JP6570291B2 - 電動倍力装置及びストローク検出装置 - Google Patents

電動倍力装置及びストローク検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、自動車等の車両のブレーキ装置に組込まれ、ブレーキペダルの操作量に基づき電動モータを作動させて、マスタシリンダのピストンを推進させてブレーキ液圧を発生させる電動倍力装置、及び移動部材、例えば電動倍力装置の入力ロッド(入力プランジャ)の移動位置を検出するストローク検出装置に関するものである。
そこで、特許文献1には、モータの駆動によりブレーキペダルの踏力を倍力する制動アシスト装置と、ブレーキペダルの操作量に基づきインプットロッドの移動位置を検出するストローク検出装置とを備えており、ストローク検出装置により検出したブレーキペダルの操作量に基づき、制動アシスト装置によりブレーキ液の液圧を制御して液圧制御ユニットに供給する車両用ブレーキ装置が開示されている。
特開2015−21745号公報
上述した特許文献1に係る車両用ブレーキ装置に採用されたストローク検出装置は、インプットロッドにその軸方向に沿って複数装着された磁性体の磁束密度を、ケーシングのカバーに設けたホールセンサユニットで検出する構成を採用して、インプットロッドのストローク量(移動位置)を検出するようにしている。しかしながら、このストローク検出装置では、磁性体によって、インプットロッドの最大のストローク量を上回る大きさの磁界空間を形成しなければならず、必然的に磁性体の数量を増加させるか、若しくは、磁界空間の十分な大きさを確保するために磁性体の大きさを出来る限り大きくする必要がある。しかしながら、これでは、ブレーキ装置自体が大型化し、さらにコスト増の懸念がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、小型化して、低コスト化を実現しつつ、入力部材(移動部材)の移動位置を精度良く検出することのできる電動倍力装置及びストローク検出装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するための手段として、本発明の電動倍力装置は、ハウジングと、ブレーキペダルに連結されて前記ハウジング内に延び、磁性体が装着される入力部材と、前記ハウジングに設けられる電動モータと、該電動モータの作動により、マスタシリンダのピストンを推進するアシスト機構と、前記ハウジングに対する前記入力部材の移動位置を検出すべく、前記磁性体からの磁束密度を検出する磁気センサを有するストローク検出装置と、該ストローク検出装置の磁気センサからの出力値により、前記電動モータを作動させて、前記アシスト機構により前記マスタシリンダに液圧を発生させるための制御手段と、を備え、該制御手段は、前記磁気センサからの出力値に対応する前記入力部材の移動位置が複数存在する場合、前記ブレーキペダルの操作状態を検出する他の検出手段の出力信号に基づいて、前記入力部材の移動位置を選択して検出し、前記磁性体は、前記入力部材の軸方向に沿って間隔を置いて少なくとも2つ備えられ、最も外側に位置する各磁性体の間隔は、前記入力部材の最大の移動量より小さいことを特徴とするものである。
また、本発明のストローク検出装置は、移動部材の移動位置を検出するストローク検出装置であって、該ストローク検出装置は、前記移動部材に装着される磁性体と、該磁性体からの磁束密度を検出する磁気センサと、前記磁性体からの所定の磁力の有無を検出する磁気反応型センサと、前記磁気センサからの出力値に対応する前記移動部材の移動位置が複数存在する場合、前記磁気反応型センサの出力信号に基づいて、前記移動部材の移動位置を選択して検出する制御手段と、を備え、前記磁性体は、前記移動部材の軸方向に沿って間隔を置いて少なくとも2つ備えられ、最も外側に位置する各磁性体の間隔は、前記移動部材の最大の移動量より小さいことを特徴とするものである。
本発明に係る電動倍力装置及びストローク検出装置によれば、小型化して、低コスト化を実現しつつ、入力部材(移動部材)の移動位置を精度良く検出することができる。
本発明の実施形態に係る電動倍力装置が組み込まれる車両用のブレーキ装置の概略を示すシステム図である。 本発明の第1の実施形態に係る電動倍力装置の断面図である。 第1の実施形態に係る電動倍力装置に採用したストローク検出装置の斜視図である。 図3のストローク検出装置の分解斜視図である。 入力プランジャが初期位置であるときの入力プランジャとホールセンサユニットとの位置関係を示す図である。 入力プランジャがフルストローク位置であるときの入力プランジャとホールセンサユニットとの位置関係を示す図である。 入力プランジャに装着された第1磁性体及び第2磁性体の配置及びその極性を示す図である。 ホールICチップによる第1磁性体からの磁束密度の検出方法を説明するための図である。 入力プランジャに装着された第1及び第2磁性体の磁束密度を示す図である。 ストローク量と一つのホールICチップが検出した磁束密度のベクトル角θとの関係を示すグラフである。 ストローク量と一つのホールICチップからの出力信号(出力電圧)との関係を示すグラフである。 ストローク量と液圧検出手段からの出力信号(出力電圧)との関係を示すグラフである。 ストローク量と、一つのホールICチップからの出力信号及び液圧検出手段からの出力信号との関係を示すグラフである。 第1の実施形態に係る電動倍力装置において、ブレーキペダルの操作に伴って、コントローラがストローク検出装置及び液圧検出手段からの出力信号に基づいて、入力プランジャのストローク量を得るための制御フロー図である。 ストローク量と2つのホールICチップからの出力信号との関係を示すグラフである。 第2の実施形態に係る電動倍力装置に採用したストローク検出装置の分解斜視図である。 第2の実施形態に係る電動倍力装置において、ブレーキペダルの操作に伴って、コントローラがストローク検出装置の各ホールICチップからの出力信号及び磁気反応型ホールICチップからの出力信号に基づいて、入力プランジャのストローク量を得るための制御フロー図である。 ストローク量と磁気反応型ホールICチップの出力信号との関係を示すグラフである。 ストローク量と、一つのホールICチップからの出力信号及び磁気反応型ホールICチップからの出力信号との関係を示すグラフである。
