JP2007252965A - 排水処理装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】分解処理された後の排水を所定の色度以下にまで脱色処理を行うと共に、残留塩素濃度を所定の濃度にまで調整することができる排水処理装置を提供する。
【解決手段】本発明の排水処理装置を構成する電解脱色処理装置1は、し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用するものであって、再利用される前の排水を電解処理する第1及び第2の電解処理装置6、7と、該電解処理装置6、7にて処理される排水の色度を検出する色度センサ18、21と、該色度センサ18、21により検出された排水の色度に基づき、所定の値以下となるよう電解処理装置6、7を制御する制御装置12とを備えた。
【選択図】図2
【解決手段】本発明の排水処理装置を構成する電解脱色処理装置1は、し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用するものであって、再利用される前の排水を電解処理する第1及び第2の電解処理装置6、7と、該電解処理装置6、7にて処理される排水の色度を検出する色度センサ18、21と、該色度センサ18、21により検出された排水の色度に基づき、所定の値以下となるよう電解処理装置6、7を制御する制御装置12とを備えた。
【選択図】図2
Description
本発明は、し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用するにあたり、排水を脱色・消毒処理する排水処理装置に関するものである。
従来より、ビルなどの建物から排出される排水には、し尿を含むものがあり、当該排水は、再生処理を施すことで、所謂中水とし、再利用される。この中水においては、用途別に水質基準が設けられており、当該水質基準を満たす程度にまで再生処理が行われる。再生処理方法としては、排水中に含まれる有機物の除去処理、排水の脱色・脱臭処理、消毒処理などがあり、一般には、トイレ用水などとして再利用される。
特許文献1及び特許文献2には、し尿を含む排水の浄化処理装置(排水浄化装置)が開示されている。この浄化処理装置は、生物的処理手段と、電気分解手段とを備え、排水を生物的処理手段にて有機物の分解、低分子化処理を行い、その後、電気分解処理することで、排水中に次亜塩素酸を生成し、当該次亜塩素酸により、尿石の析出の防止、及び排水の消毒処理を行っている。
特開平8−294691号公報
特開2005−169320号公報
しかしながら、処理後の排水、即ち、中水は、上述した如き生物的処理及び電気分解処理等により、所定の水質基準を満たす程度にまで処理が行われているが、脱色処理が不十分である場合には、例えばフミン質などの分解処理が困難な物質等の影響により、中水が黄色から褐色などとされたままとなる。そのため、トイレ用水として使用された場合、無色透明でないことから、未処理、若しくは処理が不十分なものと認識されやすく、中水を適切に脱色処理することが望まれている。
一般に排水を再利用する場合、所謂中水においては用途別に水質基準が設けられており、色度もその一項目とされていることが多い。ここで色度とは、水の色の程度を数値で示すもので、精製水1リットル中に色度標準液中の白金1mg及びコバルト0.5mgを含むときの色相を色度1度とするものである。例えば、ある基準に従えば散水用水では色度は50度以下、修景用水では10度以下、洗車用水では30度以下とされるのが好ましいとされている。ところで、この色度は、被処理水中に生成される次亜塩素酸によってフミン質等の発色団の分解がなされるために色度を有効に低下させることができると考えられている。
そのため、上述した如き特許文献1及び特許文献2における排水の浄化処理装置においても、電気分解手段によって、排水の電気分解処理が行われることで、排水中に次亜塩素酸が生成されることから、排水中の発色団の分解処理が行われる。しかしながら、上記特許文献1に示される浄化処理装置では、被処理水中の残留塩素濃度や色度を直接検出する手段を設けていないため、色度の水質基準を満たす程度にまで、若しくは、使用者が衛生的なものと認識できる程度にまで脱色処理を行うことができないという問題があった。
他方、特許文献2に示される排水浄化装置では、電解能力を制御することで残留塩素濃度の調整を行っているものの、排水の色度が目標とする色度とされているかを判定するための手段を設けていないため、この場合においても、色度の水質基準を満たす程度にまで、若しくは、使用者が衛生的なものと認識できる程度にまで脱色処理を行うことができないという問題があった。
そこで、本発明は従来の技術的課題を解決するためになされたものであり、分解処理された後の排水を所定の色度以下にまで脱色処理を行うことができる排水処理装置を提供する。
本発明の排水処理装置は、し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用するものであって、再利用される前の排水を電解処理する電解手段と、該電解手段にて処理される排水の色度を検出する色度検出手段と、該色度検出手段により検出された排水の色度に基づき、当該色度が所定の値以下となるよう電解手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
請求項2の発明の排水処理装置は、上記発明において、電解手段は、排水を電解処理することにより、次亜塩素酸及び活性酸素種を発生させると共に、再利用される前の排水の残留塩素濃度を検出する残留塩素濃度検出手段を備え、制御手段は、残留塩素濃度検出手段を色度検出手段として用い、残留塩素濃度検出手段により検出された排水の残留塩素濃度から当該排水の色度を推定することを特徴とする。
請求項3の発明の排水処理装置は、上記各発明において、再利用される前の排水を所定期間滞留させるための滞留槽を備えたことを特徴とする。
