JP4554326B2 - 廃水処理方法及びその装置 - Google Patents

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Description

本発明は、し尿等のような窒素化合物を含有する有機性の廃水を処理する方法及びその装置に関する。
し尿等のような窒素化合物を含有する有機性の廃水は、従来、生物処理により窒素化合物等が分解処理されている。このような生物処理においては、搬入し尿の性状の変化により有機物と窒素化合物とのバランスが崩れ、窒素化合物分解処理性能が低下しやすいという問題があった。
このため、例えば、下記の特許文献1等では、廃水の全量又は一部を処理槽へ供給して電気分解し、当該廃水中に含まれている塩化物イオンを利用して次亜塩素酸系の強酸化物質を生成させて、当該強酸化物質で窒素化合物を酸化させて分解処理した後に、当該廃水を処理槽から排出することをバッチ式に複数回繰り返し行うことにより、窒素化合物分解処理性能の安定化を図るようにしている。
特開2002−248473号公報 特開2003−062577号公報 特開2003−225672号公報 特開2004−097950号公報
前述したようにして前記廃水を電気分解により処理する施設(例えばし尿処理場等)においては、当該廃水の一日当たりの処理量が予め定められており、1バッチ当たりで処理できる時間がおのずと決まることから、予想される最大窒素化合物濃度の上記廃水であっても当該時間(規定処理時間)内に確実に処理できる容量の電流をすべてのバッチで均一に流して処理するようにしている。
このため、予想される最大窒素化合物濃度よりも小さい窒素化合物濃度の上記廃水のバッチを処理する場合には、当該分解処理が上記時間(規定処理時間)よりも早く終了し、当該処理終了後から当該廃水の排出に至るまでの間に流れている電流により過剰な次亜塩素酸系の強酸化物質が生成され、後段の槽内や配管の腐食が懸念されると共に、余計な処理コストがかかってしまうことから、当該分解処理が終了した時点で電流を流すことを停止することにより消費電力の無駄をなくすことが考えられている。
ところが、上記分解処理が終了した時点で電流を流すことを停止しても、上記分解処理に要した電流量(クーロン量)が、当該バッチ中の窒素化合物量を分解処理するのに必要な理論量よりも非常に多く、言い換えれば、一バッチ中の窒素化合物量に対して、当該窒素化合物をすべて分解処理するのに要した電流量の割合が大きく、電流密度を極力下げて処理を行うと好ましいことが明らかとなった。
このようなことから、本発明は、処理効率を高めて消費電力量を削減することができる廃水処理方法及びその装置を提供することを目的とする。
前述した課題を解決するための、第一番目の発明に係る廃水処理方法は、窒素化合物を含有する有機性の廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の当該窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理方法において、前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点とし、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させ、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかった場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高め、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させることを特徴とする。
第二番目の発明に係る廃水処理方法は、第一番目の発明において、前記電気分解処理能力が、前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ、前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちの少なくとも一つで調整されることを特徴とする。
第三番目の発明に係る廃水処理方法は、第二番目の発明において、前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ及び前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちの少なくとも一つを、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整することを特徴とする。
第四番目の発明に係る廃水処理方法は、第二番目又は第三番目の発明において、前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ及び前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちのいずれか一方のみを上限値又は下限値になるまで調整し、当該一方の上限値又は下限値までの調整で前記電気分解処理能力の調整が不十分な場合に他方を調整して前記電気分解処理能力を調整することを特徴とする。