以下、本発明を実施するための形態を図1〜図19に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施の形態に係る電動倍力装置1A、1Bは、電気自動車やハイブリッド電気自動車などの車両用ブレーキ装置に採用される。
まず、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aを図1〜図15に基づいて説明する。
本電動倍力装置1Aは、図2に示すように、ハウジング3と、該ハウジング3内に延び、ブレーキペダル6に入力ロッド30を介して連結される入力部材としての入力プランジャ29と、ハウジング3に設けられる電動モータ2と、該電動モータ2の作動により、マスタシリンダ4のプライマリピストン10及びセカンダリピストン11を推進するアシスト機構としてのボールネジ機構38と、ハウジング3に対する入力プランジャ29(入力ロッド30)のストローク量(移動位置)を検出すべく、ホールセンサユニット71Aを有するストローク検出装置54Aと、該ホールセンサユニット71Aの各ホールICチップ75、75からの出力信号(出力電圧)により入力プランジャ29のストローク量(移動位置)を得て、該入力プランジャ29のストローク量(移動位置)に基づいて電動モータ2を作動させて、ボールネジ機構38によりマスタシリンダ4に液圧を発生させる制御手段としてのコントローラ55とを備えている。なお、図2において、図の左側が前側であり、図の右側が後側となる。
図2に示すように、本電動倍力装置1Aは、ハウジング3の前側(図2の左方)にタンデム型のマスタシリンダ4を連結した構造を有している。マスタシリンダ4の上部には、マスタシリンダ4にブレーキ液を供給するリザーバ5が取り付けられている。ハウジング3は、電動モータ2及びボールネジ機構38等を収容するフロントハウジング3Aと、該フロントハウジング3Aの後端開口(図2の右端開口)を閉塞するリアハウジング3Bとを有している。該リアハウジング3Bには、マスタシリンダ4と同心で、ハウジング3の後方、すなわち、マスタシリンダ4から離れる方向に円筒部7が突設されている。リアハウジング3Bの円筒部7の周りには取付プレート60が固定される。該取付プレート60に複数のスタットボルト8が取り付けられる。そして、本電動倍力装置1Aは、その円筒部7を車両のエンジンルームと車室との隔壁であるダッシュパネル(図示せず)に貫通させて車室内に延ばした状態で、エンジンルーム内に配置して、複数のスタッドボルト8を用いてダッシュパネルに固定している。
マスタシリンダ4内には、有底のシリンダボア9が形成されている。このシリンダボア9の開口部側には、略円筒状のプライマリピストン10が配置されている。このプライマリピストン10の前端側は、カップ状に形成され、シリンダボア9内に配置されている。また、シリンダボア9の底部側には、カップ状のセカンダリピストン11が配置されている。プライマリピストン10の後端部は、マスタシリンダ4の開口部からハウジング3内に延出して、リアハウジング3Bの円筒部7内まで延びている。マスタシリンダ4のシリンダボア9内には、プライマリピストン10とセカンダリピストン11との間にプライマリ室12が形成され、シリンダボア9の底部とセカンダリピストン11との間にセカンダリ室13が形成されている。
マスタシリンダ4のプライマリ室12及びセカンダリ室13は、液圧検出手段65に連通しており、該液圧検出手段65によりマスタシリンダ4のプライマリ室12及びセカンダリ室13の液圧が検出される。なお、図12に、液圧検出手段65からのマスタシリンダ4の液圧に係る出力信号(出力電圧:VF1〜VF2)と、後述する入力プランジャ29のストローク量(S0〜S3)との関係を示している。なお、「S0」は入力プランジャ29の初期位置(ブレーキペダル6の未操作状態)に相当して、「S3」は入力プランジャ29のフルストローク位置に相当する。該液圧検出手段65が、特許請求の範囲に記載したブレーキペダル6の操作状態を検出する他の検出手段に相当する。
図1も参照して、これらのプライマリ室12及びセカンダリ室13は、それぞれ、マスタシリンダ4の液圧ポートから2系統の液圧回路69を介して液圧制御ユニット66に連通している。該液圧制御ユニット66は、各車輪のホイールシリンダ67に連通しており、マスタシリンダ4により発生されるブレーキ液の液圧を各車輪のホイールシリンダ67に伝達して、各車輪のディスクロータ68の回転に対してそれぞれ制動力を発生させて、車両に制動力を発生させる。
また図2に示すように、マスタシリンダ4には、プライマリ室12及びセカンダリ室13をそれぞれリザーバ5に接続するためのリザーバポート14、15が設けられている。シリンダボア9の内周面には、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11との間をシールする環状のピストンシール16、17、18、19が軸方向に沿って所定間隔をもって装着されている。ピストンシール16、17は、軸方向に沿って一方のリザーバポート14(後側)を挟んで配置されている。そして、プライマリピストン10が図2に示す非制動位置にあるとき、プライマリ室12は、プライマリピストン10の側壁に設けられたピストンポート20を介してリザーバポート14に連通する。そして、プライマリピストン10が非制動位置から前進してピストンポート20が一方のピストンシール17に達したとき、プライマリ室16がピストンシール17によってリザーバポート14から遮断されて液圧が発生する。
同様に、残りの2つのピストンシール18、19は、軸方向に沿ってリザーバポート15(前側)を挟んで配置されている。セカンダリピストン11が図2に示す非制動位置にあるとき、セカンダリ室13は、セカンダリピストン11の側壁に設けられたピストンポート21を介してリザーバポート15に連通している。そして、セカンダリピストン11が非制動位置から前進してピストンシール19によってセカンダリ室13がリザーバポート15から遮断されて液圧が発生する。
