JP6578256B2 - 直接埋設用ケーブルの補修方法 - Google Patents
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Description
しかしながら、通信ケーブルを土中に直接に埋設した場合、土圧によるケーブル圧縮によってケーブルが外傷したり、曲げが加わったりすることによって、ケーブルの伝送特性や機械特性に悪影響を及ぼすという懸念がある。
なお、硬質のダクトを敷設し、その後、そのダクトの中に光ファイバケーブルを敷設する方法もあるが、その場合、ダクトと光ファイバケーブルの敷設を別々に行うことになり、敷設工数がほぼ2倍になる。
本発明の一態様に係る直接埋設用ケーブルの補修方法は、内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルの補修方法であって、前記第2シースの損傷部分を特定するステップと、該第2シースの損傷範囲を、ケーブル長手方向に沿って形成された切り欠き部を有する筒状部材で覆うステップとを含み、前記筒状部材がケーブル長手方向に沿って形成されたスリットを有し、前記筒状部材で前記第2シースの損傷部分を覆う際に、前記スリットが前記第2シースの損傷部分とは異なる位置に配置される。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一態様に係る直接埋設用ケーブルの補修方法は、(1)内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルの補修方法であって、前記第2シースの損傷部分を特定するステップと、該第2シースの損傷範囲を、ケーブル長手方向に沿って形成された切り欠き部を有する筒状部材で覆うステップとを含み、前記第2シースの損傷部分は切除せず、該第2シースの損傷範囲よりもケーブル長手方向で長く形成された前記筒状部材で、前記損傷範囲に位置する前記第2シースの損傷部分を覆う。第1シースはそのままで第2シースを補修するので、通信サービスが停止することなく、短時間で済む直接埋設用ケーブルの補修方法を提供することができる。
なお、第2シースの損傷範囲とは、第2シースの損傷部分である所、あるいは第2シースの損傷部分であった所を意味する。
そして、損傷した第2シースをそのまま残せるため、第2シースを除去する場合に比べて工期を短縮できる。
(3)前記筒状部材で前記第2シースの損傷部分を覆う際に、前記スリットが前記第2シースの損傷部分とは異なる位置に配置される。スリットの位置と第2シースの損傷部分とを一致させないため、補修箇所の強度低下を防止できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る直接埋設用ケーブルの補修方法の具体例について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る直接埋設用ケーブルの一例を示す斜視図であり、図2は、直接埋設用ケーブルの正面図である。
直接埋設用ケーブル1は、光ケーブルコア20と、光ケーブルコア20の外側に配置された強化型外被10とを備えている。
なお、コア部21は、支線用の少心地下ケーブルのような、多心の光ファイバテープ心線等を束ねたケーブル(例えば200心程度まで)の外側を押え巻きテープ等で保持したものであってもよい。
また、コア部21は、スロットケーブルであっても、スロットレスケーブルであってもよく、多心の光ファイバケーブルであれば、その形状は限定されない。
強化型外被10は、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)等の硬質プラスチックで形成されている。強化型外被10をHDPE、つまり、密度0.942(g/cm3)以上のポリエチレンで構成すれば、土圧によるケーブルへの圧縮力や曲げ力に十分に耐えることができる。
あるいは、強化型外被10は、主材料がポリプロピレン(PP)の硬質プラスチックで形成されていてもよい。強化型外被10をPPで構成すれば、HDPEで形成する場合に比べて、許容される肉厚が小さくても必要な強度を保つことができる。
なお、図では、山谷の方向が長手方向に直交する蛇腹状の強化型外被の例を挙げて説明したが、本発明の強化型外被は、山谷の方向が長手方向に交差する螺旋形状の蛇腹であってもよい。また、強化型外被の外周面や内周面の一方をフラットに形成し、他方を波形にすることも可能である。
なお、強化型外被10内の光ケーブルコア20を明確にするために、以下の図では、強化型外被10の内部に配置された場合にも光ケーブルコア20が見えるように示している。
次いで、図3Cに示すように、補修用シース30で強化型外被10の損傷範囲を覆う。なお、この補修用シース30が本発明の筒状部材に相当する。
また、本実施例の補修用シース30は、その径が強化型外被10の外径と同じものであってもよいし、強化型外被10の外径よりも大きな内径(例えば10mm程度までの大きな内径)であってもよく、さらに、強化型外被10の損傷範囲よりもケーブル長手方向で長く形成されている。
この補修用シース30で強化型外被10の損傷部分を覆うには、例えばシース装着用の治具を用いると容易である。この治具には種々の構造が公知であるが、一例を挙げれば、図5(A)に示すように、治具70は、筒状のケーブル挿通部71と、棒状のシース案内部72とから構成される。シース案内部72はケーブル挿通部71から斜め方向に延びて、ケーブル挿通部71の外面に連結されている。