請求項4の発明の排水処理装置は、上記発明において、滞留槽における排水の少なくとも出口側となる位置とそれよりも上流側となる位置に電解手段をそれぞれ設け、制御手段は、滞留槽における排水の入口側から出口側に至る複数箇所における色度、及び/又は、残留塩素濃度に基づいて各電解手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用する排水処理装置において、再利用される前の排水を電解処理する電解手段と、該電解手段にて処理される排水の色度を検出する色度検出手段と、該色度検出手段により検出された排水の色度に基づき、当該色度が所定の値以下となるよう電解手段を制御する制御手段とを備えたので、実際に検出された排水の色度に基づいて電解手段を制御することが可能となり、再利用される前の排水の色度を確実に所定の色度以下にまで落とすことが可能となる。これにより、排水は、適切に脱色処理された状態で、中水として再利用することができるようになる。
請求項2の発明によれば、上記発明において、電解手段は、排水を電解処理することにより、次亜塩素酸及び活性酸素種を発生させると共に、再利用される前の排水の残留塩素濃度を検出する残留塩素濃度検出手段を備え、制御手段は、残留塩素濃度検出手段を色度検出手段として用い、残留塩素濃度検出手段により検出された排水の残留塩素濃度から当該排水の色度を推定するので、格別に色度センサを設けることなく、再利用される前の排水の色度を確実に所定の色度以下にまで落とすことが可能となる。これにより、上記発明に加えて、部品点数の削除を図ることができ、生産コストの高騰を抑止することができるようになる。
請求項3の発明によれば、上記各発明において、再利用される前の排水を所定期間滞留させるための滞留槽を備えたので、電解手段による排水の電解処理によって生成された次亜塩素酸や活性酸素種と排水中の色度の上昇に影響を及ぼす物質や窒素化合物、これらを含む有機物等との分解反応に要する時間を十分に確保することができる。これにより、確実に、色度や残留塩素濃度に関する水質基準を満たすことが可能となる。
請求項4の発明によれば、上記発明において、滞留槽における排水の少なくとも出口側となる位置とそれよりも上流側となる位置に電解手段をそれぞれ設け、制御手段は、滞留槽における排水の入口側から出口側に至る複数箇所における色度、及び/又は、残留塩素濃度に基づいて各電解手段を制御するので、出口側の色度及び/又は残留塩素濃度のみで単一の電解手段をフィードバック制御する場合に比して、滞留槽内の排水の色度や残留塩素濃度をより早い段階で調整することが可能となる。
これにより、再利用水の色度又は色度及び残留塩素濃度を最適値に確実に維持することが可能となり、より一層、再利用水として好適なものとすることができる。
以下、図面に基づいて本発明の各実施形態を詳述する。各実施例における排水処理装置としての電解脱色処理装置1は、処理システムSに設けられるものであり、当該処理システムSは、例えば、ビルなどの建物において、一定期間に一定量以上の排水が排出される場合におけるし尿を含む排水を処理し、トイレ用水などの雑用水、即ち、中水として再利用可能とするシステムである。
先ず初めに、第1の実施例としての排水処理装置の実施形態について説明する。図1は本発明の排水処理装置としての電解脱色処理装置1を備えた処理システムSの概要を示す説明図、図2は電解脱色処理装置1の概要を示す説明図である。この実施例における処理システム1は、生物的処理槽2と、電解脱色処理装置1とを有しており、少なくとも電解脱色処理装置1の前段に生物的処理槽2が設けられている。
本実施例における生物的処理槽2は、し尿を含む排水(原水)を生物学的に処理して、当該排水中に含まれるアンモニア態窒素を窒素ガスにまで分解するものである。当該生物的処理槽2は、図示しない嫌気槽及び好気槽を備えており、いずれも仕切壁にて分離されている。嫌気槽は、原水が流入される槽であり、当該嫌気槽では、排水に含まれる難分解性の夾雑物を沈殿分離し、当該嫌気槽内に設けられる濾床に付着した嫌気性微生物によって有機物を嫌気分解する。尚、当該嫌気槽は、複数設けられていても良く、段階的に排水中の有機物を嫌気分解処理しても良いものとする。
好気槽は、嫌気槽の後段に設けられる槽であり、嫌気槽にて処理された後の排水を処理する。当該好気槽では、下方に設けられる図示しない散気管により好気濾材に向けて空気が供給され、好気濾材に生息する好気性微生物により排水を好気分解処理する。これにより、硝酸菌や亜硝酸菌の働きによりアンモニア態窒素を亜硝酸態窒素に分解し、更に、この亜硝酸態窒素が硝酸態窒素に分解される。好気槽でこのように処理された硝酸態窒素を含有する排水は、気液分離された後、固形分は再び好気槽に返送されると共に、分離液、即ち処理後の排水の一部は、上澄み液として再度嫌気槽に返送される。これにより、上澄み液に含まれる硝酸態窒素は、嫌気槽において脱窒菌により窒素ガスにまで還元処理される。また、上澄み液の排水の残りは、後段の電解脱色処理装置1に搬送される。
一方、本発明に係る排水処理装置としての電解脱色処理装置1は、内部に図示しない排水の流入口と流出口を有する処理室3を構成する滞留槽4を備え、流入口には、一端が前記生物的処理槽2に接続される配管13が接続され、流出口には、一端が外部、若しくは、中水の再利用を行う例えばトイレ用排水管に接続される配管14が接続される。この処理室3内には、少なくとも2つの電解処理装置、本実施例では第1の電解処理装置6と、第2の電解処理装置7とを備える。当該電解処理装置6、7は、いずれも処理室3内の排水中に少なくとも一部が浸漬するように対向して配置された一対の電極8、9と、該電極8、9に通電するための電源10又は11及びこれら電源10及び11を制御するための制御装置12等から構成されている。
本実施例における滞留槽4は、生物的処理が終了した後の排水を流入口より流入させながら、当該滞留槽4における処理が終了したものを中水として排出するものであるため、少なくとも排水の流入口と、当該処理室3にて処理されて中水として排出される処理後の排水の流出口とは、所定寸法以上隔てて、本実施例では、当該滞留槽4内における最も離間した位置に設けられるものとする。また、当該滞留槽4は、処理対象となる排水の当該滞留槽4内における滞留時間を十分に確保するため、例えば一日の当該電解脱色処理装置1における総処理排水量の少なくとも半分の容量を有し、貯溜される排水が、少なくとも24時間は、当該滞留槽4の処理室3内に滞留可能な容量であるものとする。
