JP3973508B2 - 水処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、水処理装置に関し、特に、被処理水中の不要な成分を除去する水処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来の水処理装置では、地下水や家庭排水、工場排水などの被処理水に含まれる窒素酸化物含有水からの窒素酸化物の除去は、生物処理によって行なわれていた。生物処理とは、嫌気性条件下で、脱窒細菌の活動により窒素酸化物を窒素ガスに分解するものである。また、従来の水処理装置では、被処理水からリン成分を除去する際、金属イオンを被処理水内に供給するような薬剤が投入されていた。また、従来の水処理装置では、被処理水からSS(Suspended Solids:浮遊物質)を除去するために、凝集剤が投入されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、脱窒細菌の活動には、被処理水に対してBOD(biochemical oxygen demand)源が必要とされるため、被処理水の処理装置に対してメタノール等の添加が必要とされ、処理装置のメンテナンスが煩雑となる、という問題があった。また、生物処理は、反応時間が長いため、工場排水のような高濃度の窒素酸化物の処理には対応が難しく、さらに、冬期の気温低下時には、脱窒細菌の活動が低下し、安定した処理が困難となっていた。また、リン成分やSS成分の除去において薬剤を投入する場合、当該投入される薬剤の投入量の管理や攪拌条件、最適pHの選定等、メンテナンスが煩雑であった。
【0004】
本発明は、かかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、高い処理能力を容易にかつ安定して供給できる、水処理装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明のある局面に従った水処理装置は、被処理水を収容する収容部と、前記収容部に備えられた第1の電極対とを含み、前記第1の電極対の陰極は、両性金属を含む合金からなる第1の部材であることを特徴とする。
【0006】
本発明に従うと、第1の電極対に通電されると、陰極では、両性金属(たとえば、アルミニウムまたは亜鉛)が溶出して水溶液中の陰イオンと反応することにより、凝集剤が生成される。なお、両性金属の溶出は陰極で起こるため、当該金属の電極上での不動態化を回避できる。
【0007】
これにより、被処理水中のSS成分を処理するにおいて、高い処理能力を、生物処理等を用いた水処理装置と比較して容易にかつ安定して供給できる水処理装置を提供できる。
【0008】
本発明の他の局面に従った水処理装置は、被処理水を収容する収容部と、前記収容部に備えられた第1の電極対とを含み、前記第1の電極対の陰極は、当該陰極内の成分が溶出し、前記収容部内の、凝集剤として作用する水に不溶性の化合物を生成する金属を含む合金からなる第1の部材であることを特徴とする。
【0009】
本発明に従うと、第1の電極対に通電されると、陰極では、凝集剤が生成される。
【0010】
これにより、被処理水中のSS成分を処理するにおいて、高い処理能力を、生物処理等を用いた水処理装置と比較して容易にかつ安定して供給できる水処理装置を提供できる。
【0011】
また、本発明の水処理装置では、前記第1の部材は、銅を主成分とする合金であり、前記第1の電極対の陽極は、前記第1の部材により前記被処理水中の窒素酸化物が還元されて生成したアンモニウムイオンを酸化することが好ましい。
【0012】
これにより、被処理水中の窒素酸化物を、生物処理を用いることなく、つまり、高い処理能力でかつ安定して、窒素ガスへと変換できる。また、生物処理よりも装置をコンパクト化できるため、既設の排水処理装置に対して窒素酸化物除去機能を追加する際にも、設置スペースの不足や莫大な改造費用等の問題が生じることを回避できる。なお、陰極における第1の部材の一部の成分の酸化により、陰極上に電子が放出されるため、陰極における窒素酸化物の還元は促進される。
【0013】
また、本発明の水処理装置では、前記第1の部材は、銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金からなることが好ましい。
【0014】
これにより、被処理水中の窒素酸化物が効率よく窒素ガスへと変換される。
また、本発明の水処理装置では、前記収容部内を第1の槽と第2の槽に仕切る隔膜と、前記第1の槽内の被処理水に浸され陽極を構成する第1槽陽極と、前記第2の槽内の被処理水に浸され陰極を構成する第2槽陰極と、前記第1槽陽極および前記第2槽陰極に電力を供給する第1の電源とをさらに含むことが好ましい。
【0015】
これにより、陽極上の反応と陰極上の反応が、第1の槽と第2の槽とに分けられて、それぞれ効率よく行なわれる。つまり、陰極上における窒素酸化物の還元が効率よく行なわれる。
【0016】
また、本発明の水処理装置は、前記第2の槽内の被処理水が導入される槽であって、前記第1の槽および前記第2の槽とは異なる第3の槽と、前記第3の槽に酸化剤を添加する酸化剤添加部とをさらに含むことが好ましい。
【0017】
これにより、第2の槽における窒素酸化物の還元に基づいて発生したアンモニウムイオンを、第3の槽で、効率良く窒素ガスへと酸化できる。
【0018】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内に、水溶液中でアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを供給するアルカリ試薬を投入する、アルカリ試薬投入部材をさらに含むことが好ましい。
【0019】
これにより、容易に、収容部中の被処理水を強アルカリ性にできる。これにより、陰極における、両性金属等の金属の溶出を促進できる。
【0020】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内のpHを検出するpH検出部と、
前記pH検出部の検出出力に基づいて、前記アルカリ試薬投入部材による試薬の投入量を制御する投入量制御部とをさらに含むことが好ましい。
【0021】
これにより、pH検出部の検出出力を参照することにより、確実に、収容部中の被処理水を強アルカリとできるため、確実に、被処理水中の窒素酸化物の処理を行なえる。
【0022】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内の被処理水の硝酸イオン濃度を検出するための硝酸イオン電極と、前記第1の部材と前記硝酸イオン電極との間に設けられた遮蔽手段とをさらに含むことが好ましい。
【0023】
これにより、従来被処理水を採取してイオンクロマト装置で分析する等しなければ、電極の寿命が来て役に立たなくなっていることを認識することが難しかったが、このことを、被処理水内の硝酸イオン濃度を検出することにより、認識することができる。つまり、窒素酸化物の還元において電極または第1の部材の寿命が来ていることを容易にかつ的確に認識できることにより、より確実に被処理水における窒素酸化物の除去を行なうことができる。また、硝酸イオン電極と第1の部材との間に遮蔽部材が備えられることから、硝酸イオン電極における検出が、第1の部材が電極として用いられた際等に当該第1の電極から電気的影響を受けることを回避できる。
【0024】
また、前記収容部の被処理水が導入され酸化処理される水槽である流入部をさらに含むことが好ましい。
【0025】
これにより、被処理水中の窒素酸化物が還元されて生じたアンモニウムイオンを、容易にかつ確実に、窒素ガスへと酸化できる。
【0026】
また、本発明の水処理装置は、前記第1の電極対の陽極は、ステンレス、貴金属元素を含む材料、もしくは、貴金属元素を含む材料でコーティングされた材料からなる電極、または、炭素電極であることが好ましい。
【0027】
また、本発明の水処理装置は、前記第1の電極対は一定の電流を供給されることが好ましい。
【0028】
本発明のさらに他の局面に従った水処理装置は、被処理水を収容する収容部と、前記収容部内の溶液を強アルカリ性にするためのアルカリ水生成部と、前記収容部内に備えられ、銅を主成分とし、銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金からなり、前記収容部内の被処理水中の窒素酸化物を還元する第1の部材とを含むことを特徴とする。
【0029】
本発明に従うと、被処理水中の窒素酸化物は、強アルカリ性溶液中で、第1の部材により窒素ガスに還元される。
【0030】
これにより、被処理水中の窒素酸化物を、生物処理を用いることなく、つまり、高い処理能力で、安定して、窒素ガスへと変換できる。また、生物処理よりも、装置をコンパクト化できるため、既設の排水処理装置に対して窒素除去機能を追加する際にも、設置スペースの不足や莫大な改造費用等の問題が生じることを回避できる。
【0031】
また、本発明の水処理装置では、前記第1の部材は、粉末状、バルク状、メッシュ状、棒状または板状で前記収容部内に設置されることが好ましい。
【0032】
これにより、第1の部材の、体積当たりの表面積が大きくなるため、より確実に、被処理水中の窒素酸化物が還元される。
【0033】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内を攪拌する攪拌部材をさらに含むことが好ましい。
【0034】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部は、ホッパー型であり、その底部にドレインバルブを備えることが好ましい。
【0035】
これにより、収容部において発生した水に不溶性の化合物を、速やかに電極付近から除去できるため、当該化合物が電極における電解の妨げとなることを回避できる。
【0036】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内の固体と液体とを分離させる分離手段をさらに含むことが好ましい。
【0037】
これにより、収容部において発生した水に不溶性の化合物を、容易に電極付近から除去できるため、当該化合物が電極における電解の妨げとなることを回避できる。
【0038】
また、本発明の水処理装置は、容量が前記収容部の容量以上であり、前記収容部に送り込む被処理水を貯留する、貯留槽をさらに含むことが好ましい。
【0039】
これにより、安定して、収容部に被処理水を送り込むことができる。