プライマリピストン10とセカンダリピストン11との間には、バネ22が介装されている。また、シリンダボア9の底部とセカンダリピストン11との間には、バネ23が介装されている。プライマリピストン10は、全体が略円筒状に形成され、軸方向中央内部に中間壁24を設けている。該中間壁24には、案内ボア25が軸方向に貫通している。案内ボア25には、入力ピストン26が摺動可能かつ液密的に挿通されている。該入力ピストン26は、前側に位置する小径部26Aと、該小径部26Aから連続して後側に延びる大径部26Bとからなる段付形状に形成される。そして、入力ピストン26の小径部26Aが、案内ボア25内に摺動可能かつ液密的に挿通されている。
入力ピストン26の小径部26Aの外周面と、プライマリピストン10の中間壁24に設けた案内ボア25の内周面との間は、シール27によってシールされている。入力ピストン26の大径部26Bの後端には、外側フランジ状のバネ受部26Cが形成されている。バネ受部26Cの外周部は、プライマリピストン10の後側の内壁面に近接して配置される。入力ピストン26の後端面には、ガイド用凹部26Dが形成されている。入力ピストン26は、マスタシリンダ4のプライマリ室12に、その小径部26Aの前端部が臨むとともに、プライマリピストン10に対して軸方向に沿って相対移動可能となっている。
プライマリピストン10の後側の内部における入力ピストン26の後方には、入力部材としての入力プランジャ29が軸方向に沿って移動可能に案内されている。入力プランジャ29は、図4も参照して、軸部29Aと、該軸部29Aの軸方向後端に径方向外方に突設される環状部29Bと、軸部29Aの前端面から前方に向かって突設される小径突設部29Cと、軸部29Aの後端面に設けた球状凹部29Dと、該球状凹部29D周辺から後方に突設されるバネ受け部29Eとが一体的に構成される。入力ロッド30の前端部のボールジョイント31が入力プランジャ29の球状凹部29Dに連結され、入力ロッド30の軸方向に対するある程度の傾きを許容するようになっている。入力プランジャ29の小径突設部29Cが、入力ピストン26の後端面に設けたガイド用凹部26Aに挿通されている。
入力ロッド30は、入力プランジャ29に連結される前端側が、リアハウジング3Bの円筒部7及びプライマリピストン10の後側の内部に配置され、後端側が円筒部7から外部に延出している。図1も参照して、入力ロッド30の後端部にクレビス30Aを介してブレーキペダル6が連結される。そして、該ブレーキペダル6の操作により入力ロッド30が軸方向に移動する。また、入力ロッド30の円筒部7内に配置されたほぼ中間部位には、鍔状のストッパ当接部32が形成されている。円筒部7の後端部には、径方向内側に延びるストッパ33が形成されており、入力ロッド30のストッパ当接部32がストッパ33に当接することにより、入力ロッド30の後退位置が規定されるようになっている。
ストローク検出装置54Aは、ブレーキペダル6の操作量(ストローク量)として、入力ロッド30に連動して軸方向に沿って往復移動する入力プランジャ29のストローク量(移動位置)を検出するものである。図3及び図4に示すように、本ストローク検出装置54Aは、入力プランジャ29に装着される第1及び第2磁性体70A、70Bと、第1及び第2磁性体70A、70Bからの磁束密度を検出する磁気センサであるホールセンサユニット71Aとを備えている。本実施形態では、第1及び第2磁性体70A、70Bは2つ備えられているが、3つ以上備えてもよい。また、本実施形態では、第1及び第2磁性体70A、70Bは、共に円筒状で同じ大きさに形成されるが、必ずしも同じ大きさとしなくともよい。該第1及び第2磁性体70A、70Bは、円筒状支持体72の両端に設けた周方向に延びる切欠き部72A、72Aにそれぞれ装着される。そして、第1及び第2磁性体70A、70Bを含む円筒状支持体72が入力プランジャ29の軸部29Aに装着される。第2磁性体70Bは入力プランジャ29の環状部29Bに接触する。なお、第2磁性体70Bは、入力プランジャ29の環状部29Bと接触せずに隙間を空けて配置するようにしてもよい。
第1磁性体70Aと第2磁性体70Bとの間の間隔は、入力プランジャ29(入力ロッド)の最大のストローク量(移動量)よりも小さく設定される。第1磁性体70Aがマスタシリンダ4側(前側)に、第2磁性体70Bがブレーキペダル6側(後側)に配置される。第1及び第2磁性体70A、70Bは、入力プランジャ29の軸方向に異方性となるように磁極がN極とS極に分かれて配置されている。具体的に、図7も参照して、第1磁性体70Aはマスタシリンダ4側(前側)にN極が配置され、ブレーキペダル6側(後側)にS極が配置される。一方、第2磁性体70Bはマスタシリンダ4側(前側)にS極が配置され、ブレーキペダル6側(後側)にN極が配置される。なお、第1磁性体70A及び第2磁性体70Bは、磁極が逆に配置されてもよく、径方向に向かってN極及びS極が配置されてもよい。この場合には、第1磁性体70Aと第2磁性体70Bとの極性を逆転させて配置する。
ホールセンサユニット71Aは、図3及び図4に示すように、磁束密度を検出する2つのホールICチップ75、75と、各ホールICチップ75、75が取り付けられる電子基板76と、該電子基板76を保持して、コネクタ部77Cを有するケーシング77とを備えている。2つのホールICチップ75、75は、電子基板76の表面と裏面とにそれぞれ装着される。ケーシング77は、第1及び第2磁性体70A、70Bを含む電子基板76を収容する直方体のケーシング部77Aと、該ケーシング部か77Aからマスタシリンダ4側に延びる板状支持部77Bと、該板状支持部77Bから外方に突出して、屈曲するようにしてマスタシリンダ4側(前側)に延びるコネクタ部77Cとから構成される。該ホールセンサユニット71Aは、入力プランジャ29の中心軸線に対して直交する方向に所定距離離れた位置に配置され、マスタシリンダ4に複数の固定ボルト80により固定される。具体的には、ホールセンサユニット71Aは、図2も参照して、マスタシリンダ4の後端から後方に至る部位に、2つのホールICチップ75、75を含む基板76を収容するケーシング部77Aが配置され、板状支持部77Bがプライマリピストン10の外周面と戻しバネ49との間に配置され、コネクタ部77Cが外部に露出されてマスタシリンダ4側に指向する。