本実施例において第1の電解処理装置6の各電極8、9は、前段の生物的処理槽2から搬送された排水が流入する滞留槽4の上流側に位置すると共に、第2の電解処理装置7の各電極8、9は、滞留槽4における排水の少なくとも流出口(出口)側となる位置に設けられる。尚、本実施例では、第1の電解処理装置6の各電極8、9は、滞留槽4の上流側に設けられているが、これに限定されるものではなく、例えば中間領域等、少なくとも、第2の電解処理装置6の各電極8、9よりも上流側となる位置に設けられていればよいものとする。
また、各電解処理装置6、7を構成する前記電極8、9は、電解時において塩化物イオンなどのハロゲン化物イオンを含む排水中に次亜塩素酸(次亜ハロゲン酸)やオゾン等の活性酸素種を生成可能とする電極、例えば白金(Pt)又は白金とイリジウム(Ir)の混合物などの貴金属電極、又は、これらを被覆した不溶性の導電体から構成されている。尚、本実施例ではアノードを構成する電極及びカソードを構成する電極のいずれも同一の材料にて構成される電極、具体的には、白金/イリジウム電極を用いる。そのため、定期的に電極8、9の極性を反転制御することにより、各電極8、9の長寿命化を図ることができる。そして、各電極8、9に電力を供給する電源10又は11は、汎用のマイクロコンピュータにて構成される前記制御装置12によって詳細は後述する如く電解強度の制御が行われる。
そして、電解脱色処理装置1を構成する前記配管13には、滞留槽4に流入される排水の水質を検出するための第1の水質検出部16が設けられ、当該水質検出部16は、前記制御装置12に接続される。また、同じく電解脱色処理装置1を構成する前記配管14には、滞留槽4から流出される中水(処理後の排水)の水質を検出するための第2の水質検出部20が設けられ、当該水質検出部20は、同じく前記制御装置12に接続される。更に、滞留槽4の例えば中間領域、即ち、処理室3内の中央部分には、第3の水質検出部23が設けられ、当該水質検出部23も前記制御装置12に接続される。
本実施例において第1の水質検出部16は、当該配管13を介して生物的処理槽2から滞留槽4内に流入する排水の流入量を検出するための流入量センサ17と、当該排水の色度を検出するための色度センサ(色度検出手段)18と、排水中の塩化物イオンの濃度を検出するための塩化物イオン濃度センサ19とから構成される。各センサ17、18、19により検出された検出値は、制御装置12に入力される。
本実施例において第2の水質検出部20は、当該配管14を介して外部等に排出される排水の色度を検出するための色度センサ(色度検出手段)21と、当該排水の残留塩素濃度(即ち、酸化作用を有する塩素系化学種、例えば、塩素、次亜塩素酸、次亜塩素酸イオン、クロロアミンなどを排水に加えた際に、消費されずに酸化力を保ったまま排水中に残留しているものの濃度以下、残留塩素濃度とした場合は同様であるものとする。)を検出するための残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段)22とから構成される。各センサ21、22により検出された検出値は、制御装置12に入力される。
また、本実施例において第3の水質検出部23は、滞留槽4内の中間領域の排水の残留塩素濃度を検出するための残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段)24により構成される。当該センサ24により検出された検出値は、制御装置12に入力される。
以上の構成により、本実施例では、上述の如く生物的処理槽2にて分解処理がなされた後の排水、即ち、中水として再利用される前の水が配管13を介して滞留槽4内の処理室3内に順次、搬送される。尚、当該滞留槽4内に搬送された排水は、当該処理室3内に所定時間、本実施例では少なくとも24時間滞留した後、配管14を介して滞留槽4内から外部等に再利用可能な中水として取り出される。
ここで、配管13内を通過する排水は、第1の水質検出部16において、排水の流入量、色度、塩化物イオン濃度が検出される。制御装置12は、この第1の水質検出部16にて検出された排水の流入量、色度、塩化物イオン濃度に基づき、第1の電解処理装置6の電解強度、即ち、電源10に供給される電流量を制御する。本実施例において、当該電解強度の制御は、第1の水質検出部16の色度センサ18にて検出された色度、流入量センサ18にて検出された流入量、塩化物イオン濃度センサ19にて検出された塩化物イオン濃度に基づき、当該排水の色度が所定の色度、例えば10度以下となるのに必要とされる電解強度を算出して制御する。
また、制御装置12は、第3の水質検出部23の残留塩素濃度センサ24の検出値に基づき、当該滞留槽4の中間領域における排水の残留塩素濃度が、所定の基準値、例えば0.1ppm以上を満たすのに必要な電流量を算出して第1の電解処理装置6の電解強度、即ち、電源10に供給される電流量を制御する。尚、本実施例では、制御装置12は、第1の電解処理装置6における電解強度を排水の色度及び残留塩素濃度のいずれの基準値を満たすことが可能となる電解強度に制御する。但し、制御装置12は、当該電解強度が最大でも、滞留槽4の出口側の配管14に設けられる第2の水質検出部20の残留塩素濃度センサ22にて検出される検出値が所定の高濃度、本実施例では5ppmとなる電解強度よりも低い値であるものとする。
これにより、第1の電解処理装置6は、制御装置12により電源10が制御され、各電極8、9には、前記算出された電解強度を満たす所定の電位が印加される。この場合において、一方の電極8には、負電位が、他方の電極9には正電位が印加され、これにより、電極8はカソードとなり、電極9はアノードとなる。
係る電位の印加により、アノードを構成する電極9側において、排水中に含有される塩化物イオンが電子を放出して塩素を生成する(反応A)。そして、この塩素は水に溶解して次亜塩素酸を生成する(反応B)。更に生成された次亜塩素酸は、上述した如く排水中に残留するフミン質等の発色団の分解に供される。これにより、当該電解により生成された次亜塩素酸によって、排水の色度を有効に低下させることができる。以下、反応A及び反応Bを示す。このとき、電極上では同時に、オゾン等の活性酸素種も生成される。
反応A 2Cl-→Cl2+2e-
反応B Cl2+H2O→HClO+HCl