また、前述した課題を解決するための、第番目の発明に係る廃水処理装置は、窒素化合物を含有する有機性の廃水を貯留する処理槽と、前記処理槽内の前記廃水を電気分解する電解手段とを備え、前記廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の前記窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理装置において、前記処理槽内の前記廃水の前記窒素化合物の量を検出する、前記処理槽内の前記廃水のpHを計測するpH計測手段、前記処理槽内の前記廃水の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計測手段、前記処理槽内の前記廃水の導電率を計測する導電率計測手段のうちの少なくとも一つである窒素化合物検出手段と、前記pH計測手段で計測した前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記酸化還元電位計測手段で計測した前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記導電率計測手段で計測した前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点と判断すると共に、前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記電解手段の電流の大きさを制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記電解手段の電流の大きさを制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記電解手段の電流の大きさを制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
番目の発明に係る廃水処理装置は、第番目の発明において、前記制御手段が、前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさを、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものであることを特徴とする。
番目の発明に係る廃水処理装置は、窒素化合物を含有する有機性の廃水を貯留する処理槽と、前記処理槽内の前記廃水を電気分解する電解手段とを備え、前記処理槽内の前記廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の前記窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理装置において、前記処理槽内に塩素イオンを添加する塩素イオン添加手段と、前記処理槽内の前記廃水の前記窒素化合物の量を検出する、前記処理槽内の前記廃水のpHを計測するpH計測手段、前記処理槽内の前記廃水の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計測手段、前記処理槽内の前記廃水の導電率を計測する導電率計測手段のうちの少なくとも一つである窒素化合物検出手段と、前記pH計測手段で計測した前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記酸化還元電位計測手段で計測した前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記導電率計測手段で計測した前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点と判断すると共に、前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御する制御手段とを備えていることを特徴とする。
番目の発明に係る廃水処理装置は、第番目の発明において、前記制御手段が、前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものであることを特徴とする。
番目の発明に係る廃水処理装置は、第番目の発明において、前記処理槽内に塩素イオンを添加する塩素イオン添加手段を備え、前記制御手段が、前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御するものであることを特徴とする。
番目の発明に係る廃水処理装置は、第番目の発明において、前記制御手段が、前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものであることを特徴とする。
十一番目の発明に係る廃水処理装置は、第番目又は第番目の発明において、前記制御手段が、前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさ及び前記塩素イオン添加手段から廃水中に添加する塩素イオンの量のうちのいずれか一方のみを上限値又は下限値になるまで調整し、当該一方の上限値又は下限値までの調整で前記電気分解処理能力の調整が不十分な場合に他方を調整して前記電気分解処理能力を調整するものであることを特徴とする。
