JP5995242B2 - 窒素除去方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法及びその装置に関するものである。
排水中に含まれる硝酸態窒素の処理方法としては、微生物の脱窒能を利用した生物学的処理方法や、イオン交換法、逆浸透法、電気透析法等の物理化学的処理方法、電気分解を利用した電気化学的処理方法等がある。
生物学的処理方法は、ランニングコストが安価で最も普及している方法であるが、反応速度が小さいため、大量の排水を処理するためには大型の処理装置を必要とする。また、この生物学的処理方法は、約1g/L以上の高濃度の硝酸態窒素を含有する排水に適用することは難しく、排水中の硝酸態窒素濃度の変化等の処理装置に対する負荷の変動によって処理性能が不安定になり易い。
物理化学的処理方法は、処理装置が小型化でき、確実な処理が期待できる方法である。しかしながら、この方法は水中の窒素を分離・濃縮する方法であるため、最終的に窒素が濃縮された液の処理が別途必要となり、根本的に窒素を処理していることにならない。
電気分解を利用した電気化学的処理方法は、窒素成分を根本的に処理する方法であり、装置の大きさに対して処理能力が比較的大きく、高濃度の窒素を含有する排水に対して適用可能で、窒素濃度の変化等の処理装置に対する負荷の変動に対して安定な処理が期待される。
しかしながら、従来の電気化学的窒素除去方法のうち、特に硝酸態、亜硝酸態等の酸化態窒素の処理方法に関しては、窒素濃度に応じた反応制御に課題があった。
例えば、特許文献1においては、検出した物性値において被処理水の窒素成分の濃度を推定し、推定した濃度に基づいて電気分解の電流値を制御する技術が記載されており、その物性値としては、ORP(酸化還元電位)と吸光度が挙げられている。ORPに関しては、この特許文献1に記載されているように、アンモニア態窒素が枯渇して残留塩素濃度が上昇したことを検知するものである。しかしながら、本明細書において後に比較例として説明するように、アンモニア態窒素が枯渇したときに酸化態窒素が処理目標まで処理されているかどうかは確認することができない。したがって、ORPでは、アンモニアが枯渇したことを推定できたとしても、酸化態窒素の濃度を的確に確認することはできない。
また、吸光度に関しては、予め、窒素成分濃度と吸光度との相関関係を求めておき、その吸光度に基づいて電気分解の電流値を制御するということが記載されている。しかしながら、吸光度は、その波長に依存して他の成分の影響を受けることがあるため、相関関係は波長と水質に依存して変化してしまうことがあり得る。このように水質に依存して相関関係が変化するならば、安定した処理を行うことは到底期待し得ない。
実際に、この特許文献1には、吸光度と窒素濃度の相関関係は、アンモニア態窒素が主成分の場合と硝酸態窒素が主成分の場合とで異なるとの説明がなされている。被処理水中には、アンモニア態窒素と硝酸態窒素が共存している場合が少なくなく、硝酸態窒素が陰極で還元されてアンモニア態窒素となることから、アンモニア態窒素と硝酸態窒素の共存は原理的に不可避であり、どちらが主成分かどうかを判別することは困難である。
また、特許文献2及び特許文献3には、pHの変化に着目した制御方法が開示されている。具体的に、特許文献2には、電解反応の反応式から見て、pHが極小値を示したときが酸化態窒素還元反応の終点であり、このことを検知して電解を終了することが説明されている。しかしながら、このようにpHが極小となったときに酸化態窒素の還元が終了したと判断できるのは、この特許文献2に記載されているように、pHを成り行きで監視することが可能で、且つ、陽極及び陰極において当該文献に記載された反応のみが行われている場合に限られる。
その点において、被処理水中に含まれる酸化態窒素濃度が高い場合には、pHの変化量が大きくなるため、成り行きにしてしまうとpHが下がり過ぎて塩素ガスが発生してしまうという問題がある。したがって、現実的には成り行きでpH監視を行う方法は、pHの変化量が小さい、すなわち極めて低濃度の窒素処理を行う場合に限定される。
また、共存物質等の影響で、陽極及び陰極で当該文献に記載された反応のみが起こるとは限らない。例えば、陰極で酸化態窒素の還元反応の反応効率が著しく低下した場合には、pHが極小値となっても酸化態窒素が残留しているという事態が想定される。したがって、現実的にはpHが極小値となっても、必ずしも酸化態窒素の還元反応が終了しているとは限らない。
特許文献2及び特許文献3には、窒素除去反応とそれによるpH変化の原理が説明されているが、陰極での反応として、酸化態窒素の還元反応と水素発生反応が記載されているのみである。実際には、それ以外にも、隔膜によって陽極と陰極を仕切らない場合には、陽極で生成した次亜塩素酸の還元反応が陰極反応として特に重要となる。後に説明するが、そのうちのどの反応が主反応であるかによってpHの変化は異なるため、pHの変化は必ずしも一様ではない。上述した両文献には、pH変化に応じて電流値の制御を行っているが、陰極において目的の反応が主反応になっているかどうかの確認をすることなくpH変化だけで電流値の制御を行っても、安定した制御は期待できない。
特許第4408706号公報 特許第4349862号公報 特許第4349842号公報
そこで、本発明は、このような実情に鑑みて提案されたものであり、排水等の被処理水中に含まれる酸化態窒素等の窒素成分を電気化学的に還元して除去する方法において、効率的な反応制御を行いながら、安定的に窒素成分を除去することができる方法を提供することを目的とする。
本発明に係る窒素除去方法は、陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法であって、窒素成分の除去処理過程で上記被処理水中の該窒素成分の濃度を測定し、上記窒素成分の濃度の測定結果に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る窒素除去方法は、陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法であって、上記被処理水のpHをpH調整剤の添加により所定の範囲に維持し、上記pH調整剤の添加速度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る窒素除去装置は、陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去装置であって、陽極と陰極とを備え、被処理水が収容される電解槽と、上記陽極と上記陰極の間に直流電流を供給する直流電源と、上記被処理水の水質を調整する調整槽と、上記電解槽と上記調整槽の間で上記被処理水を循環させる循環機構と、窒素除去処理に要する薬剤を供給する薬剤供給部と、上記薬剤供給部から供給される薬剤の供給量を制御する制御部とを具備し、さらに上記被処理水中の窒素成分の濃度を測定する濃度測定部が設けられ、窒素除去処理過程において、上記調整槽から取り込んだ被処理水中の窒素成分の濃度を測定し、上記制御部では、上記濃度測定部にて測定した窒素濃度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて上記薬剤供給部からの窒素除去処理に要する所定の薬剤の供給量を制御することを特徴とする。
