JPH10473A - 廃水処理方法および廃水処理装置 - Google Patents

廃水処理方法および廃水処理装置

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JPH10473A
JPH10473A JP8151282A JP15128296A JPH10473A JP H10473 A JPH10473 A JP H10473A JP 8151282 A JP8151282 A JP 8151282A JP 15128296 A JP15128296 A JP 15128296A JP H10473 A JPH10473 A JP H10473A
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JP
Japan
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wastewater
nitrogen
cathode
anode
electrode
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JP8151282A
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Toshiaki Tsubone
俊明 局
Tatsuo Takechi
辰夫 武智
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JFE Engineering Corp
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NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F1/00Treatment of water, waste water, or sewage
    • C02F1/46Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods
    • C02F1/461Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis
    • C02F1/467Treatment of water, waste water, or sewage by electrochemical methods by electrolysis by electrochemical disinfection; by electrooxydation or by electroreduction
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C02TREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02FTREATMENT OF WATER, WASTE WATER, SEWAGE, OR SLUDGE
    • C02F2101/00Nature of the contaminant
    • C02F2101/10Inorganic compounds
    • C02F2101/16Nitrogen compounds, e.g. ammonia

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  • Water Treatment By Electricity Or Magnetism (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】消費エネルギーの小さい廃水中の窒素成分の除
去を可能とする廃水処理方法および廃水処理装置を提供
する。 【解決手段】反応槽11の内部には一対の陽極12およ
び陰極13が互いに対向して配置されている。陽極12
はンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する能力を有する電
極で構成されている。一方、陰極13は、水を水素ガス
に還元する能力を有する電極で構成される。反応槽11
には、一方に流入水1が供給される供給側パイプ17
が、他方には処理水2が排出される排出側パイプ18が
夫々接続されている。処理水1を供給側パイプ17を介
して反応槽11に導入し、陽極12および陰極13の間
に電源16から夫々配線14、15を介して直流電圧を
印加し、廃水に電流を流して電気分解を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、廃水処理方法およ
び廃水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、汚水中から窒素成分を除去する方
