JP6570503B2 - セグメントの継手構造 - Google Patents
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Description
セグメントリングは、複数のセグメントの端面同士を連結することにより形成される。このようなセグメント同士の連結部として、嵌合方式の継手構造が採用されている。
また、特許文献2には、一方のセグメントと他方のセグメントとにそれぞれ設けられた継手部材同士を嵌め合わせるセグメントの継手構造が開示されている。各継手部材は、セグメントの端板には固定されておらず、端板と略平行に設けられた補強リブにアンカー部材を介して固定されている。補強リブの両端は、セグメントの主桁に固定されている。
特許文献2に記載の継手構造は、補強リブを介して力を伝達する構造のため、継手構造を挟んで対向する各セグメントの補強リブ同士の間隔によって引張バネ値を算出することとなる。引張バネ値は、継手構造を構成する鋼材の断面積と長さによって算出するため、補強リブ同士の間隔が大きいと、引張バネ値が小さくなってしまう。そのため、特許文献2の継手構造では、トンネルの覆工として必要な剛性を確保するために、セグメントの仕様を大きくする必要がある。
また、主桁に直接固定することにより、挿入部材および受け部材の必要長さを短くすることが可能となり、ひいては鋼材量の低減化を図るとともに高い引張バネ値を得ることが可能となる。
セグメント1は、図1に示すように、円弧状に湾曲した版状に形成されており、円周方向に複数接続することで、セグメントリング(図示せず)を構成する。このセグメントリングを軸方向に順次接合すると、トンネルの覆工が形成される。
本実施形態のセグメント1は、鋼殻2と、鋼殻2内に打設されたコンクリート3とにより構成されている。
主桁21,21と端板22,22は枠状に組み付けられており、スキンプレート23は、この主桁21,21および端板22,22の開口部の外周面側(地山側)を塞ぐように配置されている。
主桁21には、複数のリング間ジョイント25,25,…が形成されている。リング間ジョイント25は、セグメントリング同士を連結する。なお、リング間ジョイント25の構成、配置および数は限定されるものではなく、適宜設定すればよい。
主桁21には、端板22の切欠き27の位置に対応して矩形状の切欠き28が形成されている(図5参照)。端板22の切欠き27と主桁21の切欠き28とにより、セグメント1の角部に開口が形成されている。
また、表層部31には、補強材として、鉄筋33が埋設されている。本実施形態では、補強材として、鉄筋を格子状に組み付けることにより形成された鉄筋網を採用するが、鉄筋33は、必ずしも網である必要はなく、縦筋および横筋を適宜配筋してもよい。また、内部コンクリート部32(鋼殻2内)にも鉄筋を配筋してもよい。
本実施形態の継手構造4(挿入部材5および受け部材6)は、図1に示すように、鋼殻2の厚さ方向中央付近に形成されているが、継手構造4の形成箇所は限定されるものではない。また、継手構造4は、複数段形成されていてもよい。
挿入部材5は、セグメント1の主桁21に固定された挿入板部51と、挿入板部51の先端部に突設された挿入係止部52とを備えている。
図4に示すように、挿入板部51は、基端部側(鋼殻2内に配設される部分)の幅寸法が基端に向うに従って小さくなるように形成されていて、台形状を呈している。なお、挿入板材51は、必ずしも台形状である必要はなく、例えば矩形状であってもよい。また、挿入板材51の板厚は限定されるものではなく、セグメント1同士を接合するために必要な強度を発現することが可能であればよい。さらに、挿入板材51の主桁21への固定方法は限定されるものではない。
本実施形態の挿入係止部52は、四角柱状の鋼製部材により形成されているが、挿入係止部52を構成する材料は限定されるものではなく、例えば円柱状の部材や、板材であってもよい。
挿入係止部52は、図4(c)に示すように、挿入板部51の先端面に対してわずかに傾斜しているが、挿入係止部52は挿入板部51の先端面と平行であってもよい。