また、本発明に係る窒素除去装置は、陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去装置であって、陽極と陰極とを備え、被処理水が収容される電解槽と、上記陽極と上記陰極の間に直流電流を供給する直流電源と、上記被処理水の水質を調整する調整槽と、上記電解槽と上記調整槽の間で上記被処理水を循環させる循環機構と、上記被処理水のpHを所定の範囲に維持するためのpH調整剤を添加するpH調整剤供給部と、上記pH調整剤以外の窒素除去処理に要する薬剤を供給する薬剤供給部と、上記薬剤供給部から供給される薬剤の供給量を制御する制御部とを具備し、上記制御部では、pH調整剤供給部から添加されるpH調整剤の添加速度を算出し、算出されたpH調整剤の添加速度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて上記薬剤供給部からの窒素除去処理に要する所定の薬剤の供給量を制御することを特徴とする。
本発明によれば、窒素成分の濃度やpH調整剤の使用量に基づいて陰極における反応機構を推定し、それに応じて適切な薬剤添加の制御を行うようにしているので、効率的な反応制御が可能となり、安定的に被処理水中の窒素成分を除去することができる。
窒素濃度の測定結果から反応機構を推定して薬剤の添加を制御する流れを示すフローチャートである。 pH調整剤の使用量の変化から反応機構を推定して薬剤の添加を制御する流れを示すフローチャートである。 窒素除去方法に用いられる窒素除去装置の一例を示す構成図である。 窒素除去装置における電解槽の構成図である。 窒素濃度測定装置の一例を示す構成図である。 実施例1における電解処理中の窒素濃度の変化を示したグラフである。 比較例1における電解処理時間の経過に伴う被処理水中の窒素濃度の変化とORPの変化を示すグラフである。 実施例2における電解処理中の窒素濃度の変化と苛性ソーダの添加速度の変化を示すグラフである。
以下、本発明を適用した具体的な実施の形態(以下、「本実施の形態」という。)について、以下の順序で詳細に説明する。なお、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
1.窒素除去方法
2.被処理水に対する電解処理反応(窒素除去機構)について
2−1.基本となる窒素除去反応機構
2−2.反応機構の変化(推移)
2−3.反応機構の推定に応じた薬剤供給制御(反応制御)
3.窒素除去装置
3−1.窒素除去装置の構成
3−2.窒素除去装置における薬剤供給制御
4.実施例
≪1.窒素除去方法≫
本実施の形態に係る窒素除去方法は、塩化物イオンを含有する被処理水(例えば、工場等から排出される排水等)に対して電気分解処理を施すものであり、その被処理水中に含まれる酸化態窒素等の窒素成分を電気化学的に還元処理して除去する方法である。
この電気化学的な還元処理による除去方法は、陽極及び陰極を有する電解槽に被処理水を収容し、その電極に電圧を印加して通電することによって、陽極では塩化物イオンを酸化して次亜塩素酸を生成させ、陰極では酸化態窒素等の窒素成分を還元してアンモニアを生成させるものである。そして、発生した次亜塩素酸とアンモニアとを反応させることによって酸化態窒素を窒素ガスとして除去する。特に、本実施の形態に係る方法においては、陽極と陰極との間をイオン交換膜等の隔膜によって区画しない無隔膜電解槽に被処理水を収容して電解分解を行い、窒素成分を除去する。
具体的に、本実施の形態に係る窒素除去方法は、窒素成分の除去処理過程で被処理水中の窒素成分の濃度を測定し、その濃度測定結果に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御することを特徴とする。
または、被処理水中の窒素成分の測定濃度に基づいて反応機構を推定することに代えて、被処理水のpHをpH調整剤により所定の範囲に維持し、窒素成分の除去処理過程におけるpH調整剤の使用量に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定する。そして、その推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御することを特徴とする。
このように、本実施の形態に係る窒素除去方法では、被処理水中の窒素成分の濃度又は被処理水のpHを所定範囲に維持するためのpH調整剤の使用量に基づいて、除去処理過程における所定の時点での陰極における主たる反応機構を推定することが重要となる。そして、この方法では、その推定した反応機構に応じて、その時点における窒素除去処理に要する薬剤の添加を制御する。このことにより、効率的な反応制御を行うことが可能となり、安定的に被処理水中の酸化態窒素等の窒素成分を除去することができる。
≪2.被処理水に対する電解処理反応(窒素除去機構)について≫
先ず、電解槽にて生じる被処理水の電解処理反応について、より具体的に説明する。
<2−1.基本となる窒素除去反応機構>
被処理水に対する電解処理においては、電解槽に設けられた陽極及び陰極への通電が開始されると、陽極では、下記反応式1のように、塩化物イオンから次亜塩素酸イオンへの酸化が行われる。一方で、陰極では、下記反応式2のように、被処理水中の窒素成分(例えば硝酸態窒素)からアンモニア(アンモニア態窒素)への還元が行われる。なお、下記反応式1及び反応式2は、同じ電気量あたりの反応当量を比較するため、48電子モルあたりの反応当量で表記する。
[反応式1:陽極における反応]
24Cl + 24HO → 24ClO + 48H + 48e
[反応式2:陰極における反応]
6NO + 48e + 42HO → 6NH + 60OH
本実施の形態に係る窒素除去方法においては、陽極と陰極とを区画しない無隔膜電解槽にて電気分解を行う。このことから、陽極にて生成した次亜塩素酸(ClO)と、陰極における酸化態窒素の還元反応で生成したアンモニア(NH )は、電解槽中で均一に混合されて下記反応式3に従ってその場で反応し、窒素ガス(N)となって除去されて脱窒素反応が完結する。
[反応式3]
6NH + 9ClO → 3N + 9Cl + 9HO + 6H
そして、以上で述べた電極反応から脱窒素反応までの総括反応式は、下記反応式4の通りとなる。
[反応式4]
6NO + 15Cl + 3HO → 3N + 15ClO + 6OH
上述した窒素除去反応においては、被処理水のpHが低くなると電解槽内の陽極にて生成した次亜塩素酸から塩素ガスが発生し、一方でpHが高くなるとアンモニアが揮発する。アンモニアと次亜塩素酸が反応するときに硝酸イオンが生成され易くなる等の問題があることから、電解処理中は被処理水のpHを、概ね4.0〜10.0に維持し、より好ましくは5.0〜9.0に維持する。