なお、図5及び図6は、入力プランジャ29とホールセンサユニット71Aとの位置関係を示す図であり、図5は、入力プランジャ29が初期位置であるときの位置関係を示し、図6は、入力プランジャ29がフルストローク位置であるときの位置関係を示している。
図8は、ホールICチップによる磁束密度の検出方法を説明するための図である。なお、二つのホールICチップ75、75は、いずれも同様の構成を有するので、一つのホールICチップ75(図15のOUT1で示すホールICチップ)の構成のみを説明する。
例えば、ホールICチップ75と、第1磁性体70Aとの位置関係が図8に示す状態にある場合、第1磁性体70Aの磁力線は、軸方向前側のN極から入力プランジャ29の軸方向に沿うように向かい、ホールICチップ75のホール素子によって、入力プランジャ29の中心軸線に平行なX方向の磁束密度Bxと、中心軸線に直交する方向(径方向)のZ方向の磁束密度Bzとを検出することができる。これにより、検出した2方向の磁束密度(Bx、Bz)から磁束密度のベクトル角θを算出する。この磁束密度のベクトル角θは、θ=arctan(Bz/Bx)で算出することができる。
そして、本実施形態では、ホールセンサユニット71A(ホールICチップ75)によって検出される、第1及び第2磁性体70A、70Bからの磁束密度の分布は図9に示す分布となり、第1及び第2磁性体70A、70Bが、入力プランジャ29と共にその軸線上を直動した際に、ホールセンサユニット71A(ホールICチップ75)がX方向の磁束密度Bx及びZ方向の磁束密度Bzを検出する。
この算出された磁束密度のベクトル角θは、図10に示すように、入力プランジャ29の移動範囲S0〜S3において、入力プランジャ29の移動に伴って、0deg〜360degの範囲で周期的に変化する周期関数となる。なお、この周期関数は、ストローク量S0〜S1の間が1番目の周期、ストローク量S1〜S2の間が2番目の周期、ストローク量S2〜S3の間が3番目の周期となる。また、上述したように、ストローク量S0は入力プランジャ29の初期位置であり、S3は入力プランジャ29のフルストローク位置である。ホールセンサユニット71Aは、算出した磁束密度のベクトル角θを出力信号(出力電圧)に変換して、コントローラ55へ出力している。図11に示すように、入力プランジャ29のストローク量(S0〜S3)に対するホールセンサユニット71A(ホールICチップ75)からの出力信号(出力電圧:VH1〜VH2)も当然ながら周期関数となる。ストローク検出装置54Aの作用は以下に詳述する。
図2に示すように、プライマリピストン10の中間壁24と、入力ピストン26の後端部に形成されたバネ受部26Cとの間に、圧縮コイルバネである第1バネ34が介装されている。また、入力プランジャ29の後端部に設けられたバネ受け部29Eと、プライマリピストン10の後端部に取付けられたバネ受35との間に、圧縮コイルばねである第2バネ36が介装されている。また、円筒状部材37が、後述するボールネジ機構38の構成である筒状のネジ軸40内に配置されている。該円筒状部材37は、その後端部がバネ受35の外周部の前面に接触して、ネジ軸40の前端からやや前方に至る位置まで延びている。該円筒状部材37の前端面にはバネ受37Aが形成される。
入力ピストン26及び入力プランジャ29は、第1バネ34及び第2バネ36によって、図2に示す中立位置、すなわち、第1バネ34の付勢力と、第2バネ36の付勢力とが釣合う位置に弾性的に保持される。入力ピストン26及び入力プランジャ29は、プライマリピストン10に対して、この中立位置から前方及び後方に移動可能になっている。
ハウジング3内には、回転直動変換機構であり、アシスト機構としてのボールネジ機構38が収容されている。ボールネジ機構38は、ハウジング3に配置された電動モータ2によって駆動され、回転運動を直線運動に変換してプライマリピストン10に推力を付与するものである。ボールネジ機構38は、ナット部材39及びネジ軸40を有している。ナット部材39は、軸受部材42によってハウジング3内で回転可能に支持されている。該軸受部材42はリアハウジング3Bに固定される。
ネジ軸40は、筒状に形成されている。該ネジ軸40は、ナット部材39の内部からハウジング3の円筒部7内に至るまで延び、軸方向に沿って移動可能で、かつ、軸回りに回転しないようにハウジング3に支持されている。該ネジ軸40は、フロントハウジング3Aの底部と、円筒状部材37の前端に設けたバネ受37Aとの間に介装された圧縮コイルバネである戻しバネ49の付勢力によって後退方向に付勢されている。ナット部材39の内周面及びネジ軸40の外周面には、それぞれ螺旋溝39A、40Aが形成されている。これら螺旋溝39A、40A間には、複数の転動体であるボール41がグリスと共に装填されている。ネジ軸40は、円筒部7のストッパ33よって軸方向に沿って移動可能に案内され、軸回りに回転しないよう支持されている。これにより、ナット部材39の回転に伴い、螺旋溝39A、40Aに沿ってボール41が転動して、ネジ軸40が軸方向に移動する。ボールネジ機構38は、ナット部材39とネジ軸40との間で、回転、直線運動を相互に変換可能になっている。
プライマリピストン10は、後端部がネジ軸40内に挿入され、バネ受35の外周部の後面がネジ軸40の内周部に形成された環状の段部44に当接して、ネジ軸40に対する後退位置が規定されている。これにより、ネジ軸40の前進により、プライマリピストン10が円筒状部材37と共に、段部44に押されて、また、段部44から離間して単独で前進することができる。
電動モータ2は、マスタシリンダ4、入力ロッド30及びボールネジ機構38とは、別軸でハウジング3内に収容されている。電動モータ2は、その出力軸2Aにプーリ45Aが取付けられている。出力軸2Aは軸受部材50、51によりハウジング3内に回転自在に支持される。ボールネジ機構38のナット部材39にもプーリ45Bが取付けられている。出力軸2Aのプーリ45Aと、ナット部材39のプーリ45Bとにベルト46が巻回されている。そして、電動モータ2は、プーリ45A,45B及びベルト46を介して、ボールネジ機構38のナット部材39を回動させるようになっている。