法としては、生物学的方法や物理化学的方法が用いられ
ている。これらのうち生物学的方法は、アンモニア態窒
素を酸化する能力を有する微生物の作用を利用して、廃
水中のアンモニア態窒素を、亜硝酸態窒素または硝酸態
窒素(以下、NOx−Nと記す)まで酸化した後、NO
x−Nを還元する能力を有する微生物の作用を利用し
て、廃水中のNOx−Nを窒素ガスに還元して、大気中
に放散させる方法である。
【0003】かかる生物学的方法では、NOx−Nを窒
素ガスに還元するに当たって還元剤が必要である。例え
ば、水の電気分解によって陰極で発生する水素ガスを還
元剤として利用する方法(以下、方法Iという)の研究
(水環境学会誌、vol.17,No.10,pp.623-631 )が行われ
ている。また、NOx−Nを電解還元して窒素ガスに処
理する方法(以下、方法IIという)(特開平2−172
590号公報)も知られている。
【0004】また、物理化学的な処理方法としては、T
i/Pt等の材料を用いた電極を陽極として用い、廃水
を電気的に処理することによって廃水中のアンモニア態
窒素を窒素ガスに直接酸化する方法(以下、方法III と
いう)の研究が行われている(Water Research,vol.29,
No.2,pp.517-524,(1995))。また、水の電気分解により
発生する次亜塩素酸を利用して、アンモニアを処理する
方法(以下、方法IVという)(中村文雄ら訳、”廃水の
高度浄化法”、p.224,pp.205-206(1975))も公知であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来の方法I〜IVは、何れも問題がある。方法Iでは、
陰極での水素の生成反応は下式(1)で、発生した水素
と硝酸態窒素の反応は下式(2)で表される。 H2 O+e- → 1/2 H2 +OH- (1) 2 NO3 - +2 H+ +5 H2 → N2 +6 H2 0 (2) 式(1)および(2)から1モルの硝酸態窒素を窒素ガ
スに還元するためには、10ファラデーの電気量が必要
であることが判る。従って、電圧を3Vと仮定すると、
硝酸態窒素濃度が25mg/lの廃水1m3 を処理する
のに必要な電力量は、0.72KWHと計算される。こ
の値は、生物学的な窒素除去方法における処理プロセス
全体(ポンプ類、ブロワー等)での消費電力が0.5K
WH程度であることを考えると非常に大きな値であり、
よって方法Iは、エネルギー消費の面から問題がある。
【0006】さらに、方法Iでは、陽極に炭素材が用い
られている。このため、陽極では、発生する酸素によっ
て炭素材が二酸化炭素に変わる反応が起こっているだけ
で、陽極は、廃水の処理には利用されていない。
【0007】方法IIについても、方法Iと同様の問題が
認められる。また、方法III では、陽極での反応は下式
(3)に従うとされている。 2 NH3 +6 OH- →N2 +6 H2 O+6 e- (3) この式(3)から、1モルのアンモニア態窒素を窒素ガ
スに酸化するためには、3ファラデーの電気量が必要で
あることが判る。従って、電圧を3Vと仮定すると、ア
ンモニア態窒素濃度が25mg/lの廃水1m3 を処理
するのに必要な電力量は0.22KWHと計算される。
一方、従来の窒素除去型ではない生物処理プロセスの消
費エネルギーは0.2〜0.4KWH/m3 とされてい
る。故に、この生物処理プロセスの消費エネルギーに上
述の電気量を加算すると、方法IIにおける総消費エネル
ギーは、0.42〜0.62KWH/m3 となる。この
値は、生物学的な窒素除去方法における処理プロセス全
体(ポンプ類、ブロワー等)での消費電力である0.5
KWH程度と比べて大差無い値ではあるが、現段階で
は、電流効率は20%程度以下と小さい値しか得られ
ず、やはりエネルギー消費の面から問題がある。
【0008】また、方法III では、陰極から水素が発生
するが、この水素を積極的に処理に利用しようとした例
はない。方法IVにおいても、消費エネルギーは大きく、
陰極から発生する水素を積極的に処理に利用しようとし
た例はない。
【0009】本発明は、かかる点に鑑みてなされたもの
であり、消費エネルギーの小さい廃水中の窒素成分の除
去を可能とする廃水処理方法および廃水処理装置を提供
する。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、陽極としてア
ンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する能力を有する電極
または塩素イオンを塩素ガスに酸化する能力を有する電
極を、陰極として水を水素ガスに還元する能力を有する
電極または硝酸態窒素を窒素ガスに還元する能力を有す
