JP6579509B2 - 継手 - Google Patents

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Description

本発明は、継手に関し、詳しくは上流側のとい部材と下流側のとい部材を接続する継手に関する。
特許文献1には、上流側の縦といと下流側の縦といを接続する継手が開示されている。この継手は、鉛直方向に延びた鉛直管と、鉛直管の側面から突出した枝管とで構成されている。上流側の縦といは、鉛直管の上端部に接続され、下流側の縦といは、鉛直管の下端部に接続される。この継手は、集中豪雨などの際に多量の雨水が流れた場合に、継手内部の雨水が枝管から外部にあふれ出るようになっており、これにより、上流側の縦といにつながったバルコニーには雨水が溜まりにくくなっている。
特開2011−89321号公報
ところで、前記継手は、枝管の下流側開口が上方に向かって開口している。このため、枝管の下流側開口から、落ち葉などのごみが継手に入り、詰まりが生じる可能性がある。また、枝管の下流側開口から雨水が入り、バルコニーから排出できる雨水の量が少なくなる可能性もある。
本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、下流側の排水経路において、落ち葉などのごみが詰まりにくく、かつ多くの雨水を排出できる継手を提供することを課題とする。
前記課題を解決するために本発明の継手は、上流側のとい部材の下端部と、下流側のとい部材の上端部とを接続する継手であって、上下方向に延び、上端部が前記上流側のとい部材に接続可能で下端部が前記下流側のとい部材に接続可能な流路部を備え、前記流路部の周壁部に、前記流路部内の水を前記流路部の外側にあふれさせるための第1開口が形成され、前記継手は、前記流路部の外側に設けられて、前記第1開口を覆うカバー部を備え、前記カバー部と前記流路部の間に、前記第1開口よりも下方位置で下方に向かって開口し、前記第1開口からあふれた水を下方に排出するための第2開口が形成され、前記流路部は、下方ほど流路面積が小さくなった筒状の絞り部と、前記絞り部の下方に位置し、前記上流側のとい部材から前記絞り部を介して雨水が流れ込み、かつ、前記下流側のとい部材に通じる筒状の流入部とを備え、前記流入部の上端部と前記絞り部との間に、前記第1開口が形成されたことを特徴とする。
本発明に係る継手は、集中豪雨により排水経路に多量の雨水が流れ込むなどした場合に、流路部内の雨水が第1開口からあふれて第2開口から排出される。このため、継手の上流側に、雨水が溜まりにくくなる。また、第2開口は下方に向かって開口するので、落ち葉などのごみが継手に入りにくく、詰まりが生じにくい。また、継手には雨水も入りにくくなり、これにより、多くの雨水を排出できる。
図1は、本発明の実施形態の継手を用いた排水構造を示す説明図である。 図2は、図1のA部の縦断面図である。 図3は、前記継手の分解斜視図である。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。図1は、本実施形態の継手1を含む排水構造の説明図である。この排水構造は、建物7のバルコニー70に降った雨水を、地面に設けられた側溝80に排出する。
本実施形態の排水構造は、排水経路を構成する部材として、ドレイン管90、排水升91、縦とい92、継手1、縦とい93、および雨水升94を備えている。
ドレイン管90は、バルコニー70に設けられている。ドレイン管90には、排水升91、縦とい92、継手1、および縦とい93が順に接続されている。すなわち、本実施形態において、継手1の上流側に接続されるとい部材、および継手1の下流側に接続されるとい部材は、縦とい92、93である。以下、継手1の上流側に接続される縦とい92を「上流側縦とい92」と記載し、継手1の下流側に接続される縦とい93を「下流側縦とい93」と記載する。
排水升91、上流側縦とい92、継手1、および下流側縦とい93は、建物7の外壁71に沿って、この順序で上方から順に配されている。なお、上流側縦とい92および下流側縦とい93は、取付具などを用いて外壁71に固定される。
バルコニー70に降った雨水は、ドレイン管90、排水升91、上流側縦とい92、継手1、および下流側縦とい93を順に介して、雨水升94に流れ込み、雨水升94から側溝80に排出される。
図2は、図1のA部の縦断面図である。本実施形態の上流側縦とい92および下流側縦とい93は、断面略矩形状の角形縦といである。なお、継手1は、断面円形の丸形縦とい同士を接続するものであってもよい。
図3は継手1の分解斜視図である。なお、以下では、上下方向と直交した一方向であって、図3において矢印D1で示した方向を前方、矢印D2で示した方向を後方として、継手1や縦とい92,93について説明する。なお、ここで規定する前方および後方は、継手1や縦とい92,93を設置した状態における方向を示すものではない。
継手1は、上部材2と下部材3を備えている。
上部材2は、図2に示されるように、上筒部20と、上筒部20上に設けられた上板21を備えている。