受け部材6は、受け本体部61と、受け係止部62と、補強材63とを備えていて、鋼殻2の内部に配置されている。
受け本体部61は、セグメント1の主桁21と端板22との角部に固定された箱型部材であって、当該角部において、トンネル軸方向とトンネル周方向とに向けて開口している。
受け本体部61は、図6(a)〜(c)に示すように、対向する一対の板材64,64と、一対の板材64,64の基端側に横架された底板65と、一対の板材64,64および底板65の内側端部を遮蔽する止め板66とにより形成されている。底板65は端板22と平行で、止め板66は主桁21と平行である(図5(a)および(b)参照)。
なお、受け本体部61の構成は限定されるものではない。
受け係止部62は、一対の板材64,64の対向する面に溶接された一対の四角柱状の鋼製部材により構成されている。なお、受け係止部62を構成する材料は限定されるものではなく、例えば、例えば円柱状の部材や、板材であってもよい。
受け係止部62は、図6(c)に示すように、受け本体部61の先端面に対してわずかに傾斜しているが、受け係止部62は受け本体部61の先端面と平行であってもよい。
補強材63は、受け本体部61(底板65)と主桁21との角部に配設された鋼板であって、底板65と主桁21に溶接されている。本実施形態の補強材63は、図6(c)に示すように、受け本体部61から離れるに従って、高さが低くなるように三角形状に形成されているが、補強材63は矩形状であってもよい。
また、挿入部材5および受け部材6を主桁21に固定することで継手構造4の自由長(固定されていない部分の長さ)が短くなるため、継手の引張バネ値が高く、継手部の剛性が高い。そのため、トンネル外殻の変形を抑制することができる。
また、挿入部材5および受け部材6を主桁21に固定することで継手構造4を構成する鋼材量を最小限に抑えることができるため、経済的である。
同様に、補強材63が三角形状に形成されているため、矩形状の場合に比べて使用鋼材量が低減されている。
また、主桁21に直接固定することにより、挿入部材5および受け部材6の必要長さを短くすることが可能となり、鋼材量の低減化を図るとともに高い引張バネ値を得ることができる。
なお、受け本体部6の基端部に補強材63が形成されているため、主桁21との固定度を高められている。
前記実施形態では、継手構造4をコンクリート一体型鋼製セグメントに適用した場合について説明したが、継手構造4が適用可能のセグメントはこれに限定されるものではなく、例えば、スチールセグメントやその他の合成セグメントに採用してよい。
また、前記実施形態では、鋼材を組み合わせることにより受け部材6を形成する場合について説明したが、受け部材6の構成は限定されるものではなく、例えば、図7(a)および(b)に示すように、鍛造により一体成形されていてもよい。
また、受け本体部61は、断面視C字状であってもよい。
また、前記実施形態では、挿入部材5の断面形状が十字状(t字状)の場合について説明したが、挿入部材5の断面形状は限定されるものではなく、例えばT字状であってもよい(図7(c)参照)。
また、セグメント1は、セグメント1は、両端面に挿入部材5および受け部材6のうちのいずれか一方のみが形成されていてもよい。この場合、挿入部材5のみが形成されたセグメント1と受け部材6のみが形成されたセグメント1とを交互に配設すればよい。
2 鋼殻
21 主桁
22 端板
23 スキンプレート
3 コンクリート
4 継手構造
5 挿入部材
51 挿入板部
52 挿入係止部
6 受け部材
61 受け本体部
62 受け係止部
63 補強材
Claims (1)
- 一方のセグメントに設けられた挿入部材を、トンネル周方向に隣接する他方のセグメントの端面に設けられた受け部材に係止させるセグメントの継ぎ手構造であって、
前記挿入部材は、前記一方のセグメントの主桁のウェブの内面に直接固定されており、
前記受け部材は、前記他方のセグメントの主桁のウェブの内面に直接固定されている、ことを特徴とするセグメントの継ぎ手構造。
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