JP2006095466A - 電気分解装置、この電気分解装置を有する浄化槽、及び、電気分解方法 - Google Patents

電気分解装置、この電気分解装置を有する浄化槽、及び、電気分解方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明は、同一の電解槽で陰極汚れがなく、且つ連続的に窒素とリンとが除去できる、電解除去方法、電気分解処理装置、およびそれを備えて有機物、窒素およびリンを高度に除去できる汚水浄化槽を提供することを目的とする。
【解決手段】 本発明は、汚水中の窒素成分及びリン成分を電気分解により除去する電気分解装置において、汚水を流入させる第1の槽と、この第1の槽を通過した汚水を流入させる第2の槽と、上記第1及び2の槽の各々に設けられた陰極及び陽極の電極とを備え、電極の一方が通電時に陽極となりリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出する部材にて構成され、所定時間経過毎又は任意の時に、第1の槽及び第2の槽の各々の電極極性を変えることができる電気分解装置である。
【選択図】 図1

Description

本発明は、屎尿、その他の生活汚水、又はこれらの合併汚水(以下、汚水ともいう)を物理的、生物化学的、及び電気化学的に浄化処理する汚水浄化槽のうち、詳しくは有機物以外に窒素分およびリン分の富栄養化成分を電気分解によって除去する電気分解装置、汚水浄化槽、及び、電気分解方法に関するものである。
家庭等で用いられる汚水浄化槽において、有機物は生物化学的処理によって、また、窒素分およびリン分の富栄養化成分は電気分解によって処理(除去)する汚水浄化槽が種々提案されている。例えば図4は、従来の汚水浄化槽を槽内の単位槽(装置)ごとに分けてブロックシートで示したものであり、上流側から、嫌気ろ床槽、接触ばっ気槽、沈殿槽、消毒槽を配置している。そして、窒素分を除去する窒素除去電解槽は、消毒槽後の最終槽に配置させ、また、リン分を除去するリン除去電解槽は、沈殿槽から沈殿汚泥を嫌気ろ床槽へ返送する経路の末端部に配置させている。この例では、窒素除去電解槽とリン除去電解槽とを別槽として全く異なった部位に配置させているが、前記窒素除去電解槽の対極する電極材の構成と極性変換をすることによって同一の電解槽で窒素除去とリン除去とができることも知られている。(例えば、特許文献1参照)。
この汚水浄化槽では、嫌気ろ床槽と接触ばっ気槽で有機物の分解を図るが、この際、窒素分の多くは酸化されてアンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンとして存在している。窒素除去電解槽では、これら窒素分のうち、硝酸イオン、亜硝酸イオンを陰極で還元させて、アンモニウムイオンにする。一方、陽極では存在する塩素イオンの酸化が行われて次亜塩素酸が生成する。そこで、この次亜塩素酸と前記アンモニウムイオンとを反応させて窒素ガスを発生させることによって水系から窒素分を除去することができる。また、リン除去電解槽には、沈殿槽の沈殿汚泥とリン酸イオン含有液とが流入してくるが、このとき、リン除去電解槽の両極を鉄材にすると、陽極から鉄イオンが溶出する。そこで、この鉄イオンとリン酸イオンとを反応させて不溶性(または難溶性)のリン酸鉄とし、析出したリン酸鉄は嫌気ろ床槽で沈殿するので、これによって水系からリン分を除去することができる。
同一の電解槽で窒素とリンとを除去する場合は、陰極に鉄材、陽極に不溶性金属材を設け、この状態で電解すると陽極では前記した反応によって窒素分が除去でき、次に極性を変換して陰極を不溶性金属材、陽極を鉄材にして電解すると陽極では鉄材が溶け、前記した反応によってリン分が除去できる。すなわち、これらの極性を所定時間経過ごとに変えることによって窒素とリンを除去することができる。
図5は、汚水浄化槽に適用され、同一の電解槽で窒素とリンとを除去する別の例である。電解槽50には、不溶性金属材からなる陽極51、銅と亜鉛の合金等の金属材からなる陰極52、および不溶性金属材の容器に鉄球53を入れた陽極54を配置させている。(例えば、特許文献2参照)。
