができる。電流供給時間を設定する場合は、推定濃度が高い場合は電流供給時間を長く設定し、推定濃度が低い場合は電流供給時間を短く設定する。これによって、被処理水中の窒素成分の濃度に応じて過不足なく電気分解を行うことができる。したがって、窒素成分の除去が不完全になったり、無駄な電力を消費したりすることを防止して、効率よく被処理水から窒素成分を除去することができる。
図1に示す窒素除去装置1では、検出装置7を循環経路9に設けて該循環経路9内の被処理水の物性値を検出するようにしたけれども、電解槽4内に設けて電解槽4内の被処理水の物性値を検出するようにしてもよい。
被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値としては、たとえばORP(酸化還元電位)、吸光度、導電率が挙げられる。以下、各物性値について説明する。
[OPR(酸化還元電位)]
本件発明者は、研究の結果、被処理水中のアンモニア性窒素の濃度と被処理水のORPとの間に相関関係があることを見出した。図2は、電解時間とアンモニア性窒素との関係を示すとともに、電解時間とORPとの関係を示すグラフである。図2に示すように、アンモニア性窒素が被処理水中に存在している間はORPはほぼ一定値(約300mV)であるが、アンモニア性窒素が被処理水中からほぼ除去されると、急激に所定の値(約800mV)に上昇している。これは、アンモニア性窒素が被処理水中に存在すると、アノードで生成した次亜塩素類は直ちにアンモニア性窒素と反応するため、被処理水中の遊離残留塩素濃度は上がらないが、被処理水からアンモニア性窒素がほとんど除去されると、遊離残留塩素濃度が上昇するためである。したがって、被処理水中のORPを検出し、検出したORPに基づいて電気分解を制御することによって、最適な電解条件で被処理水から窒素成分を除去することができる。
具体的には、上述したように、ORPが所定の値まで急激に上昇する時点は、アンモニア性窒素のほとんどが被処理水中から除去された時点とほぼ同一であるので、これを利用して、ORPが所定の値まで上昇した時点で電解を停止すれば、電力の過不足がない最適な制御を実現することができる。
図3は、ORPを使用した場合の電気分解の手順を説明するためのフローチャートである。ステップa1では、電解槽4に被処理水が給水され、ステップa2では直流電源5から直流電流を供給させて、アノード2およびカソード3間を通電して電気分解を開始する。ステップa3では、検出装置7を使用して被処理水のORPを測定し、測定値をORPaとする。ステップa4では、所定時間たとえば30秒経過後、検出装置7を使用して被処理水のORPを測定し、測定値をORPbとする。なお、被処理水のORPを測定する検出装置7としては、既存のORP計を使用する。
ステップa5では、制御装置6はORPb−ORPaが所定値たとえば10以上であるか否かを判断し、10以上である場合はステップa6に進み、10未満である場合はステップa9に進む。さらに、ステップa6では、制御装置6はORPb−ORPaが10以上であることを所定回数たとえば3回連続して検知したか否かを判断し、3回検知した場合はステップa7に進み、そうでない場合はステップa9に進む。
ステップa7では、制御装置6は、ORPb−ORPaが10以上であることを3回検知したということは測定誤差等による変動以上にORPが上昇したと判断できるので、直流電源5を制御して直流電流の供給を停止させて電気分解を終了させる。その後、ステップa8では、電解槽4から被処理水を排水し、再びステップa1に戻る。
一方、ステップa5でORPb−ORPaが10未満である場合およびステップa6でORPb−ORPaが10以上であることを連続して3回検知しなかった場合は、測定誤差等によって一時的にORPが上昇しただけであると判断できるので、ステップa9で、制御装置6はORPbの値をORPaとし、ステップa4に戻って検出装置7によるORPの測定を継続する。
このように、被処理水のORPが測定誤差等による変動以上に上昇したことを検出した時点で電気分解を停止すれば、電力の過不足がない最適な制御を実現することができる。なお、上記の説明では、所定値以上のORPの値の変化が連続した場合に、ORPが上昇したと判断するようにしたけれども、図2のグラフに示されるように、アンモニア性窒素が存在しているときのORPの値(約300mV)とアンモニア性窒素がほぼ除去されたときのORPの値(約800mV)が予めわかっている場合は、ORPの初期測定値と電気分解中の測定値との差が所定値(たとえば400)以上になったときにORPが上昇したと判断するようにしてもよい。また、ORPの測定値が所定値(約800mV)になったことを複数回連続して検出したときに、ORPが上昇したと判断するようにしてもよい。
[吸光度]
本件発明者は、研究の結果、被処理水の窒素成分の濃度と吸光度との間に相関関係があることを見出した。この相関関係は、アンモニア性窒素の場合と硝酸性窒素の場合とでは異なるので、それぞれについて個別に説明する。
(1)アンモニア性窒素が主成分の場合
