JP2005193188A - 写真廃液の処理方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 電解中の通電量を適切に制御できて、写真廃液中の環境汚染要因である高濃度のCOD寄与物質及び鉄錯体化合物を低減させる写真廃液の電解処理方法を提示すること。上記に加えて水素ガス発生レベルが低い方法を提示すること。さらには、上記制御によって写真廃液の環境汚染要因を下水道への排出基準を満たすレベルにまで低減できる写真廃液処理方法を提示すること。
【解決手段】 写真廃液を電気分解によって処理する方法において、電気分解の終点を検知し、検知した終点に従って電気分解処理を停止することを特徴とする写真廃液の処理方法。とくにpHの変化速度を検知手段とする上記方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は写真廃液の処理方法に関するものであり、特に電気分解を用いて写真廃液中の環境汚染要因を低減する(以後「環境汚染要因を低減する」ことを「無害化する」と表現することもある)処理方法に関するものである。
写真廃液は高濃度のBOD 、COD 、窒素、リンを含み、且つ、生物処理または化学処理によっても難分解性成分が多量に含まれている。写真廃液特にカラー現像液は種々の工業廃液の中でも最も処理が困難なものの1つであって、従来から多くの処理法が開示されているが、無害化の達成度と処理コストの両面で尚多くの問題がある。
写真廃液処理に関して従来開示されている方法は、主として生物処理、化学処理及び物理処理である。生物処理法は、例えば活性汚泥法によるもので、通常廃液を10〜50倍に希釈したものを処理期間15〜50日でCOD の50〜80%、及びBOD の50〜80%が分解除去出来るとされている。
化学処理は、オゾン酸化法、過酸化水素−第一鉄塩法(フェントン法)、過硫酸酸化法、ハロゲン酸酸化法、電解酸化法等がある。オゾン酸化法は無機COD 成分の分解除去及び現像主剤である芳香族化合物のベンゼン環分解に有効であるが、有機BOD 成分を除去する効果は殆どない。フェントン法は有機・無機成分いずれに対しても効果があるが、処理コストが高い点に問題がある。一般に化学処理によるCOD の除去率は50%程度とされている。
物理処理には高圧加熱法、噴霧焼却法、蒸発乾燥法等がある。写真廃液中には多量のハロゲン化物イオンが含まれているので、反応装置の応力腐食が問題となる。また、熱回収のための熱交換器のスケール、残渣、廃ガス等の処理にも問題がある。
これらの開示された写真廃液処理手段の中では、電解酸化処理法は、現像所の限られたスペースでも実施できて、かつ作業量の負担も少ないことから特に検討がなされている。
例えば、特許文献1では、初期電流密度を稼動中の最高電流密度の50%以下に設定した電流密度変更スキームを採用して処理中の発泡を抑制しながら写真廃液を電解する方法が開示されている。
また、特許文献2には、電解効率を維持するためにpHを規定範囲内に制御しながら電解を行なう方法が開示されている。
一方、特許文献3には、NaClを写真廃液に添加して電解を行ない、生成する次亜塩素酸濃度を安定化させるためにpH制御を行ないながら電解する態様が示されている。また、実施例には、定電位で電解する態様が示されている。
さらに、特許文献4には、写真廃液を硫酸酸性にして処理管理を容易にした写真廃液処理方法が開示されており、実施例には定電流で電解する態様が記載されている。
写真廃液には種々雑多な現像処理薬品や反応生成物、更には感光材料から溶出する多種類の化合物が共存していてそれらの電極反応挙動も様々であるために電解処理を終了させるべき時点を把握しにくいという特徴的な性質を持っている。したがって、写真廃液の電解による無害化処理に関する開示された方法は、上記各特許文献のように、電位又は電圧、電流、pH、被処理液量当たり通電量などのいずれかの制御因子を制御して電解を行なっているが、いずれの場合も電解処理を終了させるべき適切な指標がないので、通電電気量、通電時間、電圧値などによって電解処理を終了させているが、それでは目標とする電解の終了時点と乖離してしまい、廃液の組成変化などの処理負荷変動に対処して適切に終点管理を行なえないという問題がある。電解時間が短いと電解不足により環境要因低減効果が不十分となるので、一般には被処理液の負荷の変動に影響されないように電解時間に十分の余裕を持たせている。
しかし、電解時間に余裕を持たせると、過剰に電解処理することによる電力浪費のほかに、被分解物がある程度分解された後さらに電解が進行するために可燃性ガスが発生したり、電解で難水溶性となった金属塩がさらに電解されて比較的溶解性を有する高次酸化物となるために下水放流可能なレベルまでに溶存金属イオンを除去できなくなるなどの問題が生じる。特に、写真廃液からは鉄錯体化合物と銀錯塩を電解によりキレート剤等を分解させて沈殿として析出させて除去あるいは回収する必要があるが、過剰電解時にはむしろ水溶性イオン化合物となって電解液中で安定化しやすいことが認められている。この現象はとりわけ、NaClなどのハロゲン化アルカリを加えて発生する次亜塩素酸によって酸化力を強化させた電解処理方法を用いたときに特に顕著に現われる。