また、本発明の水処理装置は、前記収容部内の被処理水の一部を前記貯留槽に送る送水部をさらに含むことが好ましい。
【0040】
これにより、収容部において凝集剤が生じた場合、当該凝集剤を収容部に送り込む前の被処理水に作用させることにより、収容部に送りこまれる被処理水内のSS成分を割合を減らすことができる。したがって、収容部において、効果的に、被処理水に、電解反応によって生じる金属イオンを作用させることができる。
【0041】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部に流入する被処理水が通過する流入弁と、前記収容部から排出される被処理水が通過する排出弁と、前記流入弁および前記排出弁の開閉を制御する弁制御部とをさらに含むことが好ましい。
【0042】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部の前記第1の部材よりも上流側に、カルシウムを含有する化合物を投入するカルシウム化合物投入部をさらに含むことが好ましい。
【0043】
これにより、被処理水中のフッ素成分を、生物処理に頼ることなく、凝集沈降させることができる。
【0044】
また、本発明の水処理装置は、前記収容部には、生物処理後の被処理水が導入されることが好ましい。
【0045】
これにより、塩化物イオン等の、水処理装置において生成される物質であって微生物の生息に好ましくない物質が生物処理槽に導入されることを回避できる。
【0046】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態を説明する。
【0047】
[第1の実施の形態]
1.窒素除去装置の概要
図1に、本発明の水処理装置の第1の実施の形態である窒素除去装置を模式的に示す。窒素除去装置において、処理水槽1には、導入口10,11から被処理水が導入され、当該被処理水には、電極3,4が浸されている。導入口10,11からの被処理水の導入量は、それぞれ弁10A,11Aによって制御可能とされている。
【0048】
処理水槽1内では、電極3,4が直流電源5から電力を供給されることにより、電極3が陽極、電極4が陰極とされて、被処理水の電気分解がなされる。電極3は、たとえば白金−イリジウム合金から構成され、電極4は、デバルダ合金等の銅を主成分とし銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金から構成される。処理水槽1は、電極3が浸された領域と電極4が浸された領域を、隔膜2によって、陽極室3Aと陰極室4Aとに仕切られている。隔膜2は、陽イオン交換膜から構成されている。
【0049】
陽極室3A内の被処理水は、排出口13から混合槽30に導入され、陰極室4A内の被処理水は排出口12から混合槽30に導入され、混合槽30で混合される。排出口12,13から導入される被処理水の流量は、弁12A,13Aによって制御可能とされている。混合槽30内の被処理水は、排出口32を介して、窒素除去装置外へ排出される。排出口32から排出される被処理水の流量は、弁32Aによって制御可能とされている。
【0050】
処理水槽1には、アルカリ塩供給装置6から、管6Aを介して、たとえば水酸化ナトリウム等のアルカリ塩が供給される。また、陰極室4Aには、当該陰極室4A内の被処理水を攪拌する攪拌器7が備えられている。なお、処理水槽1には、アルカリ塩の代わりに、アルカリ土類金属の塩が供給されても良い。
【0051】
2.窒素除去装置における化学反応
処理水槽1内の被処理水中では、塩化ナトリウムが添加されることにより、以下の式(1),(2)の平衡が成立っている。
【0052】
2O ⇔ H++OH- (1)
NaCl ⇔ Na++Cl- (2)
陽極室3A内では、式(3)〜(5)に示すように、水の電気分解により酸素ガスが発生し、塩素イオンは塩素ガスとなり、塩素ガスの一部は水和して次亜塩素酸となる。
【0053】
2H2O → O2↑+4H++4e- (3)
2Cl- → Cl2↑+2e- (4)
Cl2+H2O → H++Cl-+HClO (5)
陰極室4A内では、式(6),(7)に示すように、水の電気分解により水素ガスが発生し、また、隔膜2を介して移動してきたナトリウムイオンが水酸化物イオンと反応して水酸化ナトリウムが生成される。陰極室4Aでは、水酸化ナトリウムが生成されることにより、被処理水がアルカリ性となる。
【0054】
2H2O+2e- → H2↑+2OH- (6)
Na++OH- → NaOH (7)
そして、処理水槽1内に導入された被処理水中の硝酸イオンは、デバルダ合金からなる電極4(陰極)表面で、亜硝酸イオンを経て(式(8)参照)、アンモニアに還元される(式(9)参照)。
【0055】
NO3 -+H2O+2e- → NO2 -+2OH- (8)
NO2 -+5H2O+6e- → NH3+7OH- (9)
式(8),(9)は、下記の式(10)のようにまとめることができる。
【0056】
NO3 -+6H2O+8e- → NH3+9OH- (10)
なお、式(10)において硝酸イオンの還元に使われる電子は、デバルダ合金のアルミニウムや亜鉛が強アルカリ性で溶出するときに生成され、合金内の銅表面上で還元反応が起こると考えられる。なお、電極4が、銅と銅よりもイオン化傾向の高い金属からなる合金であって、デバルダ合金以外の場合には、式(10)で使われる電子は、当該合金に含まれる、銅よりもイオン化傾向の高い金属が溶出する際に生成される。
【0057】
また、処理水槽1では、ナトリウムイオンが隔膜2を介して陰極室4Aに移動するため、上記の式(6),(7)の反応が進むにつれて、陰極室4A内では、陽極室3A内よりも、水位が高くなる。
【0058】
3.被処理水の窒素除去時の窒素除去装置に対する制御
上記した化学反応に従って、処理水槽1内に導入された被処理水中の硝酸イオンは、アンモニアへと還元される。
【0059】
なお、上記の化学反応に従うと、陽極室3Aの被処理水は酸性に、陰極室4Aの被処理水はアルカリ性になる。
【0060】
そこで、本実施の形態では、まず、弁12A,13Aを閉じた状態で、処理水槽1内に、導入口10,11から被処理水を導入し、アルカリ塩の投入および水の電気分解を行なう。その後、弁12A,13Aを開放して、陽極室3Aの被処理水と陰極室4Aの被処理水を、混合槽30で混合する。
【0061】
このように、本実施の形態の処理水槽1では、処理水槽1の被処理水を処理ごとに総入替えする、いわゆるバッチ式で被処理水の窒素除去を行なうことにより、確実に窒素酸化物を除去でき、かつ、処理後の被処理水の中和を行なえる。また、陰極室4Aにおいて発生したアンモニアが水中でアンモニウムイオンとなるが、当該アンモニウムイオンは、混合槽30で、陽極室3Aにおいて発生した次亜塩素酸により窒素ガスへと酸化される。混合槽30には、ここで発生する窒素ガスを排出する排出孔31が形成されている。
【0062】
被処理水1内に被処理水を導入してから弁12,13を開放し処理水槽1内の被処理水を入替えるタイミングは、予め定められた一定時間(1時間、2時間等)とされる。
【0063】
4.被処理水のpHと窒素酸化物除去の度合いの関係
以上説明したように、本実施の形態では、陰極室4A中の被処理水をアルカリ性とすることにより、被処理水中の窒素酸化物を除去する処理が進行する。このことをより具体的に示すために、被処理水のpHと硝酸態窒素が除去される度合いとの関係の一例を図2に示す。なお、図2は、陰極室4A中の被処理水にデバルダ合金を入れ、アルカリ塩として水酸化ナトリウムを処理水槽1の陽極室3Aに加えた場合の、継続時間(図2のグラフの横軸)に対する、各pHでの被処理水中の硝酸態窒素濃度(NO3−N濃度、図2のグラフの縦軸)の変化を示す図である。なお、図2中のpHは、陰極室4A中の被処理水のpHである。
【0064】
図2によると、陰極室4A中の被処理水が強アルカリ性(pH=11,11.5,12)にされることにより、継続時間に伴って硝酸態窒素の濃度が減少している。なお、pH7.3ではほとんど硝酸態窒素濃度が減少しなかったことから、陰極室4A中の被処理水が強アルカリ性とされないと、硝酸態窒素の除去は行なわれないと考えられる。また、硝酸態窒素を除去できる時間は、pHが高くなるほど短くなる。
【0065】
なお、以上説明した本実施の形態では、処理水槽1の陽極室3A,陰極室4Aのそれぞれには1本の電極が浸されていたが、複数本浸されていても良い。また、陽極室3A,陰極室4Aもそれぞれ一つずつとされたが、複数設けられても良い。また、以上説明した本実施の形態において、陽極3の材料は鉄であってもよく、この場合、鉄電極から溶出する鉄イオンにより被処理水中のリンも除去可能となる。
【0066】
また、本実施の形態の窒素除去装置が、嫌気槽、好気槽等の生物処理と併せて用いられる場合、窒素除去装置による処理は、当該生物処理の後になされることが好ましい。本実施の形態の窒素除去装置では、被処理水に塩化物イオン等、微生物の生息にあまり好ましくない化合物が発生するからである。
【0067】
[第2の実施の形態]
図3に、本発明の第2の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0068】
本実施の形態の窒素除去装置は、第1の実施の形態の窒素除去装置に、pHセンサ21、攪拌器8、制御回路20が追加されたものである。
【0069】
pHセンサ21は、陰極室4A内の被処理水のpHを検出するためのものである。pHセンサ21の検出出力は、制御回路20に入力される。攪拌器8は、陽極室3A内の被処理水を攪拌するものである。
【0070】
制御回路20は、アルカリ塩供給装置6のアルカリ塩の供給量、および、直流電源5の電力の供給量を制御できる。これにより、陰極室4AのpHが常に窒素酸化物の除去に適したものとなるように、アルカリ塩の供給量が制御され、かつ、式(10)に示した反応量が被処理水に含まれる窒素酸化物の量に足りるものとなるように、直流電源5の供給する電力量が制御される。
【0071】
[第3の実施の形態]
図4に、本発明の第3の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0072】
本実施の形態の窒素除去装置は、第2の実施の形態の窒素除去装置のpHセンサ21が水位センサ22,23に置換されたものである。
【0073】
水位センサ22,23は、それぞれ、陰極室4Aと陽極室3Aとの水位差を検出するためのものである。水位センサ22,23の検出出力は、制御回路20に入力される。
【0074】