反応A 2Cl-→Cl2+2e-
反応B Cl2+H2O→HClO+HCl
以下に、本発明の電解脱色処理装置1における電解処理に関する実験結果を示す。当該実験に用いた電極は、アノードを構成する電極、カソードを構成する電極共に、電極面積を100cm2とする白金−イリジウムを被覆したチタン電極を用い、通電電流2A、電流密度20mA/cm2とする。また、実験に用いた排水サンプルは、色度32度、pH6.8、塩化物イオン濃度340mg/L、COD47.4mg/L、TOC14.5mg/Lのものを2L使用した。そして、当該排水サンプルは、一つの処理槽内において上記条件により6分間電解処理を行った後、当該処理後の排水サンプルを300mlずつ6つのビーカーに分け、それぞれ所定の滞留時間経過後にDPD法により残留塩素濃度、当該実験では遊離塩素濃度及び全塩素濃度を測定した。その後、各排水サンプルに0.1mol/Lのチオ硫酸ナトリウムを2ml加え、排水サンプル中の残留塩素をすべて反応させた後、各色度を測定した。尚、上記各滞留時間は0.5、1、2、6、12、24時間とした。
上記実験結果を図3及び図4に示す。図3は各滞留時間における排水サンプルの色度を示し、図4は各滞留時間における遊離塩素濃度及び全塩素濃度を示す。これによると、電解終了した後から0.5時間乃至1時間で急激に排水サンプル中の遊離塩素濃度及び全塩素濃度が消費され、その後、滞留時間が経過していくに従い、当該遊離塩素濃度及び全塩素濃度の消費の割合が低下していくことがわかる。遊離塩素濃度とは、排水中の次亜塩素酸濃度であり、全塩素濃度とは、排水中のクロロアミンやジクロロアミン等の塩素含有物質の濃度である。
また、遊離塩素濃度及び全塩素濃度が低下していくに従い、即ち、排水中の残留塩素が消費されるに従い、排水の色度も低下していることがわかる。特に、電解開始時点において色度が32度であった排水は、滞留時間が0.5時間を経過した時点で既に、19度にまで低下し、その後、時間の経過により、次亜塩素酸の消費割合と同様に、緩慢に色度が低下し、24時間経過時点では、水質基準の10度を下回る9度にまで低下している。
そのため、本実施例における制御装置12は、滞留槽4に流入される排水の色度、流入量、塩化物イオン濃度を第1の水質検出部16にて検出し、当該排水の水質条件において、係る排水の色度を10度以下とすることを可能とする電流強度を算出し、当該電流強度にて、第1の電解処理装置6を制御し、滞留槽4内、処理室3内の排水の電気分解処理を行うことから、再利用される前の当該排水の色度を確実に所定の色度、本実施例では10度以下にまで落とすことが可能となる。
また、本実施例では、制御装置12は、第3の水質検出部23の残留塩素濃度センサ24の検出値に基づき、当該滞留槽4の中間領域における排水の残留塩素濃度が所定の基準値、本実施例では、0.1ppm以上を満たすのに必要な電流量を算出して、当該第3の水質検出部23の上流側に設けられる第1の電解処理装置6の電解強度を制御する。具体的には、当該第3の水質検出部23付近の排水の残留塩素濃度が0.1ppmに満たない場合には、上記色度に基づき算出された電解強度に対し、更に、第1の電解処理装置6の電解強度を上昇させる制御を行い、当該残留塩素濃度が0.1ppm以上である場合には、上記色度に基づく電流密度の制御を維持する。
また、更に、本実施例では、制御装置12は、第3の水質検出部23の残留塩素濃度センサ24の検出値に基づき、第2の電解処理装置7の電解強度を制御する。尚、制御装置12は、当該電解強度が最大でも、滞留槽4の出口側の配管14に設けられる第2の水質検出部20の残留塩素濃度センサ22にて検出される検出値が本実施例では5ppmとなる電解強度よりも低い値であるものとする。これにより、処理後の排水を中水として再利用された際の、不快な塩素臭を抑制及び、配管の腐食を抑制することが可能となる。
また、上述したように滞留槽4は、順次収容される排水を所定期間、本実施例では少なくとも24時間滞留可能とする容量に構成されているため、電解処理装置6、7による排水の電解処理によって生成された次亜塩素酸や活性酸素種と排水中の色度の上昇に影響を及ぼす物質や窒素化合物、これらを含む有機物等との分解反応に要する時間を十分に確保することができる。これにより、確実に、色度や残留塩素濃度に関する水質基準を満たすことが可能となる。
尚、配管14を介して外部に排出される排水は、第2の水質検出部20において、排水の色度及び残留塩素濃度が検出される。制御装置12は、この第2の水質検出部20にて検出された排水の色度、残留塩素濃度が所定の水質基準、本実施例では色度10度以下、残留塩素濃度0.1ppm以上、5ppm未満である場合には、中水として排出可能なものとして、例えば表示手段などによって、その旨を表示する。また、制御装置12は、第2の水質検出部20にて検出される残留塩素濃度が所定の水質基準、即ち0.1ppmに満たない場合には、第2の電解処理装置7の電解強度を上昇させる制御を行う。
これにより、生物的処理槽2にて分解処理された後の排水は、適切に脱色処理された状態で、中水として再利用することが可能となる。そのため、当該中水がトイレ用水などに用いられた場合であっても、見た目にも違和感なく衛生的に中水を用いることが可能となる。
また、処理された後の中水の残留塩素濃度を精度良く調整することができ、所定の値、本実施例では、0.1ppm以上に確保することができるようになり、残留塩素濃度に関する水質基準を確実に満たすことが可能となる。
特に、本実施例では、滞留槽4における排水の少なくとも出口側となる位置に第2の電解処理装置7、当該第2の電解処理装置7よりも上流側となる位置に第1の電解処理装置6を設ける。そして、制御装置12は、入口側の配管13に設けられる色度センサ18と、滞留槽4の中間領域に設けられる残留塩素濃度センサ24に検出された検出値に基づいて第1の電解処理装置6を制御すると共に、出口側の配管14に設けられる残留塩素濃度センサ22に基づいて第2の電解処理装置7を制御するので、出口側の色度及び/又は残留塩素濃度のみで単一の電解手段をフィードバック制御する場合に比して、滞留槽4内の排水の色度や残留塩素濃度をより早い段階で調整することが可能となる。