電動倍力装置1Aには、電動モータ2の回転位置を検出する回転位置センサ(図示せず)、ブレーキペダル6の操作量に基づく入力プランジャ29のストローク量を検出すべく、ホールセンサユニット71Aを有するストローク検出装置54A、及びマスタシリンダ4のプライマリ室12及びセカンダリ室13の液圧を検出する液圧検出手段65等からの出力信号(出力電圧)に基づいて電動モータ2の作動を制御するマイクロプロセッサベースの、制御手段としてコントローラ55が設けられている。なお、このコントローラ55は、回生協調制御、ブレーキアシスト制御、自動ブレーキ制御等の様々なブレーキ制御を実行するための車載コントローラ等に適宜接続することができる。
次に、ブレーキペダル6の操作に伴って、コントローラ55がストローク検出装置54A及び液圧検出手段65からの出力信号(出力電圧)に基づいて、入力プランジャ29(入力ロッド30)のストローク量を得るための制御フローを図14に基づいて説明する。なお、コントローラ55には、予め、図11及び図15に示すような、ホールセンサユニット71A(各ホールICチップ75)からの、入力プランジャ29のストローク量に対する出力信号(出力電圧)の周期関数が入力されている。また、コントローラ55には、予め、図12に示すような、液圧検出手段65からの、入力プランジャ29のストローク量に対する出力信号(出力電圧)の関係が入力されている。
ステップS1において、電動倍力装置1Aの電源を起動する。続いて、ステップS2において、電動倍力装置1Aの電源が起動しているか否かが判定される。続いて、ステップS2において、電動倍力装置1Aの電源が起動していないと判定される(No)と、ステップS3にて、コントローラ55により電動倍力装置1Aの電源を起動して、ステップS4及びステップS5に進む。ステップS2において、電動倍力装置1Aの電源が起動していると判定される(Yes)と、ステップS4及びステップS5に進む。
次に、ステップS4では、ストローク検出装置54Aが作動中であるか否かが判定される。続いて、ステップS4において、ストローク検出装置54Aが作動していない(No)と判定されると、ステップS6に進み、コントローラ55によりストローク検出装置54Aの電源が起動されて、ステップ7に進む。一方、ステップS4において、ストローク検出装置54Aが作動中である(Yes)と判定されると、ステップS7に進む。
次に、ステップS7において、ブレーキペダル6が操作されると、各ホールICチップ75により、第1及び第2磁性体70A、70Bからの磁束密度のベクトル角θを検出する。続いて、ステップS8において、コントローラ55がストローク検出装置54Aからの磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号(出力電圧)を取得する。
また、ステップS5では、液圧検出手段65が作動中であるか否かが判定される。続いて、ステップS5において、液圧検出手段65が作動していないと判定される(No)と、ステップS9に進み、コントローラ55により液圧検出手段65を起動して、ステップS10に進む。一方、ステップS5において、液圧検出手段65が作動中であると判定される(Yes)と、ステップS10に進む。
次に、ステップS10において、ブレーキペダル6が操作されると、液圧検出手段65により、マスタシリンダ4のプライマリ室12及びセカンダリ室13の液圧値を検出する。続いて、ステップS11において、コントローラ55が液圧検出手段65からの液圧値に基づく出力信号(出力電圧)を取得する。
次に、ステップS12において、コントローラ55は、ステップS11におけるコントローラ55が取得した液圧検出手段65からの液圧の出力信号(出力電圧)に基づいて、ステップS8におけるコントローラ55が取得した各ホールICチップ75からの磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号(出力電圧)が、N番目の周期に相当するかを判別する。この判別結果に基づいて、ステップS13にて、ブレーキペダル6の操作に伴う入力プランジャ29のストローク量を得る。
すなわち、図13に示す、一つのホールICチップ75からの、ストローク量に対する磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号(出力電圧)の周期関数(ストローク量S0〜S1の間に1番目の周期、ストローク量S1〜S2の間に2番目の周期、ストローク量S2〜S3の間に3番目の周期を有する周期関数)と、液圧検出手段65からの、ストローク量に対する液圧値の出力信号(出力電圧)の関係とを重ね合わせたグラフを参照すると、例えば、ホールICチップ75からの出力信号(出力電圧)がVH1aの場合には、ストローク量がS1a及びS2aの2通りの値が得られていずれかを特定することができない。しかしこの時、液圧検出手段65からの出力信号(出力電圧)がVF1a〜VF1bの範囲内で検出されれば、入力プランジャ29の移動状態が、ストローク量に対するホールICチップ75の出力信号(周期関数)の2番目の周期に相当することが解り、ストローク量がS1aであると特定される。一方、液圧検出手段65からの液圧がVF1b〜VF2の範囲内で検出されれば、入力プランジャ29の移動状態が、ストローク量に対するホールICチップ75の出力信号(周期関数)の3番目の周期に相当することが解り、ストローク値がS2aであると特定される。
なお、ホールICチップ75からの出力信号(出力電圧)が最大値(VH2)から急激に降下し(図15のOUT1で示すホールICチップ)、且つ液圧検出手段65からの液圧がVF1a付近または最大値VF2の1/2以下を検出した場合は、ストローク値がS1であると特定される。一方、ホールICチップ75からの出力信号(出力電圧)が最大値(VH2)から急激に降下し(図15のOUT1で示すホールICチップ)、且つ液圧検出手段65からの液圧がVF1b付近または最大値VF2の1/2以上を検出した場合は、ストローク値がS2であると特定される。