この電解槽50において、陰極52に、硝酸イオン、亜硝酸イオンを還元させて、アンモニウムイオンにする。一方、陽極51では存在する塩素イオンの酸化が行われて次亜塩素酸が生成するため、この次亜塩素酸と前記アンモニウムイオンとを反応させて窒素ガスを発生させる。これによって水系から窒素分が除去できる。また、他方の陽極54では、鉄球53から鉄イオンが溶出するため、この鉄イオンとリン酸イオンが反応し不溶性(または難溶性)のリン酸鉄となる。これによって水系からリン分を除去することができる。
特開2003―71454公報 特開2003―266074公報
上記従来の汚水浄化槽において窒素とリンとを電気分解で除去する場合、窒素除去電解槽とリン除去電解槽とをそれぞれ別槽として配置させると、それぞれに給電および電解の制御が必要になる。また、同一の電解槽で窒素とリンとを除去する場合、両極の極性変換を行う方法では窒素除去とリン除去とが交互に行われる間欠運転となるためリンが除去されない時間帯および窒素が除去されない時間帯を生じ、陰極の両側に陽極を配置させて陽極の一方を溶出させる方法では窒素とリンとを同時に除去することができるものの、金属性物質、アルカリ土金属類等の溶存している物質が陰極に徐々に析出してしまい(陰極汚れ)、電解効率の低下を起こす可能性がある。
本発明は、同一の電解槽で陰極汚れがなく、且つ連続的に窒素とリンとが除去できる、電気分解処理装置、およびそれを備えて有機物、窒素およびリンを高度に除去できる汚水浄化槽、及び電機分解方法を提供することを課題とする。
本発明は、次のものに関する。
(1)本発明は、汚水中の窒素成分及びリン成分を電気分解により除去する電気分解装置において、汚水を流入させる第1の槽と、この第1の槽を通過した汚水を流入させる第2の槽と、上記第1及び2の槽の各々に設けられた陰極及び陽極の電極とを備え、電極の一方が通電時に陽極となりリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出する部材にて構成され、所定時間経過毎又は任意の時に、第1の槽及び第2の槽の各々の電極極性を変えることができる電気分解装置である。
(2)項(1)において、第1の槽と第2の槽とが隣接している電気分解装置。
(3)項(1)又は(2)において、第1の槽と第2の槽とが、1つの容器を仕切にて区画し、一方の区画を第1の槽となし、他方の区画を第2の槽となしたものである電気分解装置。
(4)項(1)乃至(3)のいずれかにおいて、電極極性の変極を繰り返し行うことができる電気分解装置。
(5)項(1)乃至(4)のいずれかの電気分解装置を備え、上流より嫌気的生物処理槽、好気的生物処理槽を有した汚水浄化槽。
(6)項(5)において、好気的生物処理槽が、主に好気処理を行う生物反応槽と、主にこの生物反応槽にて発生した浮遊物質の濾過を行う濾過槽とを備え、上記生物反応槽と濾過槽との間に電気分解装置を配した汚水浄化槽。
(7)汚水に含まれるアンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンおよびリン酸イオンの窒素・リン分を2室からなる電気分解槽により除去する方法であって、上記2室のうち第1室では、窒素除去モードにして、陰極で亜硝酸イオン、硝酸イオンをアンモニウムイオンに還元し、陽極で塩素イオンを塩素に酸化させて、汚水中から窒素分を除去し、次いで第2室では、リン除去モードにして、陽極からリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出させて、汚水中からリン分を除去し、また、所定時間の経過後又は任意の時に、2室それぞれの電極の極性を変換して、前記第1室では、リン除去モードにして、陽極からリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出させて、汚水中からリン分を除去し、次いで前記第2室では、窒素除去モードにして、陰極で亜硝酸イオン、硝酸イオンをアンモニウムイオンに還元し、陽極で塩素イオンを塩素に酸化させて、汚水中から窒素分を除去する電気分解方法。
本発明の電気分解装置は、電気分解槽を2室にして、第1室を窒素除去モードおよび第2室をリン除去モードにして電気分解させ、所定時間の経過後に2室それぞれの電極の極性を変換して、前記第1室をリン除去モードおよび前記第2室を窒素除去モードにして電気分解させるので、陰極の汚れを防止できるとともに、汚水中から連続的に窒素・リン分を除去できる。