これにより、必要最小限度の電解強度によって電解処理することにより、再利用水の色度又は色度及び残留塩素濃度を最適値に確実に維持することが可能となり、より一層、再利用水として好適なものとすることができる。
また、生物的処理槽2にて処理された後の排水を当該電解脱色処理装置1において電解処理することにより、排水の残留塩素濃度を所定の値以上とされることで、当該排水中に硝酸態窒素やアンモニア態窒素などの窒素化合物が残留している場合であっても、当該次亜塩素酸によって窒素ガスにまで確実に脱窒処理することが可能となる。
具体的には、第1の電解処理装置6において各電極8、9に電位が印加されることで、カソードを構成する電極8では、アノードを構成する電極9において生成された電子が供給され、排水中に残存する硝酸態窒素としての硝酸イオンが亜硝酸イオンに還元される(反応C)。更に亜硝酸イオンに還元された硝酸態窒素は、カソードを構成する電極8側において、電子が供給され、アンモニア(アンモニウムイオン)まで還元される(反応D)。以下に、反応C及び反応Dを示す。
反応C NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応D NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
反応C NO3 -+H2O+2e-→NO2 -+2OH-
反応D NO2 -+5H2O+6e-→NH3(aq)+7OH-
また、上述する如く生成されたアンモニア及び排水中に残存するアンモニア(アンモニウムイオン)は、詳細は上述した如く排水中に生成された次亜塩素酸と反応し、複数の化学変化を経た後、窒素ガスに変換される(反応E)。尚、第1の電解処理装置6における排水の電解処理では、次亜塩素酸のほかにも、オゾンなどの活性酸素種が生成される。当該オゾン等の活性酸素種によっても、アンモニア(アンモニウムイオン)は、窒素ガスにまで脱窒処理される(反応F)。以下、反応E及び反応Fを示す。
反応E NH3+HClO→NH2Cl+H2O
NH2Cl+HClO→NHCl2+H2O
NH2Cl+NHCl2→N2↑+3HCl
反応F 2NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2O
反応E NH3+HClO→NH2Cl+H2O
NH2Cl+HClO→NHCl2+H2O
NH2Cl+NHCl2→N2↑+3HCl
反応F 2NH3(aq)+3(O)→N2↑+3H2O
これにより、例えば冬季等、外気温度が低く、電解脱色処理装置1の前段に設けられる生物的処理槽2における処理能力が低下する場合であっても、当該処理の程度が反映されている色度を直接、色度センサ18にて検出し、これに基づき、第1の電解処理装置6における電解強度を制御することで、色度を確実に低減処理し、且つ、排水中の硝酸態窒素や、亜硝酸態窒素、アンモニア態窒素に関しても、確実に脱窒処理を行うことが可能となる。
そのため、当該処理システムSに搬送される排水の水質に大きく影響されることなく、一定の水質基準を満たす中水として再利用に供することが可能となる。
尚、本実施例における第1の水質検出部16に設けられる塩化物イオン濃度センサ19は、電気導電率検出手段や、濁度センサ若しくは、第1の電解処理装置6に設けられる電極8、9への印加電圧値を検出する手段などにより構成しても良いものとする。また、第1の水質検出部16には、滞留槽4内に流入される排水中の有機物濃度、即ちBOD、CODを検出する手段を設け、上記制御に加えて、当該検出値に基づき、第1の電解処理装置6の電解強度を制御しても良いものとする。
また、当該実施例において第3の水質検出部23は、設けない場合であっても良く、係る場合には、当該滞留槽4内から排出される排水の水質を検出する第2の水質検出部20の残留塩素濃度センサ22により検出された残留塩素濃度に基づき、第1の電解処理装置6の電解強度を制御しても良いものとする。
次に、図5を参照して、第2の実施例としての電解脱色処理装置31について説明する。図5は第2の実施例としての電解脱色処理装置31の概要を示す説明図である。係る実施例における電解脱色処置装置31は、上記実施例における装置1と略同様の構成とされており、制御装置及び各水質検出部の構成が異なるものである。
即ち、電解脱色処理装置31を構成する前記配管13には、滞留槽4に流入される排水の水質を検出するための第1の水質検出部33が設けられ、当該水質検出部33は、前記制御装置32に接続される。また、同じく電解脱色処理装置31を構成する前記配管14には、滞留槽4から流出される中水(処理後の排水)の水質を検出するための第2の水質検出部36が設けられ、当該水質検出部36は、同じく前記制御装置32に接続される。更に、滞留槽4の例えば中間領域、即ち、処理室3内の中央部分には、第3の水質検出部38が設けられ、当該水質検出部38も前記制御装置32に接続される。
本実施例において第1の水質検出部33は、当該配管13を介して生物的処理槽2から滞留槽4内に流入する排水の流入量を検出するための流入量センサ34と、排水中の塩化物イオンの濃度を検出するための塩化物イオン濃度センサ35とから構成される。各センサ34、35により検出された検出値は、制御装置32に入力される。
本実施例において第2の水質検出部36は、当該配管14を介して外部等に排出される排水の残留塩素濃度を検出するための残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段)37から構成され、当該センサ37により検出された検出値は、制御装置32に入力される。
また、本実施例において第3の水質検出部38は、滞留槽4内の中間領域の排水の残留塩素濃度を検出するための残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段。但し、詳細は後述する如く色度の推定にも使用されることから色度検出手段を構成する。)39により構成される。当該センサ39により検出された検出値は、制御装置32に入力される。
以上の構成により、本実施例では、上述の如く生物的処理槽2にて分解処理がなされた後の排水、即ち、中水として再利用される前の水が配管13を介して滞留槽4内の処理室3内に順次、搬送される。尚、当該滞留槽4内に搬送された排水は、当該処理室3内に所定時間、本実施例では少なくとも24時間滞留した後、配管14を介して滞留槽4内から外部等に再利用可能な中水として取り出される。