図4は、アンモニア性窒素の濃度と吸光度との相関関係を説明するためのグラフであり、(a)はアンモニア性窒素が主成分の場合の電解時間とNH−N濃度および吸光度との関係を示すグラフであり、(b)はアンモニア性窒素が主成分の場合のNH−N濃度と吸光度との関係を示すグラフである。図4(a)に示されるように、アンモニア性窒素が主成分の場合は、電解時間が長くなるにつれて窒素濃度が直線的に減少するとともに、吸光度も直線的に減少する。このとき、アンモニア性窒素と吸光する成分は同一ではないため、アンモニア性窒素が0になっても吸光度は0にならない場合があり、逆にアンモニア性窒素が0にならなくても吸光度は0になる場合もある。この関係を予め把握しておき、図4(a)のグラフのデータに基づいて、図4(b)に示されるグラフを作成する。この図4(b)のグラフに基づいて、被処理水の吸光度からNH−N濃度を推定できる。したがって、被処理水の吸光度を検出し、検出した吸光度に基づいて電気分解を制御することによって、最適な電解条件で被処理水から窒素成分を除去することができる。
(2)硝酸性窒素が主成分の場合
図5は、硝酸性窒素の濃度と吸光度との相関関係を説明するためのグラフであり、(a)は硝酸性窒素が主成分の場合の電解時間とNO−N濃度および吸光度との関係を示すグラフであり、(b)は硝酸性窒素が主成分の場合のNO−N濃度と吸光度との関係を示すグラフである。図4(a)に示されるように、硝酸性窒素が主成分の場合は、電解時間が長くなるにつれて窒素濃度が曲線的に減少するのに対し、吸光度は直線的に減少する。このとき、硝酸性窒素と吸光する成分は同一ではないため、硝酸性窒素が0になっても吸光度は0にならない場合があり、逆に硝酸性窒素が0にならなくても吸光度は0になる場合もある。この関係を予め把握しておき、図4(a)のグラフのデータに基づいて、図4(b)に示されるグラフを作成する。この図4(b)のグラフに基づいて、被処理水の吸光度からNO−N濃度を推定できる。したがって、被処理水の吸光度を検出し、検出した吸光度に基づいて電気分解を制御することによって、最適な電解条件で被処理水から窒素成分を除去することができる。
図6は、吸光度を使用した場合の電気分解の手順を説明するためのフローチャートである。ステップb1では、直流電源5から標準値である電流値10Aの直流電流を供給させて、アノード2およびカソード3間を通電して電気分解を開始する。ステップb2では、検出装置7を使用して被処理水の吸光度を測定する。なお、被処理水の吸光度を測定する検出装置7としては、既存の吸光度計を使用する。
ステップb3では、測定した吸光度が70%以上であるか否かを判断し、70%以上である場合すなわち比較的高濃度である場合は、ステップb4に進み、電流値を30Aに設定して処理速度をかなり速める。その後、処理はステップb2に戻る。また、ステップb3で吸光度が70%未満である場合は、ステップb5に進み、測定した吸光度が60%以上であるか否かを判断する。吸光度が60%以上である場合は、ステップb6に進み、電流値を20Aに設定して処理速度を速める。その後、処理はステップb2に戻る。また、ステップb5で吸光度が60%未満である場合は、ステップb7に進み、電流値を標準値である10Aに設定する。
上述したように被処理水中の窒素成分の濃度に応じた電流値を設定して電気分解を行い、ステップb8では、測定した吸光度が所定値たとえば4%以下であるか否かを判断し、吸光度が4%以下である場合は被処理水から窒素成分がほぼ除去されたと判断してステップb9に進み、電気分解を終了する。また、吸光度が4%より大きい場合は被処理水中に窒素成分が残存していると判断できるので、ステップb2に戻り、電気分解を継続する。
このように、被処理水の吸光度を検出して検出値に応じて電流値を設定するので、最適な電解条件で処理することが可能となる。すなわち、被処理水中の窒素成分濃度が高い場合には、電流値を高く設定するので、高濃度の被処理水を処理する場合でも、処理時間が長くなることを抑制できる。これによって、窒素除去装置1の処理能力を安定させることができる。また、吸光度の測定は、非破壊・非接触で行うことができるので、検出装置7である吸光度計が故障しにくいという利点もある。なお、被処理水の吸光度を測定することに代えて、被処理水の透過率を測定するようにしてもよい。
[導電率]
本件発明者は、研究の結果、被処理水中の窒素成分の濃度と被処理水の導電率との間に相関関係があることを見出した。図7は、導電率と窒素濃度(T−N)との関係を示すグラフである。図7に示されるように、窒素濃度が増加するにつれて、導電率も直線的に増加する。したがって、上述したORPや吸光度と同様に、被処理水の導電率を検出し、検出した導電率に基づいて電気分解を制御することによって、最適な電解条件で被処理水から窒素成分を除去することができる。
本発明は、染料を含む液、畜産排水、半導体工場からの排水などのように、アンモニア性窒素、硝酸性窒素、亜硝酸性窒素などを含む被処理水から窒素成分を除去する際に好適に実施することができる。また、湖沼、内湾等の閉鎖性水域において、窒素を含む産業排水の流入が原因と考えられている赤潮藻類増殖を抑制することが可能となる。さらに、化学肥料や家畜の排泄物から水溶性の硝酸塩が土壌中に浸透して汚染された地下水を清浄化することができる。