被処理水のpH調整においては、例えば苛性ソーダ等のアルカリや、塩酸や硫酸等の酸をpH調整剤として添加することによって、上述の範囲にpHを維持する。なお、pH調整剤としては、特に限定されないが、後述する余剰次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニア又はアンモニウム塩を用いる場合には、電解処理によってpHが低下する方向に変動するため、苛性ソーダ等のアルカリを用いることが好ましい。
ところで、上記反応式4に示されるように、陽極で生成した次亜塩素酸は、陰極で生成したアンモニア態窒素の脱窒素反応にて消費される分よりも過剰となる。そのため、電解液中では、次亜塩素酸が余剰となり、無隔膜電解槽においてはその余剰の次亜塩素酸が陰極の近傍にも存在することになる。
このように、無隔膜電解槽において、還元反応を行う陰極の近傍に次亜塩素酸が存在するようになると、次亜塩素酸は強い酸化作用を有することから、陰極での酸化態窒素等の窒素成分に対する還元反応を阻害する。
このことから、本実施の形態においては、余剰の次亜塩素酸による陰極における還元反応への阻害を防止するために、電解反応で余剰となる次亜塩素酸を消費(捕捉して分解)するスカベンジャー(以下、「余剰次亜塩素酸スカベンジャー」という。)を電解槽内に存在させるようにする。これにより、余剰の次亜塩素酸が陰極の近傍に到達する前に、余剰次亜塩素酸スカベンジャーによって次亜塩素酸を分解することができ、陰極における酸化態窒素に対する還元反応を効率的に進行させることができる。
余剰次亜塩素酸スカベンジャーとしては、次亜塩素酸と迅速に反応する化合物であればそれ以上の限定をするものではなく、例えばアンモニアやアンモニウム塩、亜硫酸塩等を用いることができる。その中でも、次亜塩素酸との反応性や経済性等を考慮すると、アンモニア又はアンモニウム塩を用いることが好ましい。なお、余剰次亜塩素酸スカベンジャーは、その種類によって電解中のpHの変動が異なる。このことから、添加する余剰次亜塩素酸スカベンジャーの種類に応じて、被処理水のpHを調整するpH調整剤の種類についても適宜変更して、被処理水のpH制御を行うことが好ましい。
ここで、より具体的に、次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニウム塩を用いた場合を例として反応機構を説明する。
次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニウム塩を添加すると、陽極にて発生した次亜塩素酸とアンモニアとは、下記反応式5に従って反応し、総括反応が下記反応式6のようになる。下記反応式6から分かるように、余剰次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニウム塩を用いた場合には、電解処理によってpHが低下する方向に変動するので、pH調整剤としては苛性ソーダ等のアルカリを用いる。
[反応式5]
10NH + 15ClO → 5N + 15Cl + 15HO + 10H
[反応式6]
6NO + 10NH →8N + 18HO + 4H
<2−2.反応機構の変化(推移)>
さて、上述したそれぞれの反応式は、反応式1及び反応式2にて示した陽極及び陰極における電解反応が電流効率100%で進行した場合の反応当量関係を表記したものである。電解処理においては、被処理水中の共存物質の影響等もあり、現実の電解処理で電流効率が100%になるとは限らず、上述したpHの動きや余剰次亜塩素酸スカベンジャーの必要量は上述した反応式で記載された量とは異なってくる。したがって、電解処理においては、被処理水の窒素成分やpH等の重要な水質項目を常時又は間欠的に監視しながら処理を進めることが必要となる。
具体的には、例えば、余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度が高いほど、次亜塩素酸との反応速度が大きくなるので、酸化態窒素等の窒素成分の還元反応を促進する効果が高い。したがって、必要な反応速度を維持できるだけの余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度を維持しながら電解を継続することが好ましいが、必要とされる余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度は、陽極での次亜塩素酸の生成速度にも依存する。そのため、生成速度が大きいほど、維持すべき余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度も高くすることが必要となる。そしてまた、その陽極での次亜塩素酸の生成速度は、陽極及び陰極に印加する直流電流の通電量に比例する。このことから、その通電量によっても必要となる余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度は変動することになる。
このように、被処理水に対する電解処理においては、様々な要因によって必要となる余剰次亜塩素酸スカベンジャーの濃度は変動し、そして、被処理水中の余剰次亜塩素酸スカベンジャー濃度によって、陰極における主たる反応機構も変化(推移)する。
ここで、陰極における反応機構の推移について具体例を挙げてより詳しく説明する。表1は、余剰次亜塩素酸スカベンジャーとしてアンモニアやアンモニウム塩を添加した場合の、その被処理水中での濃度(アンモニア性窒素濃度)(mg/L)に応じた陰極における主たる反応機構の推移をまとめたものである。
なお、この表1は、窒素成分としての硝酸態窒素(酸化態窒素)が5000mg/L含有されている被処理水を例に挙げ、また被処理水のpHを所定範囲に維持するpH調整剤として苛性ソーダを用いた例としてまとめたものである。したがって、反応機構が推移するスカベンジャー濃度の3000mg/Lは、あくまでも本具体例をおいて反応機構が推移するおよその濃度であって、反応機構の推移点は当然この濃度に限られるものではない。
Figure 0005995242
表1に示すように、反応初期においてアンモニア性窒素(スカベンジャー)濃度が高く、例えば概ね3000mg/L以上である場合(フェーズI)には、陰極における酸化態窒素の還元効率はほぼ100%であり、酸化態窒素の還元反応とともに生成したアンモニアの酸化反応が生じ、窒素ガスとして窒素成分が除去される。
次に、反応が進行して処理液中のスカベンジャー濃度が低下してくると(フェーズII)、陰極での酸化態窒素の還元効率が低くなる。具体的には、スカベンジャー濃度が3000mg/L未満となると、酸化態窒素の還元効率が低くなり、酸化態窒素濃度の減少速度(分解速度)が小さくなる。したがって、被処理液中の酸化態窒素の濃度を測定していくことにより、その時間変化量によって還元効率が低くなったことを検出することができる。
一方で、被処理水中の合計の塩素(Cl)濃度は、反応が進行しても変化しない。これは、被処理水中でCl⇔ClOの変化を繰り返すだけであって、系外に塩素が出ていかないためである。そのため、陽極での酸化効率は、処理の過程であまり変化は無い。上述のように、陰極での還元効率だけが低くなると、酸化態窒素の還元に由来するアンモニアの酸化分解反応の比率が低くなり、スカベンジャーの分解だけが行われるようになる。すると、その結果として、総括主反応が上記反応式6から下記反応式7へと変化する。