これらの問題が、写真廃液に対して、CODや鉄などの環境要因を排水基準値以下に低減させ得る、かつ実用的な、特に現像所においても実施できる廃液処理手段の実現を阻んでいる。
この出願の発明に関連する前記の先行技術には、次ぎの文献がある。
特開平8−296081号公報 特開平8−267074号公報 特開平8−206660号公報 特開平7−323290号公報
本発明は、写真廃液では電解処理を終了させるべき時点を把握しにくいことに起因する廃液の環境汚染要因の低減能力の低下という上記した諸問題の解決のためになされたものである。
したがって本発明の目的は、電解中の通電量を適切に制御できて、写真廃液中の環境汚染要因である高濃度のCOD寄与物質及び鉄錯体化合物を低減させる写真廃液の電解処理方法を提示すること、及びこれら低減作用に加えて電解中に発生する水素ガス濃度も低い写真廃液の電解処理方法を提示することである。
さらには、上記制御によって写真廃液の環境汚染要因を下水道への排出基準を満たすレベルにまで低減することが可能な写真廃液処理方法を提示することである。
本発明者は、上記目的の解決方法を見出すために、写真廃液の電解酸化反応の進行過程に現われる諸現象と進行度の関連について検討を重ねて、下記の本発明に到達することができた。
(1)写真廃液を電気分解によって処理する方法において、電気分解の終点を検知し、検知した終点に従って電気分解処理を停止することを特徴とする写真廃液の処理方法。
(2)電気分解の終点の検知がpHの変化速度によってなされることを特徴とする上記(1)に記載の写真廃液の処理方法。
(3)電気分解の終点の検知が定電流電解における電圧変化量又は定電圧電解における電流変化量によってなされることを特徴とする上記(1)に記載の写真廃液の処理方法。
(4)電気分解の終点の検知が写真廃液の可視分光波長域の吸光度変化量によってなされることを特徴とする上記(1)に記載の写真廃液の処理方法。
(5)アルカリハロゲン化物の存在下で電気分解することを特徴とする上記(1)〜(4)のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
(6)アルカリハロゲン化物がアルカリ塩化物であることを特徴とする上記(5)に記載の写真廃液の処理方法。
本発明の写真廃液の処理方法の特徴は、写真廃液に電解酸化を施した際にその終点を検知できることを見出して、これを電解処理の終点管理に適用したことである。
これによって、写真廃液の電解酸化処理において、電解不足や過剰電解によるCODや鉄などの環境汚染要因の低減不十分や銀回収効率不足が解消される。また、廃液処理の効果が季節変化や被処理感光材料の種類による写真廃液の組成変動や負荷変動に影響されることがない安定した廃液処理が可能となる。
効果的な終点検知手段は、pHの変化速度、定電流電解における電圧変化量又は定電圧電解における電流変化量、写真廃液の可視分光波長域の吸光度変化量である。
また、アルカリハロゲン化物、特にNaClの存在下で電気分解を行なう場合には、電解生成するハロゲン酸が酸化メディエーターとして写真廃液の電解を促進することが特開平7−100466号公報によって知られているが、この電解過程ではとくに適正な電解時間を定めがたく、本発明で見出された終点検知手段が特に効果的に適用できる。とりわけ、アンモニア性窒素を多く含んだ写真廃液のアンモニア性窒素量の低減にはアルカリハロゲン化物存在下での電気分解の終点管理に本発明の方法の適用は有効である。
電気分解の終点を検知して電気分解処理を停止することを特徴とする本発明の写真廃液の処理方法によって、電解中の通電量を適切に制御できて、写真廃液中の環境汚染要因である高濃度のCOD寄与物質及び鉄錯体化合物を効果的に低減させることができる。更に、これら低減作用に加えて電解中に発生する水素ガス濃度も低いレベルに留めることができる。特に、アンモニア性窒素を多く含んだ写真廃液にアルカリハロゲン化物を存在させて電気分解によりアンモニア性窒素量を低減させる際には本発明の適用による終点管理が効果的である。
以下、本発明をさらに具体的に詳述する。
なお、本明細書では「写真処理廃液」とその簡略表現である「写真廃液」は、同義であり、「電解」は「電気分解」の略語である。本発明に適用される「電気分解によって処理する方法」は、「電解酸化法」と同義である。
[被処理廃液]
本発明の実施の形態の説明に先だって、発明の対象である写真処理廃液について述べる。写真処理廃液は、カラー写真或いはモノクローム写真の現像廃液の他、定着廃液または写真製版等写真工業で発生した多くの種類の廃液が含まれている。定着廃液は溶存している銀を回収した残液が処理の対象となる。通常これら種々の写真処理工程からの廃液は混合された状態で回収されて、処理される。