ここで、配管13内を通過する排水は、第1の水質検出部33において、排水の流入量、塩化物イオン濃度が検出される。また、第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39により滞留槽4の中間領域における排水の残留塩素濃度が検出される。そこで、制御装置32は、第1の電解処理装置6に通電される通電量から、排水中に生成される次亜塩素酸量を算出すると共に、第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39により検出された残留塩素濃度により算出する。そして、前記発生次亜塩素酸量から残留塩素量を減算することにより、当該排水中における残留塩素消費量を算出し、滞留時間に対する次亜塩素酸消費率を算出する。そして、前述した如き図3及び図4の関係に基づき、滞留時間に対する次亜塩素酸消費率とから排水の色度を推定する。尚、図3及び図4の関係により導き出される情報を予め制御装置32は保有しているものとする。
制御装置32は、推定された色度が所定の色度、例えば10度以下である場合には、第1の電解処理装置6の電解強度を下げる、若しくは維持する制御を行うと共に、10度より高い場合には、排水の色度に対する電解により生成される残留塩素が不足していると判断して、第1の電解処理装置6の電解強度を増加させる制御を行う。
また、制御装置32は、第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39の検出値に基づき、当該滞留槽4の中間領域における排水の残留塩素濃度が所定の基準値、例えば0.1ppm以上を満たすのに必要な電流量を算出して第1の電解処理装置6の電解強度、即ち、電源10に供給される電流量を制御する。尚、本実施例では、制御装置32は、第1の電解処理装置6における電解強度を前記排水の推定色度及び残留塩素濃度のいずれの基準値を満たすことが可能となる電解強度に制御する。但し、制御装置32は、当該電解強度が最大でも、滞留槽4の出口側の配管14に設けられる第2の水質検出部36の残留塩素濃度センサ37にて検出される検出値が所定の高濃度、本実施例では5ppmとなる電解強度よりも低い値であるものとする。
これにより、係る実施例における制御装置32は、第1の電解処理装置6への通電量と、滞留槽4内への排水の流入量、塩化物イオン濃度と、所定の滞留時間経過後の残留塩素濃度センサ39の検出値に基づき、当該残留塩素濃度センサ39が設けられる付近の排水の色度を推定し、当該推定色度が所定の水質条件を満たす、例えば10度以下とすることを可能とする電流強度を算出し、当該電流強度にて、第1の電解処理装置6を制御し、滞留槽4内、処理室3内の排水の電気分解処理を行うことから、再利用される前の当該排水の色度を確実に所定の色度、本実施例では10度以下にまで落とすことが可能となる。特に、色度センサを用いることなく、残留塩素濃度センサを複数用いることで、残留塩素濃度の変化に基づき、排水の色度を推定して、当該排水の色度を所定の値以下となるまでに脱色処理することが可能となるため、格別に色度センサを設けることなく、再利用される前の排水の色度を確実に所定の色度以下にまで落とすことが可能となる。これにより、部品点数の削除を図ることができ、生産コストの高騰を抑止することができるようになる。
また、本実施例では、制御装置32は、第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39の検出値に基づき、当該滞留槽4の中間領域における排水の残留塩素濃度が所定の基準値、本実施例では、0.1ppm以上を満たすのに必要な電流量を算出して、当該第3の水質検出部38の上流側に設けられる第1の電解処理装置6の電解強度を制御する。具体的には、当該第3の水質検出部38付近の排水の残留塩素濃度が0.1ppmに満たない場合には、上記色度に基づき算出された電解強度に対し、更に、第1の電解処理装置6の電解強度を上昇させる制御を行い、当該残留塩素濃度が0.1ppm以上である場合には、上記色度に基づく電流密度の制御を維持する。
また、更に、当該実施例では、制御装置32は、第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39の検出値に基づき、第2の電解処理装置7の電解強度を制御する。尚、制御装置32は、当該電解強度が最大でも、滞留槽4の出口側の配管14に設けられる第2の水質検出部36の残留塩素濃度センサ37にて検出される検出値が本実施例では5ppmとなる電解強度よりも低い値であるものとする。
尚、配管14を介して外部に排出される排水は、第2の水質検出部36において、排水の残留塩素濃度が検出される。制御装置32は、この第2の水質検出部36にて検出された排水の残留塩素濃度が所定の水質基準、本実施例では0.1ppm以上、5ppm未満である場合には、中水として排出可能なものとして、例えば表示手段などによって、その旨を表示する。また、制御装置32は、第2の水質検出部36にて検出される残留塩素濃度が所定の水質基準、即ち0.1ppmに満たない場合には、第2の電解処理装置7の電解強度を上昇させる制御を行う。
これにより、生物的処理槽2にて分解処理された後の排水は、適切に脱色処理された状態で、中水として再利用することが可能となる。そのため、当該中水がトイレ用水などに用いられた場合であっても、見た目にも違和感なく衛生的に中水を用いることが可能となる。
また、処理された後の中水の残留塩素濃度を精度良く調整することができ、所定の値、本実施例では、0.1ppm以上に確保することができるようになり、残留塩素濃度に関する水質基準を確実に満たすことが可能となる。