また、本発明の汚水浄化槽は、好気的生物処理槽を生物反応槽および濾過槽とで構成させ、この生物反応槽と濾過槽との間に電気分解装置を設けることで、高度に安定して有機物および窒素・リン分を除去できる。
以下、図面を参照して、本発明を更に具体的に説明する。
汚水は、嫌気的生物処理槽で嫌気的に処理すると、有機物中の窒素分がアンモニア態窒素(アンモニウムイオン)に低分子化(分解)する。次いで、この液を好気的生物処理槽で処理すると、有機物がさらに分解されるとともに、アンモニア態窒素(アンモニウムイオン)は亜硝酸態窒素(亜硝酸イオン)、さらには硝酸態窒素(硝酸イオン)に酸化(硝化)される。
図1は、上記にて述べた嫌気処理及び好気処理を行った汚水から電気分解によって窒素・リン分を除去する方法を示す概略図であり、(a)は第1室が窒素除去モードおよび第2室がリン除去モードを説明する模式図、(b)は第1室がリン除去モードおよび第2室が窒素除去モードを説明する模式図である。
(a)の状態において、汚水は先ず電気分解槽の第1室に入り、汚水中に含まれる硝酸イオンおよび亜硝酸イオンは陰極側で還元され、アンモニウムイオンが生成する。
Figure 2006095466
一方、陽極側では、汚水中に含まれる塩素イオンが酸化されて次亜塩素酸を生成する。
Figure 2006095466
そしてこの次亜塩素酸とアンモニウムイオンとが反応して窒素分は窒素ガスになる。すなわち、汚水中から窒素分を除去することができる。
Figure 2006095466
窒素分が除去された汚水は電気分解槽の第2室に入り、汚水中に含まれるリン酸イオンは、陽極から溶出する金属イオンと反応して不溶性または難溶性のリン酸塩となる。このリン酸塩はフロック状に固形化するので固液分離でき、固形化したリン酸塩をバキューム等により吸い出すことで排除することができる。すなわち、汚水中からリン分を除去することができる。
Figure 2006095466
(b)の状態において、汚水は先ず電気分解槽の第1室に入り、汚水中に含まれるリン酸イオンは、陽極から溶出する金属イオンと反応して不溶性または難溶性のリン酸塩となる。このリン酸塩はフロック状に固形化するので、この固形化したリン酸塩をバキューム等により吸い出し、汚水中からリン分を除去することができる。次に汚水は電気分解槽の第2室に入り、汚水中に含まれる硝酸イオンおよび亜硝酸イオンは陰極側で還元され、アンモニウムイオンになる。一方、陽極側では、汚水中に含まれる塩素イオンが酸化されて次亜塩素酸を生成する。そしてこの次亜塩素酸とアンモニウムイオンとが反応して窒素分は窒素ガスになるので、汚水中から窒素分を除去することができる。なお、(a)および(b)の状態において、リン酸塩は、第1室および第2室で分離することもでき、系外で濾過等により分離することもできる。
窒素除去モードおよびリン除去モードの形態をとる電気分解槽の電極材には次のようなものが用いられる。対極する一方の電極材(窒素除去モードのときの陽極、リン除去モードのときの陰極)には、白金、イリジウム、ルテニウム、パラジウム、ロジウム等貴金属又は貴金属の酸化物の1種以上で被覆されたチタン、二酸化鉛、フェライト、カーボン等を用いることができるが、好ましくはこれらのうち非溶出性電極である。また、もう一方の電極材(窒素除去モードのときの陰極、リン除去モードのときの陽極)は、リン酸イオンと反応する金属イオンを溶出するものであり、鉄、ステンレスなどの鉄合金、アルミニウム等を用いることができる。好ましくは鉄電極である。
図2は、本発明の汚水から窒素・リン分を除去する電気分解装置を示す概略図であり、(a)は電気分解汚水処理装置の概略平面図、(b)は(a)のA−A面における概略断面図である。
電気分解装置1は、陰極(2−1、3−1)および陽極(2−2、3−2)を備えている電気分解室2室(第1室4、第2室5)を直列に配置している。そして、第1室4を窒素除去モードとするとき、第2室5をリン除去モードにしている。また、前記2室それぞれの極性を変換する(陰極は2−2、3−2および陽極は2−1、3−1)と、第1室4がリン除去モードになり、第2室5が窒素除去モードになるようにしている。この極性変換は、所定時間経過ごとに繰り返すようになっており、具体的には制御ボックス6に内蔵したマイコンにタイマーに連動させて極性変換の指示を行う。上記の極性変換を繰り返すことによって、窒素・リン分の除去が連続的にでき、また、陰極の汚れも防止できる。