陰極室4Aと陽極室3Aの水位差は、Na+の移動量に対応している。また、上記の式(6),(7)に示すように、Na+の移動量は、陰極室4A内のOH-の量に対応している。陰極室4A内のOH-の量は、陰極室4A内のpHに対応している。したがって、陰極室4Aと陽極室3Aの水位差を検出することにより、第2の実施の形態と同様の制御が実現される。
【0075】
なお、水位センサ22の検出出力は、単に、陰極室4A内の水位が、弁12A,13Aを開くべき、予め定められた水位となったか否かを判断されるために用いられる場合もある。
【0076】
[第4の実施の形態]
図5に、本発明の第4の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0077】
本実施の形態の窒素除去装置では、電解槽42は、第1の実施の形態の処理水槽1と同様に、導入口10,11と排出口12とを備え、そして、排出口12、デバルダ合金を充填されたカートリッジ41を介して、反応槽50に接続されている。
【0078】
導入口10,11および排出口12には、それぞれ弁10A,11A,12Aが備えられており、電解槽42に導入される被処理水の流量および排出される流量が調整可能とされている。電解槽42には、第1の実施の形態の処理水槽1と同様に、管6Aを介して、アルカリ塩供給装置6からアルカリ塩が供給される。
【0079】
本実施の形態の電解槽42には、直流電源5に接続された電極3,4が備えられている。電解槽42内で電極3,4は被処理水の電気分解に利用され、電極3は、陽極とされ、電極4は、陰極とされる。以下に、図6および図7を参照して、電極3,4の詳細な構造を説明する。電極3,4は、取っ手3Aに取りつけられ、ケーブル3B内に、それぞれを直流電源5と接続させる配線が含まれている。電極3は、棒状であり、電極4は、電極3の外周を覆う円筒状である。また、図6では省略しているが、電極4は、メッシュ状とされている。なお、電極4は、筒状、または、ポーラス状(表面が多孔性の形状)であってもよい。
【0080】
電極3と電極4との間には、隔壁40が備えられている。隔壁40は、電極3の外周を覆う円筒形状を有する。なお、隔壁40の円筒形状は、さらに、電極3の底面を覆うように、底を有する。そして、隔壁40は、第1の実施の形態における隔壁2と同様に作用する。
【0081】
本実施の形態の電解槽42では、導入口10の先端は、電極4および隔壁40の円筒の内側まで伸び、導入口11の先端は、電極4の円筒の外側に位置している。これにより、導入口10を介して導入される被処理水は、隔壁40内部に導かれ、隔膜40を透過できる要素のみが、隔膜40の円筒の外側に移動する。
【0082】
電解槽42内の被処理水は、弁12Aが開放されることにより、カートリッジ41に流出する。カートリッジ41内では、上記した式(8),(9)の反応が進行する。そして、さらに弁51Aが開放されることにより、カートリッジ41内の被処理水は、反応槽50に流出する。
【0083】
本実施の形態の窒素除去装置には、反応槽50には、次亜塩素酸供給装置33から管33Aを介して次亜塩素酸が供給される。これにより、反応槽50において、式(9)の反応の生成物であるアンモニアから生じるアンモニウムイオンが酸化されて窒素ガスとされ、また、反応槽50に導入されるアルカリ性の被処理水が中和される。反応槽50内の被処理水は、排出口52を介して、窒素除去装置外へ排出される。排出口52からの排出量は、弁52Aによって制御できる。
【0084】
本実施の形態の窒素除去装置においても、電解槽42および反応槽50内の被処理水は、一定時間ごと、または、所定条件が成立するごとに、総入れ替えされる、バッチ方式で被処理水の処理が行なわれることが好ましい。
【0085】
また、反応槽50に対して、次亜塩素酸を供給する代わりに、電極3,4とは別に電気分解用の電極対を設け、電気分解によってアンモニウムイオンを酸化する化合物を発生させても良いし、また、オゾンを供給してもよい。
【0086】
また、本実施の形態では、デバルダ合金を充填されたカートリッジ41が備えられることにより、窒素酸化物の還元がカートリッジ41において行なわれる。したがって、本実施の形態では、陰極4は、デバルダ合金のように、それ自体で窒素酸化物を還元するような材料から構成される必要はない。
【0087】
[第5の実施の形態]
図8に、本発明の第5の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0088】
本実施の形態の窒素除去装置では、処理水槽1は、導入口10と排出口12とを備え、内部の収容する被処理水に直流電源5に接続された電極3(陽極)と電極4(陰極)とを浸され、そして、隔膜2により陽極室3Aと陰極室4Aとに仕切られている。電極4は、デバルダ合金等、銅を主成分とし銅よりもイオン化傾向の大きい金属を少なくとも一種は含む合金からなる。陽極室3Aと陰極室4Aには、それぞれ、攪拌器7A,7Bが備えられている。
【0089】
処理水槽1の底部には、陰極室4Aから陽極室3Aへと被処理水を流すための流路35およびポンプ36を備えている。ポンプ36が駆動することにより、流路35内を、陰極室4Aから陽極室3Aへと矢印35X方向に、被処理水が送られる。
【0090】
本実施の形態の窒素除去装置では、上記した式(1)〜(9)の各反応が起こる。また、陰極室4Aの被処理水が陽極室3Aに送られることにより、陰極室4A内で生じたアンモニウムイオンが、陽極室3Aで窒素ガスへと酸化されると共に、陰極室4A内のアルカリ性の被処理水が中和される。
【0091】
なお、陰極室4A内での被処理水の滞留時間は、図示せぬ制御回路によりポンプ36の動作を制御することにより、制御される。
【0092】
[第6の実施の形態]
図9に、本発明の第6の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0093】
本実施の形態の窒素除去装置では、第5の実施の形態の窒素除去装置において、さらに、陽極室3Aに塩化物イオンを提供する試薬を供給する、塩化物供給装置60が備えられている。当該試薬の供給量は、ポンプ62により制御される。また、本実施の形態の窒素除去装置では、陰極室4Aに塩化ナトリウム等のアルカリ塩を供給するアルカリ塩供給装置61が備えられている。アルカリ塩供給装置61からのアルカリ塩の供給量は、ポンプ63により制御される。
【0094】
[第7の実施の形態]
図10に、本発明の第7の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0095】
本実施の形態の窒素除去装置では、第6の実施の形態の窒素除去装置において、さらに、陰極室4Aに、デバルダ合金の粉末64が備えられている。攪拌器7Bに攪拌されることにより、粉末64は陰極室4A内でまんべんなく存在する。また、本実施の形態の陰極室4Aには、デバルダ合金の粉末64が流路35に流れこまないように、流路35と陰極室4Aとの境界部分に、フィルタ65が備えられている。なお、本実施の形態では、陰極室4Aにデバルダ合金の粉末が備えられているため、陰極である電極4は、一般の電極材料であれば、特に、材料を限定されない。そして、このような本実施の形態では、上記した式(10)で使用される電子は、電極4ではなく、デバルダ合金の粉末64から供給される。
【0096】
[第8の実施の形態]
図11に、本発明の第8の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0097】
本実施の形態の窒素除去装置では、第7の実施の形態の窒素除去装置において、陰極室4Aに、デバルダ合金の粉末64(図10参照)の代わりに、デバルダ合金を充填されたカートリッジ66が備えられている。カートリッジ66には、微小な孔が形成され(図示略)、陰極室4A内の被処理水が、当該孔を介して、カートリッジ66内に入り、デバルダ合金と接触することにより、式(10)(式(8)および式(9))が起こる。
【0098】
なお、カートリッジ66は、処理水槽1に対して着脱可能とされる。これにより、アルカリ性中に置かれたデバルダ合金が部分的に溶出しても、カートリッジ66を交換することにより、新たなデバルダ合金を処理水槽1内に配置できる。
【0099】
[第9の実施の形態]
図12に、本発明の第9の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0100】
本実施の形態の窒素除去装置では、第8の実施の形態の窒素除去装置において、デバルダ合金を充填されたカートリッジ67が、導入口10から伸びる管に取付けられている。
【0101】
つまり、本実施の形態では、図12に示すように、導入口10から陰極室4A内に管が伸び、当該管の先端に、カートリッジ67が取付けられている。カートリッジ67内には、導入口10から導入される被処理水を導入される流路が形成され、また、当該流路の外周部には粒状のデバルダ合金68が充填されている。また、カートリッジ67の表面には、孔67A〜67Fが形成されている。これにより、本実施の形態の窒素除去装置では、導入口10から導入された被処理水は、カートリッジ67内から、デバルダ合金68に接触した後、孔67A〜67Fから陰極室4A内に放出される。
【0102】
[第10の実施の形態]
図13に、本発明の第10の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0103】
本実施の形態の窒素除去装置では、第8の実施の形態の窒素除去装置において、デバルダ合金を充填されたカートリッジ69が、陰極室4A内ではなく、処理水槽1下方の流路35上に取付けられている。
【0104】
つまり、本実施の形態では、図13に示すように、陰極室4Aに導かれた被処理水は、当該陰極室4A内で所定の反応を行なった後、ポンプ36が動作することにより流路35に導かれるが、その際に、カートリッジ69内のデバルダ合金と接触する。
【0105】
[第11の実施の形態]
図14に、本発明の第11の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0106】
本実施の形態の窒素除去装置では、第6の実施の形態の窒素除去装置において、さらに、陽極室3Aと陰極室4Aに、それぞれpHセンサ71,72が備えられている。そして、電極3,4は、コントロール電源70に接続されている。また、コントロール電源70には、さらに、pHセンサ71,72、および、ポンプ62,63が供給されている。そして、コントロール電源70は、pHセンサ71,72から入力される陽極室3Aおよび陰極室4A内の被処理水のpHに従って、電極3,4に供給する電力量、および、塩化物供給装置60およびアルカリ塩供給装置61からの物質の供給量を制御する。