る電極を夫々配した反応槽内に廃水を導入し、前記陽極
および前記陰極の間に電圧を印加して前記廃水の電気分
解を行い、前記陽極において前記廃水中のアンモニア態
窒素を窒素ガスに酸化すると共に、前記陰極において前
記廃水中の硝酸態窒素を窒素ガスに還元することを特徴
とする廃水処理方法を提供する。
【0011】また、本発明は、廃水が導入される反応槽
と、前記反応槽内に配置された、アンモニア態窒素を窒
素ガスに酸化する能力を有する電極または塩素イオンを
塩素ガスに酸化する能力を有する電極で構成された陽極
と、前記反応槽内に配置された、水を水素ガスに還元す
る能力を有する電極または硝酸態窒素を窒素ガスに還元
する能力を有する電極で構成された陰極とを具備し、前
記反応槽内に廃水を導入し、前記陽極および前記陰極の
間に電圧を印加して前記廃水の電気分解を行い、前記陽
極において前記廃水中のアンモニア態窒素を窒素ガスに
酸化すると共に、前記陰極において前記廃水中の硝酸態
窒素を窒素ガスに還元することを特徴とする廃水処理装
置を提供する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の廃水処理方法およ
び廃水処理装置の実施形態を図面を参照して説明する。
図1は、本発明の廃水処理方法に用いられる廃水処理装
置の第1実施形態を示す概略図である。図中11は反応
槽である。反応槽11の内部には、一対の陽極12およ
び陰極13が互いに対向して配置されている。陽極12
は、アンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する能力を有す
る電極で構成されている。アンモニア態窒素を窒素ガス
に酸化する能力を有する電極は、例えば、表面を白金で
被覆されたチタン電極(Ti/Pt電極)、表面を白金
とイリジウムで被覆されたチタン電極(Ti/Pt/I
r)等である。
【0013】一方、陰極13は、水を水素ガスに還元す
る能力を有する電極で構成される。この第1実施形態で
は、陰極13は、表面に微生物が固定化された炭素電極
である。
【0014】上記陽極12および陰極13は、夫々配線
14、15を介して電源16の陽極側および陰極側に夫
々接続されている。上記反応槽11には、一方に処理前
の廃水(以下、流入水という)1が供給される供給側パ
イプ17が、他方には処理済の廃水(以下、処理水とい
う)2が排出される排出側パイプ18が夫々接続されて
いる。
【0015】上述の廃水処理装置10を用いて次のよう
な廃水処理が行われる。この第1実施形態では、廃水を
供給側パイプ17を介して反応槽11に導入し、陽極1
2および陰極13の間に電源16から夫々配線14、1
5を介して直流電圧を印加し、廃水に電流を流して電気
分解を行う。
【0016】この電気分解における消費電力は電圧と電
流と通電時間の積に比例するが、反応量は電流と通電時
間の積に比例する。よって、一定の反応量を一定の時間
で得ようとした場合、所定の電流を流す必要があり、電
流は下げることができないので、消費電力を減ずるため
には電圧を下げれば良い。電圧は電流と抵抗の積であ
り、前述のように電流値は一定であるとすれば、電圧を
下げるためには抵抗を下げる必要がある。第1実施形態
における陽極12および陰極13の間の電気抵抗は、廃
水の電気伝導度、電極間距離および電極面積の関数であ
り、電気伝導度が一定であれば電極間距離が小さいほ
ど、陽極12および陰極13の面積が大きいほど、電極
間の電気抵抗が小さくなる。このことから、処理エネル
ギーの低減のためには、電極総面積を大とし、電極を近
接させて設置することが望ましい。ただし、電極総面積
が大きくなると、反応装置が大型化する。このため、実
用的な電極間電位差は、0.5V〜12Vの範囲内であ
る。
【0017】電気分解に関する制御方法としては、 ・実際の処理水水質と要求処理水水質の関係から制御す
る方法(以下、水質制御と記す)、 ・定電流で行う方法、 ・定電圧で行う方法、 ・定電流で制御しつつ、電圧の上限設定値を設ける方法
(以下、電圧上限設定定電流制御と記す)等がある。
【0018】ここで電圧上限設定定電流制御は、反応が
進み、残留アンモニア濃度や残留NOx−N濃度が小さ
くなると、液の電導度が低下するため、定電圧で運転す
るためには電圧が上昇することを利用したものである。
【0019】また、水質制御の方法としては、 ・反応槽内または反応槽出口近辺にアンモニアセンサ
ー、NOx−Nセンサーなどのセンサーを設置し、その
出力から電流および電圧を制御する方法、 ・反応槽内または反応槽出口近辺から反応槽内水または
処理水を採取し、分析計で水質を分析し、その値から電
流および電圧を制御する方法、 ・反応槽内または反応槽出口近辺にORP計や電導度計
などの、残留アンモニア濃度や残留NOx−N濃度と相