本発明に係る廃水処理方法及びその装置によれば、各バッチごとの廃水中の窒素化合物濃度に合わせて、一バッチ当たりに利用できる処理時間(規定処理時間)全体にわたって電気分解処理を行うことができるので、単位時間当たりで過剰となってしまう電流を大幅に削減することができると共に、過剰な次亜塩素酸系の強酸化物質の生成を抑制し、後段の槽内や配管の腐食といった問題を解決することができる。
本発明に係る廃水処理方法及びその装置の実施形態を図面に基づいて以下に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。
[第一番目の実施形態]
本発明に係る廃水処理方法及びその装置の第一番目の実施形態を図1〜5に基づいて説明する。図1は、廃水処理装置の概略構成図、図2は、廃水処理方法のフロー図、図3は、規定処理時間内で許容処理時間よりも短い時間で処理を終えた場合の次バッチの処理条件設定方法の説明図、図4は、規定処理時間内に処理し終えなかった場合の次バッチの処理条件設定方法の説明図、図5は、規定処理時間と許容処理時間との間の時間で処理を終えた場合の処理時間とpH及び窒素化合物濃度との関係を表わすグラフである。
図1に示すように、撹拌手段である撹拌器12を内部に備えた処理槽11には、し尿等の窒素化合物を含有する有機性の廃水1を送給する廃水送給手段である送給ポンプ13の受入口側が連絡すると共に、食塩水等のような塩素イオンを含有する塩素イオン液2を供給する塩素イオン添加手段である塩素イオン液添加装置14が連絡している。処理槽11の内部には、正極板15a及び負極板15bが配設されると共に、pH計測手段であるpHセンサ17が配設されている。上記電極板15a,15bは、直流電源装置16に接続されている。
前記pHセンサ17は、制御手段である制御装置19の入力部に接続している。制御装置19の出力部は、前記直流電源装置16及び前記塩素イオン液添加装置14に接続しており、当該制御装置19は、pHセンサ17からの信号に基づいて、直流電源装置16及び塩素イオン液供給装置14を制御することができるようになっている(詳細は後述する)。
このような本実施形態においては、前記電極板15a,15b、直流電源装置16等により電解手段を構成し、処理槽11内の廃水1中の窒素化合物の量を検出する窒素化合物検出手段をpHセンサ17等により構成している。なお、図1中、11aは排出手段である排出バルブである。
続いて、本実施形態に係る上述の廃水処理装置10を使用した廃水処理方法を説明する。
まず、送給ポンプ13を作動して処理槽11内に廃水1を規定量まで供給する(S101)。次に、撹拌器12を作動して処理槽11内の廃水1を撹拌すると共に、直流電源装置16から前記電極板15a,15b間に設定電流値Is(例えば、予想される最大窒素化合物濃度でも規定処理時間内に処理できる容量の電流値)を流すと共に、塩素イオン液添加装置14から処理槽11内に塩素イオン液2を設定添加量Cs(例えば、予想される最大窒素化合物濃度に対応する塩素イオン濃度となる添加量)で添加するように制御装置19に入力すると、当該廃水1は、上記電極板15a,15b間で以下のようにして電気分解される(S102)。
正極板15a側においては、酸素(O2)及び水素イオン(H+)が生成すると同時に(下記式(101))、廃水1中に当初から含まれている塩素イオン及び添加された塩素イオン液2の塩素イオンから塩素(Cl2)が生成し(下記式(102))、塩素がさらに正極板15aの表面近傍で不均化分解して、次亜塩素酸及び塩酸が生成する(下記式(103))。他方、負極板15b側においては、水素(H2)及び水酸イオン(OH−)が生成する(下記式(104))。そして、廃水1中に当初から含まれているアンモニア(NH3)及び負極板15b側から発生したアンモニアは、次亜塩素酸と反応して窒素ガスとなる(下記式(105))。これにより、窒素化合物は分解処理される。
2O→1/2O2+2H++2e- (101)
2Cl-→Cl2+2e- (102)
Cl2+H2O→HClO+HCl (103)
2O+e-→1/2H2+OH- (104)
2NH3+3HClO→N2+3HCl+3H2O (105)
このように電気分解処理していくと、処理開始直後は次亜塩素酸の生成量がアンモニア等の窒素化合物の分解量よりも多いため、図5に示すように、廃液1のpHの単位時間当たりの変化量(ΔpH)が上昇し始めるものの(ΔpH≧0(S103))、次第にアンモニア等の窒素化合物が分解処理されて減少するため、廃水1のΔpHが低下し始める(ΔpH<0(S104))。
そして、制御装置19は、ΔpHが負の値(ΔpH<0)から正の値(ΔpH>0)に再び切り替わるとき、すなわち、廃水1中の窒素化合物がすべて分解処理されることによる当該廃水1のpHの上昇開始時が、予め決められた規定処理時間Ts(廃水1の一日当たりの処理量から設定される1バッチ当たりで処理可能な時間:例えば10分)内に生じるまで電気分解処理を継続する(S105)。
制御装置19は、上記規定処理時間Ts内に廃液1がΔpH<0でなくなる、すなわち、ΔpH≧0を検知すると、電気分解処理を終えるように直流電源装置16の作動を停止させる(S106)。