[反応式7]
16NH + 24ClO → 8N + 24Cl + 24HO + 16H
このように、総括主反応が反応式6から反応式7に変化して、ClOの強い酸化作用によりアンモニアの酸化が主反応となると、Hの発生量の増加に伴ってpH調整剤(苛性ソーダ等)の使用量が増加(添加速度が上昇)することになる。したがって、pH調整剤の添加速度を測定することによっても、還元効率が低くなったことを検出することができる。
なお、還元効率が低下してきても、スカベンジャーであるアンモニアは低濃度ながらまだ残留している。スカベンジャーのアンモニアが枯渇するまで電解を続けても、還元効率が低下している状態では酸化態窒素の還元を十分に行うことができないため、スカベンジャーを無駄に消費していることになる。したがって、スカベンジャーを追加添加するかどうかの判断は、上述したように、酸化態窒素の濃度の変化やpH調整剤の使用量の増加に基づいて、還元効率が低下してきたことを検出した段階で行うことが望ましい。
<2−3.反応機構の推定に応じた薬剤供給制御(反応制御)>
そこで、本実施の形態に係る窒素除去方法においては、窒素成分の除去処理過程で被処理水中の窒素成分の濃度を測定し、その濃度測定結果に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定する。そして、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御する。
または、被処理水のpHをpH調整剤により所定の範囲に維持して窒素成分の除去処理を行う過程で、そのpH調整剤の使用量(供給量)に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定する。そして、推定した反応機構に応じて、窒素除去処理に要する所定の薬剤の添加を制御する。
[窒素濃度の測定結果から反応機構を推定する場合]
具体的に、被処理水中の窒素濃度の測定結果から反応機構を推定するに際しては、図1のフローチャートに示すように、先ず、ステップS11として、被処理水中の酸化態窒素の窒素濃度を測定する。次に、ステップS12として、測定した窒素濃度に基づいて、処理時間の経過に伴う窒素濃度の減少速度(分解速度)を算出する。
そして次に、ステップS13として、算出した窒素濃度の減少速度(減少傾き)が所定の値(設定値)以下であるか否かを判断する。すなわち、酸化態窒素の分解速度が低下してきているか否かを判断する。この判断の結果、減少速度が設定値よりも大きい場合(No)には、再びステップS11に戻る。一方で、減少速度が設定値以下であると判断された場合(Yes)には、ステップS14に進む。
ステップS14では、窒素濃度の減少速度が設定値以下と判断されたが、被処理水中の酸化態窒素の濃度が処理目標とする値以下となったか否か、すなわち、その測定した窒素濃度が処理目標値以下となっており十分に処理対象とする窒素成分を除去することができた状態であるか否かを判断する。この判断の結果、酸化態窒素濃度が目標値以下となっている場合(Yes)には、窒素除去処理を終了する。一方で、酸化態窒素濃度が目標値よりも高い場合(No)、すなわち、未だ十分に窒素除去処理が行われていない場合には、ステップS15に進む。
ステップS15では、酸化態窒素の濃度の減少速度が小さくなり、未だ目標濃度にまで十分な処理ができていないことから、スカベンジャー濃度の低下により、陰極において反応機構の変化があったものと判断し、すなわち、陰極における反応機構が上記表1のフェーズIIの段階に推移したものと判断し、スカベンジャーを追加添加するようにする。
ここで、被処理水中の窒素濃度の測定方法としては、特に限定されないが、例えば中心波長が254nmの紫外線による紫外線吸光光度法を用いた装置を用いて行うことができる。また、詳しくは後述するが、工場排水等の被処理水中にはクロラミン類が中間生成物として含まれていることから、吸光光度法により濃度測定を行う場合には、そのクロラミン類によって吸光度検出が阻害されないように、予めクロラミン類を分解除去しておくことが好ましい。
[pH調整剤の使用量の変化から反応機構を推定する場合]
また、pH調整剤の使用量の変化に基づいて反応機構を推定するに際しては、図2のフローチャートに示すように、先ず、ステップS21として、被処理水中のpHを所定範囲に維持するために添加するpH調整剤(例えば苛性ソーダ等)の添加速度を算出する。そして次に、ステップS22として、算出した添加速度(pH調整剤の使用量の傾き)が所定の値(設定値)以上であるか否かを判断する。すなわち、pH調整剤の使用量が増加しているか否かを判断する。この判断の結果、添加速度が設定値よりも小さい場合(No)には、再びステップS21に戻る。一方で、添加速度が設定値以上であると判断された場合(Yes)には、ステップS23に進む。
ステップS23では、被処理水中の酸化態窒素の濃度を測定する。そして次に、ステップS24として、pH調整剤の添加速度が設定値以上と判断されたが、ステップS23で測定した被処理水中の酸化態窒素の濃度が処理目標とする値以下となったか否か、すなわち、その測定した窒素濃度が処理目標値以下となっており十分に処理対象とする窒素成分を除去することができた状態であるか否かを判断する。この判断の結果、酸化態窒素濃度が処理目標値以下となっている場合(Yes)には、窒素除去処理を終了する。一方で、酸化態窒素濃度が処理目標値よりも高い場合(No)、すなわち、未だ十分に窒素除去処理が行われていない場合には、ステップS25に進む。
ステップS25では、pH調整剤の添加速度が大きくなり、未だ目標濃度にまで十分な処理ができていないことから、スカベンジャー濃度の低下により、陰極において反応機構の変化があったものと判断し、すなわち、陰極における反応機構が上記表1のフェーズIIの段階に推移したものと判断し、スカベンジャーを追加添加するようにする。
ここで、pH調整剤の添加速度の増加に関しては、例えば、処理経過時間に対するpH調整剤の使用量の傾きが2倍以上に変化したときに、反応機構の変化があったものと判断し、スカベンジャーを追加添加する制御を行うようにすることができる。
以上のように、本実施の形態に係る窒素除去方法では、測定された被処理水中の酸化態窒素の濃度の測定結果や、被処理水のpHの測定結果によるpH調整剤の使用量の変化に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて酸化態窒素の除去処理に要する薬剤(次亜塩素酸スカベンジャー)の供給を制御するようにしている。このような窒素除去方法によれば、酸化態窒素の電解処理における陰極での主たる反応機構を的確に把握して効率的な反応制御を行うことができ、安定的に酸化態窒素等の窒素成分を除去することができる。
≪3.窒素除去装置≫
次に、本実施の形態に係る窒素除去方法に用いる窒素除去装置について説明する。
<3−1.窒素除去装置の構成>