関のあるデータを得ることのできるセンサーを設置し、
これらのデータから電流および電圧を制御する方法 等がある。
【0020】なお、上述の複数の制御方法のうち2種類
以上を組み合わせることも可能である。流入水1の反応
槽11への導入方法としては、連続的に反応槽11へ流
す連続処理と、反応槽11内で所定の反応率が得られた
段階で、反応槽11内廃水の一部または一部を未処理の
廃水と入れ換える回分処理の両方が可能である。
【0021】連続処理の場合で、流入水1の水質および
流入水1の水量がほぼ一定の場合には、定電圧制御、定
電流制御、電圧上限設定制御および水質制御のいずれの
場合もほぼ同様の制御となる。また、連続処理の場合
で、流入水1の水質および/または流入水1の水量が変
動する場合には、処理水の水質の変動の大きさは定電流
制御≧電圧上限設定定電流制御>定電圧制御>水質制御
の順となり、消費電力は、この逆の順となる。制御方法
の選定に当たっては消費電力と処理水の水質および制御
のための装置費用を総合して検討、選定する必要がある
が、一般的には定電圧制御が効果的である。これは、流
入水の流量または(および)濃度の変動によって反応槽
内のアンモニア態窒素やNOx−Nの濃度が上昇する
と、液の電導度が上昇するため、定電圧であっても電流
が上昇し、反応速度が上昇すること、および、負荷が低
下し、処理水質が十分低下すると、液の電導度が低下
し、電流が低下し、無駄なエネルギーの消費が抑えられ
るという特性を定電圧制御が有するためである。
【0022】一方、回分処理の場合には、上記の水質の
測定や水質と相関のある項目の測定をすることにより、
要求処理水質を満足した時点を知ることができ、常に安
定した水質の処理水が得られるという特徴がある。ま
た、適当な大きさの原水貯留槽を設置することで、反応
槽自体の運転を間欠運転とすることもできる。回分処理
の場合の電流または(および)電圧の制御方法には連続
処理の項に記載した制御方法が利用できるが、制御方法
の選定に当たっては消費電力と処理水質および制御のた
めの装置費用を総合して検討、選定する必要がある。
【0023】また、廃水の流量については、現状で開発
されている電極での電力効率を考えると、10ファラデ
ーの電流で1モルの硝酸態窒素の処理と同時に0.67
モルのアンモニア態窒素の処理が可能であるため、硝酸
態窒素:アンモニア態窒素の比率が1:0.67となる
ように流量を設定することが効果的である。ただし、最
適比率は、流入水の性状や、電極の効率によって異な
る。
【0024】以上説明した第1実施形態にかかる廃水処
理方法では、上記式(1)、(2)および(3)式の反
応が同時に進行する。このため、電流が陽極と陰極の両
方で利用される。つまり、上記説明した通り、従来の方
法I、IIでは、1モルの硝酸態窒素の還元に必要な水素
を発生させるために、10ファラデーの電流が必要であ
り、この電流は陽極では有効利用されれていない。しか
しながら、この第1実施形態の方法では、陽極12はア
ンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する能力を有する電極
で構成されているため、この電流が陽極12でも有効利
用される。これにより、この第1実施形態の方法では、
陽極12での電力の利用効率を20%と仮定した場合、
10ファラデーの電流で1モルの硝酸態窒素の処理と同
時に、0.67モルのアンモニア態窒素の処理が可能と
なる。よって、窒素元素に着目すれば、方法I,IIでは
1モルの窒素の処理が行われた電力量によって、本発明
では1.67モルの窒素の処理が行われることとなる。
陽極12での効率が向上すればさらに大きな値となる。
以上説明したように、本発明の第1実施形態の廃水処理
方法によれば、従来の方法と比較して大幅な処理エネル
ギーの削減が可能となる。
【0025】上記第1実施形態の廃水処理方法および廃
水処理装置では、陽極12にアンモニア態窒素を窒素ガ
スに酸化する能力を有する電極を用いたが、処理する廃
水中に塩素イオンが含まれている場合には、陽極12と
して塩素イオンを塩素ガスに酸化する能力を有する電極
を使用することができる。この電極は、例えば、アルミ
ニウムや鉄の合金、二酸化鉛等である。また、廃水中に
塩素イオンが含まれていない場合または塩素イオン濃度
が低い場合には、廃水に塩化物を添加して、反応効率を
高めることもできる。
【0026】一方、上記第1実施形態の方法では、陰極
13に、水を水素ガスに還元する能力を有する電極を用
い、陰極13にて水素を発生させて電極に固定化させた
微生物により硝酸態窒素を処理する以外に、硝酸態窒素
を窒素ガスに還元する能力を有する電極を用いることも
できる。
【0027】また、第1実施形態の廃水処理方法におい
て、反応槽11内を攪拌して良い。これにより、廃水と