そして、ステップS14において、コントローラ55で得た入力プランジャ29のストローク量に基づいて電動モータ2を制御する。
また、本発明の実施形態に係る電動倍力装置1Aに採用したホールセンサユニット71Aは、2つのホールICチップ75、75を有しているので、図15に示すように、一方のホールICチップ75がストローク量の増加に応じて出力値も増加する(VH1→VH2)のに対して、他方のホールICチップ75がストローク量の増加に応じて出力値が減少する(VH2→VH1)クロス特性を有している。
係る構成によれば、2つのホールICチップ75、75の出力信号(出力電圧)を足して2で割った算出値を監視することにより、自己故障診断をすることができる。例えば、図15に示すように、ストローク量S1からS2への移動に対して、一方のホールICチップ75の出力信号(出力電圧)OUT1をVH1→VH2とし、他方のホールICチップ75の出力信号(出力電圧)OUT2をVH2→VH1に変化する設定とした場合に、2つのホールICチップ75、75が正常であれば算出値はVH1とVH2の平均値Vave(=(VH1+VH2)/2)となり、いずれか一方に異常があれば算出値は平均値Vave以外の値となり、自己故障診断が可能となる。
次に、本電動倍力装置1Aの作動について説明する。
ブレーキペダル6を操作して入力ロッド30を前進させると、ブレーキペダル6の操作量、すなわち、上述したような図14に示す制御フローにて検出した入力ロッド30(入力プランジャ29)のストローク量に基づいてコントローラ55が電動モータ2の作動を制御する。電動モータ2により、プーリ45A,45B及びベルト46を介してボールネジ機構38のナット部材39を回転駆動させることで、ネジ軸40を前進させる。すると、ネジ軸40の段部44により、プライマリピストン10のバネ受35が押圧されて、プライマリピストン10が前進して入力ロッド30のストロークに追従する。これにより、プライマリ室12に液圧が発生し、また、この液圧がセカンダリピストン11を介してセカンダリ室13に伝達される。このようにして、マスタシリンダ4で発生したブレーキ液圧は、各車輪のホイールシリンダ67に供給され、摩擦制動による制動力を発生させる。
ブレーキペダル6の操作を解除すると、コントローラ55は、入力ロッド30のストロークに基づいて電動モータ2を逆回転させることで、プライマリピストン10及びセカンダリピストン11が後退して、マスタシリンダ4のブレーキ液圧が減圧されて制動力が解除される。
液圧発生時には、プライマリ室12の液圧を入力ピストン26の小径部26Aによって受圧し、その反力を、入力プランジャ29及び入力ロッド30を介してブレーキペダル6に伝達、すわなち、フィードバックする。これにより、所定の倍力比(ブレーキペダル6の操作力に対する液圧出力の比)で所望の制動力を発生させることができる。そして、コントローラ55は、電動モータ2の作動を制御して、入力ピストン26と、これに追従するプライマリピストン10との相対位置を調整することが可能となっている。具体的には、入力ピストン26のストローク位置に対して、プライマリピストン10の位置を前方、すなわち、マスタシリンダ4側に調整することによりブレーキペダル6の操作に対する液圧出力を大きく、また、後方、すなわち、ブレーキペダル6側に調整することによりブレーキペダル6の操作に対する液圧出力を小さくすることができる。その結果、倍力制御、ブレーキアシスト制御、車間制御、回生協調制御等のブレーキ制御を実行することができる。
そして、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aに採用したストローク検出装置54A及びコントローラ55の特有の効果を説明する。
そこで、従来の電動倍力装置に採用されたストローク検出装置では、検出するストローク量が長くなると、磁束密度の変化が緩やかになり、検出精度が低下する。検出精度を低下させない方法として、磁性体の数量を増やす方法があるが、磁束密度のベクトル角(出力信号)は、上述したように、入力プランジャ29(入力ロッド30)の移動範囲S0〜S3の間において、入力プランジャ29の移動に伴って、0deg〜360degの範囲で周期的に繰り返し変化する周期関数(図11及び図15参照)となる。このために、同じ出力信号(出力電圧)の時にストローク値が複数得られる場合があり、コントローラ55が、この出力信号を得た場合にストローク量を特定することができない。このために、この出力信号がN番目の周期であるか、周期数をカウントする必要があり、カウンタ機能を追加する必要がある。さらに、カウンタシステムが起動していない状態で、ブレーキペダル6が操作されると、周期関数の周期数をカウントできず、真のストローク量を得ることができない。
この問題に鑑みて、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aに備えたコントローラ55は、ブレーキペダル6が操作された際、各ホールICチップ75からの出力信号に対応する入力プランジャ29のストローク量が複数存在する場合、液圧検出手段65からの出力信号に基づいて、入力プランジャ29のストローク量を選択して検出することができる。すなわち、コントローラ55により、ブレーキペダル6が操作された際、各ホールICチップ75からの出力信号が、液圧検出手段65からの出力信号に基づいて、予め入力された、ストローク量に対する各ホールICチップ75からの出力信号の周期関数のN番目の周期のものであるかを判別することで、入力プランジャ29のストローク量を得ることができる。これにより、第1及び第2磁性体70A、70Bの間隔を入力プランジャ29の最大のストローク量より小さく設定することができ、さらに、磁界空間を確保すべく各磁性体の大きさを大きくする必要がないので、小型化及び低コスト化を実現しつつ、入力プランジャ29(入力ロッド30)のストローク量を精度良く検出することができる。