図3は、本実施の形態に係る窒素除去方法に用いられる窒素除去装置(電解処理装置)の一例を示す概略構成図である。図3に示すように、窒素除去装置10は、陽極と陰極とを備え、窒素成分を含有する被処理水20を収容する電解槽11と、陽極と陰極の間に直流電流を供給する直流電源12と、被処理水20の水質を調整する調整槽13と、電解槽11と調整槽13の間で被処理水20を循環させる循環機構14(14a,14b)とを具備する。また、窒素除去装置10は、被処理水20のpHや次亜塩素酸濃度を測定する測定部15と、被処理水20中の窒素濃度を測定する窒素濃度測定部16とを具備する。さらに、窒素除去装置10は、窒素除去処理に要する薬剤を供給する薬剤供給部17と、薬剤供給部17から供給される薬剤供給量を制御する制御部18とを具備する。
(電解槽)
電解槽11は、陽極11a及び陰極11bを1対とする1組以上から構成されている。図4は、この電解槽11の正面図(A)と側面図(B)である。図4に示すように、電解槽11内には、酸化態窒素等の窒素成分を含有する被処理水20が収容され、被処理水20中に少なくとも一部が浸漬するように、例えば薄板状の陽極11aと陰極11bとが配置されている。また、その各電極11a,11bには、後述する直流電源12が接続されおり、直流電源12から印加された直流電流を陽極11aと陰極11bに通電することによって被処理水20中の窒素成分を電解除去する。
この電解槽11は、陽極11aと陰極11bとの間をイオン交換膜等の隔膜によって区画しない無隔膜電解槽である。この無隔膜の電解槽11では、上述したように、陽極11aにて発生した次亜塩素酸と陰極11bにて発生したアンモニアとが均一に混合され、その場で反応して、窒素ガスとなって除去される(上記反応式3)。なお、陽極11aと陰極11bとの間を隔膜で区画しない無隔膜電解槽では、被処理水20中に含まれる硬度成分が隔膜に目詰まりするといった問題が発生せず原水管理等の負荷がない利点がある。
陽極11aとしては、一般的に用いられている不溶性電極を用いることができる。陽極11aでは、被処理水に含有される塩化物イオンから次亜塩素酸を生成させるために、不溶性電極の中でも塩素発生効率が高い電極を採用することが望ましい。塩素発生効率が高いということは、陽極で塩化物イオンから次亜塩素酸イオンへの酸化反応が他の反応に優先して起こることを意味している。これは、陰極11bで還元された酸化態窒素が、再び酸化されることを防止することにつながる。
陰極11bは、上述のように、被処理水中の酸化態窒素等の窒素成分を電気分解により除去するために用いられるものであって、酸化態窒素等の窒素成分に対して還元性能を有する金属からなる電極を用いることができる。具体的には、例えば、酸化態窒素に対して還元性能を有する鉄−クロム系合金等の合金をアモルファス状態でコーティングしてなるアモルファス電極を用いることができる。このようなアモルファス電極を用いることにより、直流電流が通電されても、その陰極11bを構成する金属成分が溶液中に溶出することなく、還元性能を維持して電解処理を行うことができる。
(直流電源)
直流電源12は、電解槽11に設けられた陽極11a及び陰極11bの間に直流電流を供給印加する。この直流電源12においては、後述する制御部18と接続させて信号の送受信を可能とし、被処理水20の水質や薬剤供給量等に応じて、供給する直流電流の通電量等を制御可能にしてもよい。
(調整槽)
調整槽13は、電解槽11にて電解処理を施す被処理水20を、電解槽11から後述する循環機構14(14a)を介して定期的に取り込んで、その被処理水20のpHや次亜塩素酸濃度等の水質の調整を行う。
具体的に、調整槽13は、pH調整剤供給部17aや余剰次亜塩素酸スカベンジャー供給部17b等からなる薬剤供給部17に接続されており、後述する測定部15における被処理水20のpHや次亜塩素酸濃度の測定結果、また窒素濃度測定部16における被処理水20中の窒素濃度の測定結果に基づいて、被処理水20に対してpH調整剤や余剰次亜塩素酸スカベンジャー等の窒素除去処理に要する薬剤が供給添加され、被処理水20の水質が調整される。すなわち、被処理水20のpHを電解処理に好適な範囲に調整し、また陽極11aにて発生した余剰の次亜塩素酸を次亜塩素酸スカベンジャーにより分解する。
なお、この調整槽13に送液されて必要に応じて薬剤が添加された被処理水20は、循環機構14(14b)を介して再び電解槽11に循環されて収容される。
(循環機構)
循環機構14は、例えば、主として、電解槽11から取り出される被処理水20を調整槽13に移送する循環配管14aと、調整槽13からの被処理水20を再び電解槽11に戻し入れる循環配管14bとからなっている。循環機構14では、被処理水20を例えばポンプ19aによって循環させる。
(測定部)
測定部15は、例えば上述した循環機構14を構成する循環配管14a上に設けられており、電解槽11から取り込まれた被処理水20のpHを測定するpH測定装置や、陽極11aにて発生した次亜塩素酸濃度を測定する次亜塩素酸濃度測定装置等からなっている。このように測定部15は、窒素除去処理過程における被処理水20の水質を測定する。
また、この測定部15は、後述する制御部18に接続されており、この測定部15における被処理水20のpHや次亜塩素酸濃度の測定結果の信号を制御部18に送信可能となっている。そして、制御部18では、それらpH等の水質の測定結果から、調整槽13において被処理水20に対する薬剤供給が行われる。すなわち、制御部18では、測定部15から受信した被処理水20のpH等の測定結果に基づいて、薬剤供給部17からの薬剤の供給量を調整し、その薬剤供給部17を介して必要となる薬剤を調整槽13内の被処理水20に添加する。なお、制御部18における薬剤供給制御については後で詳述する。
(窒素濃度測定部)
窒素濃度測定部16は、調整槽13内に収容された被処理水20をポンプ19bで取り込んで、その被処理水20中の酸化態窒素等の窒素成分の濃度を測定する。
また、窒素濃度測定部16は、後述する制御部18に接続されており、この測定部15における被処理水20中の酸化態窒素濃度の測定結果の信号を制御部18に送信可能となっている。なお、制御部18では、その窒素濃度の測定結果に基づいて、薬剤供給部17からの被処理水20に対する薬剤供給を制御する。制御部18における薬剤供給制御については後で詳述する。
具体的に、窒素濃度測定部16としては、被処理水20中の除去対象となる酸化態窒素の濃度を測定できるものであれば特に限定されないが、例えば254nmを中心波長とした紫外線による紫外線吸光光度法を用いた装置とすることができる。この中心波長が254nmの波長は、酸化態窒素の吸収はあるがアンモニアの吸収はないという特徴がある波長である。
ここで、この電気分解による窒素除去処理においては、被処理水中に、濃度測定対象である酸化態窒素(例えばNO )等の窒素成分の他に、モノクロラミン(NHCl)、ジクロラミン(NHCl)、トリクロラミン(NCl)といったクロラミン類が中間生成物として発生する。このようなクロラミン類を含む被処理水に対して紫外線吸光光度法により窒素成分の濃度を測定した場合、そのクロラミン類が酸化態窒素等の窒素成分と近似する吸光度を示すことから、正確に窒素成分の濃度を測定することが困難となる。