特に、本実施例では、滞留槽4における排水の少なくとも出口側となる位置に第2の電解処理装置7、当該第2の電解処理装置7よりも上流側となる位置に第1の電解処理装置6を設ける。そして、制御装置32は、入口側の配管13に設けられる第1の水質検出部33において検出される排水の流入量、塩化物イオン濃度と、滞留槽4の中間領域に設けられる第3の水質検出部38の残留塩素濃度センサ39に検出された検出値に基づいて、第3の水質検出部38が設けられる付近の排水の色度を推定する。当該推定色度に基づき、制御装置32は、第1の電解処理装置6を制御すると共に、出口側の配管14に設けられる残留塩素濃度センサ22に基づいて第2の電解処理装置7を制御するので、出口側の色度及び/又は残留塩素濃度のみで単一の電解手段をフィードバック制御する場合に比して、滞留槽4内の排水の色度や残留塩素濃度をより早い段階で調整することが可能となる。
これにより、再利用水の色度又は色度及び残留塩素濃度を最適値に確実に維持することが可能となり、より一層、再利用水として好適なものとすることができる。
次に、図6を参照して、第3の実施例としての電解脱色処理装置41について説明する。図6は本実施例における電解脱色処理装置41の概要を示す説明図である。係る実施例における電解脱色処置装置41は、上記実施例における装置1と略同様の構成とされており、制御装置及び各水質検出部の構成が異なるものである。
即ち、電解脱色処理装置41を構成する前記配管13には、滞留槽4に流入される排水の水質を検出するための第1の水質検出部43が設けられ、当該水質検出部43は、前記制御装置42に接続される。また、同じく電解脱色処理装置41を構成する前記配管14には、滞留槽4から流出される中水(処理後の排水)の水質を検出するための第2の水質検出部47が設けられ、当該水質検出部47は、同じく前記制御装置42に接続される。更に、滞留槽4の例えば中間領域、即ち、処理室3内の中央部分には、第3の水質検出部49が設けられ、当該水質検出部49も前記制御装置42に接続される。
本実施例において第1の水質検出部43は、当該配管13を介して生物的処理槽2から滞留槽4内に流入する排水の流入量を検出するための流入量センサ44と、排水の色度を検出する色度センサ(色度検出手段。但し、詳細は後述する如く残留塩素濃度の推定に用いられる場合には、残留塩素濃度検出手段を構成する。)45と、排水中の塩化物イオンの濃度を検出するための塩化物イオン濃度センサ46とから構成される。各センサ44、45、46により検出された検出値は、制御装置42に入力される。
本実施例において第2の水質検出部47は、当該配管14を介して外部等に排出される排水の色度を検出するための色度センサ(色度検出手段。但し、詳細は後述する如く残留塩素濃度の推定に用いられる場合には、残留塩素濃度検出手段を構成する。)48から構成され、当該センサ48により検出された検出値は、制御装置42に入力される。
また、本実施例において第3の水質検出部49は、滞留槽4内の中間領域の排水の色度を検出するための色度センサ(色度検出手段)50により構成される。当該センサ50により検出された検出値は、制御装置42に入力される。
以上の構成により、本実施例では、上述の如く生物的処理槽2にて分解処理がなされた後の排水、即ち、中水として再利用される前の水が配管13を介して滞留槽4内の処理室3内に順次、搬送される。尚、当該滞留槽4内に搬送された排水は、当該処理室3内に所定時間、本実施例では少なくとも24時間滞留した後、配管14を介して滞留槽4内から外部等に再利用可能な中水として取り出される。
ここで、配管13内を通過する排水は、第1の水質検出部43において、排水の流入量、色度、塩化物イオン濃度が検出される。そこで、制御装置32は、当該流入量、色度、塩化物イオン濃度に基づき、当該排水の色度を所定の基準値、本実施例では10度以下とするのに、必要な電流量、即ち、電解強度を算出し、当該電解強度に基づき、第1の電解処理装置6を通電制御する。
また、制御装置32は、上記第1の水質検出部43の色度センサ45にて検出された色度と、第2の水質検出部47の色度センサ48にて検出された色度に基づき、当該滞留槽4の入口側から出口側に至るまでの排水の色度の変化量を算出し、当該色度の変化量と、前述した如き図3及び図4の関係に基づき、滞留時間に対する残留塩素消費率を推定する。そして、制御装置42は、当該推定残留塩素消費率に基づき、第2の水質検出部47が設けられる位置の排水の残留塩素濃度が所定の例えば0.1ppm以上となるのに必要な電流量、即ち電解強度にて、第2の電解処理装置7の通電制御を行う。尚、図3及び図4の関係により導き出される情報を予め制御装置42は保有しているものとする。
これにより、係る実施例における制御装置42は、滞留槽4内への排水の流入量、色度、塩化物イオン濃度に基づき、中間領域に設けられる色度センサ50又は出口側に設けられる色度センサ48により検出される排水の色度が所定の値、本実施例では10度以下となるように、第1の電解処理装置6及び第2の電解処理装置7の通電制御を行うことにより、再利用される前の当該排水の色度を確実に所定の色度、本実施例では10度以下にまで落とすことが可能となる。
また、上述したように、入口側に設けられる色度センサ45(第1の水質検出部43)により検出された色度と、出口側に設けられる色度センサ48(第2の水質検出部47)により検出された色度との差により、滞留槽4内における色度の変化に基づき、出口側に位置する排水の残留塩素濃度を推定し、当該推定残留塩素濃度に基づき、所定の残留塩素濃度、本実施例では、0.1ppm以上となるように、制御装置42が第1の電解処理装置6及び第2の電解処理装置7の通電制御を行う。
そのため、排水の色度を検出することで、処理後の排水の残留塩素濃度を所定の値以上、0.1ppm以上に制御することが可能となり、格別に残留塩素濃度センサを用いることなく、処理後の排水の残留塩素濃度を水質基準を満たす濃度にまで調整することが可能となる。この場合、残留塩素濃度センサを用いることなく、色度センサを複数用いることで、色度の変化に基づき、排水の残留塩素濃度を推定して、当該排水の次亜塩素酸濃度を所定の値以上とすることが可能となるため、格別に残留塩素濃度センサを設けることなく、再利用される前の排水の残留塩素濃度を確実に所定の値以上とすることが可能となる。これにより、部品点数の削除を図ることができ、生産コストの高騰を抑止することができるようになる。
これにより、生物的処理槽2にて分解処理された後の排水は、適切に脱色処理された状態で、中水として再利用することが可能となる。そのため、当該中水がトイレ用水などに用いられた場合であっても、見た目にも違和感なく衛生的に中水を用いることが可能となる。
