JP6374435B2 - 直接埋設用ケーブル - Google Patents
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Description
しかしながら、通信ケーブルを土中に直接に埋設した場合、土圧によるケーブル圧縮によってケーブルが外傷したり、曲げが加わったりすることによって、ケーブルの伝送特性や機械特性に悪影響を及ぼすという懸念がある。
なお、硬質のダクトを敷設し、その後、そのダクトの中に光ファイバケーブルを敷設する方法もあるが、その場合、ダクトと光ファイバケーブルの敷設を別々に行うことになり、敷設工数がほぼ2倍になる。
最初に本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
本発明の一態様に係る直接埋設用ケーブルは、(1)内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルであって、単位長さあたりの質量が0.3kg/m以下であり、前記第1シースで覆われ、前記第2シース内の容積に対して所定の占有率となる内側のケーブルコアを有し、該直接埋設用ケーブルの蛇行振幅が無い場合における前記第2シースと前記第1シースとの間の摩擦係数をμ、70(m)当りの前記内側のケーブルコアを牽引するために必要な力をF(N)としたとき、Fが300(N)以下となるように、前記占有率、前記μを調整したものである。内側のケーブルコアを牽引するために必要な牽引張力Fを300(N)以下とすることができるので、内側のケーブルコアを容易に挿抜することができる。
(3)前記第2シースの長手方向断面が波形に形成されている。第2シースの内周面を波形に形成すれば、第1シースとの接触面積が小さくなり、内側のケーブルコアの挿抜がより容易になる。
(4)前記第1シースの外周面または前記第2シースの内周面に、滑材が加えられている。第1シースの外周面や第2シースの内周面を滑りやすくすれば、内側のケーブルコアの挿抜がより一層容易になる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る直接埋設用ケーブルの具体例について説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る直接埋設用ケーブルの一例を示す斜視図であり、図2は、直接埋設用ケーブルの正面図である。
直接埋設用ケーブル1は、光ケーブルコア20と、光ケーブルコア20の外側に配置された強化型外被10とを備えている。
なお、コア部21は、支線用の少心地下ケーブルのような、多心の光ファイバテープ心線等を束ねたケーブル(例えば200心程度まで)の外側を押え巻きテープ等で保持したものであってもよい。
また、コア部21は、スロットケーブルであっても、スロットレスケーブルであってもよく、多心の光ファイバケーブルであれば、その形状は限定されない。
強化型外被10は、例えば高密度ポリエチレン(HDPE)等の硬質プラスチックで形成されている。強化型外被10をHDPE、つまり、密度0.942(g/cm3)以上のポリエチレンで構成すれば、土圧によるケーブルへの圧縮力や曲げ力に十分に耐えることができる。なお、このHDPEの第1シースとの間の摩擦係数は0.25〜1.0程度である。
また、強化型外被10は、鉄やSUSといった金属であってもよい。強化型外被10を金属で構成すれば、上記同様、土圧によるケーブルへの圧縮力や曲げ力に十分に耐えることができるが、取り扱い性を考慮すると、硬質プラスチックの方が好ましい。
なお、図では、山谷の方向が長手方向に直交する蛇腹状の強化型外被の例を挙げて説明したが、本発明の強化型外被は、山谷の方向が長手方向に交差する螺旋形状の蛇腹であってもよい。また、強化型外被の外周面や内周面の一方をフラットに形成し、他方を波形にすることも可能である。
そこで、光ケーブルコア20を挿抜しやすくするために、発明者らが鋭意調査した結果、光ケーブルコア20の占有率や強化型外被10の摩擦係数をある範囲内に規定するとよいことが分かった。
強化型外被10の内部に配置された光ケーブルコア20には、下方に向けて等分布荷重が生じている。なお、図では、等分布荷重を代表して集中荷重をmgで示している。mは敷設スパン70mあたりの光ケーブルコア20の質量(kg/70m)であり、gは重力加速度(m/s2)である。
なお、同じ長さのケーブルであっても、蛇行した状態のケーブルを引抜く場合、真っ直ぐな状態のケーブルを引抜くより、大きな力が必要となる。蛇行振幅の無い状態とは、真っ直ぐな状態のことであり、摩擦係数μは、この状態でケーブルを引抜く場合の摩擦係数を示している。
また、実際に敷設した状態から挿抜することを考え、後述する牽引張力は、周期約5mで、約5cmの振幅で蛇行させた状態での牽引張力を測定している。
摩擦係数μと、強化型外被10の容積に対する光ケーブルコア20の割合(占有率と称する)を変更し、蛇行させた状態で、手引き可能か否か(牽引張力Fが300N以下か否か)を評価した。
強化型外被として第1シースとの間の摩擦係数μが0.85のHDPEを用い、光ケーブルコアの占有率を32(%)、単位長さ当たりの質量を0.60kg/mとした場合(試料1と称する)、牽引張力Fは350(N)となった。この場合、牽引張力Fが300N以下ではないので、手引き可能ではないと判定した。
また、表示は省略するが、強化型外被として試料2と同じく摩擦係数μが0.65のHDPEを用い、光ケーブルコアの占有率を35(%)とした場合、牽引張力は300(N)となった。したがって、摩擦係数0.65以下で、占有率35%以下であれば、牽引張力が300N以下であるので、手引き可能であると判定した。
したがって、単位長さあたりの質量が0.3kg/m以下であり、光ケーブルコア20の占有率が35(%)以下で、直線状に配置した蛇行振幅の無い状態における強化型外被10と内部シース22との摩擦係数μが0.65以下の場合には、蛇行した状態の牽引張力を300(N)以下にすることができ、光ケーブルコアを容易に挿抜することができる。
なお、実施形態として、本発明を光ケーブルコアに適用した場合について説明したが、光ケーブルコアの代わりにメタルケーブルコアであってもよい。
Claims (4)
- 内側の第1シースと外側の第2シースを備え、該第2シースが前記第1シースに対して遊嵌されている直接埋設用ケーブルであって、
単位長さあたりの質量が0.3kg/m以下であり、前記第1シースで覆われ、前記第2シース内の容積に対して所定の占有率となる内側のケーブルコアを有し、
該直接埋設用ケーブルの蛇行振幅が無い場合における前記第2シースと前記第1シースとの間の摩擦係数をμ、70(m)当りの前記内側のケーブルコアを牽引するために必要な力をF(N)としたとき、Fが300(N)以下となるように、前記占有率、前記μを調整した、直接埋設用ケーブル。 - 前記所定の占有率が35(%)以下であると共に、前記第2シースと前記第1シースとの間の摩擦係数が0.65以下である、請求項1に記載の直接埋設用ケーブル。
- 前記第2シースの長手方向断面が波形に形成されている、請求項1または2に記載の直接埋設用ケーブル。
- 前記第1シースの外周面または前記第2シースの内周面に、滑材が加えられている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の直接埋設用ケーブル。
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