そこで、窒素濃度測定部16として、紫外線吸光光度法を用いた装置とする場合においては、被処理水に対して活性炭処理を前処理として施し、被処理水中のクロラミン類のみを選択的に分解させるようにして、クロラミン類が分解除去された被処理水に対して紫外線吸光光度法を用いた濃度測定を行うことが好ましい。これにより、近似する吸光度を有するクロラミン類による測定阻害(干渉)を生じさせることなく、的確に窒素濃度を測定することができる。
具体的に、図5に、窒素濃度測定部16として紫外線吸光光度法を用いた装置の構成の一例を示す。なお、この図5では、窒素除去装置10における調整槽13を含めた構成として示し、調整槽13から取り出された被処理水20に対して窒素濃度を測定する態様の構成を示す。図5に示すように、紫外線吸光光度法を用いた窒素濃度測定部16は、被処理水20に対して濃度測定に先立って前処理を施す前処理部31と、紫外線吸光光度法による濃度測定部32とを備える。
前処理部31は、例えば活性炭を充填させたカラムからなり、調整槽13からポンプ19bにより被処理水20をカラムに取り込み、被処理水20に含まれるクロラミン類のみを活性炭によって選択的に分解除去する。なお、この前処理部31におけるクロラミン類の分解除去に際しては、予め被処理水20に対して硫酸等の酸を添加して、被処理水20のpHを3以下程度に調整して、クロラミン類の分解条件を最適化することが好ましい。
濃度測定部32は、前処理部31を通過してクロラミン類が分解除去された被処理水20中の酸化態窒素等の窒素成分の濃度を測定する。この濃度測定部32には、紫外線吸光光度計が備えられており、取り込んだ被処理水20に対して、例えば254nmを中心波長とした紫外線を照射することによって、酸化態窒素の濃度を測定する。濃度測定部32における窒素濃度の測定結果の信号は、窒素除去装置10を構成する制御部18に送信される。
濃度測定部32にて窒素成分の濃度が測定されると、その被処理水20は再び調整槽13に戻し入れられ、電解処理のために電解槽11に循環移送される。なお、調整槽13に戻し入れた被処理水20に対しては、適宜pH調整剤を添加して、そのpHを電解処理に好適な範囲に調整する。
(薬剤供給部)
薬剤供給部17は、例えば、pH調整剤供給部17aや余剰次亜塩素酸スカベンジャー供給部17b等からなり、被処理水20中の酸化態窒素等の窒素成分を分解除去する処理に要する薬剤を供給する。この薬剤供給部17は、後述する制御部18に接続されており、循環配管14aの循環経路上に設けられた測定部15における被処理水20のpH等の水質の測定結果や、窒素濃度測定部16における酸化態窒素の濃度の測定結果に基づいて、制御部18により薬剤供給量等の薬剤供給が制御される。
ここで、窒素除去装置10においては、処理対象の被処理水20のpHを所定の範囲に維持制御しながら窒素を除去する。具体的には、上述したように、被処理水20のpHを概ね4.0〜10.0、好ましくは5.0〜9.0に維持制御しながら窒素を除去する。したがって、窒素除去装置10では、電解槽11から取り込んで循環させる被処理水20のpHを測定部15にて常時測定し、その測定結果に基づいてpH調整剤供給部17aからのpH調整剤の使用量を変化させ、被処理水20のpHを所定範囲に維持制御する。
より具体的には、電解槽11の陰極11bにおける反応機構が変化して、発生するHの量が増加すると、被処理水20のpHが酸性側に変化する。このような場合には、測定部15における被処理水20のpH測定結果(pHが低下したという測定結果)に基づいて、pH調整剤供給部17aからのpH調整剤の使用量を増加させるようにし、これによって、被処理水20のpHを所定の範囲の維持させるように制御する。
(制御部)
制御部18は、薬剤供給部17から供給される薬剤供給量を制御する。この制御部18は、循環配管14aの循環経路上に設けられた測定部15において測定された被処理水20のpH等の測定結果や、窒素濃度測定部16における酸化態窒素の濃度の測定結果を受信し、それらの測定結果に基づいて、薬剤供給部17からの薬剤の供給量等を制御する。
<3−2.窒素除去装置における薬剤供給制御>
ここで、上述した窒素除去装置10における薬剤供給部17からの薬剤供給制御(電解反応制御)について説明する。
この窒素除去装置10では、上述したように、電解槽11において酸化態窒素等の除去対象成分を含む被処理水20に対する電解処理を行うに際して、電解槽11と調整槽13との間で被処理水20を循環させる。このとき、被処理水20の循環に伴って、循環経路上に設けられた測定部15による被処理水20のpHの測定と、窒素濃度測定部16による被処理水20中の酸化態窒素の窒素濃度の測定が行われる。窒素除去装置10では、このときに測定された酸化態窒素の濃度の測定結果や、被処理水20のpHの測定結果によるpH調整剤の使用量の変化に基づいて、酸化態窒素の除去処理に要する薬剤(次亜塩素酸スカベンジャー)の供給を制御する。
[窒素濃度の測定結果から薬剤の供給制御を行う場合]
具体的に、酸化態窒素の濃度の測定結果に基づいて薬剤の供給制御を行う場合には、先ず、窒素濃度測定部16により、調整槽13から取り込んだ被処理水20に含まれる酸化態窒素の窒素濃度を測定する。
次に、その測定結果は、窒素濃度測定部16と接続された制御部18に送信され、その制御部18において、測定された窒素濃度に基づき、処理時間の経過に伴う窒素濃度の減少速度(分解速度)が算出される。続いて、この制御部18では、算出した窒素濃度の減少速度(減少傾き)が所定の値(設定値)以下であるか否かを判断する。すなわち、酸化態窒素の分解速度が低下してきているか否かを判断する。
制御部18において、窒素濃度の減少速度が所定の設定値以下となり、且つ未だ十分に窒素除去処理が行われていない状態であると判断された場合には、酸化態窒素の濃度の減少速度が小さくなり、未だ目標濃度にまで十分な処理ができていないことから、スカベンジャー濃度の低下により、陰極11bにおいて反応機構の変化があったものと判断する。すなわち、陰極11bにおける反応機構が上記表1のフェーズIIの段階に推移したものと判断する。そして、この制御部18では、その反応機構の変化があったとの判断に基づいて、薬剤供給部17に対して薬剤(余剰次亜塩素酸スカベンジャー)の追加供給を命令する信号を送信し、余剰次亜塩素酸スカベンジャー供給部17bからの調整槽13に収容された被処理水20に対する薬剤の追加供給を行う。
[pHの測定結果によるpH調整剤の使用量の変化から薬剤の供給制御を行う場合]
次に、被処理水20のpH測定結果によるpH調整剤の使用量の変化に基づいて薬剤の供給制御を行う場合には、先ず、測定部15において電解槽11から取り出した被処理水20のpHが測定される。そして、そのpHの測定結果は、常時、制御部18に送信され、その制御部18においては、そのpH測定結果に基づいて薬剤供給部17を構成するpH調整剤供給部17aからのpH調整剤の供給(添加)を制御する。