写真廃液を構成する現像廃液は、現像処理の各工程から排出された廃液であって、処理中に感光材料から溶出した例えばゼラチンや感光色素などの成分、処理中に生じた反応生成物、及び処理液処方に含まれて消費されなかった構成薬品(処理液処方の詳細は後述する)などを含んでいる廃液である。
したがって、現像廃液には、現像主薬及びその酸化生成物、アルカリ化合物及び緩衝剤、亜硫酸塩やヒドロキシルアミン誘導体などから選択される補恒剤、アルカリハライドなどを主体としており、定着廃液は、チオ硫酸のアンモニウム塩、ナトリウム塩及び/又は亜硫酸のアンモニウム塩及び/又はナトリウム塩、アルカリハライドなどを主体としており、漂白廃液は、ポリアミノポリカルボン酸鉄(III)錯塩などの漂白剤とそれに由来する反応生成物、アルカリハライド(再ハロゲン化剤)、緩衝塩などを主体としており、漂白定着廃液は、定着廃液と漂白廃液に含まれるものとほぼ同様の成分を主体としており、その他の各工程から排出される廃液もそれらの工程液の機能性化合物とそれに由来する化合物を含有している。したがって、処理される写真廃液の成分は、現像液由来の成分や漂白液・定着液・漂白定着液由来の成分などが感光材料溶出物や処理中の反応生成物と混在しており、例えば緩衝剤(炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩など)、発色現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤、アルキレングリコール類、ベンジルアルコール類、界面活性剤(アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等)酸化剤(鉄(III)のEDTA錯塩、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸錯塩など)、ハロゲン化物(臭化アルカリ、臭化アンモニウムなど)、チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩など多岐に亘る化学成分を含んでいて、この多様性が効果的な廃液処理手段を見出すことを困難にしている。
写真廃液の組成は、処理の種類及びその処理の各工程からの廃液の混合比率によりかなり変動するが、おおよそCOD 30,000〜50,000 mg/l、BOD 5,000 〜15,000 mg/l、TOC(Total Organic Carbon) 10,000〜25,000 mg/l、ケルダール窒素 10,000 〜15,000 mg/l、トータル燐 100〜500mg/l の範囲である。COD:BOD:TOC の比率は概ね 4:1:1.5でCOD が高い特徴があり、またC:N:P の元素比率はほぼ 100:100:1(質量比)でN の含有率が高い特徴がある。
[廃液処理工程]
<電解酸化処理>
電解酸化法について述べる。写真廃液は高い腐食性をもっているので、電解槽はこれらの成分に耐える耐食性材料である白金、フェライト、ステンレス、酸化皮膜が速やかに形成される鉄、硬質プラスチック等を選択する必要がある。
陽極は、酸化され難い耐蝕材質である白金、ステンレス、カーボン(とくにグラファイトや基板上に層形成されたダイヤモンド)、チタン、酸化皮膜が速やかに形成される鉄等が好ましい。
陰極は、電解酸化反応には直接関与しないが、廃液に対して不活性な材質である白金、ステンレス、チタン、カーボン等が好ましい。
例えば、陽極にはステンレス、ダイヤモンド層、酸化皮膜が速やかに形成される鉄を、陰極にはステンレス、チタンなどの電極が好ましい。また、反応液中には多量の懸濁成分が含まれているため、電極への懸濁物の沈澱を防止して均一な酸化反応を起こさせ、電流効率を高めるためには回転電極を用いることも好ましい。
本発明においては、電解槽の構造は公知の各種の構成で用いることができる。すなわち、単一室セルであってもよく、又は陽極と陰極が膜で仕切られた分割セルであってもよい。最も簡単な実施態様は、単一室セルである。単一室セルでは、陽極と陰極を隔てるバリヤーがなく、したがって溶質は陽極と陰極間を移動するのに制限を受けない。このような単一室方式は、一般的には陽極で酸化された成分がその後陰極で還元されるという可能性を持っているが、写真廃液成分の電気的酸化分解反応の場合は、酸化種の大半は非可逆的な酸化を受けるのでそのリスクの可能性は少ない。
2室セルにおいては、イオン交換膜、ミクロろ過膜、半透膜、多孔性膜例えば多孔性セラミックスなどの通電性隔膜を陽極と陰極の間に挿入する。イオン交換膜はあるタイプのイオン種のみを陽極液から陰極液へ又はその逆方向へ通過させることができる。膜の機能は、陽極液と陰極液が混合することなく電気的中性を保持することである。また、適当な膜を用いれば、その膜を通過して移動するイオンの性質を制御することができる。例えば、陰極室でチオ硫酸イオンや亜硫酸イオンが還元されて生成した硫黄イオンにとって硫化銀が生成して沈殿し、陰極室内で捕集する本発明の好ましい態様が可能である。なかでもイオン交換膜、半透膜、セラミックスなどが両極を分ける隔膜として好ましい。