【0107】
[第12の実施の形態]
図15に、本発明の第12の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0108】
本実施の形態の窒素除去装置では、第6の実施の形態の窒素除去装置において、導入口10および排出口12が、処理水槽1の上部に設けられていた代わりに、処理水槽1の下部に設けられている。
【0109】
また、処理水槽1と、導入口10,排出口12との間には、それぞれ、ポンプ10A,12Aが備えられている。ポンプ10A,12Aの動作を制御することにより、導入口10から処理水槽1内への被処理水の導入量および排出口12から処理水槽1外への被処理水の排出量を制御できる。
【0110】
これにより、本実施の形態では、処理水槽1内に被処理水を導入した後、被処理水の処理水槽1への導入および排出を停止し、電極3,4を用いた被処理水の電解を所定時間行なった後に、処理水槽1内の被処理水を入替える、という、いわゆるバッチ方式で被処理水の窒素酸化物除去を行なうことが可能である。
【0111】
[第13の実施の形態]
図16に、本発明の第13の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0112】
本実施の形態の窒素除去装置では、第6の実施の形態の窒素除去装置において、処理水槽1内部の全体が隔膜2によって仕切られていた代わりに処理水槽1の内部と隔膜2の上部とに隙間があり、導入口10が処理水槽1の下部に備えられ、排出口12の代わりに処理水槽1の下部に管74が備えられ、また、導入口10からの導入量を調節するためのポンプ73が備えられている。管74は、処理水槽1の下部から、陽極室3Aにおける好ましい水位Tまで液体を保持できるよう上方に伸びた後、下方に向くよう、構成されている。
【0113】
これにより、本実施の形態の窒素除去装置では、まず、導入口10から処理水槽1に被処理水が導入される。そして、電気分解が行なわれ、塩化物供給装置60およびアルカリ塩供給装置61から、適宜、試薬が供給されると、ナトリウムイオンが陽極室3Aから隔壁2を介して陰極室4Aに移動し、陽極室3Aの水位より陰極室4Aの水位の方が高くなる。そして、陰極室4Aの水位が隔壁2を越えると、隔壁2を越えて、陰極室4Aの被処理水が陽極室3Aに移動する。そして、陰極室3Aの水位がTを越えると、陽極室3Aから管74を介して、被処理水が処理水槽1外へ排出される。
【0114】
[第14の実施の形態]
図17に、本発明の第14の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0115】
本実施の形態の窒素除去装置では、第6の実施の形態の窒素除去装置において、まず、処理水槽1内に、隔膜2の代わりに、2枚の隔膜2A,2Bが備えられ、処理水槽1が、陽極室3A、陰極室4A、回収室2Xの3つに仕切られている。なお、隔膜2Aは、陽イオン交換膜であり、隔膜2Bは、陰イオン交換膜である。そして、塩化物供給装置60は、陽極室3Aに塩化物イオンを供給し、アルカリ塩供給装置61は、陰極室4Aにアルカリ塩を供給する。
【0116】
また、流路35は、陰極室4Aと陽極室3Aの下部をつなぐが、回収室2Xの下部には、導入口77が備えられている。回収室2Xには、導入口77から矢印77X方向に従って水が導入されるが、当該導入量は、ポンプ77Aにより制御される。
【0117】
本実施の形態の窒素除去装置では、ナトリウムイオンが、陽極室3Aから陽イオン交換樹脂である隔膜2Aを介して回収室2Xに移動し、塩化物イオンが、陰極室4Aから陰イオン交換樹脂である隔膜2Bを介して回収室2Xに移動する。つまり、回収室2Xでは、塩化物イオンとナトリウムイオンの濃度が、陽極室3Aおよび陰極室4Aよりも高くなっていると考えられる。そして、回収室2Xの溶液は、ポンプ75によって揚水され、管76を介して、アルカリ塩供給装置61に送られる。これにより、回収室2Xの塩化ナトリウムを、陰極室4Aに供給するアルカリ塩として、再利用できる。また、回収室2Xには、回収室2X内の溶液の塩化物イオンとナトリウムイオンとの濃度を調整することと、溶液の液面を調整するために、水が、ポンプ77Aによって供給される。
【0118】
[第15の実施の形態]
図18に、本発明の第15の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。上記した第1〜第14の実施の形態では、窒素除去装置において、被処理水に塩化ナトリウム等のアルカリ塩を添加して電気分解することにより、被処理水をアルカリ性溶液としたが、本実施の形態では、被処理水に、アルカリ性の塩を添加して、被処理水をアルカリ性溶液とする。
【0119】
窒素除去装置において、処理水槽80には、導入口80Aから、被処理水が導入され、排出口80Bから処理水が排出される。処理水槽80は、壁81により、第1反応槽80Xと第2反応槽80Yとに仕切られている。第1反応槽80Xおよび第2反応槽80Yには、それぞれ、内部の被処理水を攪拌するための攪拌器84,85が備えられている。攪拌器84,85は、それぞれ、モータ84A,85Aが動作することにより回転する。なお、壁81付近にはカバー83が設けられ、これにより、第1反応槽80X内の被処理水は、矢印Qに従って、第2反応槽80Yへと移動する。
【0120】
第1反応槽80Xには、アルカリ性試薬供給装置91から、たとえば水酸化ナトリウム等のアルカリ性試薬が供給される。なお、当該試薬の供給量は、制御回路90がpHセンサ93で検出される第1反応槽80X内の被処理水のpHに従ってポンプ91Aを制御することにより、第1反応槽80X内の被処理水が強アルカリ性となるように、調整される。
【0121】
また、第1反応槽80Xには、デバルダ合金を充填されたカートリッジ82が設置されている。これにより、第1反応槽80Xでは、強アルカリ性溶液中で、式(10)(式(8)および式(9))が起こり、窒素酸化物がアンモニウムイオンへとされる。
【0122】
第2反応槽80Y内の被処理水には、酸性試薬供給装置92から、次亜塩素酸等の酸化剤が供給される。なお、当該酸化物の供給量は、ポンプ92Aを制御することにより調整される。
【0123】
第2反応槽80Yに、第1反応槽80Xの被処理水が導入されることにより、当該被処理水が中和され、かつ、第1反応槽80Xにおける式(10)の反応により生じたアンモニウムイオンが窒素ガスへと酸化される。
【0124】
[第16の実施の形態]
図19に、本発明の第16の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す。
【0125】
本実施の形態の窒素除去装置では、第15の実施の形態の窒素除去装置において、酸性試薬供給装置92の代わりに、第2反応槽80Y内の被処理水に浸された電極対(電極95,96)と、電極95,96は、たとえば白金−イリジウム合金から構成され、電源94から電力を供給される。
【0126】
これにより、本実施の形態の窒素除去装置では、電極対(電極95,96)において被処理水の電気分解が行なわれることにより、被処理水に溶存する塩素が酸化されて、次亜塩素酸が発生する。この次亜塩素酸により、第1反応槽80Xから導入された被処理水は中和され、かつ、当該被処理水内のアンモニウムイオンは酸化される。
【0127】
[第17の実施の形態]
以上説明した第1〜第13の実施の形態では、窒素酸化物の大部分は、窒素除去装置の陰極4において式(10)で示したように還元されてアンモニアとされ、アンモニウムイオンとなった後、酸化されて窒素ガスとなるが、式(11)に示すように、陰極4において還元されて直接窒素ガスとなる場合がある。
【0128】
2NO3 -+6H2O+6e- → N2↑+12OH- (11)
式(11)のような反応が起こる場合、窒素除去装置には、収容部内の被処理水中の窒素酸化物を還元する部材が含まれれば、それだけで、被処理水中の窒素酸化物は、還元されて、窒素ガスとされることになる。
【0129】
[第18の実施の形態]
以上説明した第1〜第13の実施の形態では、処理水槽1内の陽極3と陰極4の設置されている領域が隔膜2で仕切られて、陽極室3Aと陰極室4Aとが形成されていた。しかしながら、本発明では、必ずしも、隔膜で陽極室と陰極室とを形成する必要はない。図20、図21に示すように、処理水槽1において陽極3と陰極4とが、隔膜に仕切られずに、設置されてもよい。
【0130】
図20,図21は、それぞれ、図8,図11に示した窒素除去装置から隔膜2、流路35およびポンプ36を削除した、窒素除去装置を示す図である。図20,図21に示す窒素除去装置では、図8や図11等に示したような隔膜で陽極室および陰極室を形成したものに比べて、若干の窒素酸化物の除去率の低下は予想されるが、その一方で、経時変化による機能低下に応じた隔膜の交換が不要となるため、メンテンナンスが大幅に容易になり、かつ、ランニングコストを格段に低下させることができる。
【0131】
[第19の実施の形態]
図22に、本発明の水処理装置の第19の実施の形態である水処理装置を模式的に示す。
【0132】
水処理装置において、処理水槽202には、導入口210から被処理水が導入され、当該被処理水には電極203,204が浸され、そして、排出口211から当該被処理水は排出される。導入口210からの被処理水の導入量、排出口211からの被処理水の排出量は、それぞれ弁210A,211Aの開閉を制御することによって制御可能とされている。また、処理水槽202には、内部で発生した気体を排出するための排気口212が形成され、排気口212は、弁212Aの開閉により、開閉が制御されている。
【0133】
処理水槽202内では、電極203,204が直流電源205から電力を供給されることにより、電極203が陽極、電極204が陰極とされて、被処理水の電気分解がなされる。電極203は、たとえば白金−イリジウム合金から構成される。なお、電極203としては、他に、貴金属もしくは貴金属をコーティングされた材料、貴金属を含む材料、貴金属を含む材料をコーティングされた材料、炭素電極、または、ステンレスからなる電極を挙げることができる。ここで、貴金属を含む材料とは、たとえば、白金の酸化物、酸化イリジウム、セラミック中に貴金属を混ぜて焼成されたもの(酸化ケイ素、酸化チタン等)を挙げることができる。電極204は、銅−アルミニウム合金等の、両性金属を含む合金、酸化されて、水酸化物イオン等の陰イオンと反応することにより凝集剤として作用する水に不溶性の化合物を生成する金属を含む合金、または、酸化されてリン酸イオンと反応することにより水に不溶性の化合物を生成する金属を含む合金とすることができる。
【0134】
また、水処理装置には、処理水槽202内に水位センサ222およびpHセンサ223が備えられている。さらに、水処理装置には、処理水槽202内に塩化ナトリウムおよび次亜塩素酸を供給する薬剤供給装置206が備えられている。薬剤供給装置206からは、管206Aを介して、処理水槽202内に適宜薬剤が投与される。処理水槽202内には、攪拌器207が備えられており、攪拌器207は、処理水槽202外から適宜動力を与えられることにより、回転して処理水槽202内の被処理水を攪拌する。処理水槽202内で被処理水の処理が行なわれているときには、攪拌器207は適宜回転されている。
【0135】
そして、水処理装置には、水位センサ222およびpHセンサ223の検出出力を導入され、弁210A,211A,212A、および、直流電源205の動作を制御する、制御回路220が備えられている。
【0136】
図23に、電極203,204上での主な電解反応を模式的に示す。そして、さらに図23を参照して、処理水槽202内での電解反応およびそれに付随する反応について、説明する。
【0137】
処理水槽202内の被処理水中では、塩化ナトリウムが添加されることにより、上記した式(1),(2)の平衡が成立っている。また、電極203近傍では、上記の式(3)〜(5)に示すように、水の電気分解により酸素ガスが発生し、塩素イオンは塩素ガスとなり、塩素ガスの一部は水和して次亜塩素酸となる。また、電極204近傍では、上記した式(6),(7)に示すように、水の電気分解により水素ガスが発生し、ナトリウムイオンが水酸化物イオンと反応して水酸化ナトリウムが生成される。これにより、電極204近傍は、被処理水がアルカリ性となる。
【0138】
そして、処理水槽202内に導入された被処理水中の硝酸イオンは、電極204表面で、亜硝酸イオンを経て、アンモニアに還元される(式(8)〜式(10)参照)。なお、式(10)において硝酸イオンの還元に使われる電子は、電極204内のアルミニウム(や亜鉛)が強アルカリ性で溶出するときにも生成されると考えられる。
【0139】
上記のように生成したアンモニアは、上記のように生成した次亜塩素酸と結合して、以下の式(12)〜(14)のようにクロラミン類を生成する。また、生成したクロラミン類は、式(15),(16)のように、窒素ガスや一酸化二窒素に変換される。
【0140】
【数1】
Figure 0003973508
【0141】
また、上記のように電極204から溶出したアルミニウムは、以下の式(17)に示すように、アルミニウムイオンとして被処理水中の水酸化物イオンと反応して水酸化アルミニウムとなったり、式(18)に示すように、アルミン酸としてナトリウムイオンと反応しアルミン酸ナトリウムとなる。そして、生成したこれらの化合物によって、水中のコロイド(水中のSS成分で粒径1〜0.01×10-6m程度の微細なもの)の電荷が中和され、粒子間の引力が働き、やがてフロックになり沈降する。
【0142】
【数2】
Figure 0003973508
【0143】
さらに、電極204から溶出したアルミニウムイオンは、以下の式(19)に示すように、被処理水中のリン酸イオンと反応して、水に不溶性なリン酸アルミニウムとなり、沈降する。これにより、アルミニウムイオンによって、被処理水中のリン酸成分を除去できる。なお、本実施の形態では、陰極で、アルミニウムに代表される、リン酸成分およびSS成分を除去できる金属を溶出させるため、陽極でこれを溶出させる場合よりも、このような金属が電極付近で不動態化することを回避できる。
【0144】
【数3】
Figure 0003973508
【0145】
以上説明したように、本実施の形態では、電極204が、デバルダ合金のように、銅を主成分とし、銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金からなるため、被処理水中の窒素酸化物等の除去が可能とされている。なお、被処理水中の窒素酸化物および/またはリン酸を除去を除去することのみを目的とするのであれば、電極204は、アルミニウム等の両性金属、当該電極204内の成分が溶出し、処理水槽202内の陰イオンと反応して凝集剤として作用する化合物であって水に不溶性の化合物を生成する金属、または、酸化されてリン酸イオンと反応することにより水に不溶性の化合物を生成する金属の単体で構成されてもよい。
【0146】
以上説明したように、本実施の形態では、電極203,204間に電流を流し、電極204近傍の被処理水をアルカリ性とすることにより、被処理水中の窒素酸化物を除去する処理が進行する。このことをより具体的に示すために、電極203,204間に電流を流した時間と、被処理水中の硝酸態窒素が除去される度合いとの関係の一例を図24に示す。なお、図24中のグラフの横軸は、電極203,204間に電流を流した時間であり、縦軸は、被処理水中の硝酸態窒素濃度(NO3−N濃度)である。なお、図24のグラフは、陽極である電極203には、Pt−Irを構成材料に含む電極が用いられ、陰極である電極204には、黄銅、高力黄銅またはデバルダ合金が用いられ、陰極の電流密度が2A/dm2となる電流値で電解された際の結果である。
【0147】
図24から理解されるように、電解時間が長くなるほど、被処理水中の硝酸態窒素濃度が低くなることがわかる。また、デバルダ合金、高力黄銅、黄銅の順に硝酸態窒素濃度の減少速度が速くなっていることがわかる。デバルダ合金、高力黄銅、黄銅はどれもCuが主成分でZn,Alなどの両性金属を含む合金であり、その組成が硝酸態窒素濃度の減少速度と関係していると考えられる。具体的には、Cu−Zn系の黄銅よりも、Cu−Zn−Al系のデバルダ合金、高力黄銅の方が、硝酸態窒素濃度の減少が速い。さらにCu−Zn−Al系でもAlの比率が高いデバルダ合金の方が、高力黄銅よりも硝酸態窒素濃度の減少が速くなっている。
【0148】
[第20の実施の形態]
図25に、本発明の第20の実施の形態である水処理装置を模式的に示す。本実施の形態の水処理装置は、第19の実施の形態で示した水処理装置に、さらに、反応槽250を接続させたものである。
【0149】
本実施の形態の水処理装置では、処理水槽202は、排出口211で、反応槽250と接続されている。つまり、反応槽250は、被処理水を導入される導入口251を備え、当該導入口251が排出口211と弁211Aを介して接続されることにより、処理水槽202から被処理水を導入される。
【0150】
反応槽250には、槽内で発生した気体を槽外に適宜排出するための排気口252および当該排気口252を開閉する弁252Aが備えられている。また、反応槽250には、槽内に次亜塩素酸を供給するための次亜塩素酸供給装置533が備えられている。なお、次亜塩素酸供給装置533は、管533Aを介して、反応槽250内に次亜塩素酸を供給する。また、反応槽250には、被処理水を排出する排出口553および当該排出口553を開閉する弁553Aが備えられている。
【0151】
次亜塩素酸供給装置533、および、弁252A,553Aの動作は、制御回路220に制御される。また、反応槽250には、外部から適宜動力を与えられることにより回転する攪拌器557が備えられている。反応槽250内で被処理水の処理が行なわれているときには、攪拌器557により反応槽250内の被処理水は攪拌される。
【0152】
本実施の形態の水処理装置では、処理水槽202において第19の実施の形態において説明した処理を施された被処理水が、さらに、反応槽250で、次亜塩素酸を混合され、処理される。これにより、上記の式(12)〜(14)において説明したアンモニアからクロラミン類への変換が、確実に行なわれる。したがって、本実施の形態の水処理装置では、より確実に、窒素酸化物の窒素ガスへの変換が行なわれることになる。なお、本実施の形態では、反応槽250において、アンモニアのクロラミン類への変換に用いられる次亜塩素酸が次亜塩素酸供給装置533によって直接供給されたが、反応槽250に対して、次亜塩素酸を供給する代わりに、電極203,204とは別に電気分解用の電極対を設け、電気分解によってアンモニア(アンモニウムイオン)を酸化する化合物を発生させても良いし、また、アンモニアの酸化のためにオゾンを供給する装置を設けてもよい。
【0153】
[第21の実施の形態]
図26に、本発明の第21の実施の形態の水処理装置を模式的に示す。
【0154】
本実施の形態の水処理装置は、基本的には図22に示した第19の実施の形態の処理水槽202と同じ構成を有しているが、詳細に比較すると、底部の構造が異なっている。具体的には、本実施の形態の処理水槽202は、底部がホッパー型であり、さらに、底部に新たに設けられている排出口214にはドレインバルブ214Bが取付けられている。これにより、処理水槽202内で生じた沈殿物や汚泥を、速やかにかつ確実に、電極203,204から遠ざけることができる。したがって、電極203,204上における反応、および、当該反応によって生じた生成物の反応が、上記の沈殿物や汚泥が存在することにより阻害されることを回避できる。
【0155】
また、本実施の形態の処理水槽202内には、ポンプ261に接続された散気管260が接続されている。本実施の形態では、散気管260が処理水槽202の底部において気泡を発することにより、当該処理水槽202内が攪拌される。
【0156】
[第22の実施の形態]
図27に、本発明の第22の実施の形態の水処理装置を模式的に示す。
【0157】
本実施の形態の水処理装置は、図26に示した第21の実施の形態の処理水槽202に、さらに、処理水槽202に接続された膜分離槽290を備えている。処理水槽202は、導入口210と排出口211を備えているが、排出口211を介して処理水槽202から排出された被処理水は、膜分離槽290に導入される。
【0158】
膜分離槽290には、ポンプ281に接続された分離膜280が複数設置されている。分離膜280は、図28に示すように、箱型に組立てられその上部にポンプ281と接続するための管を通された膜板の集合体である。この膜は、平膜フィルタ、または、中空糸フィルタ等によって構成される。
【0159】
膜分離槽290内に導入された被処理水は、ポンプ281が作動することにより、分離膜280を介して、膜分離槽290外へ排出される。これにより、確実に、被処理水を、沈殿物や汚泥から分離させて、排出できる。
【0160】
なお、膜分離槽290の底部もホッパー型であり、さらに、底部の排出口291にはドレインバルブ291Bが取付けられている。また、膜分離槽290内にも、ポンプ271に接続された散気管270が設置されている。
【0161】
[第23の実施の形態]
図29に、本発明の第23の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第22の実施の形態の水処理装置において説明した分離膜280が、電極203,204と同じ処理水槽202内に設置されている。これにより、水処理装置の省スペース化を図ることができる。
【0162】
[第24の実施の形態]
図30に、本発明の第24の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第22の実施の形態の水処理装置において説明した分離膜280が、ポンプに接続されることなく、板体のままで、膜分離槽290内に当該膜分離槽290内部を2つの領域に仕切るような分離膜310という形で、設置される。処理水槽202から膜分離槽290に導入された被処理水の大部分は、分離膜310を通過して、膜分離槽290外に排出される。
【0163】
[第25の実施の形態]
図31に、本発明の第25の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第24の実施の形態の水処理装置の膜分離槽290に、さらに、硝酸イオン電極320を備えている。硝酸イオン電極320は、膜分離槽290の、分離膜310硝酸イオン電極320の検知出力は、制御回路220に入力される。
【0164】
制御回路220は、硝酸イオン電極320の検知する被処理水中の硝酸イオン濃度に応じて、各要素の制御を行なうことができる。たとえば、被処理水内の硝酸イオン濃度が予め定められた或る濃度よりも高い場合には、制御回路220は、電極203,204間に流す電流値を上げる等の制御を行なう。
【0165】
[第26の実施の形態]
図32に、本発明の第26の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第19の実施の形態の水処理装置の薬剤供給装置206の代わりに、カルシウム化合物供給装置262が設置されている。カルシウム化合部供給装置262は、管262Aを介して、処理水槽202内に、カルシウム化合物(水酸化カルシウム、塩化カルシウム等)を供給する。
【0166】
被処理水に、カルシウム化合物を供給することにより、被処理水中に存在するフッ素成分を、二フッ化カルシウム(CaF2)として凝集沈降させる。本実施の形態の処理水槽202には、その底部に、凝集沈殿物を排出するための排出口215および当該排出口215を開閉するためのバルブ215Aが備えられている。カルシウム化合物供給装置262お、および、バルブ215Aは、制御回路220によって、その動作を制御される。
【0167】
[第27の実施の形態]
図33に、本発明の第27の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第26の実施の形態の水処理装置に、さらに、固液分離槽300を備えているものである。
【0168】
固液分離槽300には、その底部付近に、分離膜310が備えられている。分離膜310は、固液分離層300内を上下に完全に仕切るものである。
【0169】
固液分離槽300の上方には、処理水槽202に新たに設けられた排出口213を介して、処理水槽202内の被処理水の上澄みが導入される。また、排出口215には、ポンプ215Aが接続されている。そして、処理水槽202内で生じた沈殿物は、ポンプ215Aによって送られることにより、排出口215から固液分離槽300内の分離膜310よりも下方に送れられる。
【0170】
固液分離槽300内では、導かれた被処理水内の固体成分は、分離膜310を介して固液分離槽300の底部に移動する。これにより、固液分離槽300からは、固体成分を除かれた被処理水が、処理水槽202に戻されることになる。
【0171】
固液分離槽300の底部は、ホッパー型であり、弁301Aの開閉を適宜制御回路220に制御されることにより、当該底部の排出口301より、沈殿物等の固体成分が排出される。
【0172】
そして、このような本実施の形態の処理水槽202の排出口211から排出される被処理水は、より高い割合で、固体成分が除去されていることになる。
【0173】
[第28の実施の形態]
図34に、本発明の第28の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第25の実施の形態の水処理装置において、硝酸イオン電極320が、電極203,204と同じ処理水槽202内に、電極203,204よりも下流側に設置されたものである。
【0174】
なお、硝酸イオン電極320は、処理水槽202内において、電極203,204の電解から電気的影響を受けないように、電極203,204とは隔壁390を隔てて設置されている。
【0175】
[第29の実施の形態]
図35に、本発明の第29の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、硝酸イオン電極320は、電極203,204の電解から電気的影響を受けないように、処理水槽202よりも下流側に設けられた硝酸イオン電極槽330に設置されている。
【0176】
[第30の実施の形態]
図36に、本発明の第30の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第29の実施の形態の水処理装置において、さらに、硝酸イオン電極420が、処理水槽202よりも上流側に設けられた硝酸イオン電極槽400に設置されたものである。これにより、制御回路220では、処理水槽202で処理される前後の被処理水の硝酸イオン濃度を検知できる。
【0177】
[第31の実施の形態]
図37に、本発明の第31の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、第30の実施の形態の水処理装置において、さらに、制御回路220に接続された操作パネル229が備えられている。これにより、制御回路220によって、電極203,204の交換が必要であると判断された場合、その旨を、表示または音声等により報知することにより、速やかに、電極203,204が交換されることが期待される。
【0178】
なお、制御回路220は、たとえば、硝酸イオン電極320,420の検知出力を参照し、電極203,204間に所定の電流値の電流を流しているにも拘わらず、被処理水から期待される程度ほど窒素酸化物が除去されていないと判断すると、電極203,204の交換が必要であると判断する。
【0179】
[第32の実施の形態]
図38に、本発明の第32の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、処理水槽202内で、陽極である電極203が、陰極である電極204よりも、上流側、つまり、導入口210寄りに、設置されている。これにより、電極203には、強い水流が当たるため、当該電極203上でスカム等が被膜することをより確実に回避できる。
【0180】
[第33の実施の形態]
図39に、本発明の第33の実施の形態の水処理装置を示す。本実施の形態の水処理装置では、処理水槽202内で、陽極である電極203が、陰極である電極204よりも、下方に、設置されている。これにより、電極203上で発生した気体(酸素等)を効果的に上方に移動させることができる。したがって、処理水槽202内で、白抜きの矢印で示すように、上向きの水流を作ることができるため、電極203上でスカム等が被膜することをより確実に回避できる。
【0181】
[第34の実施の形態]
図40に、本発明の第34の実施の形態の水処理装置を示す。図40では、本実施の形態の水処理装置を1次固液分離槽501および電解装置502として記載している。1次固液分離槽とは、いわゆる貯留槽であり、上記した各実施の形態における処理水槽1,80,202の2〜3倍以上の容量を有する槽であって、当該処理水槽1,80,202の前段に設けられる。そして、本実施の形態の水処理装置では、電極3,4,203,204を備える処理水槽1,80,202から、10分の1程度の被処理水が、1次固液分離槽501に戻される。
【0182】
これにより、処理水槽1,80,202で凝集剤が生じた場合、当該凝集剤を1次固液分離槽501で被処理水に作用させた後、当該被処理水を処理水槽1,80,202に導入することができる。つまり、ある程度、SS成分等を凝集剤により除去された被処理水が処理水槽1,80,202に導入される。したがって、処理水槽1,80,202で、より効果的に、つまり、より余計な物質の存在しない環境で、電解により生成した物質を、被処理水に作用させることができる。
【0183】
[第35の実施の形態]
上記した各実施の形態の水処理装置は、嫌気槽、好気槽等の生物処理と併せて用いられる場合、当該生物処理の後に配置されることが好ましい。ここで、窒素除去装置が生物処理を含む水処理装置と組合される際の、具体的な例を示す。図41は、本実施の形態の水処理装置が合併浄化槽(タンク101)の3次処理に適用された状態を示す図である。
【0184】
水処理装置は、主に、タンク101および処理水槽1から構成される。タンク101は、地中に埋設されている。タンク101の内部は、第一仕切壁102、第二仕切壁103、第三仕切壁104および第四仕切壁120により、第一嫌気ろ床槽105、第二嫌気ろ床槽110、接触ばっ気槽114、沈殿槽119および消毒槽121に区画されている。また、タンク101の上部は、複数のマンホール128で蓋をされている。さらに、タンク101内部の部材は、タンク101の外部にある部材(第三ブロア130等)に接続されている。そして、図41では、第三ブロア130等の、タンク101の外部にある部材を、便宜上、タンク101の上方に記載しているが、これらの部材は、必ずしもタンク101の上方に設置されるものではない。
【0185】
第一嫌気ろ床槽105は、被処理水である生活雑排水が流入する流入口106を備え、その内部に第一嫌気ろ床107を配設されている。つまり、本実施の形態では、第一嫌気ろ床槽105は、生活雑排水が流入する共雑物除去槽であり、また、流入槽である。第一嫌気ろ床槽105では、生活雑排水中の難分解性の雑物が沈殿分離されるとともに、第一嫌気ろ床107に付着した嫌気性微生物により生活雑排水中の有機物が嫌気分解される。また、硝酸性の窒素が、窒素ガスへと還元される。
【0186】
また、第一嫌気ろ床槽105には、第一移流管108が備えられている。また、第一仕切壁102の上部には、第一給水口109が形成されている。第一移流管108の一端は第一嫌気ろ床槽105内に、他端は第二嫌気ろ床槽110内に、配置されている。第一嫌気ろ床槽105で嫌気分解された処理水は、第一移流管108を介して、後退する第二嫌気ろ床槽110に供給される。
【0187】
第二嫌気ろ床槽110には、第二嫌気ろ床111が備えられている。第二嫌気ろ床111により、浮遊物質が捕捉され、嫌気性微生物により有機物が嫌気分解され、硝酸性の窒素が窒素ガスへと還元される。
【0188】
第二嫌気ろ床槽110には、第二移流管112が備えられている。また、第二移流管112の上部には、噴出装置132が取付けられている。噴出装置132は、第三ブロア130に接続されている。また、噴出装置132は、第二仕切壁103上部に貫通する第二給水口13を介して、第二嫌気ろ床槽110と接触ばっ気槽114を接続させている。
【0189】
噴出装置132は、第三ブロア130から空気を送られることにより、噴出口131から第二移流管112内に空気を吹出す。これにより、第二移流管112における、第二嫌気ろ床槽110から接触ばっ気槽114への処理水の供給が促進される。
【0190】
接触ばっ気槽114は、接触材115を備えている。接触材115は、好気性微生物の培養を促進するために備えられている。接触ばっ気槽114の底部付近には、第一散気管116が設けられている。
【0191】
第一散気管116は、その上端を第一ブロア117に接続されている。第一散気管116の下面側には、複数の孔が形成されている。そして、第一ブロア117から空気を送り込まれると、該空気は、該孔から気泡として放出される。なお、第一散気管116の下面側に孔が形成されることにより、上面または側面に孔が形成される場合よりも、汚泥がその内部に入り難い。
【0192】
第一散気管116から気泡が放出されることにより、接触ばっ気槽114は、好気状態に維持される。これにより、接触ばっ気槽114では、処理水が好気性微生物によって好気分解されると共に、硝化され、アンモニア性窒素が硝酸性の窒素へと分解される。接触ばっ気槽114内の好気性微生物には、硝化菌が含まれる。一般に、硝化菌とは、アンモニア酸化細菌と亜硝酸化細菌のことを指す。
【0193】
接触材115には、増殖して徐々に大きくなった生物膜が付着している。第一散気管116から気泡が放出されると、接触材115に付着している生物膜が剥離する。
【0194】
接触ばっ気槽114の下部には、ポンプ133が備えられている。また、ポンプ133の上方には、汚泥返送路134が接続され、汚泥返送路134の上端には、図41の左側に延びるように、汚泥返送路135が接続されている。これにより、接触ばっ気槽114で生じた汚泥は、第一嫌気ろ床槽105に送られる。なお、第三仕切壁104の下端は、タンク101の内壁面には接続されておらず、接触ばっ気槽114と沈殿槽119とは、下部で接続されている。
【0195】
沈殿槽119の上部には、消毒槽121が設けられている。消毒槽121は、沈殿槽119の上澄みが流れ込むように、構成されている。また、消毒槽121には、殺菌装置22が備えられている。殺菌装置22には、塩素系等の薬品が備えられている。消毒槽121に流入した処理水は、該薬品に消毒され、排水口123を介して、処理水槽1に送られる。処理水が処理水槽1に送られると、上記の第1の実施の形態等で説明したように、当該処理水内の窒素酸化物が窒素ガスへと変換される。
【0196】
また、沈殿槽119には、第三移流管138およびポンプ139が備えられている。接触ばっ気槽114内の処理水は、第三移流管138を介して、沈殿槽119に流れ込む。なお、この流れは、ポンプ139により、促進される。
【0197】
沈殿槽119と第一嫌気ろ床槽105は、第一返送管124によって接続されている。第一返送管124は、その内部に、第二散気管125を備えている。第二散気管125は、第二ブロア126に接続されている。第二散気管125は、適宜、空気を噴出するための噴出孔を形成され、第二ブロア126から供給される空気を該噴出孔から噴出して、沈殿槽119内の処理水を、第一返送管124を介して、第一嫌気ろ床槽105に送り込む。
【0198】
第一嫌気ろ床槽105の上部には、電解槽159が設けられている。電解槽159は、第一返送管124から被処理水を導入される。電解槽159の内側には、電極対151,152が設けられている。電極対151,152は、それぞれ、電源157に接続されている。電解槽159内では、電極対151,152における電気分解反応により、鉄イオンやアルミニウムイオン等の金属イオンが溶出する。これにより、電解槽159内では、溶出した金属イオンと処理水内のリン化合物等が反応して、水に難溶性の金属塩が生成し、凝集する。金属イオンとして鉄イオンが溶出した際、生成される難容性の金属塩としては、主に、「FePO4 」,「Fe(OH)3 」,「FeOOH」,「Fe2 3 」,および,「Fe3 4 」の化合物を挙げることができる。つまり、被処理水に鉄イオンが供給されると、主に、上記した5種類の化合物が凝集する。
【0199】
電解槽159の下流側には、磁気処理ユニット160が設置されている。電解槽159内の被処理水が、磁気処理ユニット160内に流れ込む。磁気処理ユニット160では、被処理水が磁石と接触する。なお、Fe2 3 やFe3 4 は、磁石に引きつけられる。つまり、被処理水に鉄イオンが供給されて生じた凝集物は、Fe2 3 やFe3 4 を含むため、磁石に引きつけられる。これにより、Fe2 3 やFe3 4 とともに凝集しているFePO4 も、磁石に引きつけられ、被処理水から分離されることになる。磁気処理ユニット160で処理された後、被処理水は、再び、第一嫌気ろ床槽105に送られる。
【0200】
つまり、本実施の形態では、図41に示すように、被処理水は、第一,第二嫌気ろ床槽105,110で処理された後、接触ばっ気槽114に送られ、さらに、沈殿槽119に送られる。沈殿槽119の被処理水は、沈殿する汚泥と共に、電解槽159を介して第一嫌気ろ床槽105に返送される。なお、沈殿槽119から接触ばっ気槽114へも、沈殿する汚泥と共に被処理水が流れ、また、接触ばっ気槽114から第二嫌気ろ床槽110へも、接触剤15から剥離した汚泥と共に被処理水が流れ込む。沈殿槽119内の被処理水の上澄みは、消毒槽121に流れ込む。そして、消毒槽121内の被処理水は、排水口123を介して、処理水槽1に送られることにより、処理水槽1で、3次処理的に、窒素酸化物を除去する処理をなされる。
【0201】
以上説明した本実施の形態では、処理水槽1は、リン除去用の電解槽159よりも下流側に設置されているが、これに限定されず、電解槽159より上流側に設置されてもよい。
【0202】
また、上記したタンク1および処理水槽1は、主に、家庭用排水や工場排水を処理する大規模な排水処理施設に適用されるが、処理水槽1については、地下水や浄水の汲上げポンプの後段に設置され、これらの水の窒素成分の除去に利用することもできる。
【0203】
また、本実施の形態では、処理水槽1は、タンク1の後段に、つまり、2次処理後の被処理水が導入されるように、設置されていた。なお、このように、被処理水の3次処理用の装置として処理水槽1を利用する際の処理の流れとして、嫌気性処理および好気性処理がなされた被処理水を、砂ろ過原水槽に送り、その後、砂ろ過装置に送り、さらに、砂ろ過処理水槽に送った後、消毒槽で消毒して、処理水槽1で処理し、施設外に放流するような流れを挙げることができる。
【0204】
また、別の流れとして、嫌気性処理および好気性処理がなされた被処理水を、中間流量調整槽,凝集槽,凝集沈殿槽,リン除去用の電解槽の順で循環しつつ、リン除去用の電解槽の被処理水を、一部、嫌気ろ床槽に送る。そして、凝集沈殿槽内の上澄みの被処理水を、消毒槽に送った後、消毒槽から処理水槽1に送って処理し、施設外に放流するという流れも考えられる。
【0205】
また、処理水槽1を、タンク1内に、2次処理の一部として用いてもよい。なお、上記したように、処理水槽1で処理された被処理水に含まれる物質は、微生物の活動を阻害するおそれがあるため、処理水槽1は、沈殿槽119に設置されることが好ましい。これにより、リン除去および窒素除去を行なう装置をコンパクトに構成できる。処理水槽1がタンク101内に設置された際には、処理水槽1内ならびに陽極3および陰極4の表面上の汚泥を除去する機構を設けることが好ましい。
【0206】
また、タンク101での最終段階の処理は、消毒槽121における処理とすべく、処理水槽1は、消毒槽121よりも上流側に設置されることが好ましい。
【0207】
なお、第三仕切壁104の下端をタンク101の内壁に接続させ、接触ばっ気槽114と処理水槽119とを下部で連結できないようにしてもよい。
【0208】
また、消毒槽121内に、処理水槽1を設置してもよい。
さらに、水処理装置が合併浄化槽の3次処理として使用される際には、図42に示すように、処理水槽1内の隔膜2は省略されてもよい。
【0209】
また、以上説明した各実施の形態において、陰極は、デバルタ合金等から構成されていたが、その他に、銀、鉄等から構成されてもよい。
【0210】
今回開示された各実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。また、各実施の形態は、単独でも、組合せても、実施できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水処理装置の第1の実施の形態である窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図2】 図1の窒素除去装置における、被処理水のpHと硝酸態窒素除去の度合いの関係を示す図である。
【図3】 本発明の第2の実施の形態である窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図4】 本発明の第3の実施の形態である窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図5】 本発明の第4の実施の形態である窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図6】 図5の電極の詳細な構造を示す図である。
【図7】 図5の電極の詳細な構造を示す図である。
【図8】 本発明の第5の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図9】 本発明の第6の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図10】 本発明の第7の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図11】 本発明の第8の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図12】 本発明の第9の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図13】 本発明の第10の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図14】 本発明の第11の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図15】 本発明の第12の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図16】 本発明の第13の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図17】 本発明の第14の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図18】 本発明の第15の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図19】 本発明の第16の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図20】 本発明の第18の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図21】 本発明の第18の実施の形態の窒素除去装置を模式的に示す図である。
【図22】 本発明の水処理装置の第19の実施の形態である水処理装置を模式的に示す図である。
【図23】 図22の水処理装置の電極上での主な電解反応を模式的に示す図である。
【図24】 図22の水処理装置の電極間に電流を流した時間と、被処理水中の硝酸態窒素が除去される度合いとの関係の一例を示す図である。
【図25】 本発明の第20の実施の形態である水処理装置を模式的に示す図である。
【図26】 本発明の第21の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図27】 本発明の第22の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図28】 図27の分離膜の斜視図である。
【図29】 本発明の第23の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図30】 本発明の第24の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図31】 本発明の第25の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図32】 本発明の第26の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図33】 本発明の第27の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図34】 本発明の第28の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図35】 本発明の第29の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図36】 本発明の第30の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図37】 本発明の第31の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図38】 本発明の第32の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図39】 本発明の第33の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図40】 本発明の第34の実施の形態の水処理装置を模式的に示す図である。
【図41】 本発明の第35の実施の形態の水処理装置が合併浄化槽の3次処理として使用される状態を模式的に示す図である。
【図42】 図41に示した水処理装置の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1,80,202 処理水槽、2,2A,2B,40 隔膜、2X 回収室、3,4,95,96,203,204 電極、3A 陽極室、4A 陰極室、5直流電源、6,61 アルカリ塩供給装置、20,90,220 制御回路、21,223 pHセンサ、22,23 水位センサ、30 混合槽、41,66,67,82 カートリッジ、42 電解槽、50,250 反応槽、60 塩化物供給装置,206 薬剤供給装置、207,557 攪拌器、214B ドレインバルブ,280,310 分離膜、290 膜分離槽、300 固液分離槽。

Claims (21)

  1. 被処理水を収容する収容部と、
    前記収容部に備えられた第1の電極対とを含み、
    前記第1の電極対の陰極は、両性金属を含む合金からなる第1の部材であって、
    さらに、前記第1の部材は、銅を主成分とする合金であり、
    前記第1の電極対の陽極は、前記第1の部材により前記被処理水中の窒素酸化物が還元されて生成したアンモニウムイオンを酸化する、水処理装置。
  2. 被処理水を収容する収容部と、
    前記収容部に備えられた第1の電極対とを含み、
    前記第1の電極対の陰極は、当該陰極内の成分が溶出し、前記収容部内の、凝集剤として作用する水に不溶性の化合物を生成する金属を含む合金からなる第1の部材であって、
    さらに、前記第1の部材は、銅を主成分とする合金であり、
    前記第1の電極対の陽極は、前記第1の部材により前記被処理水中の窒素酸化物が還元されて生成したアンモニウムイオンを酸化する、水処理装置。
  3. 前記第1の部材は、銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金からなる、請求項1または請求項2に記載の水処理装置。
  4. 前記収容部内を第1の槽と第2の槽に仕切る隔膜と、
    前記第1の槽内の被処理水に浸され陽極を構成する第1槽陽極と、
    前記第2の槽内の被処理水に浸され陰極を構成する第2槽陰極と、
    前記第1槽陽極および前記第2槽陰極に電力を供給する第1の電源とをさらに含む、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水処理装置。
  5. 前記第2の槽内の被処理水が導入される槽であって、前記第1の槽および前記第2の槽とは異なる第3の槽と、
    前記第3の槽に酸化剤を添加する酸化剤添加部とをさらに含む、請求項4に記載の水処理装置。
  6. 前記収容部内に、水溶液中でアルカリ金属またはアルカリ土類金属のイオンを供給するアルカリ試薬を投入する、アルカリ試薬投入部材をさらに含む、請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水処理装置。
  7. 前記収容部内のpHを検出するpH検出部と、
    前記pH検出部の検出出力に基づいて、前記アルカリ試薬投入部材による試薬の投入量を制御する投入量制御部とをさらに含む、請求項6に記載の水処理装置。
  8. 前記収容部内の被処理水の硝酸イオン濃度を検出するための硝酸イオン電極と、
    前記第1の部材と前記硝酸イオン電極との間に設けられた遮蔽手段とをさらに含む、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の水処理装置。
  9. 前記収容部の被処理水が導入され酸化処理される水槽である流入部をさらに含む、請求項1〜請求項8のいずれかに記載の水処理装置。
  10. 前記第1の電極対の陽極は、ステンレス、貴金属元素を含む材料、もしくは、貴金属元素を含む材料でコーティングされた材料からなる電極、または、炭素電極である、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の水処理装置。
  11. 前記第1の電極対は一定の電流を供給される、請求項1〜請求項10のいずれかに記載の水処理装置。
  12. 被処理水を収容する収容部と、
    前記収容部内の溶液をアルカリ性にするためのアルカリ水生成部と、
    前記収容部内に備えられ、銅を主成分とし、銅よりもイオン化傾向の高い金属を含む合金からなり、前記収容部内の被処理水中の窒素酸化物を還元する第1の部材とを含む、水処理装置。
  13. 前記第1の部材は、粉末状、バルク状、メッシュ状、棒状、板状、筒状、または、ポーラス状で前記収容部内に設置される、請求項1〜請求項12のいずれかに記載の水処理装置。
  14. 前記収容部内を攪拌する攪拌部材をさらに含む、請求項1〜請求項13のいずれかに記載の水処理装置。
  15. 前記収容部は、ホッパー型であり、その底部にドレインバルブを備える、請求項1〜請求項14のいずれかに記載の水処理装置。
  16. 前記収容部内の固体と液体とを分離させる分離手段をさらに含む、請求項1〜請求項15のいずれかに記載の水処理装置。
  17. 容量が前記収容部の容量以上であり、前記収容部に送り込む被処理水を貯留する、貯留槽をさらに含む、請求項1〜請求項16のいずれかに記載の水処理装置。
  18. 前記収容部内の被処理水の一部を前記貯留槽に送る送水部をさらに含む、請求項1〜請求項17のいずれかに記載の水処理装置。
  19. 前記収容部に流入する被処理水が通過する流入弁と、
    前記収容部から排出される被処理水が通過する排出弁と、
    前記流入弁および前記排出弁の開閉を制御する弁制御部とをさらに含む、請求項1〜請求項18のいずれかに記載の水処理装置。
  20. 前記収容部の前記第1の部材よりも上流側に、カルシウムを含有する化合物を投入するカルシウム化合物投入部をさらに含む、請求項1〜請求項19のいずれかに記載の水処理装置。
  21. 前記収容部には、生物処理後の被処理水が導入される、請求項1〜請求項20のいずれかに記載の水処理装置。
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