さらに詳しく説明する。電気分解装置1は、仕切り板7によって第1室4および第2室5を設け、第1室4で仕切り板7と反対方向の壁には汚水の流入口8を設け、第2室で仕切り板7の反対方向の壁には汚水の流出口9を設け、また、仕切り板7には第1室4から第2室5への汚水の移流口(管)10−1、10−2を設けている。なお、電気分解装置1は、平面視で四角形を示しているが、円形でもよく、これら形状に限定されるものではない。移流口(管)10−2は流出口9の位置に設けてもよい。図2では、汚水の流入口8の外側には流入口8を囲むように更に移流口11(管)を設けているが、これを除くこともできる。第1室4および第2室5でそれぞれ対極する電極材および窒素・リン分の除去メカニズムはすでに述べているので省略する。
図2では、電極材の形状は板状を示しているが、波板状、網状等を用いることもでき、これらに限定されるものではない。なお、金属イオンを溶出する電極側は金属イオンが徐々に溶出して消耗するため、適宜新しい電極と交換する必要がある。第1室4および第2室5には、電極面で液中の溶質分の拡散を促進させることが好ましく、そのために散気部材12−1、12−2を設け、ブロワ13からの空気を散気するようにしている。また、リン酸塩(以降、リン酸鉄と略す)は、第1室4および第2室5で分離するときには、それぞれの室の底部をホッパー状にして、沈殿したリン酸鉄をホッパー底部から抜き取ることで分離することもできるが(図示省略)、散気部材12−1、12−2から散気する場合には、移流させた後に系外で、濾過又はバキュームによる抜き取ることが好ましい。
図3は、本発明の電気分解装置を備えている汚水浄化槽を示す一例であり、(a)は汚水浄化槽の概略平面図、(b)は(a)のB−B面における概略断面図、(c)は(a)のC−C面における概略断面図である。汚水浄化槽15は、上流から順に、嫌気的生物処理槽(17、18)および好気的生物処理槽(19、20)、消毒槽26を配置し、これらの一画に前記の電気分解装置1を備えている。
また、汚水浄化槽15の好気的生物処理槽は、生物反応槽19と濾過槽20とから構成され、この生物反応槽19と濾過槽20との間に電気分解装置1を備えることが好ましい。そして、図3では前記電気分解装置1、濾過槽20、消毒槽26は生物反応槽19に囲まれるように配置させているが、このような配置に限定されるものではなく、前記したように電気分解装置1が生物反応槽19と濾過槽20との間に配置させる構造であればよい。例えば、上面から見てコ字形の生物反応槽の中央部分に、電気分解装置1と、濾過槽20とを、汚水浄化槽15の短辺方向に並べて設置するようにすることができる。生物反応槽19からの移流水は、移流口11を設けて、この移流口11を経由させ流入口8から第1室4に流入させる。なお、前記移流口11は、その下部を生物反応槽19の底部または底部付近まで延在させ、その下部を開口させている。前記開口部は、生物反応槽19に流動する微生物付着材(担体)を充填する場合には、この担体が移流口11に流出しないようにメッシュ、スリット等の担体流出部材を設けることが好ましい。
ここで、汚水浄化槽15について詳しく説明する。嫌気的生物処理槽は、第一の嫌気処理槽17と第二の嫌気処理槽18とで構成され、第一の嫌気処理槽17には汚水流入管24が設けられ、また汚水流入管24の下方には上部及び下部が開口する箱状の流入バッフル40が設けられ、更には汚水流入管24と反対側の仕切り壁には移流管(口)27が設けられている。第一の嫌気処理槽17では、流入する汚水中の沈降しやすい固形物を沈殿分離させ、これを槽底部で濃縮貯留させる。このとき、槽底部に貯留する汚泥の一部は嫌気的生物反応によってスカムとなり、浮上して槽上部にて貯留する。また、濾床28では、嫌気的生物反応を進行させる。
第二の嫌気処理槽18では、第一の嫌気処理槽17と同様な処理機能を持たせ、スカム化による槽上部での汚泥貯留、濾床29での有機物分解、及び沈殿による底部での汚泥を貯留する。以上の嫌気的生物処理槽(第一の嫌気処理槽17、第二の嫌気処理槽18)で、有機物の分解に伴ってそれらに含まれる窒素分の多くはアンモニウムイオン(アンモニア態窒素)に転換される。なお、濾床28、29は省くこともできる。