このとき、制御部18では、処理時間の経過に伴う、被処理水20のpHの測定結果によって変化するpH調整剤供給部17aからのpH調整剤の添加速度を算出する。
次に、制御部18では、算出した添加速度(pH調整剤の使用量の傾き)が所定の値(設定値)以上であるか否かを判断する。すなわち、pH調整剤の使用量が増加しているか否かを判断する。
一方で、窒素除去装置10では、窒素濃度測定部16により、調整槽13から取り込んだ被処理水20に含まれる酸化態窒素の窒素濃度を測定し、その測定結果を制御部18に常時送信する。制御部18では、その窒素濃度の測定結果に基づいて、被処理水20中の酸化態窒素の濃度が処理目標とする値以下となったか否か、すなわち、窒素濃度が処理目標値以下となっており十分に処理対象とする窒素成分を除去することができた状態であるか否かを判断する。
制御部18において、pH調整剤の添加速度が所定の設定値以上となり、且つ未だ十分に窒素除去処理が行われていない状態であると判断された場合には、pH調整剤の添加速度が大きくなり、未だ目標濃度にまで十分な処理ができていないことから、スカベンジャー濃度の低下により、陰極において反応機構の変化があったものと判断する。すなわち、陰極における反応機構が上記表1のフェーズIIの段階に推移したものと判断する。そして、この制御部18では、その反応機構の変化があったとの判断に基づいて、薬剤供給部17に対して薬剤(余剰次亜塩素酸スカベンジャー)の追加供給を命令する信号を送信し、余剰次亜塩素酸スカベンジャー供給部17bからの調整槽13に収容された被処理水20に対する薬剤の追加供給を行う。
以上のように、窒素除去装置10では、測定された被処理水20中の酸化態窒素の濃度の測定結果や、被処理水20のpHの測定結果によるpH調整剤の使用量の変化に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて酸化態窒素の除去処理に要する薬剤(次亜塩素酸スカベンジャー)の供給を制御するようにしている。このような窒素除去装置10によれば、酸化態窒素の電解処理における陰極での主たる反応機構を的確に把握して効率的な反応制御を行うことができ、安定的に酸化態窒素等の窒素成分を除去することができる。
≪4.実施例≫
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。なお、下記のいずれかの実施例に本発明の範囲が限定されるものではない。
[実施例1]
実施例1では、図3に示す窒素除去装置(電解処理装置)10を用いて酸化態窒素の電解反応による窒素除去処理を行った。なお、電解槽11は、図4の構成と同様である。
電解槽11において、陽極11aとしては市販のソーダ電解用不溶性電極を用い、陰極11bとしてはチタン板の表面に鉄−クロム系合金をアモルファス状態でコーティングした電極(アモルファス電極)を用いた。そして、この電解槽11に濃度5000mg/Lの硝酸態窒素を含有する被処理水を収容し、直流電源装置12から陽極11aと陰極11bの間に直流電流を流し、その酸化態窒素を含有する被処理水に対して5時間の電解処理を行った。なお、陽極11a及び陰極11bの通電部分の面積は、それぞれ0.01mとし、通電する電流量を12Aとして試験を実施した。
ここで、電解槽11内に収容した硝酸態窒素濃度5000mg/Lの被処理水に対し、余剰次亜塩素酸スカベンジャーとして塩化アンモニウムを用い、添加後のアンモニア態窒素濃度として10000mg/L添加した溶液600mlを、窒素除去装置10内の調整槽13に投入して余剰次亜塩素酸を分解しながら電解処理を行った。また、電解処理中においては、電解反応によって被処理水のpHが変動するため、その変動に対応するためにpH調整用薬剤である苛性ソーダを調整槽13に逐次添加して、被処理水のpHを所定の範囲に維持させるように調整した。
また、電解処理中においては、調整槽13から被処理水をポンプで取り込み、窒素濃度測定部16にて被処理水中の窒素濃度を測定した。窒素濃度測定部16における窒素濃度の測定方法としては、被処理水に対して活性炭処理を前処理として施し、中心波長254nmの紫外線吸光光度法を用いて測定した。中心波長が254nmの波長は、従来から最も一般的に使用されている波長であって、酸化態窒素の吸収があるがアンモニアの吸収はないという特徴があるが、アンモニアの分解生成物であるクロラミン類もこの波長の近くに吸収があり、前処理をしなければ干渉して窒素濃度を正確に測定することができない。そのため、実施例1では、前処理として活性炭処理を行い、クロラミン類のみ選択的に分解して、吸光光度計への干渉を防止して正確な窒素濃度を測定できるようにした。
図6は、電解処理中の窒素濃度の変化を示したグラフである。図6のグラフ中の負の傾きが大きいほど、窒素濃度の減少速度が大きいことを示している。この実施例1では、グラフ中のA点以降で明らかに減少速度が小さくなっており、A点以降は陰極での還元効率が低下していることが分かる。
そこで、実施例1では、グラフ中のB点において、余剰次亜塩素酸スカベンジャーである塩化アンモニウムを追加添加した。すると、このスカベンジャーの追加添加によって、さらに窒素濃度が低下した。
この結果から、被処理水中の窒素濃度の変化を測定し、窒素濃度の減少速度が低下してきた時点で、被処理水中の窒素濃度が処理目標に到達していない場合には、スカベンジャーを追加添加することによって、さらに酸化態窒素の濃度を低減することが可能であることが分かった。このように、窒素濃度の変化に基づいて陰極における反応機構を推定することによって、適切な薬剤添加の制御を行うことができ、極めて安定的に被処理水中の窒素成分を除去することができることが分かった。
[比較例1]
比較例1では、実施例1と同様の試験を行い、窒素濃度変化を測定した。ただし、この比較例1では、窒素濃度の減少速度に基づいてスカベンジャーの追加投入は行わず、ORPを測定してORPが上昇した時点をもって電解処理を終了することとした。
図7は、電解処理時間の経過に伴う被処理水中の窒素濃度の変化とORPの変化を示すグラフである。図7のグラフに示されるように、ORPが上昇しても、酸化態窒素が処理目標まで到達していないことが分かる。ORPの上昇は、アンモニアが枯渇したことを間接的に検出することができるに過ぎず、酸化態窒素濃度の還元効率が低下しているかどうかを検出することはできないことが分かった。このように、ORPで反応を制御する場合、アンモニアが枯渇するまでスカベンジャーの追加添加の判断ができないことになり、実施例1に比べてスカベンジャーの追加添加の判断が遅れてしまい、窒素濃度を処理目標値にまで処理するのに要する時間が余計にかかってしまうことが分かった。
[実施例2]
実施例2では、実施例1と同様の試験を行い、窒素濃度変化を測定した。この実施例2では、処理の過程で、pH調整剤である苛性ソーダの添加速度を測定し、その添加速度の変化点でスカベンジャー追加添加の判断を行った。
図8は、電解処理中の窒素濃度の変化と苛性ソーダの添加速度の変化を示すグラフである。図8のグラフに示されるように、被処理水中の窒素濃度の変化から判断して陰極での還元効率が低下するタイミング、すなわち窒素濃度の減少速度が小さくなるタイミング(図7のグラフ中のA点)と、苛性ソーダの添加速度が上昇するタイミングが一致していることが分かる。このことから、苛性ソーダの添加速度から還元効率が低下したことを推測できることが分かる。