次に、制御装置19は、ΔpH≧0を検知したとき、すなわち、廃水1中の窒素化合物がすべて分解処理されたときが、許容処理時間Tp(規定処理時間Tsよりも短い時間で規定処理時間Tsと同一とみなせる時間:例えば9分)と規定処理時間Tsとの間の時間内(例えば9〜10分)であるか否かを判断し(S107)、ΔpH≧0の検知が当該時間内の場合には(図5参照)、当該処理バッチの電気分解処理能力、すなわち、当該バッチの直流電源装置16の電流値及び塩素イオン液2の添加量が適切であると判断し、当該電気分解処理能力を維持させるよう直流電源装置16及び塩素イオン液添加装置14を制御する(S108)。
また、図3に示すように、ΔpH≧0を検知したときが、許容処理時間Tpと規定処理時間Tsとの間の時間外、すなわち、許容処理時間Tpよりも短い時間T1(例えば8分)内の場合には、制御装置19は、直流電源装置16から電極板15a,15b間に流した設定電流値Isが予め定められている下限値であるか否かを判断し(S109)、当該設定電流値Isが下限値にまで至っていない場合には、設定電流値Isの削減量を算出して(S110)、次回のバッチを新たな更新電流値In1で電気分解処理するように、すなわち、当該バッチよりも次回のバッチの電気分解処理能力を低下させるように直流電源装置16を制御する。ここで、制御装置19は、設定電流値Isの削減量、すなわち、次回のバッチの新たな更新電流値In1を下記の式(1)に基づいて算出する。
In1=Is・(T1/Ts)・α (1)
ただし、αは安全係数(例えば1.1)である。
そして、当該設定電流値Isが下限値にまで至っている場合には、制御装置19は、電流値の削減だけでは電気分解処理能力の低下調整が不十分であると判断し、添加する塩素イオン液2の削減量を算出して(S111)、次回のバッチを新たな更新添加量Cn1で電気分解処理するように、すなわち、当該バッチよりも次回のバッチの電気分解処理能力を低下させるように塩素イオン液添加装置14を制御する。ここで、制御装置19は、設定添加量Csの削減量、すなわち、次回のバッチの新たな更新添加量Cn1を下記の式(2)に基づいて算出する。
Cn1=Cs・(T1/Ts)・β (2)
ただし、βは安全係数(例えば1.1)である。
他方、図4に示すように、廃液1が前記規定処理時間Ts内で常にΔpH<0である、すなわち、前記規定処理時間Ts内に廃水1中の窒素化合物をすべて分解処理し終えることができず、ΔpH≧0を検知できなかった場合には、制御装置19は、次回の処理を予定時間通りに行うため、電気分解処理を終了するように直流電源装置16の作動を停止させる(S112)。
そして、制御装置19は、直流電源装置16から電極板15a,15b間に流した設定電流値Isが予め定められている上限値であるか否かを判断し(S113)、当該設定電流値Isが上限値にまで至っていない場合には、設定電流値Isの増加量を算出して(S114)、次回のバッチを新たな更新電流値In2で電気分解処理するように、すなわち、当該バッチよりも次回のバッチの電気分解処理能力を高めるように直流電源装置16を制御する。ここで、制御装置19は、設定電流値Isの増加量、すなわち、次回のバッチの新たな更新電流値In2を以下のようにして算出する。
制御装置19は、予め記憶されている過去の処理データに基づいて、図4に示すように、ΔpH<0からΔpH>0となり始めるpH値、すなわち、最低pH値であるpHmを推定算出し、当該廃液1中の窒素化合物を今回のバッチの電気分解処理能力ですべて分解処理するのに必要であった処理時間T2を下記の式(3)に基づいて算出した後、下記の式(4)に基づいて、更新電流値In2を算出する。
T2=Ts+(pHs−pHm)/ΔpH (3)
In2=Is・(T2/Ts)・α (4)
ただし、pHsは規定処理時間Tsのときの廃液1のpH値である。
そして、当該設定電流値Isが上限値にまで至っている場合には、制御装置19は、電流値の増加だけでは電気分解処理能力を高める調整が不十分であると判断し、添加する塩素イオン液2の増加量を算出して(S115)、次回のバッチを新たな更新添加量Cn2で電気分解処理するように、すなわち、当該バッチよりも次回のバッチの電気分解処理能力を高めるように塩素イオン液添加装置14を制御する。ここで、制御装置19は、設定添加量Csの増加量、すなわち、次回のバッチの新たな更新添加液量Cn2を上記の式(3)及び下記の式(5)に基づいて算出する。
Cn2=Cs・(T2/Ts)・β (5)
以上のようにして次回のバッチの電気分解処理能力を求めて設定したら(S116)、処理槽11の排出バルブ11aを開放して処理槽11内から処理済みの廃液1aを排出した後(S117)、前記送給ポンプ13を作動して処理槽11内に未処理の廃液1を新たに供給し、新たに求めた上記電気分解処理能力で廃液1の電気分解処理を再び開始するように制御装置19は直流電源装置16及び塩素イオン液添加装置14を制御する。以下、上述した操作(S101〜S117)が繰り返される。
つまり、従来は、予想される最大窒素化合物濃度の廃水1であっても規定処理時間Ts内に確実に処理できる容量の電流をすべてのバッチで均一に流して処理するようにしていたが、本実施形態では、規定処理時間Tsと許容処理時間Tpとの間の時間で廃水1中の窒素化合物を分解処理できるように、当該処理バッチの結果に基づいて、次回に処理するバッチの電流値等の電気分解処理能力を調整するようにしたのである。このように処理するようにした理由を以下に説明する。