次に、第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bを、図16〜図19に基づいて説明する。第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bを説明する際には、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aとの相違点を主に説明する。第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bでは、採用したストローク検出装置54Bが、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aのストローク検出装置54Aと相違している。
第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bに採用したストローク検出装置54Bのホールセンサユニット71Bは、図16に示すように、磁束密度を検出する2つのホールICチップ75、75と、各ホールICチップ75よりもマスタシリンダ4側に配置される磁気反応型ホールICチップ83と、各ホールICチップ75及び磁気反応型ホールICチップ83が取り付けられる電子基板76と、該電子基板76を保持してコネクタ部77Cを有するケーシング77とを備えている。要するに、第2の実施形態に係る電動倍力装置に採用したストローク検出装置54Bは、そのホールセンサユニット71Bに、磁束密度を検出する各ホールICチップ75よりもマスタシリンダ4側の位置に磁力の有無を検出する磁気反応型ホールICチップ83を加えた形態が採用されている。なお、ホールセンサユニット71Bの磁気反応型ホールICチップ83が、特許請求の範囲に記載したブレーキペダル6の操作状態を検出する他の検出手段に相当する。
図18は、磁気反応型ホールICチップ83の出力信号(出力電圧)と、入力プランジャ29のストローク量との関係を示すものであり、入力プランジャ29が前進して、第1磁性体70Aと磁気反応型ホールICチップ83との間の距離が所定値よりも短くなった時点で、磁気反応型ホールICチップ83から出力信号が出力される。
次に、ブレーキペダル6の操作に伴って、コントローラ55がストローク検出装置54Bからの出力信号に基づいて、入力プランジャ29のストローク量を得るための制御フローを図17に基づいて説明する。なお、コントローラ55には、予め、図11及び図15に示すような、ホールセンサユニット71Bの各ホールICチップ75からの、入力プランジャ29のストローク量に対する出力信号の周期関数が入力されている。また、コントローラ55には、予め、図18に示すような、磁気反応型ホールICチップ83からの、入力プランジャ29のストローク量に対する出力信号(出力電圧)の関係が入力されている。
ステップS21において、電動倍力装置1Bの電源を起動する。続いて、ステップS22において、電動倍力装置1Bの電源が起動されたか否かが判定される。続いて、ステップS22において、電動倍力装置1Bの電源が起動していないと判定される(No)と、ステップS23にて、コントローラ55により電動倍力装置1Bの電源を起動して、ステップS24に進む。ステップS22において、電動倍力装置1Bの電源が起動していると判定される(Yes)と、ステップS24に進む。
次に、ステップS24では、ストローク検出装置54Bが作動中であるか否かが判定される。続いて、ステップS24において、ストローク検出装置54Bが作動していない(No)と判定されると、ステップS25に進み、コントローラ55によりストローク検出装置54Bの電源が起動されて、ステップS26及びS28に進む。一方、ステップS4において、ストローク検出装置54Bが作動中である(Yes)と判定されると、ステップS26及びS28に進む。
次に、ステップS26及びS27において、ブレーキペダル6が操作されると、各ホールICチップ75により、第1及び第2磁性体70A、70Bからの磁束密度のベクトル角θを検出する。続いて、ステップS8において、コントローラ55が各ホールICチップ75からの磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号を取得する。
これと同時に、ステップS28及びS29において、ブレーキペダル6が操作されると、磁気反応型ホールICチップ83により、第1磁性体70Aからの磁力の有無を検出して、コントローラ55が磁気反応型ホールICチップ83からの磁力の有無に基づく出力信号を取得する。
次に、ステップS30において、コントローラ55は、ステップS29におけるコントローラ55が取得した磁気反応型ホールICチップ83からの磁力の有無に基づく出力信号(出力電圧)に基づいて、ステップS27におけるコントローラ55が取得した各ホールICチップ75からの磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号(出力電圧)が、N番目の周期に相当するかを判別する。この判別結果に基づいて、ステップS31にて、ブレーキペダル6の操作に伴う入力プランジャ29のストローク量を得る。
すなわち、図19に示す、一つのホールICチップ75からの、ストローク量に対する磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号(出力電圧)の周期関数(ストローク量S0〜S1の間に1番目の周期、ストローク量S1〜S2の間に2番目の周期、ストローク量S2〜S3の間に3番目の周期を有する周期関数)と、ストローク量に対する磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号(出力電圧)の関係とを重ね合わせたグラフを参照すると、例えば、各ホールICチップ75からの出力信号がVH1aの場合には、ストローク量がS1a及びS2aの2通りの値が得られていずれかを特定することができない。しかしこの時、磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号が検出されなければ(ゼロ)、入力プランジャ29の移動状態が、ストローク量に対するホールICチップ75の出力信号(周期関数)の2番目の周期に相当することが解り、ストローク量がS1aであると特定される。一方、磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号が検出されれば(V)、入力プランジャ29の移動状態が、ストローク量に対するホールICチップ75の出力信号(周期関数)の3番目の周期に相当することが解り、ストローク量がS2aであると特定される。