そこで、実施例2では、苛性ソーダの添加速度が上昇したことを確認した時点(図8のグラフ中のB点)で余剰次亜塩素酸スカベンジャーである塩化アンモニウムを追加添加した。すると、このスカベンジャーの追加添加によって、さらに窒素濃度が低下した。
この結果から、被処理水中の添加する苛性ソーダの添加速度を測定し、その添加速度が上昇した時点で、被処理水中の窒素濃度が処理目標に到達していない場合には、スカベンジャーを追加添加することによって、さらに酸化態窒素の濃度を低減することが可能であることが分かった。このように、pH調整剤の添加速度に基づいて陰極における反応機構を推定することによって、適切な薬剤添加の制御を行うことができ、極めて安定的に被処理水中の窒素成分を除去することができることが分かった。
10 窒素除去装置(電解処理装置)、11 電解槽、11a 陽極、11b 陰極、12 直流電源、13 調整槽、14 循環機構、14a,14b 循環配管、15 測定部、16 窒素濃度測定部、17 薬剤供給部、17a pH調整剤供給部、17b 余剰次亜塩素酸スカベンジャー供給部、18 制御部、19a,19b ポンプ、20 被処理水、31 カラム、32 濃度測定部、33 ポンプ

Claims (9)

  1. 陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の酸化態窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法であって、
    酸化態窒素成分の除去処理過程で上記被処理水中の該酸化態窒素成分の濃度を測定し、
    上記酸化態窒素成分の濃度の測定結果に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、
    推定した反応機構に応じて、上記陽極にて発生した余剰の次亜塩素酸を捕捉し分解する余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させる制御を行う
    ことを特徴とする窒素除去方法。
  2. 上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーは、アンモニア又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項1に記載の窒素除去方法。
  3. 処理経過時間に対する上記酸化態窒素成分の濃度の減少速度が所定値以下となったときには、上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項2に記載の窒素除去方法。
  4. 陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の酸化態窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去方法であって、
    上記被処理水のpHをpH調整剤の添加により所定の範囲に維持し、
    上記pH調整剤の添加速度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、
    推定した反応機構に応じて、上記陽極にて発生した余剰の次亜塩素酸を捕捉し分解する余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させる制御を行う
    ことを特徴とする窒素除去方法。
  5. 上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーは、アンモニア又はアンモニウム塩であることを特徴とする請求項に記載の窒素除去方法。
  6. 処理経過時間に対する上記pH調整剤の添加速度が所定値以上となったときには、上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項5に記載の窒素除去方法。
  7. 処理経過時間に対する上記pH調整剤の添加速度が2倍以上に変化したときには、上記余剰次亜塩素酸スカベンジャーの添加量を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項6に記載の窒素除去方法。
  8. 陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の酸化態窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去装置であって、
    陽極と陰極とを備え、被処理水が収容される電解槽と、
    上記陽極と上記陰極の間に直流電流を供給する直流電源と、
    上記被処理水の水質を調整する調整槽と、
    上記電解槽と上記調整槽の間で上記被処理水を循環させる循環機構と、
    窒素除去処理に要する薬剤を供給する薬剤供給部と、
    上記薬剤供給部から供給される薬剤の供給量を制御する制御部と
    を具備し、
    さらに上記被処理水中の酸化態窒素成分の濃度を測定する濃度測定部が設けられ、酸化態窒素成分の除去処理過程において、上記調整槽から取り込んだ被処理水中の該酸化態窒素成分の濃度を測定し、
    上記制御部では、
    上記濃度測定部にて測定した酸化態窒素濃度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて上記薬剤供給部からの、上記陽極にて発生した余剰の次亜塩素酸を捕捉し分解する余剰次亜塩素酸スカベンジャーの供給量を増加させる制御を行う
    ことを特徴とする窒素除去装置。
  9. 陽極と陰極の間を隔膜によって区画せずに、被処理水中の酸化態窒素成分を電気分解によって除去する窒素除去装置であって、
    陽極と陰極とを備え、被処理水が収容される電解槽と、
    上記陽極と上記陰極の間に直流電流を供給する直流電源と、
    上記被処理水の水質を調整する調整槽と、
    上記電解槽と上記調整槽の間で上記被処理水を循環させる循環機構と、
    上記被処理水のpHを所定の範囲に維持するためのpH調整剤を添加するpH調整剤供給部と、
    上記pH調整剤以外の窒素除去処理に要する薬剤を供給する薬剤供給部と、
    上記薬剤供給部から供給される薬剤の供給量を制御する制御部と
    を具備し、
    上記制御部では、
    pH調整剤供給部から添加されるpH調整剤の添加速度を算出し、算出されたpH調整剤の添加速度に基づいて、陰極における主たる反応機構を推定し、推定した反応機構に応じて上記薬剤供給部からの、上記陽極にて発生した余剰の次亜塩素酸を捕捉し分解する余剰次亜塩素酸スカベンジャーの供給量を増加させる制御を行う
    ことを特徴とする窒素除去装置。
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