上板21は、接着剤により上筒部20に結合されている。上板21の中央部には、上下に貫通し、上流側縦とい92の下端部に接続可能な上接続口部22が形成されている。上接続口部22は、上流側縦とい92の下端部の輪郭に合致した断面略矩形状である。継手1は、上接続口部22に上流側縦とい92の下端部を嵌め込むことで、上流側縦とい92に接続される。
上筒部20は、上方から下方に向かって順に形成された、導入部23、絞り部24、および連通口部25を備えている。
導入部23は、断面略矩形の筒状に形成されている。導入部23は、上接続口部22と同心である。また、導入部23は、上接続口部22に接続される上流側縦とい92とも同心である。上接続口部22に接続された上流側縦とい92の下流側開口95は、導入部23の下端部に位置する。
導入部23の下端から下方に延びた絞り部24は、下方ほど流路面積が小さくなった筒状に形成されている。
連通口部25は、筒状に形成されており、絞り部24の下端から下方に延びている。絞り部24の下端部の中心軸a1と、絞り部24の上端部の中心軸a2は、左右方向において同じ位置にある。なお、本実施形態では、中心軸a1が中心軸a2よりも後方に位置しているが、中心軸a1と中心軸a2は、前後方向において同じ位置にあってもよい。
図2に示されるように、筒状の連通口部25の中心軸方向は、鉛直である。連通口部25の流路面積は、上下方向に亘って一定である。連通口部25は下方に向かって開口している。
下部材3は、上筒部20の下方に位置した下筒部30と、下筒部30を囲む筒状のカバー部31を備えており、2重筒構造である。カバー部31は、周方向の一部が下筒部30に一体に接続されている。カバー部31の上端部は、接着剤によって上板21に結合されており、これにより、下部材3は上部材2に接続されている。
本実施形態では、上筒部20と下筒部30とで、上下方向に延びた流路部11が構成されている。流路部11の周壁部は、上筒部20の周壁部と下筒部30の周壁部とで構成されている。上流側縦とい92から、導入部23に流れ込んだ雨水は、絞り部24を介して連通口部25に至り、連通口部25から下筒部30に流れる。
下筒部30は、上下に開口した筒状の下接続口部32と、下接続口部32の上端から上方に延びた筒状の流入部33を備えている。
流入部33の流路面積は、連通口部25の流路面積よりも大きく、上下方向に亘って一定である。
連通口部25は、流入部33の内側に挿入されている。連通口部25と流入部33の上端部の間には、隙間10が形成されている。隙間10は、下筒部30の周方向に亘っている。
流路部11の周壁部には、流路部11の外周側に開口した開口13が形成されている。以下、この開口13を「第1開口13」と記載する。具体的に、流入部33の上端部は、絞り部24の下方に位置しており、この流入部33の上端部と絞り部24の間に、第1開口13が形成されている。
第1開口13は、流路部11の周方向に亘って形成されている。第1開口13は、隙間10を介して、流入部33内の連通口部25よりも下方の空間に通じている。このため、集中豪雨により排水経路に多量の雨水が流れ込んだり、上筒部20より下流側の排水経路においてごみ詰まりが生じたりした場合、流入部33内の雨水は、隙間10を介して第1開口13から流路部11の外にあふれ出る。この場合、流入部33の上縁部があふれ縁となる。
ここで、本実施形態では、絞り部24を設けて流入部33の上端部との間に第1開口13が形成されている。このため、通常の排水時には、上流側縦とい92から流れ込んで絞り部24を伝った雨水は、第1開口13から排出されにくく、確実に下流側縦とい93に導水される。
なお、本実施形態の流入部33の上端は、連通口部25の下端よりも上方に位置しているが、連通口部25の下端と同じ高さに位置してもよいし、連通口部25よりも下方に位置してもよい。
下接続口部32の外周面は、流入部33の外周面と連続し、面一である。
下接続口部32の上端部には、内方に向かって突出した内鍔部34が形成されている。
継手1は、下接続口部32の内側に下流側縦とい93の上端部を嵌め込むことで、下流側縦とい93と接続される。この接続状態では、内鍔部34が下流側縦とい93の上端面に載ることで、継手1の下方への移動が規制される。
カバー部31の下端は、下接続口部32の下端と同じ高さに位置している。カバー部31は、第1開口13の周囲を覆っている。なお、カバー部31は、下端が下接続口部32の下端よりも上方に位置してもよいし、下接続口部32よりも下方に突出してもよい。
カバー部31は、上下方向に亘って、流路部11の外側に離れている。これにより、カバー部31と流路部11の間には、流入部33の周方向に亘った排水用隙間12が形成されている。
排水用隙間12は、第1開口13に通じている。このため、流路部11から第1開口13を介してふれ出た雨水(オーバーフロー水)は、排水用隙間12に流入する。
カバー部31と流路部11の間(詳しくは、カバー部31の下端部と下接続口部32の下端部の間)には、開口26が形成されている。以下、この開口26を「第2開口26」と記載する。
第2開口26は、第1開口13よりも下方位置で下方に向かって開口している。このため、第1開口13から排水用隙間12にあふれ出た雨水は、第2開口26から継手1の外部に排出される。
なお、本実施形態のカバー部31の下端部は、周方向の全長に亘って、流路部11から外側に離れて位置しているが、周方向の一部のみが流路部11から外側に離れて位置してもよい。すなわち、この場合、第2開口26は、流路部11の周方向の一部にのみ形成される。