電解酸化処理の温度は常温或いはこれよりやや高い温度が好ましく、また、電圧は5.0 〜8.0V、電流密度は、0.5〜100 A/dm2が好ましく、より好ましくは5 〜50 A/dm2がよい。
また、電解は回分法でも連続法の何れでもよい。回分式の好ましい電圧印加方式としては、電解初期(COD低減目標値の2〜10%相当の間)は4〜6A/dm2の比較的低電流密度を適用し、電解の進行と共に電流密度を高めてCOD低減目標値の10%相当程度に電解した後は、定常的な電流密度、例えば12〜20A/dm2の電流密度を適用することによって電気分解を続けるのも好ましい態様である。
写真廃液をアルカリハロゲン化物、特にNaClの存在下で電気分解を行なう場合に本発明の電解操作の終点管理方法を適用することは、特に効果的である。写真廃液の電解酸化処理の際、NaClを添加して次亞塩素酸を生成させ、とれを酸化メディエーターとして写真廃液の電解を促進できることは特開平7−100466号公報によって知られているが、この電解過程では特に適正な電解時間を定めがたく、本発明で見出された終点検知手段を適用すると電解酸化処理の過不足が防止できる。とりわけ、アンモニア性窒素を多く含んだ写真廃液のアンモニア性窒素量の低減作用を最適点で終了させることができる。また、一度沈澱となって除去できた可溶性鉄イオンが比較的溶解性の高い高次酸化物になって再溶解するのを防ぐことができる。
写真廃液には、写真処理液由来の界面活性剤が含まれているが、電解酸化中の発泡を抑制するために、さらにノニオン性界面活性剤のような消泡剤を使用することができる。例えば、BASF社によって上市されているPluronic(登録商標)シリーズからのもの、好ましくはPluronic−31R1 Polyol(登録商標)(ポリエチレンオキシドとポリプロピレンオキシドとのブロックコポリマーのメタノール溶液)を用いてもよい。しかし、消泡剤を使用する場合、泡の形成を避けるために必要な最低量で使用する。例えば、Pluronic−31R1 Polyol(登録商標)消泡剤ではその添加量は、0.15mL/処理廃液L以下でよい。
本発明の廃水処理方法における電解酸化処理では、高速度攪拌の電解酸化処理装置を用いると効果が増加する。本発明に適用される高速度電解酸化処理装置には、振動板を備えた攪拌装置を用いて電解液を振動板の振動のよって攪拌させて電解酸化を行なう処理方式も好ましく、振動周波数を適当に選択することによって、極めて高い電解酸化速度とCOD低減効果が得られる。
本発明に好ましく用いられる攪拌装置の例としては、振動板を電動機と結合させて電動機の回転を振動板の振動に変換させ、その振動によって電解液に攪拌作用を及ぼさせる方式のものが挙げられる。その振動周波数は、10cycle/sec以上100cycle/sec以下であり、好ましくは15cycle/sec以上80cycle/sec以下であり、より好ましくは20cycle/sec以上60cycle/sec以下である。
また、前記の好ましい攪拌装置は、少なくとも1個の振動板を有するものであるが、好ましくは複数個の振動板を配列させた構成である。複数個の振動板からなる攪拌装置の場合は、振動板の配列の形態は、好ましくは振動板の板面が一平面内になるように一列に並べた形態、振動板を板面を並行にして板面方向に直角方向に重ね合わせた多段式の形態、あるいは振動板の板面同士は並行であるが、板面が重ね方向と斜めになるように重ね合わせた斜め多段式形態のいずれであってもよいが、いずれの場合も各振動板の間に液流が確保されるように振動板同士は互いに一定間隔を置いて配列される。その間隔は、1〜200mmであり、好ましくは2〜150mm、より好ましくは、3〜100mmである。
また、振動板の形状は矩形、楕円形、梯形、正方形、矩形又は正方形の各稜に丸みを持たせた形のいずれでもよいが、好ましくは矩形又はその稜に丸みを与えた形である。振動板のサイズは、電解酸化槽の大きさに応じて適宜選択することができる。目安としては振動板の片面の面積が電解槽断面積の1/1000〜1/5であり、好ましくは1/50〜1/5である。その厚みは振動板が金属板の場合はその長辺(長径)の1/100〜1/5であり、好ましくは1/10〜1/20であり、振動板が樹脂板の場合は、1/50〜1/5であり、好ましくは1/20〜1/10である。
<電気分解の終点検知>
本発明における電気分解の終点の検知方法としては、終点検知が可能ないずれの方法によってもよいが、好ましい検知方法は、pHの変化速度、定電流電解における電圧変化量、定電圧電解における電流変化量及び写真廃液の可視分光波長域の吸光度変化量を尺度とした方法である。
(pH値の変化速度による検知)