先に説明したように、廃水1を電気分解により処理する施設(例えばし尿処理場等)においては、当該廃水1の一日当たりの処理量が予め定められており、1バッチ当たりで処理できる時間がおのずと決まってしまう。このため、従来は、前述したように、予想される最大窒素化合物濃度の廃水1であっても規定処理時間Ts内に確実に処理できる容量の電流をすべてのバッチで均一に流して処理していた。
このようにして処理すると、予想される最大窒素化合物濃度よりも小さい窒素化合物濃度の廃水1のバッチを処理する場合には、分解処理が規定処理時間Tsよりも早く終了し、当該処理終了後から当該廃水1の排出に至るまでの間に流れている電流により過剰な次亜塩素酸系の強酸化物質が生成され、後段の槽内な配管の腐食が懸念されると共に、余計な処理コストがかかってしまうため、当該分解処理が終了した時点で電流を流すことを停止することにより消費電力の無駄をなくすことが考えられていた。
ところが、当該分解処理が終了した時点で電流を流すことを停止しても、当該分解処理に要した電流量(クーロン量)が、当該バッチ中の窒素化合物量を分解処理するのに必要な理論量よりも非常に多く、言い換えれば、一バッチ中の窒素化合物量に対して、当該窒素化合物をすべて分解処理するのに要した電流量の割合が大きい、すなわち、処理効率が悪く、消費電力にまだ無駄があることが明らかとなった。
この原因を調査したところ、正極板15aの表面近傍で生じる、塩素イオンからの塩素生成反応は、より小さい電流密度の方が効率よく生じることがわかった。
具体的には、例えば、800Aの電流値で塩素イオン液を電解した場合と、400Aの電流値で塩素イオン液を電解した場合とでは、有効塩素発生効率(供給した電流量(クーロン量)に対する塩素の生成量の割合)が、800Aの場合には約60%であったのに対し、400Aの場合には約80%となった。
この理由は、定かではないが、正極板15aと塩素イオンとの間で電子をやりとりできる単位時間あたりの量が限られ、単位時間当たりで過剰となった電流が他の反応に使用されてしまうからではないかと推察される。
そこで、本実施形態に係る廃水処理方法及び廃水処理装置10は、各バッチごとの廃水1中の窒素化合物濃度に合わせて、一バッチ当たりに利用できる処理時間(規定処理時間Ts)に無駄を生じさせることなく当該処理時間全体にわたって電気分解処理を行うようにして、単位時間当たりで過剰となってしまう電流を大幅に削減するようにしたのである。
したがって、本実施形態に係る廃水処理方法及び廃水処理装置10によれば、消費電力量を削減して処理効率を高めることができる。
[第二番目の実施形態]
本発明に係る廃水処理方法及びその装置の第二番目の実施形態を図6〜8に基づいて説明する。図6は、廃水処理装置の概略構成図、図7は、廃水処理方法のフロー図、図8は、規定処理時間と許容処理時間との間の時間で処理を終えた場合の処理時間と酸化還元電位及び窒素化合物濃度との関係を表わすグラフである。なお、前述した第一番目の実施形態と同様な部分については、前述した第一番目の実施形態の説明で用いた符号と同様な符号を図面等に付すことにより、前述した第一番目の実施形態と重複する説明を省略する。
図6に示すように、処理槽11の内部には、酸化還元電位計測手段である酸化還元電位センサ(ORPセンサ)27が配設されている。このORPセンサ27は、制御手段である制御装置29の入力部に接続している。制御装置29の出力部は、直流電源装置16及び塩素イオン液添加装置14に接続しており、当該制御装置29は、ORPセンサ27からの信号に基づいて、直流電源装置16及び塩素イオン液供給装置14を制御することができるようになっている。
つまり、本実施形態に係る廃水処理装置20は、前述した第一番目の実施形態に係る廃水処理装置10の窒素化合物検出手段であるpHセンサ17を他の窒素化合物検出手段であるORPセンサ27に置き換えたものなのである。
このような本実施形態に係る廃水処理装置20を使用した廃水処理方法は、図7に示すように、前述した第一番目の実施形態の場合と同様に、未処理の廃水1を処理槽11内へ送給した後(S101)、電気分解処理を開始して(S102)窒素化合物を電気分解すると、次第に窒素化合物が分解処理されて減少するため、廃水1の酸化還元電位(ORP)が徐々に上昇し始める(図8参照)。
そして、制御装置29は、単位時間当たりのORPの変化量(ΔORP)が規定値γ(例えば200mV)以上に増加するとき、すなわち、廃水1中の窒素化合物がすべて分解処理されることによる当該廃水1のORPの上昇が、予め決められた規定処理時間Ts内に生じるまで電気分解処理を継続する(S204,S105)。
制御装置29は、上記規定処理時間Ts内に廃液1がΔORP<γでなくなる、すなわち、ΔORP≧γを検知すると、電気分解処理を終えるように直流電源装置16の作動を停止させる(S106)。
次に、制御装置29は、ΔORP≧γを検知したとき、すなわち、廃水1中の窒素化合物がすべて分解処理されたときが、許容処理時間Tpと規定処理時間Tsとの間の時間内であるか否かを判断し(S107)、ΔORP≧γの検知が当該時間内の場合には(図8参照)、前述した第一番目の実施形態の場合と同様に、当該処理バッチの電気分解処理能力、すなわち、当該バッチの直流電源装置16の電流値及び塩素イオン液2の添加量が適切であると判断し、当該電気分解処理能力を維持させるよう直流電源装置16及び塩素イオン液添加装置14を制御する(S108)。