陽極12および陰極13との接触効率が高められ、反応
効率を高く保つ上で有効である。反応槽11内の攪拌
は、例えば廃水中にガスを吹き込むことにより行うこと
ができる。
【0028】以下、本発明の廃水処理方法および廃水処
理装置の第2実施形態を、図2を参照して説明する。第
2実施形態にかかる廃水処理装置20は、反応槽21内
に、反応槽21を陽極22および陰極23側に分割する
隔膜24が設けられている。隔膜24は、電気を通し、
水、固形物、アンモニア態窒素、硝酸態窒素を実質的に
透過しない導電性隔膜で構成されている。
【0029】反応槽21の陽極22側の陽極室25に
は、主にアンモニア態窒素を含有する流入水26が導入
され、一方、反応槽21の陰極23側の陰極室27に
は、硝酸態窒素を主に含有する流入水28が導入される
ようになっている。また、陽極室25および陰極室27
から排出された処理水29は合流するようになってい
る。
【0030】このような第2実施形態にかかる廃水処理
装置20においても、第1実施形態の廃水処理方法と同
様に、回分処理と連続処理が可能であり、第1実施形態
について説明した種々の制御方法も同様に適用可能であ
る。
【0031】第2実施形態は、反応槽21内に隔膜24
を設けたことを特徴とする。この隔膜24により、陽極
22で反応するアンモニア態窒素は陽極室25に、陰極
23で反応する硝酸態窒素は陰極室27に保持されるた
め、夫々の室に収容された液は対極側の液で希釈されな
いため、反応成分と電極の接触効率が向上する。
【0032】また、第2実施形態にかかる廃水処理方法
においては、硝酸態窒素の還元を陰極23において電極
反応で生成される水素により行う他、陰極室27にメタ
ノールなどの種々の有機物を添加して、かかる有機物を
還元剤として硝酸態窒素を還元することができる。この
際、隔膜24があるため、この有機物が陽極22側へ移
動せず、有機物の陽極22における反応および分解を防
ぐことができる。
【0033】なお、有機物の過剰添加は、処理水への有
機物の流出を招く恐れがあるため好ましくないが、処理
水に流出した有機物を別途処理を行うこともできる。反
応槽21の陰極室28へ有機物を添加する代わりに、有
機物を含有する廃水を流入水として陰極室28に導入す
ることもできる。ただし、陰極26側ではアンモニア態
窒素の除去は行われないため、この際の有機物を含有す
る廃水としては、アンモニア態窒素/有機物の比の小さ
い廃水を用いることが好ましい。
【0034】さらに、隔膜24を反応槽21内に設けた
場合には、陽極22側が酸化側であるため、陽極室25
内に空気のような酸素含有ガスを吹き込むことによっ
て、撹拌を行うことができる。一方、陰極23側をガス
撹拌する場合には、陰極室27では還元反応が行われる
ので酸素を含有しないガスを吹き込む必要がある。
【0035】次に、本発明の廃水処理方法および廃水処
理装置の第3実施形態について図面を参照して説明す
る。図3に示す第3実施形態にかかる廃水処理装置30
は、反応槽31内に、第2実施形態と同様に、反応槽3
1を陽極32側および陰極33側に分割する隔膜34が
設けられている。
【0036】反応槽21の陽極室35には、主にアンモ
ニア態窒素を含有する流入水36が導入され、一方、陰
極室37には、硝酸態窒素を主に含有する流入水38が
導入されるようになっている。
【0037】陰極室37の排出側にはフィルタ37aが
設けれれている。また、陽極室35および陰極室37か
ら排出された処理水29は合流するようになっている。
この第3実施形態にかかる廃水処理装置30では、陰極
室37に活性汚泥のような浮遊微生物を投入して、この
微生物により硝酸態窒素を処理させる。
【0038】第2実施形態と同様に、主にアンモニア態
窒素を含有する廃水を陽極室35で、主に硝酸態窒素を
含有する廃水を陰極室37で処理する。この第3実施形
態にかかる廃水処理方法においても、第1実施形態の廃
水処理方法と同様に、回分処理と連続処理が可能であ
り、第1実施形態について説明した種々の制御方法も同
様に適用可能である。
【0039】上述の第3実施形態にかかる廃水処理方法
によれば、陰極34自体に微生物を固定化する必要はな
い。ただし、原水の性状や陰極材料、あるいは運転条件
によっては、自然発生的に電極表面に微生物膜が形成さ
れる場合がある。また、陰極室37の内あるいは陰極室
37の外で微生物と処理水の固液分離を行い、陰極室3
7に常に浮遊微生物を存在させる必要がある。陰極室3
7で処理された後の処理水から浮遊微生物を分離する必
要がある。微生物と処理水の固液分離には沈澱法、浮上
法、膜分離法、遠心分離法等を用いることができる。
【0040】また、第3実施形態にかかる廃水処理方法
においても、第2実施形態と同様に、硝酸態窒素の還元
を陰極37において電極反応で生成される水素により行