写真廃液の電解過程におけるpH変化挙動は、図1に示したpH−電解時間関係の概念図のプロファイルを辿ることがわかった。
図1において、実線及び点線はそれぞれ写真廃液にNaClを含有させない場合と含有させた場合のpHの通電時間に対する変化挙動を示したものである。
実線で示したNaClを含まない場合では、通電に伴って低下したpH値は最低pHに至った後、再び上昇傾向を辿る。上昇し始める点(A)ではCOD負荷成分や鉄錯体などの環境汚染要因の残留濃度は最低値に達していることが排水分析(JIS K0102、工業排水分析方法)によって判っている。
一方、点線で示したNaClを含有させた場合pHは、上記NaClを含まない場合とほぼ平行的に通電時間と共に低下し続けるが、次第に変化速度は小さくなり、ある特定pHに達する点(B)で環境汚染要因の残留濃度は最低値に達していて、その後のさらなる分解は少なく、環境汚染要因の電解が概ね終了することが上記排水分析によって判っている(電解される成分が無くなることであって、残留CODや残留鉄が無いことを意味するものではない)。
従って電解操作中は、pHの時間変化を連続的又は間欠的に測定し、単位時間当たりのpH変化速度がある一定値に達した点を電解を終了させるべき時点として検知して、その時間情報を電源ユニットに送ることで通電を停止させることが出来る。
また、通電を停止させるべき特定pH変化速度としては、分解の目標レベル、アルカリハロゲン化物の有無、または分解する液の処方などに応じて必ずしもpH変化がなくなって一定pHに達する点(B)又はpH値が再反転する点(A)ではなくて、特定のpH変化速度到達点を選択することができる。
電解を停止させるべき到達点の特定のpH変化速度は、環境汚染要因の特性値の低減目標レベル、被処理液の種類などに応じて如何なる値に設定しても良いが、1〜10Lの写真廃液を2日以内に典型的な写真廃液のCODを実質的に廃水基準値の2倍以下に処理することを想定した場合、1時間あたりのpH変動が−0.5以上2以下に到達した時点で電解を停止させることが好ましく、−0.2以上1以下の時点での停止がより好ましい。
(電流/電圧の変化量による検知)
電解による廃液無害化処理を行う場合、定電流または定電圧で行う場合が一般的である。この場合定電流電解酸化のときの電圧、定電圧電解酸化のときの電流は電解の進行とともに変化するので、その変化をモニターすることで、上記pH変化のモニタリングと同様に終点見極めの判断をすることが出来る。
すなわち、複雑な多成分組成の写真廃液の電解過程では、酸化電位が低い易酸化性の成分化合物の電解酸化が先に進行し、その成分が消耗されるのに伴って順次より酸化電位が高い成分化合物の酸化が起こり、最終的には印加した電圧のもとで酸化可能の被酸化性成分が消費し尽くされて電解反応が終了するか、又は印加電圧が高ければ水の電解が進行することになる。したがって、定電圧電解の場合には、電流値は電解の進行に伴って電解される成分が枯渇して電流が低下する傾向を示し、定電流電解の場合には、被電解成分の混成電位変化に従って電解電圧が変化すると考えられるが、経験的には電解初期電圧から電解の進行に伴って低下し始めて、漸次下降は緩やかになり、あるところから略一定の値をとるようになる。したがって、本発明では、写真廃液の種類(組成)や環境汚染要因の低減目標に対応した特定の電流値(定電圧電解の場合)又は電圧値(定電流電解の場合)を電解酸化処理の終点として設定しておき、その時点で電解処理を停止させることによって、廃液処理の過不足を防止することができる。例えば電源ユニットが電圧モニター手段又は電流モニター手段をもち、所定電圧あるいは電流値到達点で自動停止する手段などを好ましく用いることが出来る。
定電圧電解の場合の好ましい終点電流は、例えばCODの低減処理の場合には、初期電流値の10〜40%(塩素イオンが存在しない場合)又は3〜30%(塩素イオン存在下)であり、より好ましくは、初期電流値の25〜35%(塩素イオンが存在しない場合)又は8〜20%(塩素イオン存在下)である。
定電流電解の場合の好ましい終点電圧は、例えばCODの低減処理の場合には、塩素イオンの有無に係らず初期電圧値よりも0.2〜2.5V上昇したときであり、より好ましくは、初期電圧値よりも0.5〜2.0V上昇したときである。
(可視域分光吸収の変化量による検知)
写真処理廃液は多くの着色成分を含むため、一般に可視光が簡単に透過できない濃度を持っているが、電解の進行とともに着色成分の中には分解が進んで濃度の低下が起こるもの(例えば鉄錯体化合物は、分解して濾過される)、酸化されて着色が進み、さらに酸化すると無色化合物となるもの(例えば有機へテロ環抑制剤や現像主薬)など個々の成分化合物がそれぞれの着色・脱色挙動をとる。写真廃液全体としての酸化挙動は、通電時間と共に可視域の吸光度が増加し、最大吸光度に達した後、更なる通電によって吸光度の低下が始まる。本発明が目的とする環境汚染要因の低減の目標レベルは、吸光度の最大値を過ぎて吸光度の低下が起こっている領域であるので、透過光の吸収濃度をモニターして予め 終点として設定した吸光度に到達した時点で電解酸化処理を停止する。