以下、制御装置29は、前述した第一番目の実施形態の場合と同様な操作(S109〜S117)を行うと共に、上述した操作を繰り返す。
つまり、前述した第一番目の実施形態では、廃水1のpHに基づいて、すなわち、廃水1のΔpHが負の値(ΔpH<0)から正の値(ΔpH>0)に切り替わったときに廃水1中の窒素化合物の分解処理の終点と判断するようにしたが、本実施形態では、廃水1のORPに基づいて、すなわち、廃水1のΔORPが規定値γ以上に増加したときに廃水1中の窒素化合物の分解処理の終点と判断するようにしたのである。
したがって、本実施形態に係る廃水処理方法及び廃水処理装置20によれば、前述した第一番目の実施形態の場合と同様に、消費電力量を削減して処理効率を高めることができる。
[他の実施形態]
なお、前述した第一番目の実施形態では、廃水1のpHに基づいて、すなわち、廃水1のΔpHが負の値(ΔpH<0)から正の値(ΔpH>0)に切り替わったときに廃水1中の窒素化合物の分解処理の終点と判断し、前述した第二番目の実施形態では、廃水1のORPに基づいて、すなわち、廃水1のΔORPが規定値γ以上に増加したときに廃水1中の窒素化合物の分解処理の終点と判断するようにしたが、他の実施形態として、前記pHセンサ17や前記ORPセンサ27に代えて、例えば、窒素化合物検出手段として導電率計測手段である導電率計を適用し、廃水1の導電率に基づいて、すなわち、廃水1の導電率の単位時間当たりの変化量(低下量)が規定値以下のときに廃水1中の窒素化合物の分解処理の終点と判断して、前述した第一、二番目の実施形態の場合と同様に処理することも可能である。
ここで、廃液1中の窒素化合物濃度が比較的高い場合には、pHに基づいて電気分解処理能力を調整すると好ましく、廃液1中の窒素化合物濃度が比較的少ない場合には、ORPに基づいて電気分解処理能力を調整すると好ましく、廃液1中で前述した化学式(101)〜(105)以外の電気化学反応が生じにくい場合には、導電率に基づいて電気分解処理能力を調整すると好ましい。
また、前述した第一、二番目の実施形態では、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさ(Is)及び廃水1中に添加する塩素イオンの量(Cs)を当該バッチの分解処理に要した時間(T1,T2)の規定処理時間(Ts)に対する割合に基づいて調整して次回に処理するバッチの電流値の大きさ(In1,In2)及び添加する塩素イオンの量(Cn1,Cn2)を算出するようにしたが(式(1)〜(5))、他の実施形態として、例えば、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさ(Is)及び廃水1中に添加する塩素イオンの量(Cs)を予め定めた一定の値(A1(正の値),A2(正の値))に基づいて調整、すなわち、下記の式(6)〜(9)に基づいて、次回に処理するバッチの電流値の大きさ(In1,In2)及び添加する塩素イオンの量(Cn1,Cn2)を算出することも可能である。
In1=Is−A1 (6)(前記式(1)に相当)
Cn1=Cs−A2 (7)(前記式(2)に相当)
In2=Is+A1 (8)(前記式(4)に相当)
Cn2=Cs+A2 (9)(前記式(5)に相当)
さらに、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさ(Is)及び廃水1中に添加する塩素イオンの量(Cs)を予め定めた一定の割合(B1(1未満の値),B2(1を超える値))に基づいて調整、すなわち、下記の式(10)〜(13)に基づいて、次回に処理するバッチの電流値の大きさ(In1,In2)及び添加する塩素イオンの量(Cn1,Cn2)を算出することも可能である。
In1=Is×B1 (10)(前記式(1)に相当)
Cn1=Cs×B1 (11)(前記式(2)に相当)
In2=Is×B2 (12)(前記式(4)に相当)
Cn2=Cs×B2 (13)(前記式(5)に相当)
また、前述した第一、二番目の実施形態では、まず先に、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさを上限値又は下限値になるまで調整し、この調整で電気分解処理能力の調整が不十分な場合に、廃水1中に添加する塩素イオン液2の量を調整して電気分解処理能力を調整するようにしたが、他の実施形態として、まず先に、廃水1中に添加する塩素イオン液2の量を上限値又は下限値になるまで調整し、この調整で電気分解処理能力の調整が不十分な場合に、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさを調整して電気分解処理能力を調整することも可能である。
また、前述した第一、二番目の実施形態では、廃水1の電気分解処理の際の電流値の大きさ及び廃水1中に添加する塩素イオンの量の両方によって電気分解処理能力を調整するようにしたが、廃水1の性状等の各種条件によっては、いずれか一方のみによって電気分解処理能力を調整することも可能である。