第一の嫌気処理槽17及び第二の嫌気処理槽18のそれぞれの上部には、流入する汚水の変動を緩和させ次槽へ移流させるために、液水準が最高水位(H.W.L)及び最低水位(L.W.L)の間で変動可能な流量調整部30を設けている。また、第二の嫌気処理槽18内に配置した移流管(口)31のL.W.Lには、生物反応槽19へ液を一定流量で移送させる移送ポンプ32の吸込口を設けている。この場合、第一の嫌気処理槽17と第二の嫌気処理槽18との水位は、汚水の流入量が移送ポンプ32の送液量よりも多いか少ないかによってL.W.LとH.W.Lとの間を変動する。そうすることによって、汚水の流入量は平均化され、上記嫌気的生物処理槽(第一の嫌気処理槽17、第二の嫌気処理槽18)では、各槽のそれぞれの機能は良好に発揮される。なお、移送ポンプ32は、図1では、ブロワ33から送気される空気を用いるエアリフトポンプであるが、密閉容器に空気を圧送させる間欠定量ポンプや電動による水中ポンプ等を用いることもできる。
好気的生物処理槽のうち、生物反応槽19では、曝気するための散気部材34を底部に配置し、ブロワ33からの空気を噴出させる。また、生物反応槽19には微生物付着材(担体、微生物担体、接触材、接触濾材ともいう)を充填した床を形成させる。ここで、微生物付着材を充填した床は、微生物付着材が噴出する空気によって液と共に流動する流動床であっても、液のみが動く固定床であってもよい。生物反応槽19では、曝気を行い、(微生物が付着している)微生物付着材と液とが十分に混ざるようにし、あるいは、微生物付着材と液とが積極的に接触するようにし、これによって有機物を酸化・分解し、アンモニウムイオン(アンモニア態窒素)の硝化(亜硝酸イオン化、硝酸イオン化)も進む。
用いる微生物付着材の形状は、板状、網板状、ヘチマ状、多孔質状、筒状、棒状、骨格球状、紐状、更には粒状、不定形な塊状、立方体状、繊維塊状等の種々の形状に加工したものを用いることができる。流動床にはこれら微生物付着材のうち、比較的小さく流動しやすい形状のものが好ましく用いられ、また、固定床には比較的大きく固定しやすい形状のものが好ましく用いられる。微生物付着材の材質としては、塩化ビニリデン、ポリビニルフォルマール、ポリウレタン、メラミン樹脂等の合成樹脂製加工物、セラミックス、珪砂等の無機製加工物、アンスラサイト等の化石加工物、活性炭等で、比重が約1又は1以上のもの、また、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリスチレン等で、比重が約1又は1以下のもののいずれも用いることができる。
移流口11は、既述したように底部付近に生物反応槽19の微生物付着材を流出させないようにメッシュ、スリット等の形状からなる開口部を設け、また上部も開口させている。また、移流口11には生物反応槽19で処理した好気処理水の一部を第一の嫌気処理槽17へ戻す返送ポンプ35を立設している。返送ポンプ35と第一の嫌気処理槽17とは返送管22で接続させている。返送ポンプ35で好気処理水を返送させることで、生物反応槽19内の浮遊しているSSまたは沈殿しやすいSSを引き抜くことができることや、硝酸イオン、亜硝酸イオンは第一の嫌気処理槽17、第二の嫌気処理槽18で生物的作用によって脱窒素できるからである。返送ポンプ35からの処理水の返送は、連続であっても間欠であってもよい。なお、返送ポンプ35は、図3ではブロワ33から送気するエアリフトポンプを示したが、密閉容器に空気を圧送させる間欠定量ポンプや電動ポンプ等を用いることもできる。
生物反応槽19からの移流水の残部は、移流口(管)11、流入口8を経て電気分解汚水処理装置1に入る。電気分解汚水処理装置1の作用、構成等は既に述べているので詳細を省略するが、液中に存在する硝酸イオンおよび亜硝酸イオンの還元、アンモニウムイオンの窒素分をガス化して窒素除去する。また、リン酸イオンも金属イオンとの反応で固形化する。この固形化したフロックは濾過槽20で捕捉除去される。なお、散気部材12−1、12−2への空気はブロワ33から供給される。なお、散気部材12−1、12−2には、空気源を別のブロワとしてもよい。