実際には、例えば循環させて電解する場合の被処理液の循環流路に測定用のセルを持つ分光光度計を設置し、連続してモニターし、終点に到達した時にその情報を電源制御ユニットに送る。
この場合もpH、電圧,電流などによる終点管理と同様終点を見極めるための数値は、目標レベルと廃液の組成に応じて変えることが出来る。
[写真処理液]
写真処理液は、カラー感光材料と黒白感光材料の処理に用いられるが、処理されるカラー感光材料としてはカラーペーパー、カラー反転ペーパー、撮影用カラーネガフィルム、カラー反転フィルム、映画用ネガもしくはポジフィルム、直接ポジカラー感光材料などを挙げることができ、黒白感光材料としては、Xレイフィルム、印刷用感光材料、マイクロフィルム、撮影用黒白フィルムなどを挙げることができる。
本発明に適用される写真処理廃液は、写真処理液成分を主成分としているが、写真処理廃液には、写真処理液に添加されている素材のほか写真処理過程で生成した現像主薬の酸化体、硫酸塩、ハライドなどの反応生成物や、感光材料から溶け出した微量のゼラチン、感光色素、界面活性剤などの成分が含まれている。
写真処理液にはカラー処理液、黒白処理液、製版作業に伴う減力液、現像処理タンク洗浄液などがあり、黒白現像液、カラー現像液、定着液、漂白液、漂白定着液、画像安定化液などが挙げられる。
カラー現像液は、通常、芳香族第一級アミンカラー現像主薬を主成分として含有する。それは主にp−フェニレンジアミン誘導体であり、代表例はN,N−ジエチル−p−フェニレンジアミン、2−アミノ−5−ジエチルアミノトルエン、2−メチル−4−〔N−エチル−N−(β−ヒドロキシエチル)アミノ〕アニリン、N−エチル−N−(β−メタンスルホンアミドエチル)−3−メチル−4−アミノアニリンである。また、これらのp−フェニレンジアミン誘導体は硫酸塩、塩酸塩、亜硫酸塩、p−トルエンスルホン酸塩などの塩である。該芳香族第一級アミン現像主薬の含有量は現像液1リットル当り約0.5g〜約10gの範囲である。
また黒白現像液中には、1−フェニル−3−ピラゾリドン、1−フェニル−4−ヒドロキシメチル−4−メチル−3−ピラゾリドン、N−メチル−p−アミノフェノール及びその硫酸塩、ヒドロキノン及びそのスルホン酸塩などが含まれている。
カラー及び黒白現像液には保恒剤として、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩や、カルボニル亜硫酸付加物を含有するのが普通で、これらの含有量は現像液1リットル当たりカラー現像液では5g以下、多くは3g以下(無添加も含む)、黒白現像液では0g〜50gである。
カラー及び黒白現像液中には、保恒剤として種々のヒドロキシルアミン類を含んでいる。ヒドロキシルアミン類は置換又は無置換いずれも用いられる。置換体としてはヒドロキシアルミン類の窒素原子が低級アルキル基によって置換されているもの、とくに2個のアルキル基(例えば炭素数1〜3)によって置換されたN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミン類が挙げられる。またN,N−ジアルキル置換ヒドロキシルアミンとトリエタノールアミンなどのアルカノールアミンの組合せも用いられる。ヒドロキシルアミン類の含有量は現像液1リットル当り0〜5gである。
カラー及び黒白現像液は、pH9〜12である。上記pHを保持するためには、各種緩衝剤が用いられる。緩衝剤としては、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、グリシン塩、N,N−ジメチルグリシン塩、ロイシン塩、ノルロイシン塩、グアニン塩、3,4−ジヒドロキシフェニルアラニン塩、アラニン塩、アミノ酪酸塩、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール塩、バリン塩、プロリン塩、トリスヒドロシアミノメタン塩、リシン塩などを用いることができる。特に炭酸塩、リン酸塩、四ホウ酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩は、溶解性やpH9.0以上の高pH領域での緩衝能に優れ、現像液に添加しても写真性能面への悪影響(カブリなど)がなく、安価であるといった利点を有し、これらの緩衝剤が多く用いられる。該緩衝剤の現像液への添加量は通常現像液1リットル当たり0.1モル〜1モルである。