本発明に係る廃水処理方法及びその装置は、し尿等のような窒素化合物を含有する有機性の廃水の処理効率を高めて消費電力量を削減することができるので、産業上、極めて有益に利用することができる。
本発明に係る廃水処理装置の第一番目の実施形態の概略構成図である。 本発明に係る廃水処理方法の第一番目の実施形態のフロー図である。 第一番目の実施形態において、規定処理時間内で許容処理時間よりも短い時間で処理を終えた場合の次バッチの処理条件設定方法の説明図である。 第一番目の実施形態において、規定処理時間内に処理し終えなかった場合の次バッチの処理条件設定方法の説明図である。 第一番目の実施形態において、規定処理時間と許容処理時間との間の時間で処理を終えた場合の処理時間とpH及び窒素化合物濃度との関係を表わすグラフである。 本発明に係る廃水処理装置の第二番目の実施形態の概略構成図である。 本発明に係る廃水処理方法の第二番目の実施形態のフロー図である。 第二番目の実施形態において、規定処理時間と許容処理時間との間の時間で処理を終えた場合の処理時間と酸化還元電位及び窒素化合物濃度との関係を表わすグラフである。
符号の説明
1 廃水
1a 処理済み廃水
2 塩素イオン液
10 廃水処理装置
11 処理槽
11a 排出バルブ
12 撹拌器
13 送給ポンプ
14 塩素イオン液添加装置
15a 正極板
15b 負極板
16 直流電源装置
17 pHセンサ
19 制御装置
20 廃水処理装置
27 ORPセンサ
29 制御装置

Claims (11)

  1. 窒素化合物を含有する有機性の廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の当該窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理方法において、
    前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点とし、
    前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させ、
    前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかった場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高め、
    前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させる
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  2. 請求項1において、
    前記電気分解処理能力が、
    前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ、前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちの少なくとも一つで調整される
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  3. 請求項2において、
    前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ及び前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちの少なくとも一つを、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整する
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  4. 請求項2又は請求項3において、
    前記廃水の電気分解処理の際の電流値の大きさ及び前記廃水中に添加される塩素イオンの量のうちのいずれか一方のみを上限値又は下限値になるまで調整し、
    当該一方の上限値又は下限値までの調整で前記電気分解処理能力の調整が不十分な場合に他方を調整して前記電気分解処理能力を調整する
    ことを特徴とする廃水処理方法。
  5. 窒素化合物を含有する有機性の廃水を貯留する処理槽と、
    前記処理槽内の前記廃水を電気分解する電解手段と
    を備え、
    前記廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の前記窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理装置において、
    前記処理槽内の前記廃水の前記窒素化合物の量を検出する、前記処理槽内の前記廃水のpHを計測するpH計測手段、前記処理槽内の前記廃水の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計測手段、前記処理槽内の前記廃水の導電率を計測する導電率計測手段のうちの少なくとも一つである窒素化合物検出手段と、