なお、ホールICチップ75からの出力信号(出力電圧)が最大値(VH2)から急激に降下し、且つ磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号が検出されなければ(ゼロ)、ストローク値がS1であると特定される。一方、ホールICチップ75からの出力信号(出力電圧)が最大値(VH2)から急激に降下し、且つ磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号が検出されれば(V)、ストローク値がS2であると特定される。
そして、ステップS32において、コントローラ55で得た入力プランジャ29のストローク量に基づいて電動モータ2を制御する。
そして、本発明の第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bでは、コントローラ55は、ブレーキペダル6が操作された際、各ホールICチップ75からの出力信号が、磁気反応型ホールICチップ83からの出力信号に基づいて、予め入力された、ストローク量に対する各ホールICチップ75からの出力信号の周期関数のN番目の周期のものであるかを判別することで、入力プランジャ29のストローク量を得ることができる。これにより、第1の実施形態に係る電動倍力装置1Aと同様の効果を奏することができる。
なお、第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bに採用した、図16に示すストローク検出装置54Bは、単独で電動倍力装置1B以外の、移動部材を備え、該移動部材のストローク量を検出する必要のある種々の装置に搭載することができる。この実施形態では、ストローク検出装置54Bに、制御手段としてのコントローラを内蔵する必要がある。該コントローラは、各ホールICチップ75からの磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号を取得して、また磁気反応型ホールICチップ83からの磁力の有無に基づく出力信号を取得して、磁気反応型ホールICチップ83からの磁力の有無に基づく出力信号が、磁束密度のベクトル角θに基づく出力信号のN番目の周期に相当するかを判別して、判別されたN番目の周期におけるストローク量を得る機能を備える必要がある。
また、第2の実施形態に係る電動倍力装置1Bにおいては、磁力の有無を検出する磁気反応型ホールICチップ83は、ホールICチップ75よりもブレーキペダル6側となる位置に配置してもよく、この場合には、ストローク量が小さいときに磁力を検知する。また、磁気反応型ホールICチップ83の出力は、図18に示すような出力信号の出力に限定されるものではなく、コントローラ55に入力される、入力プランジャ9のストローク量に対する出力信号の情報によって任意に決めることが可能である。また、磁気反応型ホールICチップ83は、ホールICチップ75と同一の電子基板に配置しなくともよい。
1A、1B 電動倍力装置,2 電動モータ,3 ハウジング、4 マスタシリンダ、10 プライマリピストン、11 セカンダリピストン,29 入力プランジャ(入力部材、移動部材),30 入力ロッド,38 ボールネジ機構(アシスト機構),54A、54B ストローク検出装置,55 コントローラ(制御手段),65 液圧検出手段,70A 第1磁性体,70B 第2磁性体,71A、71B ホールセンサユニット(磁気センサ),75 ホールICチップ(磁気センサ),83 磁気反応型ICチップ(磁気反応型センサ)

Claims (4)

  1. ハウジングと、
    ブレーキペダルに連結されて前記ハウジング内に延び、磁性体が装着される入力部材と、
    前記ハウジングに設けられる電動モータと、
    該電動モータの作動により、マスタシリンダのピストンを推進するアシスト機構と、
    前記ハウジングに対する前記入力部材の移動位置を検出すべく、前記磁性体からの磁束密度を検出する磁気センサを有するストローク検出装置と、
    該ストローク検出装置の磁気センサからの出力値により、前記電動モータを作動させて、前記アシスト機構により前記マスタシリンダに液圧を発生させるための制御手段と、を備え、
    該制御手段は、前記磁気センサからの出力値に対応する前記入力部材の移動位置が複数存在する場合、前記ブレーキペダルの操作状態を検出する他の検出手段の出力信号に基づいて、前記入力部材の移動位置を選択して検出し、
    前記磁性体は、前記入力部材の軸方向に沿って間隔を置いて少なくとも2つ備えられ、最も外側に位置する各磁性体の間隔は、前記入力部材の最大の移動量より小さいことを特徴とする電動倍力装置。
  2. 前記他の検出手段は、前記マスタシリンダの液圧を検出する液圧検出手段であることを特徴とする請求項に記載の電動倍力装置。
  3. 前記他の検出手段は、前記磁気センサよりも前記マスタシリンダ側に配置され、前記磁性体からの所定の磁力の有無を検出する磁気反応型センサであることを特徴とする請求項に記載の電動倍力装置。
  4. 移動部材の移動位置を検出するストローク検出装置であって、
    該ストローク検出装置は、
    前記移動部材に装着される磁性体と、
    該磁性体からの磁束密度を検出する磁気センサと、
    前記磁性体からの所定の磁力の有無を検出する磁気反応型センサと、
    前記磁気センサからの出力値に対応する前記移動部材の移動位置が複数存在する場合、前記磁気反応型センサの出力信号に基づいて、前記移動部材の移動位置を選択して検出する制御手段と、を備え
    前記磁性体は、前記移動部材の軸方向に沿って間隔を置いて少なくとも2つ備えられ、最も外側に位置する各磁性体の間隔は、前記移動部材の最大の移動量より小さいことを特徴とするストローク検出装置。
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