本発明の実施形態である窒素除去装置1の概略的構成を示す構成図である。 電解時間とアンモニア性窒素との関係を示すとともに、電解時間とORPとの関係を示すグラフである。 ORPを使用した場合の電気分解の手順を説明するためのフローチャートである。 アンモニア性窒素の濃度と吸光度との相関関係を説明するためのグラフであり、(a)はアンモニア性窒素が主成分の場合の電解時間とNH−N濃度および吸光度との関係を示すグラフであり、(b)はアンモニア性窒素が主成分の場合のNH−N濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 硝酸性窒素の濃度と吸光度との相関関係を説明するためのグラフであり、(a)は硝酸性窒素が主成分の場合の電解時間とNO−N濃度および吸光度との関係を示すグラフであり、(b)は硝酸性窒素が主成分の場合のNO−N濃度と吸光度との関係を示すグラフである。 吸光度を使用した場合の電気分解の手順を説明するためのフローチャートである。 導電率と窒素濃度(T−N)との関係を示すグラフである。
符号の説明
1 窒素除去装置
2 アノード
3 カソード
4 電解槽
5 直流電源
6 制御装置
7 検出装置
8 供給管
9 循環経路
10 ポンプ
11 開閉弁
12 配水管

Claims (10)

  1. 被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法において、
    被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出し、検出した物性値に基づいて被処理水の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて電気分解の電流値を制御することを特徴とする窒素除去方法。
  2. 被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法において、
    被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を処理前に検出し、検出した物性値に基づいて被処理水の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて電気分解の時間を決定することを特徴とする窒素除去方法。
  3. 請求項1〜2のいずれかに記載の窒素除去方法において、前記物性値として、被処理水のORP(酸化還元電位)を検出することを特徴とする窒素除去方法。
  4. 請求項3記載の窒素除去方法において、検出したORPが所定の値に上昇したときに窒素成分の除去が完了したと判断して電気分解を終了することを特徴とする窒素除去方法。
  5. 請求項1〜2のいずれかに記載の窒素除去方法において、前記物性値として、被処理水の吸光度を検出することを特徴とする窒素除去方法。
  6. アノードと、カソードと、アノードおよびカソードを収容するとともに被処理水を貯留する電解槽と、アノードとカソード間に直流電流を供給する直流電源と、直流電源を制御する制御手段とを備え、電解槽に貯留されている被処理水に電気分解を施して被処理水中の窒素成分を除去する窒素除去装置において、
    電解槽に貯留されている被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出する検出手段を設け、
    制御手段は、検出された物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて直流電源から供給する電流値を制御することを特徴とする窒素除去装置。
  7. アノードと、カソードと、アノードおよびカソードを収容するとともに被処理水を貯留する電解槽と、アノードとカソード間に直流電流を供給する直流電源と、直流電源を制御する制御手段とを備え、電解槽に貯留されている被処理水に電気分解を施して被処理水中の窒素成分を除去する窒素除去装置において、
    電解槽に貯留されている被処理水中の窒素成分の濃度との間に相関関係のある当該被処理水に係る物性値を検出する検出手段を設け、
    制御手段は、処理前に検出された物性値に基づいて被処理水中の窒素成分の濃度を推定し、その推定した濃度に基づいて直流電源から直流電流を供給する時間を決定することを特徴とする窒素除去装置。
  8. 請求項6〜7のいずれかに記載の窒素除去装置において、前記物性値は、被処理水のORP(酸化還元電位)であることを特徴とする窒素除去装置。
  9. 請求項8記載の窒素除去装置において、制御手段は、検出されたORPが所定の値に上昇したときに窒素成分の除去が完了したと判断し、直流電源からの直流電流の供給を停止させて電気分解を終了することを特徴とする窒素除去装置。
  10. 請求項6〜7のいずれかに記載の窒素除去装置において、前記物性値は、被処理水の吸光度であることを特徴とする窒素除去装置。
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