作業者は、前述のように、流路部11の上端部に設けられた上接続口部22に上流側縦とい92の下端部を嵌め込み、流路部11の下端部に設けられた下接続口部32を下流側縦とい93の上端部の外側に嵌めることで、継手1を両縦とい92,93に接続する。このように両縦とい92,93を継手1により接続した状態では、上流側縦とい92の内部と下流側縦とい93の内部が、継手1の流路部11を介して通じる。
上流側縦とい92から流路部11内に流入した雨水は、通常、上筒部20および下筒部30を介して、下流側縦とい93に排出される。また、集中豪雨により排水経路に多量の雨水が流れ込むなどした場合には、流路部11内の雨水が第1開口13を介して排水用隙間12にあふれ、この後、第2開口26から継手1の外部に排出される。
以上説明した本実施形態の継手は、以下の特徴を有している。継手1は、上流側のとい部材(上流側縦とい92)の下端部と、下流側のとい部材(下流側縦とい93)の上端部とを接続する。継手1は、上下方向に延び、上端部が上流側のとい部材に接続可能で下端部が下流側のとい部材に接続可能な流路部11を備える。流路部11の周壁部に、流路部11内の水を流路部11の外側にあふれさせるための第1開口13が形成される。継手1は、流路部11の外側に設けられて、第1開口13を覆うカバー部31を備える。カバー部31と流路部11の間に、第1開口13よりも下方位置で下方に向かって開口し、第1開口13からあふれた水を下方に排出するための第2開口26が形成される。
この特徴を有する継手1は、集中豪雨により排水経路に多量の雨水が流れ込むなどした場合に、流路部11内の雨水が第1開口13および第2開口26を介してあふれる。このため、バルコニー70などが存在する、継手1の上流側に、雨水が溜まりにくくなる。また、この第2開口26は下方に向かって開口するので、落ち葉などのごみが、第2開口26から継手1に入り込みにくい。従って、第2開口26の下流側の排水経路において、落ち葉などのごみが詰まりにくい。また、継手1には雨水も入りにくくなり、これにより、多くの雨水を排出できる。
また、本実施形態の継手1は以下の付加的な特徴を有している。カバー部31は、下方に開口した筒状に形成される。カバー部31は、流路部11の外周を囲む位置に配されて、第1開口13を覆う。カバー部31の下端部は、周方向の全長に亘って、流路部11から外側に離れて位置する。カバー部31の下端部と流路部11の間に第2開口26が形成される。
この特徴を有する継手1は、カバー部31の外側への突出量を抑えながら、第2開口26の開口面積を十分に確保できる。
なお、本実施形態の上筒部20は、下方ほど流路面積が小さくなった絞り部24を備えているが、上筒部20の流路面積は、上下方向に亘って同じであってもよい。
また、本実施形態の継手1は、上流側縦とい92と下流側たてとい93を接続する縦とい用継手であるが、これに制限されない。継手1の上流側および下流側に接続されるとい部材は、例えば呼びといやエルボ、排水升であってもよい。
また、継手1を含む排水構造は、バルコニー70の水を排出するものに制限されず、ベランダの水や軒樋の水などを排出するための排水構造であってもよい。
また、この他、本実施形態の継手は本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
1 継手
11 流路部
13 第1開口
26 第2開口
31 カバー部
92 上流側縦とい(上流側のとい部材)
93 下流側縦とい(下流側のとい部材)

Claims (2)

  1. 上流側のとい部材の下端部と、下流側のとい部材の上端部とを接続する継手であって、
    上下方向に延び、上端部が前記上流側のとい部材に接続可能で下端部が前記下流側のとい部材に接続可能な流路部を備え、
    前記流路部の周壁部に、前記流路部内の水を前記流路部の外側にあふれさせるための第1開口が形成され、
    前記継手は、
    前記流路部の外側に設けられて、前記第1開口を覆うカバー部を備え、
    前記カバー部と前記流路部の間に、前記第1開口よりも下方位置で下方に向かって開口し、前記第1開口からあふれた水を下方に排出するための第2開口が形成され
    前記流路部は、
    下方ほど流路面積が小さくなった筒状の絞り部と、
    前記絞り部の下方に位置し、前記上流側のとい部材から前記絞り部を介して雨水が流れ込み、かつ、前記下流側のとい部材に通じる筒状の流入部とを備え、
    前記流入部の上端部と前記絞り部との間に、前記第1開口が形成されたことを特徴とする継手。
  2. 前記カバー部は、
    下方に開口した筒状に形成され、前記流路部の外周を囲む位置に配されて、前記第1開口を覆い、
    前記カバー部の下端部は、
    周方向の全長に亘って、前記流路部から外側に離れて位置し、
    前記カバー部の前記下端部と前記流路部の間に前記第2開口が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の継手。
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