その他、現像液中にはカルシウムやマグネシウムの沈澱防止剤として、或いは現像液の安定性向上のために各種キレート剤が添加される。その代表例としてニトリロ三酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロ−N,N,N−トリメリメチレンホスホン酸、エチレンジアミン−N,N,N′,N′−テトラメチレンホスホン酸、1,3−ジアミノ−2−プロパノール四酢酸、トランスシクロヘキサンジアミン四酢酸、1,3−ジアミノプロパン四酢酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸、1−ヒドロキシエチリデン−1,1−ジホスホン酸等を挙げることができる。これらのキレート剤は必要に応じて2種以上併用されることもある。
現像液は、各種の現像促進剤を含有する。現像促進剤としては、チオエーテル系化合物、p−フェニレンジアミン系化合物、4級アンモニウム塩類、p−アミノフェノール類、アミン系化合物、ポリアルキレンオキサイド、1−フェニル−3−ピラゾリドン類、ヒドラジン類、メソイオン型化合物、チオン型化合物、イミダゾール類等である。
多くのカラーペーパー用カラー現像液は、上記のカラー現像主薬、亜硫酸塩、ヒドロキシルアミン塩、炭酸塩、硬水軟化剤などと共にシルキレングリコール類やベンジルアルコール類を含んでいる。一方カラーネガ用現像液、カラーポジ用現像液、一部のカラーペーパー用現像液は、これらのアルコール類を含んでいない。
また、現像液中には、カブリ防止の目的で、臭素イオンを含有することが多いが、塩化銀を主体とする感光材料に対しては臭素イオンを含まない現像液を用いることもある。その他、無機カブリ防止剤としてNaClやKClなどの塩素イオンを与える化合物を含有していることがある。また各種有機カブリ防止剤を含有していていることも多い。有機カブリ防止剤としては、例えば、アデニン類、ベンズイミダゾール類、ベンズトリアゾール類及びテトラゾール類を含有していてせよい。これらのカブリ防止剤の含有量は現像液1リットル当り0.010g〜2gである。これらのカブリ防止剤は処理中に感光材料中から溶出し、現像液中に蓄積するものも含まれる。特に本発明において上記したような臭素イオンや塩素イオン等の総ハロゲンイオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上であるような廃液においても有効に処理することができる。特に臭素イオン濃度が混合液1リットル当たり1ミリモル以上の場合に有効である。
また、現像液中には、アルキルホスホン酸、アリールホスホン酸、脂肪酸カルボン酸、芳香族カルボン酸等の各種界面活性剤を含有している。
黒白写真処理においては、現像処理の後に定着処理が行なわれる。カラー写真処理においては、現像処理と定着処理の間に通常漂白処理が行なわれ、漂白処理は定着処理と同時に漂白定着(ブリックス)で行なわれることもある。漂白液には、酸化剤として鉄(III) 又はCo(III) のEDTA、ジエチレントリアミン五酢酸、ニトリロトリ酢酸、1,3−ジアミノ−プロパン四酢酸塩、ホスホノカルボン酸塩そのほか過硫酸塩、キノン類などが含まれている。そのほか、臭化アルカリ、臭化アンモニウムなどの再ハロゲン化剤、硼酸塩類、炭酸塩類、硝酸塩類を適宜含有する場合もある。定着液や漂白定着液には通常チオ硫酸塩(ナトリウム塩、アンモニウム塩)、酢酸塩、ホウ酸塩、アンモニウム又はカリ明ばん亜硫酸塩などを含有していている。
ハロゲン化銀写真感光材料の処理においては、定着処理あるいは漂白定着処理行なった後、水洗及び/又は安定処理を行なうことが一般的である。水洗処理においては、その処理槽にバクテリアが繁殖し、生成した浮遊物が感光材料に付着する等の問題が生じることがある。このような問題の解決策として、水洗水に特開昭61−131632号に記載のカルシウムイオン、マグネシウムイオンを低減させる方法を用いることができる。また、特開昭57−8542号に記載のイソチアゾロン化合物やサイアベンダゾール類、塩素化イソシアヌール酸ナトリウム等の塩素系殺菌剤、その他ベンゾトリアゾール等、堀口博著「防菌防黴剤の化学」、衛生技術会編「微生物の滅菌、殺菌、防黴技術」、日本防菌防黴学会編「防菌防黴剤事典」に記載の殺菌剤を用いることもある。
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、これらは本発明の範囲をなんら限定するものではない。
(廃液の調製)
銀回収系廃液(カラー写真処理CN−16 の定着液、CN−16Qの漂白液と定着液の混合液、CP−20の漂白定着液、CP−23の漂白定着液、および水を各々4、1、3、2、2の体積比で混合した後銀回収処理を施したもの)と現像液系廃液(カラー写真処理CN−16、CN−16Q、CP−20、CP−23各々の現像液および水を各々4、1、3、2、2の体積比で混合したもの)とを体積比で1対1で混合した。このように調製された廃液のpHは7.5であった。この液のCODは45000mg/L 、NH4 −Nは8000mg/L、鉄濃度3300mg/Lであった。上記した各液CN−16、CN−16Q、CP−20、CP−23、はいずれも富士写真フイルム(株)製の処理液の商品名である。
(電解処理装置)
実験に使用した電解装置を図によって説明する。図2は、電解装置の概略構成図である。