なお、補修用シース30は、図4Bのように、スリット31を形成する一端側と他端側とがちょうど突き合う位置関係になっているものを用いてもよいが、強化型外被10より大径の補修用シースを選択し、ケーブルを覆った後に、スリット31を形成する一端側と他端側とが径方向で重なり合うようにしてもよい。
この補修方法によれば、光ケーブルコア20はそのままで強化型外被10のみを補修するので、通信サービスを停止せず、短時間で作業できる。
また、損傷した強化型外被10をそのまま残せるため、強化型外被10を除去する場合に比べて工期を短縮できる。さらに、1つの補修用シース30で足りるので、複数の部品で損傷した強化型外被10を覆う場合に比べて補修作業に必要な部品点数を減らすことができる。
上述のように強化型外被10が被災した場合、まず、強化型外被10の損傷部分を特定した後、この損傷部分の周辺の土を掘り出す。
続いて、図6Aに示すように、この強化型外被10の損傷部分を切除する。詳しくは、例えばカッタ等の工具を用いて、強化型外被10の損傷部分におけるケーブル長手方向の両端を切断し、一方のマンホール55aに連なる強化型外被10と、他方のマンホール55bに連なる強化型外被10とに分ける。強化型外被10の損傷部分を除去すると、光ケーブルコア20が露出した状態となる。
この補修用シース30は、例えば一つの主筒状部材30bと二つの補助筒状部材30cとからなる。主筒状部材30bは、例えば強化型外被10と同じ材料で同じ形状に形成され、強化型外被10と略同径に形成されている。また、実施例1と同様にスリットが形成されている。このため、図5で説明した治具70を用いて補修用シース30で光ケーブルコア20を覆う。
なお、図6A〜6Cでは、一つの主筒状部材30bの例を挙げて説明したが、主筒状部材は複数で構成されていてもよい。この場合、隣接する主筒状部材同士の継ぎ目は新たな補助筒状部材で覆われる。
なお、補修用シース30で光ケーブルコア20を覆った後、補修用シース30のスリット31が地表面とは反対側で、作業者から見えない位置(例えば、掘り出したケーブルの底部分に対面する位置)に配置されるように、例えば補修用シース30をその軸線回りに回転させるとよい。ケーブルは地表面側から掘り起こすので、ケーブルへの外力は地表面側から生ずることが多く、スリットの位置を地表面とは反対側にしておけば、スリット部分にシャベル等の衝撃が加わることも無く、補修箇所の強度低下を防止できる。
この実施例3においても、実施例1、2と同様に、強化型外被10が被災した場合、まず、強化型外被10の損傷部分を特定した後、この損傷部分の周辺の土を掘り出す。
この補修用シース30も、実施例1、2と同様に、例えば強化型外被10とほぼ同じ材料、同じ形状で形成され、その径は、強化型外被10の外径と同じであってもよいし、強化型外被10の外径よりも大きな内径を有していてもよい。また、実施例3の補修用シース30にも、実施例1、2と同様に、スリット31が形成されている。このため、図5で説明した治具70を用いて補修用シース30で光ケーブルコア20を覆う。
この補修方法によれば、補修用シース30が強化型外被10の損傷部分の両端を覆う長さに形成され、光ケーブルコア20が露出しないことから、光ケーブルコア20を確実に保護できる。
実施例1〜3では、1つの補修用シース30の例を中心に説明したが、補修用シースは、径の異なる2つ以上の部材を組み合わせてもよい。具体的には、図8に示すように、補修用シース30は、第1部材41と、第2部材42とからなり、第1部材41や第2部材42のいずれも、その一部に切り欠き部を有する断面C字形状に形成されている。なお、第1部材41や第2部材42が本発明の断面C字形状の部材に相当する。
Claims (4)
- 内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルの補修方法であって、
前記第2シースの損傷部分を特定するステップと、
該第2シースの損傷範囲を、ケーブル長手方向に沿って形成された切り欠き部を有する筒状部材で覆うステップと
を含み、
前記第2シースの損傷部分は切除せず、該第2シースの損傷範囲よりもケーブル長手方向で長く形成された前記筒状部材で、前記損傷範囲に位置する前記第2シースの損傷部分を覆う、直接埋設用ケーブルの補修方法。 - 前記筒状部材がケーブル長手方向に沿って形成されたスリットを有している、請求項1に記載の直接埋設用ケーブルの補修方法。
- 前記筒状部材で前記第2シースの損傷部分を覆う際に、前記スリットが前記第2シースの損傷部分とは異なる位置に配置される、請求項2に記載の直接埋設用ケーブルの補修方法。
- 内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルの補修方法であって、
前記第2シースの損傷部分を特定するステップと、
該第2シースの損傷範囲を、ケーブル長手方向に沿って形成された切り欠き部を有する筒状部材で覆うステップと
を含み、
前記筒状部材がケーブル長手方向に沿って形成されたスリットを有し、
前記筒状部材で前記第2シースの損傷部分を覆う際に、前記スリットが前記第2シースの損傷部分とは異なる位置に配置される、直接埋設用ケーブルの補修方法。
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