また、処理された後の中水の次亜塩素酸濃度を色度の変化量を算出することによって、消費次亜塩素酸濃度を推定し、これに基づき、各電解処理装置6、7における通電制御を行うことで、精度良く調整することができ、所定の値、本実施例では、0.1ppm以上に確保することができるようになり、残留塩素濃度に関する水質基準を確実に満たすことが可能となる。
尚、上記各実施例では、滞留槽4は、単一の槽にて構成し、当該滞留槽4の入口側に設けられる第1の水質検出部と、出口側に設けられる第2の水質検出部と、中間領域に設けられる第3の水質検出部によって、各電解処理装置6、7の通電制御を行い、排出される排水の色度や残留塩素濃度の調整を行っているが、これに限定されるものではない。即ち、滞留槽4は、図7に示すように、複数、例えば2つに分け、前段に位置する滞留槽4Aに電解処理装置6を設け、後段に位置する滞留槽4Bに電解処理装置7を設けても良い。係る場合においても、上記各実施例と同様に、複数段階、即ち、滞留槽4Aに流入される排水の水質を検出する第1の水質検出部16と、滞留槽4Bから流出される排水の水質を検出する第2の水質検出部20と、滞留槽4Aから滞留槽4Bに搬送される排水の水質を検出する第3の水質検出部23とを備え、各検出部における検出に基づき、上記各実施例と同様に、第1の電解処理装置6及び第2の電解処理装置7の通電制御を行うことにより、生物的処理槽2にて分解処理された後の排水を、適切に脱色処理された状態で、中水として再利用することが可能となる。
また、図7に示される実施例では、後段の滞留槽4Bの出口側に設けられる配管14には、希釈用タンク51が介設された返送用配管52を設けても良い。当該希釈用タンク51は、返送用配管52を介して、予め所定の水質基準を満たす程度にまで処理された後の排水を、貯溜しておく補助タンクである。第2の水質検出部20にて検出される排水の水質基準を充足しない場合、例えば、残留塩素濃度が5ppmよりも高い場合などは、配管14を介して外部に排出される排水に対し、当該希釈用タンク51から水質基準を満たす中水を合流させることにより、前記排水を希釈処理しながら、外部に排水処理することが可能となる。
尚、上記各実施例では、電解脱色処理装置1は、2つの電解処理装置6、7を備えているものであるが、当該構成に限定されるものではなく、一台の電解処理装置を各色度センサ18等に基づき検出された排水の色度に基づいて電解強度の制御が行われるものであっても良いものとする。
S 処理システム
1、31、41 電解脱色処理装置
2 生物的処理槽
3 処理室
4、4A、4B 滞留槽
6 第1の電解処理装置
7 第2の電解処理装置
8、9 電極
10、11 電源
12、32、42 制御装置
13、14 配管
16、33、43 第1の水質検出部
17、34、44 流入量センサ
18、21、45、48、50 色度センサ(色度検出手段)
19、35、46 塩化物イオン濃度センサ
20、36、47 第2の水質検出部
22、24、39 残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段)
23、38、49 第3の水質検出部
51 希釈用タンク
52 返送用配管
1、31、41 電解脱色処理装置
2 生物的処理槽
3 処理室
4、4A、4B 滞留槽
6 第1の電解処理装置
7 第2の電解処理装置
8、9 電極
10、11 電源
12、32、42 制御装置
13、14 配管
16、33、43 第1の水質検出部
17、34、44 流入量センサ
18、21、45、48、50 色度センサ(色度検出手段)
19、35、46 塩化物イオン濃度センサ
20、36、47 第2の水質検出部
22、24、39 残留塩素濃度センサ(残留塩素濃度検出手段)
23、38、49 第3の水質検出部
51 希釈用タンク
52 返送用配管
Claims (4)
- し尿を含む排水を分解処理し、中水として再利用する排水処理装置であって、
再利用される前の前記排水を電解処理する電解手段と、該電解手段にて処理される前記排水の色度を検出する色度検出手段と、該色度検出手段により検出された前記排水の色度に基づき、当該色度が所定の値以下となるよう前記電解手段を制御する制御手段とを備えたことを特徴とする排水処理装置。 - 前記電解手段は、前記排水を電解処理することにより、次亜塩素酸及び活性酸素種を発生させると共に、再利用される前の前記排水の残留塩素濃度を検出する残留塩素濃度検出手段を備え、前記制御手段は、前記残留塩素濃度検出手段を前記色度検出手段として用い、前記残留塩素濃度検出手段により検出された前記排水の残留塩素濃度から当該排水の色度を推定することを特徴とする請求項1に記載の排水処理装置。
- 再利用される前の前記排水を所定期間滞留させるための滞留槽を備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れかに記載の排水処理装置。
- 前記滞留槽における排水の少なくとも出口側となる位置とそれよりも上流側となる位置に前記電解手段をそれぞれ設け、前記制御手段は、前記滞留槽における排水の入口側から前記出口側に至る複数箇所における色度、及び/又は、残留塩素濃度に基づいて前記各電解手段を制御することを特徴とする請求項3に記載の排水処理装置。
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Cited By (3)
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---|---|---|---|---|
JP2012205985A (ja) * | 2011-03-29 | 2012-10-25 | Sumitomo Osaka Cement Co Ltd | 膜分離を用いた排水の処理方法および処理装置 |
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2006
- 2006-03-20 JP JP2006076523A patent/JP2007252965A/ja active Pending
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