図2は、電解用の電源1と、電源1から供給される直流電力によって電解を行なう電解セル2と、写真廃液9を貯留する廃液タンク5と、電解操作を終了させるべき終点を検知する終点検出器4と、廃液タンク5中の被処理廃液を終点検出器4を経て電解セル2に送液する循環ポンプ3と、必要により廃液タンク5にNaClを供給するNaCl貯留槽6と、から構成されており、終点検出器4が得る終点に関する情報は、点線で示すように電源1に送られて電源を起動又は切断する。電解セル2には模式的に示した電極8が少なくとも一対備えられている。電解処理された被処理液は、電解セル2から廃液タンク5への還流系7、廃液タンク5、ポンプ3を経て電解セルに流入する流入系及び電解セル2によって循環系を構成している。また、廃液タンク5には、排気系10及びガス分析計11が備えられていて水素ガス濃度を監視する。
本実施例1においては、終点検出器4はpH測定装置であって、電解セル2と廃液槽5を循環する被処理廃液のpHを常時測定する。
しかしながら、別の態様では、終点検出器4の代わりに電圧計又は電流計が電源1に設けられていて、定電圧電解における電流値又は定電流電解における電圧値を監視する。
また、さらに別の態様では、終点検出器4は可視域分光光度計である。
(電解処理)
本実施例においては以下の電解処理を行った。
小型電解セル(図2の部材番号2)には、純粋な白金でコーティングした金属チタン電極(図2の部材番号7、(株)SHOWA製)を陽極、陰極の両方に用いた。
上記調製した写真廃液1Lを、2L/分の速度で電解装置内を循環させた。電流密度は3.5A/dm2 であった。電気分解を定電流電解方式で実施し、電流の強さを10Aに設定した。温度を22℃に維持した。
電解条件としては、表1に示すように、写真廃液にNaClを添加したものとしないもの、及びpHによる終点検出器(図2の部材番号4)を用いてpH変化速度で終点管理したものと、従来の定時間通電方式のものの計4通りの試験を行った。電解後の液から沈殿物を除去した後、残存成分の濃度測定を行った。また、電解終了直前に発生しているガスの水素濃度を測定した。発生ガスの濃度には、Thermco Instrument 社製のマルチレンジガス分析計 Thermco Model 6900をインラインで組込んで用いた。
実施内容と各測定結果を表1に示す。なお、表1中のセンサーとは、pHセンサーを指しており、本明細書中にpHによる終点検出器と記述したものに相当する。また、水素濃度は、容量%で示した。
Figure 2005193188
表1の結果から、pH変化速度で終点管理した本発明例すなわち試料1と3は、COD値、鉄含有量ともに下水道法の一般排水基準値以下であり、排気中の水素ガス濃度も安全範囲であり、かつ通電時間は40及び35時間であったのに対して、従来方式で試験した比較例すなわち試料2と4は、通電時間が60時間と長かったにも拘わらず、鉄の残存濃度は高く(とくに試料4)、下水道法の一般排水基準値を満たしてなく、かつ排気中の水素ガス濃度も高い値を示した。
また、アンモニア性窒素の除去の観点では、本発明例と比較例すなわち試料3と4のいずれもNaClの効果が顕著であり、したがって、本発明例の中でも試料3は一般排水基準の各項目を満たしている。
上記結果によって、本発明の終点管理方法が環境汚染要因の低減効果と電力消費節減の両立、及び発生ガス中の水素ガス濃度も抑制という安全性の観点、から好ましいことが分かる。
写真廃液の電解酸化処理におけるpH−通電時間の関係を示す概念図である。 本発明の写真廃液処理方法の典型的態様に係る廃液処理装置の概略図である。
符号の説明
1.電源
2.電解セル
3.ポンプ
4.終点検出器
5.廃液タンク
6.NaCl貯留槽
7.還流系
8.電極
9.写真廃液
10.排気系
11.ガス分析計

Claims (6)

  1. 写真廃液を電気分解によって処理する方法において、電気分解の終点を検知し、検知した終点に従って電気分解処理を停止することを特徴とする写真廃液の処理方法。
  2. 電気分解の終点の検知がpHの変化速度によってなされることを特徴とする請求項1に記載の写真廃液の処理方法。
  3. 電気分解の終点の検知が定電流電解における電圧変化量又は定電圧電解における電流変化量によってなされることを特徴とする請求項1に記載の写真廃液の処理方法。
  4. 電気分解の終点の検知が写真廃液の可視分光波長域の吸光度変化量によってなされることを特徴とする請求項1に記載の写真廃液の処理方法。
  5. アルカリハロゲン化物の存在下で電気分解することを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の写真廃液の処理方法。
  6. アルカリハロゲン化物がアルカリ塩化物であることを特徴とする請求項5に記載の写真廃液の処理方法。
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