濾過槽20には、電気分解汚水処理装置1から移流してくる移流水に存在または残留するSS(浮遊物質)、リン酸鉄フロックを捕捉するための濾材を充填した濾層が形成され、その濾層の下方又は下部には、濾層を洗浄するための散気部材36を配置している。また、濾過槽20の底部には、洗浄時に洗浄排水を引き抜くためのエアリフトポンプ37も配置されている。図3では、通常時の水流れ方向は下向流としているが、上向流とすることもできる。なお、濾過槽20では、生物反応槽19から持ち越される溶存酸素の存在により、好気的生物処理も進行する。なお、溶存酸素がない場合には専ら物理的な濾過がなされる。散気部材36およびエアリフトポンプ37には、ブロワ33からの空気が送気される。なお、散気部材36およびエアリフトポンプ37には、空気源を別のブロワとしてもよい。また、エアリフトポンプ37の代わりに電動ポンプを用いてもよい。
濾過槽20内の移流管38(若しくは移流口)の後流には、消毒槽26があり、この消毒槽26には放流管23を臨ませて設けている。なお、汚水浄化槽15は、各槽の保守点検をするために、槽上部にマンホールが設けているが、通常マンホールカバー16を取りつけている。
次に汚水浄化槽の運転方法を説明する。
(通常時運転)
流入汚水は、図3に示すとおり、汚水流入管24から第一の嫌気処理槽17に入り、そこで固液分離及び嫌気的生物処理が行われる。ここを通過した移流液は、第二の嫌気処理槽18に入り、さらに固液分離及び嫌気的生物処理が進む。また、流量調整部30において、第一の嫌気処理槽17及び第二の嫌気処理槽18へ流入する汚水量の変動を吸収・緩和しながら、汚水を移送ポンプ32で次の生物反応槽19へ定量的に移送する。
生物反応槽19に流入する移流水は、散気管34から吐出される空気および微生物付着材によって、好気的生物分解を受ける。分解された汚水中の有機物の一部は微生物に転換されつつ微生物付着材に付着し、一部は液中に浮遊してSSとして存在する。また、アンモニウムイオンの多くは亜硝酸イオン、硝酸イオンに硝化される。そして、生物反応槽19からの移流水は、移流口(管)11の下部の開口部から流入して移流口(管)11に入る。この移流水は、一部が返送ポンプ35によって連続又は間欠的に返送管22を介して第一の嫌気処理槽17に返送される。残り分の移流水は移流口(管)11の上部の移流口8から電気分解汚水処理装置1へ入る。
電気分解汚水処理装置1の第1室4および第2室5(第1室4および第2室5は所定時間ごとに電極の極性変換をする)を通る間に、移流水は窒素分が除去され、リン分がフロック化(固形化)する。電気分解汚水処理装置1の流出口9から出る移流水は、濾過槽20へ入る。
濾過槽20では、移流水中のSS(リン分のフロックも含む)が濾層で捕捉除去されるとともに、さらに生物的処理も進む。これによって、リン分と有機物も除去できる。有機物及びSS(リン分のフロックも含む)が除去された移流水は、移流管38から消毒槽26を経て放流管23から処理済み水として放流する。ここで、運転を長時間続けると、濾過槽20は濾層中にSSが蓄積して通水抵抗が高まって所定の通水量が得られなくなったり、またはSS捕捉能力が低下してSSがリーク(流出)する。そこで、このような状態になる前に濾過槽20の洗浄を行う。
(濾過槽の洗浄運転)
濾過槽20の水位が所定水位まで上昇するか、又はタイマー設定した所定時刻が来ると洗浄運転を開始させる。ここで、タイマー設定の場合、洗浄運転は汚水の流入の少ない時間帯、例えば、一般家庭では午後であれば14時頃〜16時頃、午前であれば1時頃〜5時頃、10時頃〜11時頃等に設定するとよい。この時間帯では、通常、流量調整部30の水位が最低水位付近にあるため、濾過槽20の洗浄排水を受け入れられる状態にあるからである。洗浄にあたっては、先ず、散気部材36から空気を吐出させ、濾過槽20における濾材を撹乱させSSを剥離させる。このとき、エアリフトポンプ37を稼動させて、洗浄排水を濾過槽20の底部から引き抜き、返送管22を介して第一の嫌気処理槽17に移送させる。この際、好ましくは、洗浄排水の全量を引き抜く。なお、濾過槽20の洗浄は、所定時間後に散気部材36からの空気吐出及びエアリフトポンプ37を停止させることで終了する。以上の洗浄運転は、一日に1回または複数回を行う。