う他、陰極室37にメタノールなどの種々の有機物を添
加して、かかる有機物を還元剤として硝酸態窒素を還元
することができる。
【0041】なお、第3実施形態にかかる廃水処理方法
では、陽極室35内にも浮遊微生物を存在させることも
可能である。次に、本発明の廃水処理方法および廃水処
理装置の第4実施形態について図面を参照して説明す
る。図4に示す第4実施形態にかかる廃水処理装置40
は、第1実施形態にかかる廃水処理装置10と同様に、
反応槽41の内部には、一対の陽極42および陰極43
が互いに対向して配置されている。反応槽41には一方
から流入水44が導入されるようになっている。反応槽
41の他方にはフィルタ45が設けられ、反応槽41内
で処理された処理水46はフィルタ45を通って排出さ
れるようになっている。
【0042】このような第4実施形態にかかる廃水処理
装置40を用いた廃水処理方法では、反応槽41内の廃
水中に微生物を浮遊させた状態で陽極42および陰極4
3の間に電圧を印加して、電気分解処理を行う。この第
4実施形態にかかる廃水処理方法では、浮遊微生物は、
陰極43における硝酸態窒素の処理に利用される。
【0043】第4実施形態にかかる廃水処理装置40で
は、陰極42に塩素ガスを発生する電極を用いること
は、発生した塩素ガスが微生物の活性を阻害するので、
好ましくない。
【0044】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の廃水処理
方法および廃水処理装置によれば、陽極ではアンモニア
態窒素を窒素ガスに酸化するとともに、陰極で、硝酸態
窒素を窒素ガスに還元することにより、アンモニア態窒
素および硝酸態窒素をそれぞれを単独で行った場合と比
較して、消費エネルギーの大幅に削減することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃水処理方法に用いられる廃水処理装
置の第1実施形態を示す概略図。
【図2】本発明の廃水処理方法に用いられる廃水処理装
置の第2実施形態を示す概略図。
【図3】本発明の廃水処理方法に用いられる廃水処理装
置の第3実施形態を示す概略図。
【図4】本発明の廃水処理方法に用いられる廃水処理装
置の第4実施形態を示す概略図。
【符号の説明】
1…流入水、2…処理水、11…反応槽、12…陽極、
13…陰極、14、15…配線、16…電源、17…供
給側パイプ、18…排出側パイプ、24…隔膜。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陽極としてアンモニア態窒素を窒素ガス
    に酸化する能力を有する電極または塩素イオンを塩素ガ
    スに酸化する能力を有する電極を、陰極として水を水素
    ガスに還元する能力を有する電極または硝酸態窒素を窒
    素ガスに還元する能力を有する電極を夫々配した反応槽
    内に廃水を導入し、前記陽極および前記陰極の間に電圧
    を印加して前記廃水の電気分解を行い、前記陽極におい
    て前記廃水中のアンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する
    と共に、前記陰極において前記廃水中の硝酸態窒素を窒
    素ガスに還元することを特徴とする廃水処理方法。
  2. 【請求項2】 前記反応槽内に、電気を通すが廃水中の
    水分子、固形物、アンモニア態窒素および硝酸態窒素を
    実質的に透過しない導電性隔膜を配し、前記反応槽を陽
    極側および陰極側に隔てる請求項1記載の廃水処理方
    法。
  3. 【請求項3】廃水が導入される反応槽と、前記反応槽内
    に配置された、アンモニア態窒素を窒素ガスに酸化する
    能力を有する電極または塩素イオンを塩素ガスに酸化す
    る能力を有する電極で構成された陽極と、前記反応槽内
    に配置された、水を水素ガスに還元する能力を有する電
    極または硝酸態窒素を窒素ガスに還元する能力を有する
    電極で構成された陰極とを具備し、前記反応槽内に廃水
    を導入し、前記陽極および前記陰極の間に電圧を印加し
    て前記廃水の電気分解を行い、前記陽極において前記廃
    水中のアンモニア態窒素を窒素ガスに酸化すると共に、
    前記陰極において前記廃水中の硝酸態窒素を窒素ガスに
    還元することを特徴とする廃水処理装置。
  4. 【請求項4】 前記反応槽を陽極側および陰極側に隔て
    る、電気を通すが廃水中の水分子、固形物、アンモニア
    態窒素および硝酸態窒素を実質的に透過しない導電性隔
    膜をさらに具備する請求項3記載の廃水処理装置。
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