    前記pH計測手段で計測した前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記酸化還元電位計測手段で計測した前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記導電率計測手段で計測した前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点と判断すると共に、前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記電解手段の電流の大きさを制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記電解手段の電流の大きさを制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記電解手段の電流の大きさを制御する制御手段と
    を備えていることを特徴とする廃水処理装置。
  6. 請求項において、
    前記制御手段が、
    前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさを、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものである
    ことを特徴とする廃水処理装置。
  7. 窒素化合物を含有する有機性の廃水を貯留する処理槽と、
    前記処理槽内の前記廃水を電気分解する電解手段と
    を備え、
    前記処理槽内の前記廃水を規定処理時間電気分解して当該廃水中の前記窒素化合物を分解処理することを複数回繰り返すバッチ式の廃水処理装置において、
    前記処理槽内に塩素イオンを添加する塩素イオン添加手段と、
    前記処理槽内の前記廃水の前記窒素化合物の量を検出する、前記処理槽内の前記廃水のpHを計測するpH計測手段、前記処理槽内の前記廃水の酸化還元電位を計測する酸化還元電位計測手段、前記処理槽内の前記廃水の導電率を計測する導電率計測手段のうちの少なくとも一つである窒素化合物検出手段と、
    前記pH計測手段で計測した前記廃水のpHの単位時間当たりの変化量が負の値から正の値に切り替わったとき、前記酸化還元電位計測手段で計測した前記廃水の酸化還元電位の単位時間当たりの変化量が規定値以上に増加したとき、前記導電率計測手段で計測した前記廃水の導電率の単位時間当たりの変化量が規定値以下のときのうちの少なくとも一つを前記窒素化合物の分解処理の終点と判断すると共に、前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御する制御手段と
    を備えていることを特徴とする廃水処理装置。
  8. 請求項において、
    前記制御手段が、
    前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものである
    ことを特徴とする廃水処理装置。
  9. 請求項において、
    前記処理槽内に塩素イオンを添加する塩素イオン添加手段を備え、
    前記制御手段が、
    前記窒素化合物検出手段からの信号に基づいて、前記規定処理時間よりも短い時間の許容処理時間よりも短い時間で前記終点を検知したと判断した場合には、その時点で処理を終了し、過剰な次亜塩素酸の生成を抑制しつつ、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を低下させるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間内に前記終点を検知できなかったと判断した場合には、当該処理バッチよりも次回に処理するバッチの電気分解処理能力を高めるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御し、前記規定処理時間と前記許容処理時間との間の時間で前記終点を検知したと判断した場合には、当該処理バッチの電気分解処理能力を次回に処理するバッチでも維持させるように前記電解手段の電流の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を制御するものである
    ことを特徴とする廃水処理装置。
  10. 請求項において、
    前記制御手段が、
    前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさ及び前記塩素イオン添加手段からの塩素イオン添加量を、予め定めた一定の値、予め定めた一定の割合、当該バッチの分解処理に要する時間の前記規定処理時間に対する割合のうちのいずれかに基づいて調整するものである
    ことを特徴とする廃水処理装置。
  11. 請求項又は請求項10において、
    前記制御手段が、
    前記廃水の電気分解処理の際の前記電解手段の電流値の大きさ及び前記塩素イオン添加手段から廃水中に添加する塩素イオンの量のうちのいずれか一方のみを上限値又は下限値になるまで調整し、
    当該一方の上限値又は下限値までの調整で前記電気分解処理能力の調整が不十分な場合に他方を調整して前記電気分解処理能力を調整するものである
    ことを特徴とする廃水処理装置。
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