本発明の電気分解除去方法を示す一例であり、(a)は第1室が窒素除去モードおよび第2室がリン除去モードを説明する模式図、(b)は第1室がリン除去モードおよび第2室が窒素除去モードを説明する模式図。 本発明の電気分解汚水処理装置を示す一例であり、(a)は電気分解汚水処理装置の概略平面図、(b)は(a)のA−A面における概略断面図。 本発明の汚水浄化槽を示す一例であり、(a)は汚水浄化槽の概略平面図、(b)は(a)のB−B面における概略断面図、(c)は(a)のC−C面における概略断面図。 従来の汚水浄化槽を槽内の単位槽(装置)で示ブロックシート。 従来の同一の電解槽で窒素とリンとを除去する電解装置の概略断面図。
符号の説明
1:電気分解装置、2−1:陰極、2−2:陽極、3−1:陰極、3−2:陽極、4:第1室、5:第2室、6:制御ボックス、7:仕切り板、8:流入口、9:流出口、10−1:移流口(管)、10−2:移流口(管)、11:移流口(管)、12−1:散気部材、12−2:散気部材、13:ブロワ、15:汚水浄化槽、16:マンホールカバー、17:第一の嫌気処理槽、18:第二の嫌気処理槽、19:生物反応槽、20:濾過槽、22:返送管、23:放流管、24:汚水流入管、26:消毒槽、27:移流管(口)、28:濾床、29:濾床、30:流量調整部、31:移流管(口)、32:移送ポンプ、33:ブロワ、34:散気部材、35:返送ポンプ、36:散気部材、37:エアリフトポンプ、38:移流管、40:流入バッフル、50:電解槽、51:陽極、52:陰極、53:鉄球、54:陽極

Claims (7)

  1. 汚水中の窒素成分及びリン成分を電気分解により除去する電気分解装置において、汚水を流入させる第1の槽と、この第1の槽を通過した汚水を流入させる第2の槽と、上記第1及び2の槽の各々に設けられた陰極及び陽極の電極とを備え、電極の一方が通電時に陽極となりリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出する部材にて構成され、所定時間経過毎又は任意の時に、第1の槽及び第2の槽の各々の電極極性を変えることができる電気分解装置。
  2. 請求項1において、第1の槽と第2の槽とが隣接している電気分解装置。
  3. 請求項1又は2において、第1の槽と第2の槽とが、1つの容器を仕切にて区画し、一方の区画を第1の槽となし、他方の区画を第2の槽となしたものである電気分解装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれかにおいて、電極極性の変極を繰り返し行うことができる電気分解装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれかの電気分解装置を備え、上流より嫌気的生物処理槽、好気的生物処理槽を有した汚水浄化槽。
  6. 請求項5において、好気的生物処理槽が、主に好気処理を行う生物反応槽と、主にこの生物反応槽にて発生した浮遊物質の濾過を行う濾過槽とを備え、上記生物反応槽と濾過槽との間に電気分解装置を配した汚水浄化槽。
  7. 汚水に含まれるアンモニウムイオン、亜硝酸イオン、硝酸イオンおよびリン酸イオンの窒素・リン分を2室からなる電気分解槽により除去する方法であって、上記2室のうち第1室では、窒素除去モードにして、陰極で亜硝酸イオン、硝酸イオンをアンモニウムイオンに還元し、陽極で塩素イオンを塩素に酸化させて、汚水中から窒素分を除去し、次いで第2室では、リン除去モードにして、陽極からリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出させて、汚水中からリン分を除去し、また、所定時間の経過後又は任意の時に、2室それぞれの電極の極性を変換して、前記第1室では、リン除去モードにして、陽極からリン酸イオンと反応する金属イオンを溶出させて、汚水中からリン分を除去し、次いで前記第2室では、窒素除去モードにして、陰極で亜硝酸イオン、硝酸イオンをアンモニウムイオンに還元し、陽極で塩素イオンを塩素に酸化させて、汚水中から窒素分を除